JP2001163321A - ガソリンバリア性に優れた燃料容器 - Google Patents

ガソリンバリア性に優れた燃料容器

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JP2001163321A JP31684199A JP31684199A JP2001163321A JP 2001163321 A JP2001163321 A JP 2001163321A JP 31684199 A JP31684199 A JP 31684199A JP 31684199 A JP31684199 A JP 31684199A JP 2001163321 A JP2001163321 A JP 2001163321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いガソリンバリア性を有する燃料容器を提
供すること。 【解決手段】 バリア性樹脂(A)からなる層と(A)
以外の熱可塑性樹脂(B)からなる内層を有する燃料容
器において、ピンチオフ部をバリア材(C)で被覆して
なる共押出ブロー成形燃料容器。またはバリア性樹脂
(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)か
らなる内層を有する容器の胴部に設けられた開口部の切
断面をバリア材(C)で被覆してなる燃料容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高いガソリンバリア
性を有する燃料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素類、例えばガソリンを保存する
ための容器として、プラスチック製の共押出ブロー成形
容器が近年好適に用いられており、その一例として自動
車用燃料タンクが挙げられる。また、プラスチックとし
てはポリエチレン(特に超高密度ポリエチレン)が経済
性、成形加工性、機械的強度等の点で期待されている。
しかし、ポリエチレン製燃料タンクは、保存されるガソ
リンの気体または液体が容器のポリエチレンの壁を通し
て大気中に揮散しやすいという欠点を有することが知ら
れている。
【0003】そこで、かかる欠点を解消するため、ポリ
エチレン製容器にハロゲンガス(フッ素、塩素、臭素)
あるいは三酸化硫黄(SO3)などを容器に吹き込み、
容器内面をハロゲン化あるいはスルホン化する方法が開
示されている。また、ポリアミド樹脂とポリエチレン樹
脂とを多層化する方法が開示されている(特開平6−1
34947号公報、USP5441781)。また、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂と
ポリエチレン樹脂とを多層化する方法も知られている
(USP5849376、EP759359)。また、
ガソリンバリア性を向上させるために、バリア層を内層
寄りにした多層燃料タンクも知られている(特開平9−
29904号公報、EP742096)。
【0004】しかしながら上記の方法で製造した燃料容
器においてもガソリン透過量の抑制は完全なものとは言
えず、近年ガソリンの消費量節約、高性能化、地球環境
保護のために、より透過量を低減する方法が望まれてい
る。
【0005】また、上記燃料容器の好適な態様として自
動車用燃料タンクが挙げられる。自動車用燃料タンク
は、一般的に、給油口、エンジン、キャニスター等と配
管を通して接続されなければならない。このため、タン
クと各種配管とを接続するためにタンク本体の胴部に開
口部を設け、タンクと各種配管を接合させるための燃料
容器用付属部品(燃料タンク用コネクターなど)を装着
することが多い。従来、かかる燃料容器用付属部品はほ
とんどが高密度ポリエチレン製であり、これまで、燃料
容器用付属部品からの燃料の透過量が問題とされたこと
はなかった。
【0006】しかしながら、燃料容器からの燃料透過量
の抑制が要求されるレベルは近年、高まる一方である。
そこで、本発明者らは、燃料容器用付属部品の装着部分
における燃料の透過量の削減を目指し、詳細な検討を行
った。
【0007】その結果、本発明者らはEVOHを含有す
る樹脂組成物からなる燃料タンク用付属部品を開発し
(特願平11−172151号、特願平11−1721
52号)、燃料容器用付属部品からの燃料透過量の大幅
な削減を達成した。
【0008】しかしながら、EVOHを含有する樹脂組
成物が有するガソリンバリア性と、従来から燃料容器用
付属部品の材料として用いられていた高密度ポリエチレ
ンが有するガソリンバリア性の差を考慮して計算上求め
られるガソリンバリア性の改善効果に対して、現実に得
られるガソリンバリア性の改善効果は計算値よりも小さ
いものであった。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高いガソリ
ンバリア性を有する燃料容器を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、バリア性樹
脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)
からなる内層を有する燃料容器において、ピンチオフ部
をバリア材(C)で被覆してなる共押出ブロー成形燃料
容器によって解決される。
【0010】また、上記課題は、バリア性樹脂(A)か
らなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外
層を有する容器の胴部に設けられた開口部の切断面をバ
リア材(C)で被覆してなる燃料容器によっても解決さ
れる。
【0011】上記課題は、バリア性樹脂(A)からなる
層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層を有
し、容器胴部に開口部が設けられている燃料容器におい
て、開口部の周囲の外表面に溝が設けられ、かつ当該溝
の内面がバリア材(C)で被覆されてなることを特徴と
する燃料容器によっても解決される。
【0012】さらに、上記課題はバリア性樹脂(A)か
らなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外
層を有し、容器胴部に開口部が設けられている燃料容器
において、開口部の周囲の外表面に溝が設けられ、かつ
当該溝がバリア材(C)で充填されてなることを特徴と
する燃料容器によっても解決される。
【0013】好ましい実施態様では、本発明の燃料容器
は、ピンチオフ部において、対向するバリア性樹脂
(A)層間に存在する層の切断面をバリア材(C)で被
覆してなる。
【0014】好ましい実施態様では、胴部に設けられた
開口部の切断面の内、バリア層より外側に存在する層の
切断面をバリア材(C)で被覆してなる。
【0015】好ましい実施態様では、本発明の燃料容器
は胴部に設けられた開口部に燃料容器用付属部品が装着
されてなる。
【0016】好ましい実施態様では、本発明の燃料容器
の容器胴部に設けられた開口部の周囲の外表面に設けら
れた溝が、バリア材(C)からなる燃料容器用付属部品
を用いて充填される。
【0017】また、好ましい実施態様では、本発明の燃
料容器の容器胴部に設けられた開口部の周囲の外表面に
設けられた溝が、途切れなく開口部を囲んでいる。さら
に好適には、溝の形状が円形である。
【0018】好ましい実施態様では、溝の深さが、容器
胴部平均全層厚み(T2)の0.1〜0.8倍である。
また、溝の深さがバリア性樹脂(A)からなる層よりも
外側に存在している層の合計厚み(T1)の0.2倍以
上1倍未満である実施態様も好ましい。
【0019】また、好適な実施態様では、溝の幅が容器
胴部平均全層厚み(T2)の0.01〜5倍である。
【0020】好ましい実施態様では、本発明で用いられ
るバリア性樹脂(A)のガソリン透過量が100g・2
0μ/m2・day(40℃−65%RHで測定した
値)以下である。
【0021】また、好ましい実施態様では、本発明で用
いられるバリア性樹脂(A)がポリビニルアルコール系
樹脂、ポリアミドおよび脂肪族ポリケトンからなる群か
ら選ばれる少なくとも一種である。
【0022】さらに、好ましい実施態様では本発明の燃
料は、内層を構成する熱可塑性樹脂(B)がポリオレフ
ィンであり、好適には密度0.93以上のポリエチレン
である。
【0023】好ましい実施態様では、本発明に用いられ
るバリア材(C)のガソリン透過量(40℃−65%R
Hで測定した値)が熱可塑性樹脂(B)のガソリン透過
量(40℃−65%RHで測定した値)の0.1倍以下
である。
【0024】また、好ましい実施態様では、本発明に用
いられるバリア材(C)のガソリン透過量が400g・
20μ/m2・day(20℃−65%RHで測定した
値)以下である。
【0025】さらに、好ましい実施態様では本発明で用
いられるバリア材(C)が金属箔、エポキシ樹脂、ポリ
塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂からな
る群より選ばれる少なくとも1種である。
【0026】好適な実施態様では、本発明の燃料容器は
バリア性樹脂(A)からなる中間層と(A)以外の熱可
塑性樹脂(B)からなる内外層を有する。
【0027】好適な実施態様では、本発明の燃料容器は
バリア性樹脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性
樹脂(B)からなる層が接着性樹脂層を介して積層され
てなる。
【0028】好適な実施態様では、本発明の燃料容器は
容器胴部において、バリア性樹脂(A)からなる層より
も外側に存在する層の合計厚み(T1)と全層厚み(T
2)との比(T1/T2)が45/100以下である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、バリア性樹脂(A)か
らなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる内
層を有する燃料容器において、ピンチオフ部をバリア材
(C)で被覆してなる共押出ブロー成形燃料容器に関す
る。
【0030】燃料容器は、好適には共押出ブロー成形に
より成形される。ブロー成形によるプラスチック容器の
製造法においては、溶融押出によりパリソンを形成し、
このパリソンを一対のブロー成形用金型で挟持し、パリ
ソンの喰切を行うと共に対抗する喰切部を融着させ、つ
いで喰切が行われたパリソンを前記金型内で膨張させる
ことにより容器の形に成形する。ただし、自動車用燃料
タンクなど、容器の大きさが大きくなる場合は金型によ
りパリソンを挟持し、圧着を行うが、金型で喰切は行わ
ず、容器表面からからはみ出た部分を任意の高さでカッ
ターなどで切断することが多い。上記の融着させて結合
された部分がピンチオフ部であり、上記に示した、金型
で喰切られた切断面またはカッターなどで切断された面
がピンチオフ部の切断面である。ピンチオフ部は容器壁
の厚さ方向に突出した先細り状の突条を形成する。
【0031】かかる共押出ブロー成形により得られる燃
料容器にピンチオフ部のヒートシール強度、力学的強度
および優れたガソリンバリア性を付与するためには、バ
リア性樹脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性樹
脂(B)からなる内層を有することが好ましい。かかる
燃料容器は、バリア性樹脂(A)が有するガソリンバリ
ア性により、優れたガソリンバリア性を有するが、実際
に成形される燃料容器からの燃料の透過量は、バリア性
樹脂(A)が有するガソリンバリア性から算出される計
算値よりも大きなものだった。本発明者の詳細な検討の
結果、かかる共押出ブロー成形燃料容器からのガソリン
の透過は、該容器のピンチオフ部において特に顕著であ
ることが初めて明らかとなった。
【0032】これに対し、バリア性樹脂(A)からなる
層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる内層を有
する燃料容器において、ピンチオフ部をバリア材(C)
で被覆してなる共押出ブロー成形燃料容器を用いること
により、これまで着目されていなかった燃料容器のピン
チオフ部からの燃料の透過を極めて効果的に抑制できる
ことを見出した。
【0033】また、本発明はバリア性樹脂(A)からな
る層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層を
有する容器の胴部に設けられた開口部の切断面をバリア
材(C)で被覆してなる燃料容器に関する。
【0034】さらに、本発明はバリア性樹脂(A)から
なる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層
を有し、容器胴部に開口部が設けられている燃料容器に
おいて、開口部の周囲の外表面に溝が設けられ、かつ当
該溝の内面がバリア材(C)で被覆されてなることを特
徴とする燃料容器に関する。また、本発明はバリア性樹
脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)
からなる外層を有し、容器胴部に開口部が設けられてい
る燃料容器において、開口部の周囲の外表面に溝が設け
られ、かつ当該溝がバリア材(C)で充填されてなるこ
とを特徴とする燃料容器に関する。
【0035】前述の通り、本発明者らはこれまで燃料容
器からの燃料透過量を抑制するために、バリア性を付与
した燃料容器用付属部品を提案していた。ところが、か
かる燃料容器用付属部品を用いた場合においても完全な
燃料透過の抑制は達成されておらず、未だ改良の余地が
残されていた。かかる現象について本発明者らがさらに
鋭意検討を行った結果、燃料容器用付属部品が装着され
た燃料容器本体の胴部の開口部の切断面のバリア性樹脂
(A)より外側に存在する熱可塑性樹脂(B)を通過し
て、燃料の透過が発生していることが明らかとなった
(図1参照)。
【0036】これまで、容器胴部に設けられた開口部に
取り付けられる燃料容器用付属部品は一般にガソリンバ
リア性に乏しい高密度ポリエチレンで作られていたた
め、燃料容器の胴部に設けられた開口部の切断面からの
燃料の透過については全く省みられてこなかった。しか
し、本発明者らの研究の結果、燃料容器用付属部品にバ
リア性を付与する場合などの、燃料容器全体において極
めて高度な燃料透過量の抑制を達成する必要がある場合
には、開口部の切断面からの燃料の透過を効果的に抑制
する必要があることが明らかとなり、鋭意検討の結果、
本発明を完成させるに至った。
【0037】すなわち、バリア性樹脂(A)からなる層
と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層を有す
る容器の胴部に設けられた開口部の切断面をバリア材
(C)で被覆してなる燃料容器を用いることにより、か
かる開口部の切断面からの燃料の透過を効果的に抑制す
ることが可能となり、極めてガソリンバリア性に優れた
燃料容器が提供できるようになった。さらに、バリア性
樹脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂
(B)からなる外層を有し、容器胴部に開口部が設けら
れている燃料容器において、開口部の周囲の外表面に溝
が設けられ、かつ当該溝の内面がバリア材(C)で被覆
されてなることを特徴とする燃料容器、およびバリア性
樹脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂
(B)からなる外層を有し、容器胴部に開口部が設けら
れている燃料容器において、開口部の周囲の外表面に溝
が設けられ、かつ当該溝がバリア材(C)で充填されて
なることを特徴とする燃料容器を用いることによって
も、極めてガソリンバリア性に優れた燃料容器が提供で
きるようになった。
【0038】本発明に用いられるバリア性樹脂(A)と
は、本発明の燃料容器に充填される燃料に対して、バリ
ア性を有する樹脂である。(A)以外の熱可塑性樹脂
(B)を内層および/または外層とする多層容器に用い
られるため、バリア性樹脂(A)は熱可塑性樹脂である
ことが好ましい。かかるバリア性樹脂(A)としては、
ガソリン透過量が100g・20μm/m2・day
(40℃−65%RHで測定した値)以下であることが
好ましい。ガソリン透過量の上限はより好適には10g
・20μm/m2・day以下であり、さらに好適には
1g・20μm/m2・day以下であり、特に好適に
は0.5g・20μm/m2・day以下であり、最適
には0.1g・20μm/m2・day以下である。こ
こでガソリン透過量の測定に用いられるガソリンは、R
ef.Cと呼ばれるトルエン/イソオクタン=1/1の
体積分率で混合されるモデルガソリンである。なお、本
発明は、燃料容器に充填される燃料がメタノールなどの
アルコールを含有するアルコール含有ガソリンや、MT
BE(メチルターシャリーブチルエーテル)含有ガソリ
ンなどの、いわゆる含酸素ガソリンであっても優れた効
果を発揮する。
【0039】また、本発明に用いられるバリア性樹脂
(A)として、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミ
ドおよび脂肪族ポリケトンからなる群から選ばれる少な
くとも一種を用いることも好適である。
【0040】本発明におけるポリビニルアルコール系樹
脂とは、ビニルエステル重合体、またはビニルエステル
と他の単量体との共重合体、特にエチレンとビニルエス
テルとの共重合体をアルカリ触媒等を用いてケン化して
得られる。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的
なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエス
テル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も
使用できる。
【0041】また、本発明のポリビニルアルコール系樹
脂のビニルエステル成分のケン化度は好適には90%以
上であり、より好適には95%以上であり、更に好適に
は99%以上である。ケン化度が90モル%未満では、
ガソリンバリア性が不充分になる虞がある。なおここ
で、ポリビニルアルコール系樹脂がケン化度の異なる2
種類以上のポリビニルアルコール系樹脂の配合物からな
る場合には、配合重量比から算出される平均値をケン化
度とする。かかるポリビニルアルコール系樹脂のケン化
度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができ
る。
【0042】本発明のポリビニルアルコール系樹脂とし
ては、溶融成形が可能で、高湿度下でのガスバリア性が
良好であり、かつ優れたガソリンバリア性を有する観点
から、エチレンとの共重合体(EVOH)が好適であ
る。
【0043】EVOHのエチレン含有量は5〜60モル
%であるのが好ましい。エチレン含有量が5モル%未満
では、高湿度下でのガスバリア性が低下し溶融成形性も
悪化する虞がある。EVOHのエチレン含有量の下限は
好適には10モル%以上であり、より好適には15モル
%以上、最適には20モル%以上である。エチレン含有
量の上限は好適には55モル%以下であり、より好適に
は50モル%以下である。エチレン含有量が60モル%
を超えると充分なガスバリア性が得られない虞がある。
また、ビニルエステル成分のケン化度は85%以上、よ
り好ましくは90%以上、さらに好ましくは99%以上
のものが使用できる。ビニルエステル成分のケン化度が
85%未満では、ガソリンバリア性、熱安定性が悪くな
る虞がある。かかるEVOHのエチレン含有量およびケ
ン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることが
できる。
【0044】なおここで、EVOHがエチレン含有量あ
るいはケン化度の異なる2種類以上のEVOHの配合物
からなる場合には、配合重量比から算出される平均値を
エチレン含有量あるいはケン化度とする。ただし、2種
類のEVOHを配合する際には、両者のエチレン含有量
の差が15モル%以下であり、かつケン化度の差が10
%以下であることが好ましい。これらの条件から外れる
場合には樹脂組成物層のガソリンバリア性が損なわれて
しまう虞がある。良好なガソリンバリア性を得る観点か
らはエチレン含有量の差はより好適には10モル%以下
であり、さらに好適には5モル%以下である。また、同
様に良好なガソリンバリア性を得る観点からケン化度の
差はより好適には7%以下であり、さらに好適には5%
以下である。
【0045】また、ポリビニルアルコール系樹脂、特に
EVOHには、本発明の目的が阻害されない範囲で他の
単量体を少量共重合することもできる。共重合できる単
量体の例としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテンなどのα−オレフィン;イタコン酸、メタクリル
酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン
酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニトリ
ル、そのアミド、その無水物;ビニルトリメトキシシラ
ンなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸また
はその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類な
どが挙げられる。
【0046】なかでも、EVOHに共重合成分としてビ
ニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有す
る場合は、共押出成形あるいは共射出成形する際の基材
樹脂との溶融粘性の整合性が改善され、均質な成形体の
製造が可能である。ここで、ビニルシラン系化合物とし
ては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキ
シ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシ
ラン等が挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。
【0047】さらに、EVOHがホウ素化合物を含有す
る場合にも、EVOHの溶融粘性、熱安定性およびロン
グラン性が改善され、均質な共押出あるいは共射出成形
体を安定して得られる点で有効である。ここでホウ素化
合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、
水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類
としては、ホウ酸、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ
酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリ
エチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩と
しては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの化合物
の中でもホウ酸が好ましい。ホウ素化合物の含有量はホ
ウ素元素換算で20〜2000ppm、望ましくは50
〜1000ppmである。この範囲にあることで加熱溶
融時のトルク変動が抑制されたEVOHを得ることがで
きる。20ppm未満ではそのような効果が小さく、2
000ppmを超えるとゲル化しやすく、成形性不良と
なる場合がある。
【0048】また、本発明のEVOHに対し、アルカリ
金属塩をアルカリ金属元素換算で5〜5000ppm含
有させることも層間接着性や相容性の改善のために効果
的であることから好ましい。アルカリ金属塩のより好適
な含有量はアルカリ金属元素換算で20〜1000pp
m、さらには30〜750ppmである。ここでアルカ
リ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなど
があげられ、アルカリ金属塩としては、一価金属の脂肪
族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、燐酸塩、金属錯
体等が挙げられる。例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム、ステアリン酸ナ
トリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四
酢酸のナトリウム塩等が挙げられる。中でも酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウムが好適である。
【0049】また、本発明のEVOHに対し、リン酸化
合物をリン酸根換算で10〜500ppm含有させるこ
とも好ましく、リン酸化合物を適切な範囲で添加するこ
とにより、成形物の着色およびゲル・ブツの発生を抑制
することが可能である。リン酸化合物の添加による上記
の改善効果はEVOHからなる樹脂組成物ペレットを用
いたロングラン成形時および成形物の回収時に特に顕著
である。リン酸化合物としては、リン酸、亜リン酸等の
各種の酸やその塩等が例示されるが、これらに限定され
ない。リン酸塩としては第1リン酸塩、第2リン酸塩、
第3リン酸塩のいずれの形で含まれていても良く、その
カチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩であることが好ましい。中
でもリン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、
リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウムの形で
リン酸化合物を添加することが好ましい。
【0050】リン酸化合物の含有量はリン酸根換算で下
限は50ppm以上が好ましく、より好ましくは70p
pm以上であり、上限は300ppm以下が好ましく、
200ppm以下がより好ましい。かかる範囲のリン酸
化合物を含有することで、より着色が少なく、ゲル化し
にくいEVOHからなる樹脂組成物ペレットを得ること
ができる。リン酸化合物の含有量が10ppm未満の場
合は、溶融成形時の着色が激しくなる虞がある。特に、
熱履歴を重ねるときにその傾向が顕著であるために、該
樹脂組成物ペレットを成形して得られた成形物が、回収
性に乏しいものとなる虞がある。また、リン酸化合物の
含有量が500ppmを超える場合は成形物のゲル・ブ
ツの発生しやすくなる虞がある。
【0051】また、本発明に用いるEVOHの好適なメ
ルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷
重下、JIS K7210に基づく)は0.01〜10
0g/10分、より好適には0.05〜50g/10
分、さらに好適には0.1〜10g/10分である。
【0052】また、本発明の目的を阻外しない範囲で熱
安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラ
ー、他の樹脂(ポリアミド、ポリオレフィンなど)をE
VOH樹脂にブレンドすることもできる。
【0053】本発明のバリア性樹脂(A)として用いら
れるポリアミドは、アミド結合を有する重合体であっ
て、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリ
ウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラ
クタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカ
ミド(ナイロン−6,12)の如き単独重合体、カプロ
ラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/
12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸重合体
(ナイロン−6/11)、カプロラクタム/ω−アミノ
ノナン酸重合体(ナイロン−6,9)、カプロラクタム
/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体
(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメ
チレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジア
ンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6
/6,12)、アジピン酸とメタキシリレンジアミンと
の重合体、あるいはヘキサメチレンジアミンとm,p−
フタル酸との重合体である芳香族系ナイロンなどが挙げ
られる。これらのポリアミドは、それぞれ単独で用いる
こともできるし、2種以上を混合して用いることもでき
る。
【0054】これらのポリアミドの中でも、ナイロン−
6がガソリンバリア性の観点から好適である。
【0055】本発明のバリア性樹脂(A)として用いら
れる脂肪族ポリケトンとは、一酸化炭素−エチレン系共
重合体であり、一酸化炭素−エチレン共重合体として
は、一酸化炭素とエチレンとを共重合して得たもの、ま
たは一酸化炭素とエチレンを主体とし、これにエチレン
以外の不飽和化合物を共重合して得たものが挙げられ
る。ここで、エチレン以外の不飽和化合物としては、炭
素数3以上のα−オレフィン、スチレン、ジエン、ビニ
ルエステル、脂肪族不飽和カルボン酸エステルなどがあ
げられる。共重合体としては、ランダム共重合体、交互
共重合体などがあげられるが、結晶性が高くなる交互共
重合体がバリア性の面で好ましい。
【0056】交互共重合体のなかでは、一酸化炭素ある
いはエチレン以外の第3成分による共重合が施されてい
る方が、融点が低下するので、溶融安定性の観点から好
ましい。共重合される単量体のうち好適なものとしてα
−オレフィンがあげられ、プロピレン、ブテン−1、イ
ソブテン、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1、ドデセン−1などがあげら
れるが、なかでも炭素数3〜8個のα−オレフィンが好
ましく、特にプロピレンが好適である。これらα−オレ
フィンの共重合量はポリケトンに対して0.5〜7重量
%であることが、適当な結晶性と溶融安定性を確保でき
る観点から好ましい。
【0057】また、共重合されるジエンとしては炭素数
4〜12個のものが好ましく、ブタジエン、イソプレ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエンなどがあげられる。ビニルエステル
としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、などがあげられる。脂肪族不飽和カルボン
酸、その塩およびそのエステルとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレ
イン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸
モノエステル、フマル酸ジエステル、イタコン酸モノエ
ステル、イタコン酸ジエステル(これらのエステルとし
てはメチルエステル、エチルエステルなどのアルキルエ
ステルなど)、アクリル酸塩、マレイン酸塩、イタコン
酸塩(これらの塩としては1価または2価の金属塩な
ど)があげられる。これらの共重合単量体は一種のみで
なく、二種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0058】ポリケトンの製造方法としては、公知の方
法、例えば、米国特許第2,495,286号および特
開昭53−128690号、特開昭59−197427
号、特開昭61−91226号、特開昭62−2324
34号、特開昭62−53332号、特開昭63−30
25号、特開昭63−105031号、特開昭63−1
54737号、特開平1−149829号、特開平1−
201333号、特開平2−67319号などに記載さ
れている方法があげられるが、特にそれに制限されるも
のではない。
【0059】本発明に用いるポリケトンの好適なメルト
フローレート(MFR)は、0.01〜50g/10分
(230℃、2160g荷重下)、最適には0.1〜1
0g/10分である。MFRが前記範囲にある場合、樹
脂の流動性は優れ、さらに成形加工性も優れたものとな
る。
【0060】これらの樹脂の中でも、本発明に用いられ
るバリア性樹脂(A)としてはガソリンバリア性の観点
から、ポリビニルアルコール系樹脂およびポリアミドが
好適であり、EVOHが特に好適である。
【0061】また本発明において内層および/または外
層として用いられる熱可塑性樹脂(B)としては、直鎖
状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体(炭素数
4〜20のα−オレフィン)、ポリブテン、ポリペンテ
ン等のオレフィンの単独またはその共重合体、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル
系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタンエラスト
マー、ポリカーボネート、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレンなどが挙げられる。上記の中でも、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレンが
好ましく用いられる。
【0062】中でも、本発明に用いられる熱可塑性樹脂
(B)として密度0.93以上のポリエチレンを用いる
ことが好ましい。密度0.93以上のポリエチレンは通
常市販品の中から適宜選択して使用することができる
が、中でも剛性、耐衝撃性、成形性、耐ドローダウン
性、耐ガソリン性等の観点から、かかる密度0.93以
上のポリエチレンの密度は0.95〜0.98g/cm
3であることがより好ましく、さらに好ましくは0.9
6〜0.98g/cm3である。また、密度0.93以
上のポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が
0.01〜0.5g/10分(190℃、2160g荷
重下)であることが好ましく、さらに好ましくは0.0
1〜0.1g/10分(190℃、2160g荷重下)
である。
【0063】また、本発明の燃料容器は、バリア性樹脂
(A)からなる層に対して熱可塑性樹脂(B)からなる
内層および/または外層を、接着性樹脂層を介して積層
してなることが好適である。かかる接着性樹脂層として
は、カルボン酸変性ポリオレフィンが好適なものとして
用いられる。
【0064】本発明に用いられるカルボン酸変性ポリオ
レフィンとは、オレフィン、特にα−オレフィンと不飽
和カルボン酸またはその無水物とからなる共重合体のこ
とをいい、分子中にカルボキシル基を有するポリオレフ
ィンおよびポリオレフィン中に含有されるカルボキシル
基の全部あるいは一部が金属塩の形で存在しているもの
も含まれる。カルボン酸変性ポリオレフィンのベースと
なるポリオレフィンとしては、ポリエチレン(例えば、
高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)など)、ポ
リプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体等の各種ポリオレフィンが挙げられるが、こ
のうち直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニルの含有量5〜55重量%)、エ
チレン−アクリル酸エチルエステル共重合体(アクリル
酸エチルエステルの含有量8〜35重量%)が好適であ
り、直鎖状低密度ポリエチレンおよびエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体が特に好適である。
【0065】不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メ
タアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸、マレイン
酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸など
が例示され、特にアクリル酸あるいはメタアクリル酸が
好ましい。不飽和カルボン酸の含有量は、好ましくは
0.5〜20モル%、より好ましくは2〜15モル%、
さらに好ましくは3〜12モル%である。不飽和カルボ
ン酸無水物としては無水イタコン酸、無水マレイン酸等
が例示され、特に無水マレイン酸が好適である。不飽和
カルボン酸無水物の含有量としては、好ましくは0.0
001〜5モル%、より好ましくは0.0005〜3モ
ル%、更に好ましくは0.001〜1モル%である。ま
た、共重合体に含有されても良い他の単量体としては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸イソブチル、マレイン酸ジエ
チルのような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素な
どが例示される。
【0066】カルボン酸変性ポリオレフィンの金属塩に
おける金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム
などのアルカリ土類金属、亜鉛などの遷移金属が例示さ
れる。カルボン酸変性ポリオレフィンの金属塩における
中和度は、100%以下、特に90%以下、さらに70
%以下の範囲が望ましい。中和度の下限値については、
通常5%以上、特に10%以上、さらには30%以上が
望ましい。
【0067】本発明に用いられるカルボン酸変性ポリオ
レフィンのメルトフローレート(MFR)(190℃、
2160g荷重下)は、好ましくは0.01〜50g/
10分、より好ましくは0.05〜30g/10分、さ
らに好ましくは0.1〜10g/10分である。これら
のカルボン酸変性ポリオレフィンは、それぞれ単独で用
いることもできるし、2種以上を混合して用いることも
できる。
【0068】本発明で用いられるバリア材(C)とは、
バリア性樹脂(A)と同様に燃料容器に充填された燃料
に対し、バリア性を示すものを指す。好適には、本発明
に用いられるバリア材(C)のガソリン透過量(40℃
−65%RHで測定した値)が熱可塑性樹脂(B)のガ
ソリン透過量(40℃−65%RHで測定した値)の
0.1倍以下である。バリア材(C)のガソリン透過量
の上限はより好適には熱可塑性樹脂(B)のガソリン透
過量の0.05倍以下、さらに好適には0.01倍以下
である。
【0069】バリア材(C)のガソリン透過量が熱可塑
性樹脂(B)のガソリン透過量の0.1倍を越えるとバ
リア材としての能力が不充分になる虞があり、ピンチオ
フ部および胴部開口部からの燃料の透過量の低減効果が
不満足になる虞がある。
【0070】また、本発明に用いられるバリア材(C)
のガソリン透過量が400g・20μ/m2・day
(40℃−65%RHで測定した値)以下であることも
好ましい。ガソリン透過量が400g・20μ/m2
day(40℃−65%RHで測定した値)を超える場
合は、バリア材としての能力が不充分になる虞があり、
ピンチオフ部および胴部開口部からの燃料の透過量の低
減効果が不満足になる虞がある。バリア材(C)のガソ
リン透過量は100g・20μ/m2・day(40℃
−65%RHで測定した値)以下であることがより好ま
しく、50g・20μ/m2・day(40℃−65%
RHで測定した値)以下であることがさらに好ましく、
10g・20μ/m2・day(40℃−65%RHで
測定した値)以下であることが特に好ましく、1g・2
0μ/m2・day(40℃−65%RHで測定した
値)以下であることが最適である。
【0071】また、本発明に用いられるバリア材(C)
として、金属箔、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、フッ素樹脂からなる群より選ばれる
少なくとも1種を用いることも好適である。これらの中
でも、取り扱いの観点から金属箔を用いることが好まし
く、特にアルミテープのように、燃料タンク本体と接着
性を有する基材に金属箔を積層する態様が好適である。
金属箔としては特に限定されず、金属の蒸着膜、金属酸
化物の蒸着膜も含まれるが、入手の容易性や取り扱いな
どの観点から、アルミ箔が好適である。
【0072】また、バリア材(C)が熱可塑性樹脂であ
る場合は、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、機
械強度、成形性などの向上のために、他の熱可塑性樹脂
を適量配合することは任意である。熱可塑性樹脂として
は各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以
上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無
水マレイン酸との共重合体、エチレン−ビニルエステル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ま
たはこれらを不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラ
フト変性した変性ポリオレフィンなど)、ポリスチレ
ン、ポリアクリロニトリルなどが用いられる。
【0073】本発明の燃料容器は、バリア性樹脂(A)
からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる
内層を有する燃料容器において、ピンチオフ部をバリア
材(C)で被覆してなる共押出ブロー成形燃料容器であ
る。また、本発明の燃料容器はバリア性樹脂(A)から
なる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層
を有する容器の胴部に設けられた開口部の切断面をバリ
ア材(C)で被覆してなる燃料容器である。バリア材
(C)による燃料容器のピンチオフ部の切断面および/
または燃料容器本体の胴部に設けられた開口部の切断面
の被覆方法は特に限定されない。燃料容器本体と接着性
を有するバリア材(C)を切断面に塗布した後に固化あ
るいは乾燥させる方法;燃料容器本体とバリア材(C)
の双方に接着性を有する接着剤を切断面に塗布した後、
バリア材(C)で切断面を被覆する方法;バリア材
(C)と接着剤からなる積層体(例えばアルミテープな
ど)を用いて切断面を被覆する方法、バリア材(C)か
らなる成形物を切断面と熱融着により接合、あるいは接
着剤を介して接合して切断面を被覆する方法などが挙げ
られる。なお、バリア材(C)からなる成形物は特に限
定されないが、フィルムまたはシート、あるいは燃料容
器用付属部品などが好適なものとして例示される。
【0074】これらの被覆方法の中でも、作業の容易性
の観点から、バリア材(C)を予め燃料タンク本体と接
着性を有する基材に被覆し、かかる積層体(例えばアル
ミテープなど)を用いて切断面を被覆する方法、あるい
はバリア材(C)からなる成形物を切断面と熱融着によ
り接合、あるいは接着剤を介して接合して切断面を被覆
する方法が好適である。
【0075】また、該切断面をバリア材(C)からなる
成形物、特に好適には燃料容器用付属部品で被覆する場
合において、開口部の周囲の外表面をくり抜き、得られ
た凹部に成形物を熱融着させる態様も好適である(図4
参照)。バリア材(C)からなる成形物としては、バリ
ア材(C)からなる単層成形品を用いても良いし、バリ
ア材(C)からなる層を少なくとも一層有する多層成形
品を用いても良い。かかる実施態様にて切断面を被覆す
る場合、図5に示すような実施態様による切断面の被覆
方法と比較して、熱融着を行う際の作業性の観点から特
に好適である。
【0076】当該凹部の深さは任意であるが、容器胴部
平均全層厚み(T2)の0.1〜0.8倍であることが
好ましい。当該凹部の深さの下限は容器胴部平均全層厚
み(T2)の0.2倍以上であることがより好ましく、
0.3倍以上であることがさらに好ましい。また、凹部
の深さの上限は容器胴部平均全層厚み(T2)の0.7
5倍以下であることが好ましく、0.7倍以下であるこ
とがさらに好ましい。凹部の深さが容器胴部平均全層厚
み(T2)の0.1倍に満たない場合は、ガソリンバリ
ア性の改善効果が不満足になる虞がある。また、凹部の
深さが容器胴部平均全層厚み(T2)の0.8倍を超え
る場合は、かかる凹部の周辺の燃料容器本体の機械強度
が不満足になる虞がある。
【0077】また、凹部の深さがバリア性樹脂(A)か
らなる層よりも外側に存在している層の合計厚み(T
1)の0.2倍以上1倍未満であることが、当該凹部を
設けられた、容器胴部の開口部周辺の機械強度の観点か
ら好ましい。凹部の深さの下限は(T1)の0.3倍以
上であることがより好ましく、0.5倍以上であること
がさらに好ましい。凹部の深さが(T1)の0.2倍に
満たない場合は、ガソリンバリア性の改善効果が不充分
なものとなる虞がある。バリア材(C)からなる成形物
との熱融着性を得る観点からは、凹部の深さの上限は
(T1)の0.999倍以下であることがより好まし
く、0.995倍以下であることがさらに好ましく、特
に熱融着性を重視する場合は0.99倍以下であること
が好ましい。
【0078】ガソリンバリア性を特に重視する場合は、
凹部の深さは(T1)以上であることが好ましい。かか
る実施態様においては、バリア性樹脂(A)より外側に
存在する層からの燃料の透過経路をバリア材(C)で隙
間無く塞ぐことが出来ることから、極めて優れたガソリ
ンバリア性が得られる。しかしながら、凹部の深さを
(T1)と等しくした場合はバリア性樹脂(A)が露出
するため、バリア材(C)からなる成形物を熱融着して
当該凹部の切断面を被覆する際において、熱融着性が不
足する虞がある。また、凹部の深さが(T1)を超える
場合は、該凹部周辺の機械強度が不充分になる虞があ
る。
【0079】バリア材(C)を用いて本発明の燃料容器
のピンチオフ部を被覆する場合は、ピンチオフ部の全体
を被覆しても良く、一部を被覆しても良いが、本発明の
効果を効率的に得る観点からは、ピンチオフ部の切断面
全体を被覆することが好ましい。少なくとも、対向する
バリア性樹脂(A)層間に存在する層の切断面をバリア
材(C)で被覆してなることがガソリンバリア性を充分
に得る観点から好ましい(図2参照)。ピンチオフ部全
体の中でも、少なくともかかる部分を完全に被覆するこ
とにより、効果的にピンチオフ部からの燃料透過を抑制
できる。
【0080】同様に、バリア材(C)を用いて本発明の
燃料容器の胴部に設けられた開口部の切断面を被覆する
場合は、該切断面の全体を被覆しても良く、一部を被覆
しても良いが、ガソリンバリア性を充分に得る観点から
は、該切断面の内、少なくともバリア性樹脂(A)から
なる層より外側に存在する層の切断面をバリア材(C)
で被覆してなることが好ましい(図3参照)。切断面全
体の中でも、少なくともかかる部分を完全に被覆するこ
とにより、燃料容器の胴部に設けられた開口部からの燃
料透過を効果的に抑制できる。
【0081】本発明の燃料容器は、バリア性樹脂(A)
からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる
外層を有し、容器胴部に開口部が設けられている燃料容
器において、開口部の周囲の外表面に溝が設けられ、か
つ当該溝の内面がバリア材(C)で被覆されてなること
を特徴とする燃料容器である。また、本発明の燃料容器
はバリア性樹脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑
性樹脂(B)からなる外層を有し、容器胴部に開口部が
設けられている燃料容器において、開口部の周囲の外表
面に溝が設けられ、かつ当該溝がバリア材(C)で充填
されてなることを特徴とする燃料容器である。これら
の、バリア性樹脂(A)からなる層と(A)以外の熱可
塑性樹脂(B)からなる外層を有し、容器胴部に開口部
が設けられている燃料容器の、開口部の周囲の外表面に
設けられた溝の内面をバリア材(C)で被覆する方法、
および溝をバリア材(C)で充填する方法も特に限定さ
れない。溝の内面をバリア材(C)で被覆する方法とし
ては、燃料容器本体とバリア材(C)の双方に接着性を
有する接着剤を切断面に塗布した後、バリア材(C)で
溝の内面を被覆する方法;バリア材(C)と接着剤から
なる積層体(例えばアルミテープなど)を用いて溝の内
面を被覆する方法;燃料容器本体と接着性を有するバリ
ア材(C)を溝の内面に塗布した後に固化あるいは乾燥
させる方法;などが挙げられる。
【0082】溝をバリア材(C)で充填する方法として
は、燃料容器本体と接着性を有するバリア材(C)を溝
に充填し、固化あるいは乾燥させる方法が好適である。
この場合、バリア材(C)は疑似接着で接合されていて
も本発明の効果であるガソリンバリア性を発揮できる
が、機械強度等の観点から燃料タンク本体は強固に接着
していることが好ましい。燃料容器本体と接着性を有す
るバリア材(C)を溝に充填し、固化あるいは乾燥させ
る方法を用いた場合は、開口部にバリア材(C’)から
なる燃料容器用付属部品を装着することがガソリンバリ
ア性を充分に得る観点から特に好適である(図6参
照)。バリア材(C’)からなる燃料容器用付属部品と
しては、バリア材(C’)からなる単層成形品を用いて
も良いし、バリア材(C’)からなる層を少なくとも一
層有する多層成形品を用いても良い。
【0083】また、溝をバリア材(C)で充填する方法
として、バリア材(C)からなる成形物、特に好適には
燃料容器用付属部品を当該溝に熱融着する方法も好適で
ある。
【0084】前述に示したような溝を設け、かかる溝の
内面を被覆する場合、あるいは溝をバリア材(C)で充
填する場合は、開口部の切断面を直接バリア材(C)で
被覆する実施態様と比較して、バリア材(C)と燃料の
直接接触を避けられる点から好適である。バリア材
(C)は容器内の燃料に対してバリア性を示すために、
直接接触による劣化は起こりにくいが、燃料の流路面に
存在することで、長期間の使用時にバリア材(C)が物
理的な力により剥離しやすくなる虞がある。
【0085】また、バリア材(C)からなる燃料用付属
部品を熱融着させることにより当該溝を充填する方法
は、開口部の切断面にバリア材(C)からなる燃料用付
属部品を熱融着させる実施態様(図5参照)よりも、熱
融着を行いやすい観点から好適である。
【0086】また、開口部の周囲の外表面に設けられた
溝が、途切れなく開口部を囲んでいることが、燃料の透
過経路を塞ぎ、効果的にガソリンバリア性を向上させら
れる観点から好適である。溝が途切れなく開口部を囲ん
でいる場合、溝に囲まれた部分の面積が、開口部の面積
の1.1倍〜50倍であることが好ましい。溝を作成す
る際の加工性の観点から、溝に囲まれた部分の面積の上
限は、開口部の面積の30倍以下であることがより好ま
しく、10倍以下であることがさらに好ましく、5倍以
下であることが特に好ましい。さらに、溝の形状は円形
であることが、途切れなく開口部を囲む溝を作成するこ
とが容易な点から好ましい。
【0087】かかる溝の深さは容器胴部平均全層厚み
(T2)の0.1〜0.8倍であることが好ましい。溝
の深さの下限は容器胴部平均全層厚み(T2)の0.2
倍以上であることが好ましく、0.3倍以上であること
がさらに好ましい。また、溝の深さの上限は容器胴部平
均全層厚み(T2)の0.75倍以下であることが好ま
しく、0.7倍以下であることがさらに好ましい。溝の
深さが容器胴部平均全層厚み(T2)の0.1倍に満た
ない場合は、ガソリンバリア性の改善効果が不満足にな
る虞がある。また、溝の深さが容器胴部平均全層厚み
(T2)の0.8倍を超える場合は、かかる溝の周辺の
燃料容器本体の機械強度が不満足になる虞がある。
【0088】また、溝の深さがバリア性樹脂(A)から
なる層よりも外側に存在している層の合計厚み(T1)
の0.2倍以上1倍未満であることが、当該溝を設けら
れた、容器胴部の開口部周辺の機械強度の観点から好ま
しい。溝の深さの下限は(T1)の0.3倍以上である
ことがより好ましく、0.5倍以上であることがさらに
好ましい。溝の深さが(T1)の0.2倍に満たない場
合は、ガソリンバリア性の改善効果が不充分なものとな
る虞がある。バリア材(C)からなる成形物との熱融着
性を得る観点からは、溝の深さの上限は(T1)の0.
999倍以下であることがより好ましく、0.995倍
以下であることがさらに好ましく、特に熱融着性を重視
する場合は0.99倍以下であることが好ましい。
【0089】ガソリンバリア性を特に重視する場合は、
溝の深さは(T1)以上であることが好ましい。かかる
実施態様においては、バリア性樹脂(A)より外側に存
在する層からの燃料の透過経路をバリア材(C)で隙間
無く塞ぐことが出来ることから、極めて優れたガソリン
バリア性が得られる。しかしながら、溝の深さを(T
1)と等しくした場合はバリア性樹脂(A)が露出する
ため、バリア材(C)からなる成形物を熱融着して当該
凹部の切断面を被覆する際において、熱融着性が不足す
る虞がある。また、溝の深さが(T1)を超える場合
は、当該開口部周辺の機械強度が不充分になる虞があ
る。なお、バリア性樹脂(A)層は二層以上用いてもよ
く、かかる構成の際は、二層以上存在するバリア性樹脂
(A)層の中の、最も外層側に位置するバリア性樹脂
(A)層よりも外側に存在する層の合計厚みを(T1)
とみなす。
【0090】本発明の燃料容器本体の層構成に関して
は、特に限定されるものではないが、成形性およびコス
ト等を考慮した場合、バリア性樹脂(A)をA、(A)
以外の熱可塑性樹脂(B)をB、接着性樹脂をTieと
した場合、(内)B/A/B(外)、(内)B/Tie
/A(外)、(内)B/Tie/A/Tie/B
(外)、(内)B/Tie/A/Tie/A/Tie/
B(外)、などが代表的なものとして挙げられる。バリ
ア性樹脂(A)、(A)以外の熱可塑性樹脂(B)およ
び接着性樹脂をそれぞれ複数の層で用いる場合は、同じ
樹脂を用いても良いし、異なる樹脂を用いても良い。
【0091】なかでも、本発明の燃料容器を燃料タンク
として用いる場合は、剛性、耐衝撃性、成形性、耐ドロ
ーダウン性、耐ガソリン性等の観点から、(内)B/T
ie/A/Tie/B(外)の層構成を採用することが
特に好ましい。
【0092】本発明の燃料容器の各層の厚みは特に限定
されないが、燃料容器のガソリンバリア性、機械強度お
よびコストメリット等を考慮した場合、バリア性樹脂
(A)層の厚みが、全層厚みの0.1〜20%であるこ
とが好ましい。バリア性樹脂(A)層の厚みの下限はよ
り好適には全層厚みに対して0.5%以上であり、さら
に好適には1%以上である。また、バリア性樹脂(A)
層の厚みの上限はより好適には全層厚みに対して15%
以下であり、さらに好適には10%以下である。バリア
性樹脂(A)層の厚みが全層厚みの0.1%に満たない
場合は容器のガソリンバリア性が不充分になる虞があ
り、20%を超える場合は、コスト的に割高になる他、
機械強度が不満足なものとなる虞がある。なお、バリア
性樹脂(A)層が複数層存在する場合は、各バリア性樹
脂(A)層の合計厚みをバリア性樹脂(A)層の厚みと
する。
【0093】容器の胴部に設けられた開口部の切断面か
らの燃料透過量を抑制する観点からは、容器胴部におい
て、バリア性樹脂(A)からなる層よりも外側に存在す
る層の合計厚み(T1)と全層厚み(T2)との比(T
1/T2)が45/100以下であることが好ましい。
容器内の燃料は、バリア性樹脂(A)からなる層よりも
外側の層を通過して外部に透過するため(図1参照)、
バリア性樹脂(A)からなる層よりも外側に存在する層
の合計厚み(T1)を小さくすることにより、相対的に
燃料容器からの燃料の透過量を小さくすることが可能で
ある。
【0094】容器胴部において、バリア性樹脂(A)か
らなる層よりも外側に存在する層の合計厚み(T1)と
全層厚み(T2)との比(T1/T2)の上限は45/
100以下であることが好ましく、より好ましくは40
/100以下であり、さらに好ましくは35/100以
下であり、特に好ましくは30/100以下である。
【0095】上記の比(T1/T2)の下限は特に限定
されず、バリア性樹脂(A)が最外層とであっても良
い。しかしながら、バリア性樹脂(A)を最外層とする
燃料容器は、機械強度および燃料容器用付属部品との熱
融着性などの観点から、好ましくない場合がある。この
ため、本発明の燃料容器は、バリア性樹脂(A)からな
る中間層と(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる内
外層を有することが好適であり、上記の比(T1/T
2)の下限は1/100以上であることが好適であり、
5/100以上であることが更に好適である。なお、バ
リア性樹脂(A)層は二層以上用いてもよく、かかる構
成の際は、二層以上存在するバリア性樹脂(A)層の中
の、最も外層側に位置するバリア性樹脂(A)層よりも
外側に存在する層の合計厚みを(T1)とみなす。
【0096】また、燃料透過を抑制する観点からは外層
側の熱可塑性樹脂(B)にバリア性樹脂(A)をブレン
ドすることも好適である。かかる構成を採用することに
より、ある程度の機械強度と燃料容器用付属部品との熱
融着を有し、ガソリンバリア性がさらに向上した燃料容
器を得ることができる。外層側の熱可塑性樹脂(B)は
単層であっても良く、複層構成であっても良いが、複層
構成である場合は上記のバリア性樹脂(A)をブレンド
したブレンド層を最外層とすることがガソリンバリア性
の観点から好ましい。
【0097】燃料容器を成形する際には、通常、バリの
発生が不可避である。かかるバリや、成形時の不合格品
を再溶融し、回収層として用いることによって、該容器
作成時の使用樹脂のロスを低減し、リサイクル性を向上
させることが可能である。
【0098】回収層は一般に熱可塑性樹脂、バリア層
(および実施態様によっては接着性樹脂層)からなる多
層構造体を再溶融後成形してなり、熱可塑性樹脂(B)
層の代わりとして用いることも可能であるが、熱可塑性
樹脂(B)層と積層して用いることが好ましい。一般的
には、単一の熱可塑性樹脂からなる層よりも回収層の方
が機械強度が弱くなることが多い。該容器が外部から衝
撃を受けた場合には、衝撃に対する応力が容器内層側で
働き、容器にひずみを生じさせ、場合によっては破損が
起こることから、強度的に弱い回収層はバリア層よりも
外層側に配置することが好適である。しかしながらバリ
の発生が多い時など、多量の樹脂をリサイクル必要があ
る場合は、バリア層の両側に回収層を配置することが好
適である。
【0099】また、本発明の燃料容器は、胴部に設けら
れた開口部に燃料容器用付属部品が装着されてなること
が好ましい。本発明における燃料容器用付属部品として
は、具体的には、燃料タンク用コネクター、燃料タンク
用キャップ、燃料タンク用バルブなどが挙げられるが、
これに限定されない。
【0100】本発明の効果を充分に発揮するためには、
かかる燃料容器用付属部品にバリア性が付与されている
ことが好ましく、金属製の燃料容器用付属品や、バリア
性を有する樹脂組成物からなる燃料容器用付属部品(特
願平11−172151号、特願平11−172152
号)などを用いることが好適である。
【0101】本発明の特に好適な実施態様は、バリア性
樹脂(A)からなる層と(A)以外の熱可塑性樹脂
(B)からなる内外層を有する燃料容器において、ピン
チオフ部をバリア材(C)で被覆してなる共押出ブロー
成形燃料容器の胴部に設けられた開口部の切断面をバリ
ア材(C)で被覆してなる燃料容器であり、かかる燃料
容器にバリア性が付与された燃料容器用付属部品が装着
されてなることがさらに好ましい。
【0102】以上のようにして得られた燃料容器は、燃
料バリア性に極めて優れているため、燃料、特に含酸素
ガソリンのバリア性が求められる燃料用パイプまたはタ
ンクとして、例えば自動車用ガソリンタンク、石油スト
ーブ等の燃料用タンクとして有用である。
【0103】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、これにより何ら限定されるものでない。なお、各実
施例における樹脂の燃料透過量およびタンクの燃料透過
量は以下のようにして測定した。
【0104】<使用樹脂の燃料透過量の測定> ・バリア性樹脂(A)の燃料透過量の測定 (1)高密度ポリエチレン(HDPE)としてPaxo
n製BA−055(密度0.970、190℃−216
0gにおけるMFR=0.03g/10分)を、接着性
樹脂(Tie)として三井化学製ADMER GT−6
A(190℃−2160gにおけるMFR=0.94g
/10分)を用い、高密度ポリエチレン、バリア性樹脂
(A)、接着性樹脂を別々の押出機に仕込み、高密度ポ
リエチレン/接着性樹脂/バリア性樹脂(A)/接着性
樹脂/高密度ポリエチレン(膜厚み50μm/5μm/
10μm/5μm/50μm)の構成を有する全層厚み
120μmの共押出シートを成形装置により得た。押出
成形は高密度ポリエチレンが直径65mm、L/D=2
4の一軸スクリューを備えた押出機を170〜210℃
の温度とし、接着性樹脂は直径40mm、L/D=22
mmの一軸スクリューを備えた押出機を160〜210
℃の温度とし、バリア性樹脂(A)は直径40mm、L
/D=22の一軸スクリューを備えた押出機を170〜
210℃の温度とし、フィードブロック型ダイ(幅60
0mm)を210℃で運転し、共押出シート(a1)を
得た。 (2)該共押出シート(a1)の片面をアルミテープ
(エフピー化工株式会社製、商品名アルミシール:ガソ
リンバリア性=0g・20μm/m2・day)を用い
て被覆した。 (3)該共押出シート(a1)およびアルミテープで被
覆した共押出シート(b1)をそれぞれ210mm×3
00mmの大きさにカットした。 (4)カットしたそれぞれのシートを中央で折り曲げ、
二辺を、富士インパルス製ヒートシーラーT−230を
使用し、ダイヤル6にてシール幅10mmになるように
ヒートシールし、パウチを作製した。 (5)それぞれのパウチにモデルガソリンとしてRe
f.C(トルエン/イソオクタン=1/1)をシールさ
れていない辺より200ml充填し、投入辺を上述した
方法と同様にシール幅10mmとなるようにヒートシー
ルした。該燃料投入パウチを防爆型恒温恒湿槽(40℃
−65%RH)に放置し、7日置きに3ヶ月間パウチの
重量を測定した。かかる試験を、アルミ箔なしの共押出
パウチ(a2)およびアルミテープで被覆した共押出パ
ウチ(b2)それぞれ5個のパウチについて行い、放置
前と各放置時間後の該パウチの重量変化を読みとり、放
置時間とパウチの重量変化量の傾きから燃料透過量を算
出した。
【0105】アルミテープなしの共押出パウチ(a2)
の燃料透過量はパウチ表面とヒートシール部の双方から
の燃料透過量の和を示し、アルミテープで被覆した共押
出パウチ(b2)の燃料透過量はヒートシール部分から
の燃料透過量を示す。
【0106】{(a2)からの透過量}−{(b2)か
らの透過量}をバリア性樹脂(A)の燃料透過量とし、
バリア性樹脂(A)層20μmあたりの透過量に厚み換
算をしてバリア性樹脂(A)の燃料透過量(g・20μ
m/m2・day)を求めた。
【0107】・熱可塑性樹脂(B)のガソリンバリア性
の測定 (1)東洋精機製ラボプラストミル(直径20mm、L
/D=22)を使用し、300mm幅のコートハンガー
ダイを用い、熱可塑性樹脂(B)の融点+20℃にて押
し出し、100μmシートを作製し、該シートを210
mm×300mmの大きさにカットした。 (2)カットしたシートを中央で折り曲げ、二辺を、富
士インパルス製ヒートシーラーT−230を使用し、ダ
イヤル6にてシール幅10mmになるようにヒートシー
ルし、パウチを作製した。 (3)該パウチにモデルガソリンとしてRef.C(ト
ルエン/イソオクタン=1/1)をシールされていない
辺より200ml充填し、投入辺を上述した方法と同様
にシール幅10mmとなるようにヒートシールした。 (4)該燃料投入パウチを防爆型恒温恒湿槽(40℃−
65%RH)に放置し、6時間置きに3日間パウチの重
量を測定した。かかる試験を5個のパウチについて行
い、放置前と各放置時間後の該パウチの重量変化を読み
とり、放置時間とパウチの重量変化量の傾きから該パウ
チの燃料透過量を求め、厚み換算により熱可塑性樹脂
(B)の燃料透過量(g・20μm/m2・day)を
算出した。
【0108】・バリア材(C)のガソリンバリア性の測
定(熱可塑性樹脂の場合) バリア性樹脂(A)と同様の方法を用いて、ガソリンバ
リア性を測定した。
【0109】・バリア材(C)のガソリンバリア性の測
定(ペースト状、液状の場合の場合) (1)東洋精機製ラボプラストミル(直径20mm、L
/D=22)を使用し、300mm幅のコートハンガー
ダイを用い、上記の高密度ポリエチレン(HDPE)と
してPaxon製BA−055の融点+20℃にて押し
出し、100μmシートを作製し、該シートを210m
m×300mmの大きさにカットした。該シートにバリ
ア材(C)のペーストを塗布し、メイヤーバーにて塗布
量5g/m 2となるようにバリア材(C)を塗布した。 (2)その後もう一枚の高密度ポリエチレンの100μ
mシートをラミネートし、2種3層の多層シートを作製
した。 (3)該多層シートの片面アルミテープ(エフピー化工
株式会社製、商品名アルミシール:ガソリンバリア性=
0g.20μm/m2.day)を用いて被覆した。以
下はバリア性樹脂(A)と同様にして、バリア材(C)
の燃料透過量を求めた。
【0110】・バリア材(C)が金属箔の場合 ガソリンバリア性は0g・20μm/m2・dayとみ
なした。
【0111】<タンク燃料透過量>成形した500ml
タンクに、モデルガソリンとしてRef.C(トルエン
/イソオクタン=1/1)をブロー吹き込みのための開
口部から400ml充填し、該開口部をアルミテープ
(エフピー化工株式会社製、商品名アルミシール:ガソ
リンバリア性=0g・20μm/m2・day)を用い
て封止した。その後40℃−65%RHに放置し、3ヶ
月間保存した。かかる試験を5個の500mlタンクに
ついて行い、放置前と放置後の該タンクの重量変化の平
均値からタンクの透過量を求めた。
【0112】実施例1 高密度ポリエチレン(HDPE)としてPaxon製B
A−055(密度0.970、190℃−2160gに
おけるMFR=0.03g/10分、ガソリンバリア性
=4000g・20μm/m2・day)を、接着性樹
脂(Tie)として三井化学製ADMER GT−6A
(190℃−2160gにおけるMFR=0.94g/
10分)を、バリア性樹脂(A)としてエチレン含量3
2mol%、ケン化度99.5mol%、190℃−2
160gにおけるMFR=1.3g/10分のエチレン
−ビニルアルコール共重合体(ガソリンバリア性=0.
003g・20μm/m2・day)を用い、鈴木製工
所製ブロー成形機TB−ST−6Pにて210℃で(内
側)HDPE/Tie/Barrier/Tie/HD
PE(外側)3種5層パリソンを押し出し、15℃の金
型内でブローし、20秒冷却して全層厚み1000μm
((内側)HDPE/Tie/Barrier/Tie
/HDPE(外側)=460/20/30/20/47
0μm)の500mlタンクを成形した。該タンクの底
面直径は100mm、高さは400mm、ピンチオフ長
さは100mm、幅5mm、高さ1mmであった。該タ
ンクのピンチオフ部の切断面をアルミテープ(エフピー
化工株式会社製、商品名アルミシール:ガソリンバリア
性=0g・20μm/m2・day)を用いて被覆し
た。この時の該タンクのガソリン透過量は0.02(g
/3ヶ月)であった。
【0113】実施例2 実施例1と同様に500mlタンクを作製し胴部に直径
50mmの開口部をあけた。タンク胴部の開口部の切断
面をアルミテープ(エフピー化工株式会社製、商品名ア
ルミシール)で被覆した後、その開口部に直径70mm
のポリエチレン40μm/アルミ箔12μm/ポリエチ
レン40μm構成のフィルムを外層から開口部を覆うよ
うにシール幅10mmで170℃のアイロンで熱ラミネ
ートした。さらに、実施例1と同様に該タンクのピンチ
オフ部の切断面もアルミテープ(エフピー化工株式会社
製、商品名アルミシール)を用いて被覆した後、該タン
クのガソリン透過量を測定した。この時の該タンクのガ
ソリン透過量は0.02(g/3ヶ月)であった。
【0114】実施例3 タンク胴部にあけた直径50mmの開口部の切断面をア
ルミテープを用いて被覆しないこと以外は実施例2と同
様にし、該タンクのガソリン透過量を測定した。この時
のタンクからの透過量は0.05(g/3ヶ月)であっ
た。
【0115】実施例4 高密度ポリエチレン(HDPE)としてPaxon製B
A−055(密度0.970、190℃−2160gに
おけるMFR=0.03g/10分)を、接着性樹脂
(Tie)として三井化学製ADMER GT−6A
(190℃−2160gにおけるMFR=0.94g/
10分)を、バリア性樹脂(A)としてエチレン含量3
2mol%、ケン化度99.5mol%、190℃−2
160gにおけるMFR=1.3g/10分のエチレン
−ビニルアルコール共重合体(ガソリンバリア性=0.
003g・20μm/m2・day )を用い、鈴木製工
所製ブロー成形機TB−ST−6Pにて210℃で(内
側)HDPE/Tie/Barrier/Tie/HD
PE(外側)3種5層パリソンを押し出し、15℃の金
型内でブローし、20秒冷却して全層厚み1000μm
((内側)HDPE/Tie/Barrier/Tie
/HDPE(外側)=800/20/30/20/13
0μm)の500mlタンクを成形した。このとき、層
よりも外側に存在する層の合計厚み(T1)と容器胴部
の全層厚み(T2)との比(T1/T2)は15/10
0であった。また該タンクの胴部に直径50mmの開口
部をあけた後、実施例2と同様に直径70mmのポリエ
チレン40μm/アルミ箔12μm/ポリエチレン40
μm構成のフィルムを外層から開口部を覆うようにシー
ル幅10mmで170℃のアイロンで熱ラミネートし
た。さらに、該タンクのピンチオフ部の切断面をアルミ
テープ(エフピー化工株式会社製、商品名アルミシー
ル)を用いて被覆し、該タンクのガソリン透過量を測定
した。この時の該タンクのガソリン透過量は0.03
(g/3ヶ月)であった。
【0116】比較例1 ピンチオフ部の切断面をアルミテープで被覆しないこと
以外は実施例1と同様にし、タンクのガソリン透過量を
測定した。この時のガソリン透過量は0.04(g/3
ヶ月)であった。
【0117】比較例2 タンク胴部の開口部断面およびピンチオフ部の切断面を
アルミテープで被覆しないこと以外は実施例2と同様に
し、タンクのガソリン透過量を測定した。該タンクのガ
ソリン透過量は0.07(g/3ヶ月)であった。
【0118】
【表1】
【0119】容器胴部に開口部を有さず、ピンチオフ部
の切断面をアルミテープで被覆した実施例1では、燃料
容器は優れたガソリンバリア性を示した。対して、ピン
チオフ部の切断面を何ら被覆しなかった比較例1では、
燃料透過量は0.04(g/3ヶ月)と実施例1に比べ
て倍増していた。
【0120】また、容器胴部に開口部を有し、バリア性
樹脂(A)からなる層よりも外側に存在する層の合計厚
み(T1)と全層厚み(T2)との比(T1/T2)が
15/100である実施例4では、バリア層が外層側に
配置されることによりタンク全体からの燃料透過量が増
加することが予想されたが、特に容器の胴部に設けられ
た開口部の切断面からの燃料の透過を効果的に低減可能
であったため、(T1/T2)が49/100である実
施例3よりも、タンク全体として優れたガソリンバリア
性を示した。
【0121】ピンチオフ部の切断面および容器の胴部に
設けられた開口部の切断面のいずれをも被覆した実施例
2では特に優れたガソリンバリア性を発揮した。
【0122】これに対し、ピンチオフ部および容器の胴
部に設けられた開口部の切断面のいずれもアルミテープ
で被覆していない比較例2では、その両方をアルミテー
プを用いて被覆した実施例2と比べて、3倍以上の燃料
の透過が見られた。
【0123】実施例5 高密度ポリエチレン(HDPE: 三井化学製HZ82
00B)を内外層とし、更に接着性樹脂(無水マレイン
酸変性LDPE、三井化学製アドマーGT5A)を用
い、3種5層のダイレクトブロー成形機にて容量35リ
ットル、表面積0.85m2のEVOH系多層タンクを
作製した。本タンクの層構成は、(外)HDPE/接着
性樹脂/EVOH(A−1)/接着性樹脂/HDPE
(内)=2500/100/150/100/2500
(μm)であった。
【0124】エチレン含量32mol%、ケン化度9
9.5%、190℃−2160gにおけるMFR=1.
6g/10分のEVOH30重量部、エチレン含量89
mol%、ケン化度97%、190℃−2160gにお
けるMFR=5g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物15重量部、および190℃−2160g
におけるMFR=0.3g/10分の密度0.952の
ポリエチレン55重量部からなる樹脂組成物であるバリ
ア材(C−1)を以下の方法で得た。即ち、EVOHと
エチレン含量89モル%、ケン化度97モル%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および密度0.952
のポリエチレンを二軸スクリュータイプのベント式押出
機に入れ、窒素の存在下220℃で押出しペレット化を
行い樹脂組成物のペレットを得た。バリア材(C−1)
のガソリンバリア性は、45g・20μm/m2・da
y であった。
【0125】バリア材(C−1)を射出成形機に仕込
み、直径110mm、厚み4mm、射出片の端部10m
m幅分のみ厚みを6mmとするような形状の射出成形品
(図7参照)を作成した。
【0126】上記作成した多層タンクの胴部に直径70
mmの円形の2個の開口部を設け、それぞれの該開口部
と同心円状に外径110mm、内径100mm、深さ2
mmの溝を設けた。かかる溝部分と、上記作成した射出
成形品の双方を250℃の鉄板で40秒融解させた後に
圧着して、射出成形品を2個、熱融着により装着した多
層タンクを得た(図8参照)。該多層タンクを用いて、
以下の方法でガソリンバリア性を評価した。
【0127】<ガソリンバリア性>得られた射出成形品
が2個装着された多層タンクに、モデルガソリンとして
Ref.C(トルエン/イソオクタン=1/1)をブロ
ー吹き込みのための開口部から25リットル充填し、該
開口部をアルミテープ(エフピー化工株式会社製、商品
名アルミシール:ガソリンバリア性=0g・20μm/
2・day)を用いて封止した。その後、該タンクを
防爆型恒温恒湿槽(40℃−65%RH)に放置し、3
ヶ月後の重量減少率(W)を測定した(n=5)。かか
る試験を5個の35Lタンクについて行い、放置前と放
置後の該タンクの重量変化の平均値からタンクの透過量
を求めた。
【0128】また、対照として多層タンクの胴部に設け
た切断面をアルミテープで用いて被覆した以外は、上記
と同様にして射出成形品を2個装着した多層タンクを作
成し、該タンクを防爆型恒温恒湿槽(40℃−65%R
H)に放置し、3ヶ月後の重量減少率(w)を測定した
(n=5)。バリア性樹脂(A)層より外側に存在する
熱可塑性樹脂(B)層からの燃料透過量は、下式(1)
で表される。 燃料透過量(g/3ヶ月)=W−w (1) 本実施例における燃料透過量は0.18(g/3ヶ月)
であった。
【0129】実施例6 バリア材(C−1)からなる射出成形品の形状を図9に
示すように変更し、かつ開口部の周囲に設けた溝の深さ
を4mmとする以外は実施例5と同様にして射出成形品
を2個装着した多層タンクを作成し(図10参照)、ガ
ソリンバリア性を測定した。本実施例における燃料透過
量は0.01(g/3ヶ月)であった。
【0130】実施例7 実施例5と同様に作成した容量35LのEVOH系多層
タンクの胴部に直径70mmの円形の2個の開口部を設
け、当該開口部と同心円状に、直径110mmかつ深さ
2mmの凹部が得られるように、タンク本体をくり抜い
た(図11参照)。かかる凹部に、バリア材(C−1)
からなる直径110mm、厚さ4mmの円盤状の射出成
形品を実施例5と同様にして装着し、射出成形品を2個
装着した多層タンクを得た(図12参照)。かかる多層
タンクのガソリンバリア性を測定したところ、燃料透過
量は0.10(g/3ヶ月)であった。
【0131】比較例3 実施例5と同様に作成した容量35LのEVOH系多層
タンクの胴部に直径70mmの円形の2個の開口部を設
け、バリア材(C−1)からなる直径110mm、厚さ
4mmの円盤状の射出成形品を、開口部と該射出成形品
のそれぞれの中心が重なるようにタンク本体に熱融着し
て当該開口部を封止した。このようにして得た射出成形
品を2個装着した多層タンクのガソリンバリア性を測定
したところ、燃料透過量は0.42(g/3ヶ月)であ
った。
【0132】本発明の構成を有する実施例5〜7の多層
タンクは、開口部の切断面からの燃料の透過を効果的に
抑制することが可能であり、いずれも優れたガソリンバ
リア性を示した。一方、本発明の構成を有さない比較例
3では、満足なガソリンバリア性が得られなかった。
【0133】
【発明の効果】高いガソリンバリア性を有する燃料容器
を提供できる。好適な実施態様では、容器胴部に設けら
れた開口部に燃料容器用付属部品を装着してなる燃料容
器においても優れたガソリンバリア性を発揮することが
可能であり、燃料容器用付属部品にガソリンバリア性が
付与されていることがさらに好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料容器の胴部に設けられた開口部に燃料容
器用付属部品が装着されている図である。
【図2】 燃料容器のピンチオフ部の切断面がバリア材
(C)で被覆されている図である。
【図3】 燃料容器の胴部の開口部の切断面の内、バリ
ア性樹脂(A)からなる層より外側に存在する層の切断
面がバリア材(C)で被覆されている図である。
【図4】 燃料容器の胴部の開口部の周囲をくり抜いて
設けられた凹部に、バリア材(C)からなる燃料容器用
付属部品を装着されて切断面が被覆されている図であ
る。
【図5】 燃料容器の胴部の開口部の切断面がバリア材
(C)からなる燃料容器用付属部品で被覆されている図
である。
【図6】 燃料容器の胴部の開口部の周囲に設けられた
溝がバリア材(C)で充填されている図である。
【図7】 実施例5で作成した射出成形品の形状を示す
図である。
【図8】 実施例5で作成された射出成形品が、燃料容
器本体の容器胴部の開口部に装着されている図である。
【図9】 実施例6で作成した射出成形品の形状を示す
図である。
【図10】 実施例6で作成された射出成形品が、燃料
容器本体の容器胴部の開口部に装着されている図であ
る。
【図11】 実施例7で示された、開口部と同心円状に
凹部が形成された容器胴部の開口部を示す図である。
【図12】 実施例7で作成された射出成形品が、燃料
容器本体の容器胴部の開口部に装着されている図であ
る。
【図13】 比較例3で作成された射出成形品が、燃料
容器本体の容器胴部の開口部に装着されている図であ
る。
【符号の説明】
1 バリア性樹脂(A)層 2 熱可塑性樹脂(B)層(内層) 2’熱可塑性樹脂(B)層(外層) 3 接着性樹脂(Tie)層 4 燃料容器用付属部品 5 バリア材(C)

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリア性樹脂(A)からなる層と(A)
    以外の熱可塑性樹脂(B)からなる内層を有する燃料容
    器において、ピンチオフ部をバリア材(C)で被覆して
    なる共押出ブロー成形燃料容器。
  2. 【請求項2】 ピンチオフ部において、対向するバリア
    性樹脂(A)層間に存在する層の切断面をバリア材
    (C)で被覆してなる請求項1記載の燃料容器。
  3. 【請求項3】 バリア性樹脂(A)からなる層と(A)
    以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層を有する容器の
    胴部に設けられた開口部の切断面をバリア材(C)で被
    覆してなる燃料容器。
  4. 【請求項4】 胴部に設けられた開口部の切断面の内、
    バリア性樹脂(A)からなる層より外側に存在する層の
    切断面をバリア材(C)で被覆してなる請求項3記載の
    燃料容器。
  5. 【請求項5】 胴部に設けられた開口部に燃料容器用付
    属部品が装着されてなる請求項3または4に記載の燃料
    容器。
  6. 【請求項6】 ピンチオフ部をバリア材(C)で被覆し
    てなる請求項3〜5のいずれかに記載の燃料容器。
  7. 【請求項7】 バリア性樹脂(A)からなる層と(A)
    以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層を有し、容器胴
    部に開口部が設けられている燃料容器において、開口部
    の周囲の外表面に溝が設けられ、かつ当該溝の内面がバ
    リア材(C)で被覆されてなることを特徴とする燃料容
    器。
  8. 【請求項8】 バリア性樹脂(A)からなる層と(A)
    以外の熱可塑性樹脂(B)からなる外層を有し、容器胴
    部に開口部が設けられている燃料容器において、開口部
    の周囲の外表面に溝が設けられ、かつ当該溝がバリア材
    (C)で充填されてなることを特徴とする燃料容器。
  9. 【請求項9】 容器胴部に設けられた開口部に燃料容器
    用付属部品が装着されてなる請求項7または8記載の燃
    料容器。
  10. 【請求項10】 バリア材(C)からなる燃料容器用付
    属部品を用いて溝を充填してなる請求項9記載の燃料容
    器。
  11. 【請求項11】 開口部の周囲の外表面に設けられた溝
    が、途切れなく開口部を囲んでいることを特徴とする請
    求項7〜10のいずれかに記載の燃料容器。
  12. 【請求項12】 溝の形状が円形である請求項11に記
    載の燃料容器。
  13. 【請求項13】 溝の深さが容器胴部平均全層厚み(T
    2)の0.1〜0.8倍である請求項7〜12のいずれ
    かに記載の燃料容器。
  14. 【請求項14】 溝の深さがバリア性樹脂(A)からな
    る層よりも外側に存在している層の合計厚み(T1)の
    0.2倍以上1倍未満である請求項7〜13のいずれか
    に記載の燃料容器。
  15. 【請求項15】 溝の幅が容器胴部平均全層厚み(T
    2)の0.01〜5倍である請求項7〜14のいずれか
    に記載の燃料容器。
  16. 【請求項16】 バリア性樹脂(A)のガソリン透過量
    が100g・20μ/m2・day(40℃−65%R
    Hで測定した値)以下である請求項1〜15のいずれか
    に記載の燃料容器。
  17. 【請求項17】 バリア性樹脂(A)がポリビニルアル
    コール系樹脂、ポリアミドおよび脂肪族ポリケトンから
    なる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜1
    6のいずれかに記載の燃料容器。
  18. 【請求項18】 熱可塑性樹脂(B)がポリオレフィン
    である請求項1〜17のいずれかに記載の燃料容器。
  19. 【請求項19】 熱可塑性樹脂(B)が密度0.93以
    上のポリエチレンである請求項18に記載の燃料容器。
  20. 【請求項20】 バリア材(C)のガソリン透過量(4
    0℃−65%RHで測定した値)が熱可塑性樹脂(B)
    のガソリン透過量(40℃−65%RHで測定した値)
    の0.1倍以下である請求項1〜19のいずれかに記載
    の燃料容器。
  21. 【請求項21】 バリア材(C)のガソリン透過量が4
    00g・20μ/m 2・day(40℃−65%RHで
    測定した値)以下である請求項1〜20のいずれかに記
    載の燃料容器。
  22. 【請求項22】 バリア材(C)が金属箔、エポキシ樹
    脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール系
    樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素
    樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求
    項1〜21のいずれかに記載の燃料容器。
  23. 【請求項23】 バリア材(C)が接着剤を介して切断
    面を被覆してなる請求項1〜22のいずれかに記載の燃
    料容器。
  24. 【請求項24】 バリア性樹脂(A)からなる中間層と
    (A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる内外層を有す
    る請求項1〜23のいずれかに記載の燃料容器。
  25. 【請求項25】 バリア性樹脂(A)からなる層と
    (A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる層が接着性樹
    脂層を介して積層されてなる請求項1〜24のいずれか
    に記載の燃料容器。
  26. 【請求項26】 容器胴部において、バリア性樹脂
    (A)からなる層よりも外側に存在する層の合計厚み
    (T1)と全層厚み(T2)との比(T1/T2)が4
    5/100以下であることを特徴とする請求項1〜25
    のいずれかに記載の燃料容器。
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