JP2021034433A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電極の等価直列抵抗を低く抑えることができ、かつ導電性樹脂層の密着力の高い積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体12と、セラミック素体12の両端面にそれぞれ設けられた外部電極20a、20bとを備えている。外部電極24a、24bは、セラミック素体12上に配置された、焼結金属およびガラスを含む下地電極層26a、26bと、下地電極層26a、26b上に配置された、金属フィラーおよび樹脂を含む導電性樹脂層28a、28bとを有する。セラミック素体12の端面12e、12fに配置する導電性樹脂層28a、28bの最大厚みをT1とし、セラミック素体12の第1の主面12a側および第2の主面12b側、または第1の側面12c側および第2の側面12d側に配置された導電性樹脂層28a、28bの最大厚みをT2としたとき、T1/T2が2.4以上である。【選択図】図3

Description

この発明は、積層セラミック電子部品に関し、特に、内部電極が埋設されたセラミック素体と内部電極に電気的に接続されるようにセラミック素体の端面に形成された外部電極とを有する、たとえば、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックサーミスタ、積層セラミック圧電部品などの積層セラミック電子部品に関する。
従来の積層セラミック電子部品として、たとえば特許文献1に開示されているように、内部電極が埋設されたセラミック素体の表面において内部電極が露出したセラミック素体の両端面に、金属を主成分として含有する下地電極層と下地電極層の表面に形成された金属粒子を含有する導電性樹脂層と導電性樹脂層の表面に形成されためっき層とを有する外部電極を備えたものが知られている。この積層セラミック電子部品では、下地電極層およびめっき層間に導電性樹脂層が形成されているので、使用時の温度サイクルでセラミック素体にクラックが発生しにくく、基板に実装されている場合に基板のたわみに対する強度も改善することができる。
特開2015−046644号公報
しかしながら、上述の従来の積層セラミック電子部品では、導電性樹脂層が金属粒子と合成樹脂とを含むため、等価直列抵抗が高くなる傾向にある。
また、導電性樹脂層は、下地電極層(あるいはセラミック素体)との熱挙動が異なるため、導電性樹脂層の密着力が低下し、導電性樹脂層が下地電極層(あるいはセラミック素体)から剥がれやすい。
それゆえに、この発明の主たる目的は、外部電極の等価直列抵抗を低く抑えることができ、かつ、導電性樹脂層の密着力の高い積層セラミック電子部品を提供することである。
この発明にかかる積層セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層と積層された第1および第2の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含むセラミック素体と、第1の内部電極層に電気的に接続されるように、セラミック素体の第1の端面上に配置され、第1の端面から延伸して第1の主面、第2の主面、第1の側面および第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第1の外部電極と、第2の内部電極層に電気的に接続されるように、セラミック素体の第2の端面上に配置され、第2の端面から延伸して第1の主面、第2の主面、第1の側面および第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第2の外部電極と、を有する積層セラミック電子部品であって、第1の外部電極は、樹脂中に金属フィラーを分散してなる第1の導電性樹脂層を含み、第2の外部電極は、樹脂中に金属フィラーを分散してなる第2の導電性樹脂層を含み、セラミック素体の第1の端面に配置する第1の外部電極における第1の導電性樹脂層の最大厚みをT1とし、セラミック素体の第1の主面側および第2の主面側、または第1の側面側および第2の側面側に配置された第1の導電性樹脂層の最大厚みをT2としたとき、T1/T2が2.4以上であり、セラミック素体の第2の端面に配置する第2の外部電極における第2の導電性樹脂層の最大厚みをT1とし、セラミック素体の第1の主面側および第2の主面側、または第1の側面側および第2の側面側に配置された第2の導電性樹脂層の最大厚みをT2としたとき、T1/T2が2.4以上である、積層セラミック電子部品である。
積層セラミック電子部品では、厚みT1を大きくすることで、セラミック素体の両端面方向に向かう収縮応力が強くなり、導電性樹脂層に含まれる金属フィラー同士の接触面積が増加し、その結果、等価直列抵抗(ESR)が小さくなる。一方、厚みT2を大きくしすぎると、セラミック素体の長さ方向の収縮応力が強くなりすぎることから、導電性樹脂層とセラミック素体との接触部分(e寸端部付近)が剥がれやすくなる。
そのため、この発明にかかる積層セラミック電子部品では、導電性樹脂層の要部における膜厚を規定することで、つまりT1/T2が2.4以上の条件を満たすことで、外部電極におけるESRを低く抑えることができるとともに、導電性樹脂層の密着力を向上させることができる。
この発明によれば、外部電極に導電性樹脂層を用いても、外部電極の等価直列抵抗を低く抑えることができるとともに、導電性樹脂層の密着力の高い積層セラミック電子部品が得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。 図1に示す積層セラミック電子部品の線II−IIにおける断面図である。 図1に示す積層セラミック電子部品の線III−IIIにおける断面図である。 図2の断面図における拡大模式断面図である。 導電性樹脂層を形成する際に、セラミック積層体をペースト槽から引き上げた結果、セラミック積層体に導電性樹脂ペーストが塗布された状態を示す模式図であり、(a)は比較的速く引き上げた状態を示す図であり、(b)は比較的ゆっくり引き上げた状態を示す図である。 T1/T2とESRとの関係を示すグラフである。
1.積層セラミック電子部品
この発明の積層セラミック電子部品について説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の一例を示す外観斜視図である。図2は、図1に示す積層セラミック電子部品の線II−IIにおける断面図である。図3は、図1に示す積層セラミック電子部品の線III−IIIにおける断面図である。図4は、図2の断面図における拡大模式断面図である。
以下、積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサを例にして説明する。
積層セラミックコンデンサ10は、直方体状のセラミック素体12と2つの外部電極24とを有している。
(1)セラミック素体
セラミック素体12は、積層された複数のセラミック層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、セラミック素体12は、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、積層方向x(第1の主面12aと第2の主面12bとを結ぶ方向)に直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、積層方向xおよび幅方向y(第1の側面12cと第2の側面12dとを結ぶ方向)に直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。セラミック素体12の寸法は、特に限定されない。ただし、セラミック素体12は、長さ方向zの寸法が幅方向yの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。
セラミック素体12および2つの外部電極24を含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とする。積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とする。積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
セラミック素体12には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、セラミック素体12の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、セラミック素体12の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、並びに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
(a)セラミック層
セラミック素体12は、複数枚のセラミック層14から構成される外層部15aと単数もしくは複数枚のセラミック層14とそれらの上に配置される複数枚の内部電極層16から構成される内層部15bとを含む。外層部15aは、セラミック素体12の第1の主面12a側および第2の主面12b側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する複数枚のセラミック層14、および第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層16との間に位置する複数枚のセラミック層14の集合体である。そして、両外層部15aに挟まれた領域が内層部15bである。外層部15aの厚みは、15μm以上400μm以下であることが好ましい。
セラミック層14の枚数は、外層も含み、10枚以上2000枚以下であることが好ましい。
セラミック層14は、たとえば、誘電体材料により形成することができる。誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などの主成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主主成分として含む場合、所望するセラミック素体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物またはNi化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
焼成後のセラミック層14の厚みは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
(b)内部電極層
セラミック素体12は、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、セラミック素体12の積層方向xに沿ってセラミック層14を挟んで等間隔に交互に積層されるように埋設されている。
第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bに対向する第1の対向電極部18aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し、第1の対向電極部18aからセラミック素体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部20aを有する。第1の引出電極部20aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aに対向する第2の対向電極部18bと、第2の内部電極層16bの一端側に位置し、第2の対向電極部18bからセラミック素体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部20bを有する。第2の引出電極部20bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
セラミック素体12は、第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間、および、第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成されるセラミック素体12の側部(以下、「Wギャップ」という。)22aを含む。さらに、セラミック素体12は、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間、および、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成されるセラミック素体12の端部(以下、「Lギャップ」という。)22bを含む。
内部電極層16は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、AuまたはAg−Pd合金などから選択される少なくとも一つを含む導電材料により構成することができる。内部電極層16は、さらにセラミック層14に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層16の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。また、内部電極層16の枚数は、15枚以上200枚以下であることが好ましい。
(2)外部電極
セラミック素体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極24が配置される。外部電極24は、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、セラミック素体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極24aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aと電気的に接続される。
第2の外部電極24bは、セラミック素体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極24bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bと電気的に接続される。
セラミック素体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bとが、セラミック層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極24aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極24bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bはそれぞれ、内部電極層16に接続された下地電極層26と、下地電極層26の上に積層された導電性樹脂層28と、導電性樹脂層28の上に積層された金属めっき層30とを含む。
(a)下地電極層
下地電極層26は、第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bを有する。 第1の下地電極層26aは、セラミック素体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
また、第2の下地電極層26bは、セラミック素体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aおよび第2の主面12bおよび第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
下地電極層26の第1の主面12a上および第2の主面12b上、並びに、第1の側面12c上および第2の側面12d上に位置する外部電極24の厚みは、一般に、第1の端面12eおよび第2の端面12f上に位置する下地電極層26の厚みより小さくなり易く、5μm以上20μm以下であることが好ましい。
なお、下地電極層26を設けずに、めっき層だけで外部電極24を形成してもよい。以下、下地電極層を設けずに、めっき層を設ける構造について説明する。
第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bのそれぞれは、下地電極層が設けられず、めっき層がセラミック素体12の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、積層セラミックコンデンサ10は、第1の内部電極層16aまたは第2の内部電極層16bに電気的に接続されるめっき層を含む構造であってもよい。このような場合、前処理としてセラミック素体12の表面に触媒を配設した後で、めっき層が形成されてもよい。
めっき層は、セラミック素体12の表面に形成される下層めっき電極と、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極とを含むことが好ましい。
下層めっき電極および上層めっき電極はそれぞれ、たとえば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、BiまたはZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
下層めっき電極は、はんだバリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、はんだ濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。また、たとえば、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき電極は、必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bはそれぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。
めっき層は、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
下地電極層を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層の単位体積あたりの金属割合は、99vol%以上が好ましい。
(b)導電性樹脂層
導電性樹脂層28は、第1の導電性樹脂層28aおよび第2の導電性樹脂層28bを有する。
第1の導電性樹脂層28aは、第1の下地電極層26aの上に配置される。具体的には、第1の導電性樹脂層28aは、第1の端面12e上に位置する第1の下地電極層26aの上、並びに、第1の主面12a上および第2の主面12b上および第1の側面12c上および第2の側面12d上に位置する第1の下地電極層26aの上に配置されている。
同様に、第2の導電性樹脂層28bは、第2の下地電極層26bの上に配置される。具体的には、第2の導電性樹脂層28bは、第2の端面12f上に位置する第2の下地電極層26bの上、並びに、第1の主面12a上および第2の主面12b上および第1の側面12c上および第2の側面12d上に位置する第2の下地電極層26bの上に配置されている。
導電性樹脂層28の厚みは、例えば、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
導電性樹脂層28は、熱硬化性樹脂および金属粉(導電性フィラー)を含む。従って、導電性樹脂層28は、熱硬化性樹脂を含むため、例えば、下地電極層26や金属めっき層30よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサ10に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層28が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサ10のクラックを防止することができる。
導電性樹脂層28に含まれる樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂またはポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性および耐湿性および密着性などに優れたエポキシ樹脂は最も適切な樹脂の一つである。導電性樹脂層28には、熱硬化性樹脂と共に、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としては、ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、フェノール系、アミン系、酸無水物系またはイミダゾール系などの公知の種々の化合物を使用することができる。
導電性樹脂層28に含まれる金属粉としては、Ag粉、Cu粉またはそれらの合金粉を使用することができる。また、金属粒子の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粒子の表面にAgコーティングされたものを使用する際には、金属粒子としてCuまたはNiを用いることが好ましい。また、Cuに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。Agコーティングされた金属粒子を用いる理由は、Agの特性は保ちつつ、母材の金属粒子を安価なものにすることが可能になるためである。
導電性樹脂層28に含まれる金属粉(導電性フィラー)の形状は、特に限定されない。金属粉は、球状金属粉または扁平状金属粉であってもよいが、球状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いることが好ましい。金属粉の平均粒径は、例えば、0.3μm以上10.0μm以下であってもよいが、特に限定されない。金属粉は、主に、導電性樹脂層28の通電性を担う。具体的には、金属粉同士の直接接触および/またはトンネル効果などの導電性接着材の導電機構により、導電性樹脂層28の内部に通電経路が形成される。導電性樹脂層28の先端は、下地電極層26の先端から50μm以上800μm以下延びて形成されていることが好ましい。これにより、熱衝撃サイクル時の応力を減少させるための導電性樹脂層28の面積を十分に取ることができ、半田クラック緩和効果を得ることができる。
ここで、図3に示すように、セラミック素体12の第1の端面12eに配置する第1の外部電極24aにおける第1の導電性樹脂層28aの最大厚みをT1とする。また、セラミック素体12の第1の主面12aまたは第2の主面12bから積層方向xの第1の導電性樹脂層28aの最大厚さをt1とし、セラミック素体12の主面12aまたは主面12bから積層方向xの第1の下地電極層26aの最大厚さをt2とする。そして、厚みt1と厚みt2との差を、セラミック素体12の第1の主面12a側または第2の主面12b側に配置された第1の導電性樹脂層28aの最大厚みをT2とする。このとき、T1/T2は、2.4以上16.0以下である。また、T1/T2は2.7以上であることが好ましい。
同様に、セラミック素体12の第2の端面12fに配置する第2の外部電極24bにおける第2の導電性樹脂層28bの最大厚みをT1とする。また、セラミック素体12の第1の主面12aまたは第2の主面12bから積層方向xの第2の導電性樹脂層28bの最大厚さをt1とし、セラミック素体12の第1の主面12aまたは第2の主面12bから積層方向xの第2の下地電極層26bの最大厚さをt2とする。そして、厚みt1と厚みt2との差を、セラミック素体12の第1の主面12a側または第2の主面12b側に配置された第2の導電性樹脂層28bの最大厚みをT2とする。このとき、T1/T2は、2.4以上16.0以下である。また、T1/T2は2.7以上であることが好ましい。
あるいは、セラミック素体12の第1の端面12eに配置する第1の外部電極24aにおける第1の導電性樹脂層28aの最大厚みをT1とする。また、セラミック素体12の第1の側面12cまたは第2の側面12dから幅方向yの第1の導電性樹脂層28aの最大厚さをt1とし、セラミック素体12の第1の側面12cまたは第2の側面12dから幅方向yの第1の下地電極層26aの最大厚さをt2とする。そして、厚みt1と厚みt2との差を、セラミック素体12の第1の側面12c側または第2の側面12d側に配置された第1の導電性樹脂層28aの最大厚みをT2とする。このとき、T1/T2は、2.4以上16.0以下である。また、T1/T2は2.7以上であることが好ましい。
同様に、セラミック素体12の第2の端面12fに配置する第2の外部電極24bにおける第2の導電性樹脂層24bの最大厚みをT1とする。また、セラミック素体12の第1の側面12cまたは第2の側面12dから幅方向yの第2の導電性樹脂層28bの最大厚さをt1とし、セラミック素体12の第1の側面12cまたは第2の側面12dから幅方向yの第2の下地電極層26bの最大厚さをt2とする。そして、厚みt1と厚みt2との差を、セラミック素体12の第1の側面12c側または第2の側面12d側に配置された第2の導電性樹脂層28bの最大厚みをT2とする。このとき、T1/T2は、2.4以上16.0以下である。また、T1/T2は2.7以上であることが好ましい。
たとえば、このように観察される積層セラミックコンデンサ10の断面は、積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zおよび積層方向xからなる面であり、積層セラミックコンデンサ10を樹脂で固め、積層セラミックコンデンサ10の幅方向yにおける中央部分まで第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16b、ならびに第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む部分で研磨することによって露出させた断面を用いる。また、研磨ダレなどが生じないように、断面に表面処理を行い、SEMを用いて、たとえば倍率1000倍で第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bの断面を観察する。
(c)金属めっき層
金属めっき層30は、第1の金属めっき層30aおよび第2の金属めっき層30bを含む。
第1の金属めっき層30aは、第1の導電性樹脂層28aの上に配置されている。より具体的には、第1の金属めっき層30aは、第1の端面12e上に位置する第1の導電性樹脂層28aの上、第1の主面12aおよび第2の主面12bならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの上に位置する第1の導電性樹脂層28aの上に配置される。
第2の金属めっき層30bは、第2の導電性樹脂層28bの上に配置されている。より具体的には、第2の金属めっき層30bは、第2の端面12f上に位置する第2の導電性樹脂層28bの上、第1の主面12aおよび第2の主面12bならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの上に位置する第2の導電性樹脂層28bの上に配置される。
第1の金属めっき層30aおよび第2の金属めっき層30bの材料としては、例えばCu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金もしくはAuなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含む。好ましくは、第1の金属めっき層30aは、第1のNiめっき層32aと第1のSnめっき層34aとの2層構造である。第2の金属めっき層30bは、第2のNiめっき層32bと第2のSnめっき層34bとの2層構造である。Niめっき層30は、下地電極層26が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって浸食されることを防止することができる。Snめっき層34は、積層セラミックコンデンサ10を実装する際の半田の濡れ性を向上させ、積層セラミックコンデンサ10の実装を容易にする。めっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
セラミック素体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とする。セラミック素体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とする。セラミック素体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、たとえば、長さ方向zのL寸法が1.0mm以上3.2mm以下、幅方向yのW寸法が0.5mm以上2.5mm以下、積層方向xのT寸法が0.5mm以上2.5mm以下である。
また、この積層セラミックコンデンサ10では、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bは、層状であり、セラミック素体12の第1の主面12aおよび第2の主面12b同士を結ぶ方向に積層されている。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10において、セラミック素体12の第1の端面12eに配置する第1の外部電極24aにおける第1の導電性樹脂層28aの最大厚みをT1とし、セラミック素体12の第1の主面12a側または第2の主面12b側に配置された第1の導電性樹脂層28aの最大厚みをT2としたとき、そして、セラミック素体12の第2の端面12fに配置する第2の外部電極24bにおける第2の導電性樹脂層28bの最大厚みをT1とし、セラミック素体12の第1の主面12a側または第2の主面12b側に配置された第1の導電性樹脂層28aの最大厚みをT2としたとき、厚みT1を大きくすることで、セラミック素体12の両端面方向に向かう収縮応力が強くなり、第1の導電性樹脂層28aおよび第2の導電性樹脂層28bに含まれる金属フィラー同士の接触面積が増加し、その結果、ESRが小さくなる。一方、厚みT2を大きくしすぎると、セラミック素体12の長さ方向zの収縮応力が強くなりすぎることから、第1の導電性樹脂層28aとセラミック素体12との接触部分(e寸端部36付近)、および第2の導電性樹脂層28bとセラミック素体12との接触部分(e寸端部36付近)が剥がれやすくなる。
そこで、この積層セラミックコンデンサ10では、T1/T2が2.4以上16.0以下の条件を満たすので、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bにおけるESRを低く抑えることができるとともに、第1の導電性樹脂層28aと第1の下地電極層26aとの密着力、および第2の導電性樹脂層28bと第2の下地電極層26bとの密着力を向上させることができる。
また、この積層セラミックコンデンサ10では、T1/T2が2.7以上16.0以下の条件を満たすと、ESRをより低く抑えることができるとともに、第1の導電性樹脂層28aと第1の下地電極層26aとの密着力、および第2の導電性樹脂層28bと第2の下地電極層26bとの密着力をより向上させることができる。
さらに、この積層セラミックコンデンンサ10では、第1の導電性樹脂層28aとセラミック素体12との間に、焼結金属からなる第1の下地電極層26aが配置され、第2の導電性樹脂層28bとセラミック素体12との間に、焼結金属からなる第2の下地電極層26bが配置されるので、セラミック12と第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bのそれぞれとの密着性、ならびに第1の下地電極層26aと第1の導電性樹脂層28aとの密着性、および第2の下地電極層26bと第2の導電性樹脂層28bとの密着性が良好であることから、積層セラミックコンデンサ10の信頼性を向上させることができる。
また、この積層セラミックコンデンサ10では、第1の導電性樹脂層28aおよび第2の導電性樹脂層28bの金属粒子がCuまたはAgを含むので、第1の導電性樹脂層28aおよび第2の導電性樹脂層28bにおいて良好な導電性が確保される。
さらに、この積層セラミックコンデンサ10では、第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bがCuを含むので、第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bにおいて良好な導電性が確保される。
また、この積層セラミックコンデンサ10では、金属めっき層30がNiめっき層32を含むので、Niめっき層32によって金属めっき層30よりも内部の水分などを閉じ込めることができ、たとえばリフローによる実装時に、金属めっき層30よりも内部の水分などがはんだとともに外部に爆ぜるはんだ爆ぜが防止される。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、上述の積層セラミックコンデンサ10を製造する方法の一例について説明する。
まず、セラミック素体12(セラミック層14)を構成するためのセラミック材料を含むセラミックグリーンシートを用意する。
次に、そのセラミックグリーンシートの上に、導電性ペーストを塗布することによって、導電パターンを形成する。なお、導電性ペーストの塗布は、たとえば、スクリーン印刷法などの各種印刷法によって行うことができる。導電性ペーストは、導電性微粒子の他に、公知のバインダーや溶剤を含んでいてもよい。
そして、導電パターンが形成されていない複数枚のセラミックグリーンシートと、第1または第2の内部電極層に対応した形状の導電パターンが形成されているセラミックグリーンシートと、導電パターンが形成されていない複数枚のセラミックグリーンシートとをこの順番で積層し、積層方向にプレスすることによって、マザー積層体を作製する。
それから、マザー積層体の上の仮想のカットラインに沿ってマザー積層体をカッティングすることによって、マザー積層体から複数の生のセラミック積層体を作製する。なお、マザー積層体のカッティングは、ダイシングや押切によって行うことができる。生のセラミック積層体に対しては、バレル研磨などを施し、稜線部や角部を丸めてもよい。
そして、生のセラミック積層体の焼成を行う。この焼成工程において、第1および第2の内部電極層が焼成される。焼成温度は、使用するセラミック材料や導電性ペーストの種類により適宜設定することができる。焼成温度は、たとえば、900℃以上1300℃以下とすることができる。
それから、ディッピングなどの方法によって、焼成後のセラミック積層体(セラミック素体)の両端部に導電性ペーストを塗布する。
次に、セラミック積層体に塗布した導電性ペーストをたとえば60℃以上180℃以下の中で10分間熱風乾燥する。
その後、乾燥した導電性ペーストを焼き付けて下地電極層を形成する。
なお、下地電極層は、めっき処理によりめっき層として形成されてもよい。
すなわち、セラミック素体12の第1の端面12eおよび第2の端面12fにめっき処理を施し、内部電極層16a、16bの露出部上に下地めっき電極を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき電極の表面に上層めっき電極を同様に形成してもよい。
そして、下地電極層の表面に、導電性樹脂層の金属粒子となるCuまたはAgの金属フィラーと熱硬化性樹脂との混合物を加熱して硬化することによって、導電性樹脂層を形成する。
ここで、下地電極層の表面に導電性樹脂層を形成する場合、導電性樹脂ペーストを塗布することによって行われる。具体的には、次のように行われる。
まず、図5に示すように、下地電極層の形成されたセラミック積層体12’は、保持具40の一方主面に配置された粘着層42により保持される。そして、ペースト槽44に満たされた導電性樹脂ペースト46にディップすることにより下地電極層上に導電性樹脂層が形成される。なお、導電性樹脂層の厚みT1および厚みT2のそれぞれの厚さの寸法は、下地電極層の形成されたセラミック積層体12’の引き上げ速度により調整することができる。
すなわち、図5(a)に示すように、下地電極層の形成されたセラミック積層体12’を速く引き上げた場合(引き上げ速度V1)、セラミック積層体12’の両主面および両側面において導電性樹脂ペースト46が厚く配置され、端面において導電性樹脂ペースト46が薄く配置される。
一方、図5(b)に示すように、下地電極層の形成されたセラミック積層体12’をゆっくり引き上げた場合(引き上げ速度V2)、すなわち、V1>V2とした場合、導電性樹脂ペースト46が、セラミック積層体12’の両主面および両側面から端面に向かって垂れるように配置されるので、セラミック積層体12’の両主面および両側面において導電性樹脂ペースト46が薄く配置され、端面において導電性樹脂ペースト46が厚く配置される。
また、ペースト槽44に満たされた導電性樹脂ペースト46の深さ(キャスティング厚)Cが比較的大きいと、厚みT1を増加させるように調整することができる。
それから、導電性樹脂層上に電解めっきによりめっき層(Niめっき層およびSnめっき層)を施すことによって、積層セラミックコンデンサ10が製造される。
3.実験例
本発明の積層セラミックコンデンサの効果を確認するため、T1/T2を変化させた試料を作成し、各試料のESRを測定した。
各試料は、次のように製造した。
(1)まず、内部電極層を備えたセラミック素体を用意した。セラミック素体は、例えば、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを積層、圧着することにより形成される積層体を、所定の条件で脱脂、焼成することにより作製した。
この実験例では、セラミック素体として、以下の条件を備えたセラミック素体を用意した。
(a)寸法 :長さ1.6mm、幅0.8mm、厚さ0.8mm、
(b)定格電圧:50V、
(c)静電容量:0.1μF、
(2)それから、セラミック素体の端面に、Cu粉末を導電成分とし、これにバインダーなどを配合して混練することにより調製された導電性ペースト(Cu電極ペースト)を塗布して焼き付けることにより、下地電極層を形成した。
(3)次に、下地電極層上に、下記の導電性樹脂ペーストをディップにより塗布し、180℃以上230℃以下、10min以上60min以下の条件で導電性樹脂ペーストを硬化させ、導電性樹脂層を形成した。
表1に示すように、各試料番号にかかる積層セラミックコンデンサの試料は、セラミック積層体をペースト槽から引き上げる速度を調整することにより、外部電極における導電性樹脂層の厚みT1と厚みT2とを変化させた。
ここで、導電性樹脂ペーストとしては、
(a)エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 :10質量%
(b)フェノール系硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂 :1質量%
(c)導電成分(AgコートCu粉末+Ag粉末) :69質量%
(d)硬化促進剤(イミダゾール化合物) :適量
(e)カップリング剤(シラン系カップリング剤) :適量
(f)溶剤:ジエチレングリコールモノブチルエーテル :残
を配合して混練したものを用いた。
ただし、導電成分としては、下記のAgコートCu粉末と、Ag粉末を配合して用いた。
<AgコートCu粉末>
球状で、平均粒径D50が3μm以上4μm以下であり、AgとCuの合計量に対するAgの割合が20.9質量%であるAgコートCu粉末を用いた。
<Ag粉末>
フレーク状で、平均粒径D50が2.6μmのAg粉末を用いた。
(4)上述のようにして下地電極層と、導電性樹脂層とを形成したセラミック素体に、NiめっきおよびSnめっきを行い、導電性樹脂層の表面に、Niめっき層およびSnめっき層を備えた金属めっき層を形成した。これにより、図1に示すような構造を有する、表1の試料番号1ないし試料番号6の積層セラミックコンデンサ(積層セラミック電子部品)を得た。
なお、表1において試料番号に*を付した試料(試料番号5)は本発明の要件を満たさない試料である。
(5)特性の評価
上述のようにして外部電極を形成した表1の試料番号1ないし試料番号6の積層セラミックコンデンサの試料について、ESR(等価直列抵抗)を測定した。
ESRの測定は、各試料を測定用基板に実装し、測定電圧500mV、測定周波数を10MHzとし、ネットワークアナライザ(E5071C)を用いて測定した。
なお、厚みT1および厚みT2の各寸法は、各試料番号について5個の平均値とし、一方の外部電極における寸法である。ここで、厚みT1は、セラミック素体の第1の端面に配置する第1の外部電極における第1の導電性樹脂層の最大厚みとし、厚みT2は、セラミック素体の第2の主面側に配置された第1の導電性樹脂層の最大厚みとした。
また、ESRを測定した試料数は、各試料番号について20個とした。
表1に、各試料番号における厚みT1および厚みT2の寸法の測定結果、およびESRの測定結果を示し、図6に、測定結果を、各試料におけるESRの最大値と最小値をグラフ化した図を示す。
Figure 2021034433
表1および図6によれば、T1/T2が、2.4以上である試料番号1ないし試料番号4および試料番号6の試料では、ESRが比較的低く、また、ESRの測定値のばらつきも小さい範囲である。したがって、T1/T2が2.4以上である試料番号1ないし試料番号4および試料番号6の試料は、試料番号5の試料に比べて、ESRをばらつくことなく低く抑えることができることが明らかとなった。また、T1/T2が、2.7以上の場合は、特に、ESRがより低く抑えられることが明らかとなった。これは、T1/T2が2.7以上であるので、厚みT1を大きくすることで、セラミック素体の両端面方向に向かう収縮応力が強くなり、導電性樹脂層に含まれる金属フィラー同士の接触面積が増加したため、その結果、ESRが小さくなったものと考えられる。
一方、試料番号5の試料では、ESRが20個の平均値として、19.4mΩであり、最大値が24.4mΩであり、最小値が17.3mΩと、ESRの測定値のばらつきが大きかった。これは、T1/T2が2.4より小さく、厚みT1が他の試料番号の試料と比較して小さいため、セラミック素体の両端面方向に向かう収縮応力が弱まったため、導電性樹脂層に含まれる金属フィラー同士の接触面積が減少したことから、その結果、ESRが大きくなり、さらに、そのばらつきも大きくなったものと考えられる。
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
すなわち、上述の実施の形態および実施例では、外部電極がセラミック素体の側面にも形成されているが、外部電極は、セラミック素体の側面には形成されなくてもよい。外部電極は、セラミック素体の端面および少なくとも第1の主面または第2の主面に形成されていればよい。このように積層セラミック電子部品の外部電極を形成すれば、外部電極を形成した第1の主面または第2の主面を実装面として積層セラミック電子部品を実装しやすい。
また、上述の実施の形態および実施例では、めっき層がNiめっき層およびSnめっき層で構成されているが、めっき層は、1層のめっき層または3層以上のめっき層で構成されてもよい。
さらに、上述の実施の形態および実施例では、セラミック素体の材料として誘電体セラミックを用いたが、この発明では、積層セラミック電子部品の種類によっては、セラミック素体の材料として、フェライトなどの磁性体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミック、PZT系セラミックなどの圧電体セラミックを用いることもできる。
積層セラミック電子部品は、セラミック素体として、磁性体セラミックを用いた場合は積層セラミックインダクタとして機能し、半導体セラミックを用いた場合は積層セラミックサーミスタとして機能し、圧電体セラミックを用いた場合は積層セラミック圧電部品として機能する。ただし、積層セラミック電子部品を積層セラミックインダクタとして機能させる場合には、内部電極層はコイル状の導体となる。
上述の実施の形態および実施例では、特定の構成を有する積層セラミックコンデンサを例にして説明したが、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの構成は、特許請求の範囲によって規定される構成の範囲内で任意に変更されてもよい。
この発明にかかる積層セラミック電子部品は、特にたとえば、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックサーミスタ、積層セラミック圧電部品などとして好適に用いられる。
10 積層セラミックコンデンサ
12 セラミック素体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 セラミック層
15a 外層部
15b 内層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26 下地電極層
26a 第1の下地電極層
26b 第2の下地電極層
28 導電性樹脂層
28a 第1の導電性樹脂層
28b 第2の導電性樹脂層
30 金属めっき層
30a 第1の金属めっき層
30b 第2の金属めっき層
32 Niめっき層
32a 第1のNiめっき層
32b 第2のNiめっき層
34 Snめっき層
34a 第1のSnめっき層
34b 第2のSnめっき層
36 e寸端部
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (4)

  1. 積層された複数のセラミック層と積層された第1および第2の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含むセラミック素体と、
    前記第1の内部電極層に電気的に接続されるように、前記セラミック素体の前記第1の端面上に配置され、前記第1の端面から延伸して前記第1の主面、前記第2の主面、前記第1の側面および前記第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第1の外部電極と、
    前記第2の内部電極層に電気的に接続されるように、前記セラミック素体の前記第2の端面上に配置され、前記第2の端面から延伸して前記第1の主面、前記第2の主面、前記第1の側面および前記第2の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成された第2の外部電極と、
    を有する積層セラミック電子部品であって、
    前記第1の外部電極は、樹脂中に金属フィラーを分散してなる第1の導電性樹脂層を含み、
    前記第2の外部電極は、樹脂中に金属フィラーを分散してなる第2の導電性樹脂層を含み、
    前記セラミック素体の前記第1の端面に配置する前記第1の外部電極における前記第1の導電性樹脂層の最大厚みをT1とし、前記セラミック素体の前記第1の主面側および前記第2の主面側、または前記第1の側面側および前記第2の側面側に配置された前記第1の導電性樹脂層の最大厚みをT2としたとき、T1/T2が2.4以上であり、
    前記セラミック素体の前記第2の端面に配置する前記第2の外部電極における前記第2の導電性樹脂層の最大厚みをT1とし、前記セラミック素体の前記第1の主面側および前記第2の主面側、または前記第1の側面側および前記第2の側面側に配置された前記第2の導電性樹脂層の最大厚みをT2としたとき、T1/T2が2.4以上である、積層セラミック電子部品。
  2. 前記T1/T2が2.7以上である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記第1の導電性樹脂層と前記セラミック素体との間に、焼結金属を含む第1の下地電極層が配置され、
    前記第2の導電性樹脂層と前記セラミック素体との間に、焼結金属を含む第2の下地電極層が配置される、請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記第1の導電性樹脂層の表面に、めっき金属を含む第1のめっき層が配置され、
    前記第2の導電性樹脂層の表面に、めっき金属を含む第2のめっき層が配置される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
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