JP6597703B2 - 車線逸脱抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現在走行している走行車線からの車両の逸脱を抑制することが可能な車線逸脱抑制装置の技術分野に関する。
車線逸脱抑制装置として、走行車線から車両が逸脱する可能性がある場合に、車輪に付与される制動力を制御することで、走行車線からの車両の逸脱を抑制可能なヨーモーメントを車両に付与する車線逸脱抑制装置が知られている。
上述した車線逸脱を抑制するための制御(以下、適宜「車線逸脱防止制御」と称する)は、例えば搭乗者が車線逸脱防止制御の実行を望まないと推測されるような状況下では、一時的に中止されることが好ましい。このため、特許文献1では、操舵トルクが閾値よりも大きい場合に車線逸脱防止制御を中止するという技術が提案されている。
特開2011−168194号公報
車線逸脱防止制御は、車両に制動力を付与する制御であるが故に、車両が悪路を走行している場合に実行すると、車両の挙動を不安定にする原因となることがある。よって、車両が悪路を走行している場合には、搭乗者の意図によらず車線逸脱防止制御が自動的に中止されることが好ましい。
車両の走行車線が悪路であるか否かは、例えば車両のスリップ率等を用いて判定できる。しかしながら、例えばダート路面等の悪路では、車輪が常に接地していないため、スリップ率が正確に検出できず、結果として悪路であるか否かを判定することが難しくなる。
悪路であるか否かを正確に判定できなければ、車線逸脱防止制御を適切なタイミングで中止することができなくなるおそれがある。この場合、悪路であるにもかかわらず車線逸脱防止制御が実行されてしまい、車両の挙動が不安定になってしまう(例えば、車両がスピンしてしまう)可能性があるという技術的問題点が生ずる。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、悪路を正確に判定して、車線逸脱防止制御を適切に行うことが可能な車線逸脱抑制装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車線逸脱抑制装置は、車輪に制動力を付与することが可能な制動手段を備える車両に搭載され、現在走行している走行車線から前記車両が逸脱しそうな場合に、前記車両の前記走行車線からの逸脱を回避する方向のヨーモーメントが前記車両に付与されるように前記制動手段を制御する制御手段と、走行中の前記車両のヨーレートのバラツキに関連する指標値を算出する算出手段とを備え、前記制御手段は、前記指標値が所定閾値を超えている場合に、前記指標値が前記所定閾値を超えていない場合と比較して、前記制動手段が付与する前記制動力が小さくなるように前記制動手段を制御する。
本発明の車線逸脱抑制装置によれば、走走行中の車両のヨーレートのバラツキに関連する指標値が所定閾値を超えている場合には、制動手段が車両に付与する制動力が相対的に小さくされる。なお、ヨーレートのバラツキは、車両が走行している路面状態が悪いほど(即ち、悪路であるほど)大きくなる値であり、ダート路面のように車輪が常に接地しないような状況でも確実に路面状態が反映される。また「所定閾値」は、制動力を付与することで車両の挙動が不安定になってしまう程に路面状態が悪いか否かを判定可能な閾値として予め設定されている。よって、ヨーレートのバラツキに関連する指標値と所定閾値との関係から、車両が悪路を走行しているか否かを正確に判定できる。
上述したように、ヨーレートのバラツキに関連する指標値に応じて制動力を小さくすれば、車両が悪路を走行している可能性がある場合には、車両が悪路を走行していない場合と比較して大きな制動力が車両に付与されなくなる。よって、悪路を走行している車両の挙動が、制動力を付与したことに起因して不安定になってしまうことを抑制できる。
本発明に係る車線逸脱抑制装置の一態様では、前記算出手段は、前記車両のヨーレートの変化率の二乗平均平方根を、前記指標値として算出する。
この態様によれば、指標値を利用して好適に悪路であるか否かを判定することが可能である。なお、ヨーレートの変化率の二乗平均平方根は、ヨーレートのバラツキが大きくなるほど、大きい値として算出される。
本発明に係る車線逸脱抑制装置の他の態様では、前記制御手段は、前記指標値が所定期間以上連続して前記所定閾値を超えている場合に、前記制動力を付与しないように前記制動手段を制御する。
この態様によれば、車両が悪路を走行している可能性があると判断できる状態が所定期間以上連続した場合に、車両への制動力の付与が中止される。「所定期間」は、車両が悪路を走行している可能性が極めて高いと判断するための閾値、あるいは小さい制動力を付与しただけでも車両の挙動が不安定になってしまう程に路面状態が悪いことを判断するための閾値として設定されている。従って、本態様によれば、悪路を走行している車両の挙動が、制動力を付与したことに起因して不安定になってしまうことを、より好適に抑制することができる。
第1実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る車線逸脱抑制動作の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態に係るBLDA制御抑制動作の流れを示すフローチャートである。 一般路を走行する際のヨーレートのRMS値を示すタイムチャートである。 悪路を走行する際のヨーレートのRMS値を示すタイムチャートである。 BLDA抑制が実行される期間を示すタイムチャートである。 通常のBLDA制御における制御量を示すタイムチャートである。 制御抑制時のBLDA制御における制御量を示すタイムチャートである。 制御禁止時のBLDA制御における制御量を示すタイムチャートである。 BLDA制御を途中から抑制する場合の制御量を示すタイムチャートである。 第2実施形態に係るBLDA制御抑制動作の流れを示すフローチャートである。 BLDA抑制及び禁止が実行される期間を示すタイムチャートである。
図面を参照しながら、本実施形態に係る車線逸脱抑制装置について説明する。以下では、本実施形態に係る車線逸脱抑制装置が搭載された車両1を用いて説明を進める。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る車線逸脱抑制装置について、図1から図10を参照して説明する。
(車両構成)
まず本実施形態に係る車両1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1は、ブレーキペダル111と、マスタシリンダ112と、ブレーキパイプ113FLと、ブレーキパイプ113RLと、ブレーキパイプ113FRと、ブレーキパイプ113RRと、左前輪121FLと、左後輪121RLと、右前輪121FRと、右後輪121RRと、ホイールシリンダ122FLと、ホイールシリンダ122RLと、ホイールシリンダ122FRと、ホイールシリンダ122RRと、ブレーキアクチュエータ131と、ステアリングホイール141と、振動アクチュエータ142と、車速センサ151と、車輪速センサ152と、ヨーレートセンサ153と、加速度センサ154と、カメラ155と、ディスプレイ161と、スピーカ162と、ECU(Electronic Control Unit)17とを備えている。
ブレーキペダル111は、車両1を制動するためにドライバによって踏み込まれるペダルである。マスタシリンダ112は、マスタシリンダ112内のブレーキフルード(或いは、任意の流体)の圧力を、ブレーキペダル111の踏み込み量に応じた圧力に調整する。以下では、ブレーキフルードの圧力を単に「油圧」と称することがある。
マスタシリンダ112内の油圧は、ブレーキパイプ113FL、113RL、113FR及び113RRを夫々介してホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRに伝達される。このため、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRに伝達される油圧に応じた制動力が、夫々、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRに付与される。
ブレーキアクチュエータ131は、ECU17の制御下で、ブレーキペダル111の踏み込み量とは無関係に、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRの夫々に伝達される油圧を調整可能である。従って、ブレーキアクチュエータ131は、ブレーキペダル111の踏み込み量とは無関係に、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの夫々に付与される制動力を調整可能である。ブレーキアクチュエータ131は「制動手段」の一具体例である。
ステアリングホイール141は、車両1を操舵する(つまり、転舵輪を転舵する)ためにドライバによって操作される操作子である。なお、本実施形態では、転舵輪は、左前輪121FL及び右前輪121FRであるものとする。振動アクチュエータ142は、ECU17の制御下で、ステアリングホイール141を振動させることが可能である。
車速センサ151は、車両1の車速Vvを検出する。車輪速センサ152は、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの夫々の車輪速Vwを検出する。ヨーレートセンサ153は、車両1のヨーレートγを検出する。加速度センサ154は、車両1の加速度G(具体的には、前後加速度Gx及び横加速度Gy)を検出する。カメラ155は、車両1の前方の外部状況を撮像する撮像機器である。車速センサ151から加速度センサ154の検出結果を示す検出データ及びカメラ155が撮像した画像を示す画像データは、ECU17に出力される。
ディスプレイ161は、ECU17の制御下で、任意の情報を表示可能である。スピーカ162は、ECU17の制御下で、任意の音声を出力可能である。
ECU17は、車両1の全体の動作を制御するコントロールユニットとして構成されている。本実施形態では特に、ECU17は、現在走行している走行車線からの車両1の逸脱を抑制するための車線逸脱抑制動作を行う。つまり、ECU17は、いわゆるLDA(Lane Departure Alert:レーンデパーチャーアラート)又はLDP(Lane Departure Prevention:レーンデパーチャープリベンション)を実現するための制御装置として機能する。車線逸脱抑制動作の具体的な処理内容ついては後に詳細に説明する。
車線逸脱抑制動作を行うために、ECU17は、ECU17の内部に論理的に実現される処理ブロックとして、データ取得部171と、LDA制御部172と、悪路判定部173とを備えている。データ取得部171は、各種センサ151〜154やカメラ155から車両の状態を示すデータを取得する。LDA制御部172は、車線逸脱抑制動作を行う。悪路判定部172は、車線逸脱抑制動作の実行態様を決定するための判定処理を行う。なお、LDA制御部172は、「制御手段」の一具体例であり、悪路判定部173は、「算出手段」の一具体例である。
(車線逸脱抑制動作)
続いて、ECU17が行う車線逸脱抑制動作について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、第1実施形態に係る車線逸脱抑制動作の流れを示すフローチャートである。
図2において、データ取得部171は、車速センサ151、車輪速センサ152、ヨーレートセンサ153、加速度センサ154の各々の検出結果を示す検出データ、及びカメラ155が撮像した画像を示す画像データを取得する(ステップS101)。
LDA制御部172は、ステップS101の処理において取得された画像データを解析することで、車両1が現在走行している走行車線の車線端(本実施形態では、車線端の一例として“白線”を挙げる)を、カメラ155が撮像した画像内で特定する(ステップS102)。なお、白線の認識方法については、既存の技術を適用可能であるので、その詳細についての説明は省略する。
LDA制御部172は、ステップS102の処理において特定された白線に基づいて、車両1が現在走行している走行車線が直線路であるかカーブ路であるかを判定し、カーブ路であると判定された場合は、走行車線の曲率半径を算出する(ステップS103)。なお、走行車線の曲率半径は、実質的には、白線の曲率半径と等価である。このため、LDA制御部172は、ステップS102の処理において特定された白線の曲率半径を算出するとともに、当該算出した曲率半径を、走行車線の曲率半径として取り扱ってよい。
LDA制御部172は、更に、ステップS102の処理において特定された白線に基づいて、車両1の現在の横位置、横速度及び逸脱角を算出する(ステップS104)。ここで、「横位置」は、走行車線が延伸する方向(車線延伸方向)に直交する車線幅方向に沿った、走行車線の中央から車両1までの距離(典型的には、車両1の中央までの距離)を意味する。「横速度」は、車線幅方向に沿った車両1の速度を意味する。「逸脱角」は、走行車線と車両1の前後方向軸とがなす角度(即ち、白線と車両1の前後方向軸とがなす角度)を意味する。
LDA制御部172は、更に、許容逸脱距離を設定する(ステップS105)。許容逸脱距離は、走行車線から車両1が逸脱する場合において走行車線からの車両1の逸脱距離(即ち、白線からの車両1の逸脱距離)の許容最大値を示す。
許容逸脱距離は、例えば次のように設定されてよい。即ち、LDA制御部172は、法規等の要請(例えば、NCAP:New Car Assessment Programmeの要請)を満たすという観点から許容逸脱距離を設定してよい。なお、許容逸脱距離の設定方法は、これに限定されない。
その後、LDA制御部172は、車両1が、現在走行している走行車線から逸脱する可能性があるか否か(即ち、車両1が走行車線から逸脱しそうであるか否か)を判定する(ステップS106)。例えば、LDA制御部172は、車両1の現在の速度、横位置及び横速度等に基づいて、車両1の将来の(例えば、数百ミリ秒〜数秒後の)位置を算出する。そして、LDA制御部172は、車両1の将来の位置と走行車線の中央とを比較して車両1の逸脱量を算出する。逸脱量の一例としては、車両1の将来の位置の走行車線の中央からの車線幅方向のずれ量が挙げられる。そして、LDA制御部172は、車両1の逸脱量が逸脱判定値より大きいか否かを判定する。車両1の逸脱量が逸脱判定値より大きいと判定された場合(例えば、将来の位置において、車両1が白線を跨ぐ又は踏む場合)、LDA制御部172は、車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定する。
ステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性がないと判定された場合(ステップS106:No)、図2に示す車線逸脱抑制動作は終了される。その後、LDA制御部172は、第1所定期間(例えば、数ミリ秒から数十ミリ秒)が経過した後に再度図2に示す車線逸脱抑制動作を開始する。つまり、図2に示す車線逸脱抑制動作は、第1所定期間に応じた周期で繰り返し行われる。
他方で、ステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定された場合(ステップS106:Yes)、LDA制御部172は、車両1が走行車線から逸脱する可能性がある旨を、車両1の運転者に対して警告する(ステップS107)。具体的には、LDA制御部172は、例えば車両1が走行車線から逸脱する可能性があることを示す画像を表示するように、ディスプレイ16を制御する、及び/又は、車両1が走行車線から逸脱する可能性があることをステアリングホイール141の振動でドライバに伝えるように、振動アクチュエータ142を制御する。
上記ステップS107の処理と並行して、LDA制御部172は、BLDA(Brake−LDA)制御を行う(ステップS108〜S111)。このとき、LDA制御部172は、BLDA制御に係るフラグをオンにする。BLDA制御は、走行車線からの車両1の逸脱距離が許容逸脱距離内に収まるように、逸脱を回避する方向のヨーモーメントを車両1に対して付与する制御である。
本実施形態に係るBLDA制御では、左右輪の制動力差が生じるように、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRのうちの少なくとも一つに制動力が付与され、その結果として、逸脱を回避する方向のヨーモーメントが車両1に付与される。以下、BLDA制御について具体的に説明する。
LDA制御部172は、走行車線の中央から離れるように走行している車両1が、走行車線の中央に向かう目標軌道(即ち、目標とする走行ライン)に沿って走行するように目標ヨーレートを演算する(ステップS108)。
続いて、LDA制御部172は、車両1に目標ヨーレートを発生させるために、車両1に付与すべきヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして算出する(ステップS109)。例えば、LDA制御部172は、所定の変換関数に基づいて目標ヨーレートを目標ヨーモーメントに変換することで、目標ヨーモーメントを算出してもよい。
続いて、LDA制御部172は、目標ヨーモーメントを達成可能な制動力を算出する。このとき、LDA制御部172は、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの夫々に付与される制動力を個別に算出する。
LDA制御部172は更に、ステップS109で算出した制動力を発生させるために必要な油圧を指定する圧力指令値を算出する(ステップS110)。このとき、LDA制御部172は、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRの夫々の内部での油圧を指定する圧力指令値を個別に算出する。
次に、LDA制御部172は、圧力指令値に基づいて、ブレーキアクチュエータ131を制御する(ステップS111)。この結果、圧力指令値に応じた制動力が、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRのうちの少なくとも一つに付与される。つまり、左右輪の制動力差によって、逸脱を回避する方向のヨーモーメントが車両1に付与される。
その後、LDA制御部172は、第1所定期間が経過した後に再度図2に示す車線逸脱抑制動作を開始する。このとき、BLDA制御に係るフラグがオンであるので、BLDA制御に起因するヨーモーメントが車両1に付与されたまま、車線逸脱抑制動作が開始される。再度実施されるステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定された場合(ステップS106:Yes)、ステップS107以降の処理が行われるので、BLDA制御に起因するヨーモーメントの車両1への付与が継続される。他方、再度実施されるステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性がないと判定された場合(ステップS106:No)、BLDA制御に係る制御フラグがオフにされると共に、BLDA制御に起因するヨーモーメントの車両1への付与が終了される。
(BLDA制御抑制動作)
次に、BLDA制御を状況に応じて抑制又は禁止するためのBLDA制御抑制動作について、図3を参照して説明する。図3は、第1実施形態に係るBLDA制御抑制動作の流れを示すフローチャートである。なお、BLDA制御抑制動作は、図2のフローチャートで示した車線逸脱抑制動作と並行して実行される。
図3において、BLDA制御抑制動作時には、まずデータ取得部171が取得したデータを利用して、悪路判定部173が車両1のスリップ率を算出する(ステップS201)。スリップ率は、例えば車速センサ151で検出される車速Vvと、車輪速センサ152で検出される車輪速Vwから算出することができる。
続いて、悪路判定部173は、ステップS201で算出したスリップ率が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS202)。「第1閾値」は、車両1が走行している道路が悪路であるか否かを判定するための閾値として予め設定される値である。スリップ率が第1閾値より大きいと判定された場合(ステップS202:Yes)、車両1は悪路を走行していると判断できるため、LDA制御部172はBLDA抑制フラグをONにする(ステップS203)。
BLDA抑制フラグは、BLDA制御(即ち、図2のステップS108〜S111)における制御量(言い換えれば、BLDA制御で付与される制動力)を抑制するか否かを判定するためのフラグである。BLDA抑制フラグがONの場合、BLDA制御における制御量は、通常時(即ち、BLDA抑制フラグがOFFである場合)と比べて小さくされる。
他方、スリップ率が第1閾値より大きくないと判定された場合(ステップS202:No)、データ取得部171が取得したデータを利用して、悪路判定部173が車両1のヨーレートγの変化率のRMS値(Root Mean Square:二乗平均平方根)を算出する(ステップS204)。以下では、ここで算出される値を適宜「ヨーレートRMS」と称する。ヨーレートRMSは、「指標値」の一具体例であり、車両1のヨーレートγのバラツキに関連する値として算出される。ヨーレートRMSは、ヨーレートセンサ153で検出されたヨーレートγを用いて算出することができる。なお、ヨーレートRMSに代えて、他のヨーレートのバラツキに関連する値を算出してもよい。
続いて、悪路判定部173は、算出されたヨーレートRMSが第2閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS205)。「第2閾値」は、車両1が走行している道路が悪路であるか否かを判定するための閾値として予め設定される値である。以下では、ヨーレートRMSと路面状態との関係について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、一般路を走行する際のヨーレートのRMS値を示すタイムチャートである。図5は悪路を走行する際のヨーレートのRMS値を示すタイムチャートである。
図4及び図5に示すように、一般路(即ち、悪路以外の道路)を走行する場合のヨーレートRMSは比較的低い値で安定する一方、悪路(例えば、ダート路面)を走行する場合のヨーレートRMSは、比較的高い値となる。このため、適切な第2閾値を事前に設定しておけば、ヨーレートRMSが第2閾値より大きい値であるか否かによって、車両1が悪路を走行しているか否かを判定することができる。なお、すでに説明したように、悪路の判定は、車両1のスリップ率に基づいて行うこともできる(ステップS202参照)。しかしながら、例えばダート路面等の悪路では、車両1の各車輪121FL、121RL、121FR及び121RRが常に接地しないため、スリップ率から正確に悪路を判定することが難しい。一方で、ヨーレートRMSは車両1の各車輪121FL、121RL、121FR及び121RRの接地状態に依存しないパラメータである。よって、スリップ率から悪路を判定できない状況でも、ヨーレートRMSを利用することで、好適に悪路を判定することができる。
図3に戻り、ヨーレートRMSが第2閾値より大きいと判定された場合(ステップS202:Yes)、車両1は悪路を走行していると判断できるため、LDA制御部172はBLDA抑制フラグをONにする(ステップS203)。一方で、ヨーレートRMSが第2閾値より大きくないと判定された場合(ステップS202:No)、車両1は悪路を走行していないと判断できるため、LDA制御部172はBLDA抑制フラグをOFFにする(ステップS206)。
以上のように、BLDA制御抑制動作によれば、車両1が悪路を走行しているか否かの判定が実行され、その判定結果に応じてBLDA制御が抑制される。具体的には、図2のステップS106の判定において逸脱可能性ありと判定された場合(ステップS106:Yes)、LDA制御部172は、(S107の処理と並行して)BLDA抑制フラグのON/OFFを参照する。そして、BLDA抑制フラグがONの場合、LDA制御部172は、S110の処理において、BLDA制御の制御量が通常よりも小さくなるように油圧を算出する。この結果、BLDA制御により車両1に付与される制動力は比較的小さくなる。他方、BLDA抑制フラグがOFFの場合、LDA制御部172は、S110の処理において、BLDA制御により通常時の制動力が車両1に付与されるように油圧を算出する。これにより、悪路を走行している車両1に比較的大きな制動力が付与されることで、車両1の挙動が不安定になってしまうことを抑制できる。
(具体的な動作例)
次に、上述したBLDA制御抑制動作(特に、ヨーレートRMSを用いた悪路判定)によってBLDA制御が抑制される場合の具体的な動作について、図6を参照して説明する。図6は、BLDA抑制が実行される期間を示すタイムチャートである。
図6に示すように、ヨーレートRMSが第2閾値を超えると、車両1が悪路を走行していると判定され、その時点からBLDA制御の制御量が小さくされる(以下、この制御を適宜「BLDA抑制」と称する)。なお、BLDA抑制は、ヨーレートRMSが第2閾値を超えている期間にのみ実行されるわけではなく、ヨーレートRMSが第2閾値を超えたと判定された時点から抑制継続時間T1が経過するまで実行される。このような動作は、例えば図3に示すフローを抑制継続時間T1毎に繰り返し実行することで実現される。
次に、BLDA制御抑制動作時の制御量の変化について、図7から図10を参照して具体的に説明する。図7は、通常のBLDA制御における制御量を示すタイムチャートである。図8は、制御抑制時のBLDA制御における制御量を示すタイムチャートである。図9は、制御禁止時のBLDA制御における制御量を示すタイムチャートである。図10は、BLDA制御を途中から抑制する場合の制御量を示すタイムチャートである。
図7に示すように、通常のBLDA制御時には、車両1の車線逸脱を抑制する方向のヨーモーメントが発生するように、車両1の各車輪121FL、121RL、121FR及び121RRに対して制動力が付与される。具体的には、BLDA制御の制御量は、車両1が車線を逸脱する可能性があると判定された時点から徐々に増加し、車両1が車線の逸脱を回避したと判定された時点から徐々に減少する。
図8に示すように、BLDA抑制時(即ち、車両が悪路を走行していると判定された場合)には、BLDA制御の制御量が通常時(図中の破線参照)と比較して小さくされる(図中の実線参照)。このように制御すれば、車両が悪路を走行している場合には、車両1に対して比較的大きな制動力が付与されなくなる。よって、制動力を付与することに起因して、悪路を走行している車両1の挙動が不安定になってしまうことを抑制できる。
図9に示すように、BLDA抑制フラグがONとされている場合には、制御量がゼロになるように制御されてもよい(以下、この制御を適宜「BLDA禁止」と称する)。BLDA禁止中には、BLDA制御によって車両1に制動力が付与されることがない。このため、制動力を付与することに起因して、悪路を走行している車両1の挙動が不安定になってしまうことを確実に回避できる。
図10に示すように、BLDA制御が実行されている途中でBLDA抑制フラグがONとされた場合には、その時点から制御量を小さくするように制御すればよい。このように制御すれば、比較的大きい制動力が付与され続けることに起因して、悪路を走行している車両1の挙動が不安定になってしまうことを抑制できる。
以上説明したように、第1実施形態に係る車線逸脱抑制装置によれば、スリップ率を利用した悪路判定が難しい場合でも、ヨーレートRMSを利用することで好適に悪路判定が行える。よって、BLDA制御を適切なタイミングで抑制又は禁止することができ、BLDA制御に起因して車両1の挙動が不安定になってしまうことを好適に抑制できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る車線逸脱抑制装置について、図11及び図12を参照して説明する。なお、第2実施形態は、既に説明した第1実施形態と比較して一部の動作が異なるのみであり、その他の動作や装置構成については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(BLDA制御抑制動作)
第2実施形態に係るBLDA制御抑制動作について、図11を参照して説明する。図11は、第2実施形態に係るBLDA制御抑制動作の流れを示すフローチャートである。なお、図11では、図3で示した処理(即ち、第1実施形態に係るBLDA制御抑制動作の処理)と同様の処理に同一の符号を付している。
図11において、第2実施形態に係るBLDA制御抑制動作時には、第1実施形態と同様にスリップ率及びヨーレートRMSに基づいて車両1が悪路を走行しているか否かが判定され(ステップS202、ステップS205)、車両が悪路を走行していると判定された場合には(ステップS202:Yes、又はステップS205:Yes)、BLDA抑制フラグがONとされる(ステップS203)。ただし、第2実施形態では、BLDA抑制フラグがONである場合には、BLDA抑制(図8参照)が実行され、BLDA禁止(図9参照)は実行されない。
BLDA抑制フラグがONとされると、LDA制御部172が、最後にBLDA抑制フラグがONとされてから所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS301)。即ち、LDA制御部172は、BLDA抑制フラグが連続して所定期間以上ONとされているか否かを判定する。「所定期間」は、車両1が悪路を走行している可能性が極めて高いと判断するための閾値、あるいは小さい制動力を付与しただけでも車両1の挙動が不安定になってしまう程に路面状態が悪いことを判断するための閾値として設定されている。
BLDA抑制フラグがONとされてから所定期間が経過している場合(ステップS301:Yes)、LDA制御部172は、BLDA禁止フラグをONにする(ステップS302)。一方、BLDA抑制フラグがONとされてから所定期間が経過していない場合(ステップS301:No)、LDA制御部172は、BLDA禁止フラグをOFFにする(ステップS303)。
BLDA禁止フラグは、BLDA禁止を実行するか否かを判定するためのフラグである。このためBLDA禁止フラグがONの場合、BLDA制御における制御量はゼロとなり、車両1に制動力は付与されない。一方で、BLDA禁止フラグがOFFの場合、BLDA抑制フラグに応じて、通常のBLDA制御又はBLDA抑制が実行される。なお、BLDA禁止フラグは、ヨーレートRMSが第2閾値より大きくないと判定された場合にも(ステップS205:No)、BLDA抑制フラグと共にOFFとされる(ステップS304)。
(具体的な動作例)
次に、第2実施形態に係るBLDA制御抑制動作によってBLDA制御が抑制される場合の具体的な動作について、図12を参照して説明する。図12は、BLDA抑制及び禁止が実行される期間を示すタイムチャートである。
図12に示すように、ヨーレートRMSが第2閾値を超えると、車両1が悪路を走行していると判定され、その時点からBLDA抑制が実行される。その後、第2実施形態では特に、ヨーレートRMSが第2閾値を超えたまま(即ち、BLDA抑制フラグがONとされたまま)所定期間(図中の継続時間閾値T2)が経過すると、BLDA禁止フラグがONとされ、その後はBLDA禁止となる。このように、第2実施形態では、最初からBLDA制御が禁止されることはなく、BLDA抑制が実行される期間が所定期間以上継続した場合にのみ、BLDA禁止となる。なお、継続時間閾値T2は、図11のフローの実行周期よりも長い期間として設定される。
以上説明したように、第2実施形態に係る車線逸脱抑制装置によれば、BLDA制御が段階的に抑制される。具体的には、最初にヨーレートRMSが第2閾値を超えた時点では、制御量が小さくされるだけの制御が実行され、その状態が所定期間以上継続すると、制御量がゼロとされる(言い換えれば、BLDA制御そのものが禁止される)。よって、BLDA制御を抑制するだけの場合、あるいは最初からBLDA制御を禁止するだけの場合と比較すると、状況に応じて適切にBLDA制御を実行することができる。従って、制動力を付与することに起因して、悪路を走行する車両1の挙動が不安定になってしまうことを、より好適に抑制することができる。
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車線逸脱抑制装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 車両
131 ブレーキアクチュエータ
153 ヨーレートセンサ
17 ECU
171 データ取得部
172 LDA制御部
173 悪路判定部

Claims (3)

  1. 車輪に制動力を付与することが可能な制動手段を備える車両に搭載され、
    現在走行している走行車線から前記車両が逸脱しそうな場合に、前記車両の前記走行車線からの逸脱を回避する方向のヨーモーメントが前記車両に付与されるように前記制動手段を制御する制御手段と、
    走行中の前記車両のヨーレートのバラツキに関連する指標値を算出する算出手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記指標値が所定閾値を超えている場合に、前記指標値が前記所定閾値を超えていない場合と比較して、前記制動手段が付与する前記制動力が小さくなるように前記制動手段を制御する
    ことを特徴とする車線逸脱抑制装置。
  2. 前記算出手段は、前記車両のヨーレートの変化率の二乗平均平方根を、前記指標値として算出することを特徴とする請求項1に記載の車両逸脱抑制装置。
  3. 前記制御手段は、前記指標値が所定期間以上連続して前記所定閾値を超えている場合に、前記制動力を付与しないように前記制動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の車線逸脱抑制装置。
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