JP2021052103A - セラミック電子部品の製造方法及びセラミック電子部品 - Google Patents

セラミック電子部品の製造方法及びセラミック電子部品 Download PDF

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隆司 澤田
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Abstract

【課題】先に形成した外部電極に大きなダメージを与えることなく、複数領域に充分な緻密度を有する外部電極を形成することができる、セラミック電子部品の製造方法を提供すること。【解決手段】セラミック素体の第1領域に金属粉末を含む第1電極ペーストを第1温度で焼き付けて、第1電極層を形成する工程と、上記セラミック素体の上記第1領域とは異なる領域である第2領域に、上記金属粉末と同種の金属粉末を含む第2電極ペーストを上記第1温度よりも低い第2温度で焼き付けて、第2電極層を形成する工程と、上記第2電極層の表面に物理衝撃処理を施すことにより、上記第2電極層の表層部を緻密化する工程と、を有することを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、セラミック電子部品の製造方法及びセラミック電子部品に関する。
特許文献1には、積層セラミックコンデンサが開示されている。この積層セラミックコンデンサは、対向する端面に配設された第1外部電極及び第2外部電極と、対向する側面に配設された第3外部電極及び第4外部電極とを有する。
各外部電極は第1層及び第2層を有しており、第1層と第2層はいずれも導電性ペーストが焼き付けられて形成された層である。
特許文献1における外部電極の形成は、以下の手順で行われている。
(1)第3外部電極及び第4外部電極の第1層の導電性ペーストの塗布及び焼き付け(950℃)
(2)第3外部電極及び第4外部電極の第2層の導電性ペーストの塗布及び焼き付け(900℃)
(3)第1外部電極及び第2外部電極の第1層の導電性ペーストの塗布及び焼き付け(950℃)
(4)第1外部電極及び第2外部電極の第2層の導電性ペーストの塗布及び焼き付け(900℃)
特開2015−26861号公報
上記手順による外部電極の形成過程では、第1層に与えるダメージ(構成材料の相互拡散等)を軽減するため、第2層の焼き付け温度を第1層の焼き付け温度より低くしている。
しかし、手順(3)における第1外部電極及び第2外部電極の第1層の焼き付け温度が高いため、先に形成した第3外部電極及び第4外部電極がダメージを受けてしまうことがあった。
本発明者らが検討したところ、手順(3)及び(4)で行う焼き付けの温度を低くすることにより先に形成した第3外部電極及び第4外部電極がダメージを受けることは防止できることがわかった。
しかし、この場合は後で形成する第1外部電極及び第2外部電極の緻密度が不充分となり、耐湿信頼性が低下したり、めっき液の浸入が生じることがあった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、先に形成した外部電極に大きなダメージを与えることなく、複数領域に充分な緻密度を有する外部電極を形成することができる、セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のセラミック電子部品の製造方法は、セラミック素体の第1領域に金属粉末を含む第1電極ペーストを第1温度で焼き付けて、第1電極層を形成する工程と、上記セラミック素体の上記第1領域とは異なる領域である第2領域に、上記金属粉末と同種の金属粉末を含む第2電極ペーストを上記第1温度よりも低い第2温度で焼き付けて、第2電極層を形成する工程と、上記第2電極層の表面に物理衝撃処理を施すことにより、上記第2電極層の表層部を緻密化する工程と、を有することを特徴とする。
本発明のセラミック電子部品は、セラミック素体と、上記セラミック素体の第1領域に設けられた第1電極層と、上記セラミック素体の上記第1領域とは異なる領域である第2領域に設けられた第2電極層と、を備え、上記第1電極層と上記第2電極層とは、同種の金属を含み、上記第1電極層と上記第2電極層に含まれる上記同種の金属の緻密度が異なっており、上記第2電極層の表層部における上記金属の緻密度が、上記第2電極層の内部における上記金属の緻密度より高くなっていることを特徴とする。
本発明によれば、先に形成した外部電極に大きなダメージを与えることなく、複数領域に充分な緻密度を有する外部電極を形成することができる、セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
図1は、積層セラミックコンデンサを構成するセラミック素体の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2に示す積層セラミックコンデンサのLT断面の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、図2に示す積層セラミックコンデンサのWT断面の一例を模式的に示す断面図である。 図5Aは第1電極層の断面を示す模式図であり、図5Bは第2電極層の断面を模式的に示す断面図である。 図6は、第2実施形態のセラミック電子部品である積層セラミックコンデンサのLT断面の一例を模式的に示す断面図である。 図7は、セラミック電子部品の製造工程の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明のセラミック電子部品の製造方法及びセラミック電子部品について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
[セラミック電子部品の第1実施形態]
まず、本発明のセラミック電子部品の製造方法で製造する対象物である、本発明のセラミック電子部品について、セラミック電子部品が積層セラミックコンデンサである場合を例にして説明する。
第1実施形態のセラミック電子部品について説明する。
まず、図1及び図2を用いて、積層セラミックコンデンサを構成するセラミック素体及び外部電極について説明する。
図1は、積層セラミックコンデンサを構成するセラミック素体の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。
積層セラミックコンデンサ及びセラミック素体では、長さ方向、幅方向、積層方向を、図1に示すセラミック素体10及び図2に示す積層セラミックコンデンサ1においてそれぞれ両矢印L、W、Tで定める方向とする。ここで、長さ方向と幅方向と積層方向は互いに直交する。積層方向は、セラミック素体10を構成する複数のセラミック誘電体層20と複数の内部電極層30が積み上げられていく方向である。
図1に示すセラミック素体10及び図2に示す積層セラミックコンデンサ1では、長さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも長くなっている。しかしながら、本発明の積層セラミックコンデンサ及びセラミック素体において、長さ方向の寸法と幅方向の寸法の大小関係は特に限定されず、長さ方向の寸法は、幅方向の寸法よりも大きくてもよく小さくてもよい。
セラミック素体10は、6面を有する略直方体形状であり、積層された複数のセラミック誘電体層20と複数の内部電極層30を有する。そして、セラミック素体10は、図1中に両矢印Tで示す積層方向Tに対向する第1の主面11及び第2の主面12と、積層方向Tに直交する、両矢印Wで示す幅方向Wに対向する第1の側面13及び第2の側面14と、積層方向T及び幅方向Wに直交する、両矢印Lで示す長さ方向Lに対向する第1の端面15及び第2の端面16と、を含む。
本明細書において、第1の端面15及び第2の端面16に直交し、かつ、セラミック素体10の積層方向と平行なセラミック素体10の断面をLT断面という。また、第1の側面13及び第2の側面14に直交し、かつ、セラミック素体10の積層方向と平行なセラミック素体10の断面をWT断面という。
また、第1の側面13、第2の側面14、第1の端面15及び第2の端面16に直交し、かつ、セラミック素体10の積層方向に直交するセラミック素体10の断面をLW断面という。
セラミック誘電体層20は、外層部21と内層部22を含む。外層部21は、セラミック素体10の両主面側に位置し、主面と最も主面に近い内部電極層との間に位置するセラミック誘電体層である。両外層部21に挟まれた領域が内層部22である。
セラミック素体10は、第1領域と第2領域を有する。第1領域は第1電極層が設けられる領域であり、第2領域は第2電極層が設けられる領域である。
第1電極層と第2電極層は、同種の金属を含み、第1電極層と第2電極層に含まれる同種の金属の緻密度が異なる電極層である。
セラミック素体10においては、その幅方向に対向して第1領域となる第1の側面13及び第2の側面14を有しており、その長手方向に対向して第2領域となる第1の端面15及び第2の端面16を有している。第1の側面13及び第2の側面14に第1電極層を含む第1外部電極100が形成され、第1の端面15及び第2の端面16に第2電極層を含む第2外部電極200が形成されている(図2参照)。
第1外部電極100は、第1電極層を含む外部電極であり、第2外部電極200は、第2電極層を含む外部電極である。
続いて、図3及び図4を参照して、積層セラミックコンデンサを構成するセラミック誘電体層、内部電極層及び外部電極の構成について説明する。
図3は、図2に示す積層セラミックコンデンサのLT断面の一例を模式的に示す断面図である。
図3は、図2におけるA−A線断面図でもある。
図4は、図2に示す積層セラミックコンデンサのWT断面の一例を模式的に示す断面図である。
図4は、図2におけるB−B線断面図でもある。
図3及び図4に示すように、複数の内部電極層30は、積層された第1内部電極層35及び第2内部電極層36を含む。第1内部電極層35は第1の側面13及び第2の側面14に露出し、第2内部電極層36は第1の端面15及び第2の端面16に露出する。第1内部電極層35と第2内部電極層36がセラミック誘電体層20を挟んで対向する対向電極部で静電容量が発生する。
すなわち、セラミック素体10は、キャパシタを構成する少なくとも一対の第1内部電極層35及び第2内部電極層36と、第1内部電極層35と第2内部電極層36の間に設けられたセラミック誘電体層20とを有するものである。
第1内部電極層35が露出する第1の側面13及び第2の側面14に形成される第1外部電極100は、第1電極層61を有している。
第1電極層61は第1内部電極層35に電気的に接続されている。
第2内部電極層36が露出する第1の端面15及び第2の端面16に形成される第2外部電極200は、抵抗電極層を含む抵抗付外部電極であることが好ましい。
図3には、第2外部電極200が抵抗電極層63と第2電極層62を含むことを示している。
抵抗電極層63は第2電極層62よりも電気抵抗率が高い層である。
第2電極層62は抵抗電極層63を介して第2内部電極層36に電気的に接続されている。
なお、第2外部電極は抵抗付外部電極に限定されるものではなく、抵抗電極層を含んでいなくてもよい。すなわち、第2外部電極が第2電極層からなる構成であってもよい。
第1電極層61と第2電極層62は同種の金属を含み、第1電極層61と第2電極層62に含まれる同種の金属の緻密度が異なっている。
このことについて図5A及び図5Bを参照して説明する。
図5Aは第1電極層の断面を示す模式図であり、図5Bは第2電極層の断面を模式的に示す断面図である。
それぞれ、図5Aに示す断面は図4の点線Bで囲む領域の断面図であり、図5Bは図3の点線Aで囲む領域の断面図である。
図5A及び図5Bには第1電極層61及び第2電極層62に含まれる金属粒子を示している。
第1電極層61では、図5Aに示すように、金属粒子は焼結されて緻密に存在している。
一方、第2電極層62では、その表層部62aにおいて金属粒子は緻密に存在しているものの、その内部62bにおいて金属粒子の密度が低くなっている。
従って、第1電極層と第2電極層の全体で比べると、第1電極層の方が金属の緻密度が高くなっている。そして、第2電極層の表層部における金属の緻密度が、第2電極層の内部における金属の緻密度より高くなっている。
第2電極層における表層部と内部は、第2電極層の厚さのうち表層の20%の領域を表層部とし、残りの80%を内部とすることにより区別する。
第1電極層と第2電極層の緻密度は以下のように測定することができる。
緻密度は、第1電極層又は第2電極層について光学顕微鏡による断面写真を撮影し、2値化処理により視野10μm×10μmを100%としたときの金属粒子の占める割合を80/255階調で計算することにより得られる。
第2電極層についてはその表層部と内部のそれぞれについて緻密度を測定することによりそれぞれの領域の緻密度が得られる。
このようにして得られる第1電極層及び第2電極層の緻密度は以下のような範囲であることが好ましい。
第1電極層の緻密度:80%以上、93%以下
第2電極層の表層部の緻密度:80%以上、90%以下
第2電極層の内部の緻密度:75%以上、80%以下
第2電極層の表層部の緻密度と第2電極層の内部の緻密度の差:2%以上、5%以下
第1電極層は全体に緻密度が高い電極層であり、第2電極層はその表層部の緻密度が高い電極層である。第1電極層と第2電極層はいずれも表面の緻密度が高い電極層であるため、耐湿信頼性の低下やめっき液の浸入が防止される。
第1電極層は第1領域に設けられ、第2電極層は第2領域に設けられていることから、本発明のセラミック電子部品は、複数領域に充分な緻密度を有する外部電極を有するものであるといえる。
第1電極層及び第2電極層は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金及びAuからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含むことが好ましく、Cuを含むことがさらに好ましい。また、第1電極層及び第2電極層は、抵抗電極層よりも電気抵抗率が低い層である。
第1電極層及び第2電極層の厚さは特に限定されないが、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
第1電極層及び第2電極層の厚さは、内部電極層が露出する領域をT方向に4等分することによって得られる5つの地点における第1電極層又は第2電極層の厚さを6つのサンプルで測定した30点の平均値とする。
また、第2電極層における表層部は、第2電極層の厚さのうち表層の20%の領域であるが、第2電極層の厚さのうち表層の20%の領域よりもさらに内側の内部にまで、緻密度の高い電極層が広がっていてもよい。また、第2電極層の厚さが厚い場合において、表層部に緻密度の高い電極層の厚さが充分に確保されている場合は、表層部の全ての領域が緻密度の高い電極層でなくてもよく、表層部のうち内部に近い領域が緻密度の低い電極層であってもよい。
この場合、第2電極層において緻密度の高い電極層の厚さが3μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、第2電極層において緻密度の高い電極層の厚さが第2電極層の厚さの5%以上30%以下であることが好ましい。
第2電極層において緻密度が高い電極層の厚さが3μm以上であると耐湿信頼性の低下やめっき液の浸入を防止する観点から好ましい。
また、第1外部電極の第1電極層及び第2外部電極の第2電極層の上にさらにめっき層が形成されていてもよい。めっき層を形成することにより、はんだ濡れ性が向上し、セラミック電子部品の実装が容易となる。めっき層の組成は特に限定されないが、Ni/Snめっきであることが好ましい。
以下、セラミック素体、セラミック誘電体層及び内部電極層、並びに、外部電極を構成する抵抗電極層の好ましい構成について記載する。
セラミック素体10は、角部及び稜線部に丸みが付けられていることが好ましい。角部は、セラミック素体の3面が交わる部分であり、稜線部は、セラミック素体の2面が交わる部分である。
セラミック素体10のL方向の長さは、0.4mm以上5.7mm以下であることが好ましく、0.46mm以上4.6mm以下であることがより好ましく、0.46mm以上3.2mm以下であることがさらに好ましい。セラミック素体10のW方向の長さは、0.2mm以上5.0mm以下であることが好ましく、0.28mm以上2.75mm以下であることがより好ましく、0.28mm以上2.5mm以下であることがさらに好ましい。セラミック素体10のT方向の長さは、0.19mm以上2.7mm以下であることが好ましく、0.2mm以上2.5mm以下であることがより好ましく、0.2mm以上1.95mm以下であることがさらに好ましい。
セラミック誘電体層の枚数は、50枚以上600枚以下であることが好ましく、100枚以上600枚以下であることがより好ましい。なお、セラミック誘電体層の枚数には、外層部を構成するセラミック誘電体層の枚数を含めない。
セラミック誘電体層のうち内層部を構成する各セラミック誘電体層の厚さは、0.4μm以上3.0μm以下であることが好ましい。また、外層部の厚さは、片側20μm以上80μm以下であることが好ましく、30μm以上80μm以下であることがより好ましい。
上記したようなセラミック素体の各寸法の測定はマイクロメータにより行うことができ、セラミック誘電体層の枚数のカウントは光学顕微鏡を用いて行うことができる。
各セラミック誘電体層としては、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、一般式AmBO(AサイトはBaであって、Ba以外にSr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。BサイトはTiであって、Ti以外にZr及びHfからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。Oは酸素。mはAサイトとBサイトのモル比。)で表されるペロブスカイト型化合物を好ましく使用することができる。またチタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)またはジルコン酸カルシウム(CaZrO)等を主成分とするセラミック材料を用いても良い。また、各セラミック誘電体層は、主成分よりも含有量の少ない副成分として、Mn、Mg、Si、Co、Ni、V、Alまたは希土類元素等を含んでいてもよい。
内部電極層は、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金又はAu等の金属材料を含んでいることが好ましい。また、セラミック誘電体層に含まれるセラミック材料と同一組成系の誘電体材料を含んでいることも好ましい。
内部電極層の枚数は、50枚以上600枚以下であることが好ましく、100枚以上600枚以下であることがより好ましい。また、内部電極層の平均厚さは、0.3μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
抵抗電極層は、抵抗成分に加えて、必要に応じてガラス、金属及び金属酸化物が添加される。
抵抗成分とは、一般的な外部電極に含まれる金属やガラスを除く、電気抵抗率の比較的高い成分を指し、具体的には、ガラスを除く金属酸化物やカーボンなどである。
抵抗成分を構成する金属酸化物(以下、第1の金属酸化物ともいう)としては、例えば、In−Sn複合酸化物(ITO)、La−Cu複合酸化物、Sr−Fe複合酸化物、Ca−Sr−Ru複合酸化物等の複合酸化物等を用いることができる。
カーボンとしては、カーボンブラック等の無定形炭素やグラファイト等を用いることができる。
ガラスとしては、B−Si系ガラス、B−Si−Zn系ガラス、B−Si−Zn−Ba系ガラス、B−Si−Zn−Ba−Ca−Al系ガラス等を使用することができる。
抵抗電極層中の第1の金属酸化物とガラスとの体積割合は、30:70〜70:30であることが好ましい。
金属としては、Ag、Ni、Cu、Au及びPdからなる群から選択された少なくとも1種の金属からなることが好ましい。これらの中ではNiを含むことがより好ましい。Niは粒径を細かくできるためである。
第1の金属酸化物以外の金属酸化物(以下、第2の金属酸化物ともいう)としては、例えば、Al、ZrO、TiO、ZnO等が挙げられる。
抵抗成分、ガラス、金属及び第2の金属酸化物の種類及び割合を調整することによって抵抗電極層の電気抵抗率及び抵抗電極層の緻密度を調整することができる。
例えば、金属を添加すると抵抗電極層の電気抵抗率は低下し、第2の金属酸化物を添加すると抵抗電極層の電気抵抗率は増加する。
また、Ni、Cu等の金属やAl、TiOを添加すると抵抗電極層の緻密化を促進することができる。一方、Mo、Cr、Nb等の金属やZrO、ZnO等の第2の金属酸化物を添加すると、抵抗電極層の緻密化を抑制することができる。
なお、緻密化の抑制とは、抵抗電極層の過焼結によるブリスタの発生を防止するという意味合いがある。
抵抗電極層の厚さは、特に限定されないが、5μm以上25μm以下であることが好ましい。
なお、抵抗電極層の厚さは、内部電極層が露出する領域をT方向に4等分することによって得られる5つの地点における抵抗電極層の厚さを6つのサンプルで測定した30点の平均値とする。
抵抗電極層の電気抵抗率は、0.01Ω・cm以上100Ω・cm以下であることが好ましく、0.05Ω・cm以上10Ω・cm以下であることがより好ましく、0.05Ω・cm以上1Ω・cm以下であることがさらに好ましい。
[セラミック電子部品の第2実施形態]
続いて、第2実施形態のセラミック電子部品について説明する。
第2実施形態のセラミック電子部品は、外部電極が薄膜電極層を有する。その他は第1実施形態のセラミック電子部品と同様にすることができるためその説明を省略する。
図6は、第2実施形態のセラミック電子部品である積層セラミックコンデンサのLT断面の一例を模式的に示す断面図である。
図6には、積層セラミックコンデンサ2を示している。積層セラミックコンデンサ2は、第2外部電極200に薄膜電極層64が設けられている他は、図3に示す積層セラミックコンデンサ1と同じ構成である。
薄膜電極層64は、第2内部電極層36に直接接触しており、薄膜電極層64上に抵抗電極層63が設けられている。抵抗電極層63上には第2電極層62が設けられている。
すなわち、第2外部電極200が薄膜電極層64、抵抗電極層63及び第2電極層62を有している。
薄膜電極層は複数の第2内部電極層と直接接触している。そのため、積層セラミックコンデンサの等価回路を考えた場合に、複数個あるコンデンサ要素部分から薄膜電極層によって1箇所にまとめられた配線が、抵抗電極層に接続されているとみなすことができる。一方、第2内部電極層が抵抗電極層と直接接触している場合には、コンデンサ要素部分と抵抗要素部分が直列に接続された回路が複数個並列で接続されているとみなすことができる。そのため、積層セラミックコンデンサが薄膜電極層を有する場合、第2内部電極層が抵抗電極層と直接接触している場合と比較して、接続性が安定すると考えられる。
薄膜電極層は、電気抵抗率が1.65×10−6Ω・cm以上1.65×10−4Ω・cm以下であることが好ましい。また、薄膜電極層は、抵抗電極層よりも電気抵抗率が小さいことが好ましい。
薄膜電極層の電気抵抗率、接着性及び製造容易性等の観点から、めっきにより形成されためっき電極であることが好ましい。
なお、めっきにより形成した薄膜電極層をめっき電極、スパッタにより形成した薄膜電極層をスパッタ電極、蒸着により形成した薄膜電極層を蒸着電極ともいう。
なお、薄膜電極層は上記めっき電極、スパッタ電極、蒸着電極のうちの少なくとも1種の電極を用いて複数層積層されたものであってもよい。
薄膜電極層を構成する金属としては、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金及びAuからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含むことが好ましく、Cuを含むことがさらに好ましい。なお、薄膜電極層はガラスを含まない層であることが好ましく、単位体積あたりの金属の含有割合が99体積%以上であることが好ましい。
薄膜電極層の厚さは、特に限定されないが、0.5μm以上9μm以下であることが好ましく、1μm以上5μm以下であることがより好ましく、2μm以上3μm以下であることがさらに好ましい。
薄膜電極層の厚さは、積層セラミックコンデンサを切削してLT断面を露出させ、マイクロスコープで観察することによって測定することができる。第2内部電極層が露出する領域上における1つの薄膜電極層をT方向に4等分して得られる5つの地点(分割した薄膜電極層同士の境界である3つの地点、及び、T方向の両端部である2つの地点)における薄膜電極層の厚さを算出する操作を6サンプルで行い、30点の平均値を薄膜電極層の厚さとする。
[積層セラミックコンデンサ以外のセラミック電子部品の実施形態]
ここまで、セラミック電子部品が積層セラミックコンデンサである場合を例にして本発明のセラミック電子部品について説明したが、本発明のセラミック電子部品は積層セラミックコンデンサに限定されるものではない。
積層セラミックコンデンサ以外のセラミック電子部品の場合、セラミック誘電体層を構成するセラミックとして、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミック、フェライトなどの磁性体セラミックを用いることができる。
圧電体セラミックを用いた場合は圧電部品として機能し、半導体セラミックを用いた場合はサーミスタとして機能する。
[セラミック電子部品の製造方法]
続いて、本発明のセラミック電子部品の製造方法について説明する。
以下には、先に説明した第1実施形態のセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを製造する場合を例にしてセラミック電子部品の製造方法について説明する。
図7は、セラミック電子部品の製造工程の一例を示すフローチャートである。
まず、セラミック素体を作製する(工程S1、S2、S3及びS4)。
積層された複数のセラミック誘電体層と複数の内部電極層からなり、複数の内部電極層が露出する領域である第1領域と第2領域を有する略直方体形状のセラミック素体を作製する。
このようなセラミック素体を形成する方法としては、例えば、セラミック誘電体層となるセラミックグリーンシート上に内部電極層となる内部電極パターンを形成したものを所定枚数積層し、圧縮してグリーンシート積層体とした後、焼成する方法等が挙げられる。
工程S1ではセラミックグリーンシートを作製する。
セラミックグリーンシートは、例えば、セラミック誘電体層の原料となる金属酸化物と有機物及び溶媒等が混合されたセラミックスラリーを、PETフィルム等のキャリアフィルム上に、スプレーコーティング、ダイコーティング、スクリーン印刷等の方法によってシート状に塗布することによって得ることができる。
セラミックグリーンシートの厚さは、0.4μm以上3.0μm以下が好ましい。
セラミック誘電体層の原料となる金属酸化物としては、積層セラミックコンデンサにおけるセラミック誘電体層を構成する原料と同様のものを好適に用いることができる。
工程S2では内部電極層を形成する。
内部電極層となる導電性ペーストは、Ni粉等の金属材料、溶剤、分散剤及びバインダからなり、セラミックグリーンシート上にスクリーン印刷、グラビア印刷等の方法で印刷することにより、内部電極パターンを作製することができる。
印刷された内部電極パターンの厚さは、0.3μm以上1.0μm以下が好ましい。
工程S3では、内部電極層を形成したセラミックグリーンシートを積層・圧着し、個片化する。
圧着方法としては、例えば、剛体プレスや静水圧プレス等が挙げられる。
なお、プレス時に最外層に一定厚みの樹脂シートを配置することで内部電極パターンが形成されていない部分にも充分に圧力が加わりセラミックグリーンシート同士の接着力を高めることができる。
得られたグリーンシート積層体を、必要に応じて、内部電極層が2箇所以上に露出するように切り出して個片化する。
工程S4では、個片化したグリーンシート積層体を、所定の条件で焼成する。
これにより、セラミック素体が得られる。
続いて、第1電極層の形成を行う(工程S5、S6)。
工程S5ではセラミック素体の第1の側面及び第2の側面、すなわち第1領域に金属粉末を含む第1電極ペーストを付与する。
例えば、金属粉末を溶媒中に分散させた第1電極ペーストをセラミック素体の第1領域に塗布することで付与する方法や、第1電極ペーストをシート状に成形した第1電極ペーストシートをセラミック素体の第1領域に貼り付けることにより付与する方法が挙げられる。
第1電極ペーストの厚さは、特に限定されないが、焼成後の第1電極層の厚さが、5μm以上50μm以下となる厚さであることが好ましい。
第1電極ペーストは、例えば、金属粉末、ガラス、分散剤、溶媒等を含み、一定の粘度を有していることが好ましい。
金属粉末の平均粒子径は小さいほうが好ましく、平均粒子径が0.1μm以上3μm以下のものがより好ましい。
第1電極ペーストを構成する金属粉末は、本発明のセラミック電子部品において説明した第1電極層を構成する材料と同様のものを好適に用いることができ、金属粉末がCu粉末であることが好ましい。
工程S6ではセラミック素体の第1領域に付与した第1電極ペーストを第1温度で焼き付ける。これにより第1電極層が形成される。
第1温度は第1電極ペーストに含まれる金属粉末の焼結が充分に進む温度であることが好ましく、800℃以上、940℃以下であることが好ましい。
第1温度を840℃以上とすることで第1電極ペーストに含まれる金属粉末の焼結が充分に進むため、緻密度の高い第1電極層を形成することができる。
このようにして形成された第1電極層は第1外部電極となる。
続いて、抵抗電極層の形成を行う(工程S7、S8)。
なお、本発明のセラミック電子部品の製造方法において抵抗電極層を形成する工程は必須の工程ではない。
工程S7ではセラミック素体の第1の端面及び第2の端面、すなわち第2領域に抵抗電極ペーストを付与する。
例えば、セラミック素体の第2領域を抵抗電極層となる抵抗電極ペーストに浸漬する方法や、抵抗電極ペーストをシート状に加工したものをセラミック素体の第2領域に貼り付けることにより付与する方法、ディスペンサーにより塗布する方法等が挙げられる。
抵抗電極ペーストの厚さは、特に限定されないが、焼成後の抵抗電極層の厚さが5μm以上25μm以下となる厚さであることが好ましい。
抵抗電極ペーストは、例えば、金属酸化物粉末、ガラス、分散剤、溶媒等を含み、一定の粘度を有していることが好ましい。
抵抗電極ペーストをシート状に加工する方法としては、抵抗電極ペーストをキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させた後、キャリアフィルムを剥離する方法が挙げられる。
抵抗電極ペーストを構成する金属酸化物及びガラスは、本発明のセラミック電子部品において説明した抵抗電極層を構成する材料と同様のものを好適に用いることができる。
工程S8ではセラミック素体の第2領域に付与した抵抗電極ペーストを焼き付ける。
これにより抵抗電極層が形成される。
抵抗電極ペーストの焼き付け温度は、第1温度と、後述する第2温度(第1温度より低い温度)の間の温度とすることが好ましく、720℃以上、800℃以下であることが好ましい。
抵抗電極ペーストの焼き付け温度を第1温度より低い温度にすると、先に形成した第1電極層にダメージを与えることが防止されるので好ましい。
続いて、第2電極層の形成を行う(工程S9、S10)。
セラミック素体の第2領域に抵抗電極層を設けている場合、抵抗電極層の表面に第2電極層を形成する。セラミック素体の第2領域に抵抗電極層を設けていない場合、セラミック素体の第2領域に直接第2電極層の形成を行ってもよい。以下には抵抗電極層を設けた場合を前提に説明する。
工程S9では、抵抗電極層が設けられたセラミック素体の第1の端面及び第2の端面、すなわち第2領域に金属粉末を含む第2電極ペーストを付与する。
例えば、金属粉末を溶媒中に分散させた第2電極ペーストをセラミック素体の第2領域の抵抗電極層上に塗布することで付与する方法、抵抗電極層が形成されているセラミック素体の端面を第2電極ペーストに浸漬する方法、第2電極ペーストをシート状に成形した第2電極ペーストシートをセラミック素体の第2領域の抵抗電極層上に貼り付けることにより付与する方法が挙げられる。
第2電極ペーストの厚さは、特に限定されないが、焼成後の第2電極層の厚さが、5μm以上50μm以下となる厚さであることが好ましい。
第2電極ペーストとしては、抵抗電極層よりも第2電極層の電気抵抗率が小さくなるような組成であればよく、例えば、金属粉末、ガラス、分散剤、溶媒等を含み、一定の粘度を有していることが好ましい。
金属粉末の平均粒子径は小さいほうが好ましく、平均粒子径が0.1μm以上3μm以下のものがより好ましい。
第2電極ペーストは、第1電極ペーストに含まれる金属粉末と同種の金属粉末を含む。
第1電極ペーストと第2電極ペーストに含まれる金属粉末がともにCu粉末であることが好ましい。
工程S10ではセラミック素体の第2領域に付与した第2電極ペーストを第2温度で焼き付ける。これにより第2電極層が形成される。
第2温度は第1温度よりも低い温度とする。
第2温度を第1温度より低い温度にすることにより、先に形成した第1電極層にダメージを与えることが防止される。
第2温度は650℃以上、750℃以下であることが好ましい。
金属粉末の焼結が充分に進む温度である第1温度よりも低い第2温度での焼き付けにより形成される第2電極層は、金属粉末の焼結が充分に進んでおらず緻密度の低い電極層となる。
続いて、第2電極層の表面に物理衝撃処理を施すことにより、第2電極層の表層部を緻密化する(工程S11)。
物理衝撃処理としては、ブラスト処理、バレル処理等が挙げられる。ブラスト処理としてはサンドブラスト、ショットブラスト、湿式ブラストが挙げられる。
物理衝撃処理としてサンドブラストを使用する場合の条件は、吐出圧力0.03MPa以上、0.1MPa以下が好ましい。また、砥粒の平均粒子径を60μm以上、80μm以下とすることが好ましい。
第2温度での焼き付けにより形成された第2電極層は緻密度の低い電極層であるが、物理衝撃処理を行うことにより第2電極層の表層に物理的な圧力が加わり、第2電極層の表層部が緻密化される。
その結果、第2電極層の表層部における金属の緻密度が第2電極層の内部における金属の緻密度よりも高くなる。
このようにして形成された第2電極層は第2外部電極の一部となる。
本発明のセラミック電子部品の製造方法では、第2電極ペーストの焼き付けを低温で行うことにより先に形成した第1電極層にダメージを与えることを防止する。そして、低温での焼き付けで得られた緻密度の低い第2電極層に対しての物理衝撃処理を施すことにより第2電極層の表層部を緻密化して、充分な緻密度を有する第2電極層を形成する。
このように低温での焼き付けと物理衝撃処理の組合せにより第2電極層を形成することによって、複数領域に充分な緻密度を有する外部電極を形成することができる。
また、第1電極層及び第2電極層へのめっき処理を行ってもよい(工程S12)。
めっき処理によりめっき層を形成することにより、はんだ濡れ性が向上し、セラミック電子部品の実装が容易となる。めっき層の組成は特に限定されないが、Ni/Snめっきであることが好ましい。
以下、本発明のセラミック電子部品及びセラミック電子部品の製造方法をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(セラミック素体の作製)
セラミック材料としてのBaTiOに、ポリビニルブチラール系バインダ、可塑剤及び有機溶剤としてのエタノールを加え、これらをボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。次いで、このセラミックスラリーをリップ方式によりシート成形し、矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、上記セラミックグリーンシート上に、Niを含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し、Niを主成分とする内部電極パターンを形成した。次に、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、内部電極層の引き出されている側が互い違いになるように複数枚積層し、コンデンサ本体となるべき生の積層シートを得た。次に、この生の積層シートを、加圧成形し、ダイシングにより分割してチップを得た。得られたチップをN雰囲気中にて1200℃で加熱して、バインダを燃焼させた後、H、N及びHOガスを含む還元性雰囲気中において焼成し、焼結したセラミック素体を得た。セラミック素体の構造は、複数のセラミック誘電体層と複数の内部電極層を有する構造である。セラミック素体の寸法は、L方向0.92mm×W方向0.55mm×T方向0.39mmであった。
W方向の端面である第1の側面及び第2の側面には第1内部電極層が露出しており、L方向の端面である第1の端面及び第2の端面には第2内部電極層が露出していた。
内部電極層の平均厚みは0.55μm、内部電極層に挟まれるセラミック誘電体層の平均厚みは0.75μmであり、内部電極層の枚数は266枚であった。
(第1電極層の形成)
第1の側面及び第2の側面に露出する第1内部電極層の表面に対して、銅粉末を含有する導電性ペースト(第1電極ペースト)を塗布し、850℃で焼き付けすることで、セラミック素体の第1の側面及び第2の側面にそれぞれ第1電極層を形成した。
(抵抗電極層の形成)
In−Sn複合酸化物、ガラス及びNi粉末を40wt%:50wt%:10wt%の割合で混合した混合粉末を溶媒に分散させて抵抗電極ペーストを作製した。ガラスとしてはB−Si−Zn−Ba−Ca−Al系ガラスを用いた。
第1の端面及び第2の端面に露出する第2内部電極層の表面に対して、得られた抵抗電極ペーストをディスペンサーで塗布し、780℃で焼き付けることで、セラミック素体の第1の端面及び第2の端面にそれぞれ抵抗電極層を形成した。
(第2電極層の形成)
平均粒子径1μmの銅粉末(球状粒子と扁平粒子との混合物)とガラスとの混合物を溶媒に分散させて第2電極ペーストを作製した。
ガラスとしては、抵抗電極ペーストと同様のB−Si−Zn−Ba−Ca−Al系ガラスを用いた。
得られた第2電極ペーストに、セラミック素体の第1の端面及び第2の端面を浸漬して抵抗電極層上に第2電極ペーストを塗布し、その後680℃で焼き付けることで、セラミック素体の第1の端面及び第2の端面にそれぞれ第2電極層を形成した。
抵抗電極層の厚さは20μm以上30μm以下であり、第2電極層の厚さは20μm以上30μm以下であった。
(物理衝撃処理)
第1電極層及び第2電極層を形成したセラミック素体に対してサンドブラスト処理を行った。
サンドブラストの条件は吐出圧力0.05MPa、砥粒の平均粒子径70μmとした。
サンドブラスト処理により、緻密度の低い電極層である第2電極層の表層部が緻密化された。
(めっき処理)
第1電極層及び第2電極層に対してNiめっきを行い、続いてSnめっきを行い、第1電極層及び第2電極層上にそれぞれ、Ni/Snめっき層を形成した。
以上の工程によりセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを製造した。
(実施例2、3)
実施例2ではサンドブラスト処理の時間を実施例1の1/4の時間とし、実施例3ではサンドブラスト処理の時間を実施例1の1/2の時間とした。
その他は実施例1と同様にしてセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを製造した。
(比較例1)
比較例1ではサンドブラスト処理を行わなかった。
その他は実施例1と同様にしてセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを製造した。
(緻密度の測定)
実施例1〜3及び比較例1の積層セラミックコンデンサの第2電極層の表層部、第2電極層の内部及び第1電極層につき、光学顕微鏡(NIKON製L−200、対物レンズ100倍)による断面写真を撮影し、2値化処理により視野10μm×10μmを100%としたときのCu粒子の占める割合を80/255階調で計算することにより緻密度を測定した。
積層セラミックコンデンサのサンプル数を10個として、緻密度の平均値を算出し、結果を表1に示した。
(耐湿負荷試験)
実施例1〜3及び比較例1の積層セラミックコンデンサにつき、温度125℃、湿度95%RH、印加電圧2.0Vの条件での耐湿負荷試験を行った。積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗の対数値LogIRを測定し、初期値に対して72時間経過する前にLogIRが2桁以上低下したサンプルの数をカウントした。
積層セラミックコンデンサのサンプル数を72個として、耐湿負荷試験でLogIRが2桁以上低下したサンプルの数を表1に示した。
(はんだ爆ぜ試験)
実施例1〜3及び比較例1の積層セラミックコンデンサをガラスエポキシ基板にリフロー実装(リフロー炉温度260℃)した後に、目視によりはんだの飛び散り具合を確認した。
はんだの飛び散りが多かったものをはんだ爆ぜ不良としてカウントした。
積層セラミックコンデンサのサンプル数を1000個として、はんだ爆ぜ試験ではんだ爆ぜ不良と判断したサンプルの数を表1に示した。
Figure 2021052103
実施例1〜3では第2電極層に対してサンドブラスト処理を行っており、第2電極層の表層部の緻密度が第2電極層の内部の緻密度に比べて高くなっている。そのため、耐湿負荷試験及びはんだ爆ぜ試験の結果に優れている。
一方、比較例1では第2電極層の内部の緻密度と表層部の緻密度が同じであるため、耐湿信頼性が低くなる。また、はんだ爆ぜ試験で不良となったサンプルの数が多いことから、第2電極層にめっき液の浸入が生じていることが推定される。
また、実施例1〜3では第2電極ペーストの焼き付け温度(680℃)及び抵抗電極ペーストの焼き付け温度(780℃)が第1電極ペーストの焼き付け温度(850℃)より低い。そのため、先に形成した第1電極層が後の抵抗電極ペーストの焼き付け及び第2電極ペーストの焼き付けによりダメージを受けることが防止される。
(実施例4)
実施例1において、セラミック素体の第1の端面及び第2の端面に抵抗電極層の形成を行わなかった。第2電極層はセラミック素体の第1の端面及び第2の端面上に直接形成した。
その他は実施例1と同様にしてセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを製造した。
第2電極層の厚さは40μmであった。
(比較例2)
比較例2ではサンドブラスト処理を行わなかった。その他は実施例4と同様にしてセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを製造した。
実施例4及び比較例2の積層セラミックコンデンサにつき、緻密度の測定及び耐湿負荷試験を行った。はんだ爆ぜ試験は行わなかった。
緻密度の測定結果と耐湿負荷試験の結果をまとめて表2に示した。
Figure 2021052103
抵抗電極層の形成を行わない実施例4と比較例2の関係についても、サンドブラスト処理を行って第2電極層の表層部の緻密度を向上させた実施例4のほうが耐湿負荷試験の結果が良好になっていることが分かる。このことから、抵抗電極層の有無に関わらず、第2電極層の表層部の緻密度を第2電極層の内部の緻密度より高くすることによって耐湿信頼性の高い積層セラミックコンデンサ(セラミック電子部品)を製造できることが分かる。
1、2 積層セラミックコンデンサ
10 セラミック素体
11 第1の主面
12 第2の主面
13 第1の側面(第1領域)
14 第2の側面(第1領域)
15 第1の端面(第2領域)
16 第2の端面(第2領域)
20 セラミック誘電体層
21 外層部
22 内層部
30 内部電極層
35 第1内部電極層
36 第2内部電極層
61 第1電極層
62 第2電極層
62a 第2電極層の表層部
62b 第2電極層の内部
63 抵抗電極層
64 薄膜電極層
100 第1外部電極
200 第2外部電極

Claims (9)

  1. セラミック素体の第1領域に金属粉末を含む第1電極ペーストを第1温度で焼き付けて、第1電極層を形成する工程と、
    前記セラミック素体の前記第1領域とは異なる領域である第2領域に、前記金属粉末と同種の金属粉末を含む第2電極ペーストを前記第1温度よりも低い第2温度で焼き付けて、第2電極層を形成する工程と、
    前記第2電極層の表面に物理衝撃処理を施すことにより、前記第2電極層の表層部を緻密化する工程と、を有するセラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記セラミック素体の前記第2領域に抵抗電極ペーストを焼き付けて抵抗電極層を形成し、前記抵抗電極層の表面に前記第2電極層を形成する請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記抵抗電極ペーストの焼き付け温度を、前記第1温度と前記第2温度の間の温度とする請求項2に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記セラミック素体は、その長手方向に対向して前記第2領域となる端面、その幅方向に対向して前記第1領域となる側面を有しており、前記側面に前記第1電極層を形成し、前記端面に前記抵抗電極層及び前記第2電極層を形成する請求項2又は3に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記セラミック素体は、キャパシタを構成する少なくとも一対の第1内部電極層及び第2内部電極層と、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層の間に設けられたセラミック誘電体層とを有する、請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記第1電極層を前記第1内部電極層に電気的に接続し、前記第2電極層を前記第2内部電極層に電気的に接続する請求項5に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記第2電極層の表層部を緻密化した後、前記第1電極層及び前記第2電極層の表面をめっき処理する工程を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  8. 前記物理衝撃処理がサンドブラスト処理である請求項1〜7のいずれか1項に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  9. セラミック素体と、
    前記セラミック素体の第1領域に設けられた第1電極層と、
    前記セラミック素体の前記第1領域とは異なる領域である第2領域に設けられた第2電極層と、を備え、
    前記第1電極層と前記第2電極層とは、同種の金属を含み、前記第1電極層と前記第2電極層に含まれる前記同種の金属の緻密度が異なっており、
    前記第2電極層の表層部における前記金属の緻密度が、前記第2電極層の内部における前記金属の緻密度より高くなっている、セラミック電子部品。
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