JP3375724B2 - 容器およびその用途 - Google Patents

容器およびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透過防止性能(バリア
性)及び耐衝撃性に優れた多層または単層の容器に関
し、詳しくは含酸素系有機化合物と炭化水素との混合
物、例えばメタノール含有ガソリンに対するバリアー性
に優れた燃料容器または燃料移送パイプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧品、食品、医療品或いは空気
により変質しやすい化学薬品等を収容するため、さまざ
まな熱可塑性積層体から成る合成樹脂多層容器や、バリ
ア性の成分を含有した単層容器等が知られている。そし
て、また一方では、近年、例えば、自動車等車両の燃料
タンクなどのように、その軽量化および成形加工の容易
化を計るべくプラスチック製のものが提案され実用化さ
れつつある。プラスチック製燃料タンクは、ポリエチレ
ン製単層型が普及しているが、比較的高い透過性を有す
る欠点がある。これに対し、従来、ポリエチレン製タン
クにスルホン処理や、フロン処理によりバリアー性を向
上させる方法や、ポリエチレンにバリアー性を有する物
質を混入させる方法、また、一方では、多層構造体に
し、バリアー層にナイロンを用い、その両側に接着材層
を介して高密度ポリエチレン層を設けた3種5層構造が
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、バリア性の
成分を含有した単層容器の場合、必要とする薬品に対す
るバリア性が不足していたり、積層体とした場合には、
容器全体の耐衝撃性が不足するという欠点を有してい
る。また、一方では、近年の環境汚染に対する規制強化
の中で、大気汚染防止および、ガソリンの消費節約の観
点から、オクタン価改良のために米国中心に使用されて
いるメタノールをブレンドしたガソリン(以下ガスホー
ル)使用時に、タンク全体からのガソリン透過量が増大
すると言う欠点を有しており、これらの欠点の改良が望
まれている。
【0004】これを改良する手段として、上記ポリエチ
レンとナイロンとの積層体では、ガスホールに対するバ
リアー性に問題がある。また、ポリエチレンにナイロン
を混合して同時に溶融押し出し、ポリエチレン層中にナ
イロンを不連続の薄層状に分散する方法では、ガスホー
ルに対するバリアー性が不足し、ポリエチレン単層にス
ルホン処理や、フッ素処理する方法では、ガスホールに
対するバリアー性の不足や、ガソリン中の水分により透
過性が増大する問題がある。さらには、ポリエチレンと
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと
略記する)のタンクやチューブ等の形状、構成によって
はガソリン、ガスホールに対し、各層の膨潤による寸法
変化が異なり、これによるストレスクラックや、耐衝撃
性の面が不足していることも示されている。しかして、
本発明の目的は、単層容器に関しては、その耐衝撃性を
低下させることなく、バリア性を向上させ、また、多層
容器に関しては、バリア性を低下させること無く、耐衝
撃性を向上させ、特に燃料容器または燃料移送パイプに
関しては、ガソリンのみならず、ガスホールに対しても
充分な透過防止性能と耐ストレスクラック性、さらに
は、耐衝撃性を付与することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、EVOH
(a)、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在下でボロン
酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基から選ばれ
る少なくとも一つの官能基を有するポリオレフィン
(b)からなる樹脂組成物層、またはエチレン−ビニル
アルコール共重合体(a)、ボロン酸基、ボリン酸基、
水の存在下でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ
素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する
ポリオレフィン(b)および熱可塑性樹脂(c)からな
る樹脂組成物層を有する単層または多層容器を提供する
ことによって、さらには、前記組成物層を有する単層ま
たは多層燃料容器または移送パイプを提供することによ
って達成される。すなわち、前記樹脂組成物層を有する
単層または多層の容器は、バリア性及び耐衝撃性に優れ
た性質を有している。なお、ここでのバリア性とは、酸
素などのガスバリア性、ガソリンなどの燃料のバリア
性、フロンガス等のバリア性を意味する。
【0006】本発明において、EVOHとはエチレン−
ビニルエステル共重合体鹸化物であり、エチレン含量は
20〜80モル%が好ましく、さらに好適には22〜7
0モル%であり、またビニルエステル成分の鹸化度は8
0%以上が好ましく、さらに好適には85%以上であ
る。エチレン含量が20モル%未満では溶融成形性が悪
く、ガスバリアー性および熱安定性が悪くなる。ビニル
エステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげ
られるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン
酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。ま
た、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化合物
0.0002〜0.2モル%を含有する場合には共押出
しする際の基材樹脂との溶融粘性の整合性が改善され、
均質な共押し出し多層フィルムの製造が可能なだけでな
く、EVOH同士をブレンドして使用する際の分散性が
改善され成形性などの改善の面で有効である。ここで、
ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン
が好適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害され
ない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブチ
レン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸エステルメチル、エチ
ル)など}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドン
など)をブレンドすることもできる。また、本発明に用
いるEVOHの好適なメルトインデックス(MI)(1
90℃、2160g荷重下で測定した値;融点が190
℃付近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重
下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶
対温度の逆数を横軸、メルトインデックス(対数)を縦
軸としてプロットし、190℃に外挿した値)は0.1
〜50g/10min.、最適には0.5〜20g/1
0min.である。本発明においてEVOHは、エチレ
ン含有量あるいは/及び鹸化度の異なる1種あるいはそ
れ以上のEVOHをブレンドして用いる事がより好適な
場合がある。
【0007】また、EVOHに他の添加剤(可塑剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラ
ー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲
で使用することは、自由である。特に、ゲル発生防止対
策として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフ
ェノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪酸
カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシュ
ウム、ステアリン酸カルシュウムマグネシュウムなど)
の一種、または、二種以上を0.01〜1重量%添加す
ることは好適である。
【0008】本発明におけるボロン酸基、ボリン酸基、
水の存在下でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ
素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する
ポリオレフィン(b)とは、詳しくは、ボロン酸基、ボ
リン酸基、水の存在下でボロン酸基、ボリン酸基に転化
しうるホウ素含有基からなる郡より選ばれる少なくとも
一つの官能基がホウ素−炭素結合により主鎖、側鎖また
は末端に結合したポリオレフィンである。このうち、前
記官能基が側鎖または末端に結合したポリオレフィンが
好ましく、末端に結合したポリオレフィンが最適であ
る。ここで末端とは片末端または両末端を意味する。ま
た、ホウ素−炭素結合の炭素は後述するポリオレフィン
のベースポリマーに由来するもの、あるいはベースポリ
マーに反応させるホウ素化合物に由来するものである。
ホウ素−炭素結合の好適な例としては、ホウ素と主鎖あ
るいは末端あるいは側鎖のアルキレン基との結合があげ
られる。
【0009】
【化1】
【0010】また水の存在下でボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基(以下単にホウ素含有基と略記する)とし
ては、水の存在下で加水分解を受けて上記式(I)で示
されるボロン酸基に転化しうるホウ素含有基であれば、
どのようなものでもよいが、代表例として下記一般式
(II)で示されるボロン酸エステル基、下記一般式(II
I)で示されるボロン酸無水物基、下記一般式(IV)で
示されるボロン酸塩基があげられる。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】{式中、X,Yは水素原子、脂肪族炭化水
素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表わし、
X,Yは同じ基でもよいし、異なっていてもよい。また
XとYは結合していてもよい。ただしX,Yがともに水
素原子である場合は除かれる。またR1、R2、R3は上
記X,Yと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基、芳香族炭化水素基を表わし、R1、R2、R
3は同じ基でもよいし、異なっていてもよい。またMは
アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。また上
記のX,Y,R1、R2、R3には他の基、たとえばカル
ボキシル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。}
【0015】一般式(II)〜(IV)で示されるボロン酸
エステル基の具体例としてはボロン酸ジメチルエステル
基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロピル
エステル基、ボロン酸ジイソプロピルエステル基、ボロ
ン酸ジブチルエステル基、ボロン酸ジヘキシルエステル
基、ボロン酸ジシクロヘキシル基、ボロン酸エチレング
リコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエ
ステル基(ボロン酸1,2−プロパンジオールエステル
基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基)、
ボロン酸トリメチレングリコールエステル基、ボロン酸
ネオペンチルグリコールエステル基、ボロン酸カテコー
ルエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン
酸トリメチロールエタンエステル基等のボロン酸エステ
ル基;ボロン酸無水物基;ボロン酸のアルカリ金属塩
基、ボロン酸のアルカリ土類金属塩基等が挙げられる。
【0016】前記の官能基の中でもとくにボロン酸エチ
レングリコールエステル基などのボロン酸エステル基が
EVOH(d)との相溶性の点から好ましい。なお前記
の水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基と
は、ポリオレフィンを、水または水と有機溶媒(トルエ
ン、キシレン、アセトンなど)との混合液体中で、反応
時間10分〜2時間、反応温度室温〜150℃の条件下
に加水分解した場合に、ボロン酸基またはボリン酸基に
転化しうる基を意味する。
【0017】前記官能基の含有量は特に制限はないが、
0.0001〜1meq/g(ミリ当量/g)が好まし
く、特に、0.001〜0.1meq/gが好ましい。
この程度の少量の官能基の存在により、樹脂組成物の相
溶性、透明性等が著しく改善されることは驚くべきこと
である。ボロ酸変性ポリオレフィン(b)のベースポリ
マーとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ
ブテン、3−メチルペンテン、1−ヘキセン、1−オク
テン等のα−オレフィン類で代表されるオレフィン系単
量体等があげられる。
【0018】ベースポリマーはこれらの単量体の一種ま
たは二種あるいは三種以上からなる重合体として使用さ
れる。これらのベースポリマーのうち、特にエチレン系
重合体{超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体の金属塩(Na,K,Zn系アイオノマ
ー)、エチレン−プロピレン共重合体等}、プロピレン
系重合体が好適なものとして挙げられる。
【0019】本発明に使用するポリオレフィン(b)の
好適なメルトインデックス(MI)(210℃、216
0g荷重下で測定した値)は0.005〜1000g/
10分が好ましく、0.1〜100g/分がより好まし
い。
【0020】次に本発明に用いるボロン酸基およびホウ
素含有基を有するポリオレフィン系重合体の代表的製法
について述べる。ボロン酸基あるいは水の存在によりボ
ロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有するオレフィン
系重合体は、窒素雰囲気下で炭素−炭素二重結合を有す
るオレフィン系重合体にボラン錯体およびホウ酸トリア
ルキルエステルを反応させることによって、ボロン酸ジ
アルキルエステル基を有するオレフィン系重合体を得た
後、水あるいはアルコール類を反応させることによって
得られる。この製法において原料として末端に二重結合
を有するオレフィン系重合体を使用すれば、末端にボロ
ン酸基あるいは水の存在によりボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基を有するオレフィン系重合体が得られ、側
鎖または主鎖に二重結合を有するオレフィン系重合体を
原料として使用すれば、側鎖にボロン酸基あるいは水の
存在によりボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有す
るポリオレフィン系重合体を得られる。
【0021】原料の二重結合を有するオレフィン系重合
体の代表的製法としては、1)通常のオレフィン系重合
体の末端に微量に存在する二重結合を利用する方法;
2)通常のオレフィン系重合体を無酸素条件下、熱分解
し、末端に二重結合を有するオレフィン系重合体を得る
製法;3)オレフィン系単量体とジエン系重合体の共重
合によりオレフィン系単量体とジエン系単量体との共重
合体を得る製法;が挙げられる。1)については、公知
のオレフィン系重合体の製法を用いることができるが、
特に、連鎖移動剤として水素を用いず、重合触媒として
メタロセン系重合触媒を用いる製法(例えば、DE40
30399)が好ましい。2)については、公知の方法
(例えばUS2835659,3087922)により
オレフィン系重合体を窒素雰囲気下や真空条件下等の無
酸素条件下で300℃〜500℃の温度で熱分解するこ
とによって得られる。3)については公知のチーグラー
系触媒を用いたオレフィン−ジエン系共重合体の製法
(例えば特開昭50−44281、DE302127
3)を用いることができる。
【0022】ボラン錯体としては、ボラン−テトラヒド
ロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラ
ン−ピリジン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボ
ラン−トリエチルアミン等が好ましい。これらのなか
で、ボラン−トリエチルアミン錯体およびボラン−トリ
メチルアミン錯体がより好ましい。ボラン錯体の仕込み
量はオレフィン系重合体の二重結合に対し、1/3当量
から10当量の範囲が好ましい。ホウ酸トリアルキルエ
ステルとしては、トリメチルボレート、トリエチルボレ
ート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート等の
ホウ酸低級アルキルエステルが好ましい。ホウ酸トリア
ルキルエステルの仕込み量はオレフィン系重合体の二重
結合に対し1から100当量の範囲が好ましい。溶媒は
特に使用する必要はないが、使用する場合は、ヘキサ
ン、ヘブタン、オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化
水素系溶媒が好ましい。ボロン酸ジアルキルエステル基
を二重結合を有するオレフィン系重合体へ導入する反応
は、反応温度室温〜300℃、好ましくは100〜25
0℃、反応時間1〜10時間、好ましくは5〜5時間行
うのがよい。
【0023】水あるいはアルコール類を反応させる条件
としては通常、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エ
チル等の有機溶媒を反応溶媒として用い、水またはメタ
ノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールエタン、ペンタニリスリトール、
ジペンタニリスリトール等の多価アルコール類をボロン
酸基に対し、1から100等量以上の六過剰量を用い、
室温〜150℃の温度で1分〜1日程度反応を行うこと
によって得られる。なお、前記の官能基の中でボロン酸
基に転化しうるホウ素含有基とは、水または水と有機溶
媒(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混合溶媒
中で、反応時間10分〜2時間、反応温度室温〜150
℃の条件下に加水分解した場合に、ボロン酸基に転化し
うる基を意味する。
【0024】本発明で使用する熱可塑性樹脂(c)とし
ては、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂などがあげられるが、ポリオレフィン系やポ
リアミド系樹脂が好適に用いられる。
【0025】これらの(c)成分をEVOH(a)と均
一に混合することは通常困難を伴ない、優れた耐衝撃性
を有する成形体を得ることがむずかしいか、本発明では
このような(c)成分、とくにEVOH(a)と相溶性
の良くない成分を、EVOH(a)に配合した場合で
も、耐衝撃性の優れた、しかもバリアー性に優れた成形
体を得ることができる。また成分(c)の有している特
性を付加することもできる。本発明で用いられる熱可塑
性樹脂(c)のポリオレフィン系樹脂としては、主とし
て高密度もしくは低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1などおよびエチレン、プロピレン、
ブテン−1、ヘキセン−1、などから選ばれたα−オレ
フィン同士の共重合体であるが、これらα−オレフィン
との共重合成分として、ジオレフィン、N−ビニルカル
バゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
スチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、などの
ビニル化合物、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、エタクリル酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和
カルボン酸、そのエステルまたはその無水物、あるいは
これらにヒドロキシル基またはエポキシ基を付加したも
のなどがあげられる。具体的にはグラフト可能なモノマ
ーとポリオレフィンとの共重合体やα−オレフィン/
α、β−不飽和カルボン酸共重合体とイオン性金属化合
物との反応物であるアイオノマー樹脂などのα−オレフ
ィンが50重量%以上の共重合体などがあげられる。
【0026】本発明で用いられる熱可塑性樹脂(c)の
ポリアミド系樹脂としては、アミド結合を有する重合体
であって、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン−
6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリ
ラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチ
レンセバカミド(ナイロン−6,12)の如き単独重合
体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイ
ロン−6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン
酸共重合体(ナイロン−6/11)、カプロラクタム/
ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6,9)、カ
プロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペー
ト共重合体(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム
/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメ
チレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−
6/6、6/6,12)の如き共重合体などがあげられ
る。これらのポリアミド系樹脂は、それぞれ単独で用い
ることもできるし、2種以上を混合して用いることもで
きる。熱可塑性樹脂(c)は、異なった種類の樹脂、例
えば、ポリオレフィン系樹脂とポリアミド系樹脂、具体
的にはナイロン−6と低密度ポリエチレン等を、目的に
応じて、2種以上混合して用いることもできる。
【0027】また、前記樹脂組成物には必要に応じて添
加剤を配合することもできる。このような添加剤の例と
しては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、あるいは他
の高分子化合物挙げることができ、これらを本発明の作
用効果が阻害されない範囲でブレンドすることができ
る。添加剤の具体的な例としては次の様なものが挙げら
れる。
【0028】酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキシン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等。 紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−オキトシキベンゾフェ
ノン等。 可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エス
テル等。 帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、
ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。 滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。 着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。 充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラストナイ
ト、ケイ酸カルシウム等。 また、他の多くの高分子化合物も本発明の作用効果が阻
害されない程度にブレンドすることもできる。
【0029】本発明における(a),(b)および
(c)の各成分の組成比率は、単層として使用する場合
は、(a)と(b)の混合系では、EVOH(a)5〜
50重量%、好適には20〜40重量%、(b)95〜
50重量%、好適には80〜60重量%、そして、
(a),(b),(c)の三成分混合系では、EVOH
(a)5〜50重量%、好適には20〜40重量%、
(b)10〜80重量%、好適には30〜60重量%、
熱可塑性樹脂(c)10〜70重量%、好適には20〜
50重量%である。また2層以上で使用する場合は、
(a)と(b)の混合系では、EVOH(a)50〜9
5重量%、好適には70〜90重量%、(b)50〜5
重量%、好適には30〜10重量%、そして、(a),
(b),(c)の三成分混合系では、EVOH(a)5
0〜95重量%、好適には70〜90重量%、(b)2
〜47重量%、好適には5〜20重量%、熱可塑性樹脂
(c)3〜48重量%、好適には5〜10重量%であ
る。一般に、単層として用いる場合には、耐衝撃性がバ
リア性よりも優先されることから、EVOH(a)は5
0重量%以下であることが好ましい。また、2層以上で
構成される場合には、耐衝撃性よりも、バリア性が要求
されることから、EVOH(a)は50重量%以上であ
ることが好ましい。
【0030】本発明の多層容器とは、(a),(b)ま
たは、(a),(b)および(c)よりなる樹脂組成物
層を少なくとも一層含み、これに熱可塑性樹脂層を積層
したものである。この場合、スクラップ回収層、接着樹
脂層を必要に応じ設けることができる。前記樹脂組成物
層を(B)、熱可塑性樹脂層を(H)、スクラップ回収
層(R)、接着性樹脂層(A)とするとき、次のような
層構成の多層容器が代表例としてあげられる。
【0031】2層 H/B 3層 H/A/B、R/A/B、H/B/R、H/B/
H 4層 H/R/A/B、H/R/B/H、H/R/B/
R 5層 H/R/A/B/H、H/R/A/B/R、H/
R/B/A/H、H/A/B/A/H、H/R/B/R
/H 6層 H/R/A/B/A/H、H/R/A/B/A/
R 7層 H/R/A/B/A/R/H ただし、層構造は、上記に限定されるものではない。
【0032】熱可塑性樹脂層(H)に用いられる熱可塑
性樹脂としては前記した熱可塑性樹脂(c)が例示さ
れ、また、EVOH(a)も例示される。また、接着性
樹脂層(A)に使用される接着性樹脂としては、特に限
定されるものではないが、ポリウレタン系、ポリエステ
ル系一液型あるいは二液型硬化性接着剤、不飽和カルボ
ン酸またはその無水物(無水マレイン酸など)をオレフ
ィン系重合体または共重合体[ポリエチレン{低密度ポ
リエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDP
E)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、または
エチルエステル)共重合体]にグラフトしたものが、好
適に用いられる。
【0033】また、スクラップ回収層(R)の回収物と
しては、本発明の多層容器を用いて中空容器、管状容
器、および管状体をさらに加工しての包装容器などの成
形品の形にする場合の成形ロス部分や、一般消費者に使
用された後のスクラップ回収品の粉砕物等がある。ま
た、回収層内に組成物(B)を含んでいると優れた回収
性が得られる。
【0034】本発明の単層または多層容器を得る方法と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、一般
のポリオレフィンの分野において実施されている成形方
法、例えば、Tダイ成形、インフレーション成形、吹き
込み成形、スタンピング成形、ブロー成形、延伸ブロー
成形、軸延ブロー成形、射出成型等があげられ、特に多
層容器を得る場合は、共押出成形、共射出成型が好適で
あるが、押出コーチング成形、ドライラミネート成形も
採用できる。このうち、燃料容器の場合には、ブロー成
形が好ましい。また、特に多層燃料容器または移送パイ
プを得る方法としては、共押出シート成形法、共押出パ
イプ成形法、共押出成形法、共押出ブロー成形法などが
あげられ、特に共押出ブロー成形法が好適である。ま
た、多層容器の厚み構成に関しても特に限定されるもの
ではないが、成形性およびコスト等を考慮した場合、全
体厚みに対する前記樹脂組成物からなる層の厚み比率
は、1〜30%程度が好適である。
【0035】本発明の多層容器は耐衝撃性が優れ、さら
に各種燃料のバリアー性、ガスバリアー性が優れている
ため、とくに各種燃料容器、燃料移送パイプとして有用
である。このことは後述する実施例からも明らかであ
る。本発明において燃料容器とは、自動車、オートバ
イ、船舶、航空機、発電機及び工業用、農業用機器に搭
載された燃料容器、もしくは、これら燃料容器に燃料を
補給するための携帯用容器、さらには、これら稼動のた
めに用いる燃料を保管のための容器を意味する。また燃
料移送パイプとは、上記に搭載された燃料容器、もしく
は、これら燃料容器に燃料を補給するための携帯用容
器、さらには、燃料保管容器等に付随したパイプ、もし
くは、それ自体独立したパイプを意味する。また燃料と
しては、ガソリン、メタノールおよび/またはメチルー
ターシヤリーブチルエーテル(MTBE)等をブレンド
したガソリンが代表例としてあげられるが、その他の重
油、石油なども例示される。本発明の樹脂組成物を用い
た構造体、とくに多層構造体は、他の用途、たとえば各
種食品用、化粧品用、医薬品、医療器用の包装容器とし
ても使用可能である。
【0036】
【実施例】次に、本発明を、合成例、実施例、及び比較
例にてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。
【0037】合成例1 末端にボロン酸エチレングリコールエステル基を有する
超低密度ポリエチレンの合成:冷却器、撹拌機および滴
下ロート付きセパラブルフラスコに超低密度ポリエチレ
ン{MI7g/10分(210℃、荷重2160g)密
度0.89、末端二重結合量0.048meq/g}1
000g、デカリン2500gを仕込み、室温で減圧す
ることにより脱気を行った後、窒素置換を行った。これ
にホウ酸トリメチル78g、ボラン−トリエチルアミン
錯体5.8gを添加し、200℃で4時間反応後、蒸留
器具を取り付け、さらにメタノール100mlをゆっく
り滴下した。メタノール滴下終了後、減圧蒸留により、
メタノール、ホウ酸トリメチル、トリエチルアミン等の
低沸点の不純物を留去した。さらにエチレングリコール
31gを添加し、10分間撹拌後、アセトンに再沈し、
乾燥することにより、ボロン酸エチレングリコールエス
テル基量0.027meq/g、MI5g/10分の超
低密度ポリエチレン(ボロン酸変性ポリエチレン)(B
−PE)を得た。
【0038】合成例2末端に二重結合を有するポリプロピレンの合成 :フィー
ダーに窒素導入管を備えたスクリュー径25mmφの二
軸セグメント式押出機にポリプロピレン(MI0.5g
/10分、密度0.90)を供給し、下記の条件で押出
しペレット化を行った。 温度条件(℃):C1/C2/C3/C4/C5/ダイ
=250/370/370/350/270/210 吐出量:1.45kg/h スクリュー回転数:235rpm 窒素流量:5L/分 得られたペレットをヘキサンに1日浸漬後、乾燥するこ
とにより、二重結合量0.012meq/g、MI20
g/10分のポリプロピレンを得た。
【0039】末端にボロン酸エチレングリコールエステ
ル基を有するポリプロピレンの合成冷却器、撹拌機およ
び滴下ロート付きセパラブルフラスコに合成例の末端に
二重結合を有するポリプロピレン1000g、デカリン
2000gを仕込み、室温で減圧することにより脱気を
行った後、窒素置換を行った。これにホウ酸トリメチル
40g、ボラン−トリエチルアミン錯体2.9gを添加
し、200℃で4時間反応後、蒸留器具を取り付け、さ
らにメタノール100mlをゆっくり滴下した。メタノ
ール滴下終了後、減圧蒸留により、メタノール、ホウ酸
トリメチル、トリエチルアミン等の低沸点の不純物を留
去した。さらにエチレングリコール31gを添加し、1
0分間撹拌後、アセトンに再沈し、乾燥することによ
り、ボロン酸エチレングリコールエステル基量0.01
2meq/g、MI21g/10分のポリプロピレン
(ボロ酸変性ポリプロピレン)(B−PP)を得た。
【0040】(単層構造の容器に関する実施例および比
較例)実施例及び比較例を以下に示す。 実施例1 表1に示すように、EVOH{エチレン量27モル%、
けん化度99.6%、メルトインデックス2.0g/1
0分(210℃、2160g荷重)}と、合成例1で得
たB−PEを30mmφ2軸押出機を用いて、210℃
にて溶融混練しペレット化を行った。ここで得られたペ
レットをT型ダイを備えた一軸押出機に供給して、厚み
100μのフィルムを作成し、バリア性試験および耐薬
品性の試験を行った。また、一方で、射出成形を行い、
IZOD衝撃試験用の試験片を作成した。さらに、ブロ
ー成形機を用いて落下試験用容器(厚み2.5mm、容
器500cc)容器を得た。
【0041】実施例2〜7、比較例1〜7 EVOHおよびB−PEからなる樹脂組成物に代えて、
表1に示す樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同
様の条件にて容器を得た。
【0042】(多層構造の容器に関する実施例および比
較例) 実施例8 EVOH(実施例1に同様)とB−PE(実施例1に同
様)を3mmφ2軸押出機を用いて、210℃にて溶融
混練しペレット化を行った。ここで得られたペレットを
バリアー層とし、(HDPE){MI=0.17g/1
0分(210℃、2160g荷重)、三井石油化学製
「HZ8200B」}を外層にし、さらに、接着層(A
D)として(変性ポリエチレン){MI=1.0g/1
0分、210℃、2160g荷重、三井石油化学製「ア
ドマーGT4」}を用い、共押出ブロー成形して3種5
層の落下試験用(HDPE/AD/EVOH/AD/H
DPE=1169μ/50μ/60μ/50μ/116
9μ、500cc)多層容器と、これと同様にして、3
種5層のバリア試験用(HDPE/AD/EVOH/A
D/HDPE=238μ/10μ/5μ/10μ/23
8μ、500cc)容器を得た。また、一方で、先に得
られたペレットを用い、実施例1に同様にして、試験片
およびフィルムを得た。
【0043】実施例9〜13、比較例8〜13 EVOHおよびB−PEからなる樹脂組成物に代えて、
表2に示す樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同
様の条件にて容器を得た。
【0044】樹脂 PE:ポリエチレン{MI=0.20g/10分(21
0℃、2160g荷重)三井石油化学製「HZ5100
B」}、PP:ポリプロピレン{MI=5g/10分
(210℃、2160g荷重)宇部興産製「J109
G」}、PA:6−ナイロン{MI=1g/10分(2
10℃、2160g荷重)東レ製「CM1046−X0
4」}
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】試験及び測定を以下の方法にて行った。 バリアー性試験 単層の場合、アルミ製カップ(直径6cm、深さ2.5
cm)にモデルガソリン(注1)を20ml注ぎ込み、
厚さ100μのフィルムを切り抜き、完全に漏れないよ
うにカップの口に取付、防爆型恒温恒湿槽(20℃−6
5%RH)中に放置して、重量の変化を測定し、4日後
に表1に示す重量減少結果(n=6の平均値)を得た。
多層の場合、実施例にて作成したバリア性測定用容器の
底部を切り抜き、単層の場合と同様にカップに取付、防
爆型恒温恒湿槽(40℃−65%RH)にて重量の変化
を測定し、3週間後の重量減少結果(n=6の平均値)
を表2に示した。 注1 モデルガソリン1(トルエン:イソオクタン=42.
5:42.5体積%) モデルガソリン2(トルエン:イソオクタン:メタノー
ル=42.5:42.5:15.0体積%)
【0048】ボトル落下試験 共押出ブロー成形にて得た3種5層(HDPE/AD/
EVOH/AD/HDPE=1169/50/60/5
0/1169μ)の500cc多層容器に、水を充填し
コンクリートに落下させ、破損する高さ(n=20)を
求めた。 アイゾット衝撃試験 JIS K7110にて、−40℃、ノッチあり、試験
片幅:3.1または6.2mm,で実施(n=5)。 耐薬品性試験 長さ10cm、幅2cm、厚さ100μのフィルムを、
金属性治具にて歪み3%となるように引張り、この状態
のまま、モデルガソリン2(40℃)に浸漬し、15分
後の句らっくクラック発生状態を観察した。 ○:変化なし △:クラック少々有り ×:クラック多
数または切断
【0049】
【発明の効果】本発明に用いる樹脂組成物層を有する単
層または多層容器は、単層にて使用する場合には、耐衝
撃性を低下させることなく、バリア性を高め、また、多
層にて使用する場合には、バリア性を低下させることな
く、耐衝撃性を向上させることができる。特に、メタノ
ール含有ガソリンに対するバリア性に優れることから、
これらガソリンを燃料とする自動車等の燃料容器、燃料
移送パイプ等の素材として有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−351642(JP,A) 特開 平4−332703(JP,A) 特開 平6−24430(JP,A) 特開 昭59−192564(JP,A) 特開 平1−132604(JP,A) 特開 平6−340783(JP,A) 特公 昭49−20615(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 1/09 B32B 27/28 102 B32B 27/32 F16L 9/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (a)、および、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在下
    でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基か
    ら選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリオレフ
    ィン(b)からなる樹脂組成物層を有する単層または多
    層容器。
  2. 【請求項2】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (a)、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在下でボロン
    酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基から選ばれ
    る少なくとも一つの官能基を有するポリオレフィン
    (b)および熱可塑性樹脂(c)からなる樹脂組成物層
    を有する単層または多層容器。
  3. 【請求項3】 燃料容器である請求項1または2記載の
    単層または多層容器。
  4. 【請求項4】 燃料移送パイプである請求項1または2
    記載の単層または多層容器。
  5. 【請求項5】 ブロー成形してなる請求項1または2記
    載の単層または多層容器。
  6. 【請求項6】 ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在下で
    ボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基から
    選ばれる少なくとも一つの官能基を有する、単層または
    多層容器用ポリオレフィン。
  7. 【請求項7】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (a)、および、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在下
    でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基か
    ら選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリオレフ
    ィン(b)からなり、かつエチレン−ビニルアルコール
    共重合体(a)の割合が50重量%以下である単層容器
    用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (a)、および、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在下
    でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基か
    ら選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリオレフ
    ィン(b)からなり、かつエチレン−ビニルアルコール
    共重合体(a)の割合が50重量%以上である多層容器
    用樹脂組成物。
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