JP2001168406A - 積層型圧電セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents
積層型圧電セラミック電子部品及びその製造方法Info
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Abstract
縁抵抗の劣化が殆ど生じないよう構成する。 【解決手段】 内部電極10,11,12と圧電セラミ
ック層13とを交互に複数積層して焼成した圧電セラミ
ック燒結体を部品本体とし、その内部電極10,11,
12と電気的に導通する端子電極14を圧電セラミック
燒結体の端部に設け、更に、ガラス絶縁材の被膜15を
圧電セラミック燒結体の表面に設ける。
Description
ック電子部品及びその製造方法に関するものである。
は、銀(Ag)または銀−パラジュウム(Ag-Pd)
の内部電極を印刷形成した圧電セラミックグリーンシー
トを内部電極と交互に複数積層させて圧電セラミック積
層体を作製し、その圧電セラミック積層体を焼成した
後、図5で示すように銀を主成分とする導電性ペースト
を積層セラミック燒結体1の端部に塗布して外部電極2
a,2b,2cを形成することにより構成されている。
3と交互に積層する内部電極4を圧電セラミック燒結体
1の側面に露出させて構成するものもある。
ては、微細な気孔が焼成により圧電セラミック燒結体の
層内に多数生じ、このため、高温高湿の環境下で長時間
使用すると、水分が気孔内に浸透し、内部電極間の絶縁
不良が発生する虞れがある。
系樹脂による外装被膜5を圧電セラミック燒結体1の表
面に形成し、水分の侵入,透過を防止することが行われ
ている。然し、有機物系樹脂による外装被膜5では水分
の侵入を完全に防ぐことは困難であり、長時間の使用に
伴って電極材料である銀のマイグレーション等により絶
縁性が低下し、短絡状態に至るのを避けられない。
の環境下で長時間使用しても、絶縁抵抗の劣化が殆ど生
じないよう構成可能な積層型圧電セラミック電子部品及
びその製造方法を提供することを目的とする。
縁抵抗の劣化が殆ど生じないよう構成可能な積層型圧電
セラミック電子部品及びその製造方法を提供することを
目的とする。
積層型圧電セラミック電子部品においては、内部電極と
圧電セラミック層とを交互に複数積層して焼成した圧電
セラミック燒結体を部品本体とし、その内部電極と電気
的に導通する端子電極を圧電セラミック燒結体の端部に
設け、更に、ガラス絶縁材の被膜を圧電セラミック燒結
体の表面に設けることにより構成されている。
ック電子部品においては、酸化鉛(PbO)、酸化ケイ素
(SiO2)、アルミナ(Al2O3)及び圧電セラミック
燒結体の全部或いは一部を構成する元素から選択される
セラミック化合物のいずれか2つ以上の組成物でなるガ
ラス絶縁材の被膜を圧電セラミック燒結体の表面に設け
ることにより構成されている。
ック電子部品においては、0.5〜7.0μmの膜厚み
を有するガラス絶縁材の被膜を圧電セラミック燒結体の
表面に設けることにより構成されている。
ック電子部品の製造方法においては、圧電セラミック粉
末をバインダー溶液に混合してスラリーを作製し、この
スラリーから圧電セラミックスグリーンシートを作製
し、その圧電セラミックグリーンシートと内部電極とを
交互に複数積層して圧電セラミック積層体を作製し、こ
の圧電セラミック積層体を燒結した後、圧電セラミック
燒結体の内部電極と電気的に導通する端子電極をセラミ
ック燒結体の端部に形成するのに加えて、圧電セラミッ
ク積層体の燒結後に、ガラス絶縁ペーストを圧電セラミ
ック燒結体の表面にコーテイングし、それを焼成してガ
ラス絶縁材の被膜を作製するようにされている。
ック電子部品の製造方法においては、酸化鉛(PbO)、
酸化ケイ素(SiO2)、アルミナ(Al2O3)及び圧電
セラミック燒結体の全部或いは一部を構成する元素から
選択されるセラミック化合物のいずれか2つ以上の組成
物でなるガラス絶縁ペーストを圧電セラミック燒結体の
表面にコーテングするようにされている。
ック電子部品の製造方法においては、ガラス絶縁ペース
トを0.5〜7.0μmの膜厚みで圧電セラミック燒結
体の表面にコーテングするようにされている。
すると、図示の積層型圧電セラミック電子部品は、図1
で示すように銀(Ag)または銀−パラジュウム(Ag
-Pd)の導電性ペーストから引出し電極の位置を違え
て内部電極10,11,12を圧電セラミックグリーン
シート13の面内に印刷形成し、その圧電セラミックグ
リーンシート13を内部電極10,11,12と交互に
複数積層して圧電セラミック積層体を作製し、この圧電
セラミック積層体を焼成した積層セラミック燒結体によ
り構成されている。
すように銀を主成分とする導電性ペーストを積層セラミ
ック燒結体1の端部に塗布して内部電極10,11,1
2と電気的に導通する外部電極14を形成する。更に、
酸化鉛(PbO)、酸化ケイ素(SiO2)、アルミナ(A
l2O3)及び圧電セラミック燒結体の全部或いは一部を
構成する元素から選択されるセラミック化合物のいずれ
か2つ以上の組成物でなるガラス絶縁材の被膜15を圧
電セラミック燒結体の表面に設けることにより積層型圧
電セラミック電子部品として構成されている。
電子部品では、圧電セラミック燒結体の表面を非透水性
の緻密なガラス絶縁材の被膜15で覆うため、水分の浸
透による内部電極間の絶縁不良及びマイグレーションに
よる絶縁不良の発生を防げ、高温,高湿環境下で長時間
の稼動が可能で変位量も確保できるところから信頼性,
耐久性の高いものに構成できる。
は、図1並びに図2で示すような内部電極を露出させな
いものの他に、図3で示すように圧電セラミックグリー
ンシート13の長手方向両端寄りを除いて内部電極1
0’,11’,12’を全面に印刷形成し、図4で示す
ような内部電極10’,11’,12’が端面に露出す
る圧電セラミック燒結体により構成することもできる。
するには、まず、圧電セラミックの原料粉末を主成分と
して有機バインダーを所定量添加し、更に、溶剤を加え
てボールミルにより十分に混合し、圧電セラミック磁器
材料のスラリーを作製する。次いで、このスラリーから
ロールコーターにより薄膜をポリエステルフィルム上に
形成し、その薄膜をポリエステルフィルム上で80〜1
00℃に加熱して乾燥させて所定幅に打ち抜くことによ
り厚さ20μmの圧電セラミックグリーンシートを得
る。
Pd粉末とエチルセルロースとをブチルカルビトール及
びターピネオールに溶解させて攪拌混合することにより
導電性ペーストを作製する。その導電性ペーストを用い
ては、所定のパターンを有するスクリーンにより圧電セ
ラミックグリーンシートの片面に印刷し、乾燥させて内
部電極を形成する。
部電極と交互に複数枚積層し、上下の最外層には内部電
極の印刷されていないセラミックグリーンシートを20
層(シート厚み:15μm)積層する。次いで、この圧
電セラミック積層体を約60℃の温度で加熱しながら圧
力を積層方向に加えて圧着させる。
れて有機バインダーを除去し、加熱温度を1060℃に
保って2時間焼成する。この後、200℃/時の速度で
600℃まで降温し、室温まで冷却して圧電セラミック
焼成体を得る。その工程により、有機バインダーが除去
され、気孔が圧電セラミック燒結体の層内に点在してい
る。
しては、酸化鉛(PbO)、酸化ケイ素(SiO2)、アル
ミナ(Al2O3)及び積層圧電セラミック体の全部或い
は一部を構成する元素から選択されるセラミック化合物
(以下、「共材」という。)のいずれか2つ以上の組成物
粉末をエチルセルロースやアクリル等の合成樹脂とメチ
ルエチルケトン(MEK)等の溶剤を用いて分散させる
ことにより適度な粘度に調整したガラス絶縁ペーストを
作製する。
ピンコート等で均一になるよう圧電セラミック燒結体の
表面に塗布,乾燥させた後、炉内を大気中雰囲気として
約800℃の温度で20分焼成する。この工程により、
圧電セラミック燒結体の表面にはガラス絶縁材の被膜を
形成できると共に、ガラス成分が圧電セラミック燒結体
の層内に浸透,拡散して気孔に充填される。
品寸法にダイシング加工し、圧電セラミックチップ素体
を作製し、最後に、内部電極が露出する圧電セラミック
チップ素体の端面にはAg粉末,Pd粉末とガラスフリ
ット,ビヒクルからなる導電性ペーストを塗布して乾燥
させてから、炉内を大気中雰囲気として約720℃の温
度で20分間焼成することにより外部電極を形成する。
で、上述した工程でPbO:30wt%,SiO:10
wt%,Al2O3:10wt%,共材(72A材):5
0wt%の組成物からガラス絶縁材の被膜を設けた本発
明品と従来品の100個分について、高温高湿試験(試
験条件:温度:85℃、相対湿度:85%RH)による
比較評価を行った。その結果は、表1に示す通りであ
る。
みを有するガラス絶縁材の被膜を圧電セラミック燒結体
の表面に設けることにより水分の浸透を防止でき、絶縁
不良の発生を低減できて信頼性,耐久性の高いものに構
成できる。なお、ガラス絶縁材の被膜厚みが0.3μm
程度では膜厚みとして薄いところから、1000時間程
度の高温高湿試験にしか耐えられない。また、ガラス絶
縁材の被膜厚みが10μm程度になると、膜厚みとして
厚いため、圧電セラミック燒結体の変位特性に影響を与
えるところから好ましくない。
外装被膜では水分の侵入を完全に防げず、10時間程度
の高温高湿試験にしか耐えられなかった。
のものについても、上述したものと同じ組成物からガラ
ス絶縁材の被膜を設けた本発明品と従来品との高温高湿
試験(試験条件:温度:85℃、相対湿度:85%R
H)の比較評価を行った。その結果は、表2に示す通り
である。
でも、0.5〜7.0μmの膜厚みを有するガラス絶縁
材の被膜を圧電セラミック燒結体の表面に設けることに
より水分の浸透を防止でき、絶縁不良の発生を低減でき
て信頼性,耐久性の高いものに構成できる。但し、ガラ
ス絶縁材の被膜0.3μm程度では10時間程度の高温
高湿試験にしか耐えられない。また、ガラス絶縁材の被
膜厚みが10μm程度になると、内部電極を側面に露出
させない構造のものと同様に、圧電セラミック燒結体の
変位特性に影響を与えるところから好ましくない。
外装被膜では水分の侵入を防げず、10時間程度の高温
高湿試験にも耐えられなかった。
ラミック電子部品及びその製造方法に依れば、所定の膜
厚みを有するガラス絶縁材の被膜を圧電セラミック燒結
体の表面に設けることにより、水分の浸透を防止できる
ため、水分の浸透による内部電極間の絶縁不良及びマイ
グレーションによる絶縁不良の発生を防げ、高温,高湿
環境下で長時間の稼動が可能で変位量も確保できるとこ
ろから信頼性,耐久性の高いものとして構成できる。
セラミック電子部品を構成する内部電極並びにセラミッ
クグリーンシートを示す斜視図である。
品を示す断面図である。
ミック電子部品を構成する内部電極並びにセラミックグ
リーンシートを示す斜視図である。
品を示す断面図である。
セラミック電子部品を示す斜視図である。
ラミック電子部品を示す斜視図である。
電セラミック電子部品を示す断面図である。
ート) 14 外部電極 15 ガラス絶縁材の被膜
Claims (6)
- 【請求項1】 内部電極と圧電セラミック層とを交互に
複数積層して焼成した圧電セラミック燒結体を部品本体
とし、その内部電極と電気的に導通する端子電極を圧電
セラミック燒結体の端部に設け、更に、ガラス絶縁材の
被膜を圧電セラミック燒結体の表面に設けてなることを
特徴とする積層型圧電セラミック電子部品。 - 【請求項2】 酸化鉛(PbO)、酸化ケイ素(Si
O2)、アルミナ(Al2O 3)及び圧電セラミック燒結体
の全部或いは一部を構成する元素から選択されるセラミ
ック化合物のいずれか2つ以上の組成物でなるガラス絶
縁材の被膜を圧電セラミック燒結体の表面に設けてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電セラミッ
ク電子部品。 - 【請求項3】 0.5〜7.0μmの膜厚みを有するガ
ラス絶縁材の被膜を圧電セラミック燒結体の表面に設け
てなることを特徴とする請求項1または2に記載の積層
型圧電セラミック電子部品。 - 【請求項4】 圧電セラミック粉末をバインダー溶液に
混合してスラリーを作製し、このスラリーから圧電セラ
ミックスグリーンシートを作製し、その圧電セラミック
グリーンシートと内部電極とを交互に複数積層して圧電
セラミック積層体を作製し、この圧電セラミック積層体
を燒結した後、圧電セラミック燒結体の内部電極と電気
的に導通する端子電極をセラミック燒結体の端部に形成
するするのに加えて、圧電セラミック積層体の燒結後
に、ガラス絶縁ペーストを圧電セラミック燒結体の表面
にコーテイングし、それを焼成してガラス絶縁材による
被膜を作製する工程を含むことを特徴とする積層型圧電
セラミック電子部品の製造方法。 - 【請求項5】 酸化鉛(PbO)、酸化ケイ素(Si
O2)、アルミナ(Al2O 3)及び圧電セラミック燒結体
の全部或いは一部を構成する元素から選択されるセラミ
ック化合物のいずれか2つ以上の組成物でなるガラス絶
縁ペーストを圧電セラミック燒結体の表面にコーテング
するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の積層
型圧電セラミック電子部品の製造方法。 - 【請求項6】 ガラス絶縁ペーストを0.5〜7.0μ
mの膜厚みで圧電セラミック燒結体の表面にコーテング
するようにしたことを特徴とする請求項4または5記載
の積層型圧電セラミック電子部品の製造方法。
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