JP2021002604A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

積層セラミック電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2021002604A
JP2021002604A JP2019116044A JP2019116044A JP2021002604A JP 2021002604 A JP2021002604 A JP 2021002604A JP 2019116044 A JP2019116044 A JP 2019116044A JP 2019116044 A JP2019116044 A JP 2019116044A JP 2021002604 A JP2021002604 A JP 2021002604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main surface
outer layer
layer portion
surface side
dielectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019116044A
Other languages
English (en)
Inventor
航 大澤
Wataru Oosawa
航 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2019116044A priority Critical patent/JP2021002604A/ja
Priority to US16/897,324 priority patent/US11183334B2/en
Publication of JP2021002604A publication Critical patent/JP2021002604A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/008Selection of materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/224Housing; Encapsulation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/228Terminals
    • H01G4/232Terminals electrically connecting two or more layers of a stacked or rolled capacitor
    • H01G4/2325Terminals electrically connecting two or more layers of a stacked or rolled capacitor characterised by the material of the terminals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/228Terminals
    • H01G4/248Terminals the terminals embracing or surrounding the capacitive element, e.g. caps
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/012Form of non-self-supporting electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material
    • H01G4/1218Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material
    • H01G4/1218Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates
    • H01G4/1227Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates based on alkaline earth titanates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/228Terminals
    • H01G4/232Terminals electrically connecting two or more layers of a stacked or rolled capacitor

Abstract

【課題】水分の侵入などによる積層セラミック電子部品の耐湿信頼性を確保と、積層セラミック電子部品への耐クラック性能を両立しうる、積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】直方体状の積層体を含む積層セラミックコンデンサ10であって、複数の内部電極層16a、16bが対向する内層部15aと、第1の主面12a側に位置する第1の主面側外層部15bと、第2の主面12b側に位置する第2の主面側外層部15cとを含む。第1の主面側外層部において、内層部側に位置する誘電体層の粒径及び第1の主面と両端面12e、12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒径は、第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、第2の主面側外層部においても同様の粒径構成を有する。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミック電子部品に関する。
近年、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品は、小型化および大容量化が図られていることで、内部電極から構成される有効層の割合が大きくなってきている。また、このような背景がある中で、積層セラミック電子部品は従来に比べてより過酷な環境下(例えば、高い湿度環境)で使用されるようになってきている。このような環境下で積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を使用する場合、外部電極とセラミック素体との界面から水分が侵入しやすくなり耐湿信頼性の劣化に繋がることが懸念される。また、内部電極から構成される有効層の割合が大きくなることで、セラミック層から成る外層厚が薄くなってしまい、外部電極のめっきを形成する際などにめっき液などの水分が外部電極とセラミック素体との界面から浸入してしまった場合に、外層厚が薄い分、内層部にまで水分が到達しやすくなるという可能性が考えられる。その結果、積層セラミック電子部品の耐湿信頼性がより劣化しやすくなるということが懸念される。
そんな中、例えば、特許文献1には、積層セラミックキャパシタにおいて、誘電体層および内部電極を含むアクティブ部をカバーする、アクティブ部保護カバーおよび外部カバーを有するカバー部の開示がある。さらに、特許文献1では、外部カバーに含まれたグレインの平均粒子径は、アクティブ部保護カバーに含まれたグレインの平均粒子径より大きいという記載がある。
この構造の場合、特許文献1の効果には記載されていないが、外部カバーに含まれたグレインの平均粒子径を、アクティブ部保護カバーに含まれたグレインの平均粒子径よりも大きくすることで、グレインの粒界を減らすことが可能となり、セラミック素体と外部電極との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極とセラミック層との界面から水分が侵入することが抑制できることが考えられる。
特開2015−226053号公報
しかしながら、例えば、車載市場などで必要とされる電子機器などに用いられる積層セラミック電子部品においては、より高容量品が求められ、積層セラミック電子部品のサイズが大型化する。積層セラミック電子部品のサイズが大型化することで、積層セラミック電子部品自体の自重が増加し、外部電極のコーナー部においてハンドリング時などの衝撃がより大きく加わることとなり、積層セラミック電子部品のコーナー部における耐衝撃性が弱くなる傾向にある。そのため、例えば、特許文献1のような構造で積層セラミック電子部品のサイズが大型化した場合、セラミック素体と外部電極との密着力が向上し、外部電極とセラミック層との界面から水分が侵入することを抑制することができたとしても、積層セラミック電子部品のコーナー部において、加工プロセスの衝撃などによりクラックが発生することが考えられる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、水分の侵入などによる積層セラミック電子部品の耐湿信頼性を確保と、積層セラミック電子部品への耐クラック性能を両立しうる、積層セラミック電子部品を提供することである。
この発明にかかる積層セラミック電子部品は、複数の積層された誘電体層と、誘電体層上に積層された複数の内部電極層とを有し、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、積層方向および長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面を有する積層体と、第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第2の端面上に配置される第2の外部電極と、積層体は、複数の内部電極層が対向する内層部と、第1の主面側に位置し、第1の主面と第1の主面側の内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、第2の主面側に位置し、第2の主面と第2の主面側の内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、第1の側面側に位置し、第1の側面と第1の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、第2の側面側に位置し、第2の側面と第2の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、を有する積層セラミック電子部品であって、第1の主面側外層部は、第1の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さく、第2の主面側外層部は、第2の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径が、第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、第2の主面側外層部の積層体の第2の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒径が、第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さい、積層セラミック電子部品である。
第1の主面側外層部は、第1の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さい。
第2の主面側外層部は、第2の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径が、第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、第2の主面側外層部の積層体の第2の主面と第1および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒径が、第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さい。
この発明にかかる積層セラミック電子部品では、第1の主面側外層部では、第1の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さくされているので、第1の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層における粒界が多くなる。一般的に塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。そのことから粒径が小さく、粒界が多くなるとクラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することができる。
また、言い換えると、この発明にかかる積層セラミック電子部品は、第1の主面側外層部では、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径が第1の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径よりも大きくされているので、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体と外部電極との密着力が向上する効果を得られることが考えられる結果、外部電極と積層体との界面から水分が侵入することが抑制することができる。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品は、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さくされているので、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒界が多くなり、稜線部においても塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなるために、自重が増し、コーナー部への衝撃が大きくなる大型化サイズの積層セラミック電子部品であっても、稜線部側に沿って位置する誘電体層においてクラックの進展に対する強度が強くなるため、積層セラミック電子部品のコーナー部における耐衝撃性を向上させることができる。
この発明の積層セラミック電子部品によれば、水分の侵入などによる積層セラミック電子部品の耐湿信頼性を確保と、積層セラミック電子部品への耐クラック性能を両立しうる、積層セラミック電子部品を提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線II−IIにおける断面図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線III−IIIにおける断面図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線IV−IVにおける断面図である。 第1の主面側外層部の第2の誘電体層、第1の主面、および内部電極層を構成する金属で囲まれる領域内にも、第1の誘電体層が形成されていることを示す図1の線I−Iにおける断面図である。 第1の側面側外層部の第2の誘電体層、第1の側面、および内部電極層を構成する金属で囲まれる領域内にも、第1の誘電体層が形成されていることを示す図1の線II−IIにおける断面図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線II−IIにおける断面拡大写真である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線III−IIIにおける断面拡大写真である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線IV−IVにおける断面拡大写真である。 (a)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が2つに分割された構造を示す図1の線II−IIにおける断面図であり、(b)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が3つに分割された構造を示す図1の線II−IIにおける断面図であり、(c)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が4つに分割された構造を示す図1の線II−IIにおける断面図である。 コーナー部の耐衝撃性試験(クラック確認試験)の試験状態を示す説明図であり、(a)は、一方の積層セラミックコンデンサを固定し、他方の積層セラミックコンデンサを押し当てる前の状態を示し、(b)は、一方の積層セラミックコンデンサに、他方の積層セラミックコンデンサを押し当てた状態を示す。
この発明の積層セラミック電子部品に含まれる積層セラミックコンデンサ10について説明する。図1は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサ10の一例を示す外観斜視図である。図2は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサ10を示す図1の線II−IIにおける断面図であり、図3は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサ10を示す図1の線III−IIIにおける断面図であり、図4は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサ10を示す図1の線IV−IVにおける断面図である。
図1ないし図4に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12と、積層体12の両端部に配置される外部電極24とを含む。
(積層体)
積層体12は、図1に示すように、x方向が積層方向であり、y方向が幅方向であり、z方向が長さ方向である。積層体12は、図2ないし図4に示すように、積層された複数の誘電体層14と積層された複数の内部電極層16を含み、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fと、を含む。
積層体12は、直方体形状を有しており、積層体12は角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。角部は、積層体12の3面が交る部分であり、稜線部は、積層体12の2面が交る部分である。また、主面(12a、12b)、側面(12c、12d)、端面(12e、12f)の一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体12は、図2ないし図4に示すように、積層方向xに複数の内部電極層16が対向し、内部電極層16の間には、誘電体層14が形成されている内層部15aと、第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと第1の主面12a側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の主面側外層部15bと、第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと第2の主面12b側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の主面側外層部15cと、第1の側面12c側に位置し、第1の側面12cと第1の側面12c側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の側面側外層部15dと、第2の側面12d側に位置し、第2の側面12dと第2の側面12d側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の主側面側外層部15eと、を有する。
積層体12は、図2ないし図4に示すように、第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと第1の主面12a側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の主面側外層部15bを有する。
第1の主面側外層部15bは、図2、および図4に示すように、第1の誘電体領域14a、および第1の誘電体領域14aよりも粒径が小さい第2の誘電体領域14bから構成される。
第1の主面側外層部15bでは、図2に示すように、第1の誘電体領域14aは、LT面の形状が略台形形状であり、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置し、第2の誘電体領域14bは、LT面の形状が略釣り針形状であり、第1の主面側外層部15bの内層部15a側、かつ、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置する。そのため、第2の誘電体領域14bが位置する第1の主面側外層部15bの内層部15a側、そして、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側の粒界は、第1の誘電体領域14aが位置する第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側の粒界よりも多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態では、第1の主面側外層部15bでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、第2の誘電体領域14bは、第1の主面側外層部15bの内層部15a側だけではなく、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側にも位置し、また、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなるので、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でも塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなる。ここで、積層セラミックコンデンサ10は、大型になると自重が大きくなり、稜線部に大きな衝撃が加わるので稜線部の耐衝撃性は低下する。しかし、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、第2の誘電体領域14bが第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置するので、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でクラックの進展に対する強度が強くなる。このため、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、小型の場合はもちろん、大型になっても、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部の耐衝撃性を向上させることができる。
第1の主面側外層部15bでは、第1の誘電体領域14aの粒径は、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、第2の誘電体領域14bの粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。これにより、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも大きくされる。そのため、第1の主面側外層部15bでは、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、第1の主面側外層部15bでは、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することが抑制することが可能となる。
また、第1の主面側外層部15bでは、第2の誘電体領域14bの粒径が、第1の誘電体領域14aの粒径よりも小さくされているので、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなる。第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなると、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であっても、第1の主面側外層部15bでは、クラックの進展を抑制することが可能となる。
第1の主面側外層部15bにおける内層部15a側に位置する第2の誘電体領域14bの領域の厚みd1は、第1の主面側外層部15bの積層方向xの高さD1の40%以上60%以下の範囲内で配置されていることが好ましい。言い換えると、第1の主面側外層部15bにおける誘電体層14の粒径の大小の境界となる位置となる。これにより、上記に記載した外部電極24と積層体12との密着力を向上させ外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制しつつ、クラックの進展を防ぐ効果の両立を十分に果たすことが可能となる。
積層体12の第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域は、長さ方向zにおいては、第1の主面12a上に配置されている下地電極層26の長さ方向zの長さの1/2の位置までに留まっていることが好ましく、積層体12の第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、第1の主面側外層部15bの積層方向xの高さの30%以上で配置されていることが好ましい。これにより、積層セラミック電子部品10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
なお、積層体12の第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、積層体12の第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12a上に沿った仮想線l1と第1の端面12e上に沿った仮想線l2および積層体12の第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12a上に沿った仮想線l1と第2の端面12f上に沿った仮想線l3とが交差するそれぞれの角の頂点から第1の端面12eとなす角θ1が45°となる直線上に位置する厚みdaおよび第2の端面12fとなす角θ2が45°となる直線上に位置する厚みdbである。
積層体12は、図2ないし図4に示すように、第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと第2の主面12b側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の主面側外層部15cを有する。
第2の主面側外層部15cは、図2ないし図4に示すように、第1の誘電体領域14a、および第1の誘電体領域14aよりも粒径が小さい第2の誘電体領域14bから構成される。
第2の主面側外層部15cでは、図2に示すように、第1の誘電体領域14aは、LT面の形状が略台形形状であり、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置し、第2の誘電体領域14bは、LT面の形状が略釣り針形状であり、第2の主面側外層部15cの内層部15a側、かつ、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置する。そのため、第2の誘電体領域14bが位置する第2の主面側外層部15cの内層部15a側、そして、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側の粒界は、第1の誘電体領域14aが位置する第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側の粒界よりも多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態では、第2の主面側外層部15cでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、第2の誘電体領域14bは、第2の主面側外層部15cの内層部15a側だけではなく、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側にも位置し、また、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなるので、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でも塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなる。ここで、積層セラミックコンデンサ10は、大型になると自重が大きくなり、稜線部に大きな衝撃が加わるので稜線部の耐衝撃性は低下する。しかし、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、第2の誘電体領域14bが第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置するので、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でクラックの進展に対する強度が強くなる。このため、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、小型の場合はもちろん、大型になっても、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部の耐衝撃性を向上させることができる。
第2の主面側外層部15cでは、第1の誘電体領域14aの粒径は、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、第2の誘電体領域14bの粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。これにより、第2の主面側外層部15cでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも大きくされる。そのため、第2の主面側外層部15cでは、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することが抑制することが可能となる。
また、第2の主面側外層部15cでは、第2の誘電体領域14bの粒径が、第1の誘電体領域14aの粒径よりも小さくされているので、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなる。第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなると、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であっても、第2の主面側外層部15cでは、クラックの進展を抑制することが可能となる。
第2の主面側外層部15cにおける内層部15a側に位置する第2の誘電体領域14bの領域の厚みd2は、第1の主面側外層部15bの積層方向xの高さD2の40%以上60%以下の範囲内で配置されていることが好ましい。(言い換えると、第1の主面側外層部15bにおける誘電体層14の粒径の大小の境界となる位置となる。)これにより、上記に記載した外部電極24と積層体12との密着力を向上させ外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制しつつ、クラックの進展を防ぐ効果の両立を十分に果たすことが可能となる。
積層体12の第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域は、長さ方向zにおいては、第2の主面12b上に配置されている下地電極層26の長さ方向zの長さの1/2の位置までに留まっていることが好ましく、積層体12の第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、第2の主面側外層部15cの積層方向xの高さの30%以上で配置されていることが好ましい。これにより、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
なお、積層体12の第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、積層体12の第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12b上に沿った仮想線l4と第1の端面12e上に沿った仮想線l2および積層体12の第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12b上に沿った仮想線l4と第2の端面12f上に沿った仮想線l3とが交差するそれぞれの角の頂点から第1の端面12eとなす角θ3が45°となる直線上に位置する厚みdcおよび第2の端面12fとなす角θ4が45°となる直線上に位置する厚みddである。
積層体12は、図2ないし図4に示すように、第1の側面12c側に位置し、第1の側面12cと第1の側面12c側の内層部15aの最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の側面側外層部15dを有している。
第1の側面側外層部15dは、図2ないし図4に示すように、第1の誘電体領域14a、および第1の誘電体領域14aよりも粒径が小さい第2の誘電体領域14bから構成される。
第1の側面側外層部15dでは、図3に示すように、第1の誘電体領域14aは、LW面の形状が略台形形状であり、第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側に位置し、第2の誘電体領域14bは、LW面の形状が略釣り針形状であり、第1の側面側外層部15dの内層部15a側、かつ、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置する。そのため、第2の誘電体領域14bが位置する第1の側面側外層部15dの内層部15a側、そして、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側の粒界は、第1の誘電体領域14aが位置する第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側の粒界よりも多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態では、第1の側面側外層部15dでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、第2の誘電体領域14bは、第1の側面側外層部15dの内層部15a側だけではなく、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側にも位置し、また、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなるので、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でも塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなる。ここで、積層セラミックコンデンサ10は、大型になると自重が大きくなり、稜線部に大きな衝撃が加わるので稜線部の耐衝撃性は低下する。しかし、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、第2の誘電体領域14bが第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置するので、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でクラックの進展に対する強度が強くなる。このため、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、小型の場合はもちろん、大型になっても、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部の耐衝撃性を向上させることができる。
第1の側面側外層部15dでは、第1の誘電体領域14aの粒径は、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、第2の誘電体領域14bの粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。これにより、第1の側面側外層部15dでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも大きくされる。そのため、第1の側面側外層部15dでは、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することが抑制することが可能となる。
また、第1の側面側外層部15dでは、第2の誘電体領域14bの粒径が、第1の誘電体領域14aの粒径よりも小さくされているので、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなる。第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなると、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であっても、第1の側面側外層部15dでは、クラックの進展を抑制することが可能となる。
第1の側面側外層部15dにおける内層部15a側に位置する第2の誘電体領域14bの領域の厚みd3は、第1の主面側外層部15bの幅方向yの幅D3の40%以上60%以下の範囲内で配置されていることが好ましい。言い換えると、第1の側面側外層部15dにおける誘電体層14の粒径の大小の境界となる位置となる。これにより、上記に記載した外部電極24と積層体12との密着力を向上させ外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制しつつ、クラックの進展を防ぐ効果の両立を十分に果たすことが可能となる。
積層体12の第1の側面側外層部15dの積層体12の第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域は、長さ方向zにおいては、第1の側面12c上に配置されている下地電極層26の長さ方向zの長さの1/2の位置までに留まっていることが好ましく、積層体12の第1の側面側外層部15dの積層体12の第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、第1の側面側外層部15dの幅方向yの幅の30%以上で配置されていることが好ましい。これにより、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
なお、積層体12の第1の側面側外層部15dの積層体12の第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、積層体12の第1の側面側外層部15dの積層体12の第1の側面12c上に沿った仮想線l5と第1の端面12e上に沿った仮想線l2および積層体12の第1の側面側外層部15dの積層体12の第1の側面12c上に沿った仮想線l5と第2の端面12f上に沿った仮想線l3とが交差するそれぞれの角の頂点から第1の端面12eとなす角θ5が45°となる直線上に位置する厚みdeおよび第2の端面12fとなす角θ6が45°となる直線上に位置する厚みdfである。
積層体12は、図2ないし図4に示すように、第2の側面12d側に位置し、第2の側面12dと第1の側面12c側の内層部15aの最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の側面側外層部15eを有している。
第2の側面側外層部15eは、図2ないし図4に示すように、第1の誘電体領域14a、および第1の誘電体領域14aよりも粒径が小さい第2の誘電体領域14bから構成される。
第2の側面側外層部15eでは、図3に示すように、第1の誘電体領域14aは、LW面の形状が略台形形状であり、第2の側面側外層部15eの第2の側面12d側に位置し、第2の誘電体領域14bは、LW面の形状が略釣り針形状であり、第2の側面側外層部15eの内層部15a側、および第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置する。そのため、第2の誘電体領域14bが位置する第2の側面側外層部15eの内層部15a側、かつ、第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側の粒界は、第1の誘電体領域14aが位置する第2の側面側外層部15eの第2の側面12d側の粒界よりも多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態では、第2の側面側外層部15eでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、第2の誘電体領域14bは、第2の側面側外層部15eの内層部15a側だけではなく、第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側にも位置し、また、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなるので、第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でも塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなる。ここで、積層セラミックコンデンサ10は、大型になると自重が大きくなり、稜線部に大きな衝撃が加わるので稜線部の耐衝撃性は低下する。しかし、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、第2の誘電体領域14bが第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置するので、第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部でクラックの進展に対する強度が強くなる。このため、本発明の積層セラミックコンデンサ10は、小型の場合はもちろん、大型になっても、第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部の耐衝撃性を向上させることができる。
第2の側面側外層部15eでは、第1の誘電体領域14aの粒径は、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、第2の誘電体領域14bの粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。これにより、第2の側面側外層部15eでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも大きくされる。そのため、第2の側面側外層部15eでは、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することが抑制することが可能となる。
また、第2の側面側外層部15eでは、第2の誘電体領域14bの粒径が、第1の誘電体領域14aの粒径よりも小さくされているので、第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなる。第2の誘電体領域14bの粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなると、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であっても、第2の側面側外層部15eでは、クラックの進展を抑制することが可能となる。
第2の側面側外層部15eにおける内層部15a側に位置する第2の誘電体領域14bの領域の厚みd4は、第2の側面側外層部15eの幅方向yの幅D4の40%以上60%以下の範囲内で配置されていることが好ましい。言い換えると、第2の側面側外層部15eにおける誘電体層14の粒径の大小の境界となる位置となる。これにより、上記に記載した外部電極24と積層体12との密着力を向上させ外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制しつつ、クラックの進展を防ぐ効果の両立を十分に果たすことが可能となる。
積層体12の第2の側面側外層部15eの積層体12の第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域は、長さ方向zにおいては、第2の側面12d上に配置されている下地電極層26の長さ方向zの長さの1/2の位置までに留まっていることが好ましく、積層体12の第2の側面側外層部15eの積層体12の第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、第2の側面側外層部15eの幅方向yの幅の30%以上で配置されていることが好ましい。これにより、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
なお、積層体12の第2の側面側外層部15eの積層体12の第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面fとが交差する稜線部側に沿って位置する第2の誘電体領域14bの領域の積層体12の稜線部側に沿った厚みは、積層体12の第2の側面側外層部15eの積層体12の第2の側面12d上に沿った仮想線l6と第1の端面12e上に沿った仮想線l2および積層体12の第2の側面側外層部15eの積層体12の第2の側面12d上に沿った仮想線l6と第2の端面12f上に沿った仮想線l3とが交差するそれぞれの角の頂点から第1の端面12eとなす角θ7が45°となる直線上に位置する厚みdgおよび第2の端面12fとなす角θ8が45°となる直線上に位置する厚みdhである。
第1の主面側外層部15bには、内部電極層16を構成する金属が拡散しており、第1の主面側外層部15bの内層部15a側に位置する誘電体層14(第2の誘電体領域14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14(第2の誘電体領域14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少ない。ここで、内部電極層16を構成する金属が、第1の主面側外層部15bの誘電体層14に拡散することにより、誘電体層14の粒成長を抑制する効果を得ることができる。よって、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置する誘電体の粒径は大きく、第1の主面側外層部15bの内層部15a側に位置する誘電体の粒径は小さくなる。そのため、第2の誘電体領域14bの粒界が多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態において、第1の主面側外層部15bでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
さらに、第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒径においても同様であり、拡散量の違いにより第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒径が、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置する誘電体層14の粒径よりも小さくされている。そのため、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなり、稜線部においても塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなる。よって、自重が増し、コーナー部への衝撃が大きくなる大型化サイズの積層セラミックコンデンサ10であっても、稜線部側に沿って位置する誘電体層14においてクラックの進展に対する強度が強くなるため、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
第2の主面側外層部15cには、内部電極層16を構成する金属が拡散しており、第2の主面側外層部15cの内層部15a側に位置する誘電体層14(第2の誘電体層14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14(第2の誘電体領域14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少ない。ここで、内部電極層16を構成する金属が、第2の主面側外層部15cの誘電体層14に拡散することにより、誘電体層14の粒成長を抑制する効果を得ることができる。よって、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置する誘電体の粒径は大きく、第2の主面側外層部15cの内層部15a側に位置する誘電体の粒径は小さくなる。そのため、第2の誘電体領域14bの粒界が多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態において、第2の主面側外層部15cでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
さらに、第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の隆起においても同様であり、拡散量の違いにより第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒径が、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置する誘電体層14の粒径よりも小さくされている。そのため、第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒界は、第1の誘電体領域14aの粒界よりも多くなり、稜線部においても塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなる。よって、自重が増し、コーナー部への衝撃が大きくなる大型化サイズの積層セラミックコンデンサ10であっても、稜線部側に沿って位置する誘電体層14においてクラックの進展に対する強度が強くなるため、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
また、第2の主面側外層部15cを設けることにより、第2の主面12bを実装面側に向けて実装することが可能となり、積層セラミックコンデンサ10をテーピングする際や実装基板に実装する際に積層セラミックコンデンサ10の方向選別が不要とすることができる。
第1の側面側外層部15dには、内部電極層16を構成する金属が拡散しており、第1の側面側外層部15dの内層部15a側に位置する誘電体層14(第2の誘電体領域14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、第1の側面側外層部15dの積層体12の第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14(第2の誘電体領域14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少ない。ここで、内部電極層16を構成する金属が、第1の側面側外層部15dの誘電体層14に拡散することにより、誘電体層14の粒成長を抑制する効果を得ることができる。よって、第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側に位置する誘電体の粒径は大きく、第1の側面側外層部15dの内層部15a側に位置する誘電体の粒径は小さくなる。そのため、第1の側面側外層部15dの内層部15a側に位置する第2の誘電体領域14bの粒界が多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態において、第1の側面側外層部15dでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
また、第1の側面側外層部15dを設けることにより、第1の側面12cを実装面側に向けて実装することが可能となり、積層セラミックコンデンサ10をテーピングする際や実装基板に実装する際に積層セラミックコンデンサ10の方向選別が不要とすることができる。
第2の側面側外層部15eには、内部電極層16を構成する金属が拡散しており、第2の側面側外層部15eの内層部15a側に位置する誘電体層14(第2の誘電体領域14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第2の側面側外層部15eの第2の側面12d側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、第2の側面側外層部15eの積層体12の第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14(第2の誘電体領域14b)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量は、第2の側面側外層部15eの第2の側面12d側に位置する誘電体層14(第1の誘電体領域14a)に拡散する内部電極層16を構成する金属の拡散量よりも少ない。ここで、内部電極層16を構成する金属が、第2の側面側外層部15eの誘電体層14に拡散することにより、誘電体層14の粒成長を抑制する効果を得ることができる。よって、第2の側面側外層部15eの第2の側面12d側に位置する誘電体の粒径は大きく、第2の側面側外層部15eの内層部15a側に位置する第2の誘電体領域14bの粒径は小さくなる。そのため、第2の側面側外層部15eの内層部15a側に位置する第2の誘電体領域14bの粒界が多くなる。一般的に、塑性変形を担う転移は粒界を通り越えて移動できない為、粒界は転移の障害となり塑性変形からなるクラックの進展が抑制される。よって、粒径が小さく粒界が多くなると、クラックの進展に対する強度が強くなるため、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となる。
また、言い換えると、本実施の形態において、第2の側面側外層部15eでは、第1の誘電体領域14aの粒径が第2の誘電体領域14bの粒径よりも、大きくされている。そのため、グレインの粒界を減らすことが可能となり、積層体12と外部電極24との密着力が向上する効果を得られることが考えられる。その結果、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となる。
内層部15aは、図2ないし図4に示すように、積層方向xに複数の内部電極層16が対向し、内部電極層16の間には、第3の誘電体領域14cが形成されている。第3の誘電体領域14cは、第1の誘電体領域14a、あるいは第2の誘電体層14bのうちのいずれか1つと同じであってもよく、第1の誘電体領域14a、あるいは第2の誘電体領域14bのいずれとも異なっていてもよい。
なお、図5に示すように、第1の主面側外層部15bの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる領域内や第1の主面側外層部15bの第2の誘電体領域14b、第2の端面12f、および内層部15aで囲まれる領域内にも、第1の誘電体領域14aが形成されることがある。しかし、このような場合でも、第1の誘電体領域14aは、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第1の主面側外層部15bの内層部15a側、かつ、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
また、図5に示すように、第2の主面側外層部15cの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる領域内や第2の主面側外層部15cの第2の誘電体領域14b、第2の端面12f、および内層部15aで囲まれる領域内にも、第1の誘電体領域14aが形成されることがある。しかし、このような場合でも、第1の誘電体領域14aは、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第2の主面側外層部15cの内層部15a側、かつ、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
さらに、図6に示すように、第1の側面側外層部15dの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる領域内や第1の側面側外層部15dの第2の誘電体領域14b、第2の端面12f、および内層部15aで囲まれる領域内にも、第1の誘電体領域14aが形成されることがある。しかし、このような場合でも、第1の誘電体領域14aは、第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第1の側面側外層部15dの内層部15a側、かつ、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
またさらに、図6に示すように、第2の側面側外層部15eの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる領域内や第2の側面側外層部15eの第2の誘電体領域14b、第2の端面12f、および内層部15aで囲まれる領域内にも、第1の誘電体領域14aが形成されることがある。しかし、このような場合でも、第1の誘電体領域14aは、第2の側面側外層部15eの第2の側面12d側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第1の側面側外層部15dの内層部15a側、かつ、第1の側面側外層部15dの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
図7は、積層体12の第1の主面側外層部15b、および内層部15aのLT断面における一部拡大断面写真である。図7を見ると、第1の主面側外層部15bの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる範囲内にも、第1の誘電体領域14aが形成されているが、第1の誘電体領域14aは、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第1の主面側外層部15bの内層部15a側、かつ、第1の主面側外層部15bの第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。ここで、図7に示す内部電極層16の第1の引出電極部20aの幅は絞られている。
第2の主面側外層部15cにも、図7に示す内容と同様に、たとえ、第2の主面側外層部15cの第2の誘電体領域14b、第1の端面面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる範囲内にも、第1の誘電体領域14aが形成されたとしても、第1の誘電体領域14aは、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第2の主面側外層部15cの内層部15a側、かつ、第2の主面側外層部15cの第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
図8は、積層体12の第1の側面側外層部15d、および内層部15aのLW断面における一部拡大断面写真である。図8を見ると、第1の誘電体領域14aは、第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第1の側面側外層部15dの内層部15a側、かつ、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。また、図8には、第1の側面側外層部15dの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる範囲内には、第1の誘電体領域14aは形成されてはいないが、たとえ、第1の側面側外層部15dの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる範囲内において、第1の誘電体領域14aが形成されていたとしても、第1の誘電体領域14aは、第1の側面側外層部15dの第1の側面12c側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第1の側面側外層部15dの内層部15a側、かつ、第1の側面側外層部15dの第1の側面12cと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。ここで、図8に示す内部電極層16の第1の引出電極部20aの幅は絞られている。
第2の側面側外層部15eにも、図8に示す内容と同様に、たとえ、第2の側面側外層部15eの第2の誘電体領域14b、第1の端面12e、および内部電極層16を構成する金属で囲まれる範囲内にも、第1の誘電体領域14aが形成されたとしても、第1の誘電体領域14aは、第2の側面側外層部15eの第2の側面12d側に位置し、第2の誘電体領域14bは、第2の側面側外層部15eの内層部15a側、かつ、第2の側面側外層部15eの第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に位置しているので、仮に積層体12にクラックが入ってしまった場合であってもクラックの進展を抑制することが可能となり、また、外部電極24と積層体12との界面から水分が侵入することを抑制することが可能となり、さらに、積層セラミックコンデンサ10のコーナー部における耐衝撃性を向上させることが可能となる。
図9は、積層体12の第1の主面側外層部15b、第2の主面側外層部15c、第1の側面側外層部15d、第2の側面側外層部15e、および内層部15aのWT断面における一部拡大断面写真である。図9を見ると、WT断面では、第1の主面側外層部15b、第2の主面側外層部15c、第1の側面側外層部15d、および第2の側面側外層部15eでは、第2の誘電体層14bは、内層部15a側に位置していることが分かる。
誘電体層14の枚数は、特に限定されないが、外層を含めて、10枚以上1000枚以下であることが好ましい。
セラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加したものを用いてもよい。
そのほか、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミック、フェライトなどの磁性体セラミックを用いることもできる。また、圧電体セラミックを用いた場合は圧電部品として機能し、半導体セラミックを用いた場合はサーミスタとして機能し、磁性体セラミックを用いた場合はインダクタとして機能する。ただし、インダクタの場合には内部電極層16はコイル状の導体となる。
誘電体層14の厚みは、特に限定されないが0.7μm以上30.0μm以下であることが好ましい。
誘電体層14は、図2ないし図4に示すように、複数の誘電体層14からなる第1の主面側外層部15b、第2の主面側外層部15c、第1の側面側外層部15d、および第2の側面側外層部15eを含むとともに、複数の誘電体層14と複数の内部電極層16とからなる内層部15bを含む。第1の主面側外層部15b、および第2の主面側外層部15cは、積層体12の両主面側に位置し、主面と最も主面に近い内部電極層16との間には誘電体層14が位置する。第1の側面側外層部15c、および第2の側面側外層部15dは、積層体12の両側面側に位置し、側面と最も側面に近い内部電極層16との間には誘電体層14が位置する。第1の主面側外層部15b、第2の主面側外層部15c、第1の側面側外層部15c、および第2の側面側外層部15dに挟まれた領域が内層部15aである。
第1の主面側外層部15b、第2の主面側外層部15c、第1の側面側外層部15c、および第2の側面側外層部15dのそれぞれの厚みは、50μm以上400μm以下であることが好ましい。
積層体の寸法は、特に限定されないが長さ方向zの寸法が0.2mm以上7mm以下、幅方向yの寸法が0.1mm以上6mm以下、積層方向xの寸法が0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。
(内部電極層)
積層された複数の内部電極層16は、図2、および図4に示すように、複数の第1の内部電極層16a、および複数の第2の内部電極層16bを有する。
第1の内部電極層16aは、図2、および図4に示すように、第2の内部電極層16bと対向する第1の対向電極部18aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し、第1の対向電極部18aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部20aを有する。第1の引出電極部20aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層16bは、図2、および図4に示すように、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部18bと、第2の内部電極層16bの一端側に位置し、第2の対向電極部18bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部20bを有する。第2の引出電極部20bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
第1の内部電極層16aの一方の対向電極部18aと第1の内部電極層16bの他方の対向電極部18bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパー状)形成されていたりしてもよい。
第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aと第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパー状)形成されていたりしてもよい。第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aの幅と第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。同様に、第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bの幅と第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。
なお、セラミック電子部品がコンデンサである場合には、図10に示すように、内部電極層16として、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bに加えて、第1の端面12eおよび第2の端面12fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層16cが設けられ、浮き内部電極層16cによって、対向電極部18が複数に分割された構造としてもよい。たとえば、図10(a)に示すような2連、図10(b)に示すような3連、図10(c)に示すような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部18を複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極層16a、16b、16c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサの高耐圧化を図ることができる。
第1の内部電極層16a、および第2の内部電極層16bは、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の一種を含む、たとえば、Ag−Pd合金などの、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bとが誘電体層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極24aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極24bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bのそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下程度であることが好ましい。
内部電極層16の枚数は、特に限定されないが5枚以上500枚以下であることが好ましい。
(外部電極層)
外部電極24は、図2に示すように、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、図1に示すように、第1の端面12e上に位置している。
第2の外部電極24bは、図1に示すように、第2の端面12f上に位置している。
なお、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bは、第1の主面12a上の一部および第2の主面12b上の一部、第1の側面12c上の一部および第2の側面12d上の一部にまで延びて配置されていることが好ましい。少なくとも実装面側に位置する第2の主面12a上の一部および第2の主面12b上の一部にまで延びて形成されていることが好ましい。
第1の外部電極24aは、図2に示すように、第1の引出電極部20aと接続されることによって、第1の内部電極層16aに接続されている。
第2の外部電極24bは、図2に示すように、第2の引出電極部20bと接続されることによって、第2の内部電極層16bに接続されている。
第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bは、図2に示すように、下地電極層26とめっき層28を有していることが好ましい。
第1の外部電極24aは、図2に示すように、積層体12側から順に、第1の下地電極層26aと第1の下地電極層26aの表面に配置された第1のめっき層28aとを有する。同様に、第2の外部電極24bは、積層体12側から順に、第2の下地電極層26bと第2の下地電極層26bの表面に配置された第2のめっき層28bとを有する。
第1の下地電極層26aは、図2に示すように、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
第2の下地電極層26bは、図2に示すように、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
なお、第1の下地電極層26aは、積層体12の第1の端面12eの表面のみに配置されてもよいし、第2の下地電極層26bは、積層体12の第2の端面12fの表面にのみ配置されてもよい。
第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26b(以下、単に下地電極層26ともいう)は、それぞれ、焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含む。
まず、下地電極層26が、焼付け層で形成された第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bについて説明する。
焼付け層は複数枚あってもよい。
焼付け層は、ガラスと金属とを含む。焼付け層の金属としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、焼付け層のガラスとしては、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼き付けたものであり、誘電体層14および内部電極層16と同時に焼成したものでもよく、誘電体層14および内部電極層16を焼成した後に焼き付けたものでもよい。
第1の端面12eに位置する第1の下地電極層26aおよび第2の端面12fに位置する第2の下地電極層26bの高さ方向中央部におけるそれぞれの焼付け層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層26を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bである長さ方向の中央部におけるそれぞれの焼付け層の厚みは、5μm以上50μm以下程度であることが好ましい。
樹脂層は、導電性粒子と熱硬化性樹脂を含む樹脂層を含んでもよい。樹脂層を形成する場合は、焼付け電極層を形成せずに積層体12上に直接形成してもよい。
次に、下地電極層26が、導電性樹脂層で形成された第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bについて説明する。
導電性樹脂層は複数枚あってもよい。
導電性樹脂層は、焼付け層の表面に焼付け層を覆うように配置されるか、積層体12の表面に直接配置されてもよい。
第1の端面12eに位置する第1の下地電極層26aおよび第2の端面12fに位置する第2の下地電極層26bの高さ方向中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、たとえば、10μm以上200μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層26を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bである長さ方向の中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、5μm以上50μm以下程度であることが好ましい。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂および金属を含む。導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、たとえば、めっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサに物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサへのクラックを防止することができる。
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、またはそれらの合金を使用することができる。また、金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCuやNiを用いることが好ましい。また、Cuに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。特に、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgの導電性金属粉を用いることは、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いため、好ましい。なお、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgコーティングされた金属を用いることは、上記のAgの特性を保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるため、好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の形状は、特に限定されない。導電性フィラーは、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、たとえば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラーどうしが接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性樹脂層の樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂の一つである。
導電性樹脂層に含まれる樹脂は、導電性樹脂全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール樹脂、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系など公知の種々の化合物を使用することができる。
また、下地電極層26が薄膜層の場合、薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
めっき層28は、第1のめっき層28a、および第2のめっき層28bを有する。
第1のめっき層28aは、第1の下地電極層26aを覆うように配置される。具体的には、第1のめっき層28aは、第1の下地電極層26aの表面の第1の端面12eに配置され、第1の下地電極層26aの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第1のめっき層28aは、第1の端面12eに配置される第1の下地電極層26aの表面のみに配置されてもよい。
第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bを覆うように配置される。具体的には、第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の下地電極層26bの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第2のめっき層28bは、第2の端面12fに配置される第2の下地電極層26bの表面のみに配置されてもよい。
また、第1のめっき層28aおよび第2のめっき層28b(以下、単にめっき層28ともいう)としては、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
めっき層28は、複数層によって形成されてもよい。この場合、めっき層28は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造であることが好ましい。Niめっき層が、下地電極層26の表面を覆うように設けられることで、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田によって下地電極層26が侵食されることを防止することができる。また、Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
めっき層一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。
なお、下地電極層26を設けずに、めっき層28だけで外部電極24を形成してもよい。以下、下地電極層26を設けずに、めっき層28を設ける構造について説明する。
第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bのそれぞれは、下地電極層26が設けられず、めっき層28が積層体12の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、積層セラミックコンデンサ10は、第1の内部電極層16aまたは第2の内部電極層16bに電気的に接続されるめっき層28を含む構造であってもよい。このような場合、前処理として積層体12の表面に触媒を配設した後で、めっき層28が形成されてもよい。
めっき層は、積層体12の表面に形成される下層めっき電極と、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極とを含むことが好ましい。
下層めっき電極および上層めっき電極はそれぞれ、たとえば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、BiまたはZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
下層めっき電極は、はんだバリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、はんだ濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。また、たとえば、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき電極は、必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bはそれぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。
めっき層28は、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
下地電極層を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層28の単位体積あたりの金属割合は、99vol%以上が好ましい。
積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、長さ方向zのL寸法が0.2mm以上7mm以下、積層方向xのT寸法が0.1mm以上6mm以下、幅方向yのW寸法が0.1mm以上3mm以下、であることが好ましい。
(積層セラミックコンデンサの製造方法)
次に、本発明にかかる積層セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。本実施例においては、本発明にかかる積層セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。
まず、誘電体シート、内部電極用の導電性ペーストを準備する。誘電体シートや内部電極用の導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
ここで、第1の主面側外層部15bおよび第2の主面側外層部15cや第1の側面側外層部15dおよび第2の側面側外層部15eの内層部15a側に位置する誘電体層14の粒径を小さくしたい場合(粒成長を抑えたい場合)、第1の主面側外層部15bおよび第2の主面側外層部15cや第1の側面側外層部15dおよび第2の側面側外層部15eの該当する箇所において、誘電体シートに希土類金属が多く含まれるようなシートを用いる。誘電体層14に含まれるMg、Dy等の希土類金属には粒成長を抑える働きがある為、粒成長を抑制させたい箇所の周囲には希土類金属が多く配置されるように誘電体シートを設計する。希土類金属の含有量は、粒径を小さくしない部分を形成する誘電体シートに含まれる希土類金属の含有量の2倍程度とすることが好ましい。なお、内部電極層16に含まれる金属をNiとすることで、より粒成長を抑制することが可能となり、第1の主面側外層部15bおよび第2の主面側外層部15eや第1の側面側外層部15cおよび第2の側面側外層部15dの内層部15a側に位置する誘電体層14の粒径を小さくしやすい。
また、第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒径および第2の主面側外層部15dの積層体12の第2の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒径を、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置する誘電体層14の粒径もしくは第2の主面側外層部15cの第2の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さくする場合にも同様に、該当箇所にあたる誘電体シートに誘電体層14に含まれるMg,Dy等の希土類金属の含有率が高い誘電体シートを用いる。第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿う部分および第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿う部分(コーナー部)を形成する誘電体シートに含まれる希土類金属の含有量は、粒径を小さくしない部分を形成する誘電体シートに含まれる希土類金属の含有量の2倍程度とすることが好ましい。なお、内部電極層に含まれる金属をNiとすることで、より粒成長を抑制することが可能となり、第1の主面側外層部15cの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿う部分および第2の主面側外層部15dの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿う部分(コーナー部)に位置する誘電体層14の粒径を小さくしやすい。
次に、誘電体シート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで内部電極用の導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。
続いて、内部電極パターンが印刷されていない外層用の誘電体シートが所定枚数積層され、その上に、内部電極パターンが印刷された誘電体シートが順次積層され、さらに、内部電極パターンが印刷されていない外層用の誘電体シートが所定枚数積層され、積層シートが作製される。
そして、積層シートは、静水圧プレスなどの手段により積層方向に圧着され、積層ブロックが作製される。
その後、積層ブロックは、所定の形状寸法に切断され、生の積層体チップが切り出される。このとき、生の積層体チップに対してバレル研磨などを施し、積層体12の角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
さらにその後に、積層チップを焼成し積層体12を作製する。焼成温度は、誘電体層14や内部電極層16の材料にもよるが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
最後に、積層体12の両端面に下地電極となる導電性ペーストを塗布し、下地電極層26を形成する。本発明での実施例では、下地電極層26として、焼付け層を形成した。焼付け層を形成する場合には、ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストを例えばディッピングなどの方法により、塗布し、その後、焼き付け処理を行い、下地電極層26を形成する。この時の焼き付け処理の温度は、700℃以上900℃であることが好ましい。
なお、下地電極層26を導電性樹脂層で形成する場合は、以下の方法で導電性樹脂層を形成することができる。なお、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよく、焼付け層を形成せずに導電性樹脂層を単体で積層体12上に直接形成してもよい。導電性樹脂層の形成方法としては、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層上もしくは積層体12上に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、導電性樹脂層を形成する。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
また、下地電極層26を薄膜層で形成する場合は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により下地電極層26を形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層26は金属粒子が堆積された1μm以下の層とする。
さらに、下地電極層26を設けずに積層体12の内部電極層16の露出部にめっき層28を設けてもよい。その場合は、以下の方法で形成することができる。
積層体12の第1の端面12e及び第2の端面12fにめっき処理を施し、内部電極層16の露出部上に下地めっき膜を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極を同様に形成してもよい。
その後、下地電極層16の表面、導電性樹脂層の表面もしくは下地めっき層の表面、上層めっき層の表面に、めっき層28が形成される。本実施形態では焼き付け層上にNiめっき層およびSnめっき層を形成した。Niめっき層およびSnめっき層は、たとえばバレルめっき法により、順次形成される。このようにして、積層セラミックコンデンサ10が得られる。
実験例
上記の製造方法にしたがって、積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサを作製し、コーナー部の耐衝撃性試験と耐湿負荷試験を確認した。
実施例に用いたセラミックコンデンサの仕様
・サイズL×W×T(設計値):3.310mm×2.645mm×2.645mm
・セラミック材料:BaTiO3
・容量:10μF
・定格電圧:100V
外層部の情報
誘電体層の粒径を小さくしたい部分(粒成長を抑制したい部分)の誘電体シートにあたる部分に、Dy、Mgを含有させた。なお、DyはMgに対してモル比で20倍となる量を含有させた。
誘電体層の粒径を小さくする領域を構成する誘電体シートには、誘電体層の粒径を小さくしない領域を形成する誘電体シートに含む量の2.5倍のDy、Mgを含有させた。
各外層部の粒径は、以下のとおりとなるように調整した。
第1の主面側外層部15bは、第1の主面側外層部15bの内層部15a側に位置する誘電体層14の粒径は、第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置する誘電体層14の粒径よりも小さい。
第2の主面側外層部15cは、第2の主面側外層部15cの内層部15a側に位置する誘電体層14の粒径は、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置する誘電体層14の粒径よりも小さい。
第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒径は、第1の主面側外層部15dの第1の主面12a側に位置する誘電体層14の粒径よりも小さい。
第2の主面側外層部15cの積層体12の第2の側面12dと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14に粒径は、第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置する誘電体層14の粒径よりも小さい。
具体的には、それぞれの粒径は、以下のとおりであった。
第1の主面側外層部15bの内層部15a側に位置する誘電体層14の粒径および第2の主面側外層部15cの内層部15a側に位置する誘電体層14の粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であった。
第1の主面側外層部15bの第1の主面12a側に位置する誘電体層14の粒径および第2の主面側外層部15cの第2の主面12b側に位置する誘電体層14の粒径は、1μm以上5μm以下であった。
第1の主面側外層部15bの積層体12の第1の主面12aと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14の粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であった。
第2の主面面側外層部15cの積層体12の第2の主面12bと第1の端面12eおよび第2の端面12fとが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層14に粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であった。
外部電極の構造
下地電極層:導電性金属(Cu)とガラス成分を含む焼結電極層
下地電極層の端面膜厚:121μm
めっき層:Niめっき層+Snめっき層の2層形成
Niめっき層:1/2W位置における積層体12の断面における第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する高さ方向中央部における厚み:2.9μm
1/2W位置における積層体12の断面における第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する長さ方向の中央部における厚み:2.9μm (e寸のめっき厚)
Snめっき層:1/2W位置における積層体12の断面における第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する高さ方向中央部における厚み:4.2μm
1/2W位置における積層体12の断面における第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する長さ方向の中央部における厚み:4.2μm
比較例1して、以下の仕様の積層セラミックコンデンサを準備した。比較例1は、第1および第2の主面側外層部、第1および第2の側面側外層部、第1および第2の端面側外層部、内層部のセラミック誘電体は同じものを使用した。
比較例1に用いたセラミックコンデンサの仕様
・サイズL×W×T(設計値):3.310mm×2.645mm×2.645mm
・セラミック材料:BaTiO3
・容量:10μF
・定格電圧:100V
外層部の情報
第1の主面側外層部及び第2の主面側外層部のいずれの位置に存在する誘電体層14の粒径は等しい。
第1の主面側外層部及び第2の主面側外層部のいずれの位置に存在する誘電体層14の粒径は0.1μm以上0.5μm以下程度とした。
外部電極の構造
下地電極層:導電性金属(Cu)とガラス成分を含む焼結電極層
下地電極層の端面膜厚:121μm
めっき層:Niめっき層+Snめっき層の2層形成
Niめっき層:1/2W位置における積層体12の断面における第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する高さ方向中央部における厚み:2.9μm
1/2W位置における積層体12の断面における第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する長さ方向の中央部における厚み:2.9μm (e寸のめっき厚)
Snめっき層:1/2W位置における積層体12の断面における第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する高さ方向中央部における厚み:4.2μm
1/2W位置における積層体12の断面における第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する長さ方向の中央部における厚み:4.2μm
比較例2として、以下の仕様の積層セラミックコンデンサを準備した。比較例2は、特許文献1のように内層部側に位置する誘電体の粒径が各主面及び側面側の誘電体の粒径より小さい2層の構造をした積層体である。
比較例2に用いたセラミックコンデンサの仕様
・サイズL×W×T(設計値):3.310mm×2.645mm×2.645mm
・セラミック材料:BaTiO3
・容量:10μF
・定格電圧:100V
外層部の情報
誘電体層の粒径を小さくしたい部分(粒成長を抑制したい部分)の誘電体シートにあたる部分に、Dy、Mgを含有させた。なお、DyはMgに対してモル比で20倍となる量を含有させた。
誘電体層14の粒径を小さくする領域を構成する誘電体シートには、誘電体層14の粒径を小さくしない領域を形成する誘電体シートに含む量の2.5倍のDy、Mgを含有させた。
各外層部の粒径は、以下のとおりとなるように調整した。
第1の主面側外層部は、第1の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さい。
第2の主面側外層部は、第2の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径が、第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さい。
具体的には、それぞれの粒径は、以下のとおりであった。
第1の主面側外層部の内層部側及び第2の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径は、0.1μm以上0.5μm以下程度であった。
第1の主面側外層部の第1の主面側及び第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径は、1μm以上5μm以下程度であった。
外部電極の構造
下地電極層:導電性金属(Cu)とガラス成分を含む焼結電極層
下地電極層の端面膜厚:121μm
めっき層:Niめっき層+Snめっき層の2層形成
Niめっき層:1/2W位置における積層体12の断面における第1の端面12aおよび第2の端面12bに位置する高さ方向中央部における厚み:2.9μm
1/2W位置における積層体12の断面における第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する長さ方向の中央部における厚み:2.9μm (e寸のめっき厚)
Snめっき層:1/2W位置における積層体12の断面における第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する高さ方向中央部における厚み:4.2μm
1/2W位置における積層体12の断面における第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する長さ方向の中央部における厚み:4.2μm
(試験方法)
(a)コーナー部の耐衝撃性試験(クラック確認試験)
コーナー部の耐衝撃性試験(クラック確認試験)は、積層セラミックコンデンサの第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿う部分または第2の主面側外層部の積層体の第2の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿う部分(コーナー部)同士を押し付けて試験を行った。
具体的には、図11に示すように、一方の積層セラミックコンデンサ10を固定し、他方の積層セラミックコンデンサ10を指定の力で押し当てることのできる装置を用いて一定の力で押しつけた。このように押し付けた積層セラミックコンデンサ10において、押し当てた部分において積層セラミックコンデンサ10のWT面が露出するように積層セラミックコンデンサ10を断面研磨した。次に、この研磨断面において、積層セラミックコンデンサ10の第1の主面側外層部の積層体12の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿う部分または第2の主面側外層部の積層体12の第2の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿う部分(コーナー部)にクラックが発生していないか金属顕微鏡を用いて確認した。クラックの発生が確認できた積層体を不合格とした。また、積層体のコーナー部同士を押し付ける力は25Nとした。
(b)耐湿負荷試験
耐湿負荷試験を行い、絶縁抵抗値を測定し、1.0×106(Ω)の絶縁抵抗値の劣化が起きた場合を不良と判定する試験を行った。
具体的には、高度加速寿命試験装置の槽内に積層セラミックコンデンサを入れ、温度を125℃、湿度を95%RHとし、積層セラミックコンデンサ10に100V電圧を印加した状態で72時間試験をした。試験中は積層セラミックコンデンサ10の絶縁抵抗を一定の間隔で測定し、72時間到達するまで測定した。
コーナー部の耐衝撃性試験(クラック確認試験)についての結果は、表1のとおりである。
耐湿負荷試験についての結果は、表2の通りである。
(試験結果)
まず、コーナー部の耐衝撃性試験の結果、実施例にかかる積層セラミックコンデンサ10では、研磨断面においてクラックが発生しなかった。実施例にかかる積層セラミックコンデンサ10は、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側、ならびに第2の主面側外層部の積層体の第2の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒径が、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層、および第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径よりも小さくなるように調整されている。そのため、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒界が多くなり、稜線部においても塑性変形を担う転移が抑制され、クラックの進展に対する強度が強くなる。よって、自重が増し、コーナー部への衝撃が大きくなる大型化サイズの積層セラミックコンデンサであっても、稜線部側に沿って位置する誘電体層においてクラックの進展が強くなるため、積層セラミックコンデンサのコーナー部における耐衝撃性が向上したことが示唆された。
一方、比較例1の積層セラミックコンデンサでは、研磨断面において、10個のクラックが発生した。比較例1の積層セラミックコンデンサは、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部のいずれの位置にも存在する誘電体層の粒径が等しいため、コーナー部における耐衝撃性が得られなかった。
また、比較例2の積層セラミックコンデンサでは、研磨断面において、9個のクラックが発生した。比較例2の積層セラミックコンデンサは、内層部側に位置する誘電体層の粒径が、各主面及び側面側の粒径より小さい2層構造をした積層体であるため、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部における粒径は内層部側に位置する誘電体層の粒径は大きいため、第1の主面側外層部の積層体の第1の主面と第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する誘電体層の粒界が少なくなり、クラックの進展に対する強度が低いことから、コーナー部における耐衝撃性が得られなかった。
また、耐湿負荷試験の結果、実施例の積層セラミックコンデンサはでは、不良となった試料は得られなかった。実施例の積層セラミックコンデンサ10は、第1の主面側外層部では、第1の主面側外層部の第1の主面側に位置する誘電体層の粒径が第1の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径よりも大きくなるように調整され、第2の主面側外層部では、第2の主面側外層部の第2の主面側に位置する誘電体層の粒径が第2の主面側外層部の内層部側に位置する誘電体層の粒径よりも大きくなるように調整されている。そのため、各主面側に位置する誘電体層のグレインの粒界を減らすことが可能となり積層体と外部電極との密着力が向上すると考えられ、その結果、外部電極と積層体との界面からの水分が浸入することが抑制されていることが示唆された。
一方、耐湿負荷試験の結果、比較例1の積層セラミックコンデンサでは、5個の不良と判断された試料が得られた。これは、比較例1の積層セラミックコンデンサでは、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部のいずれの位置に存在する誘電体の粒径も0.1μm以上0.5μm程度と小さくなるように調整されており、各外層部に位置する誘電体層のグレインの粒界が比較的多いことから積層体と外部電極との密着力が低下し、その結果、外部電極と積層体との界面からの水分が浸入したものと考えられる。
また、比較例2の積層セラミックコンデンサでは、不良となった試料は得られなかった。これは、内層部側に位置する誘電体層の粒径が、各主面及び側面側の粒径より小さい2層構造をした積層体であるため、実施例1と同様に、グレインの粒界を減らすことが可能となり積層体と外部電極との密着力が向上すると考えられ、その結果、外部電極と積層体との界面からの水分が浸入することが抑制されていると考えられる。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10 積層セラミックコンデンサ

12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 誘電体層
14a 第1の誘電体領域
14b 第2の誘電体領域
14c 第3の誘電体領域
15a 内層部
15b 第1の主面側外層部
15c 第2の主面側外層部
15d 第1の側面側外層部
15e 第2の側面側外層部

16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
16c 浮き内部電極層
18 対向電極部
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部

24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26 下地電極層
26a 第1の下地電極層
26b 第2の下地電極層
28 めっき層
28a 第1のめっき層
28b 第2のめっき層
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (8)

  1. 複数の積層された誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層とを有し、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、前記積層方向および前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面を有する積層体と、
    前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    前記積層体は、前記複数の内部電極層が対向する内層部と、前記第1の主面側に位置し、前記第1の主面と前記第1の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、
    前記第2の主面側に位置し、前記第2の主面と前記第2の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、
    前記第1の側面側に位置し、前記第1の側面と前記第1の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、
    前記第2の側面側に位置し、前記第2の側面と前記第2の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、
    を有する積層セラミック電子部品であって、
    前記第1の主面側外層部は、前記第1の主面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が、前記第1の主面側外層部の前記第1の主面側に位置する前記誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、前記第1の主面側外層部の前記積層体の前記第1の主面と前記第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する前記誘電体層の粒径が、前記第1の主面側外層部の前記第1の主面側に位置する前記誘電体層の粒径よりも小さく、
    前記第2の主面側外層部は、前記第2の主面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が、前記第2の主面側外層部の前記第2の主面側に位置する前記誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、前記第2の主面側外層部の前記積層体の前記第2の主面と前記第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する前記誘電体層の粒径が、前記第2の主面側外層部の前記第2の主面側に位置する前記誘電体層の粒径よりも小さいことを特徴とする、積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1の側面側外層部は、前記第1の側面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が、前記第1の側面側外層部の前記第1の側面側に位置する前記誘電体層の粒径よりも小さく、かつ、
    前記第2の側面側外層部は、前記第2の側面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が、前記第2の側面側外層部の前記第2の側面側に位置する前記誘電体層の粒径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記第1の主面側外層部には、前記内部電極層を構成する金属が拡散しており、
    前記第1の主面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第1の主面側外層部の前記第1の主面側に位置する前記誘電体層に位置する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、前記第1の主面側外層部の前記積層体の前記第1の主面と前記第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第1の主面側外層部の前記第1の主面側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少なく、
    前記第2の主面側外層部には、前記内部電極層を構成する金属が拡散しており、
    前記第2の主面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第2の主面側外層部の前記第2の主面側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、前記第2の主面側外層部の前記積層体の前記第2の主面と前記第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第2の主面側外層部の前記第2の主面側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少ないことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記第1の側面側外層部には、前記内部電極層を構成する金属が拡散しており、
    前記第1の側面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第1の側面側外層部の前記第1の側面側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、前記第1の側面側外層部の前記積層体の前記第1の側面と前記第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第1の側面側外層部の前記第1の側面側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少なく、
    前記第2の側面側外層部には、前記内部電極層を構成する金属が拡散しており、
    前記第2の側面側外層部の前記内層部側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第2の側面側外層部の前記第2の側面側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少なく、かつ、前記第2の側面側外層部の前記積層体の前記第2の側面と前記第1の端面および第2の端面とが交差する稜線部側に沿って位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量は、前記第2の側面側外層部の前記第2の側面側に位置する前記誘電体層に拡散する前記内部電極層を構成する金属の拡散量よりも少ないことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記第1および第2の内部電極層は、Niを含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の積層セラミック電子部品。
  6. 前記第1の主面側外層部における前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が小さい領域は、前記第1の主面と前記第1の主面側外層部に接する前記内層部との間の前記積層方向の距離の40%以上60%以下の範囲であり、
    前記第2の主面側外層部における前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が小さい領域は、前記第2の主面と前記第2の主面側外層部に接する前記内層部との間の前記積層方向の距離の40%以上60%以下の範囲であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の積層セラミック電子部品。
  7. 前記積層体の稜線部側に沿って位置する前記誘電体層の粒径が小さい領域は、前記長さ方向においては、第1の主面上または第2の主面上に配置されている下地電極層の前記第1の端面から前記第2の端面に向かう距離の1/2の位置までに留まっており、かつ、前記積層体の稜線部側に沿って位置する前記誘電体層の粒径が小さい領域の前記積層体の稜線部側に沿った厚みは、前記第1の主面と前記第1の主面側外層部に接する前記内層部との間の前記積層方向の距離または前記第2の主面と前記第2の主面側外層部に接する前記内層部との間の前記積層方向の距離の30%以上で配置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の積層セラミック電子部品。
  8. 前記第1の側面側外層部における前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が小さい領域は、前記第1の側面側外層部の前記第1の側面と前記第1の側面側外層部に接する前記内層部との間の前記幅方向の距離の40%以上60%以下の範囲であり、
    前記第2の側面側外層部における前記内層部側に位置する前記誘電体層の粒径が小さい領域は、前記第2の側面側外層部の前記第2の側面と前記第2の側面側外層部に接する前記内層部との間の前記幅方向の距離の40%以上60%以下の範囲であることを特徴とする、請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の積層セラミック電子部品。
JP2019116044A 2019-06-24 2019-06-24 積層セラミック電子部品 Pending JP2021002604A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019116044A JP2021002604A (ja) 2019-06-24 2019-06-24 積層セラミック電子部品
US16/897,324 US11183334B2 (en) 2019-06-24 2020-06-10 Multilayer ceramic electronic component

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019116044A JP2021002604A (ja) 2019-06-24 2019-06-24 積層セラミック電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021002604A true JP2021002604A (ja) 2021-01-07

Family

ID=73995154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019116044A Pending JP2021002604A (ja) 2019-06-24 2019-06-24 積層セラミック電子部品

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11183334B2 (ja)
JP (1) JP2021002604A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020167201A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ
KR20190116181A (ko) * 2019-09-20 2019-10-14 삼성전기주식회사 적층형 전자 부품
US11508524B2 (en) * 2019-12-27 2022-11-22 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor
KR20220059150A (ko) * 2020-11-02 2022-05-10 삼성전기주식회사 적층형 커패시터

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2945529B2 (ja) 1991-10-31 1999-09-06 太陽誘電株式会社 積層磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3735151B2 (ja) 1996-03-07 2006-01-18 Tdk株式会社 積層型チップバリスタ及びその製造方法
JPH104027A (ja) 1996-06-14 1998-01-06 Murata Mfg Co Ltd 積層型電子部品
KR101681358B1 (ko) * 2013-04-08 2016-11-30 삼성전기주식회사 적층 세라믹 커패시터 및 그 제조방법
KR102089700B1 (ko) 2014-05-28 2020-04-14 삼성전기주식회사 적층 세라믹 커패시터, 적층 세라믹 커패시터의 제조 방법 및 적층 세라믹 커패시터의 실장 기판
JP7227690B2 (ja) * 2017-07-26 2023-02-22 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP7028416B2 (ja) * 2018-05-25 2022-03-02 太陽誘電株式会社 積層セラミック電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
US11183334B2 (en) 2021-11-23
US20200402718A1 (en) 2020-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8194391B2 (en) Multilayer ceramic electronic component and manufacturing method thereof
US11062848B2 (en) Multilayer ceramic electronic component
JP2021002604A (ja) 積層セラミック電子部品
US9406443B2 (en) Ceramic electronic component
JP2018073900A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2017191837A (ja) 積層セラミックコンデンサ
US11915877B2 (en) Multilayer ceramic electronic component
JP6981438B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2020088190A (ja) 積層セラミック電子部品
JP7363654B2 (ja) 積層セラミック電子部品
JP6841267B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの実装構造
JP2019192862A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP2021034458A (ja) 積層セラミック電子部品
JP7003889B2 (ja) 積層セラミック電子部品およびその実装構造
KR102527062B1 (ko) 세라믹 전자 부품 및 그 제조 방법
JP2021089924A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2021125673A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2021072384A (ja) 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの実装構造
JP2021168337A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2020174073A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2021052129A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2021015925A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2021034433A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2021027284A (ja) 積層セラミックコンデンサ
US11881355B2 (en) Multilayer ceramic capacitor