JPH07326537A - セラミック積層電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミック積層電子部品の製造方法

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JPH07326537A
JPH07326537A JP11697694A JP11697694A JPH07326537A JP H07326537 A JPH07326537 A JP H07326537A JP 11697694 A JP11697694 A JP 11697694A JP 11697694 A JP11697694 A JP 11697694A JP H07326537 A JPH07326537 A JP H07326537A
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JP
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ceramic
lead
internal electrode
electrode paste
electronic component
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JP11697694A
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Hideki Omori
秀樹 大森
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉛系誘電体磁器を用い、鉛の内部電極近傍や
粒界における残留による特性の劣化を防止し得るセラミ
ック積層電子部品の製造方法を得る。 【構成】 内部電極ペースト12として、導電性材料と
溶剤とを含有する導電ペーストに、溶剤に溶融しない樹
脂粒子13を混合してなる内部電極ペースト12を用い
たことを特徴とする、鉛系誘電体磁器を用いたセラミッ
ク積層電子部品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック積層電子部
品の製造方法に関し、特に、セラミックスとして鉛系誘
電体磁器材料を用いたセラミック積層電子部品の製造方
法に関する。
【0002】本発明は、例えば積層コンデンサやセラミ
ック多層基板などのような種々のセラミック積層電子部
品の製造方法に利用することができる。
【0003】
【従来の技術】鉛を含有する複合ペロブスカイト型誘電
体磁器材料は、優れた電気的特性を発揮するため、コン
デンサ用材料、圧電素子用材料などに広く用いられてい
る。
【0004】積層コンデンサを例にとり、鉛系複合ペロ
ブスカイト型誘電体磁器材料を用いた場合の電子部品の
製造方法の一例を説明する。まず、鉛系複合ペロブスカ
イト型誘電体セラミックスの仮焼粉末を、合成樹脂バイ
ンダ及び溶剤と混練し、セラミックスラリーを得る。し
かる後、得られたセラミックスラリーをシート成形し、
セラミックグリーンシートを得る。次に、セラミックグ
リーンシートの一方面に、内部電極を構成するための導
電ペーストをスクリーン印刷する。導電ペーストが印刷
された複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、さ
らに上下に導電ペーストの印刷されていないセラミック
グリーンシートを適宜の枚数積層し、積層体を得る。得
られた積層体を厚み方向に加圧した後、焼成することに
より、セラミックスの焼成及び導電ペーストの焼き付け
を果たし、複数の内部電極がセラミック層を介して積層
されている一体焼結型の焼結体を得る。最後に、上記焼
結体の両端面に一対の外部電極を形成する。
【0005】ところで、上記積層コンデンサの製造に際
しては、鉛系誘電体磁器材料を用いる場合には、あらか
じめ、目的とする組成に比べて、鉛を0.001モル/
%以上過剰に添加しておくことが多い。これは、焼成に
際し、鉛が飛散し、目的とする組成のセラミックスを得
ることができ難いからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなセラミッ
ク積層電子部品の製造方法において、セラミック材料と
して鉛系誘電体セラミックスを用いた場合、焼成に際し
鉛が外部に飛散する。従って、目的とする特性を得るた
めに、あらかじめ過剰の鉛を含有させてなる誘電体磁器
組成物を用いていた。
【0007】しかしながら、積層コンデンサのように、
複数の内部電極がセラミック層を介して積層されている
構造を得る場合には、焼成に際し鉛の飛散が内部電極の
存在により抑制される。すなわち、内部電極間で挟まれ
ているセラミック層では、内部電極により鉛の移動が抑
制され、その結果、積層体表面付近と積層体内部とにお
いて鉛の分布が不均一となりがちであった。従って、得
られた積層コンデンサにおいて、過剰に添加されている
鉛が内部電極間のセラミック層において粒界に多量に存
在したりし、絶縁抵抗不良が発生することがあった。
【0008】すなわち、鉛系誘電体磁器を用いたセラミ
ック積層電子部品の製造方法では、内部電極の存在によ
り過剰に添加されていた鉛の飛散が不均一化し、目的と
する特性のセラミック積層電子部品を安定に得ることが
困難であった。
【0009】本発明の目的は、鉛系誘電体磁器を用いた
セラミック積層電子部品の製造方法であって、焼成に際
して鉛を円滑に飛散させることができ、従って目的通り
の特性のセラミック積層電子部品を安定に得ることを可
能とする方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉛系誘電体磁
器を用いたセラミック積層電子部品の製造方法であっ
て、導電性材料と溶剤とを含有する導電ペーストに、前
記溶剤に溶解しない樹脂粒子を混合してなる内部電極ペ
ーストを用意する工程と、前記内部電極ペーストを用い
て複数の内部電極ペースト層を介して未焼成のセラミッ
ク層が積層されてなる積層体を得る工程と、前記積層体
を焼成する工程とを備える、セラミック積層電子部品の
製造方法である。
【0011】すなわち、本発明は、上記のような鉛系誘
電体磁器を用いたセラミック積層電子部品の製造方法に
関するが、用い得る鉛系誘電体磁器としては、例えば鉛
系複合ペロブスカイト型誘電体磁器や、鉛系圧電素子な
どが挙げられる。
【0012】本発明の製造方法では、まず、導電性材料
と溶剤とを含有する導電ペーストに、上記溶剤に溶解し
ない樹脂粒子を混合してなる内部電極ペーストが用意さ
れる。導電性材料としては、従来より内部電極を構成す
るために用いられている金属などの適宜の導電性材料、
例えばAg、Pd、Ni、Cuまたはこれらの合金等の
適宜の導電性材料が用いられる。本発明で用いられる上
記導電ペーストは、上記のような導電性材料と溶剤とを
含有するが、この導電ペーストは、従来よりセラミック
積層電子部品の製造方法において内部電極を構成するた
めに用いられている適宜の導電ペーストと同様にして、
例えば上記溶剤に溶解される樹脂をさらに適当量混合し
て調製される。
【0013】本発明では、上記導電ペーストに、さら
に、導電ペースト中の溶剤に溶解しない樹脂粒子が混合
されて内部電極ペーストが形成される。この樹脂粒子
は、後述の実施例から明らかなように、焼成に際し内部
電極に貫通孔を形成するために用いられるものであり、
従って導電ペースト中の溶剤に溶解しない材料で構成さ
れる必要がある。よって、樹脂粒子として用いる樹脂材
料は、上記溶剤の種類に応じて適宜選択される。このよ
うな樹脂粒子を構成する材料の例としては、例えば、ポ
リビニルブチラール、メチルメタクリレートなどが挙げ
られる。
【0014】上記樹脂粒子は、内部電極に貫通孔を形成
し、それによって鉛の飛散を促進するために設けられる
ものであるため、上記内部電極に貫通孔を形成し得るよ
うに、樹脂粒子の寸法及び粒径分布が選択される。もっ
とも、この樹脂粒子の粒径については、内部電極の厚み
によって変わるため、一義的には定め得ない。
【0015】さらに、上記樹脂粒子は、上記貫通孔を形
成するために内部電極ペーストに配合されるものである
が、樹脂粒子が過剰に配合されると、外部電極との接合
不良や内部電極の電極面積が確保できないことになり、
目的とする静電容量が得られない。また、樹脂粒子の配
合割合が少なすぎる場合には、上記貫通孔の数が少なく
なり、鉛の飛散が抑制されることになる。従って、上記
樹脂粒子の配合割合は、上記2つの観点から選択される
が、この配合割合についても、使用する導電ペーストや
樹脂粒子の種類や、内部電極ペーストの塗布厚み等によ
って変わるため、一義的には定め得ない。
【0016】本発明では、上記内部電極ペーストを用い
て、複数の内部電極ペースト層を介して未焼成のセラミ
ック層が積層されている積層体が得られ、さらに該積層
体が焼成されて焼結体が得られる。この積層体を得る工
程及び焼成工程については、従来より周知のセラミック
積層電子部品の製造方法に従って適宜行い得る。例え
ば、セラミックグリーンシート上に内部電極ペーストを
スクリーン印刷し、得られたセラミックグリーンシート
を複数枚積層し、さらに必要に応じて上下に内部電極ペ
ーストの印刷されていないセラミックグリーンシートを
適宜の枚数積層することにより積層体を得ることができ
る。あるいは、内部電極ペーストと、セラミックペース
トとを交互に印刷・乾焼しつつ積層していくことによ
り、上記積層体を得てもよい。
【0017】また、積層体を焼成する工程についても、
鉛系誘電体磁器を用いたセラミック積層電子部品の製造
方法に従って、適宜の条件で行われる。例えば、100
0〜1100℃程度の温度で、積層体を3時間程度焼成
することにより上記焼結体を得ることができる。
【0018】上記のように、本発明は、内部電極ペース
トとして、内部電極に貫通孔を形成し得る樹脂粒子を混
合してなるものを用いたことに特徴を有し、その他の工
程については特に限定されるものではない。
【0019】
【作用】本発明では、内部電極ペーストに、導電ペース
ト中の溶剤に溶解しない樹脂粒子が混合され、該樹脂粒
子が存在することにより、焼成に際し内部電極中に貫通
孔が形成される。その結果、該貫通孔を介して、鉛が内
部電極を超えて移動し得るため、過剰に添加されていた
鉛が外部に効率よく飛散され、かつ得られた焼結体中に
おける鉛の分布が均一化される。
【0020】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0021】本実施例は、例えば図1に示す積層コンデ
ンサ1を製造する方法に適用した実施例である。積層コ
ンデンサ1では、焼結体2内に、複数の内部電極3〜6
がセラミック層を介して積層されており、焼結体2の両
端面2a,2bに外部電極7,8が形成されている。
【0022】まず、酸化鉛を含む鉛系複合ペロブスカイ
ト型誘電体磁器原料として、Pb(Mg1/3 Nb2/3
3 を96重量%と、PbTiO3 を0.04重量%含
有する誘電体粉末を用意した。上記誘電体粉末に、合成
樹脂バインダ及び有機溶剤を加えてボールミル中で湿式
混合し、セラミックスラリーを得た。得られたセラミッ
クスラリーを、ドクターブレード法によりシート状に成
形し、しかる後乾燥した。乾燥されたセラミックグリー
ンシートを、適当な大きさに切断し、図2に示すセラミ
ックグリーンシート11を得た。
【0023】次に、セラミックグリーンシート11の片
面にスクリーン印刷法により、内部電極ペースト12を
印刷した。内部電極ペースト12としては、Ag−Pd
合金及び溶剤としてのブチルセロソルブを用いた導電ペ
ーストに、樹脂粒子を下記の表1に示すような程度の割
合で配合した。樹脂粒子としては、ポリビニルブチラー
ル樹脂(存在確率10%粒径:1.8μm、存在確率5
0%粒径=2.7μm、存在確率90%粒径:3.9μ
m)を用いた。
【0024】なお、上記存在確率とは、例えば、1.8
μmの粒径の樹脂粒子が10%の割合で存在する場合
を、存在確率10%粒径:1.8μmと表現しているも
のである。
【0025】なお、上記内部電極ペースト12の印刷に
あたっては、内部電極ペースト12の乾燥後の厚みが5
μmとなるように印刷に際しての厚みを制御した。ま
た、内部電極ペースト12の塗布面積は4.0mm2
した。
【0026】しかる後、内部電極ペースト12が印刷さ
れたセラミックグリーンシート11を、積層コンデンサ
を構成するように30枚積層し、さらに上下に内部電極
ペースト12の印刷されていないセラミックグリーンシ
ートを積層し、厚み方向に加圧して積層体を得た。得ら
れた積層体を、空気中において焼成し、焼結体を得た。
【0027】しかる後、得られた焼結体の両端面に、A
gペーストを塗布し、焼き付けることにより、図1に示
した外部電極7,8を形成し、積層コンデンサを得た。
【0028】なお、得られた積層コンデンサの仕様は以
下の通りである。 外径寸法…幅:1.6mm、長さ:3.2mm、厚み:
1.5mm。有効誘電体セラミック層の厚み(内部電極
間で挟まれているセラミック層の厚み)…18μm。焼
結体内における内部電極の最終的な厚み…1.5μm。
外部電極の厚み…60μm。
【0029】上記のようにして得た積層コンデンサにつ
き、静電容量及び絶縁抵抗を測定した。また、下記の要
領で耐湿負荷試験を施し、500時間後、1000時間
後及び2000時間後における耐湿不良数の割合(18
個の試料当たりの不良数)を評価した。
【0030】耐湿負荷試験…積層コンデンサを、温度7
0℃、相対湿度95%の雰囲気において外部電極間に3
2Vの電圧を印加することにより行った。結果を下記の
表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】なお、表1における混合樹脂量とは、上記
内部電極ペースト12に含有されているポリビニルブチ
ラール樹脂粒子の混合割合(体積%)を示す。表1から
明らかなように、上記樹脂粒子が10〜40体積%の割
合で含有されている内部電極ペーストを用いた場合に
は、耐湿負荷試験において、2000時間経過後におい
ても、不良品が発生していないことがわかる。また、樹
脂粒子の配合割合が45体積%の内部電極ペーストを用
いた積層コンデンサも同じく耐湿負荷試験において良好
な結果を示しているが、この場合には、静電容量が0.
86μFと低下していることがわかる。さらに、上記樹
脂粒子の配合割合が、5体積%の場合、並びに上記樹脂
粒子を配合していない内部電極ペーストを用いた場合に
は、耐湿負荷試験において耐湿不良がかなりの割合で発
生することがわかる。
【0033】従って、上記仕様の積層コンデンサを得る
にあたり、上記内部電極ペーストを用いた場合には樹脂
粒子の配合割合を10〜40体積%とすれば、安定な特
性の積層コンデンサの得られることがわかる。
【0034】上記のように、樹脂粒子の配合割合が10
〜40%の範囲の内部電極ペーストを用いた場合に耐湿
不良の発生を低減し得るのは、内部電極近傍にPbが過
剰に存在せずに、焼成に際してPbが十分に焼結体外に
飛散されていることによると思われる。すなわち、図3
に図2の円Aを拡大して示すように、内部電極ペースト
12に十分な量の上記樹脂粒子13が配合されている場
合、内部電極ペースト12中に樹脂粒子13がかなりの
割合で分布し、焼成後に樹脂粒子13が飛散し、樹脂粒
子13が存在していた部分に貫通孔が形成され、該貫通
孔を経由してPbが円滑に飛散されるためと考えられ
る。
【0035】また、存在確率90%粒径が乾燥後の内部
電極ペースト塗布厚みを超える場合には、内部電極ペー
ストの印刷面の平滑性が悪くなることが確かめられてい
る。その結果、得られた積層体において、セラミックグ
リーンシート間の密着力が不十分となり、デラミネーシ
ョンを招く原因となる。また、樹脂粒子存在確率10%
粒径が、内部電極の厚みを下回る場合には、樹脂が飛散
された後の部分がクローズドポアとなり、鉛の飛散を抑
制することができなくなる。
【0036】なお、上記実施例は、積層コンデンサの製
造方法について適用したものであるが、本発明は、積層
圧電部品やセラミック多層基板等のセラミック積層電子
部品の製造方法一般に適用し得ることを指摘しておく。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明では、鉛系誘電体
磁器を用いたセラミック積層電子部品の製造にあたり、
内部電極ペーストとして、導電ペーストに上記樹脂粒子
を混合してなるものを用いているため、焼成に際し樹脂
粒子が飛散して内部電極に貫通孔が形成される。従っ
て、焼成に際し鉛が上記貫通孔を経由して焼結体外に無
理なく飛散されるため、得られた焼結体中における過剰
な鉛の残留を抑制することができる。よって、過剰な鉛
の内部電極近傍における残留や粒界における鉛の過剰な
残留による絶縁抵抗不良を防止することができ、鉛系誘
電体磁器を用いたセラミック積層電子部品の特性の安定
性を効果的に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られるセラミック積層電子部品
の一例としての積層コンデンサを示す断面図。
【図2】セラミックグリーンシート上に内部電極ペース
トを印刷した状態を示す断面図。
【図3】図2の円Aを拡大して示す断面図。
【符号の説明】
1…積層コンデンサ 2…焼結体 3〜6…内部電極 11…セラミックグリーンシート 12…内部電極ペースト 13…樹脂粒子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛系誘電体磁器を用いたセラミック積層
    電子部品の製造方法であって、 導電性材料と溶剤とを含有する導電ペーストに、前記溶
    剤に溶解しない樹脂粒子を混合してなる内部電極ペース
    トを用意する工程と、 前記内部電極ペーストを用いて複数の内部電極ペースト
    層を介して未焼成のセラミック層が積層されてなる積層
    体を得る工程と、 前記積層体を焼成する工程とを備える、セラミック積層
    電子部品の製造方法。
JP11697694A 1994-05-30 1994-05-30 セラミック積層電子部品の製造方法 Pending JPH07326537A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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