JP3751983B2 - 多層構造体 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は多層構造体に関し、詳しくは含酸素系有機化合物と炭化水素との混合物、例えばメタノール含有ガソリンに対する透過防止性能(バリアー性)に優れた多層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、自動車等車両の燃料タンクなどのように、その軽量化および成形加工の容易化を計るべくプラスチック製のものが提案され実用化されつつある。
プラスチック製燃料タンクは、ポリエチレン製単層型が普及しているが、比較的高い透過性を有する欠点がある。これに対し、従来、ポリエチレン製タンクにスルホン処理や、フロン処理によりバリアー性を向上させる方法や、ポリエチレンにバリアー性を有する物質を混入させる方法、また、一方では、多層構造体にし、バリアー層にナイロンを用い、その両側に接着材層を介して高密度ポリエチレン層を設けた3種5層構造が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年の環境汚染に対する規制強化の中で、大気汚染防止の観点から、さらには、ガソリンの消費節約、オクタン価改良のために米国中心に使用されているメタノール、MTBE(メチル・ターシャル・ブチル・エーテル)等をブレンドしたガソリン(以下ガスホールと略記することがある)やガソリンタンクの使用時に実際上避けることのできない水分混入に対して、タンク全体からのガソリン透過量が増大すると言う欠点を有しており、これらの欠点の改良が望まれている。
【0004】
これを改良する手段として、上記ポリエチレンとナイロンとの積層体では、ピンチオフ部からの透過及び、ガスホールに対するバリアー性さらには、衝撃強度に問題がある。すなわち、衝撃強度を満足するには、バリアー層を薄くする必要があり、そのために、多層構造体全体としてのバリアー性能を大きく低下することとなる。また、ポリエチレンにナイロンを混合して同時に溶融押し出しし、ポリエチレン層中にナイロンを不連続の薄層状に分散する方法では、ガスホールに対するバリアー性が不足し、ポリエチレン単層にスルホン処理や、フッ素処理する方法では、ガスホールに対するバリアー性の不足や、ガソリン中の水分により透過性が増大する問題がある。
【0005】
しかして、本発明の目的は、ガソリンのみならず、水分混入ガソリンおよびガスホールに対しても充分な透過防止性能と耐衝撃性を有する多層構造体を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、高密度ポリエチレンを内、外層とし、エチレン含量20〜80モル%、鹸化度80%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、該内外層と該中間層の各層間に接着性樹脂を有し、該内層の表面を、フッ素ガスを含むハロゲン系化合物と不活性ガスの混合物又は硫黄系化合物で処理し、該ハロゲン系化合物の付着量が1〜1000μg/cm2又は硫黄系化合物の付着量が0.001〜50mg/cm2であるガスホール用ブロー成形容器を提供することによって達成される。
【0007】
本発明によれば、ハロゲン系化合物または硫黄系化合物で表面処理した高密度ポリオレフィン層をガスホール用ブロー成形容器の内層側とすることにより、多層構造体と表面処理の相乗効果が生じ、各単独の層のバリアー性よりも優れたバリアー性を得ることができ、なおかつ、多層構造の欠点であるピンチオフ部からの透過を防止し、かつバリアー性の相乗効果により、衝撃強度が低い原因とされる多層構造体のバリアー層を薄くすることが可能となり、タンク全体としてのバリアー性及び耐衝撃性を向上させることができる。
【0008】
本発明で用いられるポリオレフィンとしては、各種のものが使用でき、例えばエチレン,プロピレン,ブチレンなど炭素数2〜8のオレフィンの1種または2種以上の重合体またはこれらのオレフィンと他のコモノマーとの共重合等を包含する。ここで、他のコモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸、アクリル酸塩などがあげられる。特にポリエチレンあるいはエチレンを含有する共重合体が好適であり、具体的には、高、中及び低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
【0009】
本発明において、EVOHとはエチレン−ビニルエステル共重合体鹸化物であり、エチレン含量は20〜80モル%が好ましく、さらに好適には22〜70モル%であり、またビニルエステル成分の鹸化度は80%以上が好ましく、さらに好適には85%以上である。エチレン含量が20モル%未満では溶融成形性が悪く、ガスバリヤー性及び熱安定性が悪くなる。本発明においてEVOHは、エチレン含量および/または鹸化度の異なる1種あるいはそれ以上のEVOHをブレンドして用いる事がより好適な場合がある。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有する場合にも基材とそのEVOHとの溶融粘性の整合性が改善され、均質な共押し出し多層フィルムの製造が可能なだけでなく、EVOH同士のブレンドに際し分散性が改善され成形性などの改善の面で有効である。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルメチル、エチル)など}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドンなど)を使用することもできる。また、本発明に用いるEVOHの好適なメルトインデックス(MI)(190℃,2160g荷重下で測定した値;融点が190℃付近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデックスを縦軸としてプロットし、190℃に外挿した値)は、0.1〜50g/10min.、最適には0.5〜20g/10min.である。
【0010】
また、EVOHに他の添加剤(可塑剤、熱安定剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲で使用することは、自由である。特にゲル発生防止対策として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系,ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪酸カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシュウム、ステアリン酸マグネシュウムなど)の一種、または二種以上を0.01〜1重量%添加することは好適である。
【0011】
ポリアミドとしては、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン10,ナイロン11,ナイロン12、さらにはブロー成形可能なグレードとして、耐衝撃性の高い変性ポリアミド、たとえば、ポリオレフィン系エラストマー変性ポリアミド、アイオノマー変性ポリアミド、共重合ポリアミド、接着性ポリアミド等が挙げられ、さらには、非晶性ポリアミド、芳香族ポリアミド(メタキシリレンジアミンとアジピン酸との混合物など)があげられる。
【0012】
ポリアミドの樹脂には、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂をブレンドすることも自由である。前記EVOHとポリアミドはそれぞれ単独で用いても良いし、また、ブレンドして用いても良い。また、EVOH層、ポリアミド層として併用することも可能である。
【0013】
本発明において、ポリオレフィン層の表面をハロゲン系化合物または硫黄系化合物で処理する方法としては、ガス状のハロゲン系化合物または硫黄系化合物、または該ガス状物を溶解した溶液で処理する方法が代表例としてあげられる。ハロゲン系化合物としてはフッ素ガス、臭素ガス、塩素ガスなどがあげられるが、フッ素ガスが最適である。例えば、フッ素系化合物の処理方法としては、フッ素ガスをポリオレフィン層に直接接触させ反応させる方法も可能であるが、反応が急激過ぎ、時として試料の燃焼を引き起こす場合があるため、窒素、ヘリュウム、アルゴン等の不活性ガスで希釈、例えば不活性ガス濃度40〜90容量%で希釈して用いたり、さらには酸素ガス、空気で希釈して用いる方法が好適である。。また、反応性を促進するため、含酸素系化合物、例えばCO2、COF2、CF3、COF、トリオキサン、金属フッ化物、水、Fe2O3、NiO、CaO、MgOを併用することもできる。これらの含酸素系化合物のうちフッ素を含む化合物は単独で使用することも可能であるが、フッ素ガス、臭素ガス、塩素ガスなどと併用するのが好ましい。処理温度、圧力、時間に関しては特に制限は無いが、温度は、−20℃〜樹脂の融点付近、好ましくは、−10℃〜120℃、圧力は0.1〜20atm.、好ましくは0.5〜5atm.であり、反応接触時間はフッ素ガス濃度、温度、圧力に依存するが、0.1秒〜数時間の範囲が好ましい。反応の形式としては、特に制限無く、回分式の他に、ブロー成形時、インフレ成形時吹込みガスとして用いるなど連続式での処理がある。
また前記ガス状のハロゲン系化合物をフッ化メチル、塩化メチルなどの溶媒に溶解して、使用することもできる。フッ素などのハロゲンのポリオレフィン層表面への付着量は1〜1000μg/cm2が好ましく、1〜500μg/cm2がより好適である。
【0014】
一方、硫黄系化合物を化学的に反応処理する方法としては、ガス状の硫黄系化合物、好適には三酸化イオウ(SO3)を、約0.1〜20容積%含む乾燥不活性ガス、例えばN2、CO2、SO2又は空気などで処理するか、あるいはフッ素ガス、塩素ガス、臭素ガスなどのハロゲン化化合物を含む乾燥不活性ガスで処理するか、さらには、SO3などの硫黄系化合物を塩化メチレン、四塩化炭素のような液状多塩素化脂肪族炭化水素溶液などで処理した後、ガス状アンモニア又はメチルアミンの様な気相中和剤或いは、アルカリ金属又は、アルカリ土類金属の水酸化物又は対応する弱酸の塩溶液などにより中和し、乾燥洗浄する方法、また、該方法で中和した後、さらにBaCl2、Ba(OH)2・8H2Oのごときアルカリ土類金属化合物を含む溶液にて該表面を処理することが好ましく、処理温度は−20℃〜120℃、好適には室温〜100℃であり、また、処理時間は、1秒〜数10分、好適には1〜10分であり、単位面積当りSO3などの硫黄系化合物のポリオレフィン層表面への付着量は通常0.001〜50mg/cm2、好適には0.06〜10mg/cm2である。硫黄系化合物としては前記した三酸化イオウ(SO3)が代表例なものとしてあげられる。
さらに、ポリオレフィンの表面処理の方法として、プラズマ処理が挙げられる。プラズマ処理方法は一般的に1mmHg以下の高真空下、フッ素、塩素、硫黄系化合物を高電圧の下でプラズマ化し、ポリオレフィン表面と反応させる手法であり、濃度制御の面で最も有効である。
【0015】
次に本発明の多層構造体について説明する。多層構造体を得る際に使用される接着性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリウレタン系、ポリエステル系一液型あるいは二液型硬化性接着剤、不飽和カルボン酸又はその無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体または共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、またはエチルエステル)共重合体]にグラフトしたものが、好適に用いられる。
【0016】
多層構造体を得る方法としては、ポリオレフィンとEVOHおよび/またはポリアミドとを必要に応じ接着性樹脂を介してハロゲン系化合物または硫黄系化合物で処理されたポリオレフィン面が表面、とくに燃料と接触する表面に位置するように成形する方法、たとえば共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共押出成形法、共押出ブロー成形法などがあげられる。多層構造体の厚み構成に関しても、特に限定されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮した場合、全厚みに対するEVOHおよび/またはポリアミド層の厚み比率は1〜20%程度が好適である。
ハロゲン系化合物または硫黄系化合物による処理は、多層構造体にしたあとに行なってもよいし、積層する前のポリオレフィン層に行なってもよい。
【0017】
多層構造体の構成としては、ポリオレフィン/EVOH、ポリオレフィン/ポリアミド、ポリオレフィン/接着性樹脂(以下「AD」と略す)/EVOH、ポリオレフィン/AD/ポリアミド、ポリオレフィン/AD/EVOH/AD/ポリオレフィン、ポリオレフィン/AD/ポリアミド/AD/ポリオレフィン、ポリオレフィン/回収層/AD/EVOH、ポリオレフィン/回収層/AD/ポリアミド、ポリオレフィン/回収層/AD/EVOH/AD/ポリオレフィン、ポリオレフィン/回収層/AD/ポリアミド/AD/ポリオレフィン等が代表的なものとしてあげられる。また成形時発生するトリムなどのスクラップを熱可塑性樹脂層にブレンドしたり、別途回収層を設けて再使用される場合も多い。
【0018】
このようにして得られた多層構造体は自動車用燃料、たとえばメタノール含有ガソリン用のタンク、パイプ素材として有効であるが、使用するにあたっては、ハロゲン系化合物、または、硫黄系化合物で処理されたポリオレフィン層が燃料と直接接するようにするのが好適である。
【0019】
【実施例】
次に本発明を実施例および比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0020】
実施例1
最外層に高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略す)(三井石油化学製 ハイゼックス HZ8200B)、接着性樹脂として変性ポリエチレン(以下「AD」と略す)(三井石油化学製 アドマー GT−3)、バリアー樹脂としてEVOH(a){エチレン量32モル%、鹸化度99.6%、メルトインデックス1.6g/10分、(190℃、2160g荷重)}を用いてブロー成形により3種5層{HDPE(1169μ)/AD(50μ)/EVOH(a)(63μ)/AD(50μ)/HDPE(1169μ)}の容器を得た。この容器をオートクレーブに入れ、1mmHg脱気後、窒素ガスを用いて5回置換を行い60℃に昇温した。その後、フッ素ガス5容量%、塩素ガス50容量%、窒素ガス45容量%で予め混合しておいたガスを6分間導入し、容器の内表面処理を行った。処理後、5%炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄、乾燥した。得られた容器の一部を燃焼フラスコ内で燃焼後、イオンクロマト法を用いてフッ素イオン濃度、塩素イオン濃度を測定し単位面積当りの結合量を測定した結果、フッ素結合量33μg/cm2、塩素結合量101μg/cm2であった。
【0021】
実施例2
実施例1で用いたEVOH(a)をEVOH(b){エチレン量27モル%、鹸化度99.6%、メルトインデックス1.5g/10分(外挿して求めた値)、190℃、2160g荷重}に変更した以外は実施例1と同様にして3種5層の容器を得た。
【0022】
実施例3
実施例1で用いたEVOH(a)の厚み比1.5%にした以外は実施例1と同様にして3種5層の容器を得た。
【0023】
参考例1
実施例1で用いたEVOH(a)をポリアミド(ナイロン6:東レ製 アラミン CM1046)に変更した以外は実施例1と同様にして3種5層の容器を得た。
【0024】
参考例2
最外層にHDPE、接着性樹脂として変性ポリエチレン、バリアー樹脂としてEVOH(a)を用いて、ブロー成形し、三種三層{HDPE/AD/EVOH(a)}の容器を得た。なお使用したHDPE、AD、EVOH(a)は実施例1と同様であり、実施例1と同様に最外層を表面処理をした。
【0025】
参考例3
参考例2で用いたEVOH(a)をポリアミド(CM1046)に変更した以外は参考例2と同様にして容器を得た。
【0026】
実施例4
HDPE、接着性樹脂として変性ポリエチレン、EVOH(a)にてブロー成形を行い、3種5層(HDPE/AD/EVOH(a)/AD/HDPE;EVOH(a)厚み比2.5%)の容器を得た。ここで用いたHDPE、AD、EVOH(a)は実施例1に同じである。ここで得た容器内部に室温下乾燥窒素ガスを5分間導入し、容器内を窒素ガスで置換したのち、約16容量%のSO3を含有する窒素ガスを、室温で50秒導入し、容器内をSO3含有の窒素ガスで置換した。そして2分間、同雰囲気下に保持した。さらに室温で窒素ガスを6分間導入し、未反応SO3ガスを押し出した。得られた容器の内部表面は、スルホン酸化され、SO3濃度63μg/cm2であった。
【0027】
比較例1
実施例1で用いたHDPEにてブロー成形を行い単層プラスチック容器を得た。
【0028】
比較例2
比較例1で得られた容器を、実施例1と同様の方法にて表面処理した。
【0029】
比較例3
最外層にHDPE、そして変性ポリエチレン、EVOH(a)によりブロー成形を行い、3種5層{HDPE/AD/EVOH(a)/AD/HDPE;EVOH(a)}の容器を得た。なお、HDPE、EVOH(a)、ADは実施例1に同じである。
【0030】
比較例4
比較例3にて、EVOH(a)をポリアミド(ナイロン6、CM−1046)に変更する以外は比較例3と同様にして容器を得た。
【0031】
比較例5
最外層にHDPE、そして変性ポリエチレンEVOH(a)にてブロー成形を行い、3種3層(HDPE/AD/EVOH(a))の容器を得た。なお、HDPE、AD、EVOH(a)は、実施例1に同じである。
【0032】
比較例6
比較例5のEVOH(a)をポリアミド(ナイロン6、CM1046)に変更した以外は比較例6と同様にして容器を得た。
【0033】
比較例7
比較例3のバリアー層EVOH(a)の厚み比を1.5%に変更した以外は比較例3と同様にして容器を得た。
【0034】
比較例8
比較例1で得られた容器を実施例4と同様の方法にて表面処理した。以上実施例1〜4、参考例1〜3、比較例1〜6のプラスッチク容器は、落下試験用(厚み2.5mm、容量500cc)とバリアー試験用(厚み0.5mm、容量500cc)の2種を作成し、以下の試験を行い表1の試験結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
バリアー性試験
アルミ製カップ(直径6cm、深さ2.5cm)にモデルカソリン(注1)を20ml注ぎ込み、上記ボトル底部を切り抜き、完全に漏れないようにカップの口に取り付け、防爆型恒温恒湿槽(40℃、65%RH)中に放置し、重量の経時変化を測定し、3週間後に表1に示す重量減少結果を得た。(各ガソリンn=5にて測定し、平均値を表1に表示。)
【0037】
落下試験
上記プラスチック容器に水を充填し、コンクリート上に落下させ、破損する高さを求めた。(n=20)
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明のハロゲン系化合物または硫黄系化合物により表面処理したポリオレフィン層を有する多層構造体は炭化水素と酸素含有有機化合物との混合物、特にメタノールやMTBE含有ガソリンに対する透過防止性能(バリアー性)に優れ、さらに、耐衝撃性に優れており各種シート、フィルム、管、パイプなど成形材料として用いることができ、とくに、前記のガソリンを燃料とする自動車用の燃料タンク、燃料移送パイプ等の素材として有効に利用することができる。
Claims (3)
- 高密度ポリエチレンを内、外層とし、エチレン含量20〜80モル%、鹸化度80%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、該内外層と該中間層の各層間に接着性樹脂を有し、該内層の表面を、フッ素ガスを含むハロゲン系化合物と不活性ガスの混合物又は硫黄系化合物で処理し、該ハロゲン系化合物の付着量が1〜1000μg/cm2又は硫黄系化合物の付着量が0.001〜50mg/cm2であるガスホール用ブロー成形容器。
- ハロゲン系化合物と不活性ガスの混合物の不活性ガス濃度が40〜90容量%である請求項1記載のガスホール用ブロー成形容器。
- 高密度ポリエチレンを内、外層とし、エチレン含量20〜80モル%、鹸化度80%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、該内外層と該中間層の各層間に接着性樹脂を有するブロー成形容器をオートクレーブに入れ、脱気後、フッ素ガスを含むハロゲン系化合物と不活性ガスの混合物で該容器の内表面を処理することを特徴とする請求項1記載のガスホール用ブロー成形容器の製造方法。
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