JP2021027284A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】内部電極層の容量形成部にまで水分が到達しないようにすることで、耐湿性の劣化を抑制しうる積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】積層セラミックコンデンサは、積層体を有する。積層体は、最も第1の主面側に位置する内部電極層から最も第2の主面側に位置する内部電極層までを含む内層部と、第1の側面側に位置する第1の側面側外層部と、第2の側面側に位置する第2の側面側外層部と、を有する。第1の側面側に位置する第1の引出電極部の端部には、第1の側面側外層部に跨るように第1の凹部が配置され、第2の側面側に位置する第1の引出電極部の端部には、第2の側面側外層部に跨るように第2の凹部が配置され、第1の側面側に位置する第2の引出電極部の端部には、第1の側面側外層部に跨るように第3の凹部が配置され、第2の側面側に位置する第2の引出電極部の端部には、第2の側面側外層部に跨るように第4の凹部が配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
一般的に、積層セラミックコンデンサにおいては、特許文献1のように、チタン酸バリウムなどの誘電体セラミックスと内部電極とが交互に積層されたセラミック焼結体と、セラミック焼結体の各端面を覆うように形成される一対の外部電極とを有している。
このような積層セラミックコンデンサに用いられる誘電体セラミックスと内部電極は、セラミック焼結体を焼結する際、内部電極の収縮率と誘電体セラミックスの収縮率が異なることや、セラミック焼結体を焼結する際に内部電極成分が誘電体セラミックス内に拡散することが知られている。
特開平8−306580号公報
上記のように、セラミック焼結体を焼結する際に内部電極の収縮率と誘電体セラミックスの収縮率が異なったり、セラミック焼結体を焼結する際に内部電極成分が誘電体セラミックス内に拡散することにより、積層セラミックコンデンサの内部電極の端部と誘電体セラミックスとの境界面において隙間が形成されてしまう場合がある。
このように、積層セラミックコンデンサの内部電極の端部と誘電体セラミックスとの境界面において隙間が形成され、特に端面にこの隙間が露出してしまうと、積層セラミックコンデンサを作製する過程のバレル研磨の際に、セラミック焼結体と一緒にバレル内に投入され研磨剤やメディア、チップとの接触や、セラミック焼結体同士の接触の際に、この隙間部分からマイクロクラックが入ることが懸念される。
仮に、マイクロクラックが入ってしまった場合、マイクロクラックが入った部分から水分が浸入しやすくなることが懸念される。その結果、セラミック焼結体の端面に外部電極が形成されていたとしても、外部電極とセラミック焼結体との界面から水分が浸入してしまった場合、マイクロクラックを伝って積層セラミックコンデンサの内部電極の端部と誘電体セラミックスとの境界面との隙間に水分が浸入し、耐湿劣化やめっき液劣化やめっき液劣化を起してしまうことが考えられる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、内部電極層の容量形成部にまで水分が到達しないようにすることで、耐湿性の劣化を抑制しうる積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層を含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、誘電体層上に配置され、第1の端面に露出する第1の内部電極層と、誘電体層上に配置され、第2の端面に露出する第2の内部電極層と、第1の内部電極層に接続され、第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第2の内部電極層に接続され、第2の端面上に配置される第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサにおいて、積層体は、複数の内部電極層が対向する内層部と、第1の側面側に位置し、第1の側面と第1の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、第2の側面側に位置し、第2の側面と第2の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、を有し、第1の内部電極層は、積層体の第1の端面に引き出される第1の引出電極部と、誘電体層を挟んで第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、を有し、第2の内部電極層は、積層体の第2の端面に引き出される第2の引出電極部と、誘電体層を挟んで第2の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、を有し、第1の引出電極部の第1の側面側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部に跨るように第1の端面の面方向から第2の端面側に凹んだ第1の凹部が配置され、第1の引出電極部の第2の側面側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部に跨るように第1の端面の面方向から第2の端面側に凹んだ第2の凹部が配置されており、第2の引出電極部の第1の側面側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部に跨るように第2の端面の面方向から第1の端面側に凹んだ第3の凹部が配置され、第2の引出電極部の第2の側面側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部に跨るように第2の端面の面方向から第1の端面側に凹んだ第4の凹部が配置されている、積層セラミックコンデンサである。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサによれば、第1の引出電極部の第1の側面側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部に跨るように第1の端面の面方向から第2の端面側に凹んだ第1の凹部が配置され、第1の引出電極部の第2の側面側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部に跨るように第1の端面の面方向から第2の端面側に凹んだ第2の凹部が配置されており、第2の引出電極部の第1の側面側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部に跨るように第2の端面の面方向から第1の端面側に凹んだ第3の凹部が配置され、第2の引出電極部の第2の側面側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部に跨るように第2の端面の面方向から第1の端面側に凹んだ第4の凹部が配置されているので、仮に、積層セラミックコンデンサの内部電極層の端部と誘電体セラミックスとの境界面において隙間が形成され、特にその隙間が端面に露出してしまうような場合であっても、積層セラミックコンデンサを作製する過程のバレル研磨の際に、セラミック焼結体と一緒にバレル内に投入されるメディアとの接触や、セラミック焼結体同士の接触の際に、空隙部には直接接触することがない。よって、外部からの衝撃を防止することが可能となり、耐湿劣化を引き起こしやすい、内部電極層の幅方向の端部においてマイクロクラックの発生を予防することができる。
その結果、外部電極の先端や、外部電極に構造欠陥部から仮に積層体の表面に水分が浸入したとしても、内部電極層の容量形成部にまで水分が到達しないようにすることができるため、耐湿性の劣化を抑制することができる。
特に、積層体の端面にマイクロクラックが発生していても、凹部内にマイクロクラックが発生しなければ、耐湿性の劣化を抑制することができる。
この発明によれば、内部電極層の容量形成部にまで水分が到達しないようにすることで、耐湿性の劣化を抑制しうる積層セラミックコンデンサが得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線II−IIにおける断面図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線III−IIIにおける断面図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図2の線IV−IVにおける断面図であり、a部拡大図は、凹部の拡大断面図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図2の線V−Vにおける断面図である。 (a)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が2つに分割された構造を示す図1の線III−IIIにおける断面図であり、(b)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が3つに分割された構造を示す図1の線III−IIIにおける断面図であり、(c)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が4つに分割された構造を示す図1の線III−IIIにおける断面図である。 (a)この発明にかかる積層セラミックコンデンサの積層体の一例を示す外観斜視図であり、(b)は、別の方向からみたこの発明にかかる積層セラミックコンデンサの積層体の外観斜視図である。 凹部の変形例の拡大断面図である。 凹部の他の変形例の拡大断面図である。
1.積層セラミックコンデンサ
この発明の実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線II−IIにおける断面図であり、図3は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1の線III−IIIにおける断面図である。図4は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図2の線IV−IVにおける断面図であり、a部拡大図は、凹部の拡大断面図である。図5は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図2の線V−Vにおける断面図である。
(積層体)
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12を含む。
積層体12は、図2、および図3に示すように、積層された複数の誘電体層14と複数の内部電極層22とを有する。さらに、積層体12は、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、積層方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、積層方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。積層体12の長さ方向zの寸法は、幅方向yの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。
この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体12の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体12の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、並びに、第1の側面12cおよび第2の側面12d、並びに、第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体12は、図2および図3に示すように、第1の主面12aおよび第2の主面12b同士を結ぶ積層方向xにおいて、複数の内部電極層22が対向する内層部16と、最も第1の主面12a側に位置する内部電極層22と第1の主面12aとの間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の主面側外層部18aと、最も第2の主面12b側に位置する内部電極層22と第2の主面12bとの間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の主面側外層部18bと、を有する。
第1の主面側外層部18aは、積層体12の第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層22との間に位置する複数の誘電体層14との間に位置する複数の誘電体層14との集合体である。
第2の主面側外層部18bは、積層体12の第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層22との間に位置する複数の誘電体層14との間に位置する複数の誘電体層14との集合体である。
また、積層体12は、図2および図3に示すように、第1の主面12aおよび第2の主面12b同士を結ぶ積層方向xに複数の内部電極層22が対向し、内部電極層22の間には、誘電体層14が形成されている内層部16と、第1の側面12c側に位置し、第1の側面12cと第1の側面側の内層部16の最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の側面側外層部20aと、第2の側面12d側に位置し、第2の側面12bと第2の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の側面側外層部20bと、を有する。
誘電体材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない成分を添加したものを用いてもよい。
誘電体層14の厚みは0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、誘電体層14の枚数は、2枚以上1000枚以下であることが好ましい。
積層体12の寸法は、特に限定されない。
(内部電極層)
積層された複数の内部電極層22は、図2、および図3に示すように、複数の第1の内部電極層22a、および複数の第2の内部電極層22bを有する。
第1の内部電極層22aは、図2、および図3に示すように、第2の内部電極層22bと対向する第1の対向電極部24aと、第1の内部電極層22aの一端側に位置し、第1の対向電極部22aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部26aを有する。第1の引出電極部26aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層22bは、図2、および図3に示すように、第1の内部電極層22aと対向する第2の対向電極部24bと、第2の内部電極層22bの一端側に位置し、第2の対向電極部24bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部26bを有する。第2の引出電極部26bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
第1の内部電極層22aの一方の対向電極部24aと第2の内部電極層22bの他方の対向電極部24bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパー状)形成されていたりしてもよい。
第1の内部電極層22aの第1の引出電極部26aと第2の内部電極層22bの第2の引出電極部26bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパー状)形成されていたりしてもよい。
第1の内部電極層22aの第1の対向電極部24aの幅と第1の内部電極層22aの第1の引出電極部26aの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。同様に、第2の内部電極層22bの第2の対向電極部24bの幅と第2の内部電極層22bの第2の引出電極部26bの幅とは、同じ幅に形成されていてもよく、どちらか一方が狭く形成されてもよい。
積層体12は、第1の対向電極部24aおよび第2の対向電極部24bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間および第1の対向電極部24aおよび第2の対向電極部24bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部(Wギャップ)28aを含む。さらに、積層体12は、第1の内部電極層22aの第1の引出電極部26aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間および第2の内部電極層22bの第2の引出電極部26bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(Lギャップ)28bを含む。
なお、図6に示すように、内部電極層22として、第1の内部電極層22aおよび第2の内部電極層22bに加えて、第1の端面12eおよび第2の端面12fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層22cが設けられ、浮き内部電極層22cによって、対向電極部24が複数に分割された構造としてもよい。たとえば、図4(a)に示すような2連、図6(b)に示すような3連、図6(c)に示すような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部24を複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極層22a、22b、22c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサの高耐圧化を図ることができる。
第1の内部電極層22aおよび第2の内部電極層22bは、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag−Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
本発明の実施の形態である積層セラミックコンデンサ10では、第1の内部電極層22aおよび第2の内部電極層22bが誘電体層14を介して対向することにより容量が形成され、コンデンサの特性が発現する。
第1の内部電極層22aおよび第2の内部電極層22bのそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上3.0μm以下程度であることが好ましい。
第1の内部電極層22aおよび第2の内部電極層22bの総枚数は、例えば、2枚以上1000枚以下であることが好ましい。
第1の引出電極部26aの第1の側面12c側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部20aに跨るように第1の端面12eの面方向から第2の端面12f側に凹んだ第1の凹部30a1が配置されている。
第1の引出電極部26aの第2の側面12d側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部20bに跨るように第1の端面12eの面方向から第2の端面12f側に凹んだ第2の凹部30a2が配置されている。
第2の引出電極部26bの第1の側面12c側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部20aに跨るように第2の端面12fの面方向から第1の端面12e側に凹んだ第3の凹部30b1が配置されている。
第2の引出電極部26bの第2の側面12d側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部20bに跨るように第2の端面12fの面方向から第1の端面12e側に凹んだ第4の凹部30b2が配置されている。
第1の凹部30a1は、積層体12の積層方向xに沿って、誘電体層14を挟んで上下に積層される複数の内部電極層22および第1の側面側外層部20aに連続して凹部が形成されていることが好ましい。
第2の凹部30a2は、積層体12の積層方向xに沿って、誘電体層14を挟んで上下に積層される複数の内部電極層22および第2の側面側外層部20bに連続して凹部が形成されていることが好ましい。
第3の凹部30b1は、積層体12の積層方向xに沿って、誘電体層14を挟んで上下に積層される複数の内部電極層22および第1の側面側外層部20aに連続して凹部が形成されていることが好ましい。
第4の凹部30b2は、積層体12の積層方向xに沿って、誘電体層14を挟んで上下に積層される複数の内部電極層22および第2の側面側外層部20bに連続して凹部が形成されていることが好ましい。
第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2が、それぞれ、上記のように形成されることで、本発明の効果をより顕著なものにすることができる。
第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2のそれぞれの幅方向yの幅D1は、1μm以上1000μm以下であることが好ましい。
第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2のそれぞれの幅方向yの幅D1が狭すぎると、第1の内部電極層22aの内部の幅方向yの端部および第2の内部電極層22bの内部の幅方向yの端部にできる隙間による水分の侵入口をカバーできないため、マイクロクラックが侵入口のところに生じてしまう可能性がある。
一方、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2のそれぞれの幅方向yの幅D1が広すぎると、焼成後の積層体12にバレル加工を行う際、研磨剤やメディアやチップの角部が直接、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の底面に当接してしまうことで、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2にマイクロクラックが生じてしまう可能性がある。
第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2のそれぞれの深さD2は、1μm以上500μm以下であることが好ましい。第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の深さD2が浅すぎると、焼成後の積層体12にバレル加工を行う際、研磨材やメディアやチップの角部が、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の底面に当接してしまうことで、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2にマイクロクラックが生じてしまう可能性がある。
第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2は、第1の内部電極層22aおよび第2の内部電極層22bの端部から、第1の内部電極層22a側または第2の内部電極層22b側に0.5μm以上800μm以下、入り込みの幅D3を有する(オーバーラップしている)ことが好ましい。
この入り込みの幅D3が狭すぎると、第1の内部電極層22aの内部の幅方向yの端部および第2の内部電極層22bの内部の幅方向yの端部にできる隙間による水分の侵入口をカバーできないため、マイクロクラックが侵入口のところに生じてしまう可能性がある。
一方、この入り込みの幅D3が広すぎると、焼成後の積層体12にバレル加工を行う際、研磨材メディアやチップの角部が直接、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の底面に当接してしまうことで、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2にマイクロクラックが生じてしまう可能性がある。
第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2は、第1の内部電極層22aおよび第2の内部電極層22bの端部から、第1の側面側外層部20aまたは第2の側面側外層部20b側に、0.5μm以上300μm以下、入り込みの幅D4を有する(オーバーラップしている)ことが好ましい。
この入り込みの幅D4が狭すぎると、第1の内部電極層22aの内部の幅方向yの端部および第2の内部電極層22bの内部の幅方向yの端部にできる隙間による水分の侵入口をカバーできないため、マイクロクラックが侵入口のところに生じてしまう可能性がある。
一方、この入り込みの幅D4が広すぎると、焼成後の積層体12にバレル加工を行う際、研磨材メディアやチップの角部が直接、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の底面に当接してしまうことで、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2にマイクロクラックが生じてしまう可能性がある。
さらに、図8に示すように、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の断面形状は、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の開口部31aに向かって広がるような形状(台形)であることが好ましい。これにより、第1の側面側外層部20aまたは第2の側面側外層部20bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部、第1の内部電極層22aまたは第2の内部電極層22bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部において、欠け不良が発生することを抑制することができる。
また、図9に示すように、第1の側面側外層部20aまたは第2の側面側外層部20bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部31b1、第1の内部電極層22aまたは第2の内部電極層22bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部31b2には、丸みがつけられていることが好ましい。これにより、第1の側面側外層部20aまたは第2の側面側外層部20bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部31b1、第1の内部電極層22aまたは第2の内部電極層22bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部31b2において、欠け不良が発生することを抑制することができる。
なお、図9では、図8のような、第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2の開口部31aに向かって広がるような形状(台形)にはなっていないが、この形状と組み合わせることで、第1の側面側外層部20aまたは第2の側面側外層部20bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部、第1の内部電極層22aまたは第2の内部電極層22bと第1の凹部30a1、第2の凹部30a2、第3の凹部30b1および第4の凹部30b2とが接する角部において発生する欠け不良をより抑制することができる。
(外部電極層)
外部電極層32は、図2、および図3に示すように、第1の外部電極32aと第2の外部電極32bとを有する。
第1の外部電極32aは、第1の内部電極層22aに接続され、第1の端面12eの表面に配置されている。また、第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置されていてもよい。
第2の外部電極32bは、第2の内部電極層22bに接続され、第2の端面12fの表面に配置されている。また、第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置されていてもよい。
第1の外部電極32aは、図3に示すように、積層体12側から順に、第1の下地電極層34aと第1の下地電極層34aの表面に配置された第1のめっき層36aとを有する。同様に、第2の外部電極32bは、積層体12側から順に、第2の下地電極層34bと第2の下地電極層36bの表面に配置された第2のめっき層36bとを有する。
第1の下地電極層34aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置されている。第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように配置されていてもよい。
第2の下地電極層34bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置されている。第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように配置されていてもよい。
なお、第1の下地電極層34aは、積層体12の第1の端面12eの表面のみに配置されてもよいし、第2の下地電極層34bは、積層体12の第2の端面12fの表面にのみ配置されてもよい。
第1の下地電極層34aおよび第2の下地電極層34b(以下、単に下地電極層ともいう)は、それぞれ、焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含む。
下地電極層34が、焼付け層で形成された第1の下地電極層34aおよび第2の下地電極層34bについて説明する。
焼付け層のガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。
焼付け層の金属としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
焼付け層は複数枚あってもよい。
焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼き付けたものであり、誘電体層14および内部電極層22と同時に焼成したものでもよく、誘電体層14および内部電極層22を焼成した後に焼き付けたものでもよい。
第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する下地電極層34の高さ方向中央部におけるそれぞれの焼付け層の厚みは、15μm以上160μm以下であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層34を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下地電極層34aおよび第2の下地電極層34bである長さ方向zの中央部におけるそれぞれの焼付け層の厚みは、たとえば、5μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
導電性樹脂層を形成する場合は、焼付け電極層を形成せずに積層体上に直接形成してもよい。導電性樹脂層は、導電性粒子と熱硬化性樹脂を含む樹脂層を含んでもよい。
導電性樹脂層は、複数層であってもよい。
導電性樹脂層は、焼き付け層上に焼き付け層を覆うように配置されるか、積層体12上に直接配置されてもよい。
第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する第1の下地電極層34aおよび第2の下地電極層34bの高さ方向中央部における第1および第2の樹脂層の厚みは、例えば、10μm以上120μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に下地電極層34を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12fの上に位置する第1の下地電極層34aおよび第2の下地電極層34bである長さ方向の中央部における第1および第2の樹脂層の厚みは、例えば、5μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂および金属を含む。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、例えばめっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサに物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサへのクラックを防止することができる。
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、またはそれらの合金を使用することができる。また、金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCuやNiを用いることが好ましい。またCuに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。
導電性金属にAgの導電性金属粉を用いる理由としては、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず対抗性が高いためである。なお、Agコーティングされた金属を用いる理由としては、上記のAgの特性は保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるためである。
導電性樹脂層に含まれる金属である導電性フィラーは、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性フィラーの形状は、特に限定されない。導電性フィラーは、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性フィラーの平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、たとえば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
導電性フィラーは、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラーどうしが接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性フィラーは、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性樹脂層の樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂の一つである。
導電性樹脂層に含まれる樹脂は、導電性樹脂全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール樹脂、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系など公知の種々の化合物を使用することができる。
また、下地電極層34が薄膜層の場合、薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
めっき層36は、第1のめっき層36a、および第2のめっき層36bを有する。
第1のめっき層36aは、第1の下地電極層34aを覆うように配置される。
第2のめっき層36bは、第2の下地電極層34bを覆うように配置される。
また、第1のめっき層36aおよび第2のめっき層36b(以下、単にめっき層36ともいう)としては、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
めっき層36は、複数層によって形成されてもよい。この場合、めっき層36は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造である。Niめっき層が、下地電極層34の表面を覆うように設けられることで、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田によって下地電極層34が侵食されることを防止することができる。また、Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
めっき層一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。
(積層セラミックコンデンサ)
図1に示すように、積層体12、第1の外部電極32aおよび第2の外部電極32bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極32aおよび第2の外部電極32bを含む積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極32aおよび第2の外部電極32bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、長さ方向zのL寸法が0.2mm以上32mm以下、積層方向xのT寸法が0.1mm以上4.0mm以下、幅方向yのW寸法が0.1mm以上40mm以下、であることが好ましい。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10によれば、第1の引出電極部26aの第1の側面12c側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部20aに跨るように第1の端面12eの面方向から第2の端面12f側に凹んだ第1の凹部30a1が配置され、第1の引出電極部26aの第2の側面12d側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部20bに跨るように第1の端面12eの面方向から第2の端面12f側に凹んだ第2の凹部30a2が配置され、第2の引出電極部26bの第1の側面12c側に位置する引出電極部の端部には、第1の側面側外層部20aに跨るように第2の端面12fの面方向から第1の端面12e側に凹んだ第3の凹部30b1が配置され、第2の引出電極部26bの第2の側面12d側に位置する引出電極部の端部には、第2の側面側外層部20bに跨るように第2の端面12fの面方向から第1の端面12e側に凹んだ第4の凹部30b2が配置されている。
従って、図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、上述のような構成により、仮に、積層セラミックコンデンサ10の内部電極層22の端部と誘電体セラミックスとの境界面において隙間が形成され、特に、その隙間が端面に露出してしまうような場合であっても、積層セラミックコンデンサ10を作製する過程のばれる研磨の際に、セラミック焼結体と一緒にバレル内に投入されるメディアとの接触や、セラミック焼結体同士の接触の際に、空隙部には直接接触することがない。よって、積層体12の空隙部に対する外部からの衝撃を防止することが可能となり、マイクロクラックの発生を予防できる。その結果、外部電極32の先端や、外部電極32の構造欠陥部から仮に積層体12の表面に水分が浸入したとしても、内部電極層22の容量形成部にまで水分が到達しないことから、耐湿性の劣化を抑制することができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
まず、セラミックグリーンシート、内部電極用の導電性ペーストを準備する。セラミックグリーンシートや内部電極用の導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
次に、セラミックグリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで内部電極用の導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。
続いて、内部電極パターンが印刷されていない外層用のセラミックグリーンシートが所定枚数積層され、その上に、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートが順次積層され、さらに、内部電極パターンが印刷されていない外層用のセラミックグリーンシートが所定枚数積層され、積層シートが作製される。
そして、積層シートは、静水圧プレスなどの手段により積層方向に圧着され、積層ブロックが作製される。
その後、積層ブロックは、所定の形状寸法に切断され、生の積層体チップが切り出される。
ここで、生の積層チップに対して、第1の凹部、第2の凹部、第3の凹部および第4の凹部を形成する。第1の凹部、第2の凹部、第3の凹部および第4の凹部の形成方法としては、たとえば、レーザーを照射する方法、ダイシングで削り取る方法、化学エッチングを行う方法、プラズマ処理を行う方法、金型を押し当てて取り除く方法などを用いることができる。それらの方法のうち、特に、レーザーを用いることが好ましい。レーザーの種類としては、超短パルスレーザーを用いることが好ましい。これにより、熱的影響をなくし、マイクロクラックが生じない凹部を形成することができる。
なお、第1の凹部、第2の凹部、第3の凹部および第4の凹部のそれぞれの幅や深さ、形状などは、超短パルスレーザーのエネルギー密度、パルス幅、パルス周波数、パルス回数を調整することで変更することができる。
その後、第1の凹部、第2の凹部、第3の凹部および第4の凹部の形成後に、バレル研磨などにより積層チップの角部や稜線部、第1の側面側外層部または第2の側面側外層部と第1の凹部、第2の凹部、第3の凹部および第4の凹部とが接する角部、第1の内部電極層または第2の内部電極層と、第2の凹部、第3の凹部および第4の凹部とが接する角部に、丸みをつける。バレル研磨の際には、バレル内に研磨剤やメディア、および積層チップを投入し、バレルを回転させることで研磨を行う。
続いて、生の積層体チップが焼成され、積層体12が製造される。焼成温度は、誘電体や内部電極層の材料にもよるが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
続いて、積層体12の両端面に外部電極32を形成する。
外部電極32の下地電極層が焼き付け層であるときの、下地電極層の形成方法を説明する。
外部電極32の焼付け層を形成するために、たとえば、積層体12の表面に第1の端面12eから露出している第1の内部電極層22aの第1の引出電極部26aの露出部分にガラス成分と金属とを含む外部電極用の導電性ペーストがディッピングなどの方法により塗布されて焼き付けられ、第1の下地電極層が形成される。また、同様に、外部電極32の焼付け層を形成するために、たとえば、積層体12の第2の端面12fから露出している第2の内部電極層22bの第2の引出電極部26bの露出部分にガラス成分と金属とを含む外部電極用導電性ペーストがディッピングなどの方法により外部電極用の導電性ペーストが塗布されて焼き付けられ、第2の下地電極層が形成される。このとき、焼き付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
次に、下地電極層が導電性樹脂層で形成するときの、下地電極層の形成方法を説明する。
なお、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよく、焼付け層を形成せずに、導電性樹脂層を単体で積層体12の表面に直接形成してもよい。
導電性樹脂層の形成方法としては、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層もしくは積層体12の表面に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、導電性樹脂層が形成される。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
また、下地電極層が薄膜層で形成するときの、下地電極層の形成方法を説明する。
下地電極層が薄膜層で形成する場合は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により下地電極層を形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層は金属粒子が堆積された1μm以下の層とされる。
その後、下地電極層34の表面、または導電性樹脂層の表面、上層めっき層の表面に、めっき層36が形成され、外部電極32が形成される。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、焼付け層の表面にめっき層36として、Niめっき層およびSnめっき層が形成される。Niめっき層およびSnめっき層は、たとえばバレルめっき法により、順次形成される。
このようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
3.実験例
次に、上述した本発明にかかる積層セラミックコンデンサの効果を確認するために、積層セラミックコンデンサを製造し、耐湿負荷試験を行い、その後、マイクロクラックの有無を確認した。なお、本発明の効果を確認しやすいように、本実験例では、積層セラミックコンデンサの製造工程において、焼成後のバレル研磨工程の条件を、マイクロクラックが出易い条件として、積層セラミックコンデンサを作製した。具体的には、バレル研磨工程の条件において、バレルの回転数とバレルの時間をそれぞれ通常の条件の2倍の条件とした。
(1)実施例における試料の仕様
まず、上述した積層セラミックコンデンサの製造方法にしたがって、以下のような仕様の実施例にかかる積層セラミックコンデンサを作製した。
・積層セラミックコンデンサのサイズL×W×T(設計値を含む):6.1mm×5.0mm×2.6mm

・凹部の設計
・凹部は、セラミックス焼結させる前に成形
・第1の凹部ないし第4の凹部を形成したい部分に波長1030nmの赤外の超短パルスレーザーを照射して凹部を形成する加工を行った。
・凹部の幅方向yの幅:400μm
・凹部の積層方向xの幅:2200μm
・凹部の深さ:100μm

・誘電体層の材料:BaTiO3
・容量:10μF
・定格電圧:100V
・外部電極の構造
下地電極層:導電性金属(Cu)とガラス成分を含む電極
端面中央膜厚:約100μm
めっき層:Niめっき層とSnめっき層の2層構造
Niめっき層厚み:2μm
Snめっき層厚み:4μm
(2)比較例における試料の仕様
比較例に用いた積層セラミックコンデンサは、凹部を有さない通常の積層セラミックコンデンサとし、それ以外は実施例と同様の以下のような仕様とした。
・積層セラミックコンデンサのサイズL×W×T(設計値を含む):6.1mm×5.0mm×2.6mm
・誘電体層の材料:BaTiO3
・容量:10μF
・定格電圧:100V
・外部電極の構造
下地電極層:導電性金属(Cu)とガラス成分を含む電極
端面中央膜厚:約100μm
めっき層:Niめっき層とSnめっき層の2層構造
Niめっき層厚み:2μm
Snめっき層厚み:4μm
(3)耐湿性試験方法
上述した方法により得られた実施例および比較例の各試料に対して、耐湿性試験を行った。耐湿性試験の条件は、125℃、2気圧、湿度95%(不飽和)、DC100Vを印加して、ショート時間を記録し、ワイブルプロットを行い、1%故障するまでの時間を算出した。
試験時間は、最大で288時間まで行い、そのとき劣化なし(ショート無し)の試料は、288時間として算出した。
(4)マイクロクラックの確認方法
実験例の試料である積層セラミックコンデンサの第1の主面および第2の主面を結ぶ積層方向xの1/2となる位置まで研磨を行い、積層セラミックコンデンサのLW断面を露出させた。その後、実施例の試料については、第1の凹部ないし第2の凹部内、および、第1の端面の中央部および第2の端面の中央部の100μmの視野内にマイクロクラックがないかどうかを、顕微鏡を用いて確認した。比較例の試料については、第1の端面の中央部および第2の端面の中央部の100μmの視野内にマイクロクラックがないかどうかを、顕微鏡を用いて確認した。この時、クラックの長さ6μm以上のセラミックス結晶の粒内を貫くものをクラックとして、上記の観察視野に1個以上存在する場合にマイクロクラックありとした。
耐湿性試験の評価結果は、表1に示され、マイクロクラックの有無の結果は、表2に示される。
Figure 2021027284
Figure 2021027284
表1に示すように、比較例では、いずれの試料番号の試料でも耐湿性試験の結果、1%故障するまでの時間は比較的短く、最大で、17.5時間であった。
一方、実施例ではいずれの試料番号の試料でも耐湿性試験の結果、1%故障するまでの時間は、試料番号1の試料を除き、288時間まで劣化はみられなかった。
これにより、積層体の両端面に所定の凹部を形成することで、耐湿性の劣化による故障の発生を抑制しうることが示唆された。
また、表2に示すように、比較例では、いずれの試料番号の試料でも端面においてマイクロクラックが確認された。
一方、実施例では、いずれの試料番号の試料でも端面においてはマイクロクラックが確認されたが、凹部においては、マイクロクラックは確認されなかった。
これにより、端面にマイクロクラックが生じたとしても、凹部においてはマイクロクラックが生じないため、端面に生じたマイクロクラックの影響が、耐湿性試験に与えていないことが明らかとなった。
以上の結果から、本発明では、積層セラミックコンデンサの内部電極の端部と誘電体セラミックスとの境界面においてマイクロクラックの発生を予防することができることが確認された。その結果、外部電極の先端や、外部電極に構造欠陥部から素体表面に仮に水分が侵入したとしても、内部電極の容量形成部にまで水分が到達しないため耐湿性の劣化を抑制することができることが確認された。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 誘電体層
16 内層部
18a 第1の主面側外層部
18b 第2の主面側外層部
20a 第1の側面側外層部
20b 第2の側面側外層部
22 内部電極層
22a 第1の内部電極層
22b 第2の内部電極層
22c 浮き内部電極層
24 対向電極部
24a 第1の対向電極部
24b 第2の対向電極部
26a 第1の引出電極部
26b 第2の引出電極部
28a 側部(Wギャップ)
28b 端部(Lギャップ)
30a1 第1の凹部
30a2 第2の凹部
30b1 第3の凹部
30b2 第4の凹部
31a 開口部
31b1、 31b2 角部
32 外部電極
32a 第1の外部電極
32b 第2の外部電極
34 下地電極層
34a 第1の下地電極層
34b 第2の下地電極層
36 めっき層
36a 第1のめっき層
36b 第2のめっき層
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (2)

  1. 積層された複数の誘電体層を含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、
    前記誘電体層上に配置され、前記第1の端面に露出する第1の内部電極層と、
    前記誘電体層上に配置され、前記第2の端面に露出する第2の内部電極層と、
    前記第1の内部電極層に接続され、前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の内部電極層に接続され、前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    を有する積層セラミックコンデンサにおいて、
    前記積層体は、前記複数の内部電極層が対向する内層部と、前記第1の側面側に位置し、前記第1の側面と前記第1の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、前記第2の側面側に位置し、前記第2の側面と前記第2の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、を有し、
    前記第1の内部電極層は、前記積層体の前記第1の端面に引き出される第1の引出電極部と、前記誘電体層を挟んで前記第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、を有し、
    前記第2の内部電極層は、前記積層体の前記第2の端面に引き出される第2の引出電極部と、前記誘電体層を挟んで前記第2の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、を有し、
    前記第1の引出電極部の前記第1の側面側に位置する引出電極部の端部には、前記第1の側面側外層部に跨るように前記第1の端面の面方向から前記第2の端面側に凹んだ第1の凹部が配置され、前記第1の引出電極部の前記第2の側面側に位置する引出電極部の端部には、前記第2の側面側外層部に跨るように前記第1の端面の面方向から前記第2の端面側に凹んだ第2の凹部が配置されており、
    前記第2の引出電極部の前記第1の側面側に位置する引出電極部の端部には、前記第1の側面側外層部に跨るように前記第2の端面の面方向から前記第1の端面側に凹んだ第3の凹部が配置され、前記第2の引出電極部の前記第2の側面側に位置する引出電極部の端部には、前記第2の側面側外層部に跨るように前記第2の端面の面方向から前記第1の端面側に凹んだ第4の凹部が配置されている、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の凹部は、前記積層体の積層方向に沿って、前記誘電体層を挟んで上下に積層される複数の内部電極層および前記第1の側面側外層部に連続して凹部が形成されており、
    前記第2の凹部は、前記積層体の積層方向に沿って、前記誘電体層を挟んで上下に積層される複数の内部電極層および前記第2の側面側外層部に連続して凹部が形成されており、
    前記第3の凹部は、前記積層体の積層方向に沿って、前記誘電体層を挟んで上下に積層される複数の内部電極層および前記第1の側面側外層部に連続して凹部が形成されており、
    前記第4の凹部は、前記積層体の積層方向に沿って、前記誘電体層を挟んで上下に積層される複数の内部電極および前記第2の側面側外層部に連続して凹部が形成されている、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114974885A (zh) * 2021-02-24 2022-08-30 株式会社村田制作所 层叠陶瓷电容器

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