JP3805386B2 - 燃料容器および燃料移送パイプ - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、透過防止性能(バリア性)及び耐衝撃性に優れた燃料容器または燃料移送パイプに関し、詳しくは含酸素系有機化合物と炭化水素との混合物,例えばメタノール含有ガソリンに対するバリアー性に優れた燃料容器または燃料移送パイプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧品、食品、医療品或いは空気により変質しやすい化学薬品等を収容するため、様々な熱可塑性積層体から成る合成樹脂多層容器や、バリア性の成分を含有した単層容器等が知られている。そして、また一方では、近年、例えば、自動車等車両の燃料タンクなどのように、その軽量化および成形加工の容易化を計るべくプラスチック製のものが提案され実用化されつつある。
プラスチック製燃料タンクは、ポリエチレン製単層型が普及しているが、比較的高い透過性を有する欠点がある。これに対し、従来より、ポリエチレン製タンクにスルホン処理や、フロン処理によりバリアー性を向上させる方法や、ポリエチレンにバリアー性を有する物質を混入させる方法、また、一方では、多層構造体にし、バリアー層にナイロンを用い、その両側に接着材層を介して高密度ポリエチレン層を設けた3種5層構造が提案されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
近年の環境汚染に対する規制強化の中で、大気汚染防止およびガソリンの消費節約の観点から、オクタン価改良のために米国中心に使用されているメタノール、MTBE(メチルターシャルブチルエーテル)等をブレンドしたガソリン(以下ガスホールと略記する)やガソリンタンクの使用時に、タンク全体からのガソリン透過量が増大すると言う欠点を有しており、これらの欠点の改良が望まれている。
これを改良する手段として、上記ポリエチレンとナイロンとの積層体では、ガスホールに対するバリアー性が不足し、その対策としてナイロン層の厚み比率を増加することが考えられるが、容器全体の耐衝撃性が大きく低下することとなる。また,ポリエチレンにナイロンを混合して同時に溶融押出し、ポリエチレン層中にナイロンを不連続の薄層状に分散する方法では、ガスホールに対するバリアー性が不足し,ポリエチレン単層にスルホン処理や、フッ素処理する方法では、ガスホールに対するバリアー性の不足や、ガソリン中の水分により透過性が増大する問題がある。
さらには、ポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと略する)の多層タンクやパイプ等が提案されているが、ガソリン、ガスホールに対するバリアー性には優れるものの、形状や構成によっては、各層の膨潤による寸法変化が異なることから、EVOH層にクラックが生じ、バリアー性が低下することが懸念される。
しかして、本発明の目的は、ガソリンのみならず、ガスホールに対しても充分な透過防止性能と、さらには、耐衝撃性、耐ストレスクラック性を有する燃料容器または移送パイプを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、EVOH(a)50〜90重量%、および6/12−ナイロン共重合体(b)10〜50重量%からなり、かつ6/12−ナイロン共重合体(b)の6−ナイロン成分と12−ナイロン成分の共重合比(重量比)が下記(I)を満足する樹脂組成物層、またはEVOH(a)、6/12−ナイロン共重合体(b)および6−ナイロン共重合体(c)からなり、その配合比(重量比)が下記(II)および(III)を満足し、かつ6/12−ナイロン共重合体(b)の6−ナイロン成分と12−ナイロン成分の共重合比(重量比)が下記(I)を満足する樹脂組成物層を有する燃料容器または燃料移送パイプを提供することで、達成される。
55/45≦6−ナイロン成分/12−ナイロン成分≦85/15・・・・・(I)
10/90≦[(b)+(c)]/(a)≦50/50・・・・・(II)
70/30≦(b)/(c)≦95/5・・・・・(III)
本発明は、環境問題に適合するばかりか、実際の使用時における安全性を極めて大きなものとするものである。な、ここでバリア性とは、酸素などのガスバリア性、ガソリンなどの燃料のバリア性、フロンガス等のバリア性を意味する。
【0005】
本発明において、EVOHとはエチレン-ビニルエステル共重合体鹸化物であり、エチレン含量は20〜80モル%が好ましく、さらに好適には22〜70モル%であり、またビニルエステル成分の鹸化度は80%以上が好ましく、さらに好適には85%以上である。エチレン含量が20モル%未満では溶融成形性が悪く、バリアー性及び熱安定性が悪くなる。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有する場合は先押し出しする際の基材樹脂との溶融粘性の整合性が改善され、均質な共押し出し多層フィルムの製造が可能なだけでなく、EVOH同士をブレンドに使用する際の分散性が改善され成形性などの改善の面で有効である。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β-メトキシ-エトキシ)シラン、γ-メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルメチル、エチル)など}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドンなど)をブレンドすることもできる。また、本発明に用いるEVOHの好適なメルトインデックス(MI)(190℃,2160g荷重下で測定した値;融点が190℃付近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデックス(対数)を縦軸としてプロットし、190℃に外挿した値)は、0.1〜50g/10分、最適には0.5ー20g/10分である。本発明においてEVOHは、エチレン含有量あるいは/及び鹸化度の異なる1種あるいはそれ以上のEVOHをブレンドして用いる事がより好適な場合がある。
【0006】
本発明において、EVOH(a)と6/12−ナイロン共重合体(b)からなる樹脂組成物の場合には、6/12−ナイロン共重合体(b)が10重量%より少ない時には、耐ストレスクラック性に問題を生じ、50重量%よりも多い場合には、バリア性に問題を生じる。また,EVOH(a)、6/12−ナイロン共重合体(b)および6−ナイロン共重合(c)からなる樹脂組成物の場合には、EVOH(a)に対する(b)と(c)の合計量の比率が10重量%より少ない時には、耐ストレスクラック性に問題を生じ、50重量%よりも多い場合には、バリア性に問題を生じる。6/12−ナイロン共重合体(b)と6−ナイロン共重合体(c)を併用する場合は耐衝撃性改善に効果がある。その場合、6−ナイロン共重合体(c)が5重量%より少ない場合には耐衝撃性改善効果が少なく、30重量%を越える場合には、熱安定性が低下する。
【0007】
本発明において、6/12−ナイロン共重合体(b)における6−ナイロン成分と12−ナイロン成分の比率は12−ナイロン成分が15重量%より少ないときには、熱安定性に問題を生じ、45重量%より多い場合には、成形性に問題を生じる。なお、ここで6/12−ナイロン(b)とは、6−ナイロン(ポリカプロアミド成分)と12−ナイロン(ポリラウリルラクタム)の共重合体である。
【0008】
また、上記樹脂組成物には他の添加剤(可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲で使用することは、自由である。特に、ゲル発生防止,対策として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)の一種または二種以上をEVOHに対し0.01〜1重量%添加することは好適である。また、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンの添加をEVOHに対し10〜500ppm含有させることも効果的である。アルカリ金属化合物としては、一価金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、燐酸塩、金属錯体等があげられ、具体的には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム,ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等があげられ、好適には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムがあげられる。
【0009】
また、上記樹脂組成物には必要に応じて上記以外の添加剤を配合することもできる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、あるいは他の高分子化合物挙げることができ、これらを本発明の作用効果が阻害されない範囲でブレンドすることができる。添加剤の具体的な例としては次の様なものが挙げられる。
酸化防止剤:2.5−ジ−t−ブチルハイドロキンン、2.6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4.4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2.2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’.5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4.4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等。
紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−3.3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2.2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキトシキベンゾフェノン等。
可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、ワックス,流動パラフィン、リン酸エステル等。
帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。
滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート等。
着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。
充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラストナイト、ケイ酸カルシウム等。
また、他の多くの高分子化合物も本発明の作用効果が阻害されない程度にブレンドすることもできる。
【0010】
本発明の燃料容器または燃料移送パイプは、上記樹脂組成物よりなる層を少なくとも一層含むものであり、好適には上記樹脂組成物層に熱可塑性樹脂層を積層したものである。この場合、スクラップ回収層、接着樹脂層を必要に応じ設けることができる。上記樹脂組成物層を(B)、熱可塑性樹脂層を(H)、スクラップ回収層(R)、接着性樹脂層(A)とするとき、次のような層構成の多層構造体が代表例としてあげられる。
【0011】
Figure 0003805386
ただし、層構造は、上記に限定されるものではない。
【0012】
熱可塑性樹脂層(H)に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリアミド系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等があげられるが、ポリオレフィンが特に好適である。
【0013】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、主として高密度もしくは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1などおよびエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、などから選ばれたα−オレフィン同士の共重合体であるが、これらα−オレフィンとの共重合成分として、ジオレフィン、N−ビニルカルバゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、などのビニル化合物、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、そのエステルおよび酸無水物あるいはこれらにヒドロキシル基またはエポキシ基を付加したものがあげられ、例えばグラフト可能なモノマーとポリオレフィンとの共重合体やα−オレフィン/α、β−不飽和カルボン酸共重合体とイオン性金属化合物との反応物であるアイオノマー樹脂などのα−オレフィンが50重量%以上の共重合体を使用することもできる。これらのポリオレフィン系樹脂はそれぞれ単独で用いることもできるし、また2種以上を混合して用いることもできる。
【0014】
熱可塑性樹脂層(H)に用いられる熱可塑性樹脂は、異なった種類の樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂とポリアミド系樹脂、具体的にはナイロン−6と低密度ポリエチレン等を、目的に応じて、2種以上混合して用いることもできる。
【0015】
また、接着性樹脂層(A)に用いられる接着性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリウレタン系、ポリエステル系一液型あるいは二液型硬化性接着剤、不飽和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体または共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、またはエチルエステル)共重合体]にグラフトしたものが、好適に用いられる。
【0016】
また、スクラップ回収層(R)の回収物としては、本発明の多層容器を用いて、中空容器、管状容器、および管状体をさらに加工しての包装容器などの成形品の形にする場合の成形ロス部分や、一般消費者に使用された後のスクラップ回収品の粉砕物等がある。
【0017】
本発明の多層構造体を得る方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般のポリオレフィンの分野において実施されている成形方法、例えば、Tダイ成形、インフレーション成形、吹き込み成形、スタンピング成形、ブロー成形、延伸ブロー成形、二軸延伸ブロー成形、射出成形等があげられ、特に、共押出成形、共射出成形が好適であるが、押出コーチング成形、ドライラミネート成形も採用できる。このうち、燃料容器または移送パイプを得る方法としては、共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共押出成形法、共押出ブロー成形法などがあげられ、特に共押出ブロー成形法が好適である。
【0018】
また、多層構造体の厚み構成に関しても特に限定されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮した場合、全体厚みに対する本発明による樹脂組成物からなる層の厚み比率は、1〜30%程度が好適である。本発明の樹脂組成物層を有する構造体、特に前記した多層構造体は、耐衝撃性が優れ、さらに各種燃料のバリアー性、ガスバリアー性が優れているため、特に各種燃料容器、燃料移送パイプとして有効である。このことは、後述する実施例からも明かである。本発明の樹脂組成物を用いた構造体、とくに多層構造体は、他の用途、たとえば、各種食品用、化粧品用、医薬品、医療品用の包装容器としても使用可能である。
【0019】
本発明における燃料容器とは、自動車、オートバイ、船舶、航空機、発電機及び工業用、農業用機器に搭載された燃料容器、もしくは、これら燃料容器に燃料を補給するための携帯用容器、さらには、これら稼動のために用いる燃料を保管のための容器を意味する。また燃料移送パイプとは、上記に搭載された燃料容器、もしくは、これら燃料容器に燃料を補給するための携帯用容器、さらには、これら稼動のために用いる燃料を保管のための容器等に付随したパイプ、もしくは、それ自体独立したパイプを意味する。また燃料としてガソリン、メタノールおよび/またはMTBE等をブレンドしたガソリンが代表例としてあげられるが、その他の重油、石油、石油なども例示される。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
実施例1
EVOH{エチレン量27モル%、けん化度99.6%、メルトインデックス2.0g/10分(210℃、2160g荷重)}(a)85重量%と、6/12−ナイロン{ナイロン−6成分/ナイロン−12成分=65/35(重量比)、MI=15.7g/10分、EMS社製「EX3116」}(b)15重量%と、さらに熱安定剤として,ハイドロタルサイトをEVOH(a)に対して150ppmをドライブレンドした後、直径40mmの単軸スクリューを有する押出機を用いて溶融混練しペレット化を行った。
ここで得られたペレットを用いて、T型ハンガーダイを備えた押出機により100μの単層フィルムを製膜した。さらに、先の溶融混練ペレットをバリアー層とし,高密度ポリエチレン(HDPE){MI=0.17g/10分(210℃、2160g荷重)、三井石油化学製「HZ8200B」}を外層にして、そして、接着層(AD)に変性ポリエチレン{MI=1.0g/10分,210℃,2160g荷重、三井石油化学製「アドマーGT4」}を用い、共押出ブロー成形にて3種5層(HDPE/AD/EVOH組成物/AD/HDPE=1169μ/50μ/60μ/50μ/1169μ)の500cc多層容器を得た。また、これと同様にして、3種5層(HDPE/AD/EVOH組成物/AD/HDPE=100μ/10μ/25μ/10μ/100μ)の多層シートを得た。さらに、一方で,上記で得られたペレットを用い射出成形を行い、衝撃試験用の平板(80×80×3mm)を作成した。
【0021】
実施例2〜4
実施例1において、EVOH(a)と6/12ナイロン(b)の配合比を表1に示す比率に変えた以外は、実施例1と同様にして多層容器および多層シートを得た。
【0022】
実施例5
実施例1において、6/12ナイロン(b)を6/12−ナイロン{ナイロン−6/ナイロン−12=75/25(重量比)、MI=15g/10分(210℃、2160g荷重)、宇部興産製「70252X2」}に代えて、さらにEVOH(a)との配合比を表1に示す比率に代えた以外は、実施例1と同様にして多層容器および多層シートを得た。
【0023】
実施例6および7
実施例1において、EVOH(a)と6/12ナイロン(b)の配合比を表1に示す比率に代え、さらに、ナイロン−6{MI=1g/10分、(210℃、2160g荷重)、東レ製「CM1046−X04」}(b)を表1に示した成分(c)及び配合比にて添加し、溶融混練した以外は、実施例1と同様にして多層容器および多層シートを得た。
【0024】
比較例1および2
実施例1において、EVOH(a)と6/12ナイロン(b)の配合比を表2に示す比率に代えた以外は、実施例1と同様にして多層容器および多層シートを得た。
【0025】
比較例3
実施例1において、6/12ナイロン(b)を6/12−ナイロン(b){ナイロン−6/ナイロン−12=90/10(重量比)、MI=15g/10分(210℃、2160g荷重)、EMS社製「CR−9」}(b)に代え、さらにEVOH(a)との配合比を表1に示す比率に変えた以外は、実施例1と同様にして多層容器および多層シートを得た。
【0026】
比較例4
実施例1において、6/12ナイロン(b)を6/12ナイロン(b){ナイロン−6/ナイロン−12=50/50(重量比)、MI=19g/10分(210℃、2160g荷重)、EMS社製「CF−6S」}(b)に代え、さらにEVOH(a)との配合比を表1に示す比率に代えた以外は、実施例1と同様にして多層容器および多層シートを得た。
【0027】
比較例5〜8
実施例6において、EVOH(a)、6/12ナイロン(b)、6−ナイロン(c)の配合比を表2に示す比率に代えた以外は、実施例1と同様に多層容器および多層シートを得た。
【0028】
【表1】
Figure 0003805386
【0029】
【表2】
Figure 0003805386
【0030】
試験及び測定を以下の方法にて行った。
バリアー性試験
共押出にて得られた、3種5層{HDPE(100μ)/AD(10μ)/EVOH(25μ)/AD(10μ)/HDPE(100μ)}の多層シートを用いて作成したパウチ(形状12×20cm)にモデルガソリン{トルエン(42.5重量%):イソオクタン(42.5重量%):メタノール(15重量%)の混合物、容量110ml}を入れて、20℃−65%RHの雰囲気下に放置して、2週間後のパウチ重量減少量を求めた。(n=5)
【0031】
ストレスクラック性試験(1)
単層製膜にて得られた100μのフィルム(長さ10cm,幅2cm)を金属製治具にて、歪み3%となるように引っ張り、この状態のまま、モデルガソリン(40℃)に浸漬し、15分後のクラック発生状態を観察した。(n=6)
(判定基準)◎:変化なし,○:クラック少々有り,△:クラック多数有り,×:切断
【0032】
ストレスクラック性試験(2)
共押出ブロー成形にて得た3種5層(HDPE/AD/EVOH/AD/HDPE=1169μ/50μ/60μ/50μ/1169μ)の500cc多層容器に、モデルガソリンを充填し、密栓したのち,20℃−65%RHの雰囲気下で30日放置した。この容器より、ダンベルカッターにてダンベル形状(ASTM4号)の試験片を打ち抜き、この試験片をオートグラフにて引っ張り(平行部歪み10%)、バリアー層のクラック発生状態を観察した。(n=6) (判定基準)同上
【0033】
熱安定性評価
T型ハンガーダイにて得られた単層100μフィルムのゲル、ブツの発生状況を観察した。(判定基準)◎:なし,○:少々有り,△:有り,×:多数有り
【0034】
衝撃性評価
金属治具にて固定した平板(射出成形品:80×80×3mm)に鋼球(直径50.8mm,重量533.3g)を落下させ、50%破壊高さを求めた。(−40℃、n=20)
【0035】
【発明の効果】
本発明の燃料容器、または燃料移送パイプは、優れたバリアー性および耐ストレスクラック性を有し、さらにまた優れた耐衝撃性を有する。特に、メタノール含有ガソリンに対するバリアー性に優れることから、ガソリンならびにメタノール含有ガソリンを使用する自動車の燃料タンク、自動車の燃料移送パイプ等に極めて有効である。

Claims (10)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体(a)50〜90重量%および6/12−ナイロン共重合体(b)10〜50重量%からなり、かつ6/12−ナイロン共重合体(b)の6−ナイロン成分と12−ナイロン成分共重合の比(重量比)が下記(I)を満足する樹脂組成物層を有する燃料容器
    55/45≦6−ナイロン成分/12−ナイロン成分≦85/15・・・・・(I)
  2. エチレン−ビニルアルコール共重合体(a)、6/12−ナイロン共重合体(b)および6−ナイロン共重合体(c)からなり、その配合比(重量比)が下記(II)および(III)を満足し、かつ、6/12−ナイロン共重合体(b)の6−ナイロン成分と12−ナイロン成分の共重合比(重量比)が下記(I)を満足する樹脂組成物層を有する燃料容器
    55/45≦6−ナイロン成分/12−ナイロン成分≦85/15・・・・・(I)
    10/90≦[(b)+(c)]/(a)≦50/50・・・・・(II)
    70/30≦(b)/(c)≦95/5・・・・・(III)
  3. 樹脂組成物層がハイドロタルサイト系化合物を含む請求項1又は2記載の燃料容器
  4. 燃料が含酸素系有機化合物を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料容器
  5. 共押出成形法で成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料容器の製造方法。
  6. エチレン−ビニルアルコール共重合体(a)50〜90重量%および6/12−ナイロン共重合体(b)10〜50重量%からなり、かつ6/12−ナイロン共重合体(b)の6−ナイロン成分と12−ナイロン成分共重合の比(重量比)が下記(I)を満足する樹脂組成物層を有する燃料移送パイプ。
    55/45≦6−ナイロン成分/12−ナイロン成分≦85/15・・・・・(I)
  7. エチレン−ビニルアルコール共重合体(a)、6/12−ナイロン共重合体(b)および6−ナイロン共重合体(c)からなり、その配合比(重量比)が下記(II)および(III)を満足し、かつ、6/12−ナイロン共重合体(b)の6−ナイロン成分と12−ナイロン成分の共重合比(重量比)が下記(I)を満足する樹脂組成物層を有する燃料移送パイプ。
    55/45≦6−ナイロン成分/12−ナイロン成分≦85/15・・・・・(I)
    10/90≦[(b)+(c)]/(a)≦50/50・・・・・(II)
    70/30≦(b)/(c)≦95/5・・・・・(III)
  8. 樹脂組成物層がハイドロタルサイト系化合物を含む請求項6又は7記載の燃料移送パイプ。
  9. 燃料が含酸素系有機化合物を含む請求項6〜8のいずれか1つに記載の燃料移送パイプ。
  10. 共押出成形法で成形することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の燃料移送パイプの製造方法。
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