JPH02261847A - 組成物および多層構造体 - Google Patents

組成物および多層構造体

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JPH02261847A
JPH02261847A JP8210989A JP8210989A JPH02261847A JP H02261847 A JPH02261847 A JP H02261847A JP 8210989 A JP8210989 A JP 8210989A JP 8210989 A JP8210989 A JP 8210989A JP H02261847 A JPH02261847 A JP H02261847A
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太一 祢宜
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 A、産 の1 本発明は、加熱延伸、特に加熱高速延伸操作時ピンホー
ル、クラック、局所的偏肉などがなく、しかもガスバリ
アー性に優れた、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(以下EVOHと記す)組成物、およびそれを用いた多
層構造体、とくに加熱延伸、さらには加熱高速延伸多層
構造体に関する。
B、従来の技術 EVOHは、今日、食品等の包装用フィルム、特に酸素
、臭気、フレイバー等に対するバリアー性が必要な食品
、保香性を必要とする他の製品などに対する使用を目的
とする分野において、有効性が認められている。そして
、EVOHはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の
熱可塑性樹脂層と、アイオノマー エヂレンー酢酸ビニ
ル共重合体などで代表される各種接着性樹脂層とを積層
してなる多層構造体の形で用いられる。
ところで、各種方法で製造した多層構造体(フィルム、
シート、パリソンなど)を容器などに二次加工する場合
、特にEVOHの融点以下で延伸成形を行う場合、EV
OH層に小さなボイド、クラック、局所的偏肉などが多
発し、その結果、成形容器の酸素バリアー性が大巾に悪
化する。また、外見上も不良となり、食品等の容器とし
て使用に耐えない状況にあった。
そこで従来から、加熱延伸時に発生するEVOH層のピ
ンホール、クラックなどを防止する目的で、EVOH層
に各種可塑剤の添加(特開昭5388067、特開昭5
9−20345) 、ポリアミド系樹脂のブレンド(特
開昭52−141785、特開昭58−36412)等
が検討されてはいるが、いずれの場合も、下記の点で十
分満足すべきものではない事が判明した。
すなわち、各種可塑剤の添加系においては、加熱延伸特
性を充分改善する為には、可塑剤をEVOH100重量
部に対して、10〜20重量部添加する必要があり、ガ
スバリアー性の大巾な低下、EVOH層との層間接着強
度の低下などの多くの問題があり使用に耐えない。
一方、ポリアミド系樹脂の添加系においては、EVOH
との化学反応性か大きい為か、成形物に多数のゲル状物
の存在、顕著な着色などの為、使用に耐えない。また、
ゲル着色が比較的少ないポリアミド系樹脂の添加系にお
いては、EvoHとポリアミドとの相溶性が十分でない
為か、見掛は上、良好な容器が得られるが、特に、加熱
高速延伸酸・形時微少なピンホールが存在するためか、
ガスバリアー性の測定値のバラツキが大きく、ガスバリ
アー性容器としての信頼性がなく、使用に耐えない。
また、特開昭81−4752に述べられている様に、異
種のエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶液状態で混合し
けん化したEVOH組成物は一見、外観上長・好な容器
が得られる様に見受けられる。けれども、比較的低い温
度(110〜140℃)で加熱高速延伸成形した時、微
少なピンホールが存在するためか、ガスバリアー性の測
定値のバラツキが大きく、ガスバリアー性容器としての
信頼性がない。
さらに悪い事には、ガスバリアー性の高い組成物を得る
ためには、エチレン含有率の高いエチレン−酢酸ビニル
共重合体の含有率を上記特許の範囲外である30重量%
以下に押える必要があり、この場合、ガスバリアー性の
測定値のバラツキがさらに大きくなり、ガスバリアー性
容器として使用に耐えない。
一方、特開昭60−173038に述べられている様に
、異種のエチレン−ビニルアルコール共重合体を含み、
かつ差動走査熱量計による吸熱ピークが独立せず所定の
面積比率を有する組成物を用いた場合も、外観上良好な
容器が得られる様に見受けられる。けれども、比較的低
い温度(110〜140℃)で加熱高速延伸成形した時
、微少なピンホールが存在するためか、ガスバリアー性
の測定値のバラツキが大きく、ガスバリアー性容器とし
ての信頼性がない。とくに、実施例に示される様に、二
種類のEVOHを溶融混合した組成物を用いた場合、ガ
スバリアー性の測定値のバラツキがさらに大きくガスバ
リアー性容器としての信頼性がない。
それゆえ、高ガスバリアー性、及びガスバリアー性容器
としての信頼性(バラツキ)が良好である、すなわち加
熱高速延伸成形時、EVOHFIに微少なピンホール、
クラック、偏肉などが生じない、EVOHの開発が重要
な課題の一つである。
C8が ゛ しよ“と る 本発明は、EVOHの優れたガスバリアー性をそこなう
ことなく、かつEVOH多層構造体を容器などに二次加
工する場合に生じるEVOH層のクラック、ピンホール
、局所的偏肉などの発生を防止し、高ガスバリアー性、
及び信頼性の高いガスバリアー性を有するEVOH組成
物、およびそれを用いた多層構造体を提供するものであ
る。
D、 題を ′ るための 前記課題は、エチレン含有量の異なる二種類以上のEV
OHからなり、エチレンの平均含有量20〜60モル%
、かつDSC測定において、2つ以上の吸熱ピークを持
ち、さらに下記式(1)−(IV)を満足するEVOH
組成物を使用することにより、さらにはエチレン含有量
の異なる二種類以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体を
含有する組成物をけん化したEVOH組成物を用いるこ
とによって達成される。
0.29≧Wl/ (W1+ 1’2)≧0.01  
   (1)(apl −MP1) / (ip2− 
MP2)≧3   (■)0.25≧Sl/ (S1+
 Sl)≧0.03     (III ’)1≧MP
+(2)/MP+(0)≧0.1          
 (■)但し、買1、W2とは、最大のエチレン含有量
のエチレン−酢酸ビニル共重合体の重量(H)、および
最小のエチレン含有量のエチレン−酢酸ビニルアルコー
ル共重合体の重1i(H)である。
MPI、MP2とは、EVOH組成物をDSC測定(ス
キャニング昇温速度10℃/min、)した場合の、独
立した最大の吸熱ピーク温度(MP2)、および独立し
た最小の吸熱ピーク温度(MP1)である。
mp1、mp2とは、EVOH組成物を、再けん化して
得られた樹脂をDSC測定した場合の、最大の吸熱ピー
ク温度(mp2)、および最小の吸熱ピーク温度(mp
l)である。なおここで再けん化度とは、酢酸ビニル成
分のほぼ100%かけん化された状態をいう。
S1、Slとは、EVOH組成物をDSC測定した場合
の、ピーク温度MPIに相当する面積(S1)、および
MP2に相当するピーク面積(Sl)である。
MPI(0)、MP + (2)とは、EVOH組成物
を、窒素の存在下、220℃で加熱した時の、0時間目
の溶融粘性(MPI((1)) 、および2時間目の溶
融!古注{MFI’(2))である。ここで、溶融粘性
とは、230”C−10,9Kg荷重下で測定した値で
ある。
なお、加熱などにより、吸熱ピークの位置が大きく移動
したり、あるいは消失するようなピークは、上記MPI
%MP2、ap1、ll1p2には相当しない。
本発明者らは、種々の可塑剤、ポリマー等をEVOHに
ブレンドし、接着性樹脂、熱可塑性樹脂を配してなる各
種多層シートを作製し、再加熱、延伸操作によって、カ
ップ、ボトルを得、該容器の外観及びガスバリアー性の
測定を行った。その結果、前述した様に、エチレン含有
量の異なる二種類以上のEVOHを溶融ブレンドした組
成物を用いた多層シートを加熱高速延伸した場合、EV
OH層のクラック、ピンホール、局所的偏肉などの発生
の無い良好な成形物が得られる事がわかった。しかしな
がら、EVOH組成物中にエチレン含有量が高いほうの
E V OHの含有量が多いほど、またエチレン含有量
が高いほど、良好な成形物を得られるが、成形時ゲルが
発生したり、容器のガスバリアー性は悪化し、使用上必
ずしも十分ではなかった。また、エチレン含有量の異な
る二種類以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体を混合し
、けん化したEVOH組成物を用いた多層シートを加熱
高速延伸した場合、EVOH層に微少なりラック、ピン
ホールが発生する為か、ガスバリアー性の測定値にバラ
ツキが認められる場合があった。
特に、加熱高速延伸温度が低い場合、ガスバリアー性の
信頼性に問題があった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、下記式(1
)−(TV)を満足するEVOH組成物を用いた場合、
成形性が良好なだけでなく、ガスバリアー性の悪化もほ
とんどなく、さらに、ガスバリアー測定値のバラツキが
少なく信頼性の高い高ガスバリアー性容器が得られる事
を見出した。さらに鋭意検討した結果、驚くべき事に、
エチレン含有量の異なる二種類以上のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体混合組成物をけん化したEVOH組成物は
、さらに上記性能の改善が認められる事を見出し本発明
を完成するにいたった。
本発明において、EVOH組成物とは、エチレン−酢酸
ビニル共重合体けん化物であり、エチレンの平均含有1
20〜60モル%、好適には25〜55モル%、酢酸ビ
ニル成分の平均ケン化度が85%以上、好適には90%
以上のものが使用できる。エチレン含有fi20モル%
未満では溶融成形性が悪く、一方60モル%以上では、
ガスバリアー性が不足する。
また、けん化度が85%未満では、ガスバリアー性およ
び熱安定性が悪くなる。
本発明において、最も重要な要件は該EVOH組成物を
DSC測定(スキャニング昇温速度10℃/min、L
、た場合、独立した2つ以上の吸熱ピークを持ち、かつ
上記式(1)−(IV)を満足することである。
(1)式において、H/ (Wl+V2)が0.01未
満の場合、熱成形性の改善効果が僅かであり、クラック
、ムラが生じ易い。一方、0.29を越える場合、ガス
バリアー性の悪化、およびガスバリアー性の信頼性が低
く使用に耐えない。
(I1)式において、(mpl−MP1) / (mp
2−MP2)が3未満の場合、および(II1)式にお
いて、Sl/(Sl+ 32)が0.03未満の場合、
上記と同様、熱成形性の改善効果が僅かであり、クラッ
ク、ムラが生じ易く、そのためか、ガスバリアー性、特
にガスバリアー性の信頼性が低く使用に耐えない。
方、Sl/ (Sl+ 32)が0.25をこえる場合
、熱成形性の改善効果が大きいが、−ガスバリアー性が
低く使用に耐えない。さらに、(IV)式において、〜
IF+(2)/ hlF+(0)が0.1未満の場合、
あるいは1をこえる場合ゲル発生のためか、ガスバリア
ー性が悪く、またガスバリアー性の信頼性も低く使用に
耐えない。より好適には、下記式を満足することである
0.28≧11/ (W1+12)  ≧0.05  
       (、r ’)10≧ (mpl −MP
1) / (mp2− MP2)  ≧3.5   (
[’)02≧SL/ (S1+S2)  ≧0.05 
         (III’)0.9≧MP+(2)
/MP+(0)≧・0.2       (IV’)上
記C1)〜(■)式を満足するBVOH組成物を得るに
は、たとえば次のような方法が採用される。
すなわち、M P 1とmplとを特性として有するE
VOH(1)とMP2とmp2とを特性として有するE
 ’V OI−((2)とを別々に作製し、溶融状聾あ
るいは溶液状態でブレンドする方法がまずあげられる。
しかしながら、この方法で得られたBVOH組成物は、
熱成形性およびガスバリアー性の改善効果があるが、必
ずしも十分ではない場合がある。そこで、本発明者らは
、さらに鋭意検討した結果、驚くべき事に、エチレン含
有量の事なる2種類以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
体組成物を該条件(式(1)〜(TV))i足する様に
けん化して得られたEVOH組成物は、熱成形性、高ガ
スバリアー性および信頼性の高いガスバリアー性容器が
得られる事を見出した。このことは、以下に示す実施例
からも明らかである。
ところで、エチレン含有lの異なる2種類以上のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体組成物を得る方法としては、エ
チレン含有量の異なる2種類以上のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を溶液あるいは溶融下にブレンドして得る方
法、あるいは直列または並列に配置した二槽式の重合槽
をもちい、それぞれの重合槽で異なった重合条件、たと
えば重合温度、重合圧力、重合触媒、重合時間などを、
それぞれ異なった条件に設定するこ七により、たとえば
エチレン含有量のより高いエチレン−酢酸ビニル共重合
体を得る場合には、重合圧力をより高<シ、またエチレ
ン含有量より低いエチレン−酢酸ビニル共重合体を得る
場合には、重合圧力をより低く設定する事により、該エ
チレンー酢酸ビニル共重合体組成物を得る方法などがあ
る。またはエチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン含
有量の異なるエチレン−ビニルアルコール共重合体を溶
液あるいは溶融下にブレンドする方法などがある。なか
でも、前者の重合条件の変更による方法が最も好適であ
る。ここで、エチレン含有量の差とは、最大のエチレン
含有量から最小のエチレン含有量を差引いた値である。
次に、該エチレンー酢酸ビニル共重合体組成物をけん化
する方法としては、該エチレンー酢酸ビニル共重合体組
成物を水、アルコール、他の有機溶剤に溶解あるいは分
散させ、酸あるいはアルカリ系の触媒でけん化する方法
などが上げられる。
けん化に際しては前記した式(1)〜(■)を満足する
条件、特に式(n)および(IV)を満足する様に設定
することが最も重要である。その為に(才、まず第一に
エチレン含有量の差が可能な限り大きいエチレン−酢酸
ビニル共重合体組成物を用いる事である。そして、第二
に重要なことは、けん化条件の設定である。通常、ガス
バリアー性を向上させる為には、例えば出来るだけ触媒
濃度を上げる事により、高けん化EV○Hを得る方法が
採用されるが、このような条件では、当然式(It)を
満足するEVOHはえられない。一方、触媒濃度を下げ
ることにより、けん化度を下げると、式(n)を満足す
るEVOHが得られる場合もあるが、式(IV)が満足
しなかったり、ガスバリアー性が悪化したりする。すな
わち、けん化条件の設定は重要な要件であり、溶剤組成
、溶KjL濃度、けん化温度、けん化圧力、触媒濃度、
触媒の種類、反応副生物の除去速度などが重要な因子で
ある。特に溶剤組成、触媒濃度、反応副生物の除去速度
が重要である。
従って、本発明では、たとえば、溶剤組成としては、含
水メタノール−酢酸メチル混合溶剤を、けん化温度とし
ては90〜120℃を採用し、さらに反応副生物の除去
のために、メタノール−酢酸メチル混合蒸気をEVOH
組成物あたり2〜10重量倍吹込むなどの特定の条件を
設定することによって、(1)〜(1’V)式、とくニ
(If)式を満足するEVOH組成物を得ることができ
る。
また、該EVOH組成物は本発明の目的が阻害されない
範囲で、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブヂレン
、不飽和カルボン酸又はそのエステル((メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチル)
など)、ビニルシラン化合物(ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシランなど)、ビニルピロリド
ン(Nビニルピロリドンなど)を使用することも出来る
し、さらに可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、着色剤、フィラー、他の樹脂(ポリアミド、部分け
ん化エチレンー酢酸ビニル共重合体など)をブレンドす
ることも自由である。また、本発明に用いるEVOHの
好適なメルトインデックス(M1)(190℃、216
0g荷重下)は0.1〜50g/10m1n、、最適に
は0.5〜20g/ lomin、である。
本発明のEVOH組成物は、多層構造体、とくに加熱延
伸多層構造体に好適に使用される。本発明のEVOH組
成物からなる層の少なくとも片面に積層される熱可塑性
樹脂としては、下記の温度で延伸成形可能な樹脂であれ
ば良く、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポ
リエステル系樹脂などが好適である。
X−10℃≧Y≧X−110℃ 但し、XはEVOHの融点を、またYは加熱延伸温度℃
を示す。
Yが(X−10)℃より高い場合は、加熱延伸成形時E
VOHが軟化、融解する為添加剤を加え無くても成形が
可能である。一方、Yが(X −110)’Cより低い
場合、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が室温以
下となる為、成形物の形状、寸法安定性が悪く使用に耐
えない。
本発明においてEVOH組成物と該熱可塑性樹脂とを多
層化するために、使用される接着性樹脂としては、EV
OH組成物層と該熱可塑性樹脂層とを強固に接着するも
のであれば、特に限定されるものではないが、不飽和カ
ルボン酸又はその無水物(無水マレイン酸など)をオレ
フィン系重合体または共重合体[ポリエチレン(低密度
ポリエチレン(LDPE) 、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE) 、超低密度ポリエチレン(SLDP
E) )、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、または
エチルエステル)共重合体コにグラフトしたものが、好
適にもちいられる。
本発明のEVOH組成物は、周知の溶融成形法、圧縮成
形法によりフィルム、シート、ボトル、などの任意の成
形品に成型する事が出来るが、前述したとおり、該成形
物を多層構造体の一層として使用するとき、顕著な特徴
が発揮されるので、以下この点について説明を加える。
まず、多層構造体を得る方法としては、該EV0H組成
物と熱可塑性樹脂とをしばしば接着性樹脂を介して押出
ラミネート法、ドライラミネート法、゛共押出ラミネー
ト法、共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共射
出成形法、溶液コート法などにより積層体を得、次いで
該積層体を真空圧空深絞り成形、二軸延伸ブロー成形な
どにより、EVOHの融点以下の範囲で再加熱し延伸操
作を行う方法、あるいは、該積層体(フィルム又はシー
ト)を二軸延伸機に供し、加熱延伸する方法、さらには
EVOH組成物と熱可塑性樹脂とを共射出二軸延伸ブロ
ーする方法などがあげられる。
さらに、多層構造体の厚み構成に関しても、特に限定さ
れるものではないが、成形性およびコスト等を考慮した
場合、全厚みに対するE V OH層の厚み比率は2〜
20%程度が好適である。また、多層構造体の構成とし
ては、E V OH組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性
樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成
物/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層が代表的なものとし
てあげられる。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は
、該樹脂が異なっていてもよいし、また同じものでもよ
い。
本発明において、加熱延伸多層構造体とは前記したとお
り、加熱延伸する事により得られるカップ、ボトルなど
の容器あるいはシート、フィルム状物であり、また加熱
とは該多層構造体を加熱延伸に必要な温度に所定の時間
放置し、該多層構造体が熱的にほぼ均一になる様な操作
を意味し、操業性を考慮して、種々のヒーターで加熱、
均一化する方法が好ましい。
加熱操作は、延伸と同時におこなってもよいし、また延
伸前に行っても良い。また、延伸操作とは、熱的に均一
に加熱された多層構造体をチャック、プラグ、真空力、
圧空力などにより容器、カップ、ボトル、フィルム状に
均一に成形する操作を意味し、−軸延伸、二軸延伸(同
時または逐次)のいずれでも採用できる。また、延伸倍
率、延伸速度主目的に応じて適宜選択できるが、本発明
において高速延伸とは、延伸速度が5X 10’%/m
in、以上の高速で均一に延伸する方法を意味し、必ず
しも成形品が配向している必要はない。
また、本発明において、EVOHの含水率については、
特に限定するものではないが0.001〜10重量%以
内である事が好適である。一般的には、溶融押出成形時
にはEVOHの倉荷率は0,0(11〜1重量%と低い
方がよく、一方、熱成形時にはEVOH層が発泡しない
範囲内で0.1〜10重1%と高目がのぞましい。
このようにして得られた本発明の加熱延伸多層構造体は
、EVOH組成物層にピンホール、クラック、偏肉がみ
られないので、ガスバリアー性がきわめて良く、バラツ
キのほとんどない非常に良好な食品包装用容器、あるい
は保香性を要求される容器などに有効に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これに
よりなんら限定されるものではない。
U九 実施例1 エチレン含有量31モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(以降EVAcと記す)16重量部、及びエチレン
含有量48モル%のEVAc  4重量部を、メタノー
ル76重量部と酢酸メチル4重量部を混合した溶剤に溶
解し、75℃沸騰下、NaOH−メタノール溶液(酢酸
ビニル成分に対するモル比で0.20)を滴下しつつ、
副生物をメタノール−酢酸メチル混合(9615重量比
)蒸気で追出した(EVO)(/混合蒸気=l/4重量
比)。得られたEVOHのエチレンの平均含有量は34
モル%、けん化度は99.0%、メルトインデックス(
MP90℃、2160g荷重) 2.8g/ 1oni
n、であり、DSC測定の結果、MPI (最小吸熱ピ
ーク温度)は145℃、MP2 (最大吸熱ピーク温度
)は180℃であり、MP2− MPIは35℃であっ
た。またSL ([1でのピーク面積=熱りは3mJ/
 g、 32 (MP2でのピーク面積=熱量)は12
mJ7gであり、Sl/ (S1+32) =0.20
であった。さらに、該EVOHをメタノール60重量部
、水40重量部を混合した溶剤に溶解し75℃沸騰下、
NaOH−メタノール溶液を加え6時間再けん化を行っ
た(けん化999%)。該再けん化EVOHのDSC測
定の結果、mpl (最小吸熱ピーク温度)は158℃
、ll1p2(最大吸熱ピーク温度)は183℃であり
、(mpl −MP1) / (mp2− MP2) 
= 4.3であった。該EVOH組成物(再けん化部)
を用いて3種5層共押出装置にかけ、多層シートを作成
した。シートの構成は両最外層ポリスチレン樹脂層(出
光石油化学出光スチロールE T −61)が800μ
また接着性樹脂層(東洋ソーグメルセンM −5420
)が各50μ、さらに最内層(中央)には上記E V 
OH組成物層50μである。得られたシートを真空圧空
熟成形機にかけ(延伸速度9XLO’%/min、)、
140℃で成形をおこなった。
得られた成形物はクラック、ムラ、偏肉もなく、外観も
良好であった。この容器を20℃−65%RHに調湿し
、ガスバリアー性を測定した所(モコン社製10/ 5
0型) 、0.4cc、20μ/m’、24hr、at
mと非常に良好なガスバリアー性を示すだけでなく、2
0サンプル測定した時の測定値のバラツキ(R−最大値
最小値)が0.1と非常に小さく、信頼性の高い高ガス
バリアー性容器であった。
実施例2−5、比較例1−3 表1に示す以外は、実施例1と同様の条件でおこなうた
。その結果を表1に示す。   以下余白ニー」し1至
ni 本発明によれば、加熱延伸、特に加熱高速延伸操作時ピ
ンホール、クラック、ムラ、局所的偏肉などがなく、し
かもガスバリアー性およびその信頼性に優れた、EVO
H組成物、および加熱延伸子a構遺体を得る事ができる
特許出願人 株式会社 り ラ し

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)エチレン含有量の異なる二種類以上のエチレン−
    ビニルアルコール共重合体からなり、エチレンの平均含
    有量が20〜60モル%でかつDSC測定において、2
    つ以上の吸熱ピークを有し、さらに下記式( I )〜(
    IV)を満足するエチレン−ビニルアルコール共重合体(
    EVOH)組成物。 0.29≧W1/(W1+W2)≧0.01( I )(
    mp1−MP1)/(mp2−MP2)≧3(II)0.
    25≧S1/(S1+S2)≧0.03(III)1≧M
    FI(2)/MFI(0)≧0.1(IV)但し、W1、
    W2とは、最大のエチレン含有量のエチレン−ビニルア
    ルコール共重合体の重量(W1)、および最小のエチレ
    ン含有量のエチレン−ビニルアルコール共重合体の重量
    (W2)である。 MP1、MP2とは、EVOH組成物をDSC測定(ス
    キャニング昇温速度10℃/min.)した場合の、独
    立した最大の吸熱ピーク温度(MP2)、および独立し
    た最小の吸熱ピーク温度(MP1)である。 mp1、mp2とは、EVOH組成物を、再けん化して
    得られた樹脂をDSC測定した場合の、最大の吸熱ピー
    ク温度(mp2)、および最小の吸熱ピーク温度(mp
    1)である。 S1、S2とは、EVOH組成物をDSC測定した場合
    の、ピーク温度MP1に相当する面積(S1)、および
    MP2に相当するピーク面積(S2)である。 MFI(0)、MFI(2)とは、EVOH組成物を、
    窒素の存在下、220℃で加熱した時の、0時間目の溶
    融粘性{MFI(0)}、および2時間目の溶融粘性{
    MFI(2)}である。ここで溶融粘性とは230℃−
    10.9Kg荷重下で測定した値である。
  2. (2)EVOH組成物が、エチレン含有量の異なる、二
    種類以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する組
    成物をけん化して得た組成物である、請求項1記載のエ
    チレン−ビニルアルコール共重合体組成物。
  3. (3)請求項1または2記載のエチレン−ビニルアルコ
    ール共重合体組成物からなる層の少なくとも片面に熱可
    塑性樹脂層を有する多層構造体。
  4. (4)熱可塑性樹脂が、下式で示される加熱延伸温度の
    範囲内で延伸可能なものである請求項3記載の多層構造
    体。 X−10℃≧Y≧X−110℃ 但し、Xは、EVOHの融点を、またYは加熱延伸温度
    ℃を示す。
  5. (5)多層構造体が、共押出多層シートからの延伸熱成
    形物である請求項3または4記載の多層構造体。
  6. (6)多層構造体が、共射出成形パリソンからの延伸成
    形物である請求項3または4記載の多層構造体。
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