JP4385726B2 - 導体ペーストおよびそれを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

導体ペーストおよびそれを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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本発明は、特に、小型で高容量の積層セラミックコンデンサを製造するのに適した、内部電極形成用導体ぺーストと、これを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサは、一般に次のようにして製造される。誘電体セラミック層(以下「誘電体層」ということもある。)を形成するための、誘電体セラミック原料粉末を主成分とし、これを樹脂バインダ中に分散させ、シート化してなるセラミックグリーンシートを準備する。このセラミックグリーンシート上に、導電性粉末を主成分とし、これを樹脂バインダおよび溶剤を含むビヒクルに分散させてなる内部電極用導体ペーストを、所定のパターンで印刷し、乾燥して溶剤を除去し、内部電極乾燥膜を形成する。得られた内部電極乾燥膜を有するセラミックシートを複数枚積み重ね、圧着して、セラミックグリーンシートと内部電極ペースト層とを交互に積層してなる未焼成の積層体を得る。この積層体を所定の形状に切断した後、高温で焼成して、誘電体セラミックの焼結と内部電極層の形成を同時に行い積層セラミックコンデンサ素体とする。こうして得た素体の両端面には端子電極が形成される。
誘電体セラミック原料としては、通常チタン酸バリウム系セラミックやジルコン酸ストロンチウム系セラミックなどのペロブスカイト型酸化物を主成分とする誘電体粉末が使用され、必要に応じてこれらの原料粉末に、コンデンサ特性を調整するための各種添加剤が、粉末の形で、または原料粉末とともに仮焼されて配合される。内部電極用導体ペーストの導電性粉末としては、最近ではパラジウム、銀等の貴金属粉末に代わって、ニッケル、銅等の卑金属粉末を用いるのが主流になっている。
コンデンサの焼成時、誘電体セラミック粉末が焼結を始める温度は、例えばチタン酸バリウムでは1200℃付近であり、一般にニッケル等の金属粉末が焼結、収縮を開始する温度よりはるかに高温である。従って、誘電体層の焼結、収縮は内部電極層と同時ではなく、遅れて起きることから、デラミネーションやクラック等の構造欠陥を引き起こす。また金属粉末の過焼結により異常粒成長が生じ、電極が不連続膜となって導電性を損ない、容量不良を引き起こしたりするほか、電極厚みが厚くなってしまう。このため、内部電極用導体ペーストには、少なくとも誘電体層の焼結開始温度付近まで電極の焼結を抑制する目的で、通常、誘電体層と組成が近似したセラミック粉末が添加されている。
近年、積層セラミックコンデンサの小型化、高容量化の要求が強く、特に、内部電極にニッケルを用いた積層セラミックコンデンサにおいては、誘電体層、内部電極層ともに薄層化、高積層化が急速に進んでおり、すでに誘電体層厚2μmのものも実用化されている。
層厚が薄くなると、前述のような焼成時の内部電極層と誘電体層との焼結収縮挙動の不一致の問題がいっそう深刻になり、これに起因する欠陥や特性不良が増加する。このため、従来、種々の改善がなされてきた。
例えば、導体ペーストに誘電体層のセラミックより焼結開始温度の高い酸化物粉末を添加することにより、導電性金属粉末の焼結を抑制し、その収縮挙動を誘電体層の収縮挙動に近づけることが知られている。(特許文献1参照)
また、ニッケル導体ペーストに、平均粒径が0.1μm以下の誘電体層と同じ組成物の共材を添加することにより、特性に悪影響を与えずに構造欠陥を防止する。(特許文献2参照)
また、導体ペースト中の金属粉末より平均粒径が小さく、かつ、誘電体層のセラミックの焼結温度では焼結しないような、特定の金属化合物とともに仮焼されたチタン酸バリウム系の粉末を導体ペーストに添加することも知られている。(特許文献3参照)これは、焼成時において、収縮挙動を適切に調整するとともに、導体ペースト中の金属酸化物と誘電体層に含まれる成分とが反応して、誘電体層の電気的特性を変化させてしまうのを防止するものである。
更に、導体ペースト中に誘電体層の焼結温度より低温で、誘電体層のセラミックの粒径より大きく成長するセラミック粉末を添加し、焼成により内部電極層中にその上下面の誘電体層同士を連結するような柱状誘電体を形成する技術もある。(特許文献4参照)
特開平6−290985号公報 特開2001−110233号公報 特開2003−178623公報 特開2003−77761公報
しかし誘電体層の厚みが2μm以下になり、これに伴って内部電極も厚みが0.5μm以下になるようにコンデンサを形成しようとすると、なお問題があり、更なる薄膜化が困難であった。
即ち、内部電極層の薄膜化が1.0μ程度までであれば、前述の文献に記載されているような焼結温度が高い、微細なセラミック粉末を内部電極ペーストに添加することにより、構造欠陥の発生を抑制し、連続な内部電極を形成することが可能である。しかし、内部電極の層厚方向の収縮も含めて更なる薄層化を図る場合には、層厚方向の収縮が進まず、むしろ厚くなってしまう現象が見られる。このため、結果的に内部電極層の十分な薄層化が達成できない。この内部電極層が薄くならない現象は、特に内部電極の積層数が多いコンデンサの中央部分において顕著であり、極端な場合、コンデンサの中央部の膨れや変形、マージン部でのクラックを生じる。このため積層セラミックコンデンサの薄層化、小型化には限界があった。
一般に、電極を薄層化するためには、内部電極用導体ペーストの乾燥膜の充填性をいっそう高めて、焼成時にできるだけ空隙を作りにくくするよう、導電性粉末をより微細化し、かつ分散性の良いものにするとともに、導電性粉末よりさらに微細な、例えば導電性粉末の1/10〜1/2程度の大きさで、かつ焼結の遅いセラミック粉末を使用すればよいと考えられている。実際、導体ペーストに添加されるセラミック粉末は、導電性粉末より微細な粉末を使用するのが普通である。例えば、誘電体セラミック原料粉末として平均粒径0.3μmの粉末、導電性粉末に0.4μmのものが用いられる場合、添加するセラミック粉末としては0.05〜0.2μmのものが使用される。しかしこのような乾燥膜密度の高い導体ペーストを用いても、電極の連続性は良好であるにもかかわらず、予想に反して層厚が薄くならなかった。
この現象について発明者等は、次のように考えた。例えば、導電性粉末としてニッケル粉末を用いた場合、添加したセラミック粉末は、焼成中、800℃程度まではニッケル粒子の周囲に存在してその焼結を遅らせるが、それより高温の900℃以上になると、セラミック成分の誘電体層中への拡散が生ずる。特に薄層化のために極めて微細なセラミック粉末を用いた場合、たとえ焼結しにくい組成のものであっても、オストワルド成長により、焼結過程にある誘電体層の誘電体セラミック粒子に焼結、吸収されてしまう。この結果、ニッケルの焼結が急激に起こり、膜化が進む。即ち、このように極めて微細なセラミック粉末を添加しても、800℃以上でのニッケルの焼結を抑制することができず、結果的にニッケルの過焼結となり、電極層が不連続でかつ厚くなる。分散性の高いニッケル粉末と微細なセラミック粉末を用いることで、膜化が進行したときの不連続性をある程度低減することはできる。しかし誘電体層が薄いと、誘電体層はx−y方向には収縮するものの、焼結による収縮力が弱いために、内部電極の重なりが大きくなるコンデンサの中央部において、内部電極の過焼結による電極膜の厚み方向(z軸方向)への成長を押さえ込む力が誘電体層にない。このためコンデンサ全体のz軸方向の収縮が小さくなり、結果として電極膜が厚くなってしまう。この現象は、誘電体層の厚みが2.0μm以下になると、特に顕著になる。
本発明の目的は、ニッケル粒子の焼結を効果的に抑制し、その焼結収縮挙動を誘電体層とできる限り近似させることによって、構造欠陥や電極の不連続化を防止するとともに、従来困難であった、極めて薄い膜厚の内部電極を形成することが可能な導体ペーストを提供することにある。特に、誘電体層の厚みが2μm以下になっても、変形や欠陥のない、優れた電気的特性を有する信頼性の高い積層コンデンサを得ることにある。
上記本発明の課題は、以下に記載する本発明により解決することができる。
(1)平均粒径が0.05〜0.4μmの誘電体セラミック原料粉末を焼結してなる誘電体セラミック層と、内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサの内部電極層を形成するための導体ペーストであって、無機成分として少なくとも、平均粒径が0.05〜0.3μmの導電性粉末と、前記導電性粉末100重量部に対して3〜30重量部のセラミック粉末とを含み、前記セラミック粉末が、少なくとも平均粒径が前記導電性粉末の平均粒径の50%以下であるセラミック粉末(A)と、平均粒径が、前記誘電体セラミック層に使用される誘電体セラミック原料粉末の平均粒径以上で、セラミック粉末(A)の平均粒径より大きく、かつ内部電極層の厚み以下であるセラミック粉末(B)とからなることを特徴とする導体ペースト。
(2)導電性粉末が、ニッケルを主成分とする導電性粉末である、上記(1)に記載の導体ペースト。
)セラミック粉末が、式ABO3(但し、AはBa、CaおよびSrの少なくとも1種であり、Bは、Ti、ZrおよびHfの少なくとも1種である。)で表されるものである、上記(1)または(2)に記載の導体ペースト。
)セラミック粉末が、前記誘電体セラミック層に使用される誘電体セラミック原料粉末と同一の組成もしくは近似した組成のものである、上記(1)乃至()のいずれかに記載の導体ペースト。
)セラミック粉末(A)の平均粒径が、前記導電性粉末の平均粒径の30%以下である、上記(1)乃至()のいずれかに記載の導体ペースト。
)セラミック粉末(A)およびセラミック粉末(B)の比率が重量割合で1:4〜4:1である、上記(1)乃至()のいずれかに記載の導体ペースト。
平均粒径が0.05〜0.4μmの誘電体セラミック原料粉末を含むセラミックグリーンシート上に、上記(1)乃至()のいずれかに記載の導体ペーストを所定のパターンで塗布して内部電極ペースト膜を形成し、前記内部電極ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層して未焼成の積層体を作製し、次いで前記積層体を焼結してなる、誘電体セラミック層と内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサの製造方法。
少なくとも前記2種類のセラミック粉末を導体ペーストに含有させることにより、焼成工程において、ニッケルの焼結開始温度を高温側にシフトさせ、かつ焼結収縮挙動を誘電体層と一致させることができる。また高温において誘電体層が焼結を開始した後も、ニッケルの過焼結を抑制する。これによりデラミネーションやクラック等のコンデンサの構造欠陥が防止され、また緻密で連続性の優れた内部電極が形成される。
また、内部電極層を極めて薄く形成する場合においても、特に高温におけるセラミック粉末の誘電体層中への拡散、反応が抑制され、誘電率の低下等、誘電体層の電気的特性への影響が小さい。更に、後述するように、内部電極層の厚みが大きくなる現象が生じない。このため極めて薄く、均一な内部電極を形成することができる。
本発明は、誘電体層および内部電極層の厚みが極めて薄い、高積層のコンデンサの製造に好適であり、特に、誘電体セラミック層の厚みが2.0μm以下、内部電極層の厚みが0.8μm以下のコンデンサを製造する場合に、顕著な効果を奏する。とりわけ、誘電体セラミック層の厚みが1.0μm以下、内部電極層の厚みが0.5μm以下の積層コンデンサを製造することも可能となり、小型化、高容量化の要求に応えうるものである。
本発明において、粉末の平均粒径は、特に断らない限りSEM観察により算出された平均粒径を表す。
本発明において用いられる導電性粉末としては、従来使用されているニッケル、銅、コバルト、銀、パラジウム、金、白金等の金属の粉末、これらの金属を主成分とする合金粉末や複合粉末など、通常使用される導電性粉末の1種以上が用いられる。特に、ニッケルを主成分とする導電性粉末、例えばニッケル粉末、ニッケルを主成分とする合金粉末や複合粉末、混合粉末などが、好ましく使用される。
また、導電性粉末の表面に薄い酸化膜を有するもの、これらの粉末に過焼結抑制の目的でガラス質や、各種酸化物を被覆したものを用いてもよい。必要に応じて、有機金属化合物や界面活性剤、脂肪酸類などで表面処理してもよい。
緻密で平滑性が高く、薄い内部電極層を形成するためには、分散性が良好で、平均粒径が0.05〜1.0μm程度の微細な導電性粉末を用いることが好ましい。特に、厚みが0.8μm以下の内部電極層を形成するためには、平均粒径が0.05〜0.5μm程度のものを用いることが望ましく、更に要求される厚みが0.5μm以下の場合には、0.05〜0.3μmの粉末を用いることが望ましい。
内部電極用導体ペーストに添加されるセラミック粉末の種類には、特に限定はないが、セラミック誘電体との反応によるコンデンサの特性変化が最小になるように選択することが望ましい。このためには、通常使用されているような、式ABO3(但し、AはBa、CaおよびSrの少なくとも1種であり、Bは、Ti、ZrおよびHfの少なくとも1種である。)で表されるセラミック粉末、例えばチタン酸バリウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウム等のペロブスカイト型酸化物や、これらに種々の添加剤を添加したものが好ましい。また、誘電体セラミック層の主成分として使用される誘電体セラミック原料粉末と同一の組成、もしくは近似した組成のものも、好ましく使用される。前述のように、焼成時、内部電極に添加されたセラミック粉末の成分の一部が誘電体セラミック層に拡散して反応を起こすと、その特性を変化させてしまうことがあるので、コンデンサの焼成温度で焼結しにくいもの、即ち誘電体層の形成に用いられる誘電体セラミック原料粉末より、焼結温度の高いものであることが望ましい。例えば、焼結促進剤を含まない以外は誘電体セラミック原料粉末と同一の組成のものや、チタン酸バリウム粉末、ジルコン酸カルシウム粉末、または、これらの粉末にセラミック粉末自身の焼結を遅らせる成分、例えばY、Dy、Ho等の希土類金属元素の化合物や、Mgの化合物、Mnの化合物を含有させるか、もしくはこれらを被覆した粉末は、特に効果が高い。
セラミック粉末の配合量は、導電性粉末100重量部に対して総量で3〜30重量部である。30重量部より多いと、電極層が厚くなり、構造欠陥を生じやすくなる他、電極層が不連続膜になる。3重量部より少ないと、焼成中の電極の焼結挙動が改善されず、クラック等の構造欠陥が発生したり電極の不連続化や断線を生ずる。
セラミック粉末として、導電性粉末の平均粒径の50%以下の平均粒径を有するセラミック粉末(A)を配合することにより、焼成時、少なくとも誘電体層の焼結開始温度より低温域、特に800℃以下の温度での導電性粉末の焼結が抑制される。これにより内部電極の焼結収縮挙動を誘電体層に近似させることが可能になるとともに、導電性粉末の過焼結による異常粒成長が抑制される。導電性粉末の粒径に対して1/2以下の小さい粒子なので、ペースト中での分散性に優れ、ペーストを塗布、乾燥して得られる乾燥膜において、導電性粉末の表面および粒子間に均一に分散する。このため焼成時、効果的に導電性粉末の焼結を抑制することができ、また乾燥膜の充填性も高くなるので、緻密で平滑な内部電極層が形成される。
セラミック粉末(A)の平均粒径が導電性粉末の平均粒径の30%以下であると、より優れた焼結抑制効果および緻密性向上効果を示す。更に、ペースト中におけるセラミック粉末(A)の総比表面積が、導電性粉末の総比表面積よりも大きくなるように、粒径および量を調整して配合すれば、導電性粉末の表面および粒子間に十分な量を存在させることができるので好ましい。
なお、粒径があまり小さいと、表面積の増大により粉末自身の焼結が速くなり、導電性粉末の焼結抑制効果が低くなるので、平均粒径が0.01μm以上であることが望ましい。
なお、セラミック粉末(A)は、予め導電性粉末の表面に付着させてから、ペーストの他の成分と混合してもよい。
セラミック粉末(B)としては、平均粒径が、誘電体セラミック層に使用される誘電体セラミック原料粉末の平均粒径以上で、かつセラミック粉末(A)の平均粒径より大きいものを用いる。また、平滑な内部電極層を形成するためには、平均粒径が、焼結後の内部電極層の厚みと同等以下であることが必要である。なお、ここで誘電体セラミック原料粉末とは、誘電体層形成用セラミックグリーンシートの主成分の原料粉末であり、添加剤粉末が混合されている場合はこれを含まない。また、セラミック粉末(B)が導電性粉末よりあまり大きいと、セラミック粒子表面に導電性粒子が付着して粗大粒子となり、絶縁不良や短絡の原因となるので、導電性粉末の平均粒径の2倍以下であることが望ましい。
このセラミック粉末(B)は、セラミック粉末(A)と同じ組成のものでも、異なる組成のものでもよい。好ましくは、平均粒径が誘電体セラミック原料粉末の平均粒径の1.0〜1.5倍のものを用いる。
セラミック粉末(B)をセラミック粉末(A)とともに配合することにより、驚くべきことに、内部電極層を非常に薄く形成する場合においても、前述のような層厚が厚くなってしまう現象が生じない。この理由は明らかではないが、次のように考えられる。セラミック粉末(B)は、高温、例えば800℃以上において、ニッケルの過焼結を抑制するように作用する。また、誘電体層中へ拡散しにくく、セラミック粉末(A)や(B)に誘電体層と反応しやすい成分や、誘電体層の焼結を抑制する成分が含まれている場合でも、拡散、反応が抑制されることにより、誘電体層の焼結が不十分になったり、誘電率の低下等を引き起こすことがなく、誘電体層の電気的特性の変化が最小に抑えられる。その上、逆に誘電体層から内部電極層への誘電体セラミックの拡散が助長され、内部電極層中に上下の誘電体層からのピンニングサイトが形成される。誘電体によるこのピンニング効果により、電極のx−y方向の収縮が抑えられ、結果的にコンデンサ全体のz軸方向への膨張が抑制されるとともに、電極層の厚みが厚くなるのが防止されると考えられる。
この効果は、セラミック粉末(B)の焼結温度が高いとより大きいので、セラミック粉末(B)は誘電体セラミック層の焼結温度において、焼結しにくいものであることが望ましい。
セラミック粉末(A)およびセラミック粉末(B)の配合比率は、望ましくは、重量割合で1:4〜4:1である。セラミック粉末(A)がこの範囲より少ないと、焼成中特に導電性粉末の焼結を遅らせる効果が不十分であり、このため内部電極層が不連続になったり、クラック等の構造欠陥が発生しやすくなる。またセラミック粉末(B)がこの範囲より少ないと、電極が薄くなる効果が小さい。
導体ペーストには、導電性粉末、前記セラミック粉末の他に、印刷性、焼結性、コンデンサ特性等の調整を目的に、通常配合されることのあるガラス、アルミナ、シリカ、酸化銅、酸化マンガン、酸化チタン等の金属酸化物、モンモリロナイトなどの無機粉末や、金属有機化合物などを、本発明の前述の効果を損なわない程度であれば、目的に応じて適宜添加することができる。
本発明の導体ペーストは、前記導電性粉末とセラミック粉末とを、所望により種々の添加剤とともに、常法に従って、樹脂および溶剤を含むビヒクル成分と均一に混合分散させることにより、製造される。
樹脂としては特に制限はなく、通常使用されているもの、例えばエチルセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ロジンなどが使用される。
溶剤としては、前記バインダ樹脂を溶解するものであれば特に限定はなく、通常内部電極用ペーストに使用されているものを適宜選択して配合する。例えばアルコール系、エーテル系、エステル系、炭化水素系等の有機溶剤や水、またはこれらの混合溶剤が挙げられる。
本発明の導体ペーストには、この他通常添加されることのある可塑剤、分散剤、界面活性剤等を適宜配合することができる。
次に、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法を述べる。積層セラミックコンデンサは、本発明の内部電極用導体ペーストを用いて、通常の方法で製造される。
まず、誘電体セラミック原料粉末を含むセラミックグリーンシートを作製する。誘電体セラミック原料粉末を、樹脂バインダ中に分散させ、ドクターブレード法等でシート成形し、セラミックグリーンシートを作製する。
誘電体層を形成するための誘電体セラミック原料粉末としては、チタン酸バリウム系、ジルコン酸ストロンチウム系、ジルコン酸カルシウムストロンチウム系などのペロブスカイト型酸化物、または、これらを構成する金属元素の一部を他の金属元素で置換したものなど、通常のペロブスカイト型酸化物を主成分とする粉末が使用される。必要に応じて、これらの原料粉末に、コンデンサ特性を調整するための各種添加剤が配合される。原料粉末の粒径は、例えば誘電体セラミック層の厚みを2.0μm以下とする場合、平均粒径が0.05〜0.4μm程度のものを使用するのが好ましい。
得られたセラミックグリーンシート上に、本発明の導体ペーストを、スクリーン印刷等の通常の方法で塗布し、乾燥して溶剤を除去し、所定のパターンの内部電極ペースト乾燥膜を形成する。内部電極ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを所定の枚数だけ積み重ね、加圧積層して、未焼成の積層体を作製する。この積層体を所定の形状に切断した後、高温で焼成し、誘電体層と電極層を同時に焼結し、積層セラミックコンデンサ素体を得る。この後、素体の両端面に端子電極が焼付け形成される。なお、端子電極は、上記の積層体の焼成前に取付け積層体と同時に焼成してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1−6
表1に示した平均粒径を有する球状の高結晶性ニッケル粉末100重量部に対し、表1に示した組成および平均粒径を有するセラミック粉末(A)およびセラミック粉末(B)を表に示すとおりの量で配合し、エチルセルロース4.0重量部、ポリビニルブチラール樹脂1.0重量部、界面活性剤1.0重量部、および溶剤100重量部からなるビヒクルと混合し、3本ロールミルを使用して混練して、導体ペーストを作製した。
実施例2、3、4の導体ペーストで用いたY23−MgO被覆BaTiO3粉末は、BaTiO3粉末に対してそれぞれ酸化物換算で1mol%のY化合物とMg化合物とを湿式法で被覆、乾燥後、700℃で焼成し、表1に示したそれぞれの平均粒径に粉砕して得た粉末である。
セラミックグリーンシートとして、BaTiO3を主成分とする平均粒径0.2μmの誘電体セラミック粉末(実施例1−5)、またはCaZrO3を主成分とする平均粒径0.3μmの誘電体セラミック粉末(実施例6)と、有機バインダとからなる、厚さ2.5μmのセラミックグリーンシートを用意した。このシート上に、前記の導体ペーストを1.0mm×0.5mmの矩形のパターンに印刷し、90℃で1分間加熱して乾燥させ、内部電極乾燥膜を有するセラミックグリーンシートを作製した。この内部電極乾燥膜の厚さは約0.8μmであった。得られた、内部電極乾燥膜を有するセラミックグリーンシートを、誘電体有効層が200層になるように積み重ね、80℃で800kg/cm2の圧力を加えて圧着、成形した後、所定の形状に切断し、未焼成の積層セラミックコンデンサチップを得た。この未焼成の積層セラミックコンデンサチップを、1%の水素を含む窒素雰囲気中で1200℃で2時間焼成し、積層セラミックコンデンサ素体を得た。
比較例1−5
表1に示した平均粒径を有する球状の高結晶性ニッケル粉末100重量部に対し、表1に示した組成および平均粒径を有するセラミック粉末(A)およびセラミック粉末(B)を表に示すとおりの量で配合する外は上記の実施例と同様に導体ペーストを作製した。比較例2、3の導体ペーストで用いたY23−MgO被覆BaTiO3粉末は、上記の実施例2−4の導体ペーストで用いたY23−MgO被覆BaTiO3粉末と同様にして、表1に示したそれぞれの平均粒径で得た粉末である。
セラミックグリーンシートとして、実施例と同様にBaTiO3を主成分とする平均粒径0.2μmの誘電体セラミック粉末を用いてセラミックグリーンシートを用意し、実施例と同様にして積層セラミックコンデンサ素体を得た。
上記で得た実施例、比較例のそれぞれの積層セラミックコンデンサ素体を、内部電極層に直交する面で切断し、電極層の厚みを測定した。また、その破断面を観察して、クラックの有無を調べた。結果を表に併せて示す。
上記の測定結果から明らかなように、本実施例において異なる特定範囲の平均粒径を有する少なくとも2種類のセラミック粉末を導体ペーストに含有させることにより、コンデンサの構造欠陥の原因となるクラック等を生ずることなく、緻密で連続性の優れた内部電極層を極めて薄く形成することできた。これに対して、比較例では、クラックの発生する、または層厚が本発明の内部電極層と比較して厚い等、層厚が薄く均一な内部電極層を形成することができなかった。
本発明の導体ペーストは、デラミネーションやクラック等のコンデンサの構造欠陥を生ずることなく緻密で連続性の優れた極めて薄く、均一な内部電極を形成することができる。このため、誘電体層および内部電極層の厚みが極めて薄い、小型化、高容量化の高積層のセラミックコンデンサの製造に好適である。

Claims (7)

  1. 平均粒径が0.05〜0.4μmの誘電体セラミック原料粉末を焼結してなる誘電体セラミック層と、内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサの内部電極層を形成するための導体ペーストであって、無機成分として少なくとも、平均粒径が0.05〜0.3μmの導電性粉末と、前記導電性粉末100重量部に対して3〜30重量部のセラミック粉末とを含み、前記セラミック粉末が、少なくとも平均粒径が前記導電性粉末の平均粒径の50%以下であるセラミック粉末(A)と、平均粒径が、前記誘電体セラミック層に使用される誘電体セラミック原料粉末の平均粒径以上で、セラミック粉末(A)の平均粒径より大きく、かつ内部電極層の厚み以下であるセラミック粉末(B)とからなることを特徴とする導体ペースト。
  2. 導電性粉末が、ニッケルを主成分とする導電性粉末である、請求項1に記載の導体ペースト。
  3. セラミック粉末が、式ABO3(但し、AはBa、CaおよびSrの少なくとも1種であり、Bは、Ti、ZrおよびHfの少なくとも1種である。)で表されるものである、請求項1または2に記載の導体ペースト。
  4. セラミック粉末が、前記誘電体セラミック層に使用される誘電体セラミック原料粉末と同一の組成もしくは近似した組成のものである、請求項1乃至のいずれかに記載の導体ペースト。
  5. セラミック粉末(A)の平均粒径が、前記導電性粉末の平均粒径の30%以下である、請求項1乃至のいずれかに記載の導体ペースト。
  6. セラミック粉末(A)およびセラミック粉末(B)の比率が重量割合で1:4〜4:1である、請求項1乃至のいずれかに記載の導体ペースト。
  7. 平均粒径が0.05〜0.4μmの誘電体セラミック原料粉末を含むセラミックグリーンシート上に、請求項1乃至のいずれかに記載の導体ペーストを所定のパターンで塗布して内部電極ペースト膜を形成し、前記内部電極ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層して未焼成の積層体を作製し、次いで前記積層体を焼結してなる、誘電体セラミック層と内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサの製造方法。
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