JPWO2005105437A1 - 多層構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、11以下の溶解性パラメータを有する熱可塑性樹脂(C)層、及び樹脂組成物(E)層を有する多層構造体であって;前記樹脂組成物(E)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)、熱可塑性樹脂(C)及びボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂(D)からなり、かつエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層と、熱可塑性樹脂(C)層又は樹脂組成物(E)層とが、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層を介して積層されてなることを特徴とする多層構造体とする。これにより、リグラインドを有効に再利用でき、しかも耐衝撃性及びガスバリア性に優れた多層構造体が得られる。

Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体層を含む多層構造体及びその製造方法に関する。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと略記することがある)は、優れたガスバリア性を有しており、食品や医薬品等、品質の保持が重要視される内容物を包装する材料として用いられている。また近年では、その優れたガソリンバリア性を生かして、燃料タンクにも広く用いられるようになっている。特に、ポリオレフィン系樹脂等の防湿性、機械的特性に優れる熱可塑性樹脂との積層体は、EVOHの弱点をカバーできるので好適に用いられている。このような多層構造体を製造する際、その形状がシート、フィルム等の場合は製品のクズ、端部又は不良品、ボトル等の場合はバリ、カップ等の場合は打ち抜きクズ等のリグラインド(スクラップ)が必然的に発生し、その再利用がコスト及び省資源の見地から必要とされている。
このリグラインドを有効に再利用するために、ポリオレフィン系樹脂を主体とする樹脂層にリグラインドを混合して利用する方法(特許文献1参照)、熱可塑性ポリオレフィン層とEVOH層との間にリグラインド組成物層を介在させる方法(特許文献2参照)等が提案されている。例えば、高密度ポリエチレン、バリア層、接着層及びリグラインド組成物層からなる一般的な自動車用ガソリンタンクの層構成としては、(外層)リグラインド+高密度ポリエチレン層/接着層/バリア層/接着層/リグラインド+高密度ポリエチレン層(内層)、(外層)高密度ポリエチレン層/リグラインド組成物層/接着層/バリア層/接着層/高密度ポリエチレン層(内層)等が例示される。
また、リグラインド組成物層の界面剥離、層の乱れ及び波打模様の発生を抑制し、耐衝撃性に優れた積層体を得るために、リグラインド組成物に特定のブロック共重合体やグラフト重合体(例えばカルボン酸変性ポリオレフィン)を混合する方法(特許文献3、4参照)、酸化防止剤及び金属化合物を混合する方法(特許文献5参照)も知られている。
しかしながら、上記の各種方法を採用してもなお、ポリオレフィン系樹脂とEVOHとを含むリグラインド組成物を溶融押出成形する際には、特にリグラインド組成物中のEVOHが滞留して劣化する傾向があり、その結果、押出機内部に黒色状付着物(焦げ)が発生したり、ダイリップにゲル状物質(目ヤニ)等が付着して、リグラインド組成物の押出成形を連続で行うことは困難な場合が多いのが実情である。
また、上記問題点を改善する方法として、ボロン酸基または水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂を接着層として用い、リグラインド組成物の外観異常やゲル・ブツなどを低減する方法(特許文献6)が知られている。この方法によると、リグラインド組成物の外観異常が低減するが、当該ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂を接着層として用いると、EVOH層との接着強度が強すぎる為、カルボン酸変性ポリオレフィン等を接着層に用いる場合に比べ、多層構造体の膜面外観や成形性に悪影響を与えることが懸念される。特に燃料容器などの大型多層容器をブロー成形する場合、接着強度が向上しすぎるためにパリソンの成形性(ドローダウン性)に悪影響を与える可能性は否めない。また、上記熱可塑性樹脂を接着層に使用することでコストアップに繋がる可能性もあるので、カルボン酸変性ポリオレフィンを接着剤層に用いた方が成形性、コストの面で好ましい。
しかしながら、上述のように、カルボン酸変性ポリオレフィン層を有する多層構造体を回収した際に得られるリグラインド組成物を溶融混練する場合には、リグラインド組成物中のEVOHが滞留して劣化する傾向があり、その結果、押出機内部に黒色付着物(焦げ)が発生したり、ダイリップにゲル状物質(目ヤニ)等が付着して、リグラインド組成物の押出成形を長時間連続して行うことは困難な場合が多いのが実情である。
特開昭51−95478号公報 特開昭59−101338号公報 特開平5−147177号公報 特開平8−27332号公報 特開平9−302170号公報 特開平7−329252号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、耐衝撃性、ガスバリア性及び外観に優れた多層構造体を得ることを目的とするものである。また、リグラインドを有効に利用することができ、熱安定性及び溶融成形性に優れた多層構造体の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、エチレン含量5〜60モル%、ケン化度85%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、11以下の溶解性パラメータ(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(C)層、及び樹脂組成物(E)層を有する多層構造体であって;前記樹脂組成物(E)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)、熱可塑性樹脂(C)及びボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂(D)からなり、かつエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層と、熱可塑性樹脂(C)層又は樹脂組成物(E)層とが、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層を介して積層されてなることを特徴とする多層構造体を提供することによって解決される。
このとき、前記樹脂組成物(E)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)1〜40重量%、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)0.1〜39.1重量%、熱可塑性樹脂(C)59.8〜98.8重量%、及び熱可塑性樹脂(D)0.1〜39.1重量%からなることが好適である。前記熱可塑性樹脂(C)が実質的に未変性のポリオレフィンであることも好適である。前記熱可塑性樹脂(D)のホウ素含有基の含有量が0.001〜2meq/gであることも好適である。前記熱可塑性樹脂(D)が、ボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリオレフィン、特に0.85〜0.94g/cmの密度を有するポリエチレンであることも好適である。
上記多層構造体からなる押出成形品、ブロー成形品、熱成形品及び燃料容器が、本発明の好適な実施態様である。
また上記課題は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層及び熱可塑性樹脂(C)層を有する多層構造体から得られたリグラインドに、さらに熱可塑性樹脂(D)を加えて溶融混練して、前記樹脂組成物(E)層を形成することを特徴とする上記多層構造体の製造方法を提供することによっても解決される。
このとき、前記リグラインドが、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、熱可塑性樹脂(C)層に加えて、さらに樹脂組成物(E)層を有する多層構造体から得られたものであることが好適である。また、前記リグラインドとそれに加えられる熱可塑性樹脂(D)との合計100重量部に対して、熱可塑性樹脂(D)を0.1〜30重量部加えて溶融混練することも好適である。共押出成形又は共射出成形することも好適である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層及び熱可塑性樹脂(C)層を有する多層構造体のリグラインドを回収使用する際に、ボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂(D)をリグラインドに対して加えて溶融混練することにより、得られる樹脂組成物(E)中の、EVOH(A)、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性樹脂(C)の相容性が向上し、耐衝撃性及び熱安定性が飛躍的に改善される。この理由は定かではないが、溶融混練時に熱可塑性樹脂(D)のホウ素含有官能基とEVOH(A)の水酸基がエステル交換反応により結合するためと推定される。
従来、リグラインド組成物中に含まれるカルボン酸変性ポリオレフィン(B)は回収回数を増やすと熱劣化し、次第にリグラインド組成物中のEVOH(A)との相容性が低下し、EVOH(A)の分散性が悪化していた。その結果、リグラインド組成物中のEVOH(A)の凝集・熱劣化を来たしていた。ところが、ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)をリグラインドに添加すると、回収回数を増やしても、リグラインド組成物中のEVOH(A)の分散性が悪化することなく、リグラインド組成物中のEVOH(A)の凝集・熱劣化が抑制されることが見出された。この理由は必ずしも明らかではないが、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)の熱劣化による、リグラインド組成物中のEVOH(A)の分散性低下を、リグラインド組成物中のホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)が防いでいるためと推定される。したがって、ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)をリグラインドに添加することによる回収性向上の効果は、回収の回数を増やすことによって、より顕著に発揮される。
本発明の多層構造体は耐衝撃性、ガスバリア性及び外観に優れている。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層及び熱可塑性樹脂(C)層を有する多層構造体のリグラインドを回収使用する際に、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)をリグラインドに対して配合することにより、リグラインド組成物の溶融成形性及び熱安定性が改善されるとともに、多層構造体の衝撃強度が飛躍的に向上する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるEVOH(A)としては、エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化して得られるものが好ましい。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルを使用することもできる。
EVOH(A)のエチレン含量は5〜60モル%であることが必要である。エチレン含量の下限は好適には15モル%以上であり、より好適には20モル%以上である。また、エチレン含量の上限は好適には55モル%以下であり、より好適には50モル%以下である。EVOHのエチレン含量が5モル%未満の場合、EVOHを含む樹脂組成物の溶融成形性が悪化する。一方、エチレン含量が60モル%を超える場合、EVOHを含む樹脂組成物のバリア性が不足する。
EVOH(A)のビニルエステル成分のけん化度は85%以上であることが必要である。けん化度は、好適には90%以上であり、より好適には99%以上である。けん化度が85%未満の場合、EVOHを含む樹脂組成物のバリア性及び熱安定性が不充分となる。
EVOH(A)の製造にあたっては、エチレンと1種類又は2種類以上のビニルエステルを共重合し、得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化する公知の方法を採用することができる。このとき、第3の共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有することができる。ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の単量体、例えば、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸及びそのエステル;N−ビニルピロリドン等のビニルピロリドン類;等を共重合することもできる。
EVOH(A)は、異なる2種類以上のEVOHの混合物であってもよい。この場合、EVOH(A)のエチレン含量及びけん化度は、配合重量比から算出される平均値とする。
EVOH(A)は、本発明の目的を阻害しない範囲でホウ素化合物を含有していてもよい。ホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等が挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチル等が挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、さらにはホウ砂等が挙げられる。これらの化合物の中でもオルトホウ酸が好ましい。
ホウ素化合物をブレンドする場合、ホウ素化合物の含有量は好適にはホウ素元素換算で20〜2000ppm、より好適には50〜1000ppmである。ホウ素化合物の含有量がかかる範囲にある場合、EVOHの加熱溶融時にトルク変動が抑制される。ホウ素化合物の含有量が20ppm未満の場合、トルク変動の抑制の改善効果が不十分となるおそれがあり、2000ppmを超える場合、EVOHがゲル化しやすく、成形性不良となるおそれがある。
また、後述するようにEVOH(A)を単独で多層構造体を構成するひとつの層として使用する場合は、EVOH(A)に対し、アルカリ金属塩を含有させることも層間接着性等の改善のために効果的であることから好ましい。アルカリ金属塩の含有量は好適にはアルカリ金属元素換算で5〜5000ppm、より好適には20〜1000ppm、さらにより好適には30〜500ppmである。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ金属塩としては、脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、リン酸塩、金属錯体等が挙げられる。具体的には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩等が挙げられる。これらの中でも、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及びリン酸ナトリウムが好適である。
また、EVOH(A)に対しリン化合物を配合することも、EVOH(A)の溶融成形性及び熱安定性を改善することができるので好ましい。リン化合物の含有量は、好適にはリン元素換算で2〜200ppm、より好適には3〜150ppm、さらにより好適には5〜100ppmである。リン化合物の含有量が2ppm未満の場合及び200ppmを超える場合は、EVOHの溶融成形性や熱安定性に問題を生じることがある。特に、長時間にわたる溶融成形を行う際、ゲル状ブツの発生や着色の問題が発生しやすくなる。
EVOH(A)中に配合するリン化合物の種類は特に限定されるものではないが、例えばリン酸、亜リン酸等の各種の酸やその塩等を用いることができる。リン酸塩としては第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれの形で添加してもよく、そのカチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であることが好ましい。これらの中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムの形でリン化合物を添加することが好ましい。
さらに、本発明の目的を阻害しない範囲で、EVOH(A)に熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、グリセリンやグリセリンモノステアレート等の可塑剤をブレンドすることもできる。また、高級脂肪族カルボン酸の金属塩又はハイドロタルサイト化合物等を添加することは、EVOH(A)の熱による劣化を防ぐという観点から有効である。
高級脂肪族カルボン酸の金属塩としては、炭素数8〜22の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。具体的には、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム等が挙げられる。このうちマグネシウム、カルシウム及びバリウムが好適である。
ハイドロタルサイト化合物としては、特に、MAl(OH)2x+3y−2z(A)・aHO(MはMg、Ca又はZnを表し、AはCO又はHPOを表し、x、y、z、aは正数である)で示される複塩であるハイドロタルサイト化合物を挙げることができる。特に好適なものとして以下のハイドロタルサイト化合物が例示される。
MgAl(OH)16CO・4H
MgAl(OH)20CO・5H
MgAl(OH)14CO・4H
Mg10Al(OH)22(CO・4H
MgAl(OH)16HPO・4H
CaAl(OH)16CO・4H
ZnAl(OH)16CO・4H
Mg4.5Al(OH)13CO・3.5H
また、上記に例示した化合物以外にも、特開平1−308439号に記載されている[Mg0.75Zn0.250.67Al0.33(OH)(CO0.167・0.45HOのようなハイドロタルサイト系固溶体を用いることもできる。
これらの高級脂肪族カルボン酸の金属塩又はハイドロタルサイト化合物の含有量は、EVOH(A)100重量部に対して好適には0.01〜3重量部、より好適には0.05〜2.5重量部である。
EVOH(A)のメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は好適には0.1〜50g/10分、より好適には0.3〜40g/10分、さらにより好適には0.5〜30g/10分である。ただし、融点が190℃付近又は190℃を超えるEVOHにおいては、2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値をMFRとする。
本発明に用いられるカルボン酸変性ポリオレフィン(B)としては、特にα−オレフィンと不飽和カルボン酸又はその無水物とからなる共重合体が好適に使用されるが、これ以外にも、分子中にカルボキシル基を有するポリオレフィン、含有されるカルボキシル基の全部又は一部が金属塩の形で存在しているポリオレフィンも使用可能である。カルボン酸変性ポリオレフィン(B)のベースとなるポリオレフィンとしては、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等)、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の各種ポリオレフィンが挙げられる。
共重合成分である不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸等が例示され、これらの中でもアクリル酸及びメタアクリル酸が好ましい。不飽和カルボン酸の含有量は、好適には0.5〜20モル%、より好適には2〜15モル%、さらにより好適には3〜12モル%である。また、不飽和カルボン酸無水物としては、無水イタコン酸、無水マレイン酸等が例示され、これらの中でも無水マレイン酸が好ましい。不飽和カルボン酸無水物の含有量は、好適には0.0001〜5モル%、より好適には0.0005〜3モル%、さらにより好適には0.001〜1モル%である。
カルボン酸変性ポリオレフィンの金属塩における金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;亜鉛等の遷移金属;等が例示される。カルボン酸変性ポリオレフィンの金属塩における中和度は、好適には100%以下、より好適には90%以下、さらにより好適には70%以下であり、好適には5%以上、より好適には10%以上、さらにより好適には30%以上である。
また、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)は、上記以外の単量体を共重合成分として含んでいてもよい。他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸イソブチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル;一酸化炭素等が例示される。
カルボン酸変性ポリオレフィン(B)のメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は、好適には0.01g/10分以上であり、より好適には0.05g/分以上であり、さらにより好適には0.1g/10分以上である。また、MFRは好適には50g/10分以下、より好適には30g/10分以下、さらにより好適には10g/10分以下である。これらのカルボン酸変性ポリオレフィンは、単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明に用いられる、11以下の溶解性パラメータ(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(C)としては、例えばポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1等のα−オレフィンの単独重合体;エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1等から選ばれたα−オレフィン同士の共重合体;上記α−オレフィンとジオレフィン、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステル等との共重合体;等が挙げられる。また、スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂(C)は、単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。ここで、熱可塑性樹脂(C)は、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)、ボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂(D)以外の樹脂であって、上記溶解性パラメータを有するものである。
熱可塑性樹脂(C)は、各種物性のバランスが良好であるのみならず、市販品の種類が豊富で容易に入手可能であり、しかも安価であるので、樹脂組成物(E)中の主成分として好適である。また、これらの熱可塑性樹脂(C)は、同様の理由で多くの多層構造体の主材層として使用されているので、該多層構造体を回収して再利用する際には必然的にリグラインドに含まれる。例えば、燃料容器の用途においては、耐衝撃性の観点から最外層に上記の熱可塑性樹脂(C)のひとつであるポリオレフィン系樹脂が使用されることが多く、回収されたリグラインドにも該ポリオレフィン系樹脂が含まれる。熱可塑性樹脂(C)として好適に使用されるのは、実質的に未変性のポリオレフィンである。実質的に未変性とは、炭素、水素以外の元素を含む官能基が積極的に導入されていないということである。
熱可塑性樹脂(C)のメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は、好適には0.01g/10分以上であり、より好適には0.02g/分以上である。また、MFRは好適には5g/10分以下、より好適には2g/10分以下である。特に、燃料容器に用いられる高密度ポリエチレンは、高度な耐衝撃性が要求されるので、MFRが低いことが好ましく、0.3g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以下であることがより好ましい。このような高粘度の樹脂を使用する場合には、回収使用が困難になる場合が多いので、特に本発明を採用する利益が大きい。これらの熱可塑性樹脂(C)は、単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明に用いられる、ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)において、ボロン酸基とは、下記式(I)で示されるものである。
Figure 2005105437
また、水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基とは、水の存在下で加水分解を受けて上記式(I)で示されるボロン酸基に転化し得るホウ素含有基を指す。より具体的には、水単独、水と有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトン等)との混合物、5%ホウ酸水溶液と前記有機溶媒との混合物等を溶媒とし、室温〜150℃の条件下に10分〜2時間加水分解したときに、ボロン酸基に転化し得る官能基を意味する。このような官能基の代表例としては、下記式(II)で示されるボロン酸エステル基、下記式(III)で示されるボロン酸無水物基、下記式(IV)で示されるボロン酸塩基等が挙げられる。
Figure 2005105437
Figure 2005105437
Figure 2005105437
{式中、X及びXは同一又は異なり、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル基、またはアルケニル基等)、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基等)、及び、芳香族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基等)を表し、ここで脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよく、また、XとXは結合していてもよく、ただし、X及びXがともに水素原子であることはない。またR、R及びRは上記X及びXと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を表し、Mはアルカリ金属を表す。}上記式において、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が有することができる置換基の例としては、例えばカルボキシル基、ハロゲン原子等を挙げることができる。
一般式(II)で示されるボロン酸エステル基の具体例としては、ボロン酸ジメチルエステル基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロピルエステル基、ボロン酸ジイソプロピルエステル基、ボロン酸ジブチルエステル基、ボロン酸ジヘキシルエステル基、ボロン酸ジシクロヘキシルエステル基、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基、ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル基、ボロン酸カテコールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン酸トリメチロールエタンエステル基、ボロン酸トリメチロールプロパンエステル基、ボロン酸ジエタノールアミンエステル基等が挙げられる。
また、一般式(IV)で示されるボロン酸塩基としては、ボロン酸のアルカリ金属塩基等が挙げられる。具体的には、ボロン酸ナトリウム塩基、ボロン酸カリウム塩基等が挙げられる。
このようなホウ素含有官能基のうち、熱安定性の観点からボロン酸環状エステル基が好ましい。ボロン酸環状エステル基としては、例えば5員環または6員環を含有するボロン酸環状エステル基が挙げられる。具体的には、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基等が挙げられる
ホウ素含有官能基の含有量は特に制限されないが、熱可塑性樹脂(D)の重量に対して0.001〜2meq/g(mmol/g)であることが好ましい。ホウ素含有官能基の含有量が0.001meq/g未満の場合には、相容性の改善効果が不十分になるおそれがある。そのため、リグラインド組成物の溶融成形性及び熱安定性が不十分になるおそれがあるとともに、多層構造体の衝撃強度が不十分になるおそれもある。前記含有量は、より好適には0.01meq/g以上であり、さらに好適には0.04meq/g以上である。一方、ホウ素含有官能基の含有量が2meq/gを超える場合には、樹脂組成物(E)にゲルが発生するおそれがある。より好適には0.5meq/g以下であり、さらに好適には0.2meq/g以下である。
ホウ素含有官能基はホウ素−炭素結合により該熱可塑性樹脂の主鎖、側鎖又は末端に結合している。このうち該官能基が側鎖又は末端に結合している形態が好適であり、末端に結合している形態がより好適である。ここで末端とは片末端又は両末端を意味する。またホウ素−炭素結合における炭素は、後述する熱可塑性樹脂のベースポリマーに由来するもの、又はベースポリマーに反応させるホウ素化合物に由来するものである。
ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)の具体例としては、ポリエチレン(超低密度、低密度、中密度、高密度)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体の金属塩(Na,K,Zn系アイオノマー)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと1−ブテン、イソブテン、3−メチルペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンとの共重合体等のポリオレフィン樹脂;前記ポリオレフィンの無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート等のグラフト変性物;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂;スチレン−水添ブタジエンブロック共重合体、スチレン−水添イソプレン共重合体、スチレン−水添ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン−水添ジエンブロック共重合体樹脂;ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の半芳香族ポリエステル樹脂;ポリバレロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、ポリオレフィン及びスチレン−水添ジエンブロック共重合体が好ましく使用され、ポリオレフィンが特に好ましく使用される。
ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)としてプロピレン系重合体を使用する場合は、耐熱水性が改善されるため、耐熱水性の要求される分野、例えばレトルト用包装材料として極めて有用である。また、熱可塑性樹脂(D)としてエチレン系重合体又はスチレン−水添ジエンブロック共重合体樹脂を使用する場合は、耐衝撃性が改善されるため、耐衝撃性が要求される分野、例えば、ボトル、チューブ、カップ、パウチ等の包装材料として有用である。一方、ガソリンタンク等の燃料容器用途においては、燃料耐性が良好なエチレン系重合体を熱可塑性樹脂(D)として使用することが好ましい。特に、0.85〜0.94g/cmの密度を有するポリエチレンが、耐衝撃性に優れた多層構造体を与えることから好ましい。当該ポリエチレンの密度が低いほど耐衝撃性が改善される傾向があるので、0.92g/cm以下であることがより好ましく、0.91g/cm以下であることがさらに好ましい。一方、当該ポリエチレンの密度が0.85g/cm未満である場合には、ハンドリングが困難になるおそれがあり、0.87g/cm以上であることがより好ましく、0.88g/cm以上であることがさらに好ましい。
次に、本発明に用いられるホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)の代表的製法について述べる。
第一の方法:オレフィン性二重結合を含有する熱可塑性樹脂に、窒素雰囲気下で、ボラン錯体及びホウ酸トリアルキルエステルを反応させることによってボロン酸ジアルキルエステル基を含有する熱可塑性樹脂を得た後、必要に応じて水またはアルコール類を反応させる方法。このようにして、該熱可塑性樹脂のオレフィン性二重結合にホウ素含有官能基が付加反応により導入される。
オレフィン性二重結合は、例えばラジカル重合の停止の際の不均化により末端に導入され、または重合中の副反応により主鎖や側鎖の中に導入される。特に、前記したポリオレフィン樹脂は、無酸素条件下での熱分解やジエン化合物の共重合等によりオレフィン性二重結合を容易に導入できる点で、またスチレン−水添ジエンブロック共重合体樹脂は水添反応を制御することによりオレフィン性二重結合を適度に残存させることができる点で好ましい。
原料となる熱可塑性樹脂の二重結合の含有量は、0.01〜2meq/gであることが好ましく、0.02〜1meq/gがより好ましい。このような原料を用いることにより、導入されるホウ素含有官能基の量を制御することが容易になる。また、導入後に残存するオレフィン性二重結合の量の制御も同時に可能となる。
ボラン錯体としては、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−ピリジン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボラン−トリエチルアミン錯体等が好ましい。これらの中でも、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体及びボラン−トリエチルアミン錯体がより好ましい。ボラン錯体の仕込み量は、熱可塑性樹脂のオレフィン性二重結合に対して1/3当量〜10当量の範囲が好ましい。
ホウ酸トリアルキルエステルとしては、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート等のホウ酸低級アルキルエステルが好ましい。ホウ酸トリアルキルエステルの仕込み量は、熱可塑性樹脂のオレフィン性二重結合に対して1〜100当量の範囲が好ましい。溶媒は特に使用する必要はないが、使用する場合は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化水素系溶媒が好ましい。反応温度は通常、室温〜300℃の範囲であり、100〜250℃が好ましく、この範囲の温度で、1分〜10時間、好ましくは5分〜5時間反応を行うのがよい。
上記の反応によって熱可塑性樹脂に導入されたボロン酸ジアルキルエステル基は、公知の方法により加水分解させてボロン酸基とすることができる。また、やはり公知の方法によりアルコール類とエステル交換反応させて任意のボロン酸エステル基とすることができる。さらに、加熱により脱水縮合させてボロン酸無水物基とすることができる。そしてさらに、公知の方法により金属水酸化物または金属アルコラートと反応させてボロン酸塩基とすることができる。
このようなホウ素含有官能基の変換は、通常、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒を用いて行われる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール,ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類等が挙げられる。また、金属水酸化物としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。さらに、金属アルコラートとしては、前記した金属と前記したアルコールとからなるものが挙げられる。これらはいずれも例示したものに限定されるものではない。これらの使用量は、通常ボロン酸ジアルキルエステル基に対して1〜100当量である。
第二の方法:公知のカルボキシル基を含有する熱可塑性樹脂と、m−アミノフェニルベンゼンボロン酸、m−アミノフェニルボロン酸エチレングリコールエステル等のアミノ基含有ボロン酸またはアミノ基含有ボロン酸エステルとを、公知の方法によってアミド化反応させる方法。この時、カルボジイミド等の縮合剤を用いてもよい。このようにして熱可塑性樹脂に導入されたホウ素含有官能基は、前記の方法により他のホウ素含有官能基に変換することができる。
カルボキシル基を含有する熱可塑性樹脂としては、半芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂等の末端にカルボキシル基を含有するもの、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ハロゲン化ビニル系樹脂等にアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基を有する単量体単位を共重合により導入したもの、前記したオレフィン性二重結合を含有する熱可塑性樹脂に、無水マレイン酸等を付加反応により導入したもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の多層構造体に含まれる樹脂組成物(E)は、EVOH(A)、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)、11以下の溶解性パラメータ(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(C)、及びボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂(D)からなる。
樹脂組成物(E)中の上記各原料の含有量は、EVOH(A)1〜40重量%、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)0.1〜39.1重量%、熱可塑性樹脂(C)59.8〜98.8重量%、及びホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)0.1〜39.1重量%であることが好ましい。ここで、(A)〜(D)各成分の配合割合は、(A)〜(D)の合計重量を100重量%とした場合の割合である。(A)〜(D)各成分の配合割合は、前述のとおり各種物性のバランス、入手の容易さ及び価格の点を考慮して決定される。特に、樹脂組成物(E)を多層構造体のリグラインドを用いて得る場合には、(A)〜(C)の配合割合は多層構造体に要求される性能によって左右されるが、一般的に上記の範囲の配合割合となる場合が多い。
樹脂組成物(E)中のEVOH(A)の含有量は、1〜40重量%であることが好ましい。EVOH(A)の含有量が1重量%未満の場合には、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を配合しなくても熱安定性に問題を有さない場合もあり、本発明を採用する必要性が低下する。EVOH(A)の含有量は、より好適には2重量%以上であり、さらに好適には3重量%以上である。一方、EVOH(A)の含有量が40重量%を超える場合には、耐衝撃性が不十分になるおそれがある。EVOH(A)の含有量は、より好適には30重量%以下であり、さらに好適には20重量%以下であり、特に好適には10重量%以下である。
樹脂組成物(E)中のカルボン酸変性ポリオレフィン(B)の含有量は、0.1〜39.1重量%であることが好ましい。カルボン酸変性ポリオレフィン(B)の含有量が0.1重量%未満の場合には、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を配合しなくても熱安定性に問題を有さない場合もあり、本発明を採用する必要性が低下する。カルボン酸変性ポリオレフィン(B)の含有量は、より好適には0.3重量%以上であり、さらに好適には1重量%以上である。一方、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)の含有量が39.1重量%を超える場合には、得られる多層構造体の耐衝撃性が不十分になるおそれがある。カルボン酸変性ポリオレフィン(B)の含有量は、より好適には20重量%以下であり、さらに好適には10重量%以下である。
樹脂組成物(E)中の、11以下の溶解性パラメータ(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(C)の含有量は、59.8〜98.8重量%であることが好ましい。樹脂組成物(E)の主成分が熱可塑性樹脂(C)であることによって、樹脂組成物(E)を熱可塑性樹脂(C)と同じように使用することができる。熱可塑性樹脂(C)の含有量は、より好適には75重量%以上であり、さらに好適には89.4重量%以上である。一方、熱可塑性樹脂(C)の含有量が98.8重量%を超える場合には、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を配合しなくても熱安定性に問題を有さない場合もあり、本発明を採用する必要性が低下する。熱可塑性樹脂(C)の含有量は、より好適には96.4重量%以下であり、さらに好適には95重量%以下である。
樹脂組成物(E)中の、ボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂(D)の含有量は、0.1〜39.1重量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂(D)の含有量が0.1重量%未満の場合には、樹脂組成物(E)中における、(A)、(B)及び(C)の各成分の相容性が不十分となり、耐衝撃性、熱安定性、外観が不十分になるおそれがある。また、リグラインドを使用して熱可塑性樹脂(D)を製造する場合に、連続的に押出成形することが困難になるおそれもある。熱可塑性樹脂(D)の含有量は、より好適には0.3重量%以上であり、さらに好適には1重量%以上、特に好適には3重量%以上である。特に、リグラインドを繰り返して再使用するような場合には、熱可塑性樹脂(D)の含有量が高い方が好ましい。一方、熱可塑性樹脂(D)の含有量が39.1重量%を超える場合には、コストが高くなる。熱可塑性樹脂(D)の含有量は、より好適には20重量%以下であり、さらに好適には10重量%以下である。
樹脂組成物(E)は、上記の所定量の各成分(A)〜(D)を、バンバリーミキサー、単軸又は二軸スクリュー押出機等の通常の溶融混練装置を使用して溶融混練することにより、容易に得ることができる。溶融混練装置としては特に限定されるものではないが、均一にブレンドするために混練度の高い押出機を使用することが好ましい。また、ゲル、ブツの発生、混入を防ぐために、ホッパー口を窒素ガスでシールし、低温で押出しすることが好ましい。この時、発明の効果が阻害されない範囲で、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、または他の樹脂を配合してもよい。
この場合において、個々の成分(A)〜(C)の全部又は一部を、(A)〜(C)の各成分を含有する層からなる多層構造体の製造において発生する製品のクズ、バリ、端部又は不良品等のリグラインドで置き換えて使用すると、回収物を有効に再利用できるので好ましい。リグラインドは成分(A)〜(C)のみを含むものに限定されるものではなく、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を始め、後述するような多層構造体を構成し得る熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。リグラインドは通常その大きさが不揃いであるので、適当な大きさに粉砕してから使用することが好ましい。
上記のようなリグラインドにホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を別途混合して溶融混練すると、成分(A)〜(C)の相容性が飛躍的に向上し、リグラインド組成物の製造を連続して行うことが容易になる。具体的には、EVOH(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層及び熱可塑性樹脂(C)層を有する多層構造体から得られたリグラインドに、さらにホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を加えて溶融混練して、樹脂組成物(E)層を形成することが好適である。すなわち、リグラインド使用時に添加する回収助剤としてホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を使用するのである。
そしてそのとき、前記リグラインドが、EVOH(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、熱可塑性樹脂(C)層に加えて、さらにホウ素含有基を有する樹脂組成物(E)層を有する多層構造体から得られたものであることがより好ましい。この場合は、リグラインドにホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を加えて溶融混練して得られた樹脂組成物(E)層を有する多層構造体を原料として、再度リグラインドを得て、それに熱可塑性樹脂(D)を加えて溶融混練して得られた樹脂組成物(E)層を有する多層構造体を製造する場合に対応する。すなわち、再度のスクラップ回収操作を行う場合に対応するものである。通常、リグラインド組成物層を有する多層構造体を工業的に連続製造する場合には、リグラインドの使用は何度も繰り返されるが、そのような場合であっても、熱安定性良く溶融成形することが可能である。
前記リグラインドとそれに加えられる熱可塑性樹脂(D)との合計100重量部に対して、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を0.1〜30重量部加えて溶融混練することが好適である。熱可塑性樹脂(D)の含有量が0.1重量%未満の場合には、樹脂組成物(E)中における、(A)、(B)及び(C)の各成分の相容性が不十分となり、耐衝撃性、熱安定性、外観が不十分になるおそれがある。また、リグラインドを使用して熱可塑性樹脂(D)を製造する場合に、連続的に押出成形することやリグラインドを繰り返して再使用することが困難になるおそれもある。熱可塑性樹脂(D)の添加量は、より好適には0.3重量部以上であり、さらに好適には1重量部以上、特に好適には3重量部以上である。一方、熱可塑性樹脂(D)の添加量が39.1重量%を超える場合には、コストが高くなる。熱可塑性樹脂(D)の添加量は、より好適には20重量%以下であり、さらに好適には10重量%以下である。
また、成分(A)〜(C)を含むリグラインド、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)に加えて、さらに成分(C)を別途混合して樹脂組成物(E)を得ることも好適である。こうすることによって、成分(C)そのものと比較しても遜色のない物性を示す樹脂組成物(E)が得られる場合が多く、例えば、後述する多層構造体の主材層としても使用可能である。
本発明の多層構造体は、上記の樹脂組成物(E)からなる層に加えて、エチレン含量5〜60モル%、ケン化度85%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、及び11以下の溶解性パラメータ(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(C)層を有する。しかも、EVOH(A)層と、熱可塑性樹脂(C)層又は樹脂組成物(E)層とが、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層を介して積層されている。すなわち、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層を、(A)層と、(C)層又は(E)層との間に使用される接着剤層として使用するものである。カルボン酸変性ポリオレフィン(B)は、接着剤としての性能に優れ、コスト面でも好ましく、多層構造体を成形する際の溶融成形性にも優れている。
本名発明の多層構造体において、EVOH(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、熱可塑性樹脂(C)層及び樹脂組成物(E)層の他、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリアセタール等が挙げられる。
多層構造体の層構成は特に限定されるものではないが、例えば、A/B/E/C、A/B/C/E等の4層構成;E/B/A/B/C、E/B/A/B/E、A/B/E/B/C等の5層構成;C/B/A/B/E/C、E/B/A/B/E/C等の6層構成;E/B/A/B/A/B/C、C/E/B/A/B/E/C等の7層構成;等が挙げられる。同種の層、例えばEVOH(A)層を2層以上含む多層構造体においては、各層を構成するEVOHは同じであっても異なっていてもよい。他の成分層においても同様である。また、上記の層構成にさらに別の成分からなる層を設けることも可能である。これらの中でも、5以上の層を有する多層構造体は実用性が高く、各種用途に使用できるので好ましい。
本発明の多層構造体の製造方法としては、公知の方法が採用可能であり、押出コーティング、共押出成形、共射出成形等の方法を用いることができる。なかでも、共押出成形又は共射出成形が好ましく採用される。これらの方法で一旦多層シート又は多層フィルムを得た後、さらに共延伸、圧延伸、熱成形等を施すことも可能である。
これらの中でも、共押出成形は、工程が簡略で、複雑な層構成の積層体も比較的容易に製造可能であり、かつ製造コストを抑えられる面から好ましい。一方、共射出成形は複雑な層構成の製造には不向きであるが、製造サイクルが短く、生産性の面で有利である。さらに、熱成形は、工程は複雑ではあるが、共押出成形では製造が困難な長い形状の容器等も可能である。成形方法は、得られる成形物の形状、用途等に応じて適宜選択される。
多層構造体の形状としては、シート、フィルムの他、カップ、ボトル、チューブ、タンク等が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、多層構造体の用途も様々であるが、例えば食品、医薬、医療器材、衣料等の包装材料又は容器、燃料(ガソリン等)用のチューブ、タンク等が挙げられる。これらの中でも、特に重要な燃料容器について以下に説明する。
多層構造体が燃料容器である場合の層構成は、特に限定されるものではないが、成形性及びコスト等を考慮した場合、(内)C/B/A/B/E(外)、(内)C/B/A/B/E/C(外)、(内)C/E/B/A/B/E/C(外)等が代表的なものとして挙げられる。これらの中でも、剛性、耐衝撃性、成形性、耐ドローダウン性、耐燃料性等の観点から、(内)C/B/A/B/E/C(外)の層構成を採用することが特に好ましい。
燃料容器の各層の厚みは特に限定されないが、燃料容器の燃料バリア性、機械強度及びコストメリット等を考慮して、EVOH(A)層の厚みは好適には全層厚みの0.1%以上であり、より好適には0.5%以上であり、さらにより好適には1%以上である。また、EVOH(A)層の厚みは好適には全層厚みの20%以下であり、より好適には15%以下であり、さらにより好適には10%以下である。ここで、EVOH(A)層が複数層存在する場合は、各EVOH(A)層の合計厚みをEVOH(A)層の厚みとする。EVOH(A)層の厚みが全層厚みの0.1%に満たない場合は、燃料容器の燃料バリア性が不足するおそれがあり、20%を超える場合は、コスト的に割高になる他、機械強度が不充分となるおそれがある。
燃料容器は、好適には共押出ブロー成形により成形される。具体的には、溶融押出によりパリソンを形成し、このパリソンを一対のブロー成形用金型で挟持し、パリソンの喰切を行うと共に対抗する喰切部を融着させ、ついで喰切が行われたパリソンを前記金型内で膨張させることにより燃料容器の形に成形する。ただし、自動車用燃料タンク等、容器が大きくなる場合は金型によりパリソンを挟持し、圧着を行う一方、金型で喰切は行わず、容器表面からからはみ出た部分を、カッター等を使用して所望の高さで切断することが多い。
燃料容器は、多層シートを上下別々に熱成形し、これら2つの成形体を熱溶着等により融着する方法によって得ることもできる。この製造方法の場合、特に共押出ブロー成形等では作りにくい長い形状のタンクの作成が可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。なお、以下の合成例及び実施例において特に断りのない限り、比率は重量比を、「%」は「重量%」を意味する。メルトフローレート(MFR)は、断りのない限り190℃、荷重2160gで測定した値である。極限粘度は、フェノール85重量%及び水15重量%の混合溶媒を用いた溶液で30℃で測定された値である。
合成例1
末端にボロン酸エチレングリコールエステル基を有する高密度ポリエチレンの合成:
冷却器、撹拌機及び滴下ロート付きセパラブルフラスコに、高密度ポリエチレン{MFR0.3g/10分(190℃、荷重2160g)、密度0.952g/cm、末端二重結合量0.048meq/g(mmol/g)}1000g、デカリン2500gを仕込み、室温で減圧することにより脱気を行った後、窒素置換を行った。これにホウ酸トリメチル78g、ボラン−トリエチルアミン錯体5.8gを添加し、200℃で4時間反応後、蒸留器具を取り付けさらにメタノール100mlをゆっくり滴下した。メタノール滴下終了後、減圧蒸留により、メタノール、ホウ酸トリメチル、トリエチルアミン等の低沸点の不純物を留去した。さらにエチレングリコール31gを添加し、10分間撹拌後、アセトンに再沈して乾燥することにより、ボロン酸エチレングリコールエステル基量0.027meq/g(mmol/g)、MFR0.3g/10分(190℃、荷重2160g)、密度0.952g/cmの変性ポリエチレン(d−1:BEAG変性HDPE)を得た。変性ポリエチレン中のボロン酸エチレングリコールエステル基(BAEG)の量は、重パラキシレン:重クロロホルム:エチレングリコール=8:2:0.02の比率の混合液を溶媒として溶液を調整し、270MHz H−NMRにより定量した。
合成例2
末端にボロン酸エチレングリコールエステル基を有する超低密度ポリエチレンの合成:
冷却器、撹拌機及び滴下ロート付きセパラブルフラスコに、超低密度ポリエチレン{MFR15g/10分(190℃、荷重2160g)、密度0.900g/cm、末端二重結合量0.055meq/g}1000g、デカリン2500gを仕込み、室温で減圧することにより脱気を行った後、窒素置換を行った。これにホウ酸トリメチル78g、ボラン−トリエチルアミン錯体5.8gを添加し、200℃で4時間反応後、蒸留器具を取り付けさらにメタノール100mlをゆっくり滴下した。メタノール滴下終了後、減圧蒸留により、メタノール、ホウ酸トリメチル、トリエチルアミン等の低沸点の不純物を留去した。さらにエチレングリコール31gを添加し、10分間撹拌後、アセトンに再沈して乾燥することにより、ボロン酸エチレングリコールエステル基量0.050meq/g、MFR15g/10分(190℃、荷重2160g)、密度0.900g/cmの変性ポリエチレン(d−2:BEAG変性VLDPE)を得た。変性ポリエチレン中のボロン酸エチレングリコールエステル基(BAEG)の量は、合成例1と同様の方法で定量した。
参考例1
合成例1で得られた変性ポリエチレン(d−1:BEAG変性HDPE)1重量部、株式会社クラレ製EVOH「エバール(登録商標)−F101」(エチレン含量32モル%、けん化度99.5%、極限粘度1.1dl/g)5重量部、三井化学株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン「アドマー(登録商標)GT6」{MFR:0.94g/10分(190℃、荷重2160g)}8重量部、及びBassel社製高密度ポリエチレン「Lupolen(登録商標)4261AG」{MFR0.03g/10分(190℃、荷重2160g)、密度0.945g/cm}86重量部を、二軸スクリュータイプのベント式押出機に投入し、窒素雰囲気下220℃で押出しペレット化を行い樹脂組成物のペレットを得た。
フィルム外観評価
得られたペレットを用いて、以下に示す装置を使用してフィルムを作成し、その外観を評価した。
使用機械:東洋精機社製二軸押出し機
スクリュー: 20mmφ、フルフライト
押出し温度: 190/260/260/260℃
フィルム厚み: 100μm
衝撃強度測定
得られたペレットを用いて、単軸押出機を使用して射出成形にて試験片を作成し、ASTM法D256に準拠して−40℃にてアイゾット衝撃強度を測定した。衝撃強度測定機器を−40℃に調整した恒温室に入れ、測定サンプルを測定前に一晩以上当該恒温室に保管した後、−40℃にて衝撃強度を測定した。
滞留樹脂量
得られたペレットを用いて、以下に示す装置を使用して押出し試験を行った。60分混練後に三井化学株式会社製「ミラソン102」(LDPE)を添加し、45分間上記樹脂を用いて混練を行った。この際、試験ペレットはローター上部からパージアウトしてきた。LDPEを掻き出した後にローター表面に付着していた樹脂の重量を測定した。
使用機械:東洋精機社製押出し機ブラベンダー
押出し温度: 220℃
回転速度: 50rpm
窒素雰囲気下、60分混練
以上の結果をまとめて表1に示す。
参考例2、3
使用する樹脂の量を表1に示すように変更した以外は、参考例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得、次いで、フィルム外観評価、衝撃強度測定及び滞留樹脂量測定を行った。結果をまとめて表1に示す。
参考例4
株式会社クラレ製EVOH「エバール(登録商標)−F101」(エチレン含量32モル%、けん化度99.5%、極限粘度1.1dl/g)5重量部、三井化学株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン「アドマー(登録商標)GT6」8重量部、及びBassel社製高密度ポリエチレン「Lupolen(登録商標)4261AG」87重量部を、二軸スクリュータイプのベント式押出機に投入し、窒素雰囲気下220℃で押出しペレット化を行い樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを使用し、実施例1と同様にしてフィルム外観評価、衝撃強度測定及び滞留樹脂量測定を行った。結果をまとめて表1に示す。
参考例5〜7
使用する樹脂の量を表1に示すように変更した以外は、参考例4と同様にして樹脂組成物のペレットを得、次いで、フィルム外観評価、衝撃強度測定及び滞留樹脂量測定を行った。結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005105437
表1からわかるように、EVOH(A)、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性樹脂(C)からなる樹脂組成物に、ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)を配合することによって、成形品の外観が良好になり、衝撃強度が向上し、さらに滞留樹脂量が減少することがわかった。その効果は熱可塑性樹脂(D)の添加量が大きくなるほど顕著である。ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)の添加が、各成分の相容性や熱安定性に大きく寄与していると考えられる。
実施例1
株式会社クラレ製EVOH「エバール(登録商標)−F101」(エチレン含量32モル%、けん化度99.5%、極限粘度1.1dl/g)(EVOH)、三井化学株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン「アドマー(登録商標)GT6」(AD)、及びBassel社製高密度ポリエチレン「Lupolen(登録商標)4261AG」(HDPE)を用い、下記に示す多層押出装置を使用してHDPE/AD/EVOH/AD/HDPE=510/20/30/20/420μmの層構成のシートを作成した。次に、得られた多層シートを、押出機に投入できるよう適当な大きさに粉砕した。この粉砕物90重量部に合成例1で得られた変性ポリエチレン(d−1:BEAG変性HDPE)10重量部をドライブレンドし、回収層(Reg1)の原料とした。この原料と上記の各樹脂を用い、下記に示す多層押出装置を使用してHDPE/Reg1/AD/EVOH/AD/HDPE=110/400/20/30/20/420μmの層構成のシートを作成した。得られた多層シートを先と同様に粉砕し、この粉砕物90重量部に変性ポリエチレン(d−1)10重量部をドライブレンドし、次の回収層(Reg2)の原料とした。この操作を5回繰り返したのち、5回目の回収層(Reg5)の押出に用いたスクリューを押出機から取り出し、樹脂の付着の状態を目視にて観察したところ、非常に少なく、容易に除去可能な範囲であった。また、5回目の回収層(Reg5)の原料を用いて、210℃にてペレット化を行い、1時間後のストランドの回りに付着したメヤニの発生具合を目視にて観察したが、目ヤニの発生は認められなかった。
多層押出装置の構成:
押出機1 HDPE用 スクリュー径:25mm 温度:190℃
押出機2 HDPE用又はReg用 スクリュー径:40mm 温度:210℃
押出機3 AD用 スクリュー径:20mm 温度:190℃
押出機4 EVOH用 スクリュー径:20mm 温度:210℃
押出機5 AD用 スクリュー径:20mm 温度:190℃
押出機6 HDPE用 スクリュー径:40mm 温度:210℃
いずれのスクリューもフルフライトと呼ばれる混練部の無いスクリューである。
比較例1
回収層(Regn、nは1〜5の整数)の原料として、多層シートの粉砕物に変性ポリエチレン(d−1)を混合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして回収層を含む多層シートを作成した。5回目の回収層(Reg5)の押出に用いたスクリューを押出機から取り出し、樹脂の付着の状態を目視にて観察したところ、付着が多く、樹脂の除去に相当な時間と手間を要した。また、5回目の回収層(Reg5)の原料を用いて、210℃にて、ペレット化を行ったが、目ヤニの発生が顕著であった。回収の回数を増やすことでカルボン酸変性ポリオレフィンの熱安定性が悪化し、回収層中のEVOHの分散性が悪化した為と推定される。すなわち、ホウ素含有基を有する熱可塑性樹脂(D)を加えることによって、リグラインド組成物の熱安定性が大きく改善されることが明らかになった。
実施例2
株式会社クラレ製EVOH「エバール(登録商標)−F101」(エチレン含量32モル%、けん化度99.5%、極限粘度1.1dl/g)(EVOH)、三井化学株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン「アドマー(登録商標)GT6」(AD)、及びBassel社製高密度ポリエチレン「Lupolen(登録商標)4261AG」(HDPE)を用いて下記に示す多層押出装置を使用してHDPE/AD/EVOH/AD/HDPE=510/20/30/20/420μmの層構成のシートを作成した。次に、得られた多層シートを、押出機に投入出来るよう適当な大きさに粉砕した。この粉砕物95重量部に合成例2で得られた変性ポリエチレン(d−2:BEAG変性VLDPE)5重量部をドライブレンドし、回収層(Reg1)の原料とした。この原料と上記の各樹脂を用い、実施例1と同じ多層押出装置を使用し、同じ条件でHDPE/Reg1/AD/EVOH/AD/HDPE=110/400/20/30/20/420μmの層構成のシートを作成した。得られた多層シートを先と同様に粉砕し、この粉砕物95重量部に変性ポリエチレン(d−2)5重量部をドライブレンドし、次の回収層(Reg2)の原料とした。この操作を5回繰り返した後のReg5を用いて作成した多層シートの外観、衝撃強度を評価した。多層シートの外観は、目視観察により評価した。また、衝撃強度は、得られた多層シートから、ASTM−D1829ダンベルカッターでテストピースを作成し、−40℃、MD方向、n=10にてTIS(引張り衝撃強度)を測定した。さらに、上記操作を5回繰り返した後、5回目の回収層(Reg5)を粉砕した後、210℃にて、ペレット化を行い、1時間後のストランドの回りに付着したメヤニの発生具合を目視にて観察したが、目ヤニの発生は認められなかった。
実施例3
粉砕物90重量部に、変性ポリエチレン(d−2:BEAG変性VLDPE)10重量部をドライブレンドして多層シートを成形する操作を繰り返した以外は実施例2と同様に試験を行い、評価した。結果を表2にまとめて示す。
実施例4
粉砕物95重量部に合成例1で得られた変性ポリエチレン(d−1:BEAG変性HDPE)5重量部をドライブレンドして多層シートを成形する操作を繰り返した以外は実施例2と同様に試験を行い、評価した。結果を表2にまとめて示す。
比較例2
粉砕物95重量部に三井化学株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン「アドマー(登録商標)GT6」5重量部をドライブレンドして多層シートを成形する操作を繰り返した以外は実施例2と同様に試験を行い、評価した。結果を表2にまとめて示す。
比較例3
粉砕物に対して何も加えずに多層シートを成形する操作を繰り返した以外は実施例2と同様に試験を行い、評価した。結果を表2にまとめて示す。
Figure 2005105437
表2からわかるように、EVOH(A)、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)及び熱可塑性樹脂(C)を含有するリグラインドに対して、ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)を配合した実施例2〜4においては、熱安定性が改善されてペレット化時の目ヤニの発生が抑制され、得られるシートの外観及び耐衝撃性にも優れることがわかる。一方、ホウ素含有官能基を有する熱可塑性樹脂(D)の代わりにカルボン酸変性ポリエチレンを配合した比較例2では目ヤニ発生が顕著になるとともに、得られる多層シートの外観及び耐衝撃性も悪化した。また、リグラインドに対して何も配合しない比較例3では、得られる多層シートの外観及び耐衝撃性がさらに悪化した。また、実施例2と実施例4との比較からわかるように、密度の低いポリエチレンをベースポリマーとする熱可塑性樹脂(D)を使用するほうが、耐衝撃性に優れた多層シートを与えることがわかる。
実施例5
実施例2で得られたReg5を用い、下記の条件で共押出ブロー成形して、750mlサイズのHDPE/Reg5/AD/EVOH/AD/HDPE構成の多層ボトルを作成した。ボトル同部中央付近の層構成は、110/400/20/30/20/420μmであった。得られた多層ボトルの外観を目視で評価したところ外観は良好であった。また、該ボトルの平面中央部をサンプリングし、ASTM−D1829ダンベルカッターでテストピースを作成し、−40℃、MD方向、n=10にてTIS(引張り衝撃強度)を測定したところ110kJ/mであり、良好な耐衝撃性を示した。
共押出ブロー成形条件
成形機:鈴木鉄工所製4種7層ダイレクトブロー成形機
HDPE押出温度:190℃
Reg5押出温度:190℃
AD押出温度:180℃
EVOH押出温度:205℃
金型温度:80℃
比較例4
比較例3で得られたReg5を用いて、実施例5と同様に多層ボトル作成を製造し、評価を行った。得られた多層ボトルの外観を目視で評価したところ膜面ムラが多発していた。また、該ボトルの平面中央部をサンプリングし、ASTM−D1829ダンベルカッターでテストピースを作成し、−40℃、MD方向、n=10にてTIS(引張り衝撃強度)を測定したところ50kJ/mであり、耐衝撃性が不十分であった。

Claims (14)

  1. エチレン含量5〜60モル%、ケン化度85%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、11以下の溶解性パラメータ(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(C)層、及び樹脂組成物(E)層を有する多層構造体であって;
    前記樹脂組成物(E)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)、熱可塑性樹脂(C)及びボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂(D)からなり、かつ
    エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層と、熱可塑性樹脂(C)層又は樹脂組成物(E)層とが、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層を介して積層されてなることを特徴とする多層構造体。
  2. 前記樹脂組成物(E)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)1〜40重量%、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)0.1〜39.1重量%、熱可塑性樹脂(C)59.8〜98.8重量%、及び熱可塑性樹脂(D)0.1〜39.1重量%からなる請求項1記載の多層構造体。
  3. 前記熱可塑性樹脂(C)が実質的に未変性のポリオレフィンである請求項1又は2記載の多層構造体。
  4. 前記熱可塑性樹脂(D)のホウ素含有基の含有量が0.001〜2meq/gである請求項1〜3のいずれか記載の多層構造体。
  5. 前記熱可塑性樹脂(D)が、ボロン酸基及び水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリオレフィンである請求項1〜4のいずれか記載の多層構造体。
  6. 前記熱可塑性樹脂(D)が、0.85〜0.94g/cmの密度を有するポリエチレンである請求項5記載の多層構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の多層構造体からなる押出成形品。
  8. 請求項1〜6のいずれか記載の多層構造体からなるブロー成形品。
  9. 請求項1〜6のいずれか記載の多層構造体からなる熱成形品。
  10. 請求項1〜6のいずれか記載の多層構造体からなる燃料容器。
  11. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層及び熱可塑性樹脂(C)層を有する多層構造体から得られたリグラインドに、さらに熱可塑性樹脂(D)を加えて溶融混練して、前記樹脂組成物(E)層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の多層構造体の製造方法。
  12. 前記リグラインドが、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)層、カルボン酸変性ポリオレフィン(B)層、熱可塑性樹脂(C)層に加えて、さらに樹脂組成物(E)層を有する多層構造体から得られたものである請求項11記載の多層構造体の製造方法。
  13. 前記リグラインドとそれに加えられる熱可塑性樹脂(D)との合計100重量部に対して、熱可塑性樹脂(D)を0.1〜30重量部加えて溶融混練する請求項11又は12記載の多層構造体の製造方法。
  14. 共押出成形又は共射出成形する請求項11〜13のいずれか記載の多層構造体の製造方法。
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