JP2001131377A - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物の製造法 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色(黄変)が抑制でき、効率良くエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物が得られ、更に
は、加熱延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形
性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成
物を得る方法を提供すること。 【解決手段】 2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
体を溶液状態で混合してからケン化した後、凝固・析出
させて、含水率5〜60重量%のエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物組成物を得て、該組成物を溶融混練し
て含水率を5重量%未満にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)組
成物(ブレンド物)の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、EVOHは、透明性、帯電防
止性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリア性、保香性等の特
性を生かして、各種包装用途等に多用されているが、か
かるEVOHの製造にあたっては、通常、エチレンと酢
酸ビニルとの共重合物をアルコール等の溶液状でケン化
して、その後凝固浴中にストランド状に押し出してカッ
トされて(ペレット状にされて)、更に水洗処理等が施
されて含水ペレットとなった後、一般的には乾燥されて
ペレット状の製品とされるのである。しかし、かかる乾
燥が不充分な場合に、EVOH(ペレット)を押出機等
で溶融成形すると、発泡等を生じて外観や性能の良好な
成形物を得ることができず、かかるEVOH(ペレッ
ト)の乾燥は非常に重要であり、かかる乾燥に関して
は、通常100℃前後の高温の熱風を用いて十数時間以
上の処理が行われている(特開昭53−119958号
公報等)のが現状である。
【0003】また、一方では、加熱延伸成形性の向上を
目的として、二種類以上の組成の異なるEVOHをブレ
ンドした樹脂組成物も提案されており(特開昭60−1
73038号公報、特開昭63−196645号公報、
特開昭63−230757号公報、特開昭63−264
656号公報、特開平2−261847号公報)、その
ブレンドに際しては、上記の如く高温で熱風乾燥された
含水率の極めて低いEVOH同士を押出機等で溶融ブレ
ンドする方法が一般的である。さらに、特開昭61−4
752号公報には、2種のエチレン−酢酸ビニル共重合
体をメタノール溶液の状態下に混合し、ケン化してから
溶剤除去後、乾燥させる旨の記載もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EVO
Hのブレンド物を得るに当たって、上記の如く高温で熱
風乾燥されたEVOH同士を溶融ブレンドする方法で
は、そのブレンド物の加熱延伸成形性の向上はある程度
認められるものの、組成や構造の異なるEVOHのブレ
ンドであるためその相溶性は完全に均一なものではな
く、押出条件や加熱延伸成形条件の振れによって影響を
受けやすく、フィルムやカップ、トレイ、ボトル等を連
続で延伸成形する場合、不良品の発生が避けられないと
言う問題点を有しており、一方、そのブレンド物の均一
性を改善するために押出機内の練り効果を上げる(高温
下、高せん断下)とEVOHの熱劣化が避けられず、得
られるブレンド物が着色(黄変)したりして商品価値が
低下する恐れがある。また製造効率についても、EVO
Hの熱風乾燥に長時間の処理が必要なため必ずしも効率
の良いものではない。特開昭61−4752号公報に記
載の方法(溶液混合後ケン化法)についても、2種以上
のEVOHブレンド物の熱劣化や均一性という点ではあ
る程度改善効果が認められるものの、最終的には熱風乾
燥させる必要がありこの時の加熱条件によっては熱劣化
の心配も残り、また、そのブレンド物の均一性も充分と
は言い切れず、加熱延伸性(連続成形性)についても改
善の余地があることが判明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる現況に鑑みて2種以上のEVOHのブレンド方法に
ついて鋭意研究した結果、2種以上のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を溶液状態で混合してからケン化した後、
凝固・析出させて、含水率5〜60重量%のEVOH組
成物を得て、該組成物を溶融混練して含水率を5重量%
未満にすることにより、上記の課題を解決することを見
出し本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明では、2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重
合体を混合後ケン化してEVOH組成物を得るのである
が、本発明においては、2種以上のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を溶液状態で混合してからケン化した後、凝
固・析出させて、含水率5〜60重量%のEVOH組成
物を得て、該組成物を溶融混練して含水率を5重量%未
満にすることを特徴とするもので、先ず、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(混合)溶液の調製方法について説明
する。
【0007】本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル
共重合体については特に限定されないが、得られるEV
OH組成物の要求性能を考慮すれば、混合後の組成物の
平均エチレン含有量が5〜70モル%(更には20〜6
0モル%、特には25〜55モル%)が好ましく、かか
る平均エチレン含有量が5モル%未満では得られるEV
OH組成物の高湿時のガスバリア性、溶融成形性が低下
し、逆に70モル%を越えると得られるEVOH組成物
の充分なガスバリア性が得られず好ましくない。更にケ
ン化後のEVOHの固有粘度(フェノール85重量%と
水15重量%との混合溶媒中、30℃の測定値)が0.
6〜1.5dl/g、好ましくは0.7〜1.3dl/
g、更に好ましくは0.8〜1.2dl/gのものが用
いられ、かかる粘度が0.6dl/g未満や1.5dl
/gを越えるものは、押出成形性が不安定となることが
あり好ましくない。
【0008】かかるエチレン−酢酸ビニル共重合体はエ
チレン、酢酸ビニル以外に、これらと共重合可能なエチ
レン性不飽和単量体を共重合成分として含有しても差支
えない。該単量体としては、プロピレン、1−ブテン、
イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩
あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステ
ル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2
−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、
アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸
塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリ
ルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルア
ミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタク
リルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタク
リルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あ
るいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセ
トアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、
メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜
18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン
化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラ
ン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジ
メチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリル
アミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリ
ド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
が挙げられる。又、本発明の趣旨を損なわない範囲で、
ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化などの後変
性がされても差し支えない。
【0009】エチレン−酢酸ビニル共重合体を溶液にす
るにあたっては、エチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解
可能な溶剤に溶解すればよく、その溶剤や方法等につい
ては限定されないが、該溶剤としては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、フェノール、キ
シレン、トルエン、ジメチルスルフォキサイド(DMS
O)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサフルオ
ロイソプロパノール(HFIP)等やこれらの溶剤を含
有する水(混合溶剤)を挙げることができ、工業的に好
ましくはアルコールが用いられ、特にメタノールが好適
に用いられる。
【0010】2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体
を溶液状態で混合する方法については特に限定されず、
1)2種以上の固体状のエチレン−酢酸ビニル共重合体
を一括して溶剤中に投入して溶解して混合する方法、
2)少なくとも1種のエチレン−酢酸ビニル共重合体を
予め溶液状態にしておき、これに固体状の別のエチレン
−酢酸ビニル共重合体を投入して溶解して混合する方
法、3)2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体をそ
れぞれ予め溶液状態にしておき、それらの溶液を混合す
る方法等を挙げることができ、工業上好ましくは3)の
方法が採用される。特に、エチレン−酢酸ビニル共重合
体の共重合反応後のメタノール等の反応溶液から公知の
方法で未反応のモノマー(エチレン及び酢酸ビニル)を
除去した溶液を混合することが生産性の点で有利であ
る。
【0011】かかる溶液の混合方法については特に限定
されず、公知の回転式の混合攪拌機やラインミキサー等
で2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体の溶液の混
合を行えばよい。かかる混合にあたっては、混合される
それぞれの溶液を40〜110℃にしてから混合するこ
とが好ましく、かかる温度が40℃未満では該溶液の粘
度が高くなって均一混合が困難となることがあり、逆に
110℃を越えると混合液が着色する恐れがあって好ま
しくない。
【0012】かかる2種以上のエチレン−酢酸ビニル共
重合体の混合重量比は特に限定されないが、例えば2種
のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)及び(B)を混
合する場合、その重量比は(A)/(B)=99/1〜
1/99(更には95/5〜5/95、特には90/1
0〜10/90)が好ましく、かかる混合重量比が上記
の範囲外では、本発明のブレンド方法の効果(加熱延伸
成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形性)を充分に
発揮することができないことがあり好ましくない。ま
た、3種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体を混合す
る場合、1種のEVOH(A)と残りの2種以上のEV
OH(B)の重量比が、(A)/(B)=98/2〜2
/98(更には90/10〜10/90、特には80/
20〜20/80)とすることが同様に好ましい。
【0013】次に、上記の2種以上のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体からなる溶液をケン化するのであるが、か
かるエチレン−酢酸ビニル共重合体体のケン化は、アル
カリ触媒の共存下に実施され、該アルカリ触媒として
は、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
アルカリ触媒によるケン化反応に使用される従来公知の
触媒をそのまま使用できる。具体的には、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ
金属水酸化物、ナトリウムメチラート、t−ブトキシカ
リウムなどのアルカリ金属アルコラート、1,8−ジア
ザビシクロ[5,4,10]ウンデセン−7(DBU)
で代表される強塩基性アミン、更には炭酸アルカリ金属
塩、炭酸水素アルカリ金属塩などが挙げられるが、取り
扱いの容易さや経済性の点から水酸化ナトリウムの使用
が好ましい。触媒の使用量は必要ケン化度、反応温度等
により異なるが、エチレン−酢酸ビニル共重合体中の残
存酢酸基に対して0.05当量以下が用いられ、好まし
くは0.03当量以下である。又アルカリ触媒の替わり
に、塩酸、硫酸等の酸触媒を用いることも可能である。
【0014】ケン化に当たっての上記エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体溶液の樹脂濃度は通常20〜60重量%程
度に調整され、アルカリ触媒、あるいは酸触媒を添加し
て、温度40〜140℃、圧力1〜15kg/cm2
の条件下で反応せしめる。また、かかるエチレン−酢酸
ビニル共重合体溶液にグリセリン、エチレングリコー
ル、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールを添加
することも、安定したケン化反応が行える点で好まし
い。該溶液温度において反応後のEVOH組成物が析出
しない様に配慮すれば、該EVOH組成物の濃度に特に
制限はないが、通常は該EVOH組成物の濃度が10〜
55重量%、好ましくは15〜50重量%となるように
すれば良い。
【0015】ケン化反応せしめる装置としては特に限定
されず、公知の反応器を用いてケン化反応させることが
可能であり、またバッチ式と連続式共に採用されうる
が、生産性と品質の安定性に優れる点で、多孔板塔、泡
鐘塔等の棚段塔を用いて連続的にケン化反応せしめるこ
とが好ましい。すなわち、上記塔型反応器の上部に2種
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる混合溶液
を供給し、同様にアルカリ触媒(又は酸触媒)を供給
し、且つメタノール蒸気を塔下部より吹き込んで、メタ
ノール蒸気と共に副生する酢酸メチル蒸気を塔頂部より
系外に取り出し、ケン化反応せしめたEVOH組成物の
メタノール溶液を塔底部より取り出すことにより、工業
上好適にケン化反応を行うことができる。ただし、かか
る塔型反応器による連続式ケン化に限らず、例えば攪拌
機付きの反応缶を用いてバッチ式でケン化反応すること
も可能である。
【0016】かかるケン化により得られるEVOH組成
物の酢酸ビニル成分の平均ケン化度は85モル%以上と
することが好ましく、更にはケン化度90〜99.5モ
ル%、特にはケン化度95〜99.5モル%である。該
ケン化度が85モル%未満の場合、該EVOH組成物を
溶融成形する場合の熱安定性が悪くなり、逆に99.9
モル%を越えるとEVOH組成物の加熱延伸成形性の向
上効果が乏しくなることがあり好ましくない。
【0017】次に上記で得られたEVOH組成物のアル
コール等の溶液はそのままでもよいが、好ましくは、直
接水を加えるか、該EVOH組成物溶液を適宜濃縮ある
いは希釈してから水を加えてストランド製造用の溶液に
調整される。該水溶液の場合には水/アルコールの混合
重量比が80/20〜5/95の範囲で、かつアルコー
ルの含有量A(重量%)が、2.55E−40.75≦
A≦2.55E−10.75なる関係(ここで、EはE
VOH組成物の平均エチレン含有量(モル%)である)
を満足させることが溶液の安定性の点で好ましく、溶液
中に含有されるEVOH組成物の量としては、20〜5
5重量%(更には25〜50重量%)が後続の凝固作業
の安定性の点で好ましい。
【0018】続いて、上記で得られたEVOH溶液をス
トランド状に押し出してペレット状等にするのである
が、この時点で、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン
酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸ア
ミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステア
リン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カ
ルシウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量5
00〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は
低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機酸(例え
ばリン酸、ホウ酸等)、有機酸(例えば酢酸、ステアリ
ン酸等)、無機塩(例えばリン酸のアルカリ金属・アル
カリ土類金属塩、ハイドロタルサイト等)、有機酸塩
(例えば酢酸のアルカリ金属・アルカリ土類金属塩
等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリ
ン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールな
ど)、酸化防止剤(例えばチバスペシャルティケミカル
ズ社製IRGANOX1098など)、紫外線吸収剤、
着色剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤(例えばタルク
微粒子など)、スリップ剤(例えば無定形シリカ微粒子
など)、無機充填材(例えば酸化ケイ素、二酸化チタ
ン、クレー、タルク、ベントナイト、水膨潤性フィロケ
イ酸塩など)等を配合しても良い。
【0019】かくして得られたEVOH組成物の水−ア
ルコール混合溶液の混合液は、次いで凝固液と接触させ
られて析出して目的とするEVOH組成物が得られるの
であり、かかる方法については特に限定されないが、通
常は、かかる混合液を凝固液中に供して、そこでEVO
H組成物を析出(凝固)させるのである。
【0020】析出させる凝固液としては水又は水/アル
コール混合溶媒、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジプロピルエ
ーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロ
ピオン酸メチル等の有機酸エステル等が用いられるが、
取り扱いの容易な点で水又は水/アルコール混合溶媒が
好ましく、該アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコールが用いられるが、工
業上好ましくはメタノールが用いられ、上記のEVOH
組成物のアルコール溶液のアルコールと同じものが好ま
しい。凝固液中の凝固液とEVOH組成物のストランド
との重量比(凝固液/EVOH組成物のストランド)と
しては、50〜10000であることが好ましく、更に
は100〜1000である。該範囲の重量比にすること
により、寸法分布が均一なEVOH組成物ペレットを得
ることが可能となる。
【0021】更に該凝固液中に、カルボン酸を1〜10
000ppmおよび/またはカルボン酸金属塩を1〜1
5000ppmおよび/またはカルボン酸エステルを1
〜50000ppm含有させることも好ましく、更には
カルボン酸を50〜5000ppmおよび/またはカル
ボン酸金属塩を10〜5000ppmおよび/またはカ
ルボン酸エステルを10〜10000ppm含有させる
のが好ましい。該範囲のカルボン酸類を凝固浴中に含有
させることにより、寸法分布が均一なEVOH組成物ペ
レットを更に好適に得ることが可能となる。
【0022】かかるカルボン酸としては特に制限されな
いが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クロトン酸、
マレイン酸、イタコン酸等が挙げられるが、好ましくは
酢酸が用いられる。かかるカルボン酸金属塩としては特
に制限されないが、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ
酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、酢酸マグネシウム等が用いられるが、好ま
しくは酢酸ナトリウムが用いられる。かかるカルボン酸
エステルとしては特に制限されないが、ギ酸メチル、ギ
酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチ
ル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が用いられ
るが、好ましくは酢酸メチルが用いられる。
【0023】また、該凝固液の温度は−10〜40℃が
好ましく、更には0〜20℃で、なるべく低温での操作
が樹脂損失を少なく出来効果的である。かくして、EV
OH組成物溶液は凝固液中で析出されるのであるが、か
かる析出に当たっては、通常、任意の形状を有するノズ
ルにより凝固液中にストランド状に押出されて析出され
た後にカッティングされてペレット状等となり、その後
好ましくは水洗処理がなされるのである。
【0024】かかる水洗条件としては、該ペレットを温
度10〜40℃(更には20〜40℃)の水槽中で水洗
する。かかる水洗処理により、EVOH組成物中のオリ
ゴマーや不純物が除去される。さらに該水洗処理に続い
て、または該水洗処理の代わりに、種々の酸や金属塩を
含む水溶液中で処理して、EVOH組成物中に酸や金属
塩を含有させることも、乾燥後のEVOH組成物の色
調、熱安定性、ロングラン成形性、積層体としたときの
接着性樹脂との層間接着性、加熱延伸成形性等が改善さ
れる点で好ましく、かかる酸成分としては酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン
酸、ベヘニン酸等の有機酸や硫酸、亜硫酸、炭酸、ホウ
酸、リン酸等の無機酸が挙げられ、金属塩としては上記
酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等の金
属塩が挙げられ、特に酢酸、リン酸、ホウ酸やそのアル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩がその効果に優れる点
で好ましく用いられる。
【0025】酢酸の含有量としては、乾燥後のEVOH
組成物に対して5〜1000ppm(更には10〜50
0ppm、特には20〜300ppm)とすることが好
ましく、かかる酢酸の含有量が5ppm未満ではその含
有効果が充分得られないことがあり、逆に1000pp
mを超えるとロングラン成形性が低下することがあり好
ましくない。リン酸の含有量としては、乾燥後のEVO
H組成物に対してリン酸根換算で5〜1000ppm
(更には10〜500ppm、特には20〜300pp
m)とすることが好ましく、かかるリン酸の含有量が5
ppm未満ではその含有効果が充分得られないことがあ
り、逆に1000ppmを超えると得られる成形物の外
観が悪化して好ましくない。ホウ酸の含有量としては、
乾燥後のEVOH組成物に対してホウ素換算で10〜1
0000ppm(更には20〜2000ppm、特には
100〜1000ppm)とすることが好ましく、かか
るホウ素の含有量が10ppm未満ではその含有効果が
充分得られないことがあり、逆に10000ppmを超
えると得られる成形物の外観が悪化して好ましくない。
【0026】また、該金属塩の含有量としては、乾燥後
のEVOH組成物に対して金属換算で5〜1000pp
m(更には10〜500ppm、特には20〜300p
pm)とすることが好ましく、かかる含有量が5ppm
未満ではその含有効果が充分得られないことがあり、逆
に1000ppmを超えると得られる成形物の外観が悪
化して好ましくない。尚、EVOH組成物中に2種以上
のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の塩が含有
される場合は、その総計が上記の含有量の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0027】本発明においては、かかるペレット状等に
析出−水洗処理されたEVOH組成物の含水率を5〜6
0重量%(更には10〜50重量%、特には10〜40
重量%)に調整して、得られた組成物(ペレット状等)
を溶融混練して含水率を5重量%未満にする必要があ
り、かかる点について説明する。EVOH組成物の含水
率を5〜60重量%に調整する方法は特に限定されず、
前述のEVOH組成物溶液を凝固液中にストランド状に
押し出して凝固させ、その後に切断してペレット状等に
してから、水洗処理する工程中において、諸条件を調整
することにより可能である。かかる含水率が5重量%未
満では、本発明のブレンド方法の効果(加熱延伸成形時
の連続成形性、着色の抑制、製造効率)を充分に発揮す
ることができず、逆に60重量%を越えると、溶融混練
中に樹脂と水分の一部分離が起こり溶融混練が不安定と
なって、本発明の目的を達成することができない。尚、
ここで言う乾燥処理前のEVOH組成物の含水率につい
ては、以下の方法により測定・算出されるものである。
【0028】[含水率の測定方法]EVOH組成物を電
子天秤にて秤量(W1:単位g)後、150℃に維持さ
れた熱風オーブン型乾燥器に入れ、5時間乾燥させてか
ら、さらにデシケーター中で30分間放冷させた後の重
量を同様に秤量(W2:単位g)して、以下の(3)式
から算出する。 含水率(%)={(W1−W2)/W1}×100 ・・・(3) 以上の方法により、本発明に用いる含水EVOH組成物
ペレットが得られるのであるが、本発明の乾燥処理前の
EVOH組成物の含水率の調整等必要に応じて公知の乾
燥処理(熱風乾燥、誘電加熱乾燥、マイクロ波照射乾燥
等)や含水ペレットの表面付着水除去操作を事前に行う
ことも、溶融混練の安定性の点で好ましい。
【0029】上記の含水率が調整されたEVOH組成物
は、次いで、溶融混練に供されるのであるが、溶融混練
するに当たっては、例えば溶融押出機、ニーダールーダ
ー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラスト
ミルなどの公知の溶融混練装置を使用して行うことがで
きるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工
業上好ましく、特に溶融混練の安定性とブレンド物の均
一性の点で二軸押出機が好適に用いられ、かかる二軸押
出機を用いた方法について、更に詳細に説明する。
【0030】用いる二軸押出機としては、特に限定され
ないが、内径が20mm以上(更には30〜150m
m)のものが好ましく、かかる内径が20mm未満で
は、生産性に乏しいため好ましくなく、L/Dは、20
〜80(更には30〜60)が好ましく、かかるL/D
径が20未満では、乾燥の能力が不足することがあり、
逆に80を越えると樹脂の押出機内での滞留時間が必要
以上に長くなり、その熱劣化が懸念され好ましくない。
また、ベントは1箇所以上あれば良く、特には2箇所以
上あることが好ましく、その中の少なくとも1箇所が減
圧吸引されていることが、乾燥効率と得られる樹脂の品
質の点で好ましい。ダイス孔の形状については、限定さ
れないが、適度な形状・大きさのペレットを得ることを
考慮すれば、直径が1〜7mm(更には2〜5mm)の
円形が好ましく、その孔の数は3〜100個(更には1
0〜50個)程度が生産上好ましい。更には、押出機と
ダイス入り口の間にメッシュ状のスクリーンを1枚以上
(特に2枚以上)設けることも異物除去と樹脂圧力安定
化(押出の安定化)のため好ましく、さらに、押出し安
定性を考慮すれば、同じくギヤポンプや熱交換器等を設
けることも好ましい。
【0031】溶融混練を実施するに当たっては、特に限
定されないが、押出機のホッパー入り口部のシリンダー
の温度(TI)と押出機の出口部のシリンダーの温度
(TO)を下記(1)式の条件を満足するように設定す
ることが好ましく、T0/TIが1.1未満では、乾燥の
能力が不充分となったり押出が不安定となることがあ
り、逆に10以上の時は、EVOH組成物の品質が低下
(熱劣化)したり押出が不安定となることがあり好まし
くなく、更には下記(1’)式の条件を、特には下記
(1”)式の条件を満足することが好ましい。尚、上記
のシリンダーの温度とは、シリンダーの実測温度を言
う。 1.1≦T0/TI<10 ・・・(1) 1.5≦T0/TI<8 ・・・(1’) 1.8≦T0/TI<5 ・・・(1”) (但し、T0、TI共に単位は℃)
【0032】尚、押出機のシリンダーの加熱は通常複数
のヒーターを装着して行われ、例えば8分割の場合、ホ
ッパー入り口部(樹脂供給部)から押出機出口部(樹脂
排出部、ダイス接続部)に向かって8個のヒーターを押
出機のシリンダーに装着して、それぞれ温度設定が可能
であり、順にC1、C2、C3・・・C7、C8と表示
した場合、上記のホッパー入り口部のシリンダー温度と
はC1で、押出機の出口部のシリンダー温度とはC8で
ある。
【0033】また、押出機のフィーディングゾーンの温
度(TF)とメタリングゾーンの温度(TM)を下記
(2)式の条件を満足するように設定することが特に好
ましく、TM/TFが1.1未満では、乾燥の能力が不充
分となったり押出が不安定となることがあり、逆に10
以上の時は、EVOH組成物の品質が低下(熱劣化)し
たり押出が不安定となることがあり好ましくなく、更に
は下記(2’)式の条件を、特には下記(2”)式の条
件を満足することが好ましい。 1.1≦TM/TF<10 ・・・(2) 1.2≦TM/TF<9 ・・・(2’) 1.3≦TM/TF<8 ・・・(2”) (但し、TM、TF共に単位は℃)
【0034】尚、ここで言うフィーディングゾーンと
は、押出機のシリンダーバレルを長さ方向に3等分した
ときのホッパー入り口部側の1/3の部分を、メタリン
グゾーンとは、同様に押出機の出口部の1/3の部分を
それぞれ意味し、フィーディングゾーンの温度(TF
とは、前者の1/3の部分に完全に含まれる分割ヒータ
ー部のシリンダーの(実測)温度の平均値を、メタリン
グゾーンの温度(TM)とは、後者の1/3の部分に完
全に含まれる分割ヒーター部のシリンダーの(実測)温
度の平均値をそれぞれ意味する。
【0035】上記の如くシリンダー温度やフィーディン
グゾーンとメタリングゾーンの温度を調節すればよい
が、このときのシリンダー温度、フィーディングゾーン
及びメタリングゾーンの温度は、通常、室温〜300℃
(更には50〜280℃)の範囲から選択することが好
ましい。また、上記の温度設定により、溶融されたEV
OH組成物は、ダイスに供給され押し出されるのである
が、ダイス内でのEVOH組成物の温度(樹脂温度)は
150〜300℃(更には180〜280℃)になるよ
うに押出条件(設定温度、スクリュ形状、スクリュ回転
数など)を調整することも好ましく、かかる温度が15
0℃未満では、押出が不安定になることがあり、逆に3
00℃を越えると、EVOH組成物の品質が低下(熱劣
化)することがあり好ましくない。
【0036】また、スクリュの回転数は50〜300r
pm(更には80〜200rpm)の範囲から選択さ
れ、かかる回転数が50rpm未満では、乾燥の能力が
不充分となることがあり、逆に300rpmを越える
と、EVOH組成物の品質が低下(熱劣化)することが
あり好ましくなく、含水EVOH組成物の仕込速度につ
いては、10〜400kg/hr(更には20〜300
kg/hr)の範囲から選択され、かかる仕込速度が1
0kg/hr未満では非生産的であり、逆に400kg
/hrを越えると充分な乾燥ができない場合があり好ま
しくなく、EVOH組成物の押出機中での滞留時間は1
0〜600秒(更には10〜180秒)の範囲から選択
され、かかる滞留時間が10秒未満では、十分な乾燥が
できない場合があり、逆に600秒を越えるとEVOH
組成物の品質が低下(熱劣化)する場合があって好まし
くなく、EVOH組成物にかかる圧力(樹脂圧)につい
ては5〜300kg/cm2(更には10〜200kg
/cm2)の範囲から選択され、かかる圧力が5kg/
cm2未満及び300kg/cm2を越えると押出が不安
定になることがあり好ましくない。また、EVOH組成
物の熱劣化を防止するためにホッパー内やベント孔周り
を窒素シールしておくことも好ましい。
【0037】本発明のEVOH組成物においては、組成
物中の各EVOHの組成や分子量等の関係については特
に限定されないが、例えば2種のEVOH(A)及び
(B)からなる場合、下記の(4)〜(6)式の少なく
とも1つを満足するとき、EVOH組成物の加熱延伸成
形性が向上する点で好ましく、かかる(4)式の条件を
満足しないとき、即ち2種のEVOHのケン化度の差が
1モル%未満では、加熱延伸成形性の向上効果が充分得
られないことがあり、更には、該ケン化度の差が1〜1
5モル%、特には該ケン化度の差が2〜10モル%であ
ることが好ましい。また、かかる(5)式の条件を満足
しないとき、即ち2種のEVOHのエチレン含有量の差
が5モル%未満では、加熱延伸成形性の向上効果が充分
得られないことがあり、更には、該エチレン含有量の差
が5〜25モル%、特には該エチレン含有量の差が8〜
20モル%であることが好ましい。
【0038】さらに、かかる(6)式の条件を満足しな
いとき、即ち2種のEVOHのメルトフローレートの比
が2未満では、加熱延伸成形性の向上効果が充分得られ
ないことがあり、更には、該メルトフローレートの比が
3〜20、特には該メルトフローレートの比が4〜15
であることが好ましい。 |Sv(A)−Sv(B)|≧1 ・・・(4) |Et(A)−Et(B)|≧5 ・・・(5) 2≦MFR(B)/MFR(A) ・・・(6) 但し、SvはそれぞれのEVOHのケン化度(モル
%)、EtはそれぞれのEVOHのエチレン含有量(モ
ル%)、MFRはそれぞれのEVOHの絶乾時(含水率
0.3重量%以下)における210℃,2160g荷重
でのメルトフローレート(g/10min)を表す。
【0039】尚、上記において、MFRの測定に当たっ
ては、より具体的には、EVOHを市販(東洋精機社
等)のメルトインデクサーを用いて、温度210℃、荷
重2160gの条件でMFRを測定すれば良い。すなわ
ち、JIS K7210「熱可塑性プラスチックの流れ
試験方法」に準拠して、操作A法(手動切取り法)にて
測定するものである。
【0040】上記、(4)〜(6)式においては、少な
くとも(4)式を満足するようにEVOH(A)及び
(B)を選択したとき、本発明の加熱延伸成形性の向上
効果が特に認められる。また、EVOH組成物が3種以
上のEVOHからなる場合、少なくとも2種のEVOH
が上記の関係式の少なくとも一つを満足することが好ま
しい。
【0041】かくして、目的とする含水率が5重量%未
満のEVOH組成物が得られるのであるが、かかる含水
率にするためには、例えば、上記の二軸押出機を用いた
方法においては、諸条件の調整により、特に樹脂温度
(押出機の設定温度)と吐出量(スクリュ回転数や樹脂
仕込み量)等を調整することにより可能であり、かかる
含水率については更に好ましくは2重量%以下、特に好
ましくは0.5重量%以下とすることが、溶融混練後の
溶融成形(押出成形、射出成形等)時の発泡等のトラブ
ルが軽減できる点で好ましい。尚、ここで言う溶融混練
後のEVOH組成物の含水率については、以下の方法に
より測定・算出されるものである。
【0042】[含水率の測定方法]EVOH組成物を電
子天秤にて秤量(W1g)後、150℃に維持された熱
風オーブン型乾燥器に入れ、5時間乾燥させてから、さ
らにデシケーター中で30分間放冷させた後の重量を同
様に秤量(W2g)して、以下の(7)式から算出す
る。 含水率(%)={(W1−W2)/W1}×100 ・・・(7) 更に、本発明の溶融混練を実施後、EVOH組成物の含
水率の調整等必要に応じて公知の乾燥処理(熱風乾燥、
誘電加熱乾燥、マイクロ波照射乾燥等)を併せて行うこ
とも可能である。
【0043】また、本発明においては、かかるEVOH
組成物に本発明の目的を阻害しない範囲において、飽和
脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂
肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸ア
ミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪
酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム等)、低分子量
ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度
の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン
等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト
等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリ
ン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールな
ど)、酸素吸収剤(例えば還元鉄粉類、アスコルビン酸
等)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、消臭剤
(例えば活性炭等)、アンチブロッキング剤(例えばタ
ルク微粒子等)、スリップ剤(例えば無定形シリカ
等)、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例え
ばポリオレフィン、ポリアミド等)などを配合しても良
い。
【0044】かくして、本発明の方法により、加熱延伸
成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形性に優れた、
かつ着色が抑制された品質の良好なEVOH組成物(E
VOHのブレンド物)を得ることができ、更に本発明の
方法によれば、連続的に安定したEVOH組成物を効率
よく得ることができ、かくして得られた本発明のEVO
H組成物は、勿論単層として各種用途に用いることは可
能であるが、積層体としても有用で、特に該樹脂組成物
からなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層し
てなる積層体として用いることが好ましく、耐水性、機
械的特性、ヒートシール性等が付与された実用に適した
積層体が得られる。該積層体は、本発明のEVOH組成
物を用いているため、加熱延伸成形時の外観性、ガスバ
リア性、連続成形性に非常に優れた効果を示すものであ
る。以下にかかる積層体について説明する。
【0045】該積層体を製造するに当たっては、本発明
のEVOH組成物の片面又は両面に、他の基材(熱可塑
性樹脂等)を積層するのであるが、積層方法としては、
例えば本発明のEVOH組成物のフィルム、シート等に
他の基材を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材
にEVOH組成物を溶融押出ラミネートする方法、該E
VOH組成物と他の基材とを共押出する方法、本発明の
EVOH組成物(層)と他の基材(層)とを有機チタン
化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合
物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドラ
イラミネートする方法等が挙げられる。上記の溶融押し
出し時の溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から
選ぶことが多い。
【0046】かかる他の基材としては、熱可塑性樹脂が
有用で、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロッ
クおよびランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共
重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
プロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜
20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペ
ンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれ
らのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸
又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義の
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂(共重合ポリアミドも含む)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレ
ン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマ
ー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、芳香族または脂肪族ポリケト
ン、更にこれらを還元して得られるポリアルコール類、
更には他のEVOH等が挙げられるが、積層体の物性
(特に強度)等の実用性の点から、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合
体、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好
ましく用いられる。
【0047】更に、本発明のEVOH組成物のフィルム
やシート等の成形物に他の基材を押出コートしたり、他
の基材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネー
トする場合、かかる基材としては、前記の熱可塑性樹脂
以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラ
スチックフィルム又はシートおよびその無機物蒸着物、
織布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
【0048】積層体の層構成は、本発明のEVOH組成
物の層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱
可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、フ
ィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造
のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、
a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1/a
/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であ
り、さらには、少なくともEVOH組成物と熱可塑性樹
脂の混合物からなるリグラインド層をRとするとき、b
/R/a、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/
a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とする
ことも可能であり、フィラメント状ではa、bがバイメ
タル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)
型、或いは偏心芯鞘型等任意の組み合わせが可能であ
る。
【0049】尚、上記の層構成において、それぞれの層
間には、必要に応じて接着性樹脂層を設けることがで
き、かかる接着性樹脂としては、種々のものを使用する
こともでき、延伸性に優れた積層体が得られる点で好ま
しく、bの樹脂の種類によって異なり一概に言えない
が、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系
重合体(上述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反
応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られる
たカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を
挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフ
ト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリ
プロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プ
ロピレン(ブロックおよびランダム)共重合体、無水マ
レイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共
重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合
物が好適なものとして挙げられる。このときの、熱可塑
性樹脂に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の
量は、0.001〜3重量%が好ましく、更に好ましく
は0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜0.
5重量%である。
【0050】該変性物中の変性量が少ないと、接着性が
不充分となることがあり、逆に多いと架橋反応を起こ
し、成形性が悪くなることがあり好ましくない。またこ
れらの接着性樹脂には、本発明の樹脂組成物や他のEV
OH、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等
のゴム・エラストマー成分、更にはb層の樹脂等をブレ
ンドすることも可能である。特に、接着性樹脂の母体の
ポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂を
ブレンドすることにより、接着性が向上することがあり
有用である。
【0051】積層体の各層の厚みは、層構成、bの種
類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に
言えないが、通常は、a層は5〜500μm(更には1
0〜200μm)、b層は10〜5000μm(更には
30〜1000μm)、接着性樹脂層は5〜400μm
(更には10〜150μm)程度の範囲から選択され
る。該積層体は、そのまま各種形状のものに使用される
が、前述のように、本発明のEVOH組成物は加熱延伸
成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形性に優れてい
るので、更に該積層体の物性を改善するためには加熱延
伸処理を施すことも好ましい。ここで加熱延伸処理と
は、熱的に均一に加熱されたフィルム、シート、パリソ
ン状の積層体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、ブ
ローなどにより、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、
フィルム状に均一に成形する操作を意味し、かかる延伸
については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよ
く、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良
好で、延伸時にピンホールやクラック、延伸ムラや偏
肉、デラミ等の生じない、ガスバリア性に優れた延伸成
形物が得られる。
【0052】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空圧
空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸
延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のい
ずれの方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、
好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。延
伸が終了した後、次いで熱固定を行うことも好ましい。
熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延伸フィル
ムを緊張状態を保ちながら80〜170℃、好ましくは
100〜160℃で2〜600秒間程度熱処理を行う。
【0053】また、生肉、加工肉、チーズ等の熱収縮包
装用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行わずに製
品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ等を該フ
ィルムに収納した後、50〜130℃、好ましくは70
〜120℃で、2〜300秒程度の熱処理を行って、該
フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
【0054】かくして得られた積層体の形状としては任
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボ
トル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示
される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。上記の如く得られたカップ、トレイ、チューブ、ボ
トル等からなる容器や延伸フィルムからなる袋や蓋材は
食品、飲料、医薬品、化粧品、工業薬品、洗剤、農薬、
燃料等各種の包装材料として有用である。
【0055】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を意味する。
【0056】EVOH組成物中のホウ酸含有量の測定に
ついては、EVOH組成物をアルカリ溶融してICP発
光分光分析法によりホウ素を定量することにより行っ
た。さらに、アルカリ(土類)金属含有量の測定につい
ては、EVOH組成物を灰化後、塩酸水溶液に溶解して
原子吸光分析法によりアルカリ(土類)金属を定量する
ことにより行った。
【0057】実施例1 エチレン含有量32モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(A)を40%含有したメタノール溶液及びエチ
レン含有量47モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)を40%含有したメタノール溶液を作製した。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液85部にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体溶液15部を添加して40
℃で攪拌下に混合した。次いで、該混合溶液を、棚段塔
(ケン化塔)の塔上部に25kg/hrの速度で供給
し、同時に該エチレン−酢酸ビニル共重合体中の平均残
存酢酸基に対して0.012当量の水酸化ナトリウムを
含むメタノール溶液を塔上部より供給した。一方、塔底
から40kg/hrの速度でメタノール蒸気を沸点下で
供給した。塔内温度は110℃、塔圧は3.5kg・c
2Gであった。仕込み開始後30分からEVOH組成
物溶液が塔底から取り出された。得られたEVOH組成
物溶液は透明な均一溶液で、組成はEVOH組成物29
%、メタノール71%であり、EVOH組成物の酢酸ビ
ニル成分の平均ケン化度は99.1モル%であった。
【0058】続いて、該ケン化反応終了液に、30%含
水メタノール70部を共沸点下で供給しながら余分のメ
タノールを留去させ、EVOH組成物の水/メタノール
混合溶液[水/メタノール=30/70(重量比)、樹
脂濃度32%]を得た。続いて該EVOH組成物溶液
(液温50℃)を孔径4mmのノズルより5℃に維持さ
れた凝固液(水95%、メタノール5%よりなる)槽に
ストランド状に押し出して、EVOH組成物をストラン
ド状に凝固させた後、該ストランド状のEVOH組成物
を水槽の端部に付設された引き取りローラーに導き、カ
ッターで切断し、直径4mm、長さ4mmの白色の多孔
性ペレットを得た。更に、得られた白色の多孔性ペレッ
トを、30℃の温水中に投入して、約60分間撹拌洗浄
する操作を3回行い、含水EVOH組成物ペレット(含
水率60%)を得た後、塔式流動層乾燥機により窒素ガ
スを80℃雰囲気中で40分接触させて(空塔速度1.
6m/sec)、含水率25%のEVOH組成物ペレッ
トを得た。
【0059】次いで、得られたEVOH組成物ペレット
をストランドダイを備えた二軸押出機に供給して、以下
の条件にて溶融混練を行い、そのストランドを水槽中に
通して冷却後ペレタイザーで切断して、含水率が0.1
5%、MFRが4.8g/10分(210℃、荷重21
60g)、酢酸ナトリウム含有量が100ppm(Na
換算)のEVOH組成物ペレットを得た。該組成物中の
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)のケン化物(EV
OH)のケン化度は99.5モル%、ケン化物のMFR
は3.5g/10分(210℃、荷重2160g)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(B)のケン化物(EVO
H)のケン化度は96.8モル%、ケン化物のMFRは
30g/10分(210℃、荷重2160g)であっ
た。尚、かかる各EVOH成分のケン化度については、
該組成物ペレットを粉砕後、熱メタノールで抽出操作を
行い、各EVOH成分を分離後、それぞれのケン化度を
測定することにより求めた。
【0060】得られたEVOH組成物を目視観察した
が、無色・透明で黄着色は全く認められなかった。ま
た、かかる組成物は50kg/hrの割合で効率よく得
ることができた。更に、該ペレット化を連続して10h
r行ったが、ストランド切れや異物・目ヤニ等の発生は
全く認められず、安定してペレットが得られた。
【0061】 [二軸押出機による溶融ペレット化条件] スクリュ外径 57mmΦ L/D 44 ストランドダイ形状 径3.5mmΦの12穴 スクリーンメッシュ 90/120/90mesh ベント C5部とC8部を開放、C11部を真空吸引 ホッパー内 窒素シールを実施 スクリュ回転数 100rpm シリンダーの設定温度 C1:100℃(100℃) ( )内は実測温度 C2:100℃(100℃) C3:100℃(100℃) C4:150℃(146℃) C5:200℃(198℃) C6:200℃(178℃) C7:200℃(191℃) C8:200℃(185℃) C9:200℃(198℃) C10:200℃(198℃) C11:200℃(196℃) C12:200℃(202℃) C13:200℃(203℃) AD:200℃(200℃) D:200℃(199℃) スクリュ負荷 105Amp 樹脂圧力 12kg/cm2
【0062】上記の如く押出機のホッパー入り口部のシ
リンダーC1の温度(TI)は100℃で、押出機の出
口部のシリンダーC13の温度(TO)は203℃で、T0
/T I=2.03となり、本文中の(1)式の条件を満
足するものであり、また、押出機のフィーディングゾー
ンの温度(TF)は、C1〜C4の平均で111.5℃
で、メタリングゾーンの温度(TM)は、C10〜C13の
平均で199.75℃で、TM/TF=199.75/1
11.5=1.79となり、本文中の(2)式の条件も
満足するものであった。上記で得られたEVOH組成物
を用いて以下の方法で多層構造体の製造(加熱延伸成
形)を行って、外観性、ガスバリア性、連続成形性の評
価を行った。
【0063】[多層構造体の製造]上記で得られたEV
OH組成物をフィードブロック3種5層の多層Tダイを
備えた多層押出装置に供給して、ポリスチレン(エーア
ンドエムスチレン社製『ダイアレックス HT51
6』)層/接着樹脂(変性オレフィン系重合体;三菱化
学社製『モディックAP F502』)層/EVOH組
成物層/接着樹脂層(同左)/ポリスチレン層(同左)
の層構成(厚み450/90/120/90/450μ
m)の多層シートを得て、次にプラグアシスト型真空圧
空成形機(浅野研究所製)にて、ヒーター温度が500
℃で加熱時間28secでカップ(上面65mmΦ、底
面60mmΦ、深さ55m)の加熱延伸成形加工を行っ
て多層構造体を作製した。かかる多層構造体について、
外観性、ガスバリア性、連続成形性を下記の如く評価し
た。
【0064】(外観性)上記で得られたカップを、光学
顕微鏡で観察して下記の基準により評価した。 ○ −−− 微小なクラックやピンホール、局部的な偏
肉は全く認められない △ −−− カップの側面部に微小なクラックやピンホ
ール或いは局部的な偏肉が若干認められる × −−− カップの側面部に微小なクラックやピンホ
ール及び局部的な偏肉が著しく認められる
【0065】(ガスバリア性)上記で得られたカップの
上面をアルミ金属板で密封して酸素透過度を測定(モダ
ンコントロール社製「OXTRAN10/50」を用い
て23℃、50%RH条件)した。
【0066】(連続成形性)上記の延伸成形加工を連続
して2時間行って、120個のカップを得、以下のよう
に評価した。 ◎ −−− 120個とも上記外観性の評価が○である ○ −−− 117〜119個が上記の外観性の評価が
○である △ −−− 111〜116個が上記の外観性の評価が
○である × −−− 110個以下が上記の外観性の評価が○で
ある
【0067】実施例2 実施例1において、塔式流動層乾燥機により乾燥条件を
変更して、EVOH組成物ペレットの含水率を50%と
した以外は同様に行って、含水率が0.25%のEVO
H組成物を得た。得られたEVOH組成物を目視観察し
たが、無色・透明で黄着色は全く認められなかった。ま
た、かかる組成物は50kg/hrの割合で効率よく得
ることができた。更に、該ペレット化を連続して10h
r行ったが、ストランド切れや異物・目ヤニ等の発生は
全く認められず、安定してペレットが得られた。また、
実施例1と同様に多層構造体の外観性、ガスバリア性及
び連続成形性の評価も行った。
【0068】実施例3 実施例1において、塔式流動層乾燥機により乾燥条件を
変更して、EVOH組成物ペレットの含水率を10%と
した以外は同様に行って、含水率が0.25%のEVO
H組成物を得た。得られたEVOHペレットを目視観察
したが、無色・透明で黄着色は全く認められなかった。
また、かかるペレットは70kg/hrの割合で効率よ
く得ることができた。更に、該ペレット化を連続して1
0hr行ったが、ストランド切れや異物・目ヤニ等の発
生は全く認められず、安定したペレットの乾燥ができ
た。
【0069】実施例4 エチレン含有量34モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(A)を40%含有したメタノール溶液及びエチ
レン含有量44モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)を40%含有したメタノール溶液を作製した。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液80部にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体溶液20部を添加して40
℃で攪拌下に混合した。次いで、該混合溶液を、棚段塔
(ケン化塔)の塔上部に25kg/hrの速度で供給
し、同時に該エチレン−酢酸ビニル共重合体中の平均残
存酢酸基に対して0.012当量の水酸化ナトリウムを
含むメタノール溶液を塔上部より供給した。一方、塔底
から40kg/hrの速度でメタノール蒸気を沸点下で
供給した。塔内温度は110℃、塔圧は3.5kg・c
2Gであった。仕込み開始後30分からEVOH組成
物溶液が塔底から取り出された。得られたEVOH組成
物溶液は透明な均一溶液で、組成はEVOH組成物30
%、メタノール70%であり、EVOH組成物の酢酸ビ
ニル成分の平均ケン化度は98.9モル%であった。
【0070】続いて、該ケン化反応終了液に、35%含
水メタノール70部を共沸点下で供給しながら余分のメ
タノールを留去させ、EVOH組成物の水/メタノール
混合溶液[水/メタノール=35/65(重量比)、樹
脂濃度35%]を得た。続いて該EVOH組成物溶液
(液温50℃)を孔径4mmのノズルより5℃に維持さ
れた凝固液(水95%、メタノール5%よりなる)槽に
ストランド状に押し出して、EVOH組成物をストラン
ド状に凝固させた後、該ストランド状のEVOH組成物
を水槽の端部に付設された引き取りローラーに導き、カ
ッターで切断し、直径4mm、長さ4mmの白色の多孔
性ペレットを得た。更に、得られた白色の多孔性ペレッ
トを、30℃の温水中に投入して、約60分間撹拌洗浄
する操作を3回行い、含水EVOH組成物ペレット(含
水率60%)を得た後、塔式流動層乾燥機により窒素ガ
スを80℃雰囲気中で40分接触させて(空塔速度1.
6m/sec)、含水率25%のEVOH組成物ペレッ
トを得た。
【0071】次いで、得られたEVOH組成物ペレット
を実施例1と同様にして溶融混練を行い、含水率が0.
15%、MFRが4.1g/10分(210℃、荷重2
160g)、酢酸ナトリウム含有量が100ppm(N
a換算)のEVOH組成物ペレットを得た。該組成物中
のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)のケン化物のケ
ン化度は99.6モル%、ケン化物のMFRは3.0g
/10分(210℃、荷重2160g)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(B)のケン化物のケン化度は96.
1モル%、ケン化物のMFRは15g/10分(210
℃、荷重2160g)であった。尚、かかる各EVOH
成分のケン化度については、該組成物ペレットを粉砕
後、熱メタノールで抽出操作を行い、各EVOH成分を
分離後、それぞれのケン化度を測定することにより求め
た。
【0072】得られたEVOH組成物を目視観察した
が、無色・透明で黄着色は全く認められなかった。ま
た、かかる組成物は50kg/hrの割合で効率よく得
ることができた。更に、該ペレット化を連続して10h
r行ったが、ストランド切れや異物・目ヤニ等の発生は
全く認められず、安定してペレットが得られた。また、
実施例1と同様に多層構造体の外観性、ガスバリア性及
び連続成形性の評価も行った。
【0073】実施例5 エチレン含有量32モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(A)を40%含有したメタノール溶液、エチレ
ン含有量40モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)を40%含有したメタノール溶液及びエチレン
含有量49モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(C)を40%含有したメタノール溶液を作製した。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液65部にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体溶液20部及びエチレン−
酢酸ビニル共重合体溶液15部を添加して40℃で攪
拌下に混合した。次いで、該混合溶液を、棚段塔(ケン
化塔)の塔上部に20kg/hrの速度で供給し、同時
に該エチレン−酢酸ビニル共重合体中の平均残存酢酸基
に対して0.012当量の水酸化ナトリウムを含むメタ
ノール溶液を塔上部より供給した。一方、塔底から32
kg/hrの速度でメタノール蒸気を沸点下で供給し
た。塔内温度は110℃、塔圧は3.5kg・cm2
であった。仕込み開始後40分からEVOH組成物溶液
が塔底から取り出された。得られたEVOH組成物溶液
は透明な均一溶液で、組成はEVOH組成物26%、メ
タノール74%であり、EVOH組成物の酢酸ビニル成
分の平均ケン化度は99.1モル%であった。
【0074】続いて、該ケン化反応終了液に、30%含
水メタノール75部を共沸点下で供給しながら余分のメ
タノールを留去させ、EVOH組成物の水/メタノール
混合溶液[水/メタノール=30/70(重量比)、樹
脂濃度30%]を得た。続いて該EVOH組成物溶液
(液温50℃)を孔径4mmのノズルより5℃に維持さ
れた凝固液(水95%、メタノール5%よりなる)槽に
ストランド状に押し出して、EVOH組成物をストラン
ド状に凝固させた後、該ストランド状のEVOH組成物
を水槽の端部に付設された引き取りローラーに導き、カ
ッターで切断し、直径4mm、長さ4mmの白色の多孔
性ペレットを得た。更に、得られた白色の多孔性ペレッ
トを、30℃の温水中に投入して、約60分間撹拌洗浄
する操作を3回行い、含水EVOH組成物ペレット(含
水率60%)を得た後、塔式流動層乾燥機により窒素ガ
スを75℃雰囲気中で35分接触させて(空塔速度1.
6m/sec)、含水率30%のEVOH組成物ペレッ
トを得た。
【0075】次いで、得られたEVOH組成物ペレット
を実施例1と同様にして溶融混練を行い、含水率が0.
15%、MFRが5.0g/10分(210℃、荷重2
160g)、酢酸ナトリウム含有量が100ppm(N
a換算)のEVOH組成物ペレットを得た。該組成物中
のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)のケン化物のケ
ン化度は99.5モル%、ケン化物のMFRは3.5g
/10分(210℃、荷重2160g)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(B)のケン化物のケン化度は99.
5モル%、ケン化物のMFRは4.0g/10分(21
0℃、荷重2160g)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(C)のケン化度は97.0モル%、ケン化物のMF
Rは30g/10分(210℃、荷重2160g)であ
った。尚、かかる各EVOH成分のケン化度について
は、該組成物ペレットを粉砕後、熱メタノールで抽出操
作を行い、各EVOH成分を分離後、それぞれのケン化
度を測定することにより求めた。得られたEVOH組成
物を目視観察したが、無色・透明で黄着色は全く認めら
れなかった。また、かかる組成物は55kg/hrの割
合で効率よく得ることができた。更に、該ペレット化を
連続して10hr行ったが、ストランド切れや異物・目
ヤニ等の発生は全く認められず、安定してペレットが得
られた。また、実施例1と同様に多層構造体の外観性、
ガスバリア性及び連続成形性の評価も行った。
【0076】実施例6 実施例1において、二軸押出機による溶融混練条件の押
出温度を以下のように変更した以外は同様に行って、含
水率が0.22%のEVOH組成物(ペレット)を得
た。 シリンダーの設定温度 C1: 50℃(50℃) ( )内は実測温度 C2:100℃(100℃) C3:150℃(145℃) C4:200℃(198℃) C5:230℃(228℃) C6:230℃(227℃) C7:230℃(227℃) C8:230℃(224℃) C9:230℃(229℃) C10:230℃(230℃) C11:230℃(230℃) C12:230℃(231℃) C13:230℃(231℃) AD:230℃(230℃) D:230℃(229℃)
【0077】上記の如く押出機のホッパー入り口部のシ
リンダーC1の温度(TI)は50℃で、押出機の出口
部のシリンダーC13の温度(TO)は231℃で、T0
I=4.62となり、本文中の(1)式の条件を満足
するものであり、また、押出機のフィーディングゾーン
の温度(TF)は、C1〜C4の平均で123.25℃
で、メタリングゾーンの温度(TM)は、C10〜C13の
平均で230.5℃で、TM/TF=230.5/12
3.25=1.87となり、本文中の(2)式の条件も
満足するものであった。得られたEVOH組成物を目視
観察したが、無色・透明で黄着色は全く認められなかっ
た。また、かかる組成物は70kg/hrの割合で効率
よく得ることができた。更に、該ペレット化を連続して
10hr行ったが、ストランド切れや異物・目ヤニ等の
発生は全く認められず、安定してペレットが得られた。
また、実施例1と同様に多層構造体の外観性、ガスバリ
ア性及び連続成形性の評価も行った。
【0078】実施例7 実施例1において、二軸押出機による溶融混練条件の押
出温度を以下のように変更した以外は同様に行って、含
水率が0.20%のEVOH組成物(ペレット)を得
た。 シリンダーの設定温度 C1: 30℃(31℃) ( )内は実測温度 C2: 50℃(50℃) C3: 50℃(62℃) C4:100℃(97℃) C5:250℃(241℃) C6:250℃(241℃) C7:250℃(249℃) C8:250℃(248℃) C9:250℃(250℃) C10:250℃(250℃) C11:250℃(251℃) C12:250℃(251℃) C13:250℃(252℃) AD:250℃(250℃) D:250℃(250℃)
【0079】上記の如く押出機のホッパー入り口部のシ
リンダーC1の温度(TI)は31℃で、押出機の出口
部のシリンダーC13の温度(TO)は252℃で、T0
I=252/31=8.13となり、本文中の(1)
式の条件を満足するものであり、また、押出機のフィー
ディングゾーンの温度(TF)は、C1〜C4の平均で
60℃で、メタリングゾーンの温度(TM)は、C10〜
C13の平均で251℃で、TM/TF=251/60=
4.18となり、本文中の(2)式の条件も満足するも
のであった。得られたEVOH組成物を目視観察した
が、無色・透明で黄着色は全く認められなかった。ま
た、かかる組成物は70kg/hrの割合で効率よく得
ることができた。更に、該ペレット化を連続して10h
r行ったが、ストランド切れや異物・目ヤニ等の発生は
全く認められず、安定してペレットが得られた。また、
実施例1と同様に多層構造体の外観性、ガスバリア性及
び連続成形性の評価も行った。
【0080】実施例8 実施例1において、二軸押出機による溶融混練条件を以
下のように変更した以外は同様に行って、含水率が0.
20%のEVOH組成物(ペレット)を得た。
【0081】上記の如く押出機のホッパー入り口部のシ
リンダーC1の温度(TI)は99℃で、押出機の出口
部のシリンダーC6の温度(TO)は222℃で、T0
I=2.24となり、本文中の(1)式の条件を満足
するものであり、また、押出機のフィーディングゾーン
の温度(TF)は、C1〜C2の平均で99℃で、メタ
リングゾーンの温度(TM)は、C5〜C6の平均で2
20.5℃で、TM/T F=220.5/99=2.23
となり、本文中の(2)式の条件も満足するものであっ
た。得られたEVOH組成物を目視観察したが、無色・
透明で黄着色は全く認められなかった。また、かかる組
成物は150kg/hrの割合で効率よく得ることがで
きた。更に、該ペレット化を連続して10hr行った
が、ストランド切れや異物・目ヤニ等の発生は全く認め
られず、安定してペレットが得られた。また、実施例1
と同様に多層構造体の外観性、ガスバリア性及び連続成
形性の評価も行った。
【0082】実施例9 実施例1において、二軸押出機による溶融混練条件を以
下のように変更した以外は同様に行って、含水率が0.
25%のEVOH組成物(ペレット)を得た。
【0083】上記の如く押出機のホッパー入り口部のシ
リンダーC1の温度(TI)は100℃で、押出機の出
口部のシリンダーC7の温度(TO)は200℃で、T0
/T I=2となり、本文中の(1)式の条件を満足する
ものであり、また、押出機のフィーディングゾーンの温
度(TF)は、C1〜C2の平均で100℃で、メタリ
ングゾーンの温度(TM)は、C6〜C7の平均で19
8℃で、TM/TF=198/100=1.98となり、
本文中の(2)式の条件も満足するものであった。得ら
れたEVOH組成物を目視観察したが、無色・透明で黄
着色は全く認められなかった。また、かかる組成物は1
0kg/hrの割合で効率よく得ることができた。更
に、該ペレット化を連続して10hr行ったが、ストラ
ンド切れや異物・目ヤニ等の発生は全く認められず、安
定してペレットが得られた。また、実施例1と同様に多
層構造体の外観性、ガスバリア性及び連続成形性の評価
も行った。
【0084】実施例10 実施例1において、単軸押出機を用いて、その溶融混練
条件を以下のように変更した以外は同様に行って、含水
率が0.28%のEVOH組成物(ペレット)を得た。
【0085】上記の如く押出機のホッパー入り口部のシ
リンダーC1の温度(TI)は97℃で、押出機の出口
部のシリンダーC7の温度(TO)は277℃で、T0
I=2.86となり、本文中の(1)式の条件を満足
するものであり、また、押出機のフィーディングゾーン
の温度(TF)は、C1〜C2の平均で98℃で、メタ
リングゾーンの温度(TM)は、C6〜C7の平均で2
77℃で、TM/TF=277/98=2.83となり、
本文中の(2)式の条件も満足するものであった。得ら
れたEVOH組成物を目視観察したが、無色・透明で黄
着色は全く認められなかった。また、かかる組成物は1
00kg/hrの割合で効率よく得ることができた。更
に、該ペレット化を連続して10hr行ったが、ストラ
ンド切れや異物・目ヤニ等の発生は全く認められず、安
定してペレットが得られた。また、実施例1と同様に多
層構造体の外観性、ガスバリア性及び連続成形性の評価
も行った。
【0086】実施例11 実施例1において、得られたEVOH組成物の白色の多
孔性ペレット(凝固析出物)を、0.5%の酢酸水溶液
で洗浄後、0.1%の酢酸、0.03%の酢酸マグネシ
ウム、0.02%の酢酸カルシウムを含有する水溶液中
に投入し、30℃で5時間撹拌して、含水EVOH組成
物ペレット[乾燥後EVOH組成物中に酢酸100pp
m、酢酸マグネシウム35ppm(Mg換算)、酢酸カ
ルシウム20ppm(Ca換算)を含有]を得た以外は
同様に行って、含水率が0.15%のEVOH組成物
(ペレット)を得た。得られたEVOH組成物を目視観
察したが、無色・透明で黄着色は全く認められなかっ
た。また、かかる組成物は50kg/hrの割合で効率
よく得ることができた。更に、該ペレット化を連続して
10hr行ったが、ストランド切れや異物・目ヤニ等の
発生は全く認められず、安定してペレットが得られた。
また、実施例1と同様に多層構造体の外観性、ガスバリ
ア性及び連続成形性の評価も行った。
【0087】実施例12 実施例1において、得られたEVOH組成物の白色の多
孔性ペレット(凝固析出物)を、温水洗浄後、0.08
%のホウ酸を含有する水溶液中に投入し、30℃で5時
間撹拌して、含水EVOH組成物ペレット[乾燥後EV
OH組成物中にホウ酸380ppm(ホウ素換算)を含
有]を得た以外は同様に行って、含水率が0.15%の
EVOH組成物(ペレット)を得た。得られたEVOH
組成物を目視観察したが、無色・透明で黄着色は全く認
められなかった。また、かかる組成物は50kg/hr
の割合で効率よく得ることができた。更に、該ペレット
化を連続して10hr行ったが、ストランド切れや異物
・目ヤニ等の発生は全く認められず、安定してペレット
が得られた。また、実施例1と同様に多層構造体の外観
性、ガスバリア性及び連続成形性の評価も行った。
【0088】比較例1 実施例1において、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(A)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(B)をそれぞ
れ別々にケン化反応せしめ((A)のケン化度が99.
5モル%、(B)のケン化度が96.8モル%)、その
乾燥ペレット(EVOHペレット(A)の含水率0.3
0%、EVOH(B)の含水率0.25%)を所定量ド
ライブレンドして二軸押出機に供給して200℃で溶融
混練を行って、含水率が0.10%のEVOH組成物
(ペレット)を得た。得られたEVOH組成物(ペレッ
ト)を目視観察したが、着色(黄変)が若干認められ、
得られるEVOH組成物の量も乾燥工程から併せて算出
すると約1kg/hrと効率が悪いものであった。ま
た、実施例1と同様に多層構造体の外観性、ガスバリア
性及び連続成形性の評価も行った。実施例及び比較例の
外観性、ガスバリア性及び連続成形性の評価結果を表1
に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】本発明では、特定の条件でEVOHをブ
レンドしてEVOH組成物を得ているため、着色が抑制
された品質の良好なEVOH組成物(EVOHのブレン
ド物)を得ることができ、更に本発明の方法によれば、
連続的に安定したEVOH組成物を効率よく得ることが
でき、得られたEVOH組成物は、多層構造体用途にも
有用で、加熱延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連続
成形性に優れた多層構造体が得られ、食品、飲料、医薬
品、化粧品、工業薬品、洗剤、農薬、燃料等各種の包装
材料(フィルム、シート、容器等)をはじめ、繊維、各
種成形品などの用途に有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月23日(2000.8.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】実施例1 エチレン含有量32モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(A)を40%含有したメタノール溶液及びエチ
レン含有量47モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)を40%含有したメタノール溶液を作製した。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液85部にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体溶液15部を添加して40
℃で攪拌下に混合した。次いで、該混合溶液を、棚段塔
(ケン化塔)の塔上部に25kg/hrの速度で供給
し、同時に該エチレン−酢酸ビニル共重合体中の平均残
存酢酸基に対して0.012当量の水酸化ナトリウムを
含むメタノール溶液を塔上部より供給した。一方、塔底
から40kg/hrの速度でメタノール蒸気を沸点下で
供給した。塔内温度は110℃、塔圧は3.5kg/c
2であった。仕込み開始後30分からEVOH組成
物溶液が塔底から取り出された。得られたEVOH組成
物溶液は透明な均一溶液で、組成はEVOH組成物29
%、メタノール71%であり、EVOH組成物の酢酸ビ
ニル成分の平均ケン化度は99.1モル%であった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】実施例4 エチレン含有量34モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(A)を40%含有したメタノール溶液及びエチ
レン含有量44モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)を40%含有したメタノール溶液を作製した。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液80部にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体溶液20部を添加して40
℃で攪拌下に混合した。次いで、該混合溶液を、棚段塔
(ケン化塔)の塔上部に25kg/hrの速度で供給
し、同時に該エチレン−酢酸ビニル共重合体中の平均残
存酢酸基に対して0.012当量の水酸化ナトリウムを
含むメタノール溶液を塔上部より供給した。一方、塔底
から40kg/hrの速度でメタノール蒸気を沸点下で
供給した。塔内温度は110℃、塔圧は3.5kg/c
2であった。仕込み開始後30分からEVOH組成
物溶液が塔底から取り出された。得られたEVOH組成
物溶液は透明な均一溶液で、組成はEVOH組成物30
%、メタノール70%であり、EVOH組成物の酢酸ビ
ニル成分の平均ケン化度は98.9モル%であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】実施例5 エチレン含有量32モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(A)を40%含有したメタノール溶液、エチレ
ン含有量40モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)を40%含有したメタノール溶液及びエチレン
含有量49モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(C)を40%含有したメタノール溶液を作製した。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液65部にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体溶液20部及びエチレン−
酢酸ビニル共重合体溶液15部を添加して40℃で攪
拌下に混合した。次いで、該混合溶液を、棚段塔(ケン
化塔)の塔上部に20kg/hrの速度で供給し、同時
に該エチレン−酢酸ビニル共重合体中の平均残存酢酸基
に対して0.012当量の水酸化ナトリウムを含むメタ
ノール溶液を塔上部より供給した。一方、塔底から32
kg/hrの速度でメタノール蒸気を沸点下で供給し
た。塔内温度は110℃、塔圧は3.5kg/cm2
であった。仕込み開始後40分からEVOH組成物溶液
が塔底から取り出された。得られたEVOH組成物溶液
は透明な均一溶液で、組成はEVOH組成物26%、メ
タノール74%であり、EVOH組成物の酢酸ビニル成
分の平均ケン化度は99.1モル%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA13 AA26 AA28 AB09 AB11 AB13 BB08 FA03 FA17 FB06 FC05 4J002 BE03W BE03X DE026 FD010 FD020 FD04 FD050 FD060 FD070 FD090 FD100 FD170 FD180 FD20 FD310 GF00 GG01 GG02 HA04 4J100 AA02P AG04Q BA03H CA04 CA31 DA01 EA01 GC17 GC35 HA09 HA61 HB25 HB37 HB39 HB52 HC12 HC43 HE12 HE32 HE41 HF00 JA58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
    体を溶液状態で混合してからケン化した後、凝固・析出
    させて、含水率5〜60重量%のエチレン−酢酸ビニル
    共重合体ケン化物組成物を得て、該組成物を溶融混練し
    て含水率を5重量%未満にすることを特徴とするエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物の製造法。
  2. 【請求項2】 溶融混練を行うにあたり、押出機を用
    い、かつ押出機のホッパー入り口部のシリンダーの温度
    (TI)と押出機の出口部のシリンダーの温度(TO)が
    下記(1)式の条件を満足することを特徴とする請求項
    1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物
    の製造法。 1.1≦T0/TI<10 ・・・(1) (但し、T0、TI共に単位は℃)
  3. 【請求項3】 溶融混練を行うにあたり、押出機を用
    い、かつ押出機のフィーディングゾーンの温度(TF
    とメタリングゾーンの温度(TM)が下記(2)式の条
    件を満足することを特徴とする請求項1記載のエチレン
    −酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物の製造法。 1.1≦TM/TF<10 ・・・(2) (但し、TM、TF共に単位は℃)
  4. 【請求項4】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    組成物が、平均エチレン含量5〜70モル%で、酢酸ビ
    ニル成分の平均ケン化度が85モル%以上であることを
    特徴とする請求項1〜3いずれか記載のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体ケン化物組成物の製造法。
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