JPH06340033A - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JPH06340033A
JPH06340033A JP5129327A JP12932793A JPH06340033A JP H06340033 A JPH06340033 A JP H06340033A JP 5129327 A JP5129327 A JP 5129327A JP 12932793 A JP12932793 A JP 12932793A JP H06340033 A JPH06340033 A JP H06340033A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハロゲン系化合物または硫黄系化合物で処理
されたポリオレフィン層(A)およびエチレン−ビニル
アルコール共重合体またはポリアミドを含む樹脂層
(B)からなる多層構造体。 【効果】 ハロゲン系化合物または硫黄系化合物により
表面処理したポリオレフィン層を有する本発明の多層構
造体は、炭化水素と酸素含有有機化合物との混合物、特
にメタノールやMTBE含有ガソリンに対する透過防止
性能(バリヤー性)に優れ、さらに、耐衝撃性に優れて
おり、各種シート、フィルム、管、パイプなど成形材料
として用いることができ、とくに、前記のガソリンを燃
料とする自動車用の燃料タンク、燃料移送パイプ等の素
材として有効に利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層構造体に関し、詳し
くは含酸素系有機化合物と炭化水素との混合物、例えば
メタノール含有ガソリンに対する透過防止性能(バリア
ー性)に優れた多層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、自動車等車両の燃料タン
クなどのように、その軽量化および成形加工の容易化を
計るべくプラスチック製のものが提案され実用化されつ
つある。プラスチック製燃料タンクは、ポリエチレン製
単層型が普及しているが、比較的高い透過性を有する欠
点がある。これに対し、従来、ポリエチレン製タンクに
スルホン処理や、フロン処理によりバリアー性を向上さ
せる方法や、ポリエチレンにバリアー性を有する物質を
混入させる方法、また、一方では、多層構造体にし、バ
リアー層にナイロンを用い、その両側に接着材層を介し
て高密度ポリエチレン層を設けた3種5層構造が提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年の環境
汚染に対する規制強化の中で、大気汚染防止の観点か
ら、さらには、ガソリンの消費節約、オクタン価改良の
ために米国中心に使用されているメタノール、MTBE
(メチル・ターシャル・ブチル・エーテル)等をブレン
ドしたガソリン(以下ガスホールと略記することがあ
る)やガソリンタンクの使用時に実際上避けることので
きない水分混入に対して、タンク全体からのガソリン透
過量が増大すると言う欠点を有しており、これらの欠点
の改良が望まれている。
【0004】これを改良する手段として、上記ポリエチ
レンとナイロンとの積層体では、ピンチオフ部からの透
過及び、ガスホールに対するバリアー性さらには、衝撃
強度に問題がある。すなわち、衝撃強度を満足するに
は、バリアー層を薄くする必要があり、そのために、多
層構造体全体としてのバリアー性能を大きく低下するこ
ととなる。また、ポリエチレンにナイロンを混合して同
時に溶融押し出しし、ポリエチレン層中にナイロンを不
連続の薄層状に分散する方法では、ガスホールに対する
バリアー性が不足し、ポリエチレン単層にスルホン処理
や、フッ素処理する方法では、ガスホールに対するバリ
アー性の不足や、ガソリン中の水分により透過性が増大
する問題がある。
【0005】しかして、本発明の目的は、ガソリンのみ
ならず、水分混入ガソリンおよびガスホールに対しても
充分な透過防止性能と耐衝撃性を有する多層構造体を得
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ハロゲン系
化合物または硫黄系化合物で処理されたポリオレフィン
層(A)およびエチレン−ビニルアルコール共重合体
(EVOH)またはポリアミドを含む樹脂層(B)から
なる多層構造体を提供することによって達成される。
【0007】本発明によれば、ハロゲン系化合物または
硫黄系化合物で表面処理したポリオレフィン層をEVO
Hまたはポリアミドを含む層に積層することにより、多
層構造体と表面処理の相乗効果が生じ、各単独の層のバ
リアー性よりも優れたバリアー性を得ることができ、な
おかつ、多層構造の欠点であるピンチオフ部からの透過
を防止し、かつバリアー性の相乗効果により、衝撃強度
が低い原因とされる多層構造体のバリアー層を薄くする
ことが可能となり、タンク全体としてのバリアー性及び
耐衝撃性を向上させることができる。
【0008】本発明で用いられるポリオレフィンとして
は、各種のものが使用でき、例えばエチレン,プロピレ
ン,ブチレンなど炭素数2〜8のオレフィンの1種また
は2種以上の重合体またはこれらのオレフィンと他のコ
モノマーとの共重合等を包含する。ここで、他のコモノ
マーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチルエステ
ル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸、アクリル
酸塩などがあげられる。特にポリエチレンあるいはエチ
レンを含有する共重合体が好適であり、具体的には、
高、中及び低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
【0009】本発明において、EVOHとはエチレン−
ビニルエステル共重合体鹸化物であり、エチレン含量は
20〜80モル%が好ましく、さらに好適には22〜7
0モル%であり、またビニルエステル成分の鹸化度は8
0%以上が好ましく、さらに好適には85%以上であ
る。エチレン含量が20モル%未満では溶融成形性が悪
く、ガスバリヤー性及び熱安定性が悪くなる。本発明に
おいてEVOHは、エチレン含量および/または鹸化度
の異なる1種あるいはそれ以上のEVOHをブレンドし
て用いる事がより好適な場合がある。ビニルエステルと
しては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげられるが、
その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOH
に共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜
0.2モル%を含有する場合にも基材とそのEVOHと
の溶融粘性の整合性が改善され、均質な共押し出し多層
フィルムの製造が可能なだけでなく、EVOH同士のブ
レンドに際し分散性が改善され成形性などの改善の面で
有効である。ここで、ビニルシラン系化合物としては、
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙
げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシランが好適に用いられる。さらに、本
発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体[例え
ば、プロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はその
エステル{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エ
ステルメチル、エチル)など}、ビニルピロリドン(N
−ビニルピロリドンなど)を使用することもできる。ま
た、本発明に用いるEVOHの好適なメルトインデック
ス(MI)(190℃,2160g荷重下で測定した
値;融点が190℃付近あるいは190℃を越えるもの
は2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、
片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデッ
クスを縦軸としてプロットし、190℃に外挿した値)
は、0.1〜50g/10min.、最適には0.5〜
20g/10min.である。
【0010】また、EVOHに他の添加剤(可塑剤、熱
安定剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤、フィラ
ー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲
で使用することは、自由である。特にゲル発生防止対策
として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェ
ノール系,ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪酸カ
ルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシュウ
ム、ステアリン酸マグネシュウムなど)の一種、または
二種以上を0.01〜1重量%添加することは好適であ
る。
【0011】本発明において、ポリアミドとは、ナイロ
ン6,ナイロン66,ナイロン10,ナイロン11,ナ
イロン12、さらにはブロー成形可能なグレードとし
て、耐衝撃性の高い変性ポリアミド、たとえば、ポリオ
レフィン系エラストマー変性ポリアミド、アイオノマー
変性ポリアミド、共重合ポリアミド、接着性ポリアミド
等が挙げられ、さらには、非晶性ポリアミド、芳香族ポ
リアミド(メタキシリレンジアミンとアジピン酸との混
合物など)も使用可能である。
【0012】ポリアミドの樹脂には、可塑剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他
の樹脂をブレンドすることも自由である。前記EVOH
とポリアミドはそれぞれ単独で用いても良いし、また、
ブレンドして用いても良い。また、EVOH層、ポリア
ミド層として併用することも可能である。
【0013】本発明において、ポリオレフィン層の表面
をハロゲン系化合物または硫黄系化合物で処理する方法
としては、ガス状のハロゲン系化合物または硫黄系化合
物、または該ガス状物を溶解した溶液で処理する方法が
代表例としてあげられる。ハロゲン系化合物としてはフ
ッ素ガス、臭素ガス、塩素ガスなどがあげられるが、フ
ッ素ガスが最適である。例えば、フッ素系化合物の処理
方法としては、フッ素ガスをポリオレフィン層に直接接
触させ反応させる方法も可能であるが、反応が急激過
ぎ、時として試料の燃焼を引き起こす場合があるため、
窒素、ヘリュウム、アルゴン等の不活性ガスで希釈、例
えば不活性ガス濃度40〜90容量%で希釈して用いた
り、さらには酸素ガス、空気で希釈して用いる方法が好
適である。。また、反応性を促進するため、含酸素系化
合物、例えばCO2、COF2、CF3、COF、トリオ
キサン、金属フッ化物、水、Fe23、NiO、Ca
O、MgOを併用することもできる。これらの含酸素系
化合物のうちフッ素を含む化合物は単独で使用すること
も可能であるが、フッ素ガス、臭素ガス、塩素ガスなど
と併用するのが好ましい。処理温度、圧力、時間に関し
ては特に制限は無いが、温度は、−20℃〜樹脂の融点
付近、好ましくは、−10℃〜120℃、圧力は0.1
〜20atm.、好ましくは0.5〜5atm.であ
り、反応接触時間はフッ素ガス濃度、温度、圧力に依存
するが、0.1秒〜数時間の範囲が好ましい。反応の形
式としては、特に制限無く、回分式の他に、ブロー成形
時、インフレ成形時吹込みガスとして用いるなど連続式
での処理がある。また前記ガス状のハロゲン系化合物を
フッ化メチル、塩化メチルなどの溶媒に溶解して、使用
することもできる。フッ素などのハロゲンのポリオレフ
ィン層表面への付着量は1〜1000μg/cm2が好
ましく、1〜500μg/cm2がより好適である。
【0014】一方、硫黄系化合物を化学的に反応処理す
る方法としては、ガス状の硫黄系化合物、好適には三酸
化イオウ(SO3)を、約0.1〜20容積%含む乾燥
不活性ガス、例えばN2、CO2、SO2又は空気などで
処理するか、あるいはフッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス
などのハロゲン化化合物を含む乾燥不活性ガスで処理す
るか、さらには、SO3などの硫黄系化合物を塩化メチ
レン、四塩化炭素のような液状多塩素化脂肪族炭化水素
溶液などで処理した後、ガス状アンモニア又はメチルア
ミンの様な気相中和剤或いは、アルカリ金属又は、アル
カリ土類金属の水酸化物又は対応する弱酸の塩溶液など
により中和し、乾燥洗浄する方法、また、該方法で中和
した後、さらにBaCl2、Ba(OH)2・8H2Oの
ごときアルカリ土類金属化合物を含む溶液にて該表面を
処理することが好ましく、処理温度は−20℃〜120
℃、好適には室温〜100℃であり、また、処理時間
は、1秒〜数10分、好適には1〜10分であり、単位
面積当りSO3などの硫黄系化合物のポリオレフィン層
表面への付着量は通常0.001〜50mg/cm2
好適には0.06〜10mg/cm2である。硫黄系化
合物としては前記した三酸化イオウ(SO3)が代表例
なものとしてあげられる。さらに、ポリオレフィンの表
面処理の方法として、プラズマ処理が挙げられる。プラ
ズマ処理方法は一般的に1mmHg以下の高真空下、フ
ッ素、塩素、硫黄系化合物を高電圧の下でプラズマ化
し、ポリオレフィン表面と反応させる手法であり、濃度
制御の面で最も有効である。
【0015】次に本発明の多層構造体について説明す
る。多層構造体を得る際に使用される接着性樹脂として
は、特に限定されるものではないが、ポリウレタン系、
ポリエステル系一液型あるいは二液型硬化性接着剤、不
飽和カルボン酸又はその無水物(無水マレイン酸など)
をオレフィン系重合体または共重合体[ポリエチレン
{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SL
DPE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、また
はエチルエステル)共重合体]にグラフトしたものが、
好適に用いられる。
【0016】多層構造体を得る方法としては、ポリオレ
フィンとEVOHおよび/またはポリアミドとを必要に
応じ接着性樹脂を介してハロゲン系化合物または硫黄系
化合物で処理されたポリオレフィン面が表面、とくに燃
料と接触する表面に位置するように成形する方法、たと
えば共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共押出
成形法、共押出ブロー成形法などがあげられる。多層構
造体の厚み構成に関しても、特に限定されるものではな
いが、成形性およびコスト等を考慮した場合、全厚みに
対するEVOHおよび/またはポリアミド層の厚み比率
は1〜20%程度が好適である。ハロゲン系化合物また
は硫黄系化合物による処理は、多層構造体にしたあとに
行なってもよいし、積層する前のポリオレフィン層に行
なってもよい。
【0017】多層構造体の構成としては、ポリオレフィ
ン/EVOH、ポリオレフィン/ポリアミド、ポリオレ
フィン/接着性樹脂(以下「AD」と略す)/EVO
H、ポリオレフィン/AD/ポリアミド、ポリオレフィ
ン/AD/EVOH/AD/ポリオレフィン、ポリオレ
フィン/AD/ポリアミド/AD/ポリオレフィン、ポ
リオレフィン/回収層/AD/EVOH、ポリオレフィ
ン/回収層/AD/ポリアミド、ポリオレフィン/回収
層/AD/EVOH/AD/ポリオレフィン、ポリオレ
フィン/回収層/AD/ポリアミド/AD/ポリオレフ
ィン等が代表的なものとしてあげられる。また成形時発
生するトリムなどのスクラップを熱可塑性樹脂層にブレ
ンドしたり、別途回収層を設けて再使用される場合も多
い。
【0018】このようにして得られた多層構造体は自動
車用燃料、たとえばメタノール含有ガソリン用のタン
ク、パイプ素材として有効であるが、使用するにあたっ
ては、ハロゲン系化合物、または、硫黄系化合物で処理
されたポリオレフィン層が燃料と直接接するようにする
のが好適である。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により更に
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定
されるものではない。
【0020】実施例1 最外層に高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略
す)(三井石油化学製ハイゼックス HZ8200
B)、接着性樹脂として変性ポリエチレン(以下「A
D」と略す)(三井石油化学製 アドマー GT−
3)、バリアー樹脂としてEVOH(a){エチレン量
32モル%、鹸化度99.6%、メルトインデックス
1.6g/10分、(190℃、2160g荷重)}を
用いてブロー成形により3種5層{HDPE(1169
μ)/AD(50μ)/EVOH(a)(63μ)/A
D(50μ)/HDPE(1169μ)}の容器を得
た。この容器をオートクレーブに入れ、1mmHg脱気
後、窒素ガスを用いて5回置換を行い60℃に昇温し
た。その後、フッ素ガス5容量%、塩素ガス50容量
%、窒素ガス45容量%で予め混合しておいたガスを6
分間導入し、容器の内表面処理を行った。処理後、5%
炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄、乾燥した。得ら
れた容器の一部を燃焼フラスコ内で燃焼後、イオンクロ
マト法を用いてフッ素イオン濃度、塩素イオン濃度を測
定し単位面積当りの結合量を測定した結果、フッ素結合
量33μg/cm2、塩素結合量101μg/cm2であ
った。
【0021】実施例2 実施例1で用いたEVOH(a)をEVOH(b){エ
チレン量27モル%、鹸化度99.6%、メルトインデ
ックス1.5g/10分(外挿して求めた値)、190
℃、2160g荷重}に変更した以外は実施例1と同様
にして3種5層の容器を得た。
【0022】実施例3 実施例1で用いたEVOH(a)の厚み比1.5%にし
た以外は実施例1と同様にして3種5層の容器を得た。
【0023】実施例4 実施例1で用いたEVOH(a)をポリアミド(ナイロ
ン6:東レ製 アラミン CM1046)に変更した以
外は実施例1と同様にして3種5層の容器を得た。
【0024】実施例5 最外層にHDPE、接着性樹脂として変性ポリエチレ
ン、バリアー樹脂としてEVOH(a)を用いて、ブロ
ー成形し、三種三層{HDPE/AD/EVOH
(a)}の容器を得た。なお使用したHDPE、AD、
EVOH(a)は実施例1と同様であり、実施例1と同
様に最外層を表面処理をした。
【0025】実施例6 実施例5で用いたEVOH(a)をポリアミド(CM1
046)に変更した以外は実施例5と同様にして容器を
得た。
【0026】実施例7 HDPE、接着性樹脂として変性ポリエチレン、EVO
H(a)にてブロー成形を行い、3種5層(HDPE/
AD/EVOH(a)/AD/HDPE;EVOH
(a)厚み比2.5%)の容器を得た。ここで用いたH
DPE、AD、EVOH(a)は実施例1に同じであ
る。ここで得た容器内部に室温下乾燥窒素ガスを5分間
導入し、容器内を窒素ガスで置換したのち、約16容量
%のSO3を含有する窒素ガスを、室温で50秒導入
し、容器内をSO3含有の窒素ガスで置換した。そして
2分間、同雰囲気下に保持した。さらに室温で窒素ガス
を6分間導入し、未反応SO3ガスを押し出した。得ら
れた容器の内部表面は、スルホン酸化され、SO3濃度
63μg/cm2であった。
【0027】比較例1 実施例1で用いたHDPEにてブロー成形を行い単層プ
ラスチック容器を得た。
【0028】比較例2 比較例1で得られた容器を、実施例1と同様の方法にて
表面処理した。
【0029】比較例3 最外層にHDPE、そして変性ポリエチレン、EVOH
(a)によりブロー成形を行い、3種5層{HDPE/
AD/EVOH(a)/AD/HDPE;EVOH
(a)}の容器を得た。なお、HDPE、EVOH
(a)、ADは実施例1に同じである。
【0030】比較例4 比較例3にて、EVOH(a)をポリアミド(ナイロン
6、CM−1046)に変更する以外は比較例3と同様
にして容器を得た。
【0031】比較例5 最外層にHDPE、そして変性ポリエチレンEVOH
(a)にてブロー成形を行い、3種3層(HDPE/A
D/EVOH(a))の容器を得た。なお、HDPE、
AD、EVOH(a)は、実施例1に同じである。
【0032】比較例6 比較例5のEVOH(a)をポリアミド(ナイロン6、
CM1046)に変更した以外は比較例6と同様にして
容器を得た。
【0033】比較例7 比較例3のバリアー層EVOH(a)の厚み比を1.5
%に変更した以外は比較例3と同様にして容器を得た。
【0034】比較例8 比較例1で得られた容器を実施例7と同様の方法にて表
面処理した。以上実施例1〜6、比較例1〜6のプラス
ッチク容器は、落下試験用(厚み2.5mm、容量50
0cc)とバリアー試験用(厚み0.5mm、容量50
0cc)の2種を作成し、以下の試験を行い表1の試験
結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】バリアー性試験 アルミ製カップ(直径6cm、深さ2.5cm)にモデ
ルカソリン(注1)を20ml注ぎ込み、上記ボトル底
部を切り抜き、完全に漏れないようにカップの口に取り
付け、防爆型恒温恒湿槽(40℃、65%RH)中に放
置し、重量の経時変化を測定し、3週間後に表1に示す
重量減少結果を得た。(各ガソリンn=5にて測定し、
平均値を表1に表示。) 注1 モデルカソリン1:トルエン/イソオクタン=5
0/50(容量%) モデルカソリン2:トルエン/イソオクタン/メタノー
ル=42.5/42.5/15(容量%) モデルカソリン3:トルエン/イソオクタン/MTBE
=42.5/42.5/15(容量%) (MTBE:メチルターシャリーブチルエーテル)
【0037】落下試験 上記プラスチック容器に水を充填し、コンクリート上に
落下させ、破損する高さを求めた。(n=20)
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明のハロゲン系化合
物または硫黄系化合物により表面処理したポリオレフィ
ン層を有する多層構造体は炭化水素と酸素含有有機化合
物との混合物、特にメタノールやMTBE含有ガソリン
に対する透過防止性能(バリアー性)に優れ、さらに、
耐衝撃性に優れており各種シート、フィルム、管、パイ
プなど成形材料として用いることができ、とくに、前記
のガソリンを燃料とする自動車用の燃料タンク、燃料移
送パイプ等の素材として有効に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/34 7016−4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン系化合物または硫黄系化合物で
    処理されたポリオレフィン層(A)およびエチレン−ビ
    ニルアルコール共重合体またはポリアミドを含む樹脂層
    (B)からなる多層構造体。
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