JP2008094302A - 車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法 - Google Patents

車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の旋回方向内側の車輪に制動力が付与された場合において、該車両の旋回半径を短くすることができる車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法を提供する。
【解決手段】車両の制動制御装置のECUは、ステアリングホイールの操舵角の絶対値が操舵角閾値以上である場合に、車両の旋回方向内側の各車輪(例えば右前輪及び右後輪)のうち予め設定された制御用車輪(例えば右後輪)に対して制動力を付与する旋回時制動制御を実行する。この状態で、ECUは、各車輪のうち最も車輪速度の遅い車輪(制御用車輪)のスリップ率SLPを検出し、該スリップ率SLPが予め設定されたスリップ率閾値KSLP以上である場合、制御用車輪に対する制動力BPを、スリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満である場合よりも低下させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の各車輪に付与される制動力を制御する車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法に関する。
従来、車両の旋回時において旋回半径を小さくさせる制動制御を実行する車両の制動制御装置として、例えば特許文献1に記載される車両の制動制御装置(以下、「従来制動制御装置」という。)が提案されている。この従来制動制御装置は、農耕用車両(水田作業機)に搭載されるものであって、その車両の走行時における転舵輪の転舵角(操舵角)を検出し、該検出した転舵角が予め設定された転舵角閾値以上である場合に、車両の旋回方向内側の後輪(右方向に旋回している場合には右後輪)に対して制動力を付与する旋回時制動制御を実行するようにしている。
また、従来制動制御装置は、旋回時制動制御の実行時において、走行している路面(湿地などの圃場)の耕盤深さが予め設定された深さ閾値以上である場合、車両の旋回方向内側の後輪に対して、耕盤深さが深さ閾値未満であるときに車両の旋回方向内側の後輪に付与する制動力よりも小さな制動力を付与するようにしている。そのため、湿地などの圃場にて車両を旋回させる場合において、旋回時制動制御が実行されたときに、車両の旋回方向内側の後輪がロックしてしまうことが抑制されていた。
特開平11−187722号公報(請求項1)
ところで、近時では、一般乗用車(「車両」ともいう。)に従来制動制御装置が搭載されることもある。このような車両では、雪道などの低μ路を走行している途中での車両の旋回時に旋回時制動制御が実行されることもある。しかしながら、従来制動制御装置を搭載した車両では、こうした旋回時制動制御が実行された場合、該車両が走行している路面のμ値が低かったとしても、耕盤深さが深さ閾値以上ではないため、比較的大きな制動力が車両の旋回方向内側の後輪に対して付与されることになる。すなわち、農耕用車両を前提にした従来制動制御装置を一般乗用車に搭載した場合、その作用効果を十分に発揮できるとは言い難かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の旋回方向内側の車輪に制動力が付与された場合において、該車両の旋回半径を短くすることができる車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両の制動制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、車両(C)の進行方向に対する左右両側に車輪(FR,FL,RR,RL)が配置される車両(C)に搭載され、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与される制動力を制御する車両の制動制御装置(11)であって、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)を個別に演算する車輪速度演算手段(S11)と、車両のステアリング(24)の操舵角(A)を演算する操舵角演算手段(S14)と、該操舵角演算手段(S14)により演算された前記操舵角(A)の絶対値が予め設定された操舵角閾値(KA)以上である場合に、車両(C)の旋回方向内側の前輪(FR)及び後輪(RR)のうち予め設定された制御用車輪(RR)に制動力(BP)が付与される旋回時制動制御を実行する制御手段(16)とを備え、該制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時に前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)を演算し、該スリップ率(SLP)が予め設定されたスリップ率閾値(KSLP)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させることを要旨とする。
上記構成では、ステアリングの操舵角が操舵角閾値以上になった場合に、車両の旋回方向内側の前輪及び後輪のうち予め設定された制御用車輪に制動力を付与する旋回時制動制御が実行される。この旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値以上になったときには、制御用車輪の横坑力の低下に起因して旋回時における車両の安定性が低下していると判断する。そして、制御用車輪に対する制動力を、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値未満である場合の制御用車輪に対する制動力よりも低下させる。そのため、制御用車輪のスリップ率が低下すると共に、制御用車輪の横坑力の低下が制御用車輪に対する制動力を低下させない場合に比して抑制されるため、旋回時における車両の安定性が確保される。したがって、車両の旋回方向内側の制御用車輪に制動力が付与された場合において、該車両の安定性を確保した状態で車両の旋回半径を短くすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制動制御装置において、車両(C)のヨーレート(YR)を演算するヨーレート演算手段(S34)と、車両(C)の車体速度(VS)を演算する車体速度演算手段(S12)と、前記操舵角演算手段(S14)により演算された操舵角(A)及び前記車体速度演算手段(S12)により演算された車体速度(VS)に基づいて目標ヨーレート(YR)を演算する目標ヨーレート演算手段(S34)と、該目標ヨーレート演算手段(S34)により演算された前記目標ヨーレート(YR)に基づきヨーレート閾値(KYR)を設定するヨーレート閾値設定手段(S36)とをさらに備え、前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記ヨーレート演算手段(S34)により演算された前記ヨーレート(YR)が前記ヨーレート閾値設定手段(S36)により設定された前記ヨーレート閾値(KYR)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させることを要旨とする。
一般に、旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値以上であると共に、車両のヨーレートが目標ヨーレートに基づき設定されたヨーレート閾値以上であるときには、車両がオーバーステアリング状態になってしまうおそれがある。そこで、本発明では、旋回時制動制御の実行に基づいて、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値以上になると共に、車両のヨーレートがヨーレート閾値以上になった場合には、制御用車輪に対する制動力を、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値未満である場合の制御用車輪に対する制動力よりも低下させる。そのため、制御用車輪の横坑力の低下を、制御用車輪に対する制動力を低下させない場合に比して抑制できるため、車両のオーバーステアリング状態が解消される。すなわち、旋回時における車両の安定性が良好に確保される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制動制御装置において、車両(C)の車体速度(VS)を演算する車体速度演算手段(S12)をさらに備え、前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記車体速度演算手段(S12)により演算された前記車体速度(VS)が予め設定された車体速度閾値(KVS2)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させることを要旨とする。
一般に、旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値以上であると共に、車両の車体速度が車体速度閾値以上であるときには、車両に加わる遠心力が大きくなり、旋回時における車両の安定性が低下してしまうおそれがある。そこで、本発明では、旋回時制動制御の実行に基づいて、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値以上になると共に、車両の車体速度が車体速度閾値以上になった場合には、制御用車輪に対する制動力を、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値未満である場合の制御用車輪に対する制動力よりも低下させる。そのため、車両の旋回に基づく遠心力に抗する制御用車輪の横坑力の低下を、制御用車輪に対する制動力を低下させない場合に比して抑制できるため、旋回時における車両の安定性が良好に確保される。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制動制御装置において、車両(C)の横方向加速度(GY)を演算する横方向加速度演算手段(S74)をさらに備え、前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記横方向加速度演算手段(S74)により演算された前記横方向加速度(GY)の絶対値が予め設定された横方向加速度閾値(KGY)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させることを要旨とする。
一般に、旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値以上であると共に、車両の横方向加速度の絶対値が横方向加速度閾値以上であるときには、旋回時における車両の安定性が低下してしまうおそれがある。そこで、本発明では、旋回時制動制御の実行に基づいて、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値以上になると共に、車両の横方向加速度の絶対値が横方向加速度閾値以上になった場合には、制御用車輪に対する制動力を、制御用車輪のスリップ率がスリップ率閾値未満である場合の制御用車輪に対する制動力よりも低下させる。そのため、横方向加速度を発生させる原因となる車両旋回時の遠心力などに抗する制御用車輪の横坑力の低下を、制御用車輪に対する制動力を低下させない場合に比して抑制できるため、旋回時における車両の安定性が良好に確保される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置において、前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記車輪速度演算手段(S11)により演算された前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)に基づき、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち二番目に遅い車輪(RR)を特定し、該二番目に遅い車輪(FR)の車輪速度(VW)が予め設定された車輪速度閾値(KVW)未満である場合、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)の低下を禁止することを要旨とする。
一般に、車輪の車輪速度を検出するための車輪速度センサには、低速時において車輪速度検出能力に限界があり、検出不能な速度領域がある。また、車両の旋回時において、二番目に遅い車輪の車輪速度と最も遅い車輪の車輪速度との間には、対応関係がある。すなわち、二番目に遅い車輪の車輪速度が検出された場合には、該検出された車輪速度に基づいて、最も遅い車輪の車輪速度を推定することができる。そこで、車輪速度閾値を、最も遅い車輪の車輪速度が検出可能な最低速度である場合における二番目に遅い車輪の車輪速度に設定したとする。このように車輪速度閾値を設定した場合、二番目に遅い車輪の車輪速度が車輪速度閾値未満であるときには、最も遅い車輪(制動用車輪)の車輪速度が検出されないおそれがあり、制動用車輪のスリップ率も正確に検出できないおそれがある。そのため、二番目に遅い車輪の車輪速度が車輪速度閾値未満であるときには、制動用車輪のスリップ率に依らず、制御用車輪に対する制動力の低下を禁止させる。したがって、誤った車輪速度に基づき演算されたスリップ率がスリップ率閾値以上になっても、制御用車輪に対する制動力を低下されることが禁止される結果、旋回時制動制御の実行に基づいて車両の旋回半径を良好に小さくすることが可能になる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置において、前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記車輪速度演算手段(S11)により演算された前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)に基づき、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち二番目に遅い車輪(RR)を特定し、前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)を、前記二番目に遅い車輪(RR)の車輪速度(VW)を基準に演算することを要旨とする。
上記構成では、制動用車輪のスリップ率は、二番目に遅い車輪の車輪速度を基準に演算される。そのため、車輪速度センサの低速時における車輪速度検出能力の限界に起因して、二番目に遅い車輪の車輪速度が検出できなかった場合、車両は、その車体速度が時速「0(零)」kmに近い低速度で走行している可能性がある。すなわち、二番目に遅い車輪の車輪速度を検出する際に、車輪速度センサにて各車輪の車輪速度を検出できないような車体速度で車両が走行しているか否かを判定することが可能になる。
一方、車両の制動制御方法にかかる請求項7に記載の発明は、車両の進行方向に対する左右両側に配置された車輪(FR,FL,RR,RL)に付与される制動力を制御する車両の制動制御方法であって、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)を個別に演算すると共に、車両のステアリング(24)の操舵角(A)を演算し、該演算された前記操舵角(A)の絶対値が予め設定された操舵角閾値(KA)以上である場合に、車両の旋回方向内側の前輪(FR)及び後輪(RR)のうち予め設定された制御用車輪(RR)に制動力(BP)が付与される旋回時制動制御を実行し、該旋回時制動制御の実行時に前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)を演算し、該スリップ率(SLP)が予め設定されたスリップ率閾値(KSLP)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させるようにしたことを要旨とする。
上記構成では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏し得る。
(第1の実施形態)
以下、本発明の車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両の制動制御装置11は、複数(本実施形態では4つ)ある車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)のうち、前輪FR,FLが駆動輪として機能する車両(いわゆる前輪駆動車)に搭載されている。この車両は、駆動源となるエンジン12で発生した駆動力を前輪FR,FLに伝達する駆動力伝達機構13と、前輪FR,FLを転舵輪(操舵輪)として転舵させるための前輪転舵機構14と、各車輪FL,FR,RL,RRに制動力を付与するための制動力付与機構15とを備えている。また、この車両は、上記各機構13,14,15を車両の走行状態に応じて適宜に制御するための制御手段としての電子制御装置(以下、「ECU」という。)16を備え、該ECU16が、制動制御装置11を構成している。なお、エンジン12は、車両の運転者によるアクセルペダル17の踏込み操作に対応した駆動力を発生させる。
駆動力伝達機構13には、エンジン12の出力軸に接続されたトランスミッション(本実施形態では、トルクコンバータを備える変速機)18と、このトランスミッション18から伝達された駆動力を適宜配分して前輪FL,FRに伝達する前輪用ディファレンシャルギヤ19とが設けられている。また、エンジン12から外部に向けて延設された吸気管20内の吸気通路20aには、その開口断面積を可変させるスロットル弁21が設けられると共に、吸気管20外には、スロットル弁21の開度を制御するためのスロットル弁アクチュエータ(例えばDCモータ)22が設けられている。また、エンジン12の吸気ポート(図示略)近傍には、燃料を噴射するインジェクタを有する燃料噴射装置23が設けられている。なお、アクセルペダル17の近傍には、運転者によるアクセルペダル17の踏込み量(開度)を検出するためのアクセル開度センサSE1が設けられている。
前輪転舵機構14には、ステアリングホイール24と、ステアリングホイール24が固定されたステアリングシャフト25と、ステアリングシャフト25に連結された転舵アクチュエータ26とが設けられている。また、前輪転舵機構14には、転舵アクチュエータ26により車両の左右方向に移動自在なタイロッドと、このタイロッドの移動により前輪FL,FRを転舵させるリンクとを含んだリンク機構部27が設けられている。さらに、前輪転舵機構14には、ステアリングホイール24の操舵角を検出するための操舵角センサSE2と、ステアリングホイール24に加わる操舵トルクを検出するための操舵トルクセンサSE3とが設けられている。
次に、制動力付与機構15について図2に基づき以下説明する。
図2に示すように、本実施形態の制動力付与機構15は、マスタシリンダ30及びブースタ31を有する液圧発生装置32と、2つの液圧回路33,34を有する液圧制御装置(図2では二点鎖線で示す。)35とを備えている。各液圧回路33,34は、液圧発生装置32に接続されると共に、各車輪FR,FL,RR,RLに対応して設けられた制動手段としてのホイールシリンダ36a,36b,36c,36dに接続されている。すなわち、右前輪FRにはホイールシリンダ36aが対応すると共に、左前輪FLにはホイールシリンダ36bが対応している。また、右後輪RRにはホイールシリンダ36cが対応すると共に、左後輪RLにはホイールシリンダ36dが対応している。
液圧発生装置32には、ブレーキペダル37が設けられると共に、このブレーキペダル37が車両の運転手によって踏込み操作されることに基づき、液圧発生装置32のマスタシリンダ30及びブースタ31が駆動するようになっている。また、マスタシリンダ30には、2つの出力ポート30a,30bが設けられている。そして、出力ポート30aには、第1液圧回路33が接続されると共に、出力ポート30bには、第2液圧回路34が接続されている。また、液圧発生装置32には、ECU16に電気的に接続されたブレーキスイッチSW1が設けられ、該ブレーキスイッチSW1からは、ブレーキペダル37の操作状況に応じた信号がECU16に出力されている。
液圧制御装置35には、第1液圧回路33内のブレーキ液圧を昇圧するためのポンプ38と、第2液圧回路34内のブレーキ液圧を昇圧するためのポンプ39と、各ポンプ38,39を同時に駆動させるモータMとが設けられている。また、各液圧回路33,34上にはブレーキ液が貯留されるリザーバ40,41が設けられると共に、各リザーバ40,41内のブレーキ液は、ポンプ38,39の駆動に基づき液圧回路33,34内に供給されるようになっている。
第1液圧回路33には、左前輪FLに対応するホイールシリンダ36bに接続されるホイールシリンダ36b用(左前輪FL用)の左前輪用経路33aと、右後輪RRに対応するホイールシリンダ36cに接続されるホイールシリンダ36c用(右後輪RR用)の右後輪用経路33bとが形成されている。そして、これら各経路33a,33b上には、常開型の比例電磁弁42,43と常閉型の電磁弁46,47とがそれぞれ設けられている。
同様に、第2液圧回路34には、右前輪FRに対応するホイールシリンダ36aに接続されるホイールシリンダ36a用(右前輪FR用)の右前輪用経路34aと、左後輪RLに対応するホイールシリンダ36dに接続されるホイールシリンダ36d用(左後輪RL用)の左後輪用経路34bとが形成されている。そして、これら各経路34a,34b上には、常開型の比例電磁弁44,45と常閉型の電磁弁48,49とがそれぞれ設けられている。
また、第1液圧回路33において各経路33a,33bに分岐された部位よりもマスタシリンダ30側には、常開型の比例電磁弁50が接続されると共に、この比例電磁弁50と並列関係をなすリリーフ弁51が接続されている。そして、比例電磁弁50とリリーフ弁51とにより比例差圧弁52が構成されている。比例差圧弁52は、ECU16による制御に基づき、比例差圧弁52よりもマスタシリンダ30側とホイールシリンダ36b,36c側とで液圧差(ブレーキ液圧の差)を発生させることができる。なお、この液圧差の最大値は、リリーフ弁51を構成するばね51aの付勢力に基づく値となる。また、第1液圧回路33には、リザーバ40とポンプ38との間からマスタシリンダ30側に向けて分岐された分岐液圧路33cが形成されると共に、この分岐液圧路33c上には常閉型の電磁弁53が接続されている。
同様に、第2液圧回路34において各経路34a,34bに分岐された部位よりもマスタシリンダ30側には、常開型の比例電磁弁54が接続されると共に、この比例電磁弁54と並列関係をなすリリーフ弁55が接続されている。そして、比例電磁弁54とリリーフ弁55とにより比例差圧弁56が構成されている。比例差圧弁56は、ECU16による制御に基づき、比例差圧弁56よりもマスタシリンダ30側とホイールシリンダ36a,36d側とで液圧差(ブレーキ液圧の差)を発生させることができる。なお、この液圧差の最大値は、リリーフ弁55を構成するばね55aの付勢力に基づく値となる。また、第2液圧回路34には、リザーバ41とポンプ39との間からマスタシリンダ30側に向けて分岐された分岐液圧路34cが形成されると共に、この分岐液圧路34c上には常閉型の電磁弁57が接続されている。
ここで、上記各電磁弁42〜49のソレノイドコイルが通電状態にある場合及び非通電状態にある場合における各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧の変化について説明する。なお、以下の説明においては、各比例電磁弁50,54が閉じ状態であると共に、分岐液圧路33c,34c上の電磁弁53,57が開き状態であるものとする。
まず、各電磁弁42〜49のソレノイドコイルが全て非通電状態にある場合には、常開型の比例電磁弁42〜45は開き状態のままであると共に、常閉型の電磁弁46〜49は閉じ状態のままである。そのため、上記ポンプ38,39が駆動している場合には、リザーバ40,41内のブレーキ液が各経路33a,33b,34a,34bを介して各ホイールシリンダ36a〜36d内に流入し、各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧は上昇することになる。
一方、各電磁弁42〜49のうち常開型の比例電磁弁42〜45のソレノイドコイルのみが通電状態にある場合には、全ての電磁弁42〜49が閉じ状態となる。そのため、各経路33a,33b,34a,34bを介したブレーキ液の流動が規制される結果、各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧はその液圧レベルが保持されることになる。
そして、各電磁弁42〜49のソレノイドコイルが全て通電状態にある場合には、常開型の比例電磁弁42〜45が閉じ状態となると共に、常閉型の電磁弁46〜49が開き状態となる。そのため、各ホイールシリンダ36a〜36d内からブレーキ液が各経路33a,33b,34a,34bを介してリザーバ40,41へと流出し、各ホイールシリンダ36a〜36d内のブレーキ液圧は降下することになる。
ECU16は、図1に示すように、CPU60、ROM61及びRAM62などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。ROM61には、駆動力伝達機構13、前輪転舵機構14及び制動力付与機構15(液圧制御装置35)を制御するための各種の制御プログラム、及び各種閾値(後述する制御開始用車体速度閾値、操舵角閾値、スリップ率閾値及び車輪速度閾値など)が記憶されている。また、RAM62には、車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報がそれぞれ記憶されるようになっている。
また、ECU16の入力側インターフェース(図示略)には、上記ブレーキスイッチSW1、アクセル開度センサSE1、操舵角センサSE2、及び操舵トルクセンサSE3が接続されている。さらに、入力側インターフェースには、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE4,SE5,SE6,SE7、及び車両のヨーレート(Yaw Rate)を検出するためのヨーレートセンサSE8が接続されている。また、入力側インターフェースには、車両の横方向(左右方向)における横方向加速度を検出するための横方向加速度センサ(「横Gセンサ」ともいう。)SE9、及び後述する旋回時制動制御を実行させる場合に「ON」にセットされる作動スイッチSW2が接続されている。
なお、操舵角センサSE2は、ステアリングホイール24が回転方向右側に操舵された場合にはECU16が正の値を示すような信号を出力する一方、回転方向左側に操舵された場合にはECU16が負の値を示すような信号を出力するように設定されている。また、横方向加速度センサSE9は、車両の車両進行方向における右方向への加速度が検知された場合にはECU16が正の値を示すような信号を出力する一方、車両の車両進行方向における左方向への加速度が検知された場合にはECU16が負の値を示すような信号を出力するように設定されている。
一方、ECU16の出力側インターフェース(図示略)には、各ポンプ38,39を駆動させるためのモータM、及び各電磁弁42〜50,53,54,57が接続されている。そして、ECU16は、上記ブレーキスイッチSW1及び各種センサSE1〜SE9からの入力信号に基づき、モータM、及び各電磁弁42〜50,53,54,57の動作を個別に制御するようになっている。
次に、本実施形態のECU16が実行する旋回時制動制御実行判定処理ルーチンについて図3及び図4に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、ECU16は、所定周期毎(例えば、「0.01」秒毎)に旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを実行する。そして、この旋回時制動制御実行判定処理ルーチンにおいて、ECU16は、ブレーキスイッチSW1からの入力信号が「OFF」であるか否かを判定する(ステップS10)。すなわち、ECU16は、ブレーキペダル37が踏込み操作されていないか否かを判定する。ステップS10の判定結果が否定判定(SW1=「ON」)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS18に移行する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定判定(SW1=「OFF」)である場合、ECU16は、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度センサSE4〜SE7からの各入力信号に基づき、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWを個別に演算により検出する(ステップS11)。この点で、本実施形態では、ECU16が、車輪速度演算手段としても機能する。続いて、ECU16は、ステップS11にて検出した各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWに基づき車体速度VSを演算により検出する(ステップS12)。すなわち、ECU16は、駆動輪である前輪FR,FLの車輪速度VWのうち大きい方の値を基準にして車体速度VSに設定する。したがって、この点で、本実施形態では、ECU16が、車体速度演算手段としても機能する。
そして、ECU16は、ステップS12にて検出された車体速度VSの絶対値が予め設定された制御開始用車体速度閾値KVS1(例えば時速「10」km)以下であるか否かを判定する(ステップS13)。この制御開始用車体速度閾値KVS1は、後述する旋回時制動制御による効果を良好に発揮できる車体速度の上限値(限界値)であって、実験やシミュレーションなどによって、トルクコンバータを有する車両に特有のクリープ現象で車両が走行する場合の車体速度よりも僅かに大きな値に予め設定される。
そして、ステップS13の判定結果が否定判定(VSの絶対値>KVS1)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS18に移行する。一方、ステップS13の判定結果が肯定判定(VSの絶対値≦KVS1)である場合、ECU16は、操舵角センサSE2からの入力信号に基づき、ステアリングホイール24の操舵角Aを演算により検出する(ステップS14)。この点で、本実施形態では、ECU16が、操舵角演算手段としても機能する。
続いて、ECU16は、ステップS14にて検出した操舵角Aの絶対値が予め設定された操舵角閾値KA以上であるか否かを判定する(ステップS15)。この操舵角閾値KAは、本実施形態のステアリングホイール24の最大舵角の絶対値に設定されている。なお、最大舵角とは、ステアリングホイール24が一定方向(回転方向右側又は左側)に最大限まで操舵された状態のことをいう。
ステップS15の判定結果が否定判定(Aの絶対値<KA)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS18に移行する。一方、ステップS15の判定結果が肯定判定(Aの絶対値≧KA)である場合、ECU16は、作動スイッチSW2が「ON」にセットされているか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が否定判定(SW2=「OFF」)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS18に移行する。
一方、ステップS16の判定結果が肯定判定(SW2=「ON」)である場合、ECU16は、車両の旋回判定を小さくする(即ち、車両を小回りさせる)ための図4にて詳述する旋回時制動制御処理を実行させる(ステップS17)。その後、ECU16は、旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを終了する。すなわち、旋回時制動制御は、車両の車体速度VSが制御開始用車体速度閾値KVS1以下であると共に、ステアリングホイール24の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上であり、さらに、作動スイッチSW2が「ON」である場合に、実行される。その結果、車両の旋回方向内側の各車輪(例えば右前輪FR及び右後輪RR)のうち予め設定された制御用車輪(例えば右後輪RR)には、制動力が付与される。
ステップS18において、ECU16は、ステップS10,S13,S15,S16の各判定処理のうち何れか一つの判定処理において否定判定になった場合に、旋回時制動制御を終了させる。すなわち、上記制御用車輪(例えば右後輪RR)に対する制動力BPの付与が禁止される。その後、ECU16は、旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを終了する。
次に、上記ステップS17の旋回時制動制御処理(旋回時制動制御処理ルーチン)について、図4に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、旋回時制動制御処理ルーチンにおいて、ECU16は、左右方向のうち何れの方向に車両が旋回しているかを特定する(ステップS30)。具体的には、ECU16は、上記ステップS14にて検出した操舵角Aが正の値である場合には車両の旋回方向が右方向であると特定する一方、検出した操舵角Aが負の値である場合には車両の旋回方向が左方向であると特定する。続いて、ECU16は、上記ステップS11にて検出した各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWに基づき、各車輪FR,FL,RR,RLのうち二番目に遅い車輪速度VWの車輪を特定する(ステップS31)。例えば、車両が右方向に旋回している場合、各車輪FR,FL,RR,RLのうち、右後輪RRの旋回半径が最も短く、右前輪FRの旋回半径が二番目に短いため、右前輪FRが二番目に遅い車輪速度VWの車輪となる。一方、車両が左方向に旋回している場合には、左前輪FLが二番目に遅い車輪速度VWの車輪となる。
そして、ECU16は、車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPを、二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWを基準に演算することにより検出する(ステップS32)。この点で、本実施形態では、ECU16が、各車輪FR,FL,RR,RLのうち、最も遅い車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPを二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWを基準に演算する車両の車輪スリップ率演算装置としても機能する。ここで、車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPは、下記の条件式(イ)を基に演算される。
(車両の旋回方向内側の後輪のスリップ率SLR)=((二番目に遅い車輪の車輪速度VW)−(車両の旋回方向内側の後輪の車輪速度VW))/(二番目に遅い車輪の車輪速度VW)…(イ)
続いて、ECU16は、ステップS32にて検出した車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPが予め設定されたスリップ率閾値KSLP(例えば「0.5」)以上であるか否かを判定する(ステップS33)。このスリップ率閾値KSLPは、車両が低μ路(雪道など)を走行している際に車両の旋回方向内側の後輪の横坑力(図5参照)が低下しているか否かを判断するための値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS33の判定結果が否定判定(SLP<KSLP)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS39に移行する。
一方、ステップS33の判定結果が肯定判定(SLP≧KSLP)である場合、ECU16は、ヨーレートセンサSE8からの入力信号に基づき、車両の実ヨーレートYRを演算により検出する(ステップS34)。この点で、本実施形態では、ECU16が、ヨーレート演算手段としても機能する。続いて、ECU16は、上記ステップS12にて検出した車両の車体速度VS及び上記ステップS14にて検出したステアリングホイール24の操舵角Aに基づいて、車両の目標ヨーレートYRTを演算により検出する(ステップS35)。この点で、本実施形態では、ECU16が、目標ヨーレート演算手段としても機能する。具体的には、ECU16は、以下に示す条件式(ロ)から目標ヨーレートYRTを演算により検出する。
YRT=(VS×A)/(L×(B×VS+1))…(ロ)
ただし、YRT…目標ヨーレート、VS…車体速度、A…操舵角、B…スタビリティファクタ(定数)、L…ホイールベース長(前輪と後輪との間の距離)
そして、ECU16は、ステップS35にて検出した目標ヨーレートYRTに基づいて、目標ヨーレートYRTよりも大きな値となるようにヨーレート閾値KYRを設定する(ステップS36)。具体的には、ECU16は、目標ヨーレートYRTと予め設定された定数(定数は「1」以上の数であって、例えば「1.3」)とを積算し、その積算値をヨーレート閾値KYRと設定する。したがって、この点で、本実施形態では、ECU16が、ヨーレート閾値設定手段としても機能する。
続いて、ECU16は、ステップS34にて検出した実ヨーレートYRの絶対値がステップS36にて設定したヨーレート閾値KYR以上であるか否かを判定する(ステップS37)。この判定結果が否定判定(YRの絶対値<KYR)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS39に移行する。一方、ステップS37の判定結果が肯定判定(YRの絶対値≧KYR)である場合、ECU16は、ステップS31にて特定した二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWが予め設定された車輪速度閾値KVWよりも遅いか否かを判定する(ステップS38)。この判定結果が肯定判定(二番目に遅い車輪の車輪速度VW<車輪速度閾値KVW)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS39に移行する。一方、ステップS38の判定結果が否定判定(二番目に遅い車輪の車輪速度VW≧車輪速度閾値KVW)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS40に移行する。
ここで、車輪速度センサSE4〜SE7には、車輪速度VWが低速度(例えば時速「3」km)以下である場合、車輪速度の検出能力の限界により、車輪速度VWを検出できない。すなわち、車輪速度センサSE4〜SE7には、車輪速度の検出不能な速度領域がある。車輪FR,FL,RR,FLの車輪速度VWが低速度(例えば時速「3」km)以下である場合、ECU16は、実際の車輪速度VWが例えば時速「1」kmであっても、車輪速度VWを時速「0(零)」kmと検出してしまう。そこで、本実施形態では、車輪速度センサSE4〜SE7により検出可能な最低速度を実験やシミュレーションなどによって予め取得する。
また、旋回時制動制御が実行されている場合には、車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)は、該後輪のみ制動力BPが付与されるため、その車輪速度VWが各車輪FR、FL,RR,RLのうち最も遅くなる。また、車両の旋回方向内側の前輪(例えば右前輪FR)は、その旋回半径が各車輪FR、FL,RR,RLの旋回半径のうち二番目に短いため、その車輪速度VWが各車輪FR、FL,RR,RLのうち二番目に遅いことが明らかである。そして、旋回時制動制御が実行されるような状態で車両が旋回する場合には、車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)が最低速度であるときの車両の旋回方向内側の前輪(例えば右前輪FR)の車輪速度は、車両の旋回方向内側の前輪の旋回半径と後輪の旋回半径との差から推定することができる。そこで、本実施形態では、上記車輪速度閾値KVWは、車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)が最低速度(例えば時速「3」km)であるときの車両の旋回方向内側の前輪(例えば右前輪FR)の車輪速度(例えば時速「4」km)の推定値に設定される。
ステップS39において、ECU16は、ステップS30の処理に基づき車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)を特定し、該車両の旋回方向内側の後輪に対する制動力BPを上昇させ、その後、旋回時制動制御処理を終了する。具体的には、ECU16は、比例電磁弁42,44,45,50,54を閉じ状態にすると共に、電磁弁53を開き状態にし、さらに、ポンプ38を駆動させるためにモータMを駆動させる。その後、ECU16は、旋回時制動制御処理ルーチンを終了する。すると、車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)用のホイールシリンダ(この場合、ホイールシリンダ36c)内のブレーキ液圧が上昇するに従い、車両の旋回方向内側の後輪に対する制動力BPは上昇する。
ステップS40において、ECU16は、ステップS30の処理に基づき車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)を特定し、該車両の旋回方向内側の後輪に対する制動力BPを低下させ、その後、旋回時制動制御処理を終了する。具体的には、ECU16は、比例電磁弁43を閉じ状態にすると共に、電磁弁47を開き状態にし、さらに、モータMの駆動を停止させる。その後、ECU16は、旋回時制動制御処理ルーチンを終了する。すると、車両の旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)用のホイールシリンダ(この場合、ホイールシリンダ36c)内のブレーキ液圧が降下するに従い、車両の旋回方向内側の後輪に対する制動力BPは低下する。その結果、車両の旋回方向内側の後輪に対する制動力BPは、ステップS39が実行された場合の車両の旋回方向内側の後輪に対する制動力BPよりも低下することになる。
次に、本実施形態の制動制御装置11を搭載した車両が低μ路を走行している途中で右方向へ旋回する場合の作用について図5に基づき以下説明する。なお、前提として、走行中の車両Cの車体速度VSは時速「7」km(<制御開始用車体速度閾値KVS1)であると共に、作動スイッチSW2は「ON」にセットされ、さらに、車両Cの旋回時にブレーキペダル37の踏込み操作は行われないものとする。また、車両の旋回時に右前輪FRの車輪速度VWが車輪速度閾値KVW未満にはならないものとする。
さて、雪道などの低μ路を車両Cが時速「7」kmで走行している際に、車両Cを旋回させるために、車両Cの運転手が、操舵角Aが最大舵角(=操舵角閾値KA)となるまでステアリングホイール24を回転方向右側に操舵する。すると、作動スイッチSW2が「ON」にセットされているため、旋回時制動制御が実行される。すなわち、車両Cの右後輪RRには、制動力BPが付与される。このように車両Cが旋回し始めると、図5に示すように、車両Cには遠心力が働くが、各車輪FR,FL,RR,RLには、車両Cに加わる遠心力に抗する横坑力がそれぞれ働く。そのため、車両Cは、その旋回時の安定性が良好に維持される。なお、制動力BPが付与されている右後輪RRの横坑力は、他の車輪FR,FL,RLの横坑力に比して小さいものとなる。
そして、右後輪RRに対する制動力BPが徐々に上昇していくと、右後輪RRの車輪速度VWが次第に小さくなるため、右後輪RRの横坑力は、徐々に小さくなっていく。また、右前輪FRの車輪速度VWと右後輪RRの車輪速度VWとの車輪速度差が徐々に大きくなるため、各車輪FR,FL,RR,RLのうち二番目に遅い右前輪FRの車輪速度VWを基準とした右後輪RRのスリップ率SLPが大きくなっていく。このように右後輪RRのスリップ率SLPが大きくなっていくと、結果として、右後輪RRのスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上になる。この状態であっても、車両Cの実ヨーレートYRの絶対値がヨーレート閾値KYR未満である場合には、旋回時における車両Cの安定性が未だ確保されているものと判断される。
ところが、車両Cの実ヨーレートYRの絶対値がヨーレート閾値KYR以上になった場合には、旋回時における車両Cの安定性が低下した状態であると判断される。すなわち、右後輪RRの横坑力が低下しすぎた結果、車両Cがオーバーステア状態であると判断される。そして、右前輪FRの車輪速度VWが車輪速度閾値KVW以上であると共に、右後輪RRのスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上であり、さらに、車両Cの実ヨーレートYRの絶対値がヨーレート閾値KYR以上になったため、右後輪RRに対する制動力BPが低下される。
すると、右後輪RRに対する制動力BPの低下に伴い、二番目に遅い右前輪FRの車輪速度VWを基準とした右後輪RRのスリップ率SLPが次第に低下すると共に、右後輪RRの横坑力が次第に大きくなることにより、車両Cの実ヨーレートYRの絶対値が次第に小さくなっていく。そして、二番目に遅い右前輪FRの車輪速度VWを基準とした右後輪RRのスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満になったり、車両Cの実ヨーレートYRの絶対値がヨーレート閾値KYR未満になったりすると、旋回時における車両Cの安定性が再び確保されたと判断される。すなわち、車両Cのオーバーステア状態が解消されたものと判断される。そして、右後輪RRに対する制動力BPが再び上昇することになる。その後、ステアリングホイール24の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA未満になると、車両Cの旋回が完了したと判断され、旋回制動制御が終了し、右後輪RRに付与されていた制動力BPが解消される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ステアリングホイール24の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上になった場合に、予め設定された制御用車輪として車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に制動力BPを付与する旋回時制動制御が実行される。そして、この旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上であるときには、該制御用車輪の横坑力の低下に起因して、旋回時における車両Cの安定性が低下していると判断する。そして、制御用車輪(例えば右後輪RR)に対する制動力BPを、制御用車輪のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満である場合の制御用車輪に対する制動力BPよりも低下させる。そのため、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPが低下すると共に、制御用車輪の横坑力の低下が制御用車輪に対する制動力BPを低下させない場合に比して抑制されるため、旋回時における車両Cの安定性が確保される。したがって、低速度(制御開始用車体速度閾値KVS1未満の車体速度VS)にて低μ路上を旋回する車両Cに旋回時制動制御が実行された場合であっても、車両Cの安定性を確保した状態で車両Cの旋回半径を短くすることができる。
(2)一般に、旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上であると共に、車両Cの実ヨーレートYRが目標ヨーレートYRTに基づき設定されたヨーレート閾値KYR以上であるときには、車両Cがオーバーステアリング状態になってしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、旋回時制動制御の実行に基づいて、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上になると共に、車両Cの実ヨーレートYRがヨーレート閾値KYR以上になった場合には、制御用車輪に対する制動力BPを、制御用車輪のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満である場合の制御用車輪に対する制動力BPよりも低下させる。そのため、制御用車輪(例えば右後輪RR)の横坑力の低下を、制御用車輪に対する制動力BPを低下させない場合に比して抑制できる結果、制御開始用車体速度閾値KVS以下の車体速度VSで低μ路を旋回する車両Cのオーバーステアリング状態を解消することができる。
(3)車輪速度閾値KVWは、車輪速度センサSE4〜SE7の車輪速度VWの検出能力の限界に基づいて、最も遅い車輪(例えば右後輪RR)の車輪速度VWが検出可能な最低速度である場合における二番目に遅い車輪の車輪速度(例えば右前輪FR)の車輪速度VWに設定されている。そのため、二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWが車輪速度閾値KVW未満であるときには、最も遅い車輪である制動用車輪(例えば右後輪RR)の正確な車輪速度VWが検出されないおそれがあり、この状態で演算された制動用車輪のスリップ率SLPも正確なものではないおそれがある。そのため、二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWが車輪速度閾値KVW未満であるときには、制動用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPに依らず、制御用車輪に対する制動力BPの低下が禁止される。したがって、誤った車輪速度VWに基づき演算された制動用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上になっても、制御用車輪に対する制動力BPの低下が禁止される結果、旋回時制動制御の実行に基づいて車両Cの旋回半径を良好に小さくすることができる。
(4)制動用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPは、二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWを基準に演算される。そのため、二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWの値が「0(零)」であった場合には、車輪速度センサSE4〜SE7にて各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWを検出できないような低速度で車両Cが旋回している可能性がある。そのため、二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)の車輪速度VWを検出する際に、車輪速度センサSE4〜SE7にて各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWを検出できないような車体速度VSで車両Cが旋回しているか否かを判定することができる。
(5)本実施形態では、作動スイッチSW2が「ON」にセットされていなければ(即ち、ステップS16が肯定判定でなければ)、ステップS10,S13,S15が全て肯定判定になったとしても、旋回時制動制御が実行されることはない。すなわち、車両Cの運転手に旋回時制動制御を実行させる意志を持って作動スイッチSW2が「ON」にセットされた場合、ステップS10,S13,S15が全て肯定判定になると、旋回時制動制御が実行される。そのため、運転手に旋回時制動制御を実行させる意志がないにも関わらず、旋回時制動制御が実行されることを抑制できる。
(6)また、車両Cの車体速度VSが制御開始用車体速度閾値KVS1以上である場合には、ステップS10,S15,S16が全て肯定判定になったとしても、旋回時制動制御が実行されることはない。すなわち、車両Cの車体速度VSが制御開始用車体速度閾値KVS1以上である場合には、旋回時制動制御を実行させるよりも、車両Cの運転手によるブレーキペダル37の踏込み操作によって、各車輪FR,FL,RR,FLに制動力をそれぞれ付与したほうが車両Cの旋回半径を短くできる。したがって、旋回時制動制御の実行に基づく効果が小さい場合に、当該旋回時制動制御が実行されることを回避できる。
(7)同様に、ブレーキペダル37が踏込み操作されている場合には、各車輪FR,FL,RR,FLに制動力がそれぞれ付与されることにより、車輪FR,FL,RR,FLに制動力が付与されずに旋回する場合に比して、車両Cの旋回半径が短くなる。そのため、ブレーキペダル37が踏込み操作されている場合において、旋回時制動制御が不用意に実行されることを回避できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図6に従って説明する。なお、第2の実施形態は、旋回時制動制御処理ルーチンの内容が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU16が実行する旋回時制動制御処理ルーチンについて、図6に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、旋回時制動制御処理ルーチンにおいて、ECU16は、上記ステップS30〜S33に相当するステップS50,S51,S52,S53の処理を順次実行する。そして、ステップS53の判定結果が否定判定である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS56に移行する。
一方、ステップS53の判定結果が肯定判定である場合、ECU16は、上記ステップS12にて検出した車両Cの車体速度VSの絶対値が予め設定された低下用車体速度閾値KVS2(例えば時速「8」km)以上であるか否かを判定する(ステップS54)。この低下用車体速度閾値KVS2は、低μ路での旋回時に旋回時制動制御が実行された場合において車両Cの安定性が確保されているか否かを判断するための値であって、実験やシミュレーションなどによって、上記制御開始用車体速度閾値KVS1よりも低い値に予め設定される。ステップS54の判定結果が否定判定(VSの絶対値<KVS2)である場合、その処理を後述するステップS56に移行する。
一方、ステップS54の判定結果が肯定判定(VSの絶対値≧KVS2)である場合、ECU16は、上記ステップS38に相当するステップS55の判定処理を実行する。この判定結果が肯定判定である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS56に移行する。一方、ステップS55の判定結果が否定判定である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS57に移行する。
ステップS56において、ECU16は、上記ステップS39と同等の処理を実行し、その後、旋回時制動制御処理を終了する。
ステップS57において、ECU16は、上記ステップS40と同等の処理を実行し、その後、旋回時制動制御処理を終了する。その結果、車両Cの旋回方向内側の後輪に対する制動力BPは、ステップS56が実行された場合の車両Cの旋回方向内側の後輪に対する制動力BPよりも低下することになる。
すなわち、低μ路上での車両Cの旋回時に旋回時制動制御が実行された場合、車両Cの車体速度VSが低下用車体速度閾値KVS2以上になると、車両Cに加わる遠心力は、車体速度VSが低下用車体速度閾値KVS2未満である場合に比して大きくなる。そのため、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に対する制動力BPの上昇に伴い、車両Cの旋回方向内側の後輪の横坑力が低下する結果、各車輪FR,FL,RR,RLの各横坑力では、車両Cに加わる遠心力に抗しきれず、旋回時における車両Cの安定性が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、二番目に遅い右前輪FRの車輪速度VWを基準とした右後輪RRのスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上であると共に、車両Cの車体速度VSが低下用車体速度閾値KVS2以上である場合には、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に対する制動力BPを低下させる。その結果、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)の横坑力が、制動力BPの低下に伴い上昇するため、低μ路を低速度(制御開始用車体速度閾値KVS1以下の車体速度VS)で旋回する車両Cの安定性が確保される。その後、旋回時制動制御が継続的に実行されている間に、二番目に遅い右前輪FRの車輪速度VWを基準とした右後輪RRのスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満になったり、車両Cの車体速度VSが低下用車体速度閾値KVS2未満になったりすると、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に対する制動力BPが再び上昇することになる。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1),(3)〜(7)に加え、さらに以下に示す効果をも得ることができる。
(8)一般に、旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪である車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上であると共に、車両Cの車体速度VSが低下用車体速度閾値KVS2以上であるときには、車両Cに加わる遠心力が大きくなる。その結果、低μ路を旋回中の車両Cの安定性が低下してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、旋回時制動制御の実行に基づいて、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上となると共に、車両Cの車体速度VSが低下用車体速度閾値KVS2以上になった場合には、制御用車輪に対する制動力BPを、制御用車輪のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満である場合の制御用車輪に対する制動力BPよりも低下させる。そのため、制御用車輪(例えば右後輪RR)の横坑力の低下を、制御用車輪に対する制動力BPを低下させない場合に比して抑制できる結果、制御開始用車体速度閾値KVS以下の車体速度VSで低μ路上を旋回する車両Cの安定性を維持することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第3の実施形態は、旋回時制動制御処理ルーチンの内容が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU16が実行する旋回時制動制御処理ルーチンについて、図7に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、旋回時制動制御処理ルーチンにおいて、ECU16は、上記ステップS30〜S33に相当するステップS70,S71,S72,S73の処理を順次実行する。そして、ステップS73の判定結果が否定判定である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS77に移行する。
一方、ステップS73の判定結果が肯定判定である場合、ECU16は、横方向加速度センサSE9からの入力信号に基づき、車両Cの横方向加速度GYを演算により検出する(ステップS74)。この点で、本実施形態では、ECU16が、横方向加速度演算手段として機能する。続いて、ECU16は、ステップS74にて検出した車両Cの横方向加速度GYの絶対値が予め設定された横方向加速度KGY以上であるか否かを判定する(ステップS75)。この判定結果が否定判定(GYの絶対値<KGY)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS77に移行する。
一方、ステップS75の判定結果が肯定判定(GYの絶対値≧KGY)である場合、ECU16は、上記ステップS38に相当するステップS76の判定処理を実行する。この判定結果が肯定判定である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS77に移行する。一方、ステップS76の判定結果が否定判定である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS78に移行する。
ステップS77において、ECU16は、上記ステップS39と同等の処理を実行し、その後、旋回時制動制御処理を終了する。
ステップS78において、ECU16は、上記ステップS40と同等の処理を実行し、その後、旋回時制動制御処理を終了する。その結果、車両Cの旋回方向内側の後輪に対する制動力BPは、ステップS77が実行された場合の車両Cの旋回方向内側の後輪に対する制動力BPよりも低下することになる。
すなわち、図8に示すように、低μ路の斜面上を旋回する車両Cには、該車両Cの旋回に基づく遠心力と、該車両Cに対する重力とが働く。この場合、車両Cの横方向加速度GYは、車両Cに働く遠心力と重力との総和に基づいた値になる。そして、この車両Cの横方向加速度GYの絶対値が横方向加速度閾値KGY以上になった状態で、旋回時制動制御が実行されると、各車輪FR,FL,RR,RLの各横坑力では、車両Cに加わる遠心力や重力に抗しきれないおそれがある。その結果、旋回時における車両Cの安定性が低下し、該車両Cが低μ路の斜面にてスピンしてしまうおそれがある(図8参照)。
そこで、本実施形態では、二番目に遅い右前輪FRの車輪速度VWを基準とした右後輪RRのスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上であると共に、車両Cの横方向加速度GYが横方向加速度閾値KGY以上である場合には、車両Cの旋回方向内側の後輪(右後輪RR)に対する制動力BPを低下させる。その結果、車両Cの旋回方向内側の後輪(右後輪RR)の横坑力が、制動力BPの低下に伴い上昇するため、低μ路の斜面を低速度で旋回する車両Cの安定性が確保される。すなわち、車両Cのスピンが回避される。その後、旋回時制動制御が継続的に実行されている間に、二番目に遅い右前輪FRの車輪速度VWを基準とした右後輪RRのスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満になったり、車両Cの横方向加速度GYが横方向加速度閾値KGY未満になったりすると、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に対する制動力BPが再び上昇することになる。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1),(3)〜(7)に加え、さらに以下に示す効果をも得ることができる。
(9)一般に、旋回時制動制御が実行されている場合において、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上であると共に、車両Cの横方向加速度GYの絶対値が横方向加速度閾値KGY以上であるときには、旋回時における車両Cの安定性が低下してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、旋回時制動制御の実行に基づいて、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上になると共に、車両Cの横方向加速度GYの絶対値が横方向加速度閾値KGY以上になった場合には、制御用車輪に対する制動力BPを、制御用車輪のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP未満である場合の制御用車輪に対する制動力よりも低下させる。そのため、制御用車輪(例えば右後輪RR)の横坑力の低下を、制御用車輪に対する制動力BPを低下させない場合に比して抑制できる結果、制御開始用車体速度閾値KVS以下の車体速度VSで低μ路の斜面を旋回する車両の安定性を良好に確保できる。
なお、各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第1の実施形態において、上記ステップS38の判定処理を実行しなくてもよい。同様に、第2の実施形態において、上記ステップS55の判定処理を実行しなくてもよい。また、第3の実施形態において、上記ステップS76の判定処理を実行しなくてもよい。
・各実施形態において、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPは、車両Cの車体速度VSを基準に検出したものであってもよい。
・第2の実施形態において、ヨーレート閾値KYRは、上記ステップS35にて検出された目標ヨーレートYRTよりも大きな値に設定されるのであれば、例えば目標ヨーレートYRTに予め設定された所定値(所定値は正の値)を加算することにより設定される値であってもよい。
・各実施形態において、旋回時制動制御実行判定処理ルーチンのステップS13の判定処理を実行しなくてもよい。すなわち、車両の車体速度VSに関係なく、ステップS10,S15,S16の各判定処理が全て肯定判定である場合に、旋回時制動制御を実行するようにしてもよい。
・また、旋回時制動制御実行判定処理ルーチンのステップS10の判定処理を実行しなくてもよい。すなわち、運転手によるブレーキペダル37の踏込み操作の有無に関係なく、ステップS13,S15,S16の各判定処理が全て肯定判定である場合に、旋回時制動制御を実行するようにしてもよい。
・さらに、旋回時制動制御実行判定処理ルーチンのステップS16の判定処理を実行しなくてもよい。すなわち、作動スイッチSW2の操作態様(「ON」であるか「OFF」であるか)に関係なく、ステップS10,S13,S15の各判定処理が全て肯定判定である場合に、旋回時制動制御を実行するようにしてもよい。
・各実施形態では、車両Cには、作動スイッチSW2を設けなくてもよい。この場合、上記ステップS16では、操舵トルクセンサSE3からの入力信号に基づきステアリングホイール24に加わる操舵トルクを演算により検出し、該操舵トルクが予め設定された操舵トルク閾値以上であったときに、上記ステップS17を実行させることが好ましい。すなわち、旋回時制動制御を実行させる意志を持った運転手のステアリングホイール24の操舵によって、該ステアリングホイール24に操舵トルク閾値以上の操舵トルクが加わらない限り、ステップS10,S13,S15の各判定処理が全て肯定判定であっても、旋回時制動制御が実行されることはない。すなわち、車両Cの運転手に旋回時制動制御を実行させる意志がない場合に、旋回時制動制御が誤動作してしまうことを抑制できる。
・第1の実施形態において、ステップS37,S38の判定処理を行わなくてもよい。すなわち、制御用車輪(例えば右後輪RR)のスリップ率SLPがスリップ率閾値KSLP以上である場合には、車両Cの実ヨーレートYRや二番目に遅い車輪(例えば右前輪FR)などに依らず、ステップS40を実行するようにしてもよい。
・各実施形態において、旋回時制動制御を実行する場合において、制御用車輪を、車両Cの旋回方向内側の前輪にしてもよい。この場合、各車輪FR,FL,RR,RLのうち、最も遅い車輪がCの旋回方向内側の前輪になると共に、二番目に遅い車輪がCの旋回方向内側の後輪になる。
・各実施形態において、操舵角閾値KAは、最大舵角よりも小さな値であってもよい。
・各実施形態において、車両の車体速度VSは、各車輪FR,FL,RR,RLの各車輪速度のうち最も値の大きな車輪速度、2番目に大きな値の車輪速度、3番目に大きな値の車輪速度、及び各車輪速度の平均値のうち何れか一つを基準にして検出するようにしてもよい。
・各実施形態において、制動力付与機構15は、車両の運転手によるブレーキペダル37の踏込み操作量を電気信号に変換し、該電気信号に基づいた制動力を各車輪FR,FL,RR,RLに付与する所謂ブレーキバイワイヤ(Brake-by-wire )方式のものであってもよい。
次に、上記各実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想(イ)(ロ)について以下に追記する。
(イ)車両(C)の進行方向に対する左右両側に配置される車輪(FR,FL,RR,RL)と、該各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を個別に付与する制動手段(36a,36b,36c,36d)とを備える車両(C)に搭載される車両の車輪スリップ率演算装置(16)であって、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)を個別に演算する車輪速度演算手段(S11)と、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち少なくとも一つの車輪(RR)に制動力(BP)が付与されるように、前記制動手段(36a,36b,36c,36d)を制御する制御手段(16)とを備え、該制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記車輪速度演算手段(S11)により演算された前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)に基づき、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち最も遅い車輪(RR)を特定し、該最も遅い車輪(RR)のスリップ率(SLP)を、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち二番目に遅い車輪(RL)の車輪速度(VW)を基準に演算する車両の車輪スリップ率演算装置。
上記構成では、各車輪のうち最も遅い車輪のスリップ率は、二番目に遅い車輪の車輪速度を基準に演算される。そのため、車輪速度センサの低速時における車輪速度検出能力の限界に起因して、二番目に遅い車輪の車輪速度が検出できなかった場合、車両は、その車体速度が時速「0(零)」kmに近い低速度で走行している可能性がある。すなわち、二番目に遅い車輪の車輪速度を検出する際に、車輪速度センサにて各車輪の車輪速度を検出できないような車体速度で車両が走行しているか否かを判定することが可能になる。
(ロ)前記制御手段(16)は、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち二番目に遅い車輪(FR)の車輪速度(VW)が予め設定された車輪速度閾値(KVW)以上である場合に、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)のうち最も遅い車輪(RR)のスリップ率(SLP)を、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)のうち二番目に遅い車輪(FR)の車輪速度(VW)を基準に演算する前記技術的思想(イ)に記載の車両の車輪スリップ率演算装置。
一般に、車輪の車輪速度を検出するための車輪速度センサには、低速時において車輪速度検出能力に限界があり、検出不能な速度領域がある。また、車両の旋回時において、二番目に遅い車輪の車輪速度と最も遅い車輪の車輪速度との間には、対応関係がある。すなわち、二番目に遅い車輪の車輪速度が検出された場合には、該検出された車輪速度に基づいて、最も遅い車輪の車輪速度を推定することができる。そこで、車輪速度閾値を、最も遅い車輪の車輪速度が検出可能な最低速度である場合における二番目に遅い車輪の車輪速度に設定したとする。このように車輪速度閾値を設定した場合、二番目に遅い車輪の車輪速度が車輪速度閾値未満であるときには、最も遅い車輪(制動用車輪)の車輪速度が検出されないおそれがあり、制動用車輪のスリップ率も正確に検出できないおそれがある。そのため、二番目に遅い車輪の車輪速度が車輪速度閾値以上である場合のみ、最も遅い車輪のスリップ率を、二番目に遅い車輪の車輪速度を基準に検出するようにした。
第1の実施形態における制動制御装置が搭載された車両のブロック図。 第1の実施形態における制動力付与機構のブロック図。 第1の実施形態における旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを示すフローチャート。 第1の実施形態における旋回時制動制御処理ルーチンを示すフローチャート。 旋回時制動制御が実行されている車両の作用を説明する模式図。 第2の実施形態における旋回時制動制御処理ルーチンを示すフローチャート。 第3の実施形態における旋回時制動制御処理ルーチンを示すフローチャート。 低μ路の斜面で車両が旋回している状態を説明する模式図。
符号の説明
11…制動制御装置、16…制御装置(車輪速度演算手段、操舵角演算手段、制御手段、ヨーレート演算手段、車体速度演算手段、ヨーレート演算手段、ヨーレート閾値設定手段、横方向加速度演算手段、車輪スリップ率演算装置)、24…ステアリングホイール、36a〜36d…ホイールシリンダ(制動手段)、A…操舵角、BP…制動力、C…車両、FR…右前輪(車両の旋回方向内側の前輪、二番目に遅い車輪)、FL…左前輪、GY…横方向加速度、KA…操舵角閾値、KGY…横方向加速度閾値、KSLP…スリップ率閾値、KVS2…低下用車体速度閾値、KVW…車輪速度閾値、KYR…ヨーレート閾値、RR…右後輪(車両の旋回方向内側の後輪、制御用車輪)、RL…左後輪、SLP…スリップ率、VS…車体速度、VW…車輪速度、YR…実ヨーレート、YRT…目標ヨーレート。

Claims (7)

  1. 車両(C)の進行方向に対する左右両側に車輪(FR,FL,RR,RL)が配置される車両(C)に搭載され、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与される制動力を制御する車両の制動制御装置(11)であって、
    前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)を個別に演算する車輪速度演算手段(S11)と、
    車両のステアリング(24)の操舵角(A)を演算する操舵角演算手段(S14)と、
    該操舵角演算手段(S14)により演算された前記操舵角(A)の絶対値が予め設定された操舵角閾値(KA)以上である場合に、車両(C)の旋回方向内側の前輪(FR)及び後輪(RR)のうち予め設定された制御用車輪(RR)に制動力(BP)が付与される旋回時制動制御を実行する制御手段(16)とを備え、
    該制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時に前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)を演算し、該スリップ率(SLP)が予め設定されたスリップ率閾値(KSLP)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させる車両の制動制御装置。
  2. 車両(C)のヨーレート(YR)を演算するヨーレート演算手段(S34)と、
    車両(C)の車体速度(VS)を演算する車体速度演算手段(S12)と、
    前記操舵角演算手段(S14)により演算された操舵角(A)及び前記車体速度演算手段(S12)により演算された車体速度(VS)に基づいて目標ヨーレート(YR)を演算する目標ヨーレート演算手段(S34)と、
    該目標ヨーレート演算手段(S34)により演算された前記目標ヨーレート(YR)に基づきヨーレート閾値(KYR)を設定するヨーレート閾値設定手段(S36)とをさらに備え、
    前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記ヨーレート演算手段(S34)により演算された前記ヨーレート(YR)が前記ヨーレート閾値設定手段(S36)により設定された前記ヨーレート閾値(KYR)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させる請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 車両(C)の車体速度(VS)を演算する車体速度演算手段(S12)をさらに備え、
    前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記車体速度演算手段(S12)により演算された前記車体速度(VS)が予め設定された車体速度閾値(KVS2)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させる請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  4. 車両(C)の横方向加速度(GY)を演算する横方向加速度演算手段(S74)をさらに備え、
    前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記横方向加速度演算手段(S74)により演算された前記横方向加速度(GY)の絶対値が予め設定された横方向加速度閾値(KGY)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させる請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  5. 前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記車輪速度演算手段(S11)により演算された前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)に基づき、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち二番目に遅い車輪(RR)を特定し、該二番目に遅い車輪(FR)の車輪速度(VW)が予め設定された車輪速度閾値(KVW)未満である場合、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)の低下を禁止する請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  6. 前記制御手段(16)は、前記旋回時制動制御の実行時において、前記車輪速度演算手段(S11)により演算された前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)に基づき、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち二番目に遅い車輪(RR)を特定し、前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)を、前記二番目に遅い車輪(RR)の車輪速度(VW)を基準に演算する請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  7. 車両の進行方向に対する左右両側に配置された車輪(FR,FL,RR,RL)に付与される制動力を制御する車両の制動制御方法であって、
    前記各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度(VW)を個別に演算すると共に、車両のステアリング(24)の操舵角(A)を演算し、該演算された前記操舵角(A)の絶対値が予め設定された操舵角閾値(KA)以上である場合に、車両の旋回方向内側の前輪(FR)及び後輪(RR)のうち予め設定された制御用車輪(RR)に制動力(BP)が付与される旋回時制動制御を実行し、
    該旋回時制動制御の実行時に前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)を演算し、該スリップ率(SLP)が予め設定されたスリップ率閾値(KSLP)以上である場合に、前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)を、前記旋回時制動制御の実行時における前記制御用車輪(RR)のスリップ率(SLP)が前記スリップ率閾値(KSLP)未満である場合の前記制御用車輪(RR)に対する制動力(BP)よりも低下させるようにした車両の制動制御方法。
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