JP2021034440A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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洋右 寺下
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Abstract

【課題】たわみ量が大きくても、クラックが発生し難い積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】積層セラミック電子部品10は、セラミック素体12と、セラミック素体12の両端面にそれぞれ設けられた外部電極24とを備えている。外部電極24は、セラミック素体12上に配置された、焼結金属およびガラスを含む下地電極層26と、下地電極層26上に配置された、金属フィラーおよび樹脂を含む導電性樹脂層28とを有している。下地電極層26は、下地電極層26と導電性樹脂層28との界面に露出するガラス露出最大長さが3.8μm以下である条件、および、下地電極層26と導電性樹脂層28との界面に露出するガラス露出率が10.1%以下である条件のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たしている。【選択図】図4

Description

本発明は、積層セラミック電子部品に関する。
従来から、特許文献1に記載されている積層セラミック電子部品が知られている。この積層セラミック電子部品は、内部電極を含み、相対する一対の主面と、相対する一対の側面と、相対する一対の端面とを有するセラミック素体を備えている。そして、外部電極が、内部電極に接続されるようにセラミック素体の端面上に配置され、端面から延伸して一対の主面および一対の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成されている。
外部電極は、セラミック素体上に配置された下地電極層と、下地電極層上に配置された導電性樹脂層とを有している。導電性樹脂層は、樹脂に金属フィラーを分散させたものである。導電性樹脂層は、積層セラミック電子部品のたわみ強度や耐衝撃性を向上させることができる。
下地電極層は、導電性樹脂層とセラミック素体との間に設けられ、焼結金属およびガラスを含む。ガラスは、焼き付け温度の低減(焼結助剤)やセラミック素体との密着強度改善を目的に含まれている。従って、下地電極層と導電性樹脂層との界面にも、ガラスが存在する。
特開2015−46644号公報
しかしながら、上記のような導電性樹脂層を有している外部電極を備えた積層セラミック電子部品においては、たわみ量が大きくなると、セラミック素体にクラックが生じてしまうことがある。クラックの起点はガラスであるため、クラックの発生は、下地電極層と導電性樹脂層との界面に露出するガラスの露出の状態が関係すると推察される。
それゆえに、本発明の主たる目的は、たわみ量が大きくても、クラックが発生し難い積層セラミック電子部品を提供することである。
本発明にかかる積層セラミック電子部品は、第1および第2の内部電極を含み、相対する第1の主面および第2の主面と、第1の主面と第2の主面とを結ぶ方向に直交する方向に相対する第1の側面および第2の側面と、第1の主面と第2の主面とを結ぶ方向並びに第1の側面と第2の側面とを結ぶ方向に直交する方向に相対する第1の端面および第2の端面とを有するセラミック素体と、第1の内部電極に電気的に接続されるように、セラミック素体の第1の端面上に配置され、第1の端面から延伸して第1の主面、第2の主面、第1の側面および第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第1の外部電極と、第2の内部電極に電気的に接続されるように、セラミック素体の第2の端面上に配置され、第2の端面から延伸して第1の主面、第2の主面、第1の側面および第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第2の外部電極と、を有する積層セラミック電子部品であって、第1の外部電極は、セラミック素体上に配置された、焼結金属およびガラスを含む第1の下地電極層と、第1の下地電極層上に配置された、金属フィラーおよび樹脂を含む第1の導電性樹脂層とを有し、第2の外部電極は、セラミック素体上に配置された、焼結金属およびガラスを含む第2の下地電極層と、第2の下地電極層上に配置された、金属フィラーおよび樹脂を含む第2の導電性樹脂層とを有し、第1の下地電極層は、第1の下地電極層と第1の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出最大長さが3.8μm以下である第1の条件、および、第1の下地電極層と第1の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出率が10.1%以下である第2の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たし、第2の下地電極層は、第2の下地電極層と第2の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出最大長さが3.8μm以下である第3の条件、および、第2の下地電極層と第2の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出率が10.1%以下である第4の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たすこと、を特徴とする積層セラミック電子部品である。
本発明によれば、たわみ量が大きくても、クラックが発生し難い積層セラミック電子部品が得られる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。 図1の線II−IIにおける断面図である。 図1の線III−IIIにおける断面図である。 図2の断面図における外部電極およびその近傍の拡大断面図である。 (a)は、図2の断面図を模式的に示す断面図であり、(b)は、下地電極層およびその周辺部を拡大したa部拡大図である。 ガラス露出最大長さを測定するためのLT断面写真である。 ガラス露出最大長さとクラック発生率との関係を示すグラフである。 ガラス露出総長さとA領域の全体長さとを測定するためのLT断面写真である。 ガラス露出率とクラック発生率との関係を示すグラフである。
1.積層セラミック電子部品
本発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。図2は、図1の線II−IIにおける断面図であり、後述するように、積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zのL寸法および積層方向xのT寸法を含む断面(以下、LT断面という)を示す。図3は、図1の線III−IIIにおける断面図である。図4は、図2の断面図における外部電極およびその近傍の拡大断面図である。
以下、積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサを例にして説明する。
積層セラミックコンデンサ10は、直方体状のセラミック素体12と2つの外部電極24とを有している。
(1)セラミック素体
セラミック素体12は、積層された複数のセラミック層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、セラミック素体12は、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、積層方向x(第1の主面12aと第2の主面12bとを結ぶ方向)に直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、積層方向xおよび幅方向y(第1の側面12cと第2の側面12dとを結ぶ方向)に直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。セラミック素体12の寸法は、特に限定されない。ただし、セラミック素体12は、長さ方向zの寸法が幅方向yの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。
セラミック素体12および2つの外部電極24を含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とする。積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とする。積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
セラミック素体12には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、セラミック素体12の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、セラミック素体12の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、並びに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
(a)セラミック層
セラミック素体12は、複数枚のセラミック層14から構成される外層部15aと単数もしくは複数枚のセラミック層14とそれらの上に配置される複数枚の内部電極層16から構成される内層部15bとを含む。外層部15aは、セラミック素体12の第1の主面12a側および第2の主面12b側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する複数枚のセラミック層14、および第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層16との間に位置する複数枚のセラミック層14の集合体である。そして、両外層部15aに挟まれた領域が内層部15bである。外層部15aの厚みは、15μm以上400μm以下であることが好ましい。
セラミック層14の枚数は、外層も含み、10枚以上2000枚以下であることが好ましい。
セラミック層14は、たとえば、誘電体材料により形成することができる。誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などの主成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主主成分として含む場合、所望するセラミック素体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物またはNi化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
焼成後のセラミック層14の厚みは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
(b)内部電極層
セラミック素体12は、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、セラミック素体12の積層方向xに沿ってセラミック層14を挟んで等間隔に交互に積層されるように埋設されている。
第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bに対向する第1の対向電極部18aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し、第1の対向電極部18aからセラミック素体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部20aを有する。第1の引出電極部20aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aに対向する第2の対向電極部18bと、第2の内部電極層16bの一端側に位置し、第2の対向電極部18bからセラミック素体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部20bを有する。第2の引出電極部20bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
セラミック素体12は、第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間、および、第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成されるセラミック素体12の側部(以下、「Wギャップ」という。)22aを含む。さらに、セラミック素体12は、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間、および、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成されるセラミック素体12の端部(以下、「Lギャップ」という。)22bを含む。
内部電極層16は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、AuまたはAg−Pd合金などから選択される少なくとも一つを含む導電材料により構成することができる。内部電極層16は、さらにセラミック層14に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層16の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。また、内部電極層16の枚数は、15枚以上200枚以下であることが好ましい。
(2)外部電極
セラミック素体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極24が配置される。外部電極24は、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、セラミック素体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極24aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aと電気的に接続される。
第2の外部電極24bは、セラミック素体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極24bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bと電気的に接続される。
セラミック素体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bとが、セラミック層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極24aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極24bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bはそれぞれ、内部電極層16に接続された下地電極層26と、下地電極層26の上に積層された導電性樹脂層28と、導電性樹脂層28の上に積層された金属めっき層30とを含む。
(a)下地電極層
下地電極層26は、第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bを有する。 第1の下地電極層26aは、セラミック素体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
また、第2の下地電極層26bは、セラミック素体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
下地電極層26は、図5(a)および図5(b)に示すように、焼結金属40およびガラス42を含む。図5(a)は、図2の断面図を模式的に示す断面図であり、(b)は、下地電極層26およびその周辺部を拡大したa部拡大図である。下地電極層26と導電性樹脂層28との界面には、ガラス42が存在する。また、下地電極層26とセラミック素体12との界面におけるセラミック素体12側には、セラミックとガラス42との反応層48が存在する。
そして、第1の下地電極層26aは、第1の下地電極層26aと後で詳述する第1の導電性樹脂層28aとの界面に露出するガラス42の露出最大長さが3.8μm以下である第1の条件、および、第1の下地電極層26aと第1の導電性樹脂層28aとの界面に露出するガラス42の露出率が10.1%以下である第2の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件を満足している。
第2の下地電極層26bは、第2の下地電極層26bと後で詳述する第2の導電性樹脂層28bとの界面に露出するガラス42の露出最大長さが3.8μm以下である第3の条件、および、第2の下地電極層26bと第2の導電性樹脂層28bとの界面に露出するガラス42の露出率が10.1%以下である第4の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件を満足している。
「ガラス42の露出最大長さ」の測定方法の一例としては、積層セラミックコンデンサ10が(1/2)Wの位置のLT面が露出されるまで断面研磨される。次に、図4(b)に示すように、このLT断面において、第1の主面12a上に位置する第1の下地電極層26aの先端P1から、セラミック素体12の第1の端面12e側の稜線部において、第1の主面12aに対して45°傾斜した接線L1が接する第1の下地電極層26a上の接点S1までの領域A1が測定範囲とされる。この領域A1において、第1の下地電極層26aの個々のガラスが第1の下地電極層26aと第1の導電性樹脂層28aとの界面に露出している長さa,b,・・・を測定し、その測定値のうちの最大長さを「ガラス露出最大長さ」とする。
あるいは、図4(c)に示すように、このLT断面において、第1の主面12a上に位置する第2の下地電極層26bの先端P2から、セラミック素体12の第2の端面12f側の稜線部において、第1の主面12aに対して45°傾斜した接線L2が接する第2の下地電極層26b上の接点S2までの領域A2が測定範囲とされる。この領域A2において、第2の下地電極層26bの個々のガラスが第2の下地電極層26bと第2の導電性樹脂層28bとの界面に露出している長さa,b,・・・を測定し、その測定値のうちの最大長さを「ガラス露出最大長さ」とする。
そして、測定されたガラス露出最大長さが3.8μm以下であることを満足することにより、耐基板曲げ性が向上した積層セラミックコンデンサ10が得られる。すなわち、たわみ量が大きくても、クラックが発生し難い積層セラミックコンデンサ10が得られる。
「ガラス露出率」は、以下の式で表現される。
ガラス露出率={(ガラス露出総長さ)/(全体長さ)}×100
「ガラス露出総長さ」は、前記LT断面において、領域A1の第1の下地電極層26aの個々のガラスが第1の下地電極層26aと第1の導電性樹脂層28aとの界面に露出している長さa,b,・・・を測定し、その測定値の合計の長さをいう。あるいは、「ガラス露出総長さ」は、LT断面において、領域A2の第2の下地電極層26bの個々のガラスが第2の下地電極層26bと第2の導電性樹脂層28bとの界面に露出している長さa,b,・・・を測定し、その測定値の合計の長さをいう。
「全体長さ」は、前記LT断面において、第1の下地電極層26aの領域A1の長さをいう。あるいは、「全体長さ」は、LT断面において、第2の下地電極層26bの領域A2の長さをいう。
そして、ガラス露出率が10.1%以下であることを満足することにより、耐基板曲げ性が向上した積層セラミックコンデンサ10が得られる。すなわち、たわみ量が大きくても、クラックが発生し難い積層セラミックコンデンサ10が得られる。
なお、「ガラス露出最大長さ」や「ガラス露出総長さ」や「全体長さ」の測定を、第1の主面12a上に位置する第1の下地電極層26aの領域A1または第2の下地電極層26bの領域A2において行ったのは、これらの領域Aの下地電極層26の厚みが薄くなり易いので、特にたわみ強度に対する影響が大きいからである。
また、「ガラス露出最大長さ」や「ガラス露出総長さ」や「全体長さ」の測定は、第1の主面12a上に位置する第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bを測定して求めたけれども、第2の主面12b上に位置する第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bを測定して求めてもよい。
焼結金属40としては、例えばCu、Ni、Ag、Pb、Ag−Pb合金またはAu等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼結金属粉は、球状金属粉と扁平状金属粉とを混合したものが好ましく、その平均粒径D50が1μm以下のものを使用すると、ガラス露出最大長さが3.8μm以下になる。つまり、焼結金属粉の平均粒径が、ガラス露出最大長さの主な因子であり、平均粒径が小さいほど、ガラス露出最大長さは小さくなる。さらに、焼結金属粉の平均粒径は、ガラス露出率の主な因子でもあり、平均粒径が小さいほど、ガラス露出率は小さくなる。
また、下地電極層26のガラス42としては、例えばB、Si、Pd、Ba、Mg、AlまたはLi等から選ばれる少なくとも1つを含む。
下地電極層26は、焼結金属40およびガラス42を含む導電性ペーストをセラミック素体12に塗布して焼き付けたものであり、セラミック素体12と同時に焼成したものでもよく、セラミック素体12を焼成した後に焼き付けたものでもよい。下地電極層26のうちの最も厚い部分の厚みは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。
第1の端面12eおよび第2の端面12f上にそれぞれ位置する下地電極層26は、その他の部分よりも中央部の厚みが厚い形状を有している。これにより、半田の外部電極24上のめっきへの接続接触角が鋭角になり、熱衝撃サイクル時に半田からめっきに加わる応力の方向がめっき平面と平行な成分が強くなるために、さらに半田クラックの発生確率を減じる効果を得ることができる。
下地電極層26の第1の主面12a上および第2の主面12b上、並びに、第1の側面12c上および第2の側面12d上に位置する外部電極24の厚みは、一般に、第1の端面12eおよび第2の端面12f上に位置する下地電極層26の厚みより小さくなり易く、5μm以上20μm以下であることが好ましい。
(b)導電性樹脂層
導電性樹脂層28は、第1の導電性樹脂層28aおよび第2の導電性樹脂層28bを有する。
第1の導電性樹脂層28aは、第1の下地電極層26aの上に配置される。具体的には、第1の導電性樹脂層28aは、第1の端面12e上に位置する第1の下地電極層26aの上、並びに、第1の主面12a上および第2の主面12b上および第1の側面12c上および第2の側面12d上に位置する第1の下地電極層26aの上に配置されている。
同様に、第2の導電性樹脂層28bは、第2の下地電極層26bの上に配置される。具体的には、第2の導電性樹脂層28bは、第2の端面12f上に位置する第2の下地電極層26bの上、並びに、第1の主面12a上および第2の主面12b上および第1の側面12c上および第2の側面12d上に位置する第2の下地電極層26bの上に配置されている。
導電性樹脂層28の厚みは、例えば、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
導電性樹脂層28は、図5(a)に示すように、樹脂44および金属粉46(導電性フィラー)を含む。従って、導電性樹脂層28は、樹脂44を含むため、例えば、下地電極層26や金属めっき層30よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサ10に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層28が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサ10のクラックを防止することができる。
導電性樹脂層28に含まれる樹脂44としては、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂またはポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性および耐湿性および密着性などに優れたエポキシ樹脂は最も適切な樹脂の一つである。導電性樹脂層28には、熱硬化性樹脂と共に、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としては、ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、フェノール系、アミン系、酸無水物系またはイミダゾール系などの公知の種々の化合物を使用することができる。
導電性樹脂層28に含まれる金属粉46としては、Ag粉、Cu粉またはそれらの合金粉を使用することができる。また、金属粒子の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粒子の表面にAgコーティングされたものを使用する際には、金属粒子としてCuまたはNiを用いることが好ましい。また、Cuに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。Agコーティングされた金属粒子を用いる理由は、Agの特性は保ちつつ、母材の金属粒子を安価なものにすることが可能になるためである。
導電性樹脂層28に含まれる金属粉46(導電性フィラー)の形状は、特に限定されない。金属粉46は、球状金属粉または扁平状金属粉であってもよいが、球状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いることが好ましい。金属粉46の平均粒径は、例えば、0.3μm以上10.0μm以下であってもよいが、特に限定されない。金属粉は、主に、導電性樹脂層28の通電性を担う。具体的には、金属粉同士の直接接触および/またはトンネル効果などの導電性接着材の導電機構により、導電性樹脂層28の内部に通電経路が形成される。導電性樹脂層28の先端は、下地電極層26の先端から10μm以上800μm以下延びて形成されていることが好ましい。これにより、熱衝撃サイクル時の応力を減少させるための導電性樹脂層28の面積を十分に取ることができ、半田クラック緩和効果を得ることができる。
(c)金属めっき層
金属めっき層30は、第1の金属めっき層30aおよび第2の金属めっき層30bを含む。
第1の金属めっき層30aは、第1の導電性樹脂層28aの上に配置されている。より具体的には、第1の金属めっき層30aは、第1の端面12e上に位置する第1の導電性樹脂層28aの上、第1の主面12aおよび第2の主面12bならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの上に位置する第1の導電性樹脂層28aの上に配置される。
第2の金属めっき層30bは、第2の導電性樹脂層28bの上に配置されている。より具体的には、第2の金属めっき層30bは、第2の端面12f上に位置する第2の導電性樹脂層28bの上、第1の主面12aおよび第2の主面12bならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの上に位置する第2の導電性樹脂層28bの上に配置される。
第1の金属めっき層30aおよび第2の金属めっき層30bの材料としては、例えばCu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金もしくはAuなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含む。好ましくは、第1の金属めっき層30aは、第1のNiめっき層32aと第1のSnめっき層34aとの2層構造である。第2の金属めっき層30bは、第2のNiめっき層32bと第2のSnめっき層34bとの2層構造である。Niめっき層32は、下地電極層26が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって浸食されることを防止することができる。Snめっき層34は、積層セラミックコンデンサ10を実装する際の半田の濡れ性を向上させ、積層セラミックコンデンサ10の実装を容易にする。めっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
セラミック素体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とする。セラミック素体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とする。セラミック素体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、たとえば、長さ方向zのL寸法が1.0mm以下、幅方向yのW寸法が0.5mm以下、積層方向xのT寸法が0.5以下である。
2.積層セラミック電子部品の製造方法
次に、以上の構成からなる積層セラミック電子部品の製造方法の一実施の形態について、図1に示す積層セラミックコンデンサ10を例にして説明する。
まず、セラミック層14を形成するためのセラミックグリーンシート、および、内部電極層16を形成するための内部電極用導電性ペースト、および、外部電極24の下地電極層26を形成するための外部電極用導電性ペーストが準備される。なお、セラミックグリーンシートおよび内部電極用導電性ペーストおよび外部電極用導電性ペーストには、有機バインダおよび有機溶媒が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶媒を用いることができる。
そして、セラミックグリーンシート上に、例えば、所定のパターンで内部電極用導電性ペーストを印刷し、セラミックグリーンシートには、内部電極パターンが形成される。なお、内部電極用導電性ペーストは、スクリーン印刷法やグラビア印刷法などの公知の方法により印刷することができる。
次に、内部電極パターンが形成されていない外層用セラミックグリーンシートが所定枚数積層され、その上に、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートが順次積層され、その上に、外層用セラミックグリーンシートが所定枚数積層され、マザー積層体が作製される。必要に応じて、このマザー積層体は、静水圧プレスなどの手段により積層方向xに圧着させてもよい。
その後、マザー積層体が所定の形状寸法に切断され、生の積層体チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより、生の積層体チップの稜部や角部に丸みをつける。続いて、切り出された生の積層体チップが焼成され、セラミック素体12が作成される。なお、生の積層体チップの焼成温度は、セラミックの材料や内部電極用導電性ペーストの材料に依存するが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
次に、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bが、セラミック素体12の第1の端面12eおよび第2の端面12fに形成される。すなわち、先ず、焼成後のセラミック素体12の第1の端面12eおよび第2の端面12fに、下地電極層用ペーストが塗布されて焼付けられ、第1の外部電極24aの第1の下地電極層26aおよび第2の外部電極24bの第2の下地電極層26bが形成される。焼付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
続いて、下地電極層26が形成されたセラミック素体12は、球状のメディアと共に撹拌機に投入され、回転バレル研磨が行われる。回転バレル研磨によって、第1の端面12e側の4つの角部の第1の下地電極層26aの表層並びに第2の端面12f側の4つの角部の第2の下地電極層26bの表層のそれぞれの導電性樹脂層28が除去される。さらに、回転バレル研磨の時間を長くすると、導電性樹脂層28の表層に露出している下地電極層26の焼結金属が引き伸ばされて、焼結金属40の露出量が拡がり、ガラス42の露出長さが小さくなる。つまり、ガラス42の露出最大長さや露出率が減少する。
続いて、導電性樹脂層28が形成される。第1の下地電極層26aを覆うように、金属粉および熱硬化性樹脂を含む樹脂外部電極用導電性ペーストが塗布され、第1の導電性樹脂層28aが形成される。同様に、第2の下地電極層26bを覆うように、金属粉および熱硬化性樹脂を含む樹脂外部電極用導電性ペーストが塗布され、第2の導電性樹脂層28bが形成される。
導電性樹脂層28の形成は、180℃以上230℃以下の温度、10min以上60min以下の時間で樹脂外部電極用導電性ペーストを熱処理して、熱硬化性樹脂を熱硬化させることで行われる。熱処理の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、熱硬化性樹脂の飛散を防ぎ、かつ、金属粉の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
続いて、金属めっき層30が、第1の端面12e側および第2端面12f側の導電性樹脂層28上を覆うように形成される。
上述のようにして、積層セラミックコンデンサ10が製造される。
3.実験例
(1)ガラス露出最大長さとクラック発生率との関係
(a)サンプル作成
上述の製造方法により積層セラミックコンデンサを作製した。比較例1および実施例1ないし実施例5の積層セラミックコンデンサは、下地電極層が形成されたセラミック素体と球状のメディアとを一緒に回転攪拌機に投入して、回転バレル研磨のバレル時間を調整して、下地電極層のガラス露出最大長さを変化させて作製した。なお、バレル時間を長くすると、ガラス露出最大長さは小さくなる。
(b)積層セラミックコンデンサの仕様
積層セラミックコンデンサの仕様は以下のとおりである。
・サイズL×W×T(設計値):1.0mm×0.5mm×0.5mm
・セラミック材料:BaTiO3
・静電容量:0.1μF
・定格電圧:50V
・内部電極:Ni
・外部電極の構造
下地電極層
下地電極層の材料:焼結金属(Cu)
下地電極層の厚み:12μm(端面中央部の最も厚い部分)、3μm(端面縁部の最も薄い部分)
導電性樹脂層
金属粉(導電性フィラー):Ag
熱硬化性樹脂:エポキシ系
導電性樹脂層の厚み:21μm(端面中央部の最も厚い部分)、1μm(端面縁部の最も薄い部分)
Niめっき層:厚みは3.0μm
Snめっき層:厚みは3.0μm
(c)たわみ試験方法
得られた積層セラミックコンデンサのたわみ試験を行った。厚さ1.6mmのJEITA基板(ガラスエポキシ基板)に半田を用いて、積層セラミックコンデンサのサンプルを実装した。実装されていない基板面から押し治具にて基板を曲げ、機械的ストレスをかけた。この時、保持時間を5秒とし、曲げ量は8mmとした。基板曲げ後、基板から積層セラミックコンデンサのサンプルを外し、基板面に対して垂直方向に積層セラミックコンデンサの(1/2)Wの位置まで断面(LT断面)研磨を行った。そして、LT断面から下地電極層のガラス露出最大長さを測定した。続けて、LT断面からセラミック素体のクラックを観察し、クラックの生じたサンプルの割合を計算した。クラック発生率が20%以下を合格とした。
図6は、下地電極層のガラス露出最大長さを測定するためのLT断面写真である。測定範囲は、第1の主面12a上に位置する下地電極層26の先端Pから、第2の端面12f側の稜線部において、第1の主面12aに対して45°傾斜した接線Lが接する下地電極層上の接点Sまでの領域Aである。なお、このLT断面写真の外部電極は、下地電極層のみであるけれども、実際は下地電極層の上に導電性樹脂層と金属めっき層とが配置された構造となる。
下地電極層のガラス露出最大長さと積層セラミックコンデンサのクラック発生率と関係の結果を表1に示す。また、表1から、ガラス露出最大長さとクラック発生率との関係をグラフ化したものを図7に示す。
表1に示すように、実施例1ないし実施例5では、ガラス露出最大長さが3.8μm以下であるため、たわみ試験後のセラミック素体のクラックの発生率が低く、良好な結果が得られた。
一方、比較例1では、ガラス露出最大長さが3.8μmを超えているため、たわみ試験後のセラミック素体に多くのクラックが発生していることが分かった。
(2)ガラス露出率とクラック発生率との関係
(a)サンプル作成
上述の製造方法により積層セラミックコンデンサを作製した。比較例2および実施例6〜10の積層セラミックコンデンサは、下地電極層が形成されたセラミック素体と球状のメディアとを一緒に回転攪拌機に投入して、回転バレル研磨のバレル時間を調整して、下地電極層のガラス露出率を変化させて作製した。なお、バレル時間を長くすると、ガラス露出率は小さくなる。
(b)積層セラミックコンデンサの仕様
積層セラミックコンデンサの仕様は前出のとおりであり、その詳細な説明は省略する。
(c)たわみ試験方法
得られた積層セラミックコンデンサのたわみ試験を行った。厚さ1.6mmのJEITA基板(ガラスエポキシ基板)に半田を用いて、積層セラミックコンデンサのサンプルを実装した。実装されていない基板面から押し治具にて基板を曲げ、機械的ストレスをかけた。この時、保持時間を5秒とし、曲げ量は8mmとした。基板曲げ後、基板から積層セラミックコンデンサのサンプルを外し、基板面に対して垂直方向に積層セラミックコンデンサの(1/2)Wの位置まで断面(LT断面)研磨を行った。そして、LT断面から下地電極層のガラス露出率を測定した。続けて、LT断面からセラミック素体のクラックを観察し、クラックの生じたサンプルの割合を計算した。クラック発生率が20%以下を合格とした。
図8は、下地電極層のガラス露出率を測定するためのLT断面写真である。測定範囲は、第1の主面12a上に位置する下地電極層26の先端Pから、第2の端面12f側の稜線部において、第1の主面12aに対して45°傾斜した接線Lが接する下地電極層上の接点Sまでの領域Aである。なお、このLT断面写真の外部電極は、下地電極層のみであるけれども、実際は下地電極層の上に導電性樹脂層と金属めっき層とが配置された構造となる。
下地電極層のガラス露出率と積層セラミックコンデンサのクラック発生率と関係の結果を表2に示す。また、表2から、ガラス露出率とクラック発生率との関係をグラフ化したものを図9に示す。
表1に示すように、実施例6ないし実施例10では、ガラス露出率が10.1%以下であるため、たわみ試験後のセラミック素体のクラックの発生率が低く、良好な結果が得られた。
一方、比較例2では、ガラス露出率が10.1%を超えているため、たわみ試験後のセラミック素体に多くのクラックが発生していることが分かった。
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
すなわち、上述の実施の形態および実施例では、セラミック素体の材料として誘電体セラミックを用いたが、この発明では、積層セラミック電子部品の種類によっては、セラミック素体の材料として、フェライトなどの磁性体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミック、PZT系セラミックなどの圧電体セラミックを用いることもできる。
積層セラミック電子部品は、セラミック素体として、磁性体セラミックを用いた場合は積層セラミックインダクタとして機能し、半導体セラミックを用いた場合は積層セラミックサーミスタとして機能し、圧電体セラミックを用いた場合は積層セラミック圧電部品として機能する。ただし、積層セラミック電子部品を積層セラミックインダクタとして機能させる場合には、内部電極層はコイル状の導体となる。
上述の実施の形態および実施例では、特定の構成を有する積層セラミックコンデンサを例にして説明したが、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの構成は、特許請求の範囲によって規定される構成の範囲内で任意に変更されてもよい。
この発明にかかる積層セラミック電子部品は、特にたとえば、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックサーミスタ、積層セラミック圧電部品などとして好適に用いられる。
10 積層セラミックコンデンサ
12 セラミック素体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 セラミック層
15a 外層部
15b 内層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26 下地電極層
26a 第1の下地電極層
26b 第2の下地電極層
28 導電性樹脂層
28a 第1の導電性樹脂層
28b 第2の導電性樹脂層
30 金属めっき層
30a 第1の金属めっき層
30b 第2の金属めっき層
32 Niめっき層
32a 第1のNiめっき層
32b 第2のNiめっき層
34 Snめっき層
34a 第1のSnめっき層
34b 第2のSnめっき層
40 焼結金属
42 ガラス
44 樹脂
46 金属粉(導電性フィラー)
48 反応層
a,b ガラスの露出長さ
P1,P2,P 下地電極層の先端
L1,L2,L 接線
S1,S2,S 接点
A1,A2,A 領域

Claims (5)

  1. 第1および第2の内部電極を含み、相対する第1の主面および第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ方向に直交する方向に相対する第1の側面および第2の側面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ方向並びに前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ方向に直交する方向に相対する第1の端面および第2の端面とを有するセラミック素体と、
    前記第1の内部電極に電気的に接続されるように、前記セラミック素体の前記第1の端面上に配置され、前記第1の端面から延伸して前記第1の主面、前記第2の主面、前記第1の側面および前記第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第1の外部電極と、
    前記第2の内部電極に電気的に接続されるように、前記セラミック素体の前記第2の端面上に配置され、前記第2の端面から延伸して前記第1の主面、前記第2の主面、前記第1の側面および前記第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第2の外部電極と、を有する積層セラミック電子部品であって、
    前記第1の外部電極は、前記セラミック素体上に配置された、焼結金属およびガラスを含む第1の下地電極層と、前記第1の下地電極層上に配置された、金属フィラーおよび樹脂を含む第1の導電性樹脂層とを有し、
    前記第2の外部電極は、前記セラミック素体上に配置された、焼結金属およびガラスを含む第2の下地電極層と、前記第2の下地電極層上に配置された、金属フィラーおよび樹脂を含む第2の導電性樹脂層とを有し、
    前記第1の下地電極層は、前記第1の下地電極層と前記第1の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出最大長さが3.8μm以下である第1の条件、および、前記第1の下地電極層と前記第1の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出率が10.1%以下である第2の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たし、
    前記第2の下地電極層は、前記第2の下地電極層と前記第2の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出最大長さが3.8μm以下である第3の条件、および、前記第2の下地電極層と前記第2の導電性樹脂層との界面に露出するガラス露出率が10.1%以下である第4の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たすこと、
    を特徴とする積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1の下地電極層は前記第1の条件および前記第2の条件を満たし、前記第2の下地電極層は前記第3の条件および前記第4の条件を満たすこと、を特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記第1の外部電極は、前記第1の導電性樹脂層上に第1の金属めっき層を有し、前記第2の外部電極は、前記第2の導電性樹脂層上に第2の金属めっき層を有すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ方向の長さが1.0mm以下、前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ方向の長さが0.5mm以下、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ方向の長さが0.5mm以下であること、を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記セラミック素体は、前記内部電極を構成する複数の内部電極層と複数のセラミック誘電体層とを交互に積層した積層構造を有したコンデンサを含むこと、を特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
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