JP2001089581A - シートおよびその製造方法 - Google Patents

シートおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2001089581A
JP2001089581A JP26951799A JP26951799A JP2001089581A JP 2001089581 A JP2001089581 A JP 2001089581A JP 26951799 A JP26951799 A JP 26951799A JP 26951799 A JP26951799 A JP 26951799A JP 2001089581 A JP2001089581 A JP 2001089581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sheet
liquid crystal
olefin
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26951799A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Tachikawa
浩司 立川
Daisuke Sato
大輔 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP26951799A priority Critical patent/JP2001089581A/ja
Publication of JP2001089581A publication Critical patent/JP2001089581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来よりも表面平滑性、遮音性に優れ、厚みむ
らが少なく、破壊起点となりうる欠点が低減されたシー
トを提供する。 【解決手段】オレフィン系樹脂(A)100重量部に対
して、液晶性樹脂(B)0.5〜100重量部を溶融混
練してなる熱可塑性樹脂組成物からなるシートにおい
て、(A)および(B)を溶融混練する時の樹脂温度に
おけるせん断速度1000/秒での(A)の(B)に対
する溶融粘度比((A)の溶融粘度/(B)の溶融粘
度)が1.2〜100であるオレフィン系樹脂(A)と
液晶性樹脂(B)の組み合わせであり、かつ該液晶性樹
脂(B)が下記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)か
らなる液晶性ポリエステルであることを特徴とするシー
ト。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面平滑性、遮音
性に優れ、厚みむらが少なく、破壊起点となりうる欠点
が低減されたシートの製造方法および成形品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂は、その優れた諸特性
を生かし、射出成形材料として機械機構部品、電気電子
部品、自動車部品などの幅広い分野に利用されつつあ
る。一方、フィルム状に加工され磁気媒体を塗布されて
記録媒体として用いたり、金属・樹脂などの成形品やシ
ート、フィルムに積層接着して表面改質材や緩衝材とし
て用いたり、ブロー成形などによりボトル、タンクなど
に加工されて用いたりと、射出成形材料としてだけでな
く、シート・フィルムとして利用される場面が非常に多
くなっている。
【0003】また、ポリスチレンやポリ塩化ビニルなど
の熱可塑性樹脂のシートを賦形した後発泡させた発泡体
シートも、緩衝材や断熱材などに広く利用されている。
これら従来の熱可塑性樹脂シートおよび発泡体の性能
は、必ずしも十分とはいえず、用途によっては耐熱変形
性や機械的強度等を改良する必要があり、その方法とし
て、例えばガラス繊維等の強化繊維を発泡体中に分散さ
せて成形する方法(特開平4−110129号公報)等
が開示されている。
【0004】一方で液晶性樹脂は、優れた機械的性質お
よび熱特性を有していることから、熱可塑性樹脂に溶融
混合し、液晶性樹脂による補強効果をねらった検討が数
多くなされている。
【0005】シートについても熱可塑性樹脂の液晶性樹
脂補強による機械特性向上の検討が、特開平5−848
01号公報、特開平9−136340号公報、特開平1
0−264242号公報、特開平10−316786号
公報などに開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4−1
10129号公報による補強方法は、ガラス繊維等の補
強繊維が分散した状態で熱可塑性樹脂発泡体を成形する
ので、繊維が破泡を引き起こし、発泡倍率の高い成形品
を得ることができず、また、リサイクルによる機械特性
の低下という問題があった。
【0007】また、液晶性樹脂の特徴として、高せん断
下では溶融粘度が著しく低いことが挙げられる。そのた
めに、特開平5−84801号公報、特開平9−136
340号公報、特開平10−264242号公報、特開
平10−316786号公報などに開示されている従来
の方法では、熱可塑性樹脂と混練する場合に、配向を助
長させる高せん断条件下においては、液晶性樹脂の粘度
が小さすぎ、熱可塑性樹脂との混和が十分に行えず、分
散分布が大きくなり、粗大分散部分が破壊起点となり強
度が十分に得られなかった。また、粘度比が大きすぎる
ために、広範囲にわたって液晶性樹脂が表面に浮きだ
し、熱可塑性樹脂表面の部分との境界面で収縮率の違い
に起因する段差を生じ、表面あれにつながってしまって
いた。
【0008】また、このような分散分布の大きな液晶性
樹脂粒子の存在は、シート賦形後の部分的な収縮率の違
いに起因する厚みむらを生じてしまっていた。このよう
な厚みむらが存在する場合には、二次加工を経て、もし
くはそのまま切り出して成形品とした場合にも、寸法精
度の悪化の原因となり好ましくなかった。
【0009】そこで、本発明の目的としては、表面平滑
性、遮音性に優れ、厚みむらが少なく、破壊起点となり
うる欠点が低減されたシートの取得を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は(1)オレフィン系樹脂(A)100重
量部に対して、液晶性樹脂(B)0.5〜100重量部
を溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物からなるシート
において、オレフィン系樹脂(A)および液晶性樹脂
(B)を溶融混練する時の樹脂温度におけるせん断速度
1000/秒でのオレフィン系樹脂(A)の液晶性樹脂
(B)に対する溶融粘度比(オレフィン系樹脂(A)の
溶融粘度/液晶性樹脂(B)の溶融粘度)が1.2〜1
00であるオレフィン系樹脂(A)と液晶性樹脂(B)
の組み合わせであり、かつ該液晶性樹脂(B)が下記構
造単位(I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリ
エステルであることを特徴とするシート、
【0011】
【化4】
【0012】(ただし式中のR1
【0013】
【化5】
【0014】から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【0015】
【化6】
【0016】から選ばれた1種以上の基を示す。ただし
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。) (2)オレフィン系樹脂(A)が結晶性であり、配合す
る液晶性樹脂(B)の液晶開始温度がオレフィン系樹脂
(A)の融点より20℃以上高温であることを特徴とす
る上記(1)記載のシート、(3)シートの厚みが0.
1〜20mmであることを特徴とする上記(1)または
(2)記載のシート、(4)オレフィン系樹脂(A)と
配合した液晶性樹脂(B)のせん断速度1000/秒で
の溶融粘度比(オレフィン系樹脂(A)の溶融粘度/液
晶性樹脂(B)の溶融粘度)が1.2〜100になる温
度において、ニーディングディスクを少なくとも1つ以
上組み込んだスクリューアレンジで、周速度7.5〜3
0m/分で溶融混練して組成物とし、その後、該組成物
を成形することにより、上記(1)〜(3)いずれか記
載のシートを製造することを特徴とするシートの製造方
法を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いるオレフィン系樹脂
(A)としては、配合する液晶性樹脂(B)に対する溶
融粘度比(オレフィン系樹脂(A)の溶融粘度/液晶性
樹脂(B)の溶融粘度)が本発明の必須範囲である1.
2〜100にあれば用いることができ、例えば、通常の
PS(ポリスチレン)、シンジオタクチックポリスチレ
ン等のスチレン系重合体、HIPS(高衝撃ポリスチレ
ン)等のゴム強化スチレン系重合体、AS(アクリロニ
トリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、
AES(アクリロニトリル/エチレン・プロピレン・非
共役ジエンゴム/スチレン共重合体)、ABS(アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、MBS
(メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合
体)などのゴム強化(共)重合体等が挙げられ、なかで
も特にPS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、A
S(アクリロニトリル/スチレン共重合体)等のスチレ
ン系共重合体、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン
/スチレン共重合体)などのスチレン系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、アクリル、塩化ビニル、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系重合体、新
規ポリオレフィン(リニア低密度ポリエチレン、超低密
度ポリエチレン、環状オレフィン系樹脂もしくは共重合
体、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチ
ックポリプロピレン、エチレン/一酸化炭素共重合
体)、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−
ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン
共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチ
レン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢
酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチ
レン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体などの
オレフィン系共重合体、熱可塑性スチレンブタジエンエ
ラストマー、熱可塑性オレフィンエラストマー、等のエ
ラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物、
ポリアクリレートなど、およびこれらの変性材あるいは
1種または2種以上のブレンド物(アロイ材も含む)等
の溶融成形可能な樹脂が挙げられる。これらの樹脂のう
ち、ポリスチレンをはじめとするスチレン系樹脂、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、新規ポリオレフィンおよび
それらの共重合体が好ましく用いられる。
【0018】また、オレフィン系樹脂は必要に応じて架
橋性のものであってもよく、架橋性のものを用いること
は、シートを発泡体として用いる場合に、発泡倍率が向
上し、得られる発泡成形体の軽量化を図ることができる
とともに熱安定性をも向上するため、好適である。
【0019】オレフィン系樹脂(A)は、溶融混練する
時の樹脂温度におけるせん断速度1000/秒における
液晶性樹脂(B)との溶融粘度比(オレフィン系樹脂
(A)の溶融粘度/液晶性樹脂(B)の溶融粘度)が
1.2〜100の範囲にあるものを選択することが必須
であり、それを満たすものであれば、シート化工程の温
度において10〜50000Pa・sの溶融粘度のもの
を好ましく用いることができ、より好ましくは、50〜
30000Pa・sである。オレフィン系樹脂(A)と
して、2種以上の樹脂を用いる場合には、その混合した
樹脂の溶融粘度を測定する。
【0020】オレフィン系樹脂(A)の溶融粘度の測定
は、ノズル径1.0mmφもしくは1.5mmφ、ノズ
ル長10mmのノズルを用いメルトインデクサーによっ
て測定することができる。
【0021】また、オレフィン系樹脂(A)が結晶性で
ある場合の融点については、液晶性樹脂(B)の液晶開
始温度より少なくとも20℃以上低温であることが好ま
しく、より好ましくは25℃以上低温であり、さらに好
ましくは30℃以上低温であり、オレフィン系樹脂
(A)が1種以上の樹脂から構成される場合には、観測
されるオレフィン系樹脂(A)に帰属される吸熱ピーク
の内、最も高温に観測された融点が、上記範囲にあり、
かつ270℃以下であることが好ましく、より好ましく
は250℃以下であり、さらに好ましくは220℃以下
である。
【0022】ここで融点とは、DSCにより、室温から
40℃/分の昇温条件で300℃までの観測後、5分間
保持し、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2)を融点とする。
【0023】また、オレフィン系樹脂(A)が非晶質で
ある場合には、融点は観測されない。その場合には、液
晶性樹脂(B)の液晶開始温度はオレフィン系樹脂
(A)のガラス転移温度より少なくとも40℃以上高温
にあることが好ましく、より好ましくは50℃以上であ
り、さらに好ましくは60℃以上高温にあることであ
る。
【0024】オレフィン系樹脂(A)のガラス転移温度
の測定は、DSCにより、−80から10℃/分で昇温
していった場合に観測される変曲点の内、最も高温に観
測されたものをいう。これは、オレフィン系樹脂が2種
以上から構成されている場合にも同様である。
【0025】液晶性樹脂(B)の液晶開始温度は、剪断
応力加熱装置(CSS−450)によりせん断速度1,
000(1/秒)、昇温速度1.0℃/分、対物レンズ
60倍において測定し、視野全体が流動開始する温度を
液晶開始温度とする。
【0026】本発明で用いる液晶性樹脂(B)は、溶融
混練する温度において、せん断速度1000/秒でのオ
レフィン系樹脂(A)に対する溶融粘度比(オレフィン
系樹脂(A)の溶融粘度/液晶性樹脂(B)の溶融粘
度)が1.2〜100になるものを選択することが必要
であり、溶融粘度比が1.5〜80になることが好まし
く、溶融粘度比が2.0〜50になることがより好まし
い。
【0027】また、本発明の液晶性樹脂(B)は、下記
(I)、(II)、(III) および(IV)の構造単位からな
る液晶性ポリエステルである。
【0028】
【化7】
【0029】(ただし式中のR1
【0030】
【化8】
【0031】から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【0032】
【化9】
【0033】から選ばれた1種以上の基を示す。ただし
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。) 上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成し
た構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、
t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上
の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、
構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造
単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一
種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各
々示す。これらのうちR1
【0034】
【化10】
【0035】であり、R2
【0036】
【化11】
【0037】であるものが特に好ましい。
【0038】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは、上記構造単位(I)、(III)、(IV)か
らなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(III)、
(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であり、
上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合
量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるた
めには次の共重合量であることが好ましい。
【0039】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(I
II)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)
の合計に対して30〜95モル%が好ましく、50〜8
5モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造
単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5
モル%が好ましく、50〜15モル%がより好ましい。
また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]
は好ましくは75/25〜95/5であり、より好まし
くは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)
は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルで
あることが好ましい。
【0040】ここで実質的に等モルとは、末端を除くポ
リマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端
を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らな
いことを意味する。
【0041】上記好ましく用いることができる液晶性ポ
リエステルは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分
以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−
ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、
3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族
ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールお
よびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフ
トエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−ア
ミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを液晶性を損
なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができ
る。
【0042】本発明において使用する上記液晶性樹脂
(B)の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0043】すなわち、ポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジ
カルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの
存在下で、p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジ
アセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳
香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液
晶性ポリエステルを製造する方法、またはp−ヒドロキ
シ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させ
て、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮
合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法によ
り液晶性ポリエステルを製造する方法などを用いること
ができる。
【0044】液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒
でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用するこ
ともできる。
【0045】本発明で使用する液晶性樹脂(B)は、溶
融混練する時の温度において、せん断速度1000/秒
でのオレフィン系樹脂(A)の液晶性樹脂(B)に対す
る溶融粘度比(オレフィン系樹脂(A)の溶融粘度/液
晶性樹脂(B)の溶融粘度)が1.2〜100になるよ
う選択することが必須であるが、これを満たすものであ
れば、液晶性樹脂(B)の融点+10℃において測定し
たせん断速度1000/秒での溶融粘度は3〜90Pa
・sであることが好ましく、より好ましくは5〜50P
a・sであり、さらに好ましくは8〜30Pa・sであ
る。
【0046】なお、ここで溶融粘度は、ノズル径0.5
mmφもしくは1.0mmφ、ノズル長10mmのノズ
ルを用い高化式フローテスターによって測定した値であ
る。
【0047】ここで溶融混練する時の温度とは、オレフ
ィン系樹脂(A)と液晶性樹脂(B)とを混練する際の
樹脂温度である。通常、液晶性樹脂(B)の液晶開始温
度以上の温度であるが、一度オレフィン系樹脂(A)と
液晶性樹脂(B)とを液晶性樹脂の融点以上で混練した
のち液晶性樹脂(B)粒子を延伸や高せん断下での成形
によって繊維配向させることも可能である。
【0048】ここで融点とは示差熱量測定において、重
合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件
で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の
観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、2
0℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度2
0℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピー
ク温度(Tm2)を融点とする。
【0049】液晶性樹脂(B)の融点は、特に限定され
ないが、オレフィン系樹脂(A)への分散性の点から好
ましくは340℃以下、より好ましくは320℃以下で
ある。
【0050】液晶性樹脂(B)の配合量は、本発明の効
果をより鮮明に発揮するために、オレフィン系樹脂
(A)100重量部に対して、0.5〜100重量部が
必須であり、好ましくは1〜75重量部、より好ましく
は2〜35重量部である。
【0051】添加量が多すぎると液晶性樹脂の分散性が
低下し、表面の平滑性向上効果や破壊起点の低減効果が
十分に発揮されない。
【0052】本発明において、オレフィン系樹脂(A)
中に分散する液晶性樹脂(B)の分散状態に関して特に
限定しないが、オレフィン系樹脂(A)中に分散する液
晶性樹脂(B)の分散径分布幅が狭い方が、本発明の効
果である遮音性や表面平滑性が顕著に発揮されるために
好ましい。好ましくは粒子の長径の数平均分散径よりプ
ラスマイナス数平均分散径×0.3の分散範囲に60%
以上の粒子が存在すること、より好ましくは70%以
上、より好ましくは75%以上存在することである。
【0053】また、液晶性樹脂(B)粒子の数平均分散
粒子径については、表面平滑性と遮音性をバランス良く
発現するために、1〜80μmであることが好ましく、
より好ましくは2〜50μm、さらに好ましくは5〜3
0μmである。
【0054】オレフィン系樹脂(A)中の液晶性樹脂
(B)の数平均分散径の測定方法は、組成物を切削して
得られたコア層部分の切片を電子透過型顕微鏡(TE
M)により観察・写真撮影し、分散粒子100個の平均
値をそれぞれ数平均分散径として求め、さらに分布幅を
算出することができる。なお分散粒子径は長径で測定す
るものとする。
【0055】また、本発明のシートは予め発泡剤を添加
しておけば、発泡体とすることが可能であり、発泡体の
製造において通常使用する熱分解型発泡剤は、用いるオ
レフィン系樹脂の溶融温度より高く、液晶性樹脂の液晶
開始温度より少なくとも10℃以上低い分解温度を有す
るものであれば、特に限定されず、例えば重炭酸ナトリ
ウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド
化合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡
剤、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン、P,P’−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ン、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリア
ジン、5−フェニルテトラゾール等が挙げられ、分解温
度や分解速度の調整が容易でガス発生量が多く、衛生上
優れたアゾジカルボンアミドが好ましい。
【0056】熱分解発泡剤の量は、オレフィン系樹脂
(A)および液晶性樹脂(B)の合計量100重量部に
対し、0〜30重量部が好ましく、1〜20重量部がよ
り好ましい。
【0057】また、発泡体の発泡倍率は、組成や製品に
必要な性能、用途に応じて適宜選択されるが、通常2〜
50倍、好ましくは2〜30倍、より好ましくは3〜2
0倍の範囲である。低倍率発泡成形体とする場合には、
1.1〜2倍とすることも勿論可能である。
【0058】本発明の特性を損なわない範囲でシートに
導電性を付与するために導電性フィラー及び/又は導電
性ポリマーを使用することが可能であり、特に限定され
るものではないが、導電性フィラーとして、通常樹脂の
導電化に用いられる導電性フィラーであれば特に制限は
無く、その具体例としては、金属粉、金属フレーク、金
属リボン、金属繊維、金属酸化物、導電性物質で被覆さ
れた無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、炭素繊維、カ
ーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。
【0059】金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属
種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示で
きる。
【0060】金属繊維の金属種の具体例としては鉄、
銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示でき
る。
【0061】かかる金属粉、金属フレーク、金属リボ
ン、金属繊維はチタネート系、アルミ系、シラン系など
の表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
【0062】金属酸化物の具体例としてはSnO2 (ア
ンチモンドープ)、In2 3 (アンチモンドープ)、
ZnO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これら
はチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤
で表面処理を施されていても良い。
【0063】導電性物質で被覆された無機フィラーにお
ける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケ
ル、銀、カーボン、SnO2 (アンチモンドープ)、I
23 (アンチモンドープ)などが例示できる。また
被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビー
ズ、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ
ー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アル
ミニウムウィスカー、酸化亜鉛系ウィスカー、酸化チタ
ン酸系ウィスカー、炭化珪素ウィスカーなどが例示でき
る。被覆方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
無電解メッキ法、焼き付け法などが挙げられる。またこ
れらはチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処
理剤で表面処理を施されていても良い。
【0064】カーボン粉末はその原料、製造法からアセ
チレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフ
タリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラッ
ク、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラ
ック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用
いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は
特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネス
ブラックが特に好適に用いられる。またカーボン粉末
は、その粒子径、表面積、DBP吸油量、灰分などの特
性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発
明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性に
特に制限は無いが、強度、電気伝導度のバランスの点か
ら、平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、
更には10〜70nmが好ましい。また表面積(BET
法)は10m2 /g以上、更には30m2 /g以上が好
まし。またDBP給油量は50ml/100g以上、特
に100ml/100g以上が好ましい。また灰分は
0.5%以下、特に0.3%以下が好ましい。
【0065】かかるカーボン粉末はチタネート系、アル
ミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されて
いても良い。また溶融混練作業性を向上させるために造
粒されたものを用いることも可能である。
【0066】シートあるいは発泡体は、しばしば表面の
平滑性が求められる。かかる観点から、本発明で用いら
れる導電性フィラーは、高いアスペクト比を有する繊維
状フィラーよりも、粉状、粒状、板状、鱗片状、或いは
樹脂組成物中の長さ/直径比が200以下の繊維状のい
ずれかの形態であることが好ましい。
【0067】本発明で用いられる導電性ポリマーの具体
例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチ
レン、ポリ(パラフェニレン)、ポリチオフェン、ポリ
フェニレンビニレンなどが例示できる。
【0068】上記導電性フィラー及び/又は導電性ポリ
マーは、2種以上を併用して用いても良い。かかる導電
性フィラー、導電性ポリマーの中で、特にカーボンブラ
ックが強度、コスト的に特に好適に用いられる。
【0069】本発明で用いられる導電性フィラー及び/
又は導電性ポリマーの含有量は、用いる導電性フィラー
及び/又は導電性ポリマーの種類により異なるため、一
概に規定はできないが、導電性と流動性、機械的強度な
どとのバランスの点から、(A)成分と(B)成分の合
計100重量部に対し、1〜250重量部、好ましくは
3〜100重量部の範囲が好ましく選択される。
【0070】また導電性を付与した場合、十分な帯電防
止性能を得る意味で、その体積固有抵抗が1010Ω・c
m以下であることが好ましい。但し上記導電性フィラ
ー、導電性ポリマーの配合は一般に強度、流動性の悪化
を招きやすい。そのため目標とする導電レベルが得られ
れば、上記導電性フィラー、導電性ポリマーの配合量は
できるだけ少ない方が望ましい。目標とする導電レベル
は用途によって異なるが、通常体積固有抵抗が100Ω
・cmを越え、1010Ω・cm以下の範囲である。
【0071】本発明においてシートの機械強度その他の
特性を付与するために充填剤を使用することが可能であ
り、特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉
末状、粒状などの充填剤を使用することができる。具体
的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素
繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維な
どの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、
石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニ
ア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、
炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィ
スカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニ
ウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、
ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリ
カ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、
ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カ
ルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状
の充填剤が挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維およ
び導電性が必要な場合にはPAN系の炭素繊維が好まし
く使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化
用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイ
プや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファ
イバーなどから選択して用いることができる。また、上
記の充填剤は2種以上を併用して使用することもでき
る。なお、本発明に使用する上記の充填剤はその表面を
公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面
処理剤で処理して用いることもできる。
【0072】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0073】上記の充填剤の添加量は、オレフィン系樹
脂(A)、液晶性樹脂(B)の合計100重量部に対
し、通常、0.5〜200重量部であり、好ましくは5
〜150重量部、より好ましくは10〜110重量部で
ある。
【0074】さらに本発明においてオレフィン系樹脂
(A)と液晶性樹脂(B)の相溶性をさらに向上させる
ことが必要な場合、酸無水物あるいは多価エポキシ化合
物を添加することが可能である。酸無水物の例として
は、無水安息香酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無
水オクタン酸、無水グルタル酸、無水コハク酸、無水酢
酸、無水ジメチルマレイン酸、無水デカン酸、無水トリ
メリト酸、無水1,8−ナフタル酸、無水フタル酸、無
水マレイン酸などが挙げられ、中でも無水コハク酸、無
水1,8−ナフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸
などが好ましく用いられる。また、多価エポキシ化合物
は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であ
る。好ましくは多価エポキシ化合物は、エポキシ当量1
00〜1000の多官能エポキシ化合物から選択され
る。そのような多価エポキシ化合物としては、例えばノ
ボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボ
ラック等)とエピクロルヒドリンとを反応させて得られ
るノボラック型エポキシ化合物が挙げられる。または、
1分子に2個以上の活性水素を有する化合物とエピクロ
ルヒドリンまたは2-メチルエピクロルヒドリンとを反応
させて得られる化合物が挙げられる。1分子に2個以上
の活性水素を有する化合物としては、例えば多価フェノ
ール類(ビスフェノールA、ビスヒドロキシジフェニル
メタン、レゾルシン、ビスヒドロキシジフェニルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノールA等)、多価アルコー
ル類(エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ビスフェノールA‐エチレンオキシド付加物、ト
リスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、アミノ化
合物(例えばエチレンジアミン、アニリン等)、多価カ
ルボキシ化合物(例えばアジピン酸、フタル酸、イソフ
タル酸等)が挙げられる。そのような多価エポキシ化合
物の例としては、例えばテレフタル酸ジグリシジルエス
テル、トリグリシジルシアヌレート、ヒドロキノンジグ
リシジルエーテル、N,N'- ジグリシジルアニリン等が挙
げられる。その他に、線状脂肪族エポキシ化合物、例え
ばブタジエンダイマージエポキシド、エポキシ化大豆油
など、脂環式エポキシ化合物、例えばビニルシクロヘキ
センジオキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド等
などが挙げられる。これらを単独でまたは2種以上組合
せて使用する。
【0075】本発明の酸無水物または多価エポキシ化合
物の配合量は、成形性および熱安定性の点からオレフィ
ン系樹脂(A)と液晶性樹脂(B)の合計100重量部
に対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましく
は0.05〜3重量部、特に好ましくは0.1〜2重量
部である。酸無水物または多価エポキシ化合物を用いる
ことにより、オレフィン系樹脂(A)中に分散する液晶
性樹脂(B)の分散粒子径分布幅が狭くなり、結果的に
液晶性樹脂添加によるシートの表面平滑性や欠点数の低
減効果を十分に得ることが可能である。しかし、添加す
る酸無水物量または多価エポキシ化合物量が多すぎると
コンパウンド時および押出成形時にガス発生あるいは反
応過多によるゲル化が起こり押出時の分解発泡、押出加
工不能、噛み込み不良、成形品のガス焼け等の原因とな
り、得られた成形品も表面外観のみならず、機械特性も
低下する傾向にある。
【0076】また、本発明のシートに用いるシート用熱
可塑性樹脂組成物の製造においては、層剥離の低減のた
めに、本発明の効果が十分に発揮される程度に相溶化成
分を添加することができる。 相溶化成分としては、ア
クリル酸オリゴマー、メタクリル酸オリゴマー、変性ア
クリル酸オリゴマー、変性メタクリル酸オリゴマー、エ
チレン−マレイン酸無水物共重合オリゴマー、エチレン
−メチルアクリレート共重合オリゴマー、エチレン−エ
チルアクリレート共重合オリゴマー、エチレン−グリシ
ジルメタクリレート共重合オリゴマー、エチレン−メチ
ルメタクリレート−グリシジルメタクリレートターオリ
ゴマー、エチレン−エチルメタクリレート−グリシジル
メタクリレートターオリゴマー、エチレン−メチルアク
リレート−グリシジルメタクリレートターオリゴマー、
エチレン−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレ
ートターオリゴマー、エチレン−メチルメタクリレート
−マレイン酸無水物ターオリゴマー、エチレン−エチル
メタクリレート−マレイン酸無水物ターオリゴマー、エ
チレン−メチルアクリレート−マレイン酸無水物ターオ
リゴマー、エチレン−エチルアクリレート−マレイン酸
無水物ターオリゴマーなどの直鎖型、グラフト型などが
好ましく用いることができ、必要に応じて反応性を上げ
るために、チタン系、錫系、マンガン系などのエステル
交換試薬を添加することができる。また、末端変性型の
オレフィン系オリゴマーを用いることも可能である。こ
れらの相溶化成分やエステル交換試薬の添加量は、本発
明の効果が十分に発揮できる範囲で適宜用いることがで
きる。
【0077】本発明における組成物中には本発明の効果
を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱
安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホ
スファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾ
ルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型
剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステ
ル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステ
アラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレン
ワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニ
ン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結
晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑
剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼン
スルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェー
ト型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチ
オン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン
系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミ
ンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポ
リスチレン、臭素化PPO、臭素化PC、臭素化エポキ
シ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモ
ンとの組み合わせ等)、他の重合体(ポリフェニレンス
ルフィド、ポリエーテルスルフォン等)を添加すること
ができる。
【0078】本発明のシートを得る方法については特に
制限はないが、該シートを製造する際に、オレフィン系
樹脂(A)と配合した液晶性樹脂(B)のせん断速度1
000/秒での溶融粘度比(オレフィン系樹脂(A)の
溶融粘度/液晶性樹脂(B)の溶融粘度)が1.2〜1
00になる温度であって、かつオレフィン系樹脂(A)
および液晶性樹脂(B)が熱により劣化しない程度の温
度において、少なくとも1つ以上のニーディングディス
クを組み込んだスクリューアレンジで、周速度7.5〜
30m/分で溶融混練して組成物とし、その後、押出成
形、ブロー成形、プレス成形、射出成形などによりシー
トに成形して製造する方法が好ましく用いられ、ニーデ
ィングディスクは2つ以上組み込むことがより好まし
く、周速度は10〜25m/分がより好ましい。また、
液晶性樹脂(B)の液晶開始温度以上の温度で混練し、
幅100〜800mm、リップ開度0.1〜10mmの
Tダイから押し出すことによりシート状に賦形してもよ
い。この場合には、クリアランスをリップ開度より0.
2mm程度狭めに設定した冷却ローラーを通して冷却延
伸しつつ寸法を安定させることによっても成形できる。
【0079】一度オレフィン系樹脂(A)と液晶性樹脂
(B)を混練して組成物とした後、これをシート状に成
形する場合には、液晶性樹脂(B)の液晶開始温度より
少なくとも20℃以上低い温度かつオレフィン系樹脂
(A)の融点以上の温度においてシート状に賦形するの
が好ましく、より好ましくは液晶性樹脂(B)の液晶開
始温度より少なくとも30℃以上低い温度かつオレフィ
ン系樹脂(A)の融点以上の温度であり、さらに好まし
くは液晶性樹脂(B)の液晶開始温度より少なくとも4
0℃以上低い温度かつオレフィン系樹脂(A)の融点以
上の温度である。この温度においては、シート化工程を
繰り返し行う再成形品においても、液晶性樹脂の配向が
緩和せず、各特性の低下は極小さい。また、リサイクル
過程において、一度溶融した場合にも、溶融粘度比が本
発明の必須範囲にあれば、再成形において同等の特性を
有するシートが得られる。
【0080】また、プレス成形や射出成形のようにせん
断下で成形する場合には、液晶性樹脂(B)の液晶開始
温度以上、融点以下の温度において成形することも可能
である。また、発泡体としてシートを用いる場合には、
箱状の型の中に入れて分解発泡剤の分解温度以上で加熱
し、冷却することにより目的の発泡成形体を得る。ただ
し、用いたオレフィン系樹脂(A)が架橋性樹脂または
それを含むものである場合、あるいは架橋剤を組成物中
に添加した場合には、成形する前あるいは後に架橋処理
を施す必要がある。
【0081】ここで、オレフィン系樹脂の架橋の方法は
特に限定されるものではなく、一般的な方法が可能であ
り、例えば、電子線などの電離性放射線を照射する電子
線架橋法、有機過酸化物を用いた化学架橋法、またはシ
ラン変性樹脂を用いたシラン架橋法などを挙げることが
できる。
【0082】なお、シートを発泡体として用いる場合に
は、一度オレフィン系樹脂(A)と液晶性樹脂(B)を
混練して組成物とした後、これをシート状に成形する方
法が好ましく用いられ、分解発泡剤の添加時期は、オレ
フィン系樹脂(A)と液晶性樹脂(B)を一度混練した
後、得られた組成物に添加し、液晶性樹脂(B)の液晶
開始温度より少なくとも15℃以上低い温度かつオレフ
ィン系樹脂(A)の融点以上、かつ発泡剤の分解温度よ
り低い温度で溶融混練することが好ましい。
【0083】また、充填材およびその他の添加剤を添加
する際、前記したオレフィン系樹脂(A)と液晶性樹脂
(B)との好ましい混練方法におけるいずれの段階で添
加してもよい。具体的には、オレフィン系樹脂および酸
無水物あるいは多価エポキシ化合物、相溶化成分、導電
性フィラー及び/又は導電性ポリマー、その他の添加剤
を溶融混練した後、液晶性樹脂、充填材と混練する方
法、全ての成分を一括混練する方法、一度オレフィン系
樹脂と酸無水物あるいは多価エポキシ化合物、もしくは
相溶化成分、液晶性樹脂とを混練した後に導電性フィラ
ー及び/又は導電性ポリマー、その他の添加剤充填材お
よびその他の添加剤を混練する方法、一度オレフィン系
樹脂(A)と酸無水物あるいは多価エポキシ化合物、も
しくは相溶化成分、液晶性樹脂(B)とを混練し樹脂組
成物(a)とした後、得られた樹脂組成物(a)を用い
て導電性フィラー及び/又は導電性ポリマーの高濃度組
成物(マスター)(b)を作成する等が挙げられ、いず
れの方法でもかまわない。
【0084】本発明のシート用熱可塑性樹脂組成物はマ
スターバッチ法により製造することも可能である。その
場合は、オレフィン系樹脂(A)の一部に液晶性樹脂
(B)、さらに必要に応じて導電性フィラー及び/又は
導電性ポリマーや官能基を含有するおよび/または官能
基を含有しないオレフィン系共重合体、その他の添加剤
を溶融混練してなるマスターにオレフィン系樹脂(A)
またはオレフィン系樹脂(A)および酸無水物あるいは
多価エポキシ化合物もしくは相溶化成分の残部を混合し
て、ドライブレンドして発泡体とする場合には分解発泡
剤とともに溶融混練し、シート用樹脂組成物とすること
ができる。
【0085】本シートは、他の熱可塑性樹脂もしくはポ
リオレフィン系の熱可塑性樹脂のシート、フィルムもし
くは成形品との積層品として用いることができ、その場
合に、シート表面を放電処理、紫外線処理もしくはオゾ
ン処理した後、もしくは放電処理、紫外線処理もしくは
オゾン処理の少なくとも2種以上の処理を行った後、他
の熱可塑性樹脂もしくはポリオレフィン系の熱可塑性樹
脂を付与する方法が好ましく用いられる。
【0086】多層積層シートにおける各層の配置につい
ては特に制限はなく、全ての層を本発明のオレフィン系
樹脂組成物で構成してもよいし、少なくとも一層に本発
明のオレフィン系樹脂組成物を用い、他の層にその他の
熱可塑性樹脂を用いて構成してもよい。本発明のオレフ
ィン系樹脂組成物からなる層はその遮音性や同時に付与
されるガスバリア性を十分に発揮させる上で、2層の場
合は最外層、3層以上の場合は、最外層もしくは中間層
であることが好ましい。
【0087】本発明のシートの厚みは0.1〜20mm
が好ましく、1〜12.5mmがより好ましく、1〜5
mmがさらに好ましい。多層シートの場合は、本発明の
オレフィン系樹脂組成物からなる層の一層の厚みが0.
1〜10mmであることが好ましく、0.2〜5mmが
より好ましい。また、多層シートの全ての層を積層した
全厚みは0.5mm〜50mmが好ましく、1〜20m
mがより好ましい。ここで用いられる本発明のオレフィ
ン系樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂としては、飽和ポリ
エステル樹脂、ポリスルホン樹脂、四フッ化ポリエチレ
ン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテ
ルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、
ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、ポリアミドエラスト
マ、ポリエステルエラストマなどが例示でき、必要に応
じ、これらの一種以上の熱可塑性樹脂を配合して用いる
ことも、それらに各種添加剤を添加して所望の物性を付
与して用いることも勿論可能である。
【0088】このようにして得られた本発明のシート
は、表面平滑性、遮音性に優れ、厚みむらが少なく、破
壊起点となりうる欠点が低減されるために建築部品、電
気電子部品または自動車部品用途に好適であり、例え
ば、各種ケース、リレーケース、バリコンケース、ハウ
ジング、液晶ディスプレー部品、FDDシャーシ、HD
D部品、マウスパッドなどのコンピューター関連部品な
どに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部
品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパ
クトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部
品、洗濯機部品、エアコン部品、タイプライター部品、
ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電
気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機
関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、タ
イプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、
双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密
機械関連部品、電装部品絶縁板、ランプハウジング、点
火装置ケース天井材、ドアトリム、インストロメントパ
ネルのパッド材、バンパーやサイドフレームの緩衝材、
ボンネット裏等の吸音パット、座席用材、、イグニッシ
ョンコイル用部品などの自動車・車両関連部品、その他
トイレタリー用品、レジャー用シートなどの娯楽用品
材、医業用品材および医療機器部材、住宅用内貼り材
(断熱、吸音、耐震用)、マット材、梱包用緩衝材、一
般機器などの各種用途に有用である。特にシート状で用
いられる天井材、住宅用内装材等に好ましく適用され
る。
【0089】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。
【0090】参考例1(液晶性樹脂) B−1:p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4
´−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル
酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエ
チレンテレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960
重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、1
00〜250℃で5時間、250〜330℃で1.5時
間反応させた後、320℃、1.5時間で0.5mmHgに
減圧し、さらに1時間反応させ重縮合を行った結果、芳
香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキ
シ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5
モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からな
る融点314℃、液晶開始温度297℃、324℃の溶
融粘度25Pa・s(オリフィス0.5φ×10mm、せ
ん断速度1,000(1/秒))の液晶性樹脂(B−1
−1)が得られた。
【0091】B−1−2:p−ヒドロキシ安息香酸99
4重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重
量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6
dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及
び無水酢酸960重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応
容器に仕込み、100〜250℃で5時間、250〜3
30℃で1.5時間反応させた後、320℃、1.5時
間で0.5mmHgに減圧し、さらに約2時間反応させ重縮
合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位80モル
当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジ
オキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位
20モル当量からなる融点315℃、液晶開始温度29
8℃、325℃の溶融粘度102Pa・s(オリフィス
0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))の
液晶性樹脂を得た。
【0092】B−2−1:p−ヒドロキシ安息香酸90
7重量部と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸457重量
部及び無水酢酸873重量部を攪拌翼、留出管を備えた
反応容器に仕込み、100〜250℃で5時間、250
〜300℃で1.5時間反応させた後、300℃、1.
5時間で0.5mmHgに減圧し、さらに約0.5時間反応
させ重縮合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位
100モル等量からなる融点283℃、液晶開始温度2
33℃、293℃の溶融粘度が18Pa・s(オリフィ
ス0.5φ×10mm、せん断速度1,000(1/
秒))の液晶性樹脂を得た。
【0093】B−2−2:p−ヒドロキシ安息香酸90
7重量部と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸457重量
部及び無水酢酸873重量部を攪拌翼、留出管を備えた
反応容器に仕込み、100〜250℃で5時間、250
〜300℃で1.5時間反応させた後、300℃、1.
5時間で0.5mmHgに減圧し、重縮合を行った結果、融
点280℃、液晶開始温度231℃、290℃の溶融粘
度が3Pa・s(オリフィス0.5φ×10mm、ずり速
度1,000(1/秒))の液晶性樹脂を得た。
【0094】B−3:p−ヒドロキシ安息香酸994重
量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレ
フタレ−ト346重量部及び無水酢酸809重量部を攪
拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、B−2−2と
同様の重合方法で重合を行った結果、芳香族オキシカル
ボニル単位80モル当量、エチレンジオキシ単位20モ
ル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる
融点282℃、液晶開始温度234℃、292℃の溶融
粘度が19Pa・s(オリフィス0.5φ×10mm、せ
ん断速度1,000(1/秒))の液晶性樹脂が得られ
た。
【0095】実施例1〜3、比較例1〜6 表1に示す種類のオレフィン系樹脂(A)100重量部
に対し、表1に示す種類・重量部の液晶性樹脂(B)を
ドライブレンドし、樹脂温度を表1に示す混練温度で、
ニーディングディスクを1つスクリューパターンに組み
込んだPCM30型二軸押出機(池貝鉄鋼)でスクリュ
ー回転数200r.p.m.で溶融混練して組成物とし
た。同じ押出機を用いて、スクリューパターンからニー
ディングディスクを外し、口金を幅100mm、リップ
開度2mmのTダイ口金に換え、190℃においてシー
ト状に押し出し、クリアランス1.8mmの冷却ローラ
ーを通して幅98mm、厚み2mmのシートを得た。
【0096】各評価については、次に述べる方法にした
がって測定した。
【0097】(1)表面平滑性 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用
い、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。20回の測定
の平均値をもって値とした。Ra0.010以下が表面
平滑性良好である。測定条件は触針先端半径0.5μ
m、触針荷重5mg、測定長1mm、カットオフ値0.
08mmで行った。
【0098】(2)遮音性 外部からの音を遮断しうる室内に、1m四方の正方形を
底面に有する高さ30cm、厚さ5cmのコンクリート
壁を設け、その内部に音源を設置し、その上部に中央部
に20cm角の穴を開けた1m×1m×4mm厚の鉄板
を取り付ける。鉄板とコンクリート壁との接合部分は音
源の音が洩れないように密閉する。鉄板開口部の中心か
ら20cm上の所にマイクを設置し集音する。なお、室
内壁は定在波が発生しないようスポンジ等の多孔質材で
覆った。音圧はコンクリート壁外部の室内においた周波
数フィルターとアンプで測定した。周波数フィルターは
1/3オクターブのものを用い、200Hzから20k
Hzの周波数域で、2点をとって測定した。開口部を覆
わずに測定した音圧に対して、開口部を覆った時の音圧
の減少度で遮音性を評価した。<評価>×:減少度が2
dB以下、○:減少度が2dB超3dB以下、:減少度
が3dB超 (3)厚みむら シートを100mm×100mm×1mm厚に切り出
し、10mm×10mmにつき一点ずつマイクロメータ
ーによって厚みを計測し、計100点における厚みのば
らつき幅を評価した。
【0099】(4)引張試験による欠点数評価 シートから切り出した1/8インチ試験片を用いて引張
試験をASTM D638に従って行い、熱可塑性樹脂
単独からなる成形品を用いて得られた最大強度(降伏強
度)の2/3の強度に達する前に破断した試験片数が1
00個中に何個あるかを評価した。
【0100】
【表1】
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシート
は、表面平滑性、遮音性に優れ、厚みむらが少なく、破
壊起点となりうる欠点が低減されるため、建築部品、電
気電子部品または自動車部品用途に適しており、特に天
井材などのシートとして用いられるものに好適である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA20 AA22 AA43 AA47 AA88 AF12 AF50 AH03 AH07 AH12 AH17 BC01 BC12 BC17 4F207 AA03 AA10 AA13 AA24 AB03 AC07 AG01 KA01 KA17 KF01 KK13 KL84 4J002 BB031 BB051 BB061 BB071 BB101 BB121 BB151 BC031 BC061 BC081 BD041 BG041 BK001 BN061 BN141 BN151 BN161 CF182 CJ001 FD010 FD020 FD090 FD130 FD170 FD200 FD320 GC00 GF00 GL00 GM00 GN00 GQ00 GQ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂(A)100重量部に対
    して、液晶性樹脂(B)0.5〜100重量部を溶融混
    練してなる熱可塑性樹脂組成物からなるシートにおい
    て、オレフィン系樹脂(A)および液晶性樹脂(B)を
    溶融混練する時の樹脂温度におけるせん断速度1000
    /秒でのオレフィン系樹脂(A)の液晶性樹脂(B)に
    対する溶融粘度比(オレフィン系樹脂(A)の溶融粘度
    /液晶性樹脂(B)の溶融粘度)が1.2〜100であ
    るオレフィン系樹脂(A)と液晶性樹脂(B)の組み合
    わせであり、かつ該液晶性樹脂(B)が下記構造単位
    (I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエステ
    ルであることを特徴とするシート。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  2. 【請求項2】オレフィン系樹脂(A)が結晶性であり、
    配合する液晶性樹脂(B)の液晶開始温度がオレフィン
    系樹脂(A)の融点より20℃以上高温であることを特
    徴とする請求項1記載のシート。
  3. 【請求項3】シートの厚みが0.1〜20mmであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のシート。
  4. 【請求項4】オレフィン系樹脂(A)と配合した液晶性
    樹脂(B)のせん断速度1000/秒での溶融粘度比
    (オレフィン系樹脂(A)の溶融粘度/液晶性樹脂
    (B)の溶融粘度)が1.2〜100になる温度におい
    て、ニーディングディスクを少なくとも1つ以上組み込
    んだスクリューアレンジで、周速度7.5〜30m/分
    で溶融混練して組成物とし、その後、該組成物を成形す
    ることにより、請求項1〜3いずれか記載のシートを製
    造することを特徴とするシートの製造方法。
JP26951799A 1999-09-22 1999-09-22 シートおよびその製造方法 Pending JP2001089581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26951799A JP2001089581A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26951799A JP2001089581A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 シートおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001089581A true JP2001089581A (ja) 2001-04-03

Family

ID=17473511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26951799A Pending JP2001089581A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001089581A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007094381A1 (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Polyplastics Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物およびその液晶ディスプレイ部品または情報記録媒体部品
JP2007211211A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Polyplastics Co 熱可塑性樹脂組成物
JP2007216607A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Polyplastics Co 液晶ディスプレイ部品
JP2007217628A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Polyplastics Co 情報記録媒体部品
WO2008001708A1 (fr) * 2006-06-26 2008-01-03 Polyplastics Co., Ltd. Composition de résine cristalline liquide
WO2012137271A1 (ja) * 2011-04-06 2012-10-11 東レ株式会社 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた金属複合成形品
WO2013128887A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 東レ株式会社 液晶ポリエステル樹脂組成物
WO2019124256A1 (ja) * 2017-12-18 2019-06-27 住友化学株式会社 液晶ポリエステル組成物および成形体
JP2020190639A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 ポリプラスチックス株式会社 遮音シート及び積層体

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007094381A1 (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Polyplastics Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物およびその液晶ディスプレイ部品または情報記録媒体部品
JP2007211211A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Polyplastics Co 熱可塑性樹脂組成物
JP2007216607A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Polyplastics Co 液晶ディスプレイ部品
JP2007217628A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Polyplastics Co 情報記録媒体部品
JP4641953B2 (ja) * 2006-02-20 2011-03-02 ポリプラスチックス株式会社 液晶ディスプレイ部品
WO2008001708A1 (fr) * 2006-06-26 2008-01-03 Polyplastics Co., Ltd. Composition de résine cristalline liquide
WO2012137271A1 (ja) * 2011-04-06 2012-10-11 東レ株式会社 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた金属複合成形品
JP5136720B2 (ja) * 2011-04-06 2013-02-06 東レ株式会社 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた金属複合成形品
JPWO2012137271A1 (ja) * 2011-04-06 2014-07-28 東レ株式会社 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた金属複合成形品
US9085672B2 (en) 2011-04-06 2015-07-21 Toray Industries, Inc. Liquid crystalline polyester composition and metal composite molded product using the same
WO2013128887A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 東レ株式会社 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP5500314B2 (ja) * 2012-02-29 2014-05-21 東レ株式会社 液晶ポリエステル樹脂組成物
WO2019124256A1 (ja) * 2017-12-18 2019-06-27 住友化学株式会社 液晶ポリエステル組成物および成形体
JP2020190639A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 ポリプラスチックス株式会社 遮音シート及び積層体
JP7383399B2 (ja) 2019-05-22 2023-11-20 ポリプラスチックス株式会社 遮音シート及び積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7159693B2 (ja) 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP6473796B1 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物および成形体
JP2009001639A (ja) 耐熱性に優れた樹脂組成物及びその製造方法
JP2007138143A (ja) 液晶性樹脂組成物およびその製造方法
JP3353450B2 (ja) ガラス繊維強化液晶ポリエステル樹脂組成物
JP2001089581A (ja) シートおよびその製造方法
JP2000281885A (ja) 帯電防止用途向け液晶性樹脂組成物
JP3235939B2 (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JP3265721B2 (ja) 液晶性樹脂組成物
JP2008163270A (ja) ポリエステル系樹脂組成物
JP2002105250A (ja) オレフィン系樹脂組成物およびシート
JP4899240B2 (ja) 発泡成形体用樹脂組成物の製造方法および自動車天井材用発泡シート
JP2001302853A (ja) 樹脂成形品
JP3265719B2 (ja) 液晶性樹脂組成物
JP2001072790A (ja) 発泡成形体用樹脂組成物および発泡成形体
JP2000159999A (ja) 筐体用繊維強化樹脂組成物および筐体
JP2000160039A (ja) 円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物
JP4824894B2 (ja) 燃料電池用セパレーターおよびその製造方法
JP3873420B2 (ja) 液晶性樹脂組成物およびそれからなる精密成形品
JP3269218B2 (ja) 難燃化液晶ポリエステル組成物
JP2000226493A (ja) 繊維強化樹脂組成物および成形品
JP2000164035A (ja) コイルボビン用樹脂組成物
JP2001131406A (ja) 気体および/または液体バリア成形品用樹脂組成物
JP4479016B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2001072789A (ja) 発泡成形体用樹脂組成物および発泡成形体