JP2021125673A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】積層体に対してクラックが生ずることを抑制しうることで、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】本発明にかかる積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体層及び複数の内部電極が層積層されて形成された積層体と、内部電極と電気的に接続され、積層体の両端面に形成された一対の外部電極とを備える。積層体は、複数の内部電極層が対向する内層部と、第1及び第2の主面側に位置する主面側外層部と、第1及び第2の側面側に位置する側面側外層部と、第1及び第2の端面側に位置する端面側外層部とを有する。主面側外層部、端面側外層部及び側面側外層部を形成する誘電体層はCaZrO3を主成分とし、内層部を形成する誘電体層はBaTiO3を主成分とする。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
一般に、積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムなどの誘電体セラミックスよりなるセラミック焼結体を用いて構成され、セラミック焼結体の内部には、セラミック層を介して重なり合うように複数の内部電極が形成されている。また、セラミック焼結体の一方端面上には、内部電極に電気的に接続されるように外部電極が形成され、他方端面上には、内部電極に電気的に接続されるように外部電極が形成されている(特許文献1を参照)。
特開平8−306580号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサの構成においては、誘電体セラミックスがすべて、チタン酸バリウムで形成されている。この場合、この積層セラミックコンデンサを構成するセラミック焼結体のヤング率が小さい傾向にあるため、セラミック焼結体が脆い傾向にある。このため、以下に記載する問題が生じる場合があった。
すなわち、
(1)セラミック焼結体の加工時に作用する応力で欠けや割れが発生する課題、
(2)熱サイクルを受けて実装基板が熱膨張収縮することにより発生するたわみ応力を受けて、セラミック焼結体にクラックが生じる課題、および、
(3)チタン酸バリウムは高誘電率系セラミックスのため、電圧印加時に電歪現象によって内部電極の端部に応力がかかり、電歪クラックが生ずる課題、
である。
それゆえに、この発明の主たる目的は、積層体に対してクラックが生ずることを抑制しうることで、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、複数の積層された誘電体層を有し、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、高さ方向および長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面とを有する積層体と、複数の誘電体層上に配置され、第1の端面に露出する複数の第1の内部電極層と、複数の誘電体層上に配置され、第2の端面に露出する複数の第2の内部電極層と、第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第2の端面上に配置される第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、積層体は、複数の第1の内部電極層と複数の第2の内部電極層とが対向する内層部と、第1の主面側に位置し、第1の主面と第1の主面側の内層部の最表面と該最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、第2の主面側に位置し、第2の主面と第2の主面側の内層部の最表面と該最表面の延長上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、第1の側面側に位置し、第1の側面と第1の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、第2の側面側に位置し、第2の側面と第2の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、第1の端面側に位置し、第1の端面と第1の端面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の端面側外層部と、第2の端面側に位置し、第2の端面と第2の端面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の端面側外層部と、を有し、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部、ならびに、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部を形成する複数の誘電体層は、CaZrO3を主成分とし、内層部を形成する複数の誘電体層は、BaTiO3を主成分とする、積層セラミックコンデンサである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、積層体において、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部、ならびに、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部を形成する複数の誘電体層は、CaZrO3を主成分とし、内層部を形成する複数の誘電体層は、BaTiO3を主成分とするので、比較的ヤング率の低い内層部をヤング率の高いCaZrO3を主成分とする誘電体層で囲むことにより、積層体の製造工程中における加工時やハンドリング時の衝撃に対する耐性を向上することができ、積層体に対する欠けや割れを抑制することができる。また、比較的ヤング率の低い内層部をヤング率の高いCaZrO3を主成分とする誘電体層で囲むことにより、基板たわみ時や熱サイクルを受けて実装基板が熱膨張収縮することにより外部電極の先端にかかる応力に対する耐性を向上することができ、積層体に対するクラックの発生を抑制することができる。さらに、比較的ヤング率の低い内層部をヤング率の高いCaZrO3を主成分とする誘電体層で囲むことにより、電圧印加時の電歪現象による応力に対する耐性を向上することができ、積層体に対するクラックの発生を抑制するとこができる。
この発明によれば、積層体に対してクラックが生ずることを抑制しうることで、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供し得る。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 図1の線II−IIにおける断面図である。 図1の線II−IIにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。 図1の線IV−IVにおける断面図である。 図1の線IV−IVにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 図6の線VIII−VIIIにおける断面図である。 図6の線VIII−VIIIにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。 図6の線X−Xにおける断面図である。 図6の線X−Xにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。 (a)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が2つに分割された構造を示す図1の線III−IIIにおける断面図であり、(b)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が3つに分割された構造を示す図1の線III−IIIにおける断面図であり、(c)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が4つに分割された構造を示す図1の線III−IIIにおける断面図である。
1.積層セラミックコンデンサ
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、図1の線II−IIにおける断面図である。図3は、図1の線II−IIにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。図4は、図1の線IV−IVにおける断面図である。図5は、図1の線IV−IVにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12を含む。
積層体12は、積層された複数の誘電体層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、積層体12は、高さ方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、高さ方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、高さ方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられている。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体12は、単数もしくは複数枚の誘電体層14bとそれらの上に配置される複数枚の内部電極層16から構成される内層部18を有する。内層部18では、複数枚の内部電極層16が対向している。
積層体12は、第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと第1の主面12a側の内層部18の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層14aから形成される第1の主面側外層部20aを有する。
同様に、積層体12は、第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと第2の主面12b側の内層部18の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層14aから形成される第2の主面側外層部20bを有する。
積層体12は、第1の側面12c側に位置し、第1の側面12cと第1の側面12c側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第1の側面側外層部22aを有する。
同様に、積層体12は、第2の側面12d側に位置し、第2の側面12dと第2の側面12d側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第2の側面側外層部22bを有する。
積層体12は、第1の端面側12e側に位置し、第1の端面12eと第1の端面12e側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第1の端面側外層部24aを有する。
同様に、積層体12は、第2の端面12f側に位置し、第2の端面12fと第2の端面12f側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第2の端面側外層部24bを有する。
積層体12における内層部18を形成する複数の誘電体層14は、誘電体材料のうち、BaTiO3を主成分として含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
積層体12における第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20b、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22b、ならびに第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bを形成する複数の誘電体層14は、誘電体材料のうち、CaZrO3を主成分として含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
従って、積層体12の内層部18と同一の領域において、誘電体材料であるBaTiO3を主成分とするBaTiO3領域25aが形成される。また、積層体12における内層部18を囲むように配置される第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20b、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22b、ならびに第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bにより形成される領域において、誘電体材料であるCaZrO3を主成分とするCaZrO3領域25bが形成される。
焼成後の誘電体層14の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
積層体12は、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16a及び複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16a及び複数の第2の内部電極層16bは、積層体12の高さ方向xに沿って誘電体層14を挟んで等間隔に交互に配置されるように埋設されている。
第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bと対向する第1の対向電極部26aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し、第1の対向電極部26aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部28aとを有する。第1の引出電極部28aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第1の内部電極層16aの第1の対向電極部26aの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第1の内部電極層16aの第1の引出電極部28aの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第1の内部電極層16aの第1の対向電極部26aの幅と、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部28aの幅は、同じ幅で形成されていてもよく、どちらか一方が、幅が狭く形成されていてもよい。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部26bと、第2の内部電極層16bの一端側に位置し、第2の対向電極部26bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部28bを有する。第2の引出電極部28bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
第2の内部電極層16bの第2の対向電極部26bの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第2の内部電極層16bの第2の引出電極部28bの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第2の内部電極層16bの第2の対向電極層26bの幅と、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部28bの幅は、同じ幅で形成されていてもよく、どちらか一方が、幅が狭く形成されていてもよい。
第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag−Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
内部電極層16、すなわち第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bのそれぞれの厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
また、第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bの枚数は、合わせて15枚以上200枚以下であることが好ましい。
内部電極層16は、回路基板に実装する面に対して平行となるように設けられていてもよく、垂直となるように設けられていてもよいが、回路基板52に実装する面に対して平行となるように設けられているのがより好ましい。
積層体12の第1の端面12e側及び第2の端面12f側には、図1〜図5に示されるように、外部電極30が配置される。
外部電極30は、金属成分及びガラス成分を含む下地電極層32と、下地電極層32の表面に形成されるめっき層34とを含む。
外部電極30は、第1の外部電極30a及び第2の外部電極30bを有する。
第1の外部電極30aは、第1の内部電極層16aに接続され、第1の端面12eの表面に配置されている。また、第1の外部電極30aは、第1の端面12eから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第1の外部電極30aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部28aと電気的に接続される。
第2の外部電極30bは、第2の内部電極層16bに接続され、第2の端面12fの表面に配置されている。また、第2の外部電極30bは、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第2の外部電極30bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部28bと電気的に接続される。
めっき層34は、第1のめっき層34aと、第2のめっき層34bとを有している。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部26aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部26bとが誘電体層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極30aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極30bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
下地電極層32は、焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層等から選ばれる少なくとも1つを含む。
以下、下地電極層32を上記の焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層とした場合の各構成について説明する。
(焼付け層の場合)
焼付け層は、ガラス成分と金属成分とを含む。焼付け層のガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層の金属成分としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラス成分および金属成分を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼付けたものであり、内部電極層16および誘電体層14と同時焼成したものでもよく、内部電極層16および誘電体層14を焼成した後に焼付けてもよい。なお、焼付け層を内部電極層16および誘電体層14と同時に焼成する場合には、ガラス成分の代わりにセラミック材料を添加して焼付け層を形成することが好ましい。
第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する第1および第2の下地電極層32a、26bの高さ方向x中央部における第1および第2の焼付け層の厚みは、例えば、15μm以上160μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に下地電極層32を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する第1および第2の下地電極層32a、32bである長さ方向zの中央部における第1および第2の焼付け層の厚みは、例えば、5μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
(導電性樹脂層の場合)
導電性樹脂層は、複数層であってもよい。
導電性樹脂層は、焼付け層上に焼付け層を覆うように配置されるか、積層体12上に直接配置されてもよい。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂および金属を含む。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、例えばめっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサ10に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサ10へのクラックを防止することができる。
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、Ni、Sn、Biまたは、それらを含む合金を使用することができる。
また、金属粉の表面にAgコーティングされた金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCu、Ni、Sn、Bi又はそれらの合金粉を用いることが好ましい。導電性金属にAgの導電性金属粉を用いる理由としては、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いためである。また、上記のAgの特性は保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるためである。
さらに、導電性樹脂層に含まれる金属としては、Cu、Niに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。
なお、導電性樹脂層に含まれる金属としては、金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングした金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングされたものを使用する際には金属粉としてAg、Cu、Ni、Sn、Bi又はそれらの合金粉を用いることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属の平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、例えば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラー同士が接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性樹脂層に含まれる金属は、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性樹脂層の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は最も適切な樹脂の一つである。
導電性樹脂層に含まれる樹脂は、導電性樹脂全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としては、ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、活性エステル系、アミドイミド系など公知の種々の化合物を使用することができる。
第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する積層体12の高さ方向x中央部に位置する導電性樹脂層の厚みは、例えば、5μm以上50μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上にも導電性樹脂層を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dに位置する導電性樹脂層の長さ方向zの中央部における導電性樹脂層の厚みは、例えば、5μm以上50μm以下程度であることが好ましい。
(薄膜層の場合)
薄膜層は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
(めっき層)
続いて、下地電極層32の上に配され得るめっき層34である第1のめっき層34a及び第2のめっき層34bについて、図2及び図4を参照して説明する。
第1のめっき層34a及び第2のめっき層34bとしては、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
第1のめっき層34aは、第1の下地電極層32aを覆うように配置されている。
第2のめっき層34bは、第2の下地電極層32bを覆うように配置されている。
第1のめっき層34a及び第2のめっき層34bは、複数層により形成されていてもよい。この場合、めっき層34は、下地電極層32上に形成されるNiめっきによる下層めっき層と、下層めっき層上に形成されるSnめっきによる上層めっき層の2層構造であることが好ましい。
すなわち、第1のめっき層34aは、第1の下層めっき層と、第1の下層めっき層の表面に位置する第1の上層めっき層とを有する。
また、第2のめっき層34bは、第2の下層めっき層と、第2の下層めっき層の表面に位置する第2の上層めっき層とを有する。
Niめっきによる下層めっき層は、下地電極層32が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって侵食されることを防止するために用いられ、Snめっきによる上層めっき層は、積層セラミックコンデンサ10を実装する際の半田の濡れ性を向上させて、容易に実装することができるようにするために用いられる。
めっき層一層あたりの厚みは、2.0μm以上、15.0μm以下であることが好ましい。
なお、下地電極層32を設けずにめっき層だけで外部電極30を形成してもよい。
以下、図示はしていないが、下地電極層32を設けずにめっき層を設ける構造について説明する。
第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bのそれぞれは、下地電極層が設けられず、めっき層がセラミック素体12の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、積層セラミックコンデンサ10は、第1の内部電極層16aまたは第2の内部電極層16bに電気的に接続されるめっき層を含む構造であってもよい。このような場合、前処理として積層体12の表面に触媒を配設した後で、めっき層が形成されてもよい。
ここで、下地電極層32を設けずにめっき層だけで外部電極30を形成する場合、下地電極層32を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
めっき層は、積層体12の表面に形成される下層めっき電極と、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極とを含むことが好ましい。下層めっき電極および上層めっき電極はそれぞれ、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi又はZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
更に、下層めっき電極は、半田バリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、半田濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。
また、例えば、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき電極は必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bはそれぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。めっき層は、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
さらに、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層の単位体積あたりの金属割合は、99体積%以上であることが好ましい。
積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の高さ方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、長さ方向zのL寸法が0.2mm以上7.5mm以下、幅方向yのW寸法が0.1mm以上3.5mm以下、高さ方向xのT寸法が0.2mm以上3.5mm以下である。なお、長さ方向zのL寸法は、幅方向yのW寸法よりも必ずしも長いとは限らない。また、積層セラミックコンデンサ10の寸法は、マイクロスコープにより測定することができる。
また、図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、積層体12における内層部18を形成する複数の誘電体層14は、誘電体材料としてBaTiO3を主成分とする誘電体セラミックを用い、積層体12における第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20b、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22b、ならびに第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bを形成する複数の誘電体層14は、誘電体材料としてCaZrO3を主成分とする誘電体セラミックを用いているので、比較的ヤング率の低い内層部18をヤング率の高いCaZrO3を主成分とする誘電体層14で囲むことにより、積層体の製造工程中における加工時やハンドリング時の衝撃に対する耐性を向上することができ、積層体に対する欠けや割れを抑制することができる。
また、図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、上述した構成により、比較的ヤング率の低い内層部18をヤング率の高いCaZrO3を主成分とする誘電体層14で囲んでいることから、基板たわみ時や熱サイクルを受けて実装基板が熱膨張収縮することにより外部電極の先端にかかる応力に対する耐性を向上することができ、積層体に対するクラックの発生を抑制することができる。
さらに、図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、上述した構成により、比較的ヤング率の低い内層部18をヤング率の高いCaZrO3を主成分とする誘電体層14で囲んでいることから、電圧印加時の電歪現象による応力に対する耐性を向上することができ、積層体に対するクラックの発生を抑制することができる。
次に、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサについて説明する。図6は、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図7は、図6の線VIII−VIIIにおける断面図である。図8は、図6の線VIII−VIIIにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。図9は、図6の線X−Xにおける断面図である。図10は、図6の線X−Xにおいて、BaTiO3領域とCaZrO3領域を模式的に示す断面図である。
なお、この変形例に係る積層セラミックコンデンサ10Aは、BaTiO3領域25aの範囲が内層部18による領域よりも小さく、CaZrO3領域25bが内層部18の内側に入り込んでいることを除いて、図1を用いて説明した積層セラミックコンデンサ10と同様の構成を有する。従って、図1に示した積層セラミックコンデンサ10と同一部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8および図10に示すように、内層部18の第1の端面12e側の最表面および内層部18の第2の端面12f側の最表面から内層部18の内側に向かって、CaZrO3を主成分とする誘電体層14の領域であるCaZrO3領域が入り込んでいることが好ましい。これにより、電界が集中する第1の内部電極層16aの先端部および第2の内部電極層16bの先端部まで、高IR特性を有するCaZrO3を主成分とする誘電体層14で囲うことができるため、絶縁破壊電圧および信頼性実力(電圧印加時の漏れ電流抑制)を向上させることができる。
また、内層部18の第1の端面12e側の最表面および内層部18の第2の端面12f側の最表面から内層部18の内側に入りこんだCaZrO3を主成分とする誘電体層14の端部までの長さは、内層部18の第1の端面12eおよび第2の端面12fの端面を結ぶ長さ方向の寸法に対して、4%以上13%以下であることが好ましい。換言すると、内層部18の第1の端面12e側の最表面から内層部18の内部に入り込んだCaZrO3領域の第1の端面12e側の最表面までの長さは、内層部18の第1の端面12eおよび第2の端面12fの端面を結ぶ長さ方向の寸法に対して、4%以上13%以下であることが好ましく、内層部18の第2の端面12f側の最表面から内層部18の内部に入り込んだCaZrO3領域の第2の端面12f側の最表面までの長さは、内層部18の第1の端面12eおよび第2の端面12fの端面を結ぶ長さ方向の寸法に対して、4%以上13%以下であることが好ましい。
図8および図10に示すように、内層部18の第1の側面12c側の最表面および内層部18の第2の側面12d側の最表面から内層部18の内側に向かって、CaZrO3を主成分とする誘電体層14の領域であるCaZrO3領域が入り込んでいることが好ましい。これにより、電界が集中する第1の内部電極層16aの先端部および第2の内部電極層16bの先端部まで、高IR特性を有するCaZrO3を主成分とする誘電体層14で囲うことができるため、絶縁破壊電圧および信頼性実力(電圧印加時の漏れ電流抑制)を向上させることができる。
また、内層部18の第1の側面12c側の最表面および内層部18の第2の側面12d側の最表面から内層部18の内側に入りこんだCaZrO3を主成分とする誘電体層14の端部までの長さは、内層部18の第1の側面12cおよび第2の側面12dの端面を結ぶ長さ方向の寸法に対して、4%以上29%以下であることが好ましい。換言すると、内層部18の第1の側面12c側の最表面から内層部18の内部に入り込んだCaZrO3領域の第1の側面12c側の最表面までの長さは、内層部18の第1の側面12cおよび第2の側面12dの端面を結ぶ幅方向の寸法に対して、4%以上29%以下であることが好ましく、内層部18の第2の側面12d側の最表面から内層部18の内部に入り込んだCaZrO3領域の第2の側面12d側の最表面までの長さは、内層部18の第1の側面12cおよび第2の側面12dの端面を結ぶ長さ方向の寸法に対して、4%以上29%以下であることが好ましい。
図6に示す積層セラミックコンデンサ10Aによれば、図1に示す積層セラミックコンデンサ10と同様の効果を奏するとともに、次の効果も奏する。
図6に示す積層セラミックコンデンサ10Aは、CaZrO3領域25bが内層部18の内側に入り込んでいるので、電界が集中する第1の内部電極層16aの先端部および第2の内部電極層16bの先端部まで、高IR特性を有するCaZrO3を主成分とする誘電体層14で囲うことができるため、絶縁破壊電圧および信頼性実力(電圧印加時の漏れ電流抑制)を向上させることができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
(i)チタン酸バリウム系の誘電体ペースト、ジルコン酸カルシウム系の誘電体ペースト、および内部電極用の導電性ペーストが準備される。2種類の誘電体ペーストや内部電極用の導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
(ii)予めプログラムしておいた図1に示す積層セラミックコンデンサ10の三次元構造を、(i)で準備した各種のペーストを用いてインクジェットによって印刷される。
(iii)内部電極層16のパターンが印刷されていない外層用の誘電体シートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターンが印刷された誘電体シートを順次積層し、その上に外層用の誘電体シートを所定枚数積層し、積層シートを作製する。
(iv)積層シートを静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスし積層ブロックを作製する。
(v)積層ブロックを所定のサイズにカットし、積層チップを切り出す。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
(vi)積層チップを焼成し積層体12を作製する。焼成温度は、誘電体である誘電体層14や内部電極層16の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
(下地電極層)
(vii)積層体12の両端面12e、12fに外部電極用の導電性ペーストを塗布し、焼付け、外部電極30の下地電極層32として、焼付け層を形成する。焼付け層を形成する場合には、ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストを例えばディッピングなどの方法により、塗布し、その後、焼付け処理を行い、下地電極層32を形成する。このときの焼付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
(導電性樹脂層)
なお、下地電極層32を導電性樹脂層で形成する場合は、以下の方法で導電性樹脂層を形成することができる。なお、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよく、焼付け層を形成せずに導電性樹脂層を単体で積層体12上に直接形成してもよい。
導電性樹脂層の形成方法としては、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層上もしくは積層体12上に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、導電性樹脂層を形成する。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
(薄膜層)
また、下地電極層32を薄膜層で形成する場合は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成法により下地電極層を形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層は金属粒子が堆積された1μm以下の層とする。
(めっき電極)
さらに、下地電極層32を設けずに積層体12の内部電極層16が露出する第1、第2の引出電極部28a、28bにめっき電極を設けてもよい。その場合は、以下の方法で形成することができる。
積層体12の第1の端面12e及び第2の端面12fにめっき処理を施し、内部電極層16の露出部である第1、第2の引出電極部28a、28b上に下層めっき電極を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極を同様に形成してもよい。
(viii)上記(vii)の後、必要に応じて、下地電極層32の表面、導電性樹脂層の表面もしくは下層めっき電極の表面、上層めっき電極の表面に、めっき層34が形成される。
本実施の形態では焼付け層である下地電極層32上にNiめっき層、およびSnめっき層を形成した。Niめっき層およびSnめっき層は、たとえばバレルめっき法により、順次形成される。
上述のようにして、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサ10が製造される。
続いて、本実施の形態の積層体12の変形例について説明する。本変形例について、上記実施の形態の構成要素に相当するものについては同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
すなわち、本変形例に係る積層体12は、図11に示されるように、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bに加えて、第1の端面12eおよび第2の端面12fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層16cが設けられており、浮き内部電極層16cによって、対向電極部26cが複数に分割された構造としてもよい。例えば、図11(a)に示される2連、図11(b)に示される3連、図11(c)に示されるような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部26cを複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極層16a、16b、16c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサ10の高耐圧化を図ることができる。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10、10A 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14、14a、14b 誘電体層
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18 内層部
20a 第1の主面側外層部
20b 第2の主面側外層部
22a 第1の側面側外層部
22b 第2の側面側外層部
24a 第1の端面側外層部
24b 第2の端面側外層部
25a BaTiO3領域
25b CaZrO3領域
26a 第1の対向電極部
26b 第2の対向電極部
28a 第1の引出電極部
28b 第2の引出電極部
30 外部電極
30a 第1の外部電極
30b 第2の外部電極
32 下地電極層
32a 第1の下地電極層
32b 第2の下地電極層
34 めっき層
34a 第1のめっき層
34b 第2のめっき層
x 高さ方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (5)

  1. 複数の積層された誘電体層を有し、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記高さ方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、前記高さ方向および前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面とを有する積層体と、
    前記複数の誘電体層上に配置され、前記第1の端面に露出する複数の第1の内部電極層と、
    前記複数の誘電体層上に配置され、前記第2の端面に露出する複数の第2の内部電極層と、
    前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    を有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体は、
    前記複数の第1の内部電極層と前記複数の第2の内部電極層とが対向する内層部と、
    前記第1の主面側に位置し、前記第1の主面と前記第1の主面側の前記内層部の最表面と該最表面の延長線上との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、
    前記第2の主面側に位置し、前記第2の主面と前記第2の主面側の前記内層部の最表面と該最表面の延長上との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、
    前記第1の側面側に位置し、前記第1の側面と前記第1の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、
    前記第2の側面側に位置し、前記第2の側面と前記第2の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、
    前記第1の端面側に位置し、前記第1の端面と前記第1の端面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の端面側外層部と、
    前記第2の端面側に位置し、前記第2の端面と前記第2の端面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の端面側外層部と、
    を有し、
    前記第1の主面側外層部および前記第2の主面側外層部、前記第1の側面側外層部および前記第2の側面側外層部、ならびに、前記第1の端面側外層部および前記第2の端面側外層部を形成する複数の前記誘電体層は、CaZrO3を主成分とし、
    前記内層部を形成する複数の前記誘電体層は、BaTiO3を主成分とする、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記内層部の前記第1の端面側の最表面および前記内層部の前記第2の端面側の最表面から前記内層部の内側に向かって、CaZrO3を主成分とする誘電体層が入り込んでいる、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記内層部の前記第1の端面側の最表面および前記内層部の前記第2の端面側の最表面から、前記内層部の内側に入り込んだCaZrO3を主成分とする誘電体層の端部までの長さは、前記内層部の前記第1の端面および前記第2の端面を結ぶ長さ方向の寸法に対して、4%以上13%以下である、請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記内層部の前記第1の側面側の最表面および前記内層部の前記第2の側面側の最表面から前記内層部の内側に向かって、CaZrO3を主成分とする誘電体層が入り込んでる、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記内層部の前記第1の側面側の最表面および前記内層部の前記第2の側面側の最表面から、前記内層部の内側に入り込んだCaZrO3を主成分とする誘電体層の端部までの長さは、前記内層部の前記第1の側面および前記第2の側面を結ぶ幅方向の寸法に対して、4%以上29%以下である、請求項4に記載の積層セラミックコンデンサ。
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WO2024062753A1 (ja) * 2022-09-21 2024-03-28 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品

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