JP2018024383A - 車線逸脱抑制装置 - Google Patents

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広矩 伊藤
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亮 猪俣
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Abstract

【課題】車線逸脱を抑制する。【解決手段】車線逸脱抑制装置(17)は、複数の車輪各々に設けられ、該複数の車輪各々に油圧に応じた制動力を付与する複数の制動機構(122FL、122RL、122FR、122RR)を備える車両(1)において、該車両の走行車線からの逸脱を抑制する。当該車線逸脱抑制装置は、逸脱の可能性がある場合に、複数の車輪のうち左右一方の側の前輪及び後輪に夫々付与される制動力により、逸脱を回避する方向のヨーモーメントが車両に付与されるように、前輪及び後輪に夫々設けられた制動機構各々に供給される油圧を制御する油圧制御手段(174)を備える。該油圧制御手段は、油圧の供給開始時から所定時間、後輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度が、前輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度より遅くなるように油圧を制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、現在走行している走行車線からの車両の逸脱を抑制可能な車線逸脱抑制装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば自車両が走行車線から逸脱傾向にあると判定されると、左右輪の制動力差により、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントを付与する装置が提案されている(特許文献1参照)。或いは、自車両が走行車線から逸脱傾向にあると判断されると、車輪に与える制動力により車両を逸脱回避側に旋回させつつ、制動力を与えた車輪以外の車輪を転舵する装置が提案されている。該装置では、左右前輪に制動力差が与えられると共に左右後輪が転舵される、又は、左右後輪に制動力差が与えられると共に左右前輪が転舵される、或いは、前輪の逸脱回避側の車輪に制動力が与えられると共に前輪の逸脱側の車輪が転舵される。(特許文献2参照)
特許第3826758号 特開2006−306203号公報
上記背景技術には、制動力の付与について改良の余地がある。
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、車線逸脱を抑制することができる車線逸脱抑制装置を提供することを課題とする。
本発明の車線逸脱抑制装置は、上記課題を解決するために、複数の車輪各々に設けられ、前記複数の車輪各々に油圧に応じた制動力を付与する複数の制動機構を備える車両において、前記車両の走行車線からの逸脱を抑制する車線逸脱抑制装置であって、前記逸脱の可能性がある場合に、前記複数の車輪のうち左右一方の側の前輪及び後輪に夫々付与される制動力により、前記逸脱を回避する方向のヨーモーメントが前記車両に付与されるように、前記前輪及び前記後輪に夫々設けられた制動機構各々に供給される油圧を制御する油圧制御手段を備え、前記油圧制御手段は、油圧の供給開始時から所定時間、前記後輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度が、前記前輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度より遅くなるように油圧を制御する。
車両の走行車線からの逸脱を回避する方向のヨーモーメントが付与されるように、複数の車輪のうち左右一方の側の前輪及び後輪に制動力が付与される場合、後輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度は、前輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度よりも遅い。この結果、前輪に係る制動力は、後輪に係る制動力よりも早く立ち上がる(即ち、油圧の供給開始時から所定時間は、前輪に比較的大きな制動力が付与される)。
当該車線逸脱装置によれば、車両の走行車線からの逸脱が抑制される際に、複数の車輪のうち左右一方の側の前輪及び後輪に制動力が付与されるので、複数の車輪のうち一車輪にのみに制動力が付与される場合に比べて、車輪への負荷を抑制することができる。
更に、当該車線逸脱抑制装置が、油圧の供給開始時から所定時間に、スリップ率から路面状態を推定するように構成されれば、前輪のスリップ率から路面状態を比較的早期に推定することができる。このような構成は、車輪と路面との間の摩擦係数が比較的小さい道路(所謂、低μ路)を、車両が走行している場合に特に有用である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る車線逸脱抑制動作を示すフローチャートである。 制動力の前輪配分と、外気温、降水量、下り勾配、前荷重又は曲率との関係の一例を示す図である。 実施形態に係る制限処理を示すフローチャートである。 スリップ率閾値と、目標制動力又は制動力配分との関係の一例を示す図である。 制動力とスリップ率との関係を路面の状態毎に示す図である。 制動力の前後輪配分の一例を示すタイミングチャートである。 制動力の前後輪配分の他の例を示すタイミングチャートである。 制動力の前後輪配分の他の例を示すタイミングチャートである。
本発明の車線逸脱抑制装置に係る実施形態について、図1乃至図9を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明の車線逸脱抑制装置が搭載された車両1を用いて説明を進める。
(車両の構成)
車両1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
図1において、車両1は、ブレーキペダル111と、マスタシリンダ112と、ブレーキアクチュエータ13と、左前輪121FLに配設されたホイールシリンダ122FLと、左後輪121RLに配設されたホイールシリンダ122FRと、右前輪121FRに配設されたホイールシリンダ122RLと、右後輪121RRに配設されたホイールシリンダ122RRと、ブレーキパイプ113FL、113RL、113FR及び113RRと、を備えている。
車両1は、更に、ステアリングホイール141と、振動アクチュエータ142と、車速センサ151と、車輪速センサ152と、ヨーレートセンサ153と、加速度センサ154と、カメラ155と、ディスプレイ16と、本発明に係る「車線逸脱抑制装置」の一具体例であるECU(Electronic Control Unit)17と、を備えている。
マスタシリンダ112は、ブレーキペダル111の踏み込み量に応じて、マスタシリンダ112内のブレーキフルード(或いは、任意の流体)の圧力を調整する。マスタシリンダ112内のブレーキフルードの圧力は、ブレーキパイプ113FL、113RL、113FR及び113RRを夫々介してホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRに伝達される。この結果、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRに伝達されるブレーキフルードの圧力に応じた制動力が、夫々、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRに付与される。
ブレーキアクチュエータ13は、ECU17の制御下で、ブレーキペダル111の踏み込み量とは無関係に、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRの夫々に伝達されるブレーキフルードの圧力を調整可能である。従って、ブレーキアクチュエータ13は、ブレーキペダル111の踏み込み量とは無関係に、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの夫々に付与される制動力を調整可能である。
ステアリングホイール141は、車両1を操舵する(即ち、転蛇輪を転蛇する)ためにドライバによって操作される操作子である。振動アクチュエータ142は、ECU17の制御下で、ステアリングホイール141を振動させることが可能である。
ECU17は、車両1の全体の動作を制御する。本実施形態では特に、ECU17は、現在走行している走行車線からの車両1の逸脱を抑制するための車線逸脱抑制動作を行う。つまり、ECU17は、所謂LDA(Lane Departure Alart)又はLDP(Lane Departure Prevention)を実現するための制御装置として機能する。
車線逸脱抑制動作を行うために、ECU17は、その内部に論理的に実現される処理ブロックとして又は物理的に実現される処理回路として、データ取得部171と、LDA制御部172と、LDA制限部173と、ブレーキ制御部174と、を備えている。
(車線逸脱抑制動作)
次に、本実施形態に係る車線逸脱抑制動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。本実施形態に係る車線逸脱抑制動作は、車両1の走行中に、定期的又は不定期的に繰り返し行われる。
車線逸脱抑制動作の概要
ECU17のLDA制御部172は、データ取得部171が取得した検出データ(即ち、車速センサ151、車輪速センサ152、ヨーレートセンサ153及び加速度センサ154各々の検出結果を示すデータ)と、カメラ155により撮像された画像データとに基づいて、車両1が、現在走行している走行車線から逸脱する可能性があるか否かを判定する。
LDA制御部172は、逸脱の可能性がある場合に、車両1の逸脱を抑制可能な抑制ヨーモーメントを車両1に付与するため、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRのうちの少なくとも一つに制動力を付与するように、ブレーキ制御部174を介して、ブレーキアクチュエータ13を制御する。つまり、本実施形態では、制動力差を用いて、車両1の走行車線からの逸脱が抑制される。以降、本実施形態に係る「車線逸脱抑制」を、適宜“B−LDA:Brake−LDA”と称する。
ここで、「車両1の逸脱を抑制」とは、車両1に抑制ヨーモーメントが付与されない場合の走行車線からの逸脱距離と比較して、車両1に抑制ヨーモーメントが付与される場合の走行車線からの逸脱距離を小さくすることを意味する。
車線逸脱抑制動作の詳細
図2において、先ず、データ取得部171は、車速センサ151、車輪速センサ152、ヨーレートセンサ153及び加速度センサ154各々の検出結果を示す検出データ、及びカメラ155が撮像した画像を示す画像データを取得する(ステップS101)。
LDA制御部172は、ステップS101の処理において取得された画像データを解析することで、車両1が現在走行している走行車線の車線端(本実施形態では、車線端の一例として“白線”を挙げる)を、カメラ155が撮像した画像内で特定する(ステップS102)。
LDA制御部172は、ステップS102の処理において特定された白線に基づいて、車両1が現在走行している走行車線が直線路であるかカーブ路であるかを判定し、カーブ路であると判定された場合は、走行車線の曲率半径を算出する(ステップS103)。尚、走行車線の曲率半径は、実質的には、白線の曲率半径と等価である。このため、LDA制御部172は、ステップS102の処理において特定された白線の曲率半径を算出すると共に、当該算出した曲率半径を、走行車線の曲率半径として取り扱ってよい。
LDA制御部172は、更に、ステップS102の処理において特定された白線に基づいて、車両1の現在の横位置、横速度及び逸脱角度を算出する(ステップS104)。ここで、「横位置」は、走行車線が延伸する方向(車線延伸方向)に直交する車線幅方向に沿った、走行車線の中央から車両1までの距離(典型的には、車両1の中央までの距離)を意味する。「横速度」は、車線幅方向に沿った車両1の速度を意味する。「逸脱角度」は、走行車線と車両1の前後方向軸とがなす角度(つまり、白線と車両1の前後方向軸とがなす角度)を意味する。
LDA制御部172は、更に、許容逸脱距離を設定する(ステップS105)。許容逸脱距離は、走行車線から車両1が逸脱する場合において走行車線からの車両1の逸脱距離(即ち、白線からの車両1の逸脱距離)の許容最大値を示す。このため、車線逸脱抑制動作は、走行車線からの車両1の逸脱距離が許容逸脱距離内に収まるように、車両1に対して抑制ヨーモーメントを付与する動作となる。
許容逸脱距離は、例えば次のように設定されてよい。即ち、LDA制御部172は、法規等の要請(例えば、NCAP:New Car Assessment Programmeの要請)を満たすという観点から許容逸脱距離を設定してよい。このような観点から設定された許容逸脱距離は、デフォルトの許容逸脱距離として用いられてよい。
逸脱角度が相対的に大きい場合には、逸脱角度が相対的に小さい場合と比較して、走行車線から車両1が逸脱した場合における車両1の逸脱距離が大きくなる可能性が高い。同様に、横速度が相対的に大きい場合には、横速度が相対的に小さい場合と比較して、走行車線から車両1が逸脱した場合における車両1の逸脱距離が大きくなる可能性が高い。つまり、逸脱角度及び横速度の少なくとも一方が相対的に大きい場合には、脱角度及び横速度の少なくとも一方が相対的に小さい場合と比較して、車両1の逸脱距離を許容逸脱距離内に収めるように車両1に付与される抑制ヨーモーメントが大きくなる可能性が高い。
他方で、過度に大きい抑制ヨーモーメントの付与は、車両1の挙動の不安定化を招く可能性がある。このため、LDA制御部172は、ステップS104の処理において算出された脱角度及び横速度の少なくとも一方に基づいて許容逸脱距離を設定してよい(或いは、デフォルトの許容逸脱距離を調整してよい)。この場合、LDA制御部172は、逸脱角度及び横速度の少なくとも一方が大きくなるほど許容逸脱距離が大きくなるように、許容逸脱距離を設定又は調整してよい。
その後、LDA制御部172は、車両1が、現在走行している走行車線から逸脱する可能性があるか否かを判定する(ステップS106)。具体的には例えば、LDA制御部172は、車両1の現在の速度、横位置及び横速度等に基づいて、車両1の将来の(例えば、数秒〜十数秒後の)位置を算出する。そして、LDA制御部172は、将来の位置において、車両1が白線を跨ぐ又は踏むか否かを判定する。将来の位置において、車両1が白線を跨ぐ又は踏むと判定された場合、LDA制御部172は、車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定する。
ステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性がないと判定された場合(ステップS106:No)、図2に示す車線逸脱抑制動作は終了される。
他方で、ステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定された場合(ステップS106:Yes)、LDA制御部172は、B−LDAに係る制御フラグをオンにすると共に、車両1が走行車線から逸脱する可能性がある旨を、ドライバに対して警告する(ステップS107)。具体的には、LDA制御部172は、例えば車両1が走行車線から逸脱する可能性があることを示す画像を表示するように、ディスプレイ16を制御する、及び/又は、車両1が走行車線から逸脱する可能性があることをステアリングホイール141の振動でドライバに伝えるように、振動アクチュエータ142を制御する。
車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定された場合、LDA制御部172は、更に、走行車線の中央から離れるように走行している車両1が、走行車線の中央に向かうように走行することになる新たな走行軌跡を算出する。このとき、算出される走行軌跡は、ステップS105の処理において設定された許容逸脱距離の制約を満たす。LDA制御部172は、新たは走行軌跡を走行する車両1に発生すると推定されるヨーレートを目標ヨーレートとして算出する(ステップS108)。
続いて、LDA制御部172は、車両1に目標ヨーレートを発生させるために、車両1に発生すべきヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして算出する(ステップS109)。例えば、LDA制御部172は、所定の変換関数に基づいて目標ヨーレートを目標ヨーモーメントに変換することで、目標ヨーモーメントを算出してもよい。尚、目標ヨーモーメントは、上述した抑制ヨーモーメントと等価である。
続いて、LDA制御部172は、目標ヨーモーメントを車両1に付与することが可能な制動力を算出する。このとき、LDA制御部172は、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの夫々に付与される制動力を個別に算出する。本実施形態では特に、LDA制御部172は、車両1の状態や車両1の周辺環境に基づいて、制動力の前後輪配分比を決定する。車両1の状態や周辺環境は、データ取得部171により取得された検出データ及び画像データ等に基づいて取得される。尚、車両1の状態としては、例えば車輪121FL、121RL、121FR及び121RR各々に加わる荷重が挙げられる。周辺環境としては、例えば外気温、降水量、走行車線の勾配及び走行車線の曲率が挙げられる。
制動力の配分は、図3に示すように、外気温が低いほど、制動力の前輪配分が大きくなる。また、降水量が大きくなるほど、下り勾配が大きくなるほど、前荷重が大きくなるほど、曲率が大きくなるほど、制動力の前輪配分が大きくなる。尚、制動力の配分についての具体例については後述する。
その後、ブレーキ制御部174は、LDA制御部172により算出された制動力を発生させるために必要なブレーキフルードの圧力を指定する圧力指令値を算出する(ステップS121)。このとき、ブレーキ制御部174は、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRの夫々の内部でのブレーキフルードの圧力を指定する圧力指令値を個別に算出する。
その後、ブレーキ制御部174は、ステップS121の処理において算出された圧力指令値に基づいて、ブレーキアクチュエータ13を制御する。この結果、圧力指令値に応じた制動力が、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRのうちの少なくとも一つに付与される(ステップS122)。このため、車両1に目標ヨーモーメントと等価な抑制ヨーモーメントが付与され、車両1の走行車線からの逸脱が抑制又は回避される。その後、B−LDAに係る制御フラグがオフにされ、図2に示す車線逸脱抑制動作は終了される。
(路面状態への対応)
ところで、路面状態によっては、上述したB−LDAにより車両1に抑制ヨーモーメントが付与されたときに、車両1に想定以上のヨーレートが発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、LDA制限部173により、抑制ヨーモーメントの付与(即ち、抑制ヨーモーメントを付与するための制動力の付与)を中止するか否かが決定される。この抑制ヨーモーメントの付与を中止するか否かを決定する制限処理について、図4のフローチャートを参照して具体的に説明する。尚、当該制限処理は、図2に示す車線逸脱抑制動作と並行して実施される。
図4において、LDA制限部は、B−LDAに係る制御フラグがオンであるか否か(即ち、B−LDA中であるか否か)を判定する(ステップS201)。この判定において、制御フラグがオンでない(即ち、B−LDA制御中でない)と判定された場合(ステップS201:No)、図3に示す制限処理は終了される。その後、LDA制限部173は、第1所定期間(例えば、数ミリ秒から数十ミリ秒)が経過した後に再度図3に示す制限処理を開始する。つまり、図3に示す制限処理は、第1所定期間に応じた周期で繰り返し行われる。
ステップS201の判定において、制御フラグがオンである(即ち、B−LDA制御中である)と判定された場合(ステップS201:Yes)、LDA制限部173は、車両1の状態や車両1の周辺環境を取得する(ステップS202)。続いて、LDA制限部173は、車両1の状態や車両1の周辺環境に基づいて、制動力の前後輪配分比を算出する(ステップS203)。尚、ステップS202及びS203の処理は、図2に示す車線逸脱抑制動作においてLDA制御部172が制動力の前後輪配分比を求める処理と共通であってよい。この場合、LDA制限部173は、LDA制御部172により算出された前後輪配分比を取得する。
次に、LDA制限部173は、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RR各々についてのスリップ率閾値KSi(“i”は車輪毎に変わる変数)を算出する(ステップS204)。ここで、スリップ率閾値KSiは、図5に示すように、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RR各々の目標制動力が大きくなるほど、又は制動力配分が大きくなるほど、大きくなる。
図6に示すように、車輪に付与される制動力が大きくなれば、路面状態にかかわらずスリップ率が増加する。他方で、制動力の変化が同じ(例えば、制動力b1から制動力b2への変化)であっても、車輪と路面との間の摩擦係数が小さいほどスリップ率の変化量は大きくなる。従って、目標制動力が大きくなるほど、又は制動力配分が大きくなるほど、スリップ率閾値KSiを大きくすることによって、スリップ率から路面状態を適切に判定することができる。
ブレーキ制御部174により、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRに制動力が付与された後(ステップS122)、LDA制限部173は、各車輪のスリップ率が、対応するスリップ率閾値KSi以下であるか否かを判定する(ステップS205)。
ステップS205の判定において、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRのいずれのスリップ率も、対応するスリップ率閾値KSi以下であると判定された場合(ステップS205:Yes)、図3に示す制限処理は終了される。その後、LDA制限部173は、第1所定期間が経過した後に再度図3に示す制限処理を開始する。従って、B−LDAに係る制御フラグがオンである限り、ステップS205の判定が繰り返し実施されることとなる。
他方、ステップS205の判定において、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの少なくとも一つの車輪のスリップ率が、対応するスリップ率閾値KSiより大きいと判定された場合(ステップS205:No)、LDA制限部173は、制動力の付与を中止するようにLDA制御部172を介してブレーキ制御部174を制御する(ステップS206)。この結果、抑制ヨーモーメントの付与が中止される。従って、車両1に想定以上のヨーレートが発生し、車両1の挙動が不安定になることを抑制することができる。
(制動力の前後輪配分)
上述した車線逸脱抑制動作における制動力の前後輪配分について、図7乃至図9を参照して説明する。
上述の如く、付与される制動力が大きくなるほどスリップ率が大きくなる(図6参照)。そして、付与される制動力が大きくなるほど、車輪と路面との間の摩擦係数の影響がスリップ率に大きく現れる。従って、車輪に付与される制動力を比較的早く大きくした方が、スリップ率が比較的早く大きくなり、低μ路を比較的早期に判定することができる。
このため、前輪に付与される制動力を後輪に付与される制動力よりも大きくすることが、低μ路を判定する観点からは望ましい。ただし、前輪に付与される制動力を、常に、後輪に付与される制動力より大きくしてしまうと、前輪の負荷が大きくなり好ましくない。そこで、本実施形態では図3に示すように、外気温、降水量、下り勾配、前荷重、曲率等に応じて、制動力の前輪配分が変更される。
尚、外気温や降水量は、路面の凍結や濡れによって車輪と路面との間の摩擦係数が低下するという観点から、制動力の前輪配分を決定する際のパラメータとして選択されている。走行車線の下り勾配や曲率、前荷重は、車両1がスリップした場合に、車両1の挙動への影響が比較的大きいという観点から、制動力の前輪配分を決定する際のパラメータとして選択されている。
さて、制動力の前後輪配分の具体例について説明する。図7に示す例では、油圧(即ち、ブレーキフルードの圧力)の供給開始から所定時間は、前輪のホイールシリンダ(即ち、122FL及び122FRの少なくとも一方)に供給される油圧が(図7の“Fr”参照)、後輪のホイールシリンダ(即ち、122RL及び122RRの少なくとも一方)に供給される油圧(図7の“Rr”参照)よりも大きくなるように、前後輪配分が決定されている。特に、供給開始から所定時間は、前輪のホイールシリンダに供給される油圧の昇圧速度が、後輪のホイールシリンダに供給される油圧の昇圧速度よりも早くなるように、言い換えれば、供給開始から所定時間は、後輪のホイールシリンダに供給される油圧の昇圧速度が、前輪のホイールシリンダに供給される油圧の昇圧速度よりも遅くなるように、前後輪配分が決定されている。
このような前後輪配分とすれば、前輪に付与される制動力が比較的早く大きくなる。このため、仮に走行車線が低μ路である場合、前輪のスリップ率が比較的早くスリップ率閾値KSiより大きくなり(即ち、比較的早く低μ路であることを判定でき)、制動力の付与(即ち、抑制ヨーモーメントの付与)が比較的早期に中止されることとなる。加えて、所定時間経過後は、後輪に付与される制動力が上昇するので、前輪の負荷を低減することが可能である。
図8に示す例では、B−LDAに係る制御フラグがオンである期間全てにおいて、前輪のホイールシリンダに供給される油圧が、後輪のホイールシリンダに供給される油圧よりも大きくなるように、前後輪配分が決定されている。図9に示す例では、B−LDAに係る制御フラグがオンである期間全てにおいて、前輪のホイールシリンダのみに油圧が供給されるように、前後輪配分が決定されている。これらの前後輪配分も、比較的早く低μ路であることを判定でき、制動力の付与(即ち、抑制ヨーモーメントの付与)が比較的早期に中止されることとなる。
(技術的効果)
本実施形態に係る車両逸脱抑制動作によれば、車両1が走行車線から逸脱する可能性がある場合には、抑制ヨーモーメントが車両1に付与される。このため、車両1の走行車線からの逸脱を抑制することができる。
本実施形態では特に、外気温が比較的低く、又は降水量が比較的多く、走行車線が低μ路である可能性が比較的高い場合、或いは、走行車線の下り勾配若しくは曲率が比較的大きく、又は車両1の前荷重が比較的大きく、車両1がスリップしたときに車両1の挙動が不安定になる可能性が比較的高い場合、前輪に付与される制動力が後輪に付与される制動力よりも大きくなるように前後輪配分が決定される。このため、前輪のスリップ率が比較的早く大きくなり、低μ路であるか否か(即ち、スリップ率がスリップ率閾値KSiより大きいか否か)の判定を比較的早く行うことができる。そして、低μ路であると判定された場合には、車両1への抑制ヨーモーメントの付与が中止されるので、車両逸脱抑制動作に起因して車両1の挙動が不安定になることを抑制することができる。
実施形態に係る「ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RR」は、実施形態に係る「制動機構」の一例である。実施形態に係る「ブレーキ制御部174」は、本発明に係る「油圧制御手段」の一例である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車線逸脱抑制装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…車両、13…ブレーキアクチュエータ、17…ECU、111…ブレーキペダル、112…マスタシリンダ、122FL、122RL、122FR、122RR…ホイールシリンダ、171…データ取得部、172…LDA制御部、173…LDA制限部、174…ブレーキ制御部

Claims (1)

  1. 複数の車輪各々に設けられ、前記複数の車輪各々に油圧に応じた制動力を付与する複数の制動機構を備える車両において、前記車両の走行車線からの逸脱を抑制する車線逸脱抑制装置であって、
    前記逸脱の可能性がある場合に、前記複数の車輪のうち左右一方の側の前輪及び後輪に夫々付与される制動力により、前記逸脱を回避する方向のヨーモーメントが前記車両に付与されるように、前記前輪及び前記後輪に夫々設けられた制動機構各々に供給される油圧を制御する油圧制御手段を備え、
    前記油圧制御手段は、油圧の供給開始時から所定時間、前記後輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度が、前記前輪に設けられた制動機構に供給される油圧の昇圧速度より遅くなるように油圧を制御する
    ことを特徴とする車線逸脱抑制装置。
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