JP5040508B2 - 車両の旋回時制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の旋回時において旋回半径を小さくするための車両の旋回時制御装置に関する。
従来、この種の車両の旋回時制御装置として、例えば特許文献1に記載される車両の旋回時制御装置(以下、「従来旋回時制御装置」という。)が提案されている。この従来旋回時制御装置は、ステアリングホイールの操舵角を検出し、該検出結果に基づきステアリングホイールが最大操舵されたと判断した場合、車両の旋回方向内側の後輪(右方向に旋回している場合には右後輪)に対して該後輪がロックしない程度の制動力を付与する旋回時制動制御(「小回り制御」ともいう。)を実行するようにしている。なお、「最大操舵」とは、ステアリングホイールが一定方向(回転方向右側又は左側)に最大限まで操舵された状態のことをいう。
このように旋回時制動制御が実行された状態で旋回する車両では、旋回時に旋回時制動制御が実行されない車両に比して旋回半径が小さくなるため、小回りが効くことになる。そのため、この従来旋回時制御装置を搭載した一般乗用車(以下、「車両」という。)の運転手がステアリングホイールを最大操舵することにより旋回時制動制御が実行された場合には、車両が走行する道路の道幅が狭かったとしても該車両を反転させることが可能となっていた。
特許第3465394号公報(請求項1)
ところで、道幅のより狭い道路で車両を反転(旋回)させる場合には、旋回時制動制御の実行によって車両の旋回半径をより小さくすることが望ましい。そこで、このような願望を達成させる方法として、旋回方向内側の後輪に強力な制動力を付与することにより該後輪をロックさせた状態で車両を旋回させる方法が考えられる。この場合、旋回方向内側の後輪が横滑りしつつ車両が旋回することになるため、該車両の旋回半径をより小さくすることができる。しかしながら、このように旋回方向内側の後輪をロックさせた状態で車両を旋回させた場合は、旋回方向内側の後輪に対して該後輪がロックしない程度の大きさの制動力を付与した状態で車両を旋回させる場合に比して、旋回方向内側の後輪への制動力の付与によって車両の運転手が感じる引きずり感を増大させてしまう問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の旋回時において旋回方向内側の車輪への制動力の付与によって車両の運転手が感じる引きずり感の増大を抑制しつつ、車両の旋回半径をより小さくできる車両の旋回時制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両の旋回時制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、車両(C)の進行方向における前後両側及び該進行方向に対する左右両側に車輪(FR,FL,RR,RL)がそれぞれ配置される車両(C)に搭載され、車両(C)の旋回時に旋回方向内側の車輪(FR,RR)に制動力を付与するための車両の旋回時制御装置(15)であって、前記車両(C)には、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を個別に付与するための制動力付与機構(13)と、前記車輪(FR,FL,RR,RL)と路面との摩擦力を低下させるための摩擦力低下機構(14)とが設けられており、車両(C)のステアリング(16)の操舵角(A)を演算する操舵角演算手段(S10)と、該操舵角演算手段(S10)によって演算された操舵角(A)の絶対値が予め設定された操舵角閾値(KA)以上である場合に、車両(C)の旋回方向内側の車輪(FR,RR)に制動力を付与するために前記制動力付与機構(13)の駆動を制御する旋回時制動制御を実行すると共に、車両(C)の進行方向後側の車輪(RR,RL)と路面との摩擦力を低下させるために前記摩擦力低下機構(14)の駆動を制御する制御手段(S17,S21)とを備え、前記摩擦力低下機構(14)には、液体を貯留する貯留部(41)と、該貯留部(41)から供給された液体を前記車輪(FR,FL,RR,RL)及び路面のうち少なくとも一方に向けて流出するためのノズル部(42,43)とが設けられていることを要旨とする。
上記構成では、ステアリングの操舵角が操舵角閾値以上である場合には、車両の旋回方向内側の車輪に制動力を付与するために旋回時制動制御が実行されると共に、車両の進行方向後側の車輪と路面との摩擦力を低下させるために摩擦力低下機構が駆動する。そのため、車両の旋回時には、車両の進行方向後側の車輪と路面との摩擦力が低下することにより、摩擦力低下機構が駆動しない場合及び摩擦力低下機構が車両に搭載されていない場合に比して進行方向後側の車輪が横滑りしやすくなる。その結果、旋回方向内側の車輪がロックしてしまうような強力な制動力を該車輪に付与しなくても従来の場合に比して車両の旋回半径を小さくできる。したがって、車両の旋回時において旋回方向内側の車輪への制動力の付与によって車両の運転手が感じる引きずり感の増大を抑制しつつ、車両の旋回半径をより小さくできる。
上記構成では、ステアリングの操舵角の絶対値が操舵角閾値以上である場合には、貯留部に貯留されている液体が車両の進行方向後側の車輪及び路面のうち少なくとも一方に向けて流出され、進行方向後側の車輪に対する路面のμ値が低下する。そのため、進行方向後側の車輪を横滑りさせやすい状況を容易に作り出すことが可能になる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の車両の旋回時制御装置において、前記車両(C)が走行する路面のμ値を推定する路面μ値推定手段(S19)をさらに備え、前記制御手段(S17,S21)は、前記路面μ値推定手段(S19)による推定結果に基づき前記路面が低μ路であると判定した場合に、前記摩擦力低下機構(14)の駆動を規制することを要旨とする。
車両が走行する路面が低μ路(例えば凍結している路面)である場合には、摩擦力低下機構の駆動により、車両の進行方向後側の車輪と路面との摩擦力が高くなってしまう(例えば、路面のμ値が高くなってしまう)ことがあり、このような場合では、摩擦力低下機構が駆動しない場合に比して車両の旋回半径が大きくなってしまうおそれがある。この点、本発明では、ステアリングの操舵角の絶対値が操舵角閾値以上であっても車両が走行する路面が低μ路である場合には、旋回時制動制御が実行される一方で摩擦力低下機構の駆動が規制される。そのため、低μ路上で車両が旋回する場合には、摩擦力低下機構が駆動する場合とは異なり、車両の旋回半径が大きくなってしまうことが回避される。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項に記載の車両の旋回時制御装置において、前記制御手段(S17,S21)は、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与するために運転手がブレーキ操作していることを検出した場合には、前記旋回時制動制御の実行を規制することを要旨とする。
車両の旋回時において運転手がブレーキ操作している場合には、車両の各車輪に制動力がそれぞれ付与されるため、旋回時制動制御を実行しなくても車両の旋回半径を小さくすることが可能である。そのため、本発明では、車両の旋回時において運転手がブレーキ操作している場合には、ステアリングの操舵角の絶対値が操舵角閾値以上であっても旋回時制動制御の実行が規制されるため、制御手段の制御負荷の増大が抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の車両の旋回時制御装置において、車両(C)の車体速度(VS)を演算する車体速度演算手段(S14,S15)をさらに備え、前記制御手段(S17,S21)は、前記車体速度演算手段(S14,S15)によって演算された車体速度(VS)が、車両(C)が低速で走行しているか否かの判断基準として予め設定された車体速度閾値(KVS)以上である場合に、前記旋回時制動制御の実行を規制すると共に、前記摩擦力低下機構(14)の駆動を規制することを要旨とする。
車両が高速で旋回している場合に進行方向後側の車輪と路面との摩擦力を低下させるべく摩擦力低下機構が駆動した場合には、車両に加わる横方向加速度が大きくなり過ぎてしまい、車両の挙動が不安定になるおそれがある。この点、本発明では、車両が高速で旋回していると判定した場合には、ステアリングの操舵角の絶対値が操舵角閾値以上であっても、旋回時制動制御の実行が規制されると共に摩擦力低下機構の駆動が規制される。そのため、車両が高速で旋回している場合に、旋回時制動制御の実行及び摩擦力低下機構の駆動に起因して車両の挙動が不安定になることが抑制される。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両は、右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLを有する自動四輪車両であって、運転手によるアクセルペダル11の踏込み操作に基づいた駆動力が駆動輪(例えば後輪RR,RL)に伝達されることにより走行するようになっている。この車両には、前輪FR,FLを転舵輪(操舵輪)として転舵させるための転舵機構12と、各車輪FL,FR,RL,RRに制動力を付与するための制動力付与機構13とが設けられている。また、車両には、該車両の進行方向後側の車輪である後輪RR,RLが通過する路面に向けて液体としての水を噴射(流出)するための摩擦力低下機構14が設けられている。さらに、車両には、上記各機構12,13,14を車両の走行状態に応じて適宜に制御するための旋回時制御装置としての電子制御装置(以下、「ECU」という。)15が設けられている。
転舵機構12には、ステアリングホイール16と、ステアリングホイール16が固定されたステアリングシャフト17と、ステアリングシャフト17に連結された転舵アクチュエータ18とが設けられている。また、転舵機構12には、転舵アクチュエータ18により車両の左右方向に移動自在なタイロッドと、タイロッドの移動により前輪FL,FRを転舵させるリンクとを含んだリンク機構部19とが設けられている。さらに、転舵機構12には、ステアリングホイール16の操舵角を検出するための操舵角センサSE1が設けられ、操舵角センサSE1からは、ステアリングホイール16の操舵状況に応じた信号がECU15に出力されるようになっている。
次に、制動力付与機構13について図1及び図2に基づき以下説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の制動力付与機構13は、マスタシリンダ20及びブースタ21を有する液圧発生装置22と、2つの液圧回路23,24を有する液圧制御装置(図2では二点鎖線で示す。)25とを備えている。この第1液圧回路23には、左前輪FLに制動力を付与するためのホイールシリンダ26bと、右後輪RRに制動力を付与するためのホイールシリンダ26cとが接続されている。また、第2液圧回路24には、右前輪FRに制動力を付与するためのホイールシリンダ26aと、左後輪RLに制動力を付与するためのホイールシリンダ26dとが接続されている。
液圧発生装置22には、ブレーキペダル27が設けられ、車両の運転手によるブレーキペダル27の踏込み操作(即ち、ブレーキ操作)に基づいて液圧発生装置22のマスタシリンダ20及びブースタ21が駆動するようになっている。また、マスタシリンダ20には、各液圧回路23,24がそれぞれ接続されている。さらに、液圧発生装置22には、ECU15に電気的に接続されたブレーキスイッチSW1が設けられ、該ブレーキスイッチSW1からは、ブレーキペダル27の操作状況に応じた信号がECU15に出力されている。
液圧制御装置25において、第1液圧回路23上には、各ホイールシリンダ26b,26c内から流出したブレーキ液を一時貯留するためのリザーバ28と、モータMの回転に基づき駆動するポンプ29とが設けられている。このポンプ29は、リザーバ28内のブレーキ液を第1液圧回路23内におけるマスタシリンダ20側に吐出させる場合、及び運転手によるブレーキ操作に関係なくホイールシリンダ26b,26c内のブレーキ液圧を上昇させる場合などに駆動するようになっている。また、第1液圧回路23には、ホイールシリンダ26bに接続される左前輪用経路30と、ホイールシリンダ26cに接続される右後輪用経路31とが形成されている。これら各経路30,31上において、ホイールシリンダ26b,26cよりもマスタシリンダ20側には常開型の電磁弁32,33が設けられると共に、ホイールシリンダ26b,26cよりもリザーバ28側には常閉型の電磁弁34,35が設けられている。
また、第1液圧回路23において各経路30,31に分岐された部位よりもマスタシリンダ20側には、常開型の比例電磁弁36と、該比例電磁弁36と並列関係をなすリリーフ弁37とが設けられ、これら比例電磁弁36及びリリーフ弁37により比例差圧弁38が構成されている。この比例差圧弁38は、比例差圧弁38よりもマスタシリンダ20側とホイールシリンダ26b,26c側とで液圧差(ブレーキ液圧の差)を発生させる際に駆動するようになっている。この液圧差の最大値は、リリーフ弁37を構成するばね37aの付勢力に基づく値となる。また、第1液圧回路23には、リザーバ28とポンプ29との間からマスタシリンダ20側に向けて分岐された分岐液圧路39が形成され、この分岐液圧路39上には常閉型の電磁弁40が接続されている。
上述した各電磁弁32〜36,40のうち常開型の各電磁弁32,33,36は、それぞれのソレノイドコイルが通電されることにより閉じ動作するようになっている。一方、常閉型の各電磁弁34,35,40は、それぞれのソレノイドコイルが通電されることにより開き動作するようになっている。そして、これら各電磁弁32〜36,40の開閉動作及びポンプ29の駆動(即ち、モータMの回転)が個別に制御されることにより、各ホイールシリンダ26b,26c内のブレーキ液圧が、上昇したり、保持されたり、降下したりするようになっている。なお、第2液圧回路24上における構成は、第1液圧回路23と同一構成であるため、本明細書及び図面では、その記載を省略するものとする。
次に、摩擦力低下機構14について図1に基づき以下説明する。
図1に示すように、摩擦力低下機構14は、水を貯留するための貯留部としてのタンク41と、右後輪RRの前方に配置される右後輪用ノズル部42と、左後輪RLの前方に配置される左後輪用ノズル部43とを備え、これら各ノズル部42,43は、水供給路44を介してタンク41とそれぞれ連結されている。また、水供給路44上には、水供給用ポンプ45が配設されており、この水供給用ポンプ45の駆動により、タンク41から各ノズル部42,43内に供給された水が噴射されるようになっている。
次に、本実施形態のECU15について図1に基づき以下説明する。
ECU15は、入力側インターフェース(図示略)と、出力側インターフェース(図示略)と、CPU50、ROM51及びRAM52などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路とを主体として構成されている。ECU15の入力側インターフェースには、上記ブレーキスイッチSW1、操舵角センサSE1、及びアクセルペダル11の開度を検出するためのアクセル開度センサSE2が電気的に接続されている。また、入力側インターフェースには、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE3,SE4,SE5,SE6、及び車両の横方向(左右方向)における横方向加速度を検出するための横方向加速度センサSE7(「横Gセンサ」ともいう。)が電気的に接続されている。
なお、操舵角センサSE1は、ステアリングホイール16が回転方向右側に操舵された場合にはECU15が正の値を示すような信号を出力する一方、回転方向左側に操舵された場合にはECU15が負の値を示すような信号を出力するように設定されている。また、横方向加速度センサSE7は、車両の車両進行方向右側への加速度が検知された場合にはECU15が正の値を示すような信号を出力する一方、車両の車両進行方向左側への加速度が検知された場合にはECU15が負の値を示すような信号を出力するように設定されている。
一方、ECU15の出力側インターフェースには、ポンプ29を駆動させるためのモータM、各電磁弁32〜36,40、及び水供給用ポンプ45が電気的に接続されている。そして、ECU15は、上記ブレーキスイッチSW1及び各種センサSE1〜SE7からの各種入力信号に基づき、ポンプ29(モータM)、各電磁弁32〜36,40及び水供給用ポンプ45の駆動を個別に制御するようになっている。
デジタルコンピュータにおいて、ROM51には、モータM、各電磁弁32〜36,40及び水供給用ポンプ45を個別に制御するための各種の制御プログラム(後述する旋回時制動制御実行判定処理等)、及び各種閾値(後述する操舵角閾値、車体速度閾値、横方向加速度閾値等)などが記憶されている。また、RAM52には、車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報(後述するステアリングホイールの操舵角、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度、推定車体速度、横方向加速度等)などが記憶されるようになっている。
次に、本実施形態のECU15が実行する各制御処理のうち旋回時制動制御実行判定処理ルーチンについて図3に示すフローチャート及び図4(a)(b)(c)に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、ECU15は、所定周期毎(例えば「0.01秒」毎)に旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを実行する。そして、この旋回時制動制御実行判定処理ルーチンにおいて、ECU15は、操舵角センサSE1からの入力信号に基づきステアリングホイール16の操舵角Aを演算する(ステップS10)。この点で、本実施形態では、ECU15が、操舵角演算手段としても機能する。そして、ECU15は、ステップS10にて演算した操舵角Aが予め設定された操舵角閾値KA以上であるか否かを判定する(ステップS11)。この操舵角閾値KAは、ステアリングホイール16が最大操舵されたか否かを判断するための値(例えば「360°」)であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、「最大操舵」とは、ステアリングホイール16が一定方向(回転方向右側又は左側)に最大限まで操舵された状態のことをいう。
ステップS11の判定結果が否定判定(Aの絶対値<KA)である場合、ECU15は、その処理を後述するステップS18に移行する。一方、ステップS11の判定結果が肯定判定(Aの絶対値≧KA)である場合、ECU15は、ブレーキスイッチSW1が「オフ」であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定判定(SW1=「オン」)である場合、ECU15は、ブレーキ操作中であると判断し、その処理を後述するステップS18に移行する。一方、ステップS12の判定結果が肯定判定(SW1=「オフ」)である場合、ECU15は、非ブレーキ操作中であると判断し、アクセル開度センサSE2からの入力信号に基づきアクセルペダル11が操作されているか否かを判定する(ステップS13)。
この判定結果が否定判定である場合、ECU15は、その処理を後述するステップS18に移行する。一方、ステップS13の判定結果が肯定判定である場合、ECU15は、各車輪速度センサSE3〜SE6からの各入力信号に基づき各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度VWfr,VWfl,VWrr,VWrlをそれぞれ演算する(ステップS14)。そして、ECU15は、ステップS14にて演算した各車輪速度VWfr,VWfl,VWrr,VWrlに基づき車両の推定車体速度VSを演算する(ステップS15)。この点で、本実施形態では、ECU15が、車体速度演算手段としても機能する。
続いて、ECU15は、ステップS15にて演算した推定車体速度VSが予め設定された車体速度閾値KVS未満であるか否かを判定する(ステップS16)。この車体速度閾値KVSは、後述する旋回時制動制御及び摩擦力低下制御が実行されても車両の挙動安定性が確保できるような低速で車両が走行しているか否かを判断するための値(例えば「10km/h」(時速10キロメータ))であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS16の判定結果が否定判定(VS≧KVS)である場合、ECU15は、その処理を後述するステップS18に移行する。一方、ステップS16の判定結果が肯定判定(VS<KVS)である場合、ECU15は、旋回時制動制御(「小回り制御」ともいう。)を実行し(ステップS17)、その処理を後述するステップS19に移行する。
ここで、旋回時制動制御の一例として、車両が右方向に旋回する際の旋回時制動制御について以下説明する。
さて、ECU15は、図4(a)(b)(c)に示すように、ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上であること、ブレーキスイッチSW1が「オフ」であること、アクセルペダル11が踏込み操作されていること、及び車両の推定車体速度VSが車体速度閾値KVS未満であることが全て成立している場合に、旋回方向内側の後輪となる右後輪RRのホイールシリンダ26c内のブレーキ液圧BPを所定液圧BP1まで上昇させるべく制動力付与機構13の駆動を制御する。具体的には、ECU15は、第1液圧回路23側において、比例電磁弁36を閉じ状態にすると共に、分岐液圧路39上の電磁弁40を開き状態にし、さらに、左前輪用経路30上の常開型の電磁弁32を閉じ状態にする。また、ECU15は、第2液圧回路24側において、第1液圧回路23の比例電磁弁36に相当する比例電磁弁を閉じ状態にすると共に、第1液圧回路23の電磁弁32,33に相当する各電磁弁をそれぞれ閉じ状態にする。
この状態で、ECU15は、モータMを回転させることによりポンプ29を駆動させる。すると、右後輪RR用のホイールシリンダ26c内にはマスタシリンダ20側から分岐液圧路39を介してブレーキ液が流入することになり、ホイールシリンダ26c内のブレーキ液圧BPが上昇する。その一方で、右後輪RR以外の車輪(右前輪FR、左前輪FL、左後輪RL)用のホイールシリンダ26a,26b,26d内のブレーキ液圧BPは、それぞれ保持される。そして、ECU15は、ポンプ29の駆動に基づきホイールシリンダ26c内のブレーキ液圧BPが所定液圧BP1になったと判断した場合、モータMの駆動を停止させると共に、電磁弁33を閉じ状態にする。すると、ホイールシリンダ26c内のブレーキ液圧BPは、所定液圧BP1に保持される。なお、所定液圧BP1は、該所定液圧BP1に基づく制動力の付与により車輪(例えば右後輪RR)がロックしない程度の液圧に予め設定されている。
図3に示すフローチャートに戻り、ステップS18において、ECU15は、上述した旋回時制動制御の実行を停止し、旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)への制動力の付与を解消させる。すなわち、ECU15は、上記ステップS11,S12,S13.S16の判定処理における各判定結果のうち少なくとも一つが否定判定である場合、制動力付与機構13の各電磁弁32〜36.40及びポンプ29(モータM)の駆動を停止させる。すると、旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に対応するホイールシリンダ(例えばホイールシリンダ26c)内からは、ブレーキ液がマスタシリンダ20側に逆流し、該ホイールシリンダ内のブレーキ液圧が降下することになる。その結果、旋回方向内側の後輪に対する制動力が解消される。その後、ECU15は、後述するステップS22に移行する。
ステップS19において、ECU15は、横方向加速度センサSE7からの入力信号に基づき車両の横方向加速度GYを演算する。車両が略一定速度(本実施形態では低速)で走行している場合における旋回時制動制御中では、車両が走行している路面のμ値(摩擦係数)が大きいほど、車両の横方向加速度GYの絶対値は大きくなる。そこで、ECU15は、車両の横方向加速度GYの大きさから路面のμ値を推定することが可能である。この点で、本実施形態では、ECU15が、路面μ値推定手段としても機能する。
そして、ECU15は、ステップS19にて演算した横方向加速度GYの絶対値が予め設定された横方向加速度閾値KGYよりも大きいか否かを判定する(ステップS20)。この横方向加速度閾値KGYは、路面に水を噴射することにより該路面のμ値を低くすることができるような高μ路を車両が走行しているか否かを判断するための値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS20の判定結果が否定判定(GYの絶対値≦KGY)である場合、ECU15は、車両が低μ路(例えば凍結している路面や積雪している路面)を走行中であると判断し、その処理を後述するステップS22に移行する。このような低μ路に各ノズル部42,43から水を噴射した場合には、路面のμ値が逆に高くなってしまうおそれがある。例えば、凍結している路面に水を噴射した場合には、路面のμ値が高くなってしまうし、雨などで濡れている路面に水を噴射した場合には、路面のμ値はほとんど変わらない。
一方、ステップS20の判定結果が肯定判定(GYの絶対値>KGY)である場合、ECU15は、車両が高μ路を走行中であると判断し、摩擦力低下制御を実行する(ステップS21)。具体的には、ECU15は、摩擦力低下機構14の水供給用ポンプ45を駆動させることにより、各ノズル部42,43から水をそれぞれ噴射させる。したがって、本実施形態では、ECU15が、旋回時制動制御及び摩擦力低下制御を実行する制御手段としても機能する。その後、ECU15は、旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを一旦終了する。
ステップS22において、ECU15は、水供給用ポンプ45の駆動を規制することにより摩擦力低下制御を停止する。その後、ECU15は、旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを一旦終了する。
次に、本実施形態の車両が右方向に旋回する際の作用について図5に基づき以下説明する。なお、上述したステップS11,S12,S13,S16,S20の判定処理は全て肯定判定であるものとする。
さて、旋回時制動制御と摩擦力低下制御とが共に実行されると、図5に示すように、旋回方向内側の後輪である右後輪RRには、ホイールシリンダ26c内のブレーキ液圧BP(=BP1)に基づく制動力が付与されると共に、右後輪RRが走行する路面のμ値は、右後輪用ノズル部42から水が噴射されることにより低くなる。その結果、右後輪RRは、摩擦力低下制御が実行されない従来の場合に比して、横方向(左方向)に横滑りしやすくなる。また、本実施形態では、左後輪用ノズル部43からの水の噴射により、左後輪RLが走行する路面のμ値も低くなるため、旋回方向外側の後輪である左後輪RLも、摩擦力低下制御が実行されない従来の場合に比して、横方向(左方向)に横滑りしやすくなる。
そのため、摩擦力低下制御が実行される場合の車両Cの旋回半径は、摩擦力低下制御が実行されない従来の場合の車両(以下、「従来車両」という。)C1の旋回半径よりも小さくなる。しかも、右後輪RRには該右後輪RRがロックするような強力な制動力が付与されていないため、右後輪RRに該右後輪RRがロックするような強力な制動力が付与される場合に比して旋回時制動制御の実行によって運転手が感じる引きずり感の増大が抑制される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上である場合には、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に制動力を付与するために旋回時制動制御及び摩擦力低下制御が実行される。そのため、車両Cの旋回時には、後輪RR,RLと路面との摩擦力が低下することにより、摩擦力低下制御が実行されない従来車両C1に比して後輪RR,RLが横滑りしやすくなる。その結果、旋回方向内側の後輪に対して該後輪がロックするような強力な制動力を付与しなくても、従来車両C1に比して車両Cの旋回半径を小さくできる。したがって、車両Cの旋回時において旋回方向内側の車輪への制動力の付与によって車両Cの運転手が感じる引きずり感の増大を抑制しつつ、車両Cの旋回半径をより小さくできる。
(2)ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上である場合には、摩擦力低下機構14の各ノズル部42,43から水が噴射される結果、後輪RR,RLに対する路面のμ値が低下する。そのため、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に対する制動力を増大させることなく該後輪を横滑りさせやすい状況を容易に作り出すことができる。
(3)車両Cの路面が低μ路である場合には、該路面に摩擦力低下機構14から水が噴射されることにより、後輪RR,RLに対する路面のμ値が高くなってしまうことがある。このような低μ路上での車両Cの旋回時に摩擦力低下制御が実行された場合には、車両Cの旋回半径が従来車両C1の旋回半径に比して大きくなってしまうおそれがある。この点、本実施形態では、ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上であっても車両Cが走行する路面が低μ路である場合には、旋回時制動制御は実行される一方で摩擦力低下制御の実行が規制される。そのため、低μ路を車両Cが旋回する場合には、摩擦力低下制御が実行される場合とは異なり、車両Cの旋回半径が大きくなってしまうことを回避できる。
(4)運車両の旋回時において運転手がブレーキ操作している場合には、車両Cの各車輪FR,FL,RR,RLに制動力がそれぞれ付与されるため、旋回時制動制御を実行しなくても車両Cの旋回半径を小さくすることができる。そのため、本実施形態では、車両Cの旋回時において運転手がブレーキ操作している場合には、ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上であっても旋回時制動制御の実行が規制される。したがって、ECU15の制御負荷の増大を抑制できると共に、制動力付与機構13のモータM(ポンプ29)や各電磁弁32〜36,40の不必要な駆動を抑制できる。
(5)車両Cが高速で旋回している場合に摩擦力低下機構14から水が路面に噴射された場合には、車両Cに加わる横方向加速度GYが大きくなり過ぎてしまい、車両Cの挙動が不安定になるおそれがある。この点、本実施形態では、車両Cが高速で旋回していると判定した場合には、ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上であっても、旋回時制動制御及び摩擦力低下制御の実行が規制されるため、旋回する車両Cの挙動安定性を確保できる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、車両Cが左方向に旋回する際に旋回時制動制御を実行する場合には、左後輪RLに対応するホイールシリンダ26d内のブレーキ液圧が所定液圧BP1になるように制動力付与機構13が駆動することになる。
・実施形態において、車両Cが高速で旋回している場合には、旋回時制動制御の実行を規制する一方で摩擦力低下制御を実行するようにしてもよい。ただし、旋回中に運転手がブレーキ操作していることを検出した場合には、車両の挙動安定性を確保するために摩擦力低下制御の実行を停止させることが望ましい。
・実施形態において、車両Cの旋回中にブレーキ操作された場合であっても、ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が操舵角閾値KA以上であること、アクセルペダル11が操作されていること、車両Cの推定車体速度VSが車体速度閾値KVS未満であること、及び車両の横方向加速度GYの絶対値が横方向加速度閾値KGYよりも大きいことが成立しているときには、摩擦力低下制御を実行するようにしてもよい。
・実施形態において、ステップS12の判定処理を実行しなくてもよい。この場合、運転手がブレーキ操作している場合であっても旋回時制動制御及び摩擦力低下制御が実行され得る。ただし、ブレーキ操作中の旋回時制動制御では、車両Cの旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)に対する制動力を、他の車輪(例えば、右前輪FR、左前輪FL、左後輪RL)に対する制動力よりも大きくすることが望ましい。このように構成した場合、運転手がブレーキ操作することにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与された状態であっても、旋回時制動制御の実行により、該旋回時制動制御が実行されない場合に比して車両Cの旋回半径を小さくすることができる。
・車両Cの車体速度(推定車体速度VS)が一定速度であると共にステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値が一定角度である場合には、路面のμ値が高いほど、車両Cのヨーレート(Yaw Rate)が低くなる。そこで、車両Cのヨーレートを検出するためのヨーレートセンサを車両Cに設け、車両Cのヨーレートに基づき車両Cが走行している路面のμ値を推定するようにしてもよい。
・実施形態において、上記ステップS20の判定処理を実行しなくてもよい。すなわち、旋回時制動制御を実行するための条件が全て成立している場合には、旋回時制動制御と共に摩擦力低下制御も実行するようにしてもよい。
・実施形態において、摩擦力低下機構14は、前輪FR,FLに対応するノズル部を個別に備えた構成であってもよい。そして、車両Cが後進する際に摩擦力低下制御を実行する場合には、前輪FR,FL側に水を噴射するようにしてもよい。
・実施形態において摩擦力低下制御では、旋回方向外側の後輪(例えば左後輪RL)側のみに水を噴射させるようにしてもよいし、旋回方向内側の後輪(例えば右後輪RR)側のみに水を噴射させるようにしてもよい。
・実施形態において、摩擦力低下機構14の各ノズル部42,43からは、後輪RR,RLのうち路面に接触する部分(例えばタイヤの外側面)に向けて水を噴射するようにしてもよい。このようにしても、摩擦力低下制御の実行により、後輪RR,RLのμ値が低下することにより、後輪RR,RLと路面との摩擦力を低下させることができる。
また、摩擦力低下機構14の各ノズル部42,43からは、後輪RR,RLが通過する路面及び後輪RR,RLのうち路面に接触する部分に向けて水を噴射するようにしてもよい。
・実施形態において、摩擦力低下機構14は、水供給用ポンプ45のような駆動源を設けずに、タンク41を各ノズル部42,43よりも上方に配置し、タンク41内の水の自重によって該水を各ノズル部42,43から路面に向けて流下させるようにしてもよい。
・実施形態において、摩擦力低下機構14は、水以外の他の液体(潤滑油等の液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体)や粉粒体(流して噴射できる固体)を各ノズル部42,43から噴射可能な構成であってもよい。例えば、摩擦力低下機構14は、粒子(砂など)が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲル(例えば物理ゲル)のような流状体及び砂などの粉体(粉粒体)を例とする固体を各ノズル部42,43から噴射するものであってもよい。また、摩擦力低下機構14は、上述した液体及び粉粒体を共に噴射するものであってもよい。
・実施形態において、操舵角閾値KAは、最大舵角よりも小さな値(例えば「300°」)であってもよい。
・実施形態において、旋回時制動制御を実行する場合に、車両Cの旋回方向内側の前輪にも制動力を付与するようにしてもよい。また、車両Cの旋回方向内側の後輪に制動力を付与せずに、旋回方向内側の前輪にのみ制動力を付与するようにしてもよい。
・実施形態において、旋回時制動制御では、ステアリングホイール16の操舵角Aの絶対値の大きさに応じて旋回方向内側の後輪に対応するホイールシリンダ内のブレーキ液圧を変更するようにしてもよい。
・実施形態において、車両Cが後進する場合であっても、旋回時制動制御及び摩擦力低下制御を実行するようにしてもよい。例えば、車両Cが左方に旋回する場合には、左前輪FLに制動力が付与されるように制動力付与機構13が駆動すると共に、前輪FR,FLが通過する路面に向けて水が噴射されることになる。
本実施形態の旋回時制御装置が搭載された車両のブロック図。 本実施形態における制動力付与機構の一部を示すブロック図。 旋回時制動制御実行判定処理ルーチンを示すフローチャート。 (a)はステアリングホイールの操舵角の変化を示すタイミングチャート、(b)は推定車体速度の変化を示すタイミングチャート、(c)は旋回方向内側の車輪に対応するホイールシリンダ内のブレーキ液圧の変化を示すタイミングチャート。 旋回時制動制御及び摩擦力低下制御が共に実行された状態で車両が旋回している様子と、旋回時制動制御のみが実行された状態で車両が旋回している様子との比較を示す模式図。
符号の説明
13…制動力付与機構、14…摩擦力低下機構、15…旋回時制御装置、操舵角演算手段、制御手段、路面μ値推定手段、車体速度演算手段としてのECU、16…ステアリングホイール、41…貯留部としてのタンク、42,43…ノズル部、A…操舵角、C…車両、FR,FL,RR,RL…車輪、KA…操舵角閾値、KVS…車体速度閾値、VS…推定車体速度。

Claims (4)

  1. 車両(C)の進行方向における前後両側及び該進行方向に対する左右両側に車輪(FR,FL,RR,RL)がそれぞれ配置される車両(C)に搭載され、車両(C)の旋回時に旋回方向内側の車輪(FR,RR)に制動力を付与するための車両の旋回時制御装置(15)であって、
    前記車両(C)には、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を個別に付与するための制動力付与機構(13)と、前記車輪(FR,FL,RR,RL)と路面との摩擦力を低下させるための摩擦力低下機構(14)とが設けられており、
    車両(C)のステアリング(16)の操舵角(A)を演算する操舵角演算手段(S10)と、
    該操舵角演算手段(S10)によって演算された操舵角(A)の絶対値が予め設定された操舵角閾値(KA)以上である場合に、車両(C)の旋回方向内側の車輪(FR,RR)に制動力を付与するために前記制動力付与機構(13)の駆動を制御する旋回時制動制御を実行すると共に、車両(C)の進行方向後側の車輪(RR,RL)と路面との摩擦力を低下させるために前記摩擦力低下機構(14)の駆動を制御する制御手段(S17,S21)とを備え
    前記摩擦力低下機構(14)には、液体を貯留する貯留部(41)と、該貯留部(41)から供給された液体を前記車輪(FR,FL,RR,RL)及び路面のうち少なくとも一方に向けて流出するためのノズル部(42,43)とが設けられている車両の旋回時制御装置。
  2. 前記車両(C)が走行する路面のμ値を推定する路面μ値推定手段(S19)をさらに備え、
    前記制御手段(S17,S21)は、前記路面μ値推定手段(S19)による推定結果に基づき前記路面が低μ路であると判定した場合に、前記摩擦力低下機構(14)の駆動を規制する請求項1に記載の車両の旋回時制御装置。
  3. 前記制御手段(S17,S21)は、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与するために運転手がブレーキ操作していることを検出した場合には、前記旋回時制動制御の実行を規制する請求項1又は請求項に記載の車両の旋回時制御装置。
  4. 車両(C)の車体速度(VS)を演算する車体速度演算手段(S14,S15)をさらに備え、
    前記制御手段(S17,S21)は、前記車体速度演算手段(S14,S15)によって演算された車体速度(VS)が、車両(C)が低速で走行しているか否かの判断基準として予め設定された車体速度閾値(KVS)以上である場合に、前記旋回時制動制御の実行を規制すると共に、前記摩擦力低下機構(14)の駆動を規制する請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の車両の旋回時制御装置。
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