JP2021089924A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

積層セラミック電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2021089924A
JP2021089924A JP2019218455A JP2019218455A JP2021089924A JP 2021089924 A JP2021089924 A JP 2021089924A JP 2019218455 A JP2019218455 A JP 2019218455A JP 2019218455 A JP2019218455 A JP 2019218455A JP 2021089924 A JP2021089924 A JP 2021089924A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
plating layer
electrode layer
resin
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019218455A
Other languages
English (en)
Inventor
浜中 建一
Kenichi Hamanaka
建一 浜中
崇善 山本
Takayoshi Yamamoto
崇善 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2019218455A priority Critical patent/JP2021089924A/ja
Publication of JP2021089924A publication Critical patent/JP2021089924A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】リフロー時において、樹脂成分を含む外部電極に対する加熱に起因する半田爆ぜを抑制しうる積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】本発明に係る積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサ10は、積層体12と、積層体12の両端面に外部電極24とを備える。外部電極24は、下地電極層26と、下地電極層26上に配置される樹脂電極層28と、樹脂電極層28上に配置される下層めっき層30と、下層めっき層30上に配置される上層めっき層32と、を有する。下層めっき層30の一部には空孔34が形成され、上層めっき層32の一部には、空孔36が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミック電子部品に関する。
近年、積層セラミックコンデンサに代表される積層セラミック電子部品は、従来に比べて過酷な環境下で使用されるようになってきている。
たとえば、携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどのモバイル機器に用いられる積層セラミック電子部品として、たとえば、積層セラミックコンデンサは、落下などの衝撃に耐えることが求められる。具体的には、積層セラミックコンデンサは、落下などの衝撃を受けても、実装基板から脱落せず、クラックが生じないようにする必要がある。また、ECUなどの車載機器に用いられる積層セラミックコンデンサは、熱サイクルなどの衝撃に耐えることが求められる。具体的には、積層セラミックコンデンサは、熱サイクルを受けて実装基板が線膨張・収縮することにより発生するたわみ応力や外部電極にかかる引張り応力が、積層体の強度を上回ると積層体にクラックが生じさせるので、それらの応力を受けても、クラックが生じないようにする必要がある。
これを受けて、積層セラミックコンデンサの外部電極に熱硬化性導電樹脂ペーストを用いることが提案されている。たとえば、特許文献1では、従来の電極層とNiめっきとの間に、エポキシ系熱硬化性樹脂層を形成し、厳しい環境下でも積層体にクラックが入らないような対策が行われている(たわみ耐性の向上)。
このような構成においては、落下時の衝撃による応力や、熱サイクルを受けて実装基板が熱膨張収縮することにより発生するたわみ応力が発生した際、実装基板に伝わる応力(実装基板のゆがみ)を、エポキシ系熱硬化性樹脂層の先端を基点として電極層とエポキシ系熱硬化性樹脂層との間で剥離させることで応力を逃がし、積層体にクラックが生じることを抑制する設計となっている。
特開平11−162771号公報
しかしながら、一般的に、熱硬化性の樹脂を含む積層セラミックコンデンサにおいては、樹脂成分に含まれている水分や樹脂成分そのものが、積層セラミックコンデンサを実装基板にリフロー時の加熱によって気化/分解され、そこで発生したガスが外部電極中の内圧を上昇させることがある。その結果、めっき層の薄膜部が破壊され、外部電極外にガスが噴出する現象が生じることがある。また、この際、リフロー時において、積層セラミックコンデンサを実装する際に使用する溶融した半田や、溶融した外部電極のめっき層が、ガスの噴出と同時に外部電極外に噴出することがある(いわゆる半田爆ぜ)。
それゆえに、この発明の主たる目的は、リフロー時において、樹脂成分を含む外部電極に対する加熱に起因する半田爆ぜを抑制しうる積層セラミック電子部品を提供することである。
この発明にかかる積層セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層を含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、複数のセラミック層上に配置され、第1の端面に露出する第1の内部電極層と、複数のセラミック層上に配置され、第2の端面に露出する第2の内部電極層と、第1の内部電極層に接続され、第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第2の内部電極層に接続され、第2の端面上に配置される第2の外部電極と、を有する積層セラミック電子部品において、第1の外部電極および第2の外部電極は、熱硬化性樹脂および金属成分を含む樹脂電極層と、樹脂電極層上に配置される下層めっき層と、下層めっき層上に配置される上層めっき層と、を含み、下層めっき層の一部および上層めっき層の一部には、空孔が形成されている、積層セラミック電子部品である。
この発明によれば、リフロー時において、樹脂成分を含む外部電極に対する加熱に起因する半田爆ぜを抑制しうる積層セラミック電子部品を提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 (a)はこの発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線II−IIにおける断面図であり、(b)はa部拡大図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線III−IIIにおける断面図である。 (a)は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が2つに分割された構造を示す図1の線II−IIにおける断面図であり、(b)は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が3つに分割された構造を示す図1の線II−IIにおける断面図であり、(c)は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が4つに分割された構造を示す図1の線II−IIにおける断面図である。 下層めっき層に形成される空孔を示す画像である。 上層めっき層に形成される空孔を示す画像である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサの実装構造の一例を示す断面図である。
1.積層セラミック電子部品
この発明の積層セラミック電子部品の例として、積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2(a)はこの発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線II−IIにおける断面図であり、図2(b)はa部拡大図である。図3は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線III−IIIにおける断面図である。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12を含む。
積層体12は、積層された複数のセラミック層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、積層体12は、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、積層方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、積層方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
セラミック層14の枚数は、外層も含み、15枚以上2000枚以下であることが好ましい。
積層体12は、第1の主面12aと第2の主面12bとを結ぶ積層方向xにおいて、内部電極層16同士が対向する有効層部15aと、最も第1の主面12aに近い内部電極層16と第1の主面12aとの間に位置する第1の外層部15bと、最も第2の主面12bに近い内部電極層16と第2の主面12bとの間に位置する第2の外層部15cと、を有する。
第1の外層部15bは、積層体12の第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する複数枚のセラミック層14の集合体である。
第2の外層部15cは、積層体12の第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電競争16との間に位置する複数枚のセラミック層14の集合体である。
第1の外層部15bと第2の外層部15cに挟まれた領域が有効層部15aである。
積層体12の寸法は、特に限定されないが、長さ方向zの寸法は、0.15mm以上4.55mm以下、幅方向yの寸法は、0.05mm以上3.25mm以下、積層方向xの寸法は、0.05mm以上2.55mm以下であることが好ましい。
セラミック層14は、たとえば、誘電体材料により形成することができる。このような誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
なお、積層体12に、圧電体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品は、セラミック圧電素子として機能する。圧電セラミック材料の具体例としては、たとえば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミック材料などが挙げられる。
また、積層体12に、半導体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品は、サーミスタ素子として機能する。半導体セラミック材料の具体例としては、たとえば、スピネル系セラミック材料などが挙げられる。
また、積層体12に、磁性体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品は、インダクタ素子として機能する。また、インダクタ素子として機能する場合は、内部電極層16は、コイル状の導体となる。磁性体セラミック材料の具体例としては、たとえば、フェライトセラミック材料などが挙げられる。
焼成後のセラミック層14の厚みは、0.5μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
積層体12は、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、積層体12の積層方向xに沿って等間隔に交互に配置されるように埋設されている。第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bは、実装面に対して平行になるように配置されていてもよく、垂直になるように配置されていてもよい。
第1の内部電極層16aは第2の内部電極層16bと対向する第1の対向電極部18aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し第1の対向電極部18aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部20aを有する。第1の引出電極部20aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部18bと、第2の内部電極層16bの一端側に位置し、第2の対向電極部18bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部20bを有する。第2の引出電極部20bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパー状)形成されていたりしてもよい。
第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aと第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパー状)形成されていたりしてもよい。
第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aの幅と第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。同様に、第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bの幅と第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。
積層体12は、第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間および第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部(Wギャップ)22aを含む。さらに、積層体12は、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間および第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(Lギャップ)22bを含む。
内部電極層16は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag−Pd合金などの、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料を含有している。内部電極層16さらに、セラミック層14に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層16の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。また、内部電極層16の枚数は、15枚以上2000枚以下であることが好ましい。
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極24が配置される。外部電極24は、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極24aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aと電気的に接続される。なお、第1の外部電極24aは、積層体12の第1の端面12eのみに形成されていてもよい。
第2の外部電極24bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極24bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bと電気的に接続される。なお、第2の外部電極24bは、積層体12の第2の端面12fのみに形成されていてもよい。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bとがセラミック層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極24aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極24bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
なお、図4に示すように、内部電極層16として、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bに加えて、第1の端面12eおよび第2の端面12fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層16cが設けられ、浮き内部電極層16cによって、対向電極部18cが複数に分割された構造としてもよい。たとえば、図4(a)に示すような2連、図4(b)に示すような3連、図4(c)に示すような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部18cを複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極層16a、16b、16c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサの高耐圧化を図ることができる。
第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bは、金属成分のみあるいは金属成分およびガラス成分を含む下地電極層26と、下地電極層26を覆うように配置された熱硬化性樹脂および金属成分を含む樹脂電極層28と、樹脂電極層28を覆うように配置された下層めっき層30と、下層めっき層30を覆うように配置された上層めっき層32とを含む。
樹脂電極層28と積層体12との間に下地電極層26が配置されることで、内部電極層16と外部電極24との接合を樹脂電極層28だけでなく下地電極層26においても確保することができる。また、ガラス成分を含む下地電極層26を設けることにより、両端面12e,12fより露出する内部電極層16の露出部から水分が浸入することを防ぐことができ、耐湿信頼性を確保することができる。これは、下地電極層26に含まれるガラス成分が溶融して、内部電極層16の露出部を封止する作用があるためである。
なお、外部電極24において、下地電極層26は、必ずしも配置されていなくてもよい。
下地電極層26は、第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bを有する。
第1の下地電極層26aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
第2の下地電極層26bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
なお、第1の下地電極層26aは、積層体12の第1の端面12eの表面のみに配置されてもよいし、第2の下地電極層26bは、積層体12の第2の端面12fの表面にのみ配置されてもよい。
第1の端面12eに位置する第1の下地電極層26aおよび第2の端面12fに位置する第2の下地電極層26bの積層方向中央部におけるそれぞれの厚みは、15μm以上160μm以下であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層26を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bである長さ方向zの中央部におけるそれぞれの厚みは、5μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
下地電極層26は、金属成分およびガラス成分を含む。下地電極層26の金属成分としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、下地電極層26のガラスとしては、B、Si、Ba、Mg、AlおよびLi等から選ばれる少なくとも1つを含む。下地電極層26は、複数層であってもよい。下地電極層26は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼き付けたものであり、セラミック層14および内部電極層16と同時に焼成したものでもよく、セラミック層14および内部電極層16を焼成した後に焼き付けたものでもよい。なお、ガラスの代わりに誘電体材料を用いてもよく、ガラスの代わりに誘電体材料を用いる場合には、下地電極層26はセラミック層14および内部電極層16と同時に焼成することが好ましい。
樹脂電極層28は、第1の樹脂電極層28aおよび第2の樹脂電極層28bを有する。
第1の樹脂電極層28aは、第1の下地電極層26aを覆うように配置される。具体的には、第1の樹脂電極層28aは、第1の下地電極層26aの表面の第1の端面12eに配置され、第1の下地電極層26aの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第1の樹脂電極層28aは、第1の端面12eに配置される第1の下地電極層26aの表面のみに配置されてもよく、第1の端面12eに配置される第1の下地電極層26aの表面、ならびに第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dに配置される第1の下地電極層26aの表面の一部を覆うように配置されていてもよい。
第2の樹脂電極層28bは、第2の下地電極層26bを覆うように配置される。具体的には、第2の樹脂電極層28bは、第2の下地電極層26bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の下地電極層26bの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第2の樹脂電極層28bは、第2の端面12fに配置される第2の下地電極層26bの表面のみに配置されてもよく、第2の端面12fに配置される第2の下地電極層26bの表面、ならびに第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dに配置される第2の樹脂電極層28bの表面の一部を覆うように配置されていてもよい。
第1の端面12eに位置する第1の下地電極層26aおよび第2の端面12fに位置する第2の下地電極層26bの積層方向中央部におけるそれぞれの樹脂電極層28の厚みは、たとえば、5μm以上150μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層26を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bである長さ方向の中央部におけるそれぞれの樹脂電極層28の厚みは、5μm以上10μm以下程度であることが好ましい。
樹脂電極層28は、熱硬化性樹脂および金属成分を含む。
樹脂電極層28は、熱硬化性樹脂を含むため、たとえば、めっき膜や金属成分とガラス成分の焼成物からなる下地電極層26よりも柔軟性に富んでいる。このため、実装基板にたわみ応力が加わり、積層セラミックコンデンサ10に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、樹脂電極層28が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサ10へのクラックを防止することができる。
樹脂電極層28に含まれる金属成分としては、Ag、Cu、Ni、Sn、Biまたはそれらの合金を使用することができる。また、金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCu、Ni、Sn、Biまたはそれらの合金粉を用いることが好ましい。また、Cu、Niに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。
なお、樹脂電極層28に含まれる金属成分としてAgの導電性金属粉を用いることは、Agが金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いため、好ましい。なお、樹脂電極層28に含まれる金属としてAgコーティングされた金属を用いることは、上記のAgの特性を保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるため、好ましい。
また、金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングした金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングされたものを使用する際には、金属粉としてAg、Cu、Ni、Sn、Biまたはこれらの合金粉を用いることが好ましい。
樹脂電極層28に含まれる金属成分は、樹脂電極全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
樹脂電極層28に含まれる金属成分の形状は、特に限定されない。導電性フィラーは、球状、扁平状、針状等であってもよい。また、それらが混合されていてもよい。
樹脂電極層28に含まれる金属成分の平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、例えば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
樹脂電極層28に含まれる金属は、主に、樹脂電極層28の通電性を担う。具体的には、導電性フィラー同士が接触することにより、樹脂電極層28の内部に通電経路が形成される。
樹脂電極層28の樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂の一つである。
また、樹脂電極層28には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、活性エステル系、アミドイミド系など公知の種々の化合物を使用することができる。
樹脂電極層28に含まれる樹脂は、樹脂電極層全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
下層めっき層30は、第1の下層めっき層30aおよび第2の下層めっき層30bを有する。
第1の下層めっき層30aは、第1の樹脂電極層28aを覆うように配置される。具体的には、第1の下層めっき層30aは、第1の樹脂電極層28aの表面の第1の端面12eに配置され、第1の樹脂電極層28aの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第1の下層めっき層30aは、第1の端面12eに配置される第1の下地電極層26aの表面のみに配置されてもよい。
第2の下層めっき層30bは、第2の樹脂電極層28bを覆うように配置される。具体的には、第2の下層めっき層30bは、第2の樹脂電極層28bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の樹脂電極層28bの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第2の下層めっき層30bは、第2の端面12fに配置される第2の下地電極層26bの表面のみに配置されてもよい。
第1の端面12eに位置する第1の下層めっき層30aおよび第2の端面12fに位置する第2の下層めっき層30bの積層方向中央部におけるそれぞれの厚みは、たとえば、2μm以上15μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下層めっき層30aおよび第2の下層めっき層30bである長さ方向zの中央部におけるそれぞれの厚みは、2μm以上15μm以下程度であることが好ましい。
下層めっき層30としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
本実施の形態では、下層めっき層30は、Niめっき層として形成される。下層めっき層30が、Niめっき層として形成され、樹脂電極層28の表面を覆うように設けられることで、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田によって樹脂電極層28や下地電極層26が侵食されることを防止することができる。なお、下層めっき層30は、複数層により形成されていてもよい。
上層めっき層32は、第1の上層めっき層32aおよび第2の上層めっき層32bを有する。
第1の上層めっき層32aは、第1の下層めっき層30aを覆うように配置される。具体的には、第1の上層めっき層32aは、第1の下層めっき層30aの表面の第1の端面12eに配置され、第1の下層めっき層30aの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第1の上層めっき層32aは、第1の端面12eに配置される第1の下地電極層26aの表面のみに配置されてもよい。
第2の上層めっき層32bは、第2の下層めっき層30bを覆うように配置される。具体的には、第2の上層めっき層32bは、第2の下層めっき層30bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の下層めっき層30bの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第2の上層めっき層32bは、第2の端面12fに配置される第2の下地電極層26bの表面のみに配置されてもよい。
第1の端面12eに位置する第1の上層めっき層32aおよび第2の端面12fに位置する第2の上層めっき層32bの積層方向中央部におけるそれぞれの厚みは、たとえば、2μm以上15μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の上層めっき層32aおよび第2の上層めっき層32bである長さ方向zの中央部におけるそれぞれの厚みは、2μm以上15μm以下程度であることが好ましい。
上層めっき層32としては、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
本実施の形態では、上層めっき層32は、Snめっき層として形成される。上層めっき層32が、Snめっき層として形成され、下層めっき層30の表面を覆うように設けられることで、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。なお、なお、上層めっき層32は、複数層により形成されていてもよい。
なお、本実施の形態にかかる外部電極24では、めっき層として、下層めっき層30および上層めっき層32が2層に形成されているが、これに限るものではなく、下層めっき層30のみが形成されていてもよく、上層めっき層32のみが形成されていてもよい。
図5に示すように、下層めっき層30の一部には空孔34が形成され、図6に示すように、上層めっき層32の一部には空孔36が形成されている。
下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36の位置は、同じ位置に形成されていることが好ましい。しかしながら、下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36の位置は、部分的に異なる位置に形成されていてもよい。図2(b)には、下層めっき層30の一部に形成される空孔34の位置と、上層めっき層32の一部に形成される空孔36の位置とが同じ位置の場合と異なる位置に形成される場合とが混在している。
下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36の直径の最大部は、0.5μm以上であることが好ましい。これにより、脂層電極層28中に存在する樹脂成分や、樹脂に含まれている水分が積層セラミックコンデンサ10を実装基板にリフロー実装する際に気化/分解され、ガスが発生したとしても、ガスが空孔34および空孔36から外部電極24から外に順次放出されやすくなるため、本発明の効果をより顕著なものにすることが可能となる。
なお、本実施の形態にかかる下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36の直径の最大部とは、たとえば、それぞれの空孔の形状が楕円のような形状の場合は、もっとも長い部分(長軸)の長さをいう。
下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36は、第1の端面12eまたは第2の端面12fの面積に対して、0.1%以上30%以下の面積を有することが好ましい。これにより、リフローの加熱時に、気化したガスが順次放出され、外部電極24内の圧力上昇が起こりにくくなり、ガスが高圧で外部電極24から外に噴出されることを抑制することができる。下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36が、第1の端面12eまたは第2の端面12fに対して0.1%よりも少ない場合は、リフロー加熱時に樹脂電極層28で発生するガスを放出しきれず、はんだ爆ぜを抑制する効果が十分に得られない。一方、下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36が、第1の端面12eまたは第2の端面12fに対して30%よりも多い場合は、リフロー時に濡れ上がる半田の量が少なくなるため、積層セラミックコンデンサ10の実装基板に対する固着力が不十分となり、積層セラミックコンデンサ10が実装基板から外れるなどの不具合の発生が懸念される。
上層めっき層32の一部に形成される空孔36の直径は、10μm以上であることが好ましい。これにより、図7に示すように、仮にリフロー時において、積層セラミックコンデンサ10を、ランド電極40の表面に配置された実装基板42に実装する際に使用する溶融した半田50が外部電極24に濡れ上がったとしても、空孔36を避けるように半田50が外部電極24の表面に対して濡れ上がるようになるため、仮に多少のガスの噴出が生じたとしても、空孔36上には半田成分が存在しないため、外部電極24の表面から外に半田50が飛散することが抑制することが可能となる。
また、下層めっき層30の一部に形成される空孔34および上層めっき層32の一部に形成される空孔36は、第1の端面12eまたは第2の端面12fの面積に対して、10%以上30%以下の面積を有することがより好ましい。これにより、半田で被覆される電極面積が減少するため、半田が噴出する確率を低減する効果を得ることができる。
積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、長さ方向zのL寸法が0.20mm以上4.60mm以下、幅方向yのW寸法が0.10mm以上3.30mm以下、積層方向xのT寸法が0.10mm以上2.6mm以下であることが好ましい。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、下層めっき層30の一部に空孔34が存在し、そして上層めっき層32の一部に空孔36が存在することで、樹脂電極層28中に存在する樹脂成分や、樹脂に含まれている水分が積層セラミックコンデンサ10を実装基板にリフロー実装する際に、気化/分解され、ガスが発生したとしても、ガスが空孔34および空孔36から外部電極24から外へ順次放出される。
従って、外部電極24の内部の圧力の上昇が起こりにくくなり、ガスが高圧で外部電極24から外に噴出されることを抑制することができる。その結果、リフロー時において、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に使用する溶融した半田や、溶融した積層セラミックコンデンサ10のめっきが、外部電極24から外に噴出されることも抑制することができる。
また、上層めっき層32に空孔36が存在することで、仮に、リフロー時において、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に使用する溶融した半田が外部電極24の表面に濡れ上がったとしても、空孔36を避けるように半田が外部電極24の表面を濡れ上がるようになるため、仮に、多少のガスの噴出が生じたとしても、空孔36上に半田成分が存在しないため、外部電極24から外に半田が噴出することを抑制することが可能となる。また、半田自体の濡れ上がり量が抑制され、半田で被覆される電極面積が減少するため、半田が噴出する確率が低減する効果もある。
以上のことから、本発明にかかる積層セラミックコンデンサ10では、半田爆ぜを抑制することができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、積層セラミック電子部品である積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
まず、セラミック粉末を含むセラミックペーストを、たとえば、スクリーン印刷法などによりシート状に塗布し、乾燥させることにより、セラミックグリーンシートが作製される。
次に、内部電極形成用の導電ペーストが準備され、セラミックグリーンシートの上に、内部電極形成用の導電ペーストを、たとえば、スクリーン印刷法やグラビア印刷などにより所定のパターンに塗布し、内部電極形成用導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、内部電極形成用導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとが用意される。
なお、セラミックペーストや、内部電極形成用の導電ペーストには、たとえば、公知の有機バインダや溶媒が含まれていてもよい。
続いて、内部電極形成用導電パターンが形成されていない外層用のセラミックグリーンシートが所定枚数積層され、その上に、内部電極形成用導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートが順次積層され、さらに、内部電極形成用導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層することにより、マザー積層体が作製される。この時、内部電極形成用導電パターンが印刷されているセラミックグリーンシートは、内部電極形成用導電パターンの引き出し部が互い違いになるように複数枚積層されて、積層シートが作製される。
この積層シートは、静水圧プレスなどの手段により積層方向に圧着させて、積層ブロックが作製される。
その後、積層ブロックが所定の形状寸法に切断され、生の積層体チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
続いて、切り出された生の積層体チップが焼成され、積層体の内部に第1の内部電極層および第2の内部電極層が配され、第1の内部電極層が第1の端面に引き出され、第2の内部電極層が第2の端面に引き出された積層体が生成される。なお、生の積層体チップの焼成温度は、セラミックの材料や内部電極形成用導電ペーストの材料に依存するが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
次に、下地電極層26が形成される。まず、焼成後の積層体チップの両端面に外部電極用導電性ペーストを塗布し、焼き付け、第1の外部電極24aの第1の下地電極層26aおよび第2の外部電極24bの第2の下地電極層26bとして焼き付け層が形成される。焼き付け層を形成する場合には、ガラス成分と金属成分とを含む導電性ペーストを、たとえば、ディッピングなどの方法により、塗布し、その後、焼き付け処理を行い、下地電極層26として焼き付け層を形成する。焼き付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
続いて、下地電極層26を覆うように熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、樹脂電極層28が形成される。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
その後、樹脂電極層28の表面に、下層めっき層30が形成され、下層めっき層30の表面に上層めっき層32が形成されることによって、外部電極24が形成される。図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、樹脂電極層28上に形成される下層めっき層30として、Niめっき層が形成され、上層めっき層32としてSnめっき層が形成される。下層めっき層30および上層めっき層32の形成方法としては、電解めっき法、もしくは無電解めっき法などによって形成される。電解めっき法により下層めっき層30に空孔34を形成する、および上層めっき層32に空孔36を形成するには、電解めっき法でのめっき時の温度、電流値、時間、樹脂電極層28の表面処理を好適化することによって、空孔34,36を形成することができる。また、無電解めっき法により下層めっき層30に空孔34を形成する、および上層めっき層32に空孔36を形成するには、無電解めっき法でのめっき時の温度、電流値、時間、樹脂電極層28の表面処理を好適化して調整することによって、空孔34,36を形成することができる。
上述のようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 セラミック層
15a 有効層部
15b 第1の外層部
15c 第2の外層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
16c 浮き内部電極層
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
18c 対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26 下地電極層
26a 第1の下地電極層
26b 第2の下地電極層
28 樹脂電極層
28a 第1の樹脂電極層
28b 第2の樹脂電極層
30 下層めっき層
30a 第1の下層めっき層
30b 第2の下層めっき層
32 上層めっき層
32a 第1の上層めっき層
32b 第2の上層めっき層
34 下層めっき層に形成される空孔
36 上層めっき層に形成される空孔
40 ランド電極
42 実装基板
50 半田
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (7)

  1. 積層された複数のセラミック層を含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、
    前記複数のセラミック層上に配置され、前記第1の端面に露出する第1の内部電極層と、
    前記複数のセラミック層上に配置され、前記第2の端面に露出する第2の内部電極層と、
    前記第1の内部電極層に接続され、前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の内部電極層に接続され、前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    を有する積層セラミック電子部品において、
    前記第1の外部電極および前記第2の外部電極は、熱硬化性樹脂および金属成分を含む樹脂電極層と、前記樹脂電極層上に配置される下層めっき層と、前記下層めっき層上に配置される上層めっき層と、を含み、
    前記下層めっき層の一部および前記上層めっき層の一部には、空孔が形成されている、積層セラミック電子部品。
  2. 前記下層めっき層の一部および前記上層めっき層の一部に形成される空孔の直径の最大部の長さは、0.5μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記下層めっき層の一部および前記上層めっき層の一部に形成される空孔は、前記第1の端面または前記第2の端面の面積に対して、0.1%以上30%以下の面積を有する、請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記下層めっき層の一部に形成される空孔の直径は、10μm以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記下層めっき層の一部に形成される空孔は、前記第1の端面または前記第2の端面の面積に対して、10%以上30%以下の面積を有する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  6. 前記上層めっき層はNiめっき層であり、前記下層めっき層はSnめっき層である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  7. 前記樹脂電極層と前記積層体との間には、金属成分とガラス成分とを含む下地電極層が配置される、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
JP2019218455A 2019-12-03 2019-12-03 積層セラミック電子部品 Pending JP2021089924A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019218455A JP2021089924A (ja) 2019-12-03 2019-12-03 積層セラミック電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019218455A JP2021089924A (ja) 2019-12-03 2019-12-03 積層セラミック電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021089924A true JP2021089924A (ja) 2021-06-10

Family

ID=76220697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019218455A Pending JP2021089924A (ja) 2019-12-03 2019-12-03 積層セラミック電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021089924A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022264634A1 (ja) * 2021-06-15 2022-12-22 株式会社村田製作所 電子部品
WO2022264635A1 (ja) * 2021-06-15 2022-12-22 株式会社村田製作所 電子部品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022264634A1 (ja) * 2021-06-15 2022-12-22 株式会社村田製作所 電子部品
WO2022264635A1 (ja) * 2021-06-15 2022-12-22 株式会社村田製作所 電子部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102242091B1 (ko) 적층 세라믹 콘덴서
US10475584B2 (en) Electronic component mount structure, electronic component, and method for manufacturing electronic component
US10510486B2 (en) Multilayer ceramic electronic component
JP6780673B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその実装構造
US8988850B1 (en) Ceramic electronic component
US11120943B2 (en) Method for manufacturing ceramic electronic component
US9406443B2 (en) Ceramic electronic component
US9202640B2 (en) Ceramic electronic component and manufacturing method thereof
US11062848B2 (en) Multilayer ceramic electronic component
US8988855B2 (en) Method of manufacturing ceramic electronic component including heating an electrode layer to form a conductive layer including an alloy particle
US11335501B2 (en) Multilayer ceramic electronic component and method for producing the same
JP2021034440A (ja) 積層セラミック電子部品
JP6841267B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの実装構造
JP2020202220A (ja) 積層セラミック電子部品
KR20150132972A (ko) 적층 세라믹 전자부품 및 그 실장 기판
JP2021002604A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2021089924A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2021034458A (ja) 積層セラミック電子部品
JP5724262B2 (ja) 電子部品
JP2021068843A (ja) 積層セミック電子部品
JP7040534B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ、積層セラミックコンデンサの実装構造体および電子部品連
JP2021125673A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2021052129A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2020174073A (ja) 積層セラミックコンデンサ
WO2024018718A1 (ja) 積層セラミック電子部品および積層セラミック電子部品の実装構造