JP2022020998A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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Naotaka Hasegawa
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Abstract

【課題】積層セラミック電子部品の応力に対する強度と製造コストとが両立する積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12とその両端面に配置される外部電極24とを含む。積層体12は、内層部15aと内層部15aの第1の主面側に位置する第1の主面側外層部15b1と、内層部15bの第2の主面側に位置する第2の主面側外層部15b2と、を有する。第1の主面側外層部15b1には、第1の端面12e側に位置する第1の補強層30aと、第2の端面12f側に位置する第2の補強層30bと、を有する。第2の主面側外層部15b2には、第1の端面側に位置する第3の補強層部30cと、第2の端面側に位置する第4の補強層30dと、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、積層セラミック電子部品に関する。
一般に、積層セラミック電子部品は、内部電極層と誘電体層とが交互に積層された積層体と、積層体の外表面に設けられた外部電極とを備えており、例えば、積層セラミックコンデンサの場合であれば、誘電体層がセラミック誘電体材料によって構成されている(例えば、特許文献1)。
このような構造では、例えば、携帯電話、携帯音楽プレーヤーなどのモバイル機器に上記の積層セラミック電子部品が搭載される場合、落下時の衝撃などによる応力により場合によっては積層体にクラックが伸展してしまうことが考えられる。
このような課題に対し、例えば、特許文献2のように無効層中にすべて同位置に同じ長さで補強層を設け、応力に対する強度を向上させる技術が知られている。
特開平8-306580号公報 特開2002-75780号公報
しかしながら、特許文献2に記載されるように無効層中にすべて同位置に同じ長さで補強層を設けた場合、その範囲や長さによっては機械強度と引き換えに、内部電極ペーストの使用量が増加してしまうため、製造コストがアップしてしまうことが考えられる。
したがって、この発明の主たる目的は、積層セラミック電子部品の応力に対する強度と製造コストとの両立を図りうる積層セラミック電子部品を提供することである。
本発明に係るセラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、を含む積層体と、複数のセラミック層上に配置され、第1の端面に露出する第1の内部電極層と、複数のセラミック層上に配置され、第2の端面に露出する第2の内部電極層と、前記第1の内部電極層に接続され、第1の端面上及び第1の主面の一部、第2の主面の一部、並びに第1の側面の一部、第2の側面の一部に配置される第1の外部電極と、第2の内部電極層に接続され、第2の端面上及び第1の主面の一部、第2の主面の一部、並びに第1の側面の一部、第2の側面の一部に配置される第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサにおいて、積層体は、複数の内部電極が対向する内層部と、第1の主面側に位置し、第1の主面と第1の主面側の内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数のセラミック層から形成される第1の主面側外層部と、第2の主面側に位置し、第2の主面と第2の主面側の内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数のセラミック層から形成される第2の主面側外層部と、を有し、第1の主面側外層部には、第1の端面側に位置する複数の第1の補強層と、第2の端面側に位置する複数の第2の補強層と、を有し、第2の主面側外層部には、第1の端面側に位置する複数の第3の補強層と、第2の端面側に位置する複数の第4の補強層と、を有し、最も第1の主面側に位置する第1の補強層は、第1の主面上に位置する第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第1の補強層は内層部に向かうにつれ、第1の端面側にずれて延びるように配置され、最も第1の主面側に位置する第2の補強層は、第1の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第2の補強層は内層部に向かうにつれ、第2の端面側にずれて延びるように配置され、最も第2の主面側に位置する第3の補強層は、第2の主面上に位置する第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第3の補強層は内層部に向かうにつれ、第1の端面側にずれて延びるように配置され、最も第2の主面側に位置する第4の補強層は、前記第2の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第4の補強層は内層部に向かうにつれ、第2の端面側にずれて延びるように配置され、複数の第1の補強層のすべてが、第1の主面上に位置する第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、複数の第2の補強層のすべてが、第1の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、複数の第3の補強層のすべてが、第2の主面上に位置する第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、複数の第4の補強層のすべてが、第2の主面上に位置する第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、複数の第1の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置され、複数の第2の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置され、複数の第3の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置され、複数の前記第4の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置される、積層セラミック電子部品であることを特徴とする。
本発明の上記構造とすることにより、一般的にクラックが伸展しやすい領域のみにおいて補強層を設けているため、積層セラミック電子部品の応力に対する強度を確保しつつも、補強層を形成するための材料費である製造コストを抑制することが可能となる。
この発明によれば、積層セラミック電子部品の応力に対する強度と製造コストとの両立を図りうる積層セラミック電子部品を提供することができる。
この発明の上記の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図である。 図1に係る線II-IIにおける断面図である。 図1に係る線III-IIIにおける断面図である。 この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの積層体の分解模式図である。
以下、この発明の実施の形態にかかる積層セラミック電子部品の例として積層セラミックコンデンサについて説明する。
1.積層セラミックコンデンサ
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10について説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図である。図2は、図1に係る線II-IIにおける断面図であり、図3は、図1に係る線III-IIIにおける断面図である。図4は、積層セラミックコンデンサの積層体の分解 模式図である。
積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12と外部電極24とを有する。以下、積層体12、外部電極24の順に、各構成を説明する。
(積層体)
積層体12は、積層された複数のセラミック層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、積層体12は、高さ方向xに相対する第1の主面12a及び第2の主面12bと、高さ方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12c及び第2の側面12dと、高さ方向x及び幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12e及び第2の端面12fとを含む。この積層体12には、角部及び稜線部に丸みがつけられている。なお、角部とは、積層体12の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体12の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12a及び第2の主面12b、第1の側面12c及び第2の側面12d、並びに第1の端面12e及び第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体12は、図1ないし図3に示すように、第1の主面12a及び第2の主面12b同士を結ぶ高さ方向xにおいて、複数の内部電極層16が対向する内層部15aと、第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12a側に位置する内部電極層16の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数のセラミック層14から形成される第1の主面側外層部15b1と、第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと最も第2の主面12b側に位置する内部電極層16の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数のセラミック層14から形成される第2の主面側外層部15b2と、を有している。
(補強層)
第1の主面側外層部15b1は、積層体12の第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する複数のセラミック層14との間に位置する複数のセラミック層14の集合体である。また第1の主面側外層部15b1は、第1の端面12e側に位置する複数の第1の補強層30aと、第2の端面12f側に位置する複数の第2の補強層30bと、を有する。
第2の主面側外層部15b2は、積層体12の第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層16との間に位置する複数のセラミック層14との間に位置する複数のセラミック層14の集合体である。また第2の主面側外層部15b2は、第1の端面12e側に位置する複数の第3の補強層30cと、第2の端面12f側に位置する複数の第4の補強層30dと、を有する。
第1の補強層30a、第2の補強層30b、第3の補強層30c、及び第4の補強層30dは、内部電極層16と同様に、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag-Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
第1の補強層30a、第2の補強層30b、第3の補強層30c、及び第4の補強層30dのそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下程度であることが好ましい。
第1の補強層30a、第2の補強層30b、第3の補強層30c、及び第4の補強層30dの枚数は、2枚以上であることが好ましい。
最も第1の主面12a側に位置する第1の補強層30aは、第1の主面12a上に位置する第1の外部電極24aの先端を長さ方向zに跨るように位置され、その他の第1の補強層30aは内層部15aに向かうにつれ、第1の端面12e側にずれて延びるように配置される。なお、このずれ量は、特に限定されない。複数の第1の補強層30aの配置されるそれぞれのずれ量は、第1の主面12a上に位置する第1の外部電極24aの先端と、第1の端面12eに位置する最も第1の主面12a側の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの端部とを結ぶ直線l1に沿って、第1の補強層30aが配置されるように設定されていればよい。
最も第1の主面12a側に位置する第2の補強層30bは、第1の主面12a上に位置する第2の外部電極24bの先端が長さ方向zに跨るように位置され、その他の第2の補強層30bは内層部15aに向かうにつれ、第2の端面12f側にずれて延びるように配置される。なお、このずれ量は、特に限定されない。複数の第2の補強層30bの配置されるそれぞれのずれ量は、第1の主面12a上に位置する第2の外部電極24bの先端と、第2の端面12fに位置する最も第1の主面12a側の第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの端部とを結ぶ直線l2に沿って、第2の補強層30bが配置されるように設定されていればよい。
最も第2の主面12b側に位置する第3の補強層30cは、第2の主面12b上に位置する第1の外部電極24aの先端が長さ方向zに跨るように位置され、その他の第3の補強層30cは内層部15aに向かうにつれ、第1の端面12e側にずれて延びるように配置される。なお、このずれ量は、特に限定されない。複数の第3の補強層30cの配置されるそれぞれのずれ量は、第2の主面12b上に位置する第1の外部電極24aの先端と、第1の端面12eに位置する最も第2の主面12b側の第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの端部とを結ぶ直線l3に沿って、第3の補強層30cが配置されるように設定されていればよい。
最も第2の主面12b側に位置する第4の補強層30dは、第2の主面12b上に位置する第2の外部電極24bの先端が長さ方向zに跨るように位置され、その他の第4の補強層30dは内層部15aに向かうにつれ、第2の端面12f側にずれて延びるように配置される。なお、このずれ量は、特に限定されない。複数の第4の補強層30dの配置されるそれぞれのずれ量は、第2の主面12b上に位置する第2の外部電極24bの先端と、第2の端面12fに位置する最も第2の主面12b側の第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの端部とを結ぶ直線l4に沿って、第4の補強層30dが配置されるように設定されていればよい。
複数の第1の補強層30aのすべては、第1の主面12a上に位置する第1の外部電極24aの先端を長さ方向zに跨るように位置されている。
複数の第2の補強層30bのすべては、第1の主面12a上に位置する第2の外部電極24bの先端を長さ方向zに跨るように位置されている。
複数の第3の補強層30cのすべては、第2の主面12f上に位置する第1の外部電極24aの先端を長さ方向zに跨るように位置されている。
複数の第4の補強層30dのすべては、第2の主面12f上に位置する第2の外部電極24bの先端を長さ方向zに跨るように位置されている。
複数の第1の補強層30aのそれぞれの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向(長さ方向z)の長さは、略同じ長さで配置されている。複数の第2の補強層30bのそれぞれの長さ方向zの長さは、略同じ長さで配置されている。複数の第3の補強層30cのそれぞれの長さ方向zの長さは、略同じ長さで配置されている。複数の第4の補強層30dのそれぞれの長さ方向zの長さは、略同じ長さで配置されている。
本実施の形態では、斯かる構造とすることにより、一般的にクラックが伸展しやすい領域のみにおいて補強層30a、30b、30c、30dを設けているため、積層セラミックコンデンサ10の応力に対する強度を確保しつつも、補強層30a、30b、30c、30dを形成するための材料費である製造コストを抑制することが可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の主面12a側、第2の主面側にそれぞれ、補強層30a、30b並びに補強層30c、30dを設けているが、第1の主面12a側、第2の主面側のうち、実装される側のみに補強層(補強層30a、30bのみ、または補強層30c、30dのみ)を設ける構成としても良い。
第1の主面12a上に位置する第1の外部電極24aの先端と、第1の端面12fに位置する最も第1の主面12a側の第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの端部とを結ぶ直線l1に沿って、上記に記載の第1の補強層30aが配置されていることが好ましい(図3参照)。これにより、本発明の効果をより確実なものとすることができる。
第1の主面12a上に位置する第2の外部電極24bの先端と、第2の端面12fに位置する最も第1の主面12a側の第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの端部とを結ぶ直線l2に沿って、上記に記載の第2の補強層30bが配置されていることが好ましい(図3参照)。これにより、本発明の効果をより確実なものとすることができる。
第2の主面12b上に位置する第1の外部電極24aの先端と、第1の端面12eに位置する最も第2の主面12b側の第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの端部とを結ぶ直線l3に沿って、上記に記載の第3の補強層30cが配置されていることが好ましい(図3参照)。これにより、本発明の効果をより確実なものとすることができる。
第2の主面12b上に位置する第2の外部電極24bの先端と、第2の端面12fに位置する最も第2の主面12b側の第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの端部とを結ぶ直線l4に沿って、上記に記載の第4の補強層30dが配置されていることが好ましい(図3参照)。これにより、本発明の効果をより確実なものとすることができる。
最も内層部15a側に位置する第1の補強層30aは、第1の端面12eに露出していてもよいし、露出していなくてもよい。本実施の形態では、最も内層部15a側に位置する第1の補強層30aのみが第1の端面12eに露出するように配置される。
最も内層部15a側に位置する第2の補強層30bは、第2の端面12fに露出していてもよいし、露出していなくてもよい。本実施の形態では、最も内層部15a側に位置する第2の補強層30bのみが第2の端面12fに露出するように配置される。
最も内層部15a側に位置する第3の補強層30cは、第1の端面12eに露出していてもよいし、露出していなくてもよい。本実施の形態では、最も内層部15a側に位置する第3の補強層30cのみが第1の端面12eに露出するように配置される。
最も内層部15a側に位置する第4の補強層30dは、第2の端面12fに露出していてもよいし、露出していなくてもよい。本実施の形態では、最も内層部15a側に位置する第4の補強層30dのみが第2の端面12fに露出するように配置される。
セラミック層14の材料としては、例えばBaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZnO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加したものを用いてもよい。
なお、セラミック層14に、圧電体セラミック材料を用いた場合、積層セラミック電子部品は圧電部品として機能する。圧電体セラミック材料の具体例としては、たとえば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミック材料などが挙げられる。
また、セラミック層14に、半導体セラミック材料を用いた場合、積層セラミック電子部品は、サーミスタとして機能する。半導体セラミック材料の具体例としては、たとえば、スピネル系セラミック材料などが挙げられる。
また、セラミック層14に、磁性体セラミック材料を用いた場合、積層セラミック電子部品は、インダクタとして機能する。また、インダクタとして機能する場合は、内部電極層18は、コイル状の導体となる。磁性体セラミック材料の具体例としては、たとえば、フェライトセラミック材料などが挙げられる。
(内部電極層)
内部電極層16は、図2及び図3に示されるように、第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bとを有している。
第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bと対向する第1の対向電極部18aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し、第1の対向電極部18aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部20aを有する。第1の引出電極部20aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部18bと、第2の内部電極層16bの一端側に位置し、第2の対向電極部18bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部20bを有する。第2の引出電極部20bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bの形状は、特に限定されないが平面視矩形状であることが好ましい。もっとも、平面視コーナー部を丸められていたり、コーナー部を平面視斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、どちらかに向かうにつれて傾斜がついている平面視テーパー状であってもよい。
第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aの幅と、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aの幅は、同じ幅で形成されていてもよく、どちらか一方が、幅が狭く形成されていてもよい。
第2の内部電極層16bの第2の対向電極層18bの幅と、第2の内部電極層16aの第2の引出電極部20bの幅は、同じ幅で形成されていてもよく、どちらか一方が、幅が狭く形成されていてもよい。
積層体12は、図2に示されるように、第1の対向電極部18a及び第2の対向電極部18bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間及び第1の対向電極部18a及び第2の対向電極部18bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部(以下、「Wギャップ」という。)22aを含む。
さらに、積層体12は、図3に示されるように、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間及び第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(以下、「Lギャップ」という。)22bを含む。
第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag-Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bのそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下程度であることが好ましい。
第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bの枚数は、合わせて15枚以上200枚以下であることが好ましい。
(外部電極)
積層体12の第1の端面12e側及び第2の端面12f側には、図1ないし図3に示されるように、外部電極24が配置される。外部電極24は、第1の外部電極24a及び第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、積層体12の第1の端面12eの表面、第1の主面12a上の一部及び第2の主面12b上の一部、並びに第1の側面12cの一部及び第2の側面12dの一部に配置される。この場合、第1の外部電極24aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aと電気的に接続される。なお、第1の外部電極24aは、積層体12の第1の端面12eのみに配置されていてもよい。
第2の外部電極24bは、積層体12の第2の端面12fの表面、第1の主面12a上の一部及び第2の主面12b上の一部、並び第1の側面12cの一部及び第2の側面12dの一部に配置される。この場合、第2の外部電極24bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bと電気的に接続される。なお、第2の外部電極24bは、積層体12の第2の端面12fのみに配置されていてもよい。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bとがセラミック層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極24aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極24bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
外部電極24は、金属成分とガラス成分とを含む下地電極層26と、下地電極層26の表面に形成されるめっき層28とを含む。
(下地電極層)
下地電極層26は、第1の下地電極層26a及び第2の下地電極層26bを有する。
第1の下地電極層26aは、積層体12の第1の端面12eの表面、第1の主面12aの一部及び第2の主面12bの一部、並びに第1の側面12cの一部及び第2の側面12dの一部を覆うように形成される。第2の下地電極層26bは、積層体12の第2の端面12fの表面、第1の主面12aの一部及び第2の主面12bの一部、並びに第1の側面12cの一部及び第2の側面12dの一部を覆うように形成される。
下地電極層26は、焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層等から選ばれる少なくとも1つを含む。以下、下地電極層26を上記の焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層とした場合の各構成について説明する。
(焼付け層の場合)
焼付け層は、ガラス成分と金属成分とを含む。焼付け層のガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層の金属成分としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラス成分及び金属成分を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼付けたものであり、焼成前の内部電極層16及びセラミック層14を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時焼成したものでもよく、焼成前の内部電極層16及びセラミック層14を有する積層チップ焼成して積層体12を得た後に積層体12に導電性ペーストを塗布して焼付けてもよい。なお、焼付け層を内部電極層16及びセラミック層14を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、ガラス成分の代わりにセラミック材料を添加して焼付け層を形成することが好ましい。
第1の端面12e及び第2の端面12fに位置する第1及び第2の下地電極層26a、26bの高さ方向x中央部における第1及び第2の下地電極層26a、26bの第1の端面12e及び第2の端面12fを結ぶ方向の厚みは、例えば、3μm以上160μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12a及び第2の主面12b、第1の側面12c及び第2の側面12d上に下地電極層26を設ける場合には、第1の主面12a及び第2の主面12b、第1の側面12c及び第2の側面12d上に位置する第1及び第2の下地電極層26a、26bである第1の端面12e及び第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの中央部における第1及び第2の下地電極層26a、26bの厚みは、例えば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
(導電性樹脂層の場合)
なお、本実施の形態では図示しないが、上記の下地電極層26とめっき層28との間に、更に導電性樹脂層を有してもよい。その場合、導電性樹脂層は、下地電極層26の表面を完全に覆うように配置されてもよいし、下地電極層26の一部を覆うように配置されてもよい。
導電性樹脂層は、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、例えばめっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサ10に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサ10へのクラックを防止することができる。
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、Ni、Sn、Biまたはそれらを含む合金を使用することができる。また、金属粉の表面にAgコーティングされた金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCu、Ni、Sn、Bi又はそれらの合金粉を用いることが好ましい。
導電性金属にAgの導電性金属粉を用いる理由としては、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いためである。また、上記のAgの特性は保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるためである。
さらに、導電性樹脂層に含まれる金属としては、Cu、Niに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。
なお、導電性樹脂層に含まれる金属としては、金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングした金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングされたものを使用する際には金属粉としてAg、Cu、Ni、Sn、Bi又はそれらの合金粉を用いることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属の平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、例えば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。導電性樹脂層に含まれる金属は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラーどうしが接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性樹脂層の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は最も適切な樹脂の一つである。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としては、ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、活性エステル系、アミドイミド系など公知の種々の化合物を使用することができる。
導電性樹脂層は、複数層で形成されてもよい。導電性樹脂層の厚み(最も厚い部分)は、10μm以上150μm以下であることが好ましい。
(薄膜層の場合)
一方、薄膜層により下地電極層26を形成する場合は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
(めっき層)
めっき層28は、第1のめっき層28a及び第2のめっき層28bを有している。第1のめっき層28aは、第1の下地電極層26aを覆うように配置されている。第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bを覆うように配置されている。
第1のめっき層28a及び第2のめっき層28bは、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
第1のめっき層28a及び第2のめっき層28bは、複数層によって形成されていてもよい。好ましくは、Niめっき、Snめっきの順に2層構造である。Niめっき層は、下地電極層26が、積層セラミックコンデンサ10を実装する際の半田によって侵食されることを防止することができ、Snめっき層は、積層セラミックコンデンサ10を実装する際の半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
めっき層28一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。
なお、下地電極層26を設けずにめっき層だけで外部電極24を形成してもよい。以下、図示はしていないが、下地電極層26を設けずにめっき層28を設ける構造について説明する。
第1の外部電極24a及び第2の外部電極24bのそれぞれは、下地電極層26が設けられず、めっき層28がセラミック素体12の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、積層セラミックコンデンサ10は、第1の内部電極層16aまたは第2の内部電極層16bに電気的に接続されるめっき層28を含む構造であってもよい。このような場合、前処理として積層体12の表面に触媒を配設した後で、めっき層28が形成されてもよい。
なお、下地電極層26を形成せずに積層体12上に直接めっき層28を形成する場合は、下地電極層26の厚みを削減した分を低背化すなわち薄型化または、素体厚みすなわち内層部の厚みに転化できるため、薄型チップの設計自由度を向上することができる。
めっき層28は、積層体12の表面に形成される下層めっき電極と、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極とを含むことが好ましい。下層めっき電極及び上層めっき電極はそれぞれ、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi又はZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
更に、下層めっき電極は、半田バリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、半田濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。
また、例えば、第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき電極は必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極24a及び第2の外部電極24bはそれぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。めっき層28は、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
ここで、下地電極層26を設けずにめっき層28だけで外部電極24を形成する場合、下地電極層26を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
さらに、めっき層28は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層28の単位体積あたりの金属割合は、99体積%以上であることが好ましい。
(積層セラミックコンデンサ)
本実施の形態に係る積層体12と外部電極24とを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とする。L寸法は、1mm以上6mm以下であることが好ましい。
本実施の形態に係る積層体12と外部電極24とを含む積層セラミックコンデンサ10の高さ方向xの寸法をT寸法とする。T寸法は、0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。
本実施の形態に係る積層体12と外部電極24とを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。W寸法は、0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
以下、本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。なお、当該製造方法は、上記した実施の形態を実現するための一例に過ぎず、発明をなんら限定するものではない。
(i)セラミックグリーンシート(誘電体シート)、内部電極層用の導電性ペーストを準備する。セラミックグリーンシートや内部電極層用の導電性ペーストには、バインダ及び溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
(ii)積層体12の複数の内部電極層16が対向する内層部15aと、第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと第1の主面12a側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数のセラミック層14から形成される第1の主面側外層部15b1と、第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと第2の主面12b側の内層部15aの最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数のセラミック層14から形成される第2の主面側外層部15b2とを以下の方法で形成する。
まず、第1の主面側外層部15b1及び第2の主面側外層部15b2に用いるセラミックグリーンシートとして、内部電極層のパターンが形成されていない複数のセラミックグリーンシートを準備し、この時スクリーン印刷などの手段を用いて所定の位置に第1の補強層30a、第2の補強層30b、第3の補強層30c、第4の補強層30dとなる補強層ペーストを塗布し、補強層パターンが形成されたセラミックグリーンシートを準備する。
次に、セラミックグリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで内部電極層用の導電性ペーストを印刷し、第1の内部電極層パターンが形成された複数のセラミックグリーンシート及び第2の内部電極層パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートを準備する。
(iii)第1の主面側外層部15b1及び第2の主面側外層部15b2に用いるセラミックグリーンシートを所定枚数積層して第1の主面側外層部15b1となる部分を形成し、その上に、第1の内部電極層パターン及び第2の内部電極層パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを順次積層し内層部15aとなる部分を形成し、さらに内層部15aとなる部分の上に第1の主面側外層部15b1及び第2の主面側外層部15b2に用いるセラミックグリーンシートを所定枚数積層して第2の主面側外層部15b2となる部分を形成し、積層シートを作製する。
(iv)積層シートを静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスし積層ブロックを作製する。
(v)積層ブロックを所定のサイズにカットし、積層チップを切り出す。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部及び稜線部に丸みをつけてもよい。
(vi)積層チップを焼成し積層体を作製する。焼成温度は、誘電体や内部電極層の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
続いて、外部電極24の形成方法について説明する。
(下地電極層)
(vii)積層体12の両端面に下地電極層26となる導電性ペーストを塗布し、下地電極層26を形成する。下地電極層26を焼付け層として形成する場合には、ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストを例えばディッピングなどの方法により、塗布し、その後、焼付け処理を行い、下地電極層26を形成する。この時の焼付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
(導電性樹脂層)
なお、下地電極層26を導電性樹脂層で形成する場合は、以下の方法で導電性樹脂層を形成することができる。なお、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよく、焼付け層を形成せずに導電性樹脂層を単体で積層体12上に直接形成してもよい。
導電性樹脂層の形成方法としては、熱硬化性樹脂及び金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層上もしくは積層体上に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、導電性樹脂層を形成する。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
(薄膜層の場合)
また、下地電極層26を薄膜層で形成する場合は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により下地電極層26を形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層26は金属粒子が堆積された1μm以下の層とする。
(めっき電極を形成する場合)
さらに、下地電極層26を設けずに積層体12の内部電極層16の露出部である第1の引出電極部20a、第2の引出電極部20bの端部にめっき層28を設けてもよい。その場合は、以下の方法で形成することができる。
積層体12の第1の端面12e及び第2の端面12fにめっき処理を施し、内部電極層16の露出部である第1の引出電極部20a、第2の引出電極部20bの端部上に下地めっき膜を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極を同様に形成してもよい。
(viii)その後、下地電極層26の表面、導電性樹脂層の表面もしくは下地めっき層の表面、上層めっき層の表面に、めっき層が形成される。本実施形態では焼付け層上にめっき層28として、Niめっき層及びSnめっき層が形成される。Niめっき層及びSnめっき層は、たとえばバレルめっき法により、順次形成される。
このようにして、積層セラミックコンデンサ10が得られる。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、一般的にクラックが伸展しやすい領域のみにおいて補強層30a、30b、30c、30dを設けているため、積層セラミック電子部品たる積層セラミックコンデンサ10の応力に対する強度を確保しつつも、補強層30a、30b、30c、30dを形成するための材料費である製造コストを抑制することが可能となる。
以上のように、本発明の実施の形態は、上記した記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態並びに各変形例では正面視左右対称の形状をなすもののみを図示したが、本発明に係る積層セラミックコンデンサの外形は、実装する対象に応じて、また、求める性能に応じて種々の変更を行い得る。
また本発明は、上記実施形態及び各変形例の構成の全部又は一部を適宜組み合わせたものも含まれる。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態及び各変形例に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
この発明は、積層セラミック電子部品として利用し得る。
10 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 セラミック層
15a 内層部
15b1 第1の主面側外層部
15b2 第2の主面側外層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26 下地電極層
26a 第1の下地電極層
26b 第2の下地電極層
28 めっき層
28a 第1のめっき層
28b 第2のめっき層
30a 第1の補強層
30b 第2の補強層
30c 第3の補強層
30d 第4の補強層

Claims (2)

  1. 積層された複数のセラミック層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、
    前記複数のセラミック層上に配置され、前記第1の端面に露出する第1の内部電極層と、
    前記複数のセラミック層上に配置され、前記第2の端面に露出する第2の内部電極層と、
    前記第1の内部電極層に接続され、前記第1の端面上及び前記第1の主面の一部、前記第2の主面の一部、並びに前記第1の側面の一部、前記第2の側面の一部に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の内部電極層に接続され、前記第2の端面上及び前記第1の主面の一部、前記第2の主面の一部、並びに前記第1の側面の一部、前記第2の側面の一部に配置される第2の外部電極と、
    を有する積層セラミック電子部品において、
    前記積層体は、前記複数の内部電極が対向する内層部と、前記第1の主面側に位置し、前記第1の主面と前記第1の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する前記複数のセラミック層から形成される第1の主面側外層部と、
    前記第2の主面側に位置し、前記第2の主面と前記第2の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の延長線上との間に位置する複数のセラミック層から形成される第2の主面側外層部と、を有し、
    前記第1の主面側外層部には、前記第1の端面側に位置する複数の第1の補強層と、前記第2の端面側に位置する複数の第2の補強層と、を有し、
    前記第2の主面側外層部には、前記第1の端面側に位置する複数の第3の補強層と、前記第2の端面側に位置する複数の第4の補強層と、を有し、
    最も前記第1の主面側に位置する第1の補強層は、前記第1の主面上に位置する前記第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第1の補強層は前記内層部に向かうにつれ、前記第1の端面側にずれて延びるように配置され、
    最も前記第1の主面側に位置する第2の補強層は、前記第1の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第2の補強層は前記内層部に向かうにつれ、前記第2の端面側にずれて延びるように配置され、
    最も前記第2の主面側に位置する第3の補強層は、前記第2の主面上に位置する前記第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第3の補強層は前記内層部に向かうにつれ、前記第1の端面側にずれて延びるように配置され、
    最も前記第2の主面側に位置する第4の補強層は、前記第2の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、その他の第4の補強層は前記内層部に向かうにつれ、前記第2の端面側にずれて延びるように配置され、
    複数の前記第1の補強層のすべてが、前記第1の主面上に位置する前記第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、
    複数の前記第2の補強層のすべてが、前記第1の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、
    複数の前記第3の補強層のすべてが、前記第2の主面上に位置する前記第1の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、
    複数の前記第4の補強層のすべてが、前記第2の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端を長さ方向に跨るように位置され、
    複数の前記第1の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置され、
    複数の前記第2の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置され、
    複数の前記第3の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置され、
    複数の前記第4の補強層のそれぞれは、略同じ長さで配置される、積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1の主面上に位置する前記第1の外部電極の先端と、前記第1の端面に位置する前記第1の主面側の内部電極の引出電極部の端部を結ぶ直線に沿って、前記第1の補強層が配置され、
    前記第1の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端と、前記第2の端面に位置する前記第1の主面側の内部電極の引出電極部の端部を結ぶ直線に沿って、前記第2の補強層が配置され、
    前記第2の主面上に位置する前記第1の外部電極の先端と、前記第1の端面に位置する前記第2の主面側の内部電極の引出電極部の端部を結ぶ直線に沿って、前記第3の補強層が配置され、
    前記第2の主面上に位置する前記第2の外部電極の先端と、前記第2の端面に位置する前記第2の主面側の内部電極の引出電極部の端部を結ぶ直線に沿って、前記第4の補強層が配置されている、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
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