JP2009001639A - 耐熱性に優れた樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性に優れた樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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タン チェンチュン
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Abstract

【課題】少量あるいは多量の添加であっても効率よく耐熱性、寸法安定性および機械特性を向上させた液晶ポリエステル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】液晶ポリエステル系樹脂100重量部と窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部とからなる液晶ポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶ポリエステル系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブとを均一に分散させた液晶ポリエステル系樹脂組成物、およびその製造方法に関する。更に詳しくは、構造の規定された無機のナノチューブをフィラーとしてナノ分散させることにより、少量のフィラー添加においても、従来の液晶ポリエステル系樹脂及びその組成物に比べて効率よく熱特性、寸法安定性および機械特性を向上させた液晶ポリエステル系樹脂組成物に関する。
カーボンナノチューブは、従来にない機械的物性、電気的特性、熱的特性等を有するためナノテクノロジーの有力な素材として注目を浴び、広範な分野で応用の可能性が検討され、一部実用化が開始されている。
ポリマーコンポジットとしては、フィラーにカーボンナノチューブを用いてポリマーに添加することで、ポリマーの機械的物性、導電性、耐熱性等を改質する試みも行われている。
例えばポリアミドや液晶ポリエステルとカーボンナノチューブからなるポリマーコンポジットに関しては、多層カーボンナノチューブとの樹脂組成物による導電性、線膨張係数(特許文献1〜4)、遮熱性または電磁波透過性(特許文献5)や機械特性の改良に関する報告例(特許文献6〜9)が開示されている。また、カーボンナノチューブを共役系高分子で被覆することで、カーボンナノチューブの分散性を極めて高め、少ないカーボンナノチューブの量でマトリクス樹脂に高い導電性を付与するとの報告(特許文献10参照)がある。
また、ポリメチルメタクリレートやポリスチレンのような側鎖構造を有するポリマーとカーボンナノチューブからなるポリマーコンポジットに関して、共役系高分子で単層カーボンナノチューブを被覆することにより、わずかな単層カーボンナノチューブ添加量であっても弾性率が飛躍的に向上するとの報告(特許文献11参照)がある。一方でカーボンナノチューブは可視光域に光吸収帯を有していること、また構造的に導電性を有するため、着色を嫌う用途や、絶縁特性を要求される電子分野等では使用に制限があるのも事実である。
一方、サーモトロピック液晶ポリエステル樹脂(以下液晶ポリエステル系樹脂と略称する)は、耐熱性、剛性等の機械物性、耐薬品性、寸法精度、成形性等に優れており、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。特にパーソナル・コンピューターや携帯電話等の情報・通信分野においては、部品の高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでおり、0.5mm以下の非常に薄い肉厚部が形成されるケースが多く、成形性に優れた液晶ポリエステル系樹脂の重要性が高い。更に近年、液晶ポリエステル樹脂の用途としてハンダ溶着や赤外線リフローなどの高温の熱処理を要する用途での使用が特に拡大しており、高耐熱性の液晶ポリエステル樹脂への要求が更に高まっている。
従来から、液晶ポリエステル系樹脂の熱特性を改良すべく、特殊な化学構造からなるモノマー成分を共重合することによるポリマー構造の改良が検討されているが、特殊モノマーの使用により原料や製造工程面でのコスト増加の問題がある。またポリマー構造の改変や、製造工程の変更無しに効果的な特性改良を行うべく、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカといった無機充填材を複合化する技術が知られている。しかしながら、ガラス繊維などの無機フィラーを配合した液晶ポリマーとしてこれまで知られているものは液晶ポリマーの耐熱性や機械的強度や異方性はある程度改良されているものの、成形時の流動性や寸法精度、成形品の表面平滑性が損なわれ、外観および機能の発現が必ずしも十分でなかった。一方、従来の無機充填剤添加による課題を解決すべく、ワラストナイト、ゾノライトのようなケイ酸塩系微細繊維(特許文献12、13)、チタン酸カリウムウィスカー(特許文献14,15)を使用する技術が開示されている。しかしながらケイ酸塩繊維のようにバルクサイズの繊維状強化材や無機フィラ−の含有率が低いものでは効果が現れず、添加量を増加すると充填材の凝集に伴って不均一性が生じ、溶融混練によって得た組成物の機械的性質(強度、伸び等)などの数値のばらつきや再現性の低下が生ずる他、成形性、寸法安定性の低下、成形品の表面外観の劣化や靭性の低下という問題がある。従ってこのような近年の高いレベルでの要求特性が強いられる自動車、電気・電子製品用素材として用いることは難しい。またチタン酸カリウムウィスカーはカリウム等のアルカリ成分がポリマー素材の変性、またデバイスへ使用時に電子部品の電極や配線を腐食させたり、断線や電流の漏れ等を引き起こしたりする問題がある。
フィラーの効果不足や不均一分散による樹脂の物性低減などの課題を解決すべく、大きな比表面積により少量でも効果の高く、真にナノレベルで分散可能なナノフィラーの探索が望まれている。
特開2004−124086号公報 特開2005−133047号公報 特開2002−097375号公報 特開2002−105329号公報 特許2004−075400号公報 特開2004−143238号公報 特開2004−143239号公報 特開2004−075400号公報 特開2006−138058号公報 特開2004−002621号公報 特開2004−244490号公報 特開平8−134263号公報 特開平7−082415号公報 特開平5−339475号公報 特開平5−320483号公報
本発明の目的は、従来のようなバルク、あるいはナノ分散困難な無機フィラーを含有する液晶ポリエステル系樹脂組成物に対して、組成物の成形性や外観に影響を与えないことが必要な用途を含めごく少量あるいは比較的多量の添加においても効率よく熱特性、寸法安定性および機械特性を向上させ、かつ成形加工性に優れる液晶ポリエステル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、窒化ホウ素ナノチューブを液晶ポリエステル系樹脂に添加することにより、効率よく熱特性、寸法安定性及び機械特性に優れた樹脂組成物が得られることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明は、
1.液晶ポリエステル系樹脂100重量部と窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部とからなる液晶ポリエステル系樹脂組成物。
2.窒化ホウ素ナノチューブの平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であることを特徴とする上記に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
3.窒化ホウ素ナノチューブが共役系高分子で被覆されていることを特徴とする上記に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
4.上記1〜3の何れかに記載の液晶ポリエステル系組成物からなる液晶ポリエステル系樹脂成形体。
5.共役系高分子を窒化ホウ素ナノチューブに被覆した後、共役系高分子で被覆された窒化ホウ素ナノチューブを液晶ポリエステル系樹脂または該樹脂溶液に混合分散させる工程を含む上記3に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物の製造方法。
により構成される。
本発明によりカーボンナノチューブと構造的な類似性を有する窒化ホウ素ナノチューブが液晶ポリエステル系樹脂中に均一にナノ分散している樹脂組成物が得られ、従来の液晶ポリエステル系樹脂に対して優れた耐熱性、機械特性および寸法安定性を付与することができ、また熱伝導性を付与することが期待される。
また窒化ホウ素ナノチューブと他の樹脂との組成物と比べても、液晶性のポリエステルを用いることでポリマー鎖と窒化ホウ素ナノチューブとの配向がより容易に進み、射出成型などの溶融成型性にとくに優れた組成物を得ることが可能となる。本発明の液晶ポリエステル系樹脂組成物は、溶融状態からの押し出し、射出成型、熱プレス成形、圧縮成形、注型成形などの任意の成形方法により、フィルムや繊維、その他シート、チューブ、カップ、ボトル、リング、ボルトの如き構造体など所望の形状に成形でき、そのような成形品、積層品は、成形加工性、耐熱性、寸法安定性及び耐久性に優れるため、産業用、民生用の各種分野に用いられる。例えば、電気・電子・電装関係部品、自動車・車両関連部品、精密機械部品、航空機用部品など、各種分野の構造材、摺動部材その他の機械部品、あるいは自動車・航空機器の基板、燃料電池部品、エネルギー発生機器部品、熱遮蔽板、包装材、音響関係部品、光ファイバ−関係部品、OA機器関係部品、化学装置関連部品などとして好適に使用することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
(窒化ホウ素ナノチューブ)
本発明において、窒化ホウ素ナノチューブとは、窒化ホウ素からなるチューブ状材料であり、理想的な構造としては6角網目の面がチューブ軸に平行に管を形成し、一重管もしくは多重管になっているものである。窒化ホウ素ナノチューブの平均直径は、好ましくは0.4nm〜1μm、より好ましくは0.6〜500nm、さらにより好ましくは0.8〜200nmである。ここでいう平均直径とは、一重管の場合、その平均外径を、多重管の場合はその最外側の管の平均外径を意味する。平均長さは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。アスペクト比は、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。アスペクト比の上限は、平均長さが10μm以下であれば限定されるものではないが、上限は実質25000である。よって、窒化ホウ素ナノチューブは、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であることが好ましい。
窒化ホウ素ナノチューブの平均直径およびアスペクト比は、電子顕微鏡による観察から求めることが出来る。例えばTEM(透過型電子顕微鏡)測定を行い、その画像から直接窒化ホウ素ナノチューブの直径および長手方向の長さを測定することが可能である。また組成物中の窒化ホウ素ナノチューブの形態は例えば繊維軸と平行に切断した繊維断面のTEM(透過型電子顕微鏡)測定により把握することが出来る。
窒化ホウ素ナノチューブは、アーク放電法、レーザー加熱法、化学的気相成長法を用いて合成できる。また、ホウ化ニッケルを触媒として使用し、ボラジンを原料として合成する方法も知られている。また、カーボンナノチューブを鋳型として利用して、酸化ホウ素と窒素を反応させて合成する方法もが提案されている。本発明に用いられる窒化ホウ素ナノチューブは、これらの方法により製造されるものに限定されない。窒化ホウ素ナノチューブは、強酸処理や化学修飾された窒化ホウ素ナノチューブも使用することができる。
窒化ホウ素ナノチューブは共役系高分子で被覆されていることが好ましい。窒化ホウ素ナノチューブを被覆する共役系高分子は、窒化ホウ素ナノチューブと相互作用が強く、マトリクス樹脂である液晶ポリエステル系樹脂との相互作用も強いものが好ましい。これらの共役系高分子としては、例えば、ポリフェニレンビニレン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリフェニレン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリアセチレン系高分子等が挙げられる。中でも、ポリフェニレンビニレン系高分子、ポリチオフェン系高分子が好ましい。
更に共役高分子による被覆以外にも、窒化ホウ素ナノチューブはカップリング剤で表面被覆処理されていてもよい。ここで使用されるカップリング剤としては、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等を挙げることができる。シラン系カップリング剤としては、具体的にはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン等を例示できる。またチタネート系カップリング剤としては、具体的にはイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等を例示できる。
窒化ホウ素ナノチューブは、カーボンナノチューブに匹敵する優れた機械的物性、熱伝導性を有するだけでなく、化学的に安定でカーボンナノチューブよりも優れた耐酸化性を有することが知られている。また、ホウ素原子と窒素原子の間のダイポール相互作用により局所的な極性構造を有しており、極性構造を有する媒体への親和性、分散性がカーボンナノチューブより優れることが期待される。更に電子構造的に広いバンドギャップを有するため絶縁性であり、絶縁放熱材料としても期待できる他、カーボンナノチューブと異なり白色であることから着色を嫌う用途にも応用できるなど、ポリマーの特徴を活かしたコンポジット創製が可能となる。
本発明の樹脂組成物においては、液晶ポリエステル系樹脂100重量部に対して、窒化ホウ素ナノチューブが、0.01〜100重量部の範囲内で含有されるものである。本発明における液晶ポリエステル系樹脂100重量部に対する上記窒化ホウ素ナノチューブの含有量の下限は、0.01重量部であるが、本発明においては特に、0.05重量部以上が好ましく、より好ましくは0.1重量部以上であることが好ましい。一方、液晶ポリエステル系樹脂100重量部に対する窒化ホウ素ナノチューブの含有量の上限は、上述したように100重量部以下であるが、本発明においては、80重量部以下であることが好ましく、50重量部以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、窒化ホウ素ナノチューブを液晶ポリエステル系樹脂に均一に分散させることが可能となるからである。また、窒化ホウ素ナノチューブが過度に多い場合は、均一な樹脂組成物を得ることが困難となり好ましくない。本発明の樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブに由来する窒化ホウ素フレーク、触媒金属等を含む場合がある。
特にポリマー分子鎖内にエステル結合、カルボニル基のような極性構造を有する液晶ポリエステル系樹脂は、ナノレベルで構造の規定された極性窒化ホウ素ナノチューブと分子レベルで静電的に相互作用することが可能である。ポリマーとナノチューブ間の特異的な相互作用の結果として得られた液晶ポリエステル系樹脂組成物においては、少量のフィラー添加においても、従来の液晶ポリエステル系樹脂及びその組成物に比べて効率の良い耐熱性、機械特性の改良が可能であり、バルクの無機フィラーを添加した液晶ポリエステル系樹脂の範囲を超える高性能を発現することも期待される。
本発明で用いられる液晶ポリエステル系樹脂は、一般にサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。具体的には芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、脂肪族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位から選ばれる構造単位からなる。芳香族オキシカルボニル単位の具体例としてはp−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成する構造単位、芳香族ジオキシ単位の具体例としては4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ヒドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから生成する構造単位、脂肪族ジオキシ単位の具体例としてはエチレングリコール、プロピレングリコールから生成する構造単位、芳香族ジカルボニル単位の具体例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から生成する構造単位が挙げられる。
更に、本発明で特に好ましい液晶ポリエステル系樹脂は、構造単位(1)、(2)、(3)からなる液晶ポリエステルである。
Figure 2009001639
Figure 2009001639
Figure 2009001639
ただし、式中Rは次の化学構造から選ばれた1種以上を表す。
Figure 2009001639
また式中Rは次の化学構造から選ばれた1種以上を表す。ただし、Xは水素原子またはハロゲン原子を表す。
Figure 2009001639
上記構造単位のうち、(2)についてはRが4,4’−ビフェニレン、1,4−フェニレン、ジメチレンであるものが好ましく、(3)についてはRが1,4−フェニレン、2,6−ナフタレンであるものが好ましい。
本発明で好ましく用いられる液晶ポリエステル系樹脂は上記の如く構造単位(1)、(2)、(3)からなる共重合体である。その共重合組成は任意に選ぶことができるが、次のような組成が好ましい。
上記構造単位(1)及び(2)の合計は構造単位(1)、(2)および(3)の合計に対して30〜95mol%が好ましく、40〜90mol%がより好ましい。また、構造単位(3)は構造単位(1)、(2)および(3)の合計に対して70〜5mol%が好ましく、60〜10mol%がより好ましい。また、構造単位(1)の構造単位(2)に対するmol比[(1)]/[(2)]は75/25〜95/5であることが好ましく、より好ましくは80/20〜95/5である。また、構造単位(3)は構造単位(2)と実質的に等モルであることが好ましい。ここで実質的に等モルとは、末端を除くポリマー主鎖を構成する構造単位が等モルであるが、末端を構成する構造単位としては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
本発明で好ましく用いられる液晶ポリエステル系樹脂は上記構造単位(1)〜(3)を構成する成分以外に、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロロヒドロキノン、3,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジフェノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族または脂環式ジオール、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸などを液晶性が損なわれない範囲で共重合せしめることができる。
液晶ポリエステル系樹脂の対数粘度には特に制限は無いが、ペンタフルオロフェノール中、0.1g/dL濃度、60℃で測定した値が0.5〜15dL/gであることが好ましく、1〜10dL/gであることが特に好ましい。
また、液晶ポリエステル系樹脂の溶融粘度には特に制限は無いが、流動性の面から融点+10℃の温度、ずり速度1,000sec-1での値が0.5〜200Pa・secであることが好ましく、0.5〜100Pa・secであることがより好ましい。なお、ここで言う融点(Tm)とは示差走査熱量測定において、室温から20℃/分の昇温条件で測定した時に観測される吸熱ピーク温度(Tm)を観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で昇温した時に観測される吸熱ピーク温度(Tm)のことを指す。
液晶ポリエステル系樹脂の製造方法には特に制限が無く、公知のポリエステルの重縮合方法に準じて製造することができる。例えば次のような方法で製造できる。
(ア)p−ヒドロキシ安息香酸などのオキシカルボニル単位形成性成分を除く成分から得られたポリエステルとp−ヒドロキシ安息香酸とを乾燥窒素気流下で加熱溶融し、アシドリシス反応によって共重合ポリエステルフラグメントを生成させ、次いで減圧・増粘させる方法。
(イ)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシジフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応させる方法。
(ウ)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ヒドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させてフェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応する方法。
(エ)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ヒドロキノンなどのジフェノールと2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶ポリエステルを製造する方法。
(オ)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させてそれぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ヒドロキノンなどのジフェノールを加え、脱フェノール重縮合反応により液晶ポリエステルを製造する方法。
(カ)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルあるいはそのオリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で上記(イ)または(ウ)の方法により液晶ポリエステルを製造する方法。
液晶ポリエステル系樹脂の重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第1錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することができる。
更に本発明で使用される液晶ポリエステル系樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で上記液晶ポリエステル系樹脂以外の種々の熱可塑性樹脂を配合することができる。これらの熱可塑性樹脂を配合する場合、その配合量はポリエーテルケトン樹脂に対して重量比で等重量以下、特に1/2以下が好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、各種ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリウレタン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、各種液晶樹脂、ポリアミドエラストマ−、ポリエステルエラストマ−、ポリアルキレンオキサイド、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基含有オレフィン系共重合体ポリブタジエン、ポロイソプレン、ポリクロロプレン単独あるいは共重合系樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体樹脂等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
(樹脂組成物の製造方法について)
本発明の液晶ポリエステル系樹脂組成物の製造方法としては以下に示す方法が好ましく挙げられる。
樹脂組成物の製造方法として、液晶ポリエステル系樹脂中に窒化ホウ素ナノチューブを溶融状態にて高せん断応力下に混合、分散することによる方法を好ましく用いることができる。
ここで、溶融混合による樹脂組成物の製造における混合方法としては特に制限はないが、例えば一軸あるいは二軸押し出し機、ニーダー、ラボプラストミル、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、タンブラー、ミキシングロール等で通常公知の溶融混合機に供給して、280〜380℃の温度で溶融混練する方法や更に混練してペレット化するプロセスを好ましく実施することができる。
また、共役系高分子やカップリング剤で表面を被覆処理された窒化ホウ素ナノチューブを使用する場合は、窒化ホウ素ナノチューブにこれらを被覆処理した後、被覆された窒化ホウ素ナノチューブを上記のように液晶ポリエステル系樹脂に混合分散させることにより本発明の樹脂組成物を製造することができる。
窒化ホウ素ナノチューブを共役高分子やカップリング剤で被覆する方法として特に限定はされないが、例えば窒化ホウ素ナノチューブを超音波撹拌装置やヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機、ホモジナイザーのような高速攪拌またはアトライター、ボールミル等を用いて攪拌しつつ、これに共役高分子やカップリング剤を無溶媒下、あるいはトルエン、キシレン、各種アルコール等の溶媒に溶解させた液を滴下又は噴霧添加することにより行い得る。
ここで無溶媒下にて被覆処理を行う場合、加熱溶融している共役高分子や液状カップリング試剤に対して窒化ホウ素ナノチューブを添加して混合する方法が好ましく、また溶媒を使用する場合は共役高分子またはカップリング剤が溶解する溶媒中でこれらを窒化ホウ素ナノチューブと混合し分散する方法等が挙げられる。特にこの場合は超音波攪拌混合による被覆処理を好ましく実施することができる。
更に、本発明の液晶ポリエステル系樹脂組成物には、種々の目的に応じてカーボンナノチューブ、カーボンブラック、炭素繊維等の任意の炭素系フィラーを併用して混合しても良い。更には本発明の効果を損なわない範囲において、タルク、カオリン、有機リン化合物などの結晶核剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、カルボン酸エステル、チオエーテル系化合物、リン酸エステ系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物などの離型剤、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物などの酸化防止剤、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィン、高級脂肪酸アミド系、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウムなどの滑剤、ベンガラ、顔料などの着色剤、顔料および染料を併用できる他、充填剤、熱安定剤、エポキシ化安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性化剤、光安定剤、表面処理剤、難燃剤、発泡剤、加工助剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、気泡防止剤、防曇剤、抗菌剤、ホウ酸及び帯電防止剤等の添加剤を添加しても差し支えない。
(液晶ポリエステル系樹脂成形体)
本発明の液晶ポリエステル系樹脂組成物とは、このような液晶ポリエステル系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブとを複合した後、任意の成型を行う前の塊状やペレット状などのいわゆる成型前ポリマーを意味する。このような液晶ポリエステル系樹脂組成物は、調整した後に更に溶融成型、圧縮成型等を経てフィルム、シート状、チューブ状、カップ、ボトルといった任意の構造に加工することができる。
成形方法としては例えば、該組成物と上述の添加剤とを均一に溶融混合、成型する際には、カレンダー成形、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、等任意の成形法が採用できる。このうち押出成形法としてはT−ダイ法、中空成形法、パイプ押出法、線状押出法、異型ダイ押出法、インフレーション法、メルトスパン法等が挙げられる。成膜法により任意の形状に加工することも可能である。またこの際に原料の混合順序にも特に制限はなく、例えば液晶ポリエステル系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブとその他の原材料を一度に配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の添加剤を樹脂組成物に配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの添加剤を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の添加剤を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの添加剤を混合する方法など、条件に応じていずれの方法を任意に用いてもよい。また、添加成分によっては他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、最終的な成形体に加工する直前に別途添加して成形に供することももちろん可能である。
なお、これらの成型工程において、流動配向、せん断配向、又は延伸配向させる事により液晶ポリエステル系樹脂および窒化ホウ素ナノチューブの配向を高め機械特性を向上させる事ができる。更にフィルムまたはシートの場合は、一般的に行われる延伸加工、例えば、一軸延伸、ゾーン延伸、フラット逐次延伸、フラット同時二軸延伸、チューブラー同時延伸を施すことで更に樹脂および窒化ホウ素ナノチューブの配向を高め機械特性を改良することも好ましく実施できる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
(1)引張特性測定
引張強度および伸度は、50mm×10mmのサンプルを用い、引張り速度5mm/分で行いオリエンテックUCT−1Tによって測定した。
(2)融点
融点は、TAインストルメント製TA2920を用いて窒素雰囲気下、室温〜400℃の範囲で昇温速度10℃/分にて測定し、セカンドスキャンのピーク値より求めた。
(3)熱膨張係数
熱膨張係数は、TAインストルメント製TA2940を用いて空気中、30〜80℃の範囲で昇温速度10℃/分にて測定し、セカンドスキャンの値より求めた。
[参考例1 窒化ホウ素ナノチューブの製造]
窒化ホウ素製のるつぼに、1:1のモル比でホウ素と酸化マグネシウムを入れ、るつぼを高周波誘導加熱炉で1300℃に加熱した。ホウ素と酸化マグネシウムは反応し、気体状の酸化ホウ素(B2O2)とマグネシウムの蒸気が生成した。この生成物をアルゴンガスにより反応室へ移送し、温度を1100℃に維持してアンモニアガスを導入した。酸化ホウ素とアンモニアが反応し、窒化ホウ素が生成した。1.55gの混合物を十分に加熱し、副生成物を蒸発させると、反応室の壁から310mgの白色の固体が得られた。続いて得られた白色固体を濃塩酸で洗浄、イオン交換水で中性になるまで洗浄後、60℃で減圧乾燥を行い窒化ホウ素ナノチューブ(以下、BNNTと略すことがある)を得た。得られたBNNTは、平均直径が27.6nm、平均長さが2460nmのチューブ状であった。
[参考例2 液晶系ポリエステルの重合]
ハイドロキノン55.1g(0.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル93.1g(0.5モル)、テレフタル酸116.3g(0.7モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸64.9g(0.3モル)、4−ヒドロキシ安息香酸621.5g(4.5モル)、無水酢酸612.5g(6モル)を冷却器及び撹拌機を備えた反応容器中にて混合し、窒素ガス雰囲気下で撹拌、170℃まで昇温することで60分環流した。ついで副生する酢酸を除去しながら3時間かけて反応容器を370℃に昇温し、更に370℃で反応系を25kPaに減圧した。その後、温度下に酢酸を除去しながら圧力を2時間かけて0.5〜1kPaまで減圧し重合し、更に370℃で強力な撹拌下で1時間重合を行った。重合後に系を徐々に冷却し、200℃ポリマーを系外へ吐出して回収した。この液晶ポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノール中、60℃で測定)は4.2dl/gであった。またポリマーの融点は350℃であり、ヒートステージ付き偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
[実施例1]
参考例1で得られた10重量部の窒化ホウ素ナノチューブを参考例2で得られた液晶ポリエステル系樹脂990重量部と共に30mmφ同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、PCM30)を用いて、ポリマー温度375℃、平均滞留時間約5分の条件下で溶融混練せしめた後、これをペレット化した。次に射出成型機(名機製作所(株)M―50B)を用いて、シリンダー温度375℃、金型温度200℃にて射出成型を行い、2mm厚の成形体を得た。成型体の融点は354.5℃、熱膨張係数は14.1ppm/℃であった。また引っ張り強度は259.3MPa、伸度は5.7%であった。
[実施例2]
(共役系高分子で被覆した窒化ホウ素ナノチューブの作製)
参考例1で得られた10重量部の窒化ホウ素ナノチューブを1000重量部のジクロロメタンに添加して超音波バスにて2時間処理を行い、窒化ホウ素ナノチューブ分散液を調整した。続いて10重量部のアルドリッチ製ポリ(m−フェニレンビニレン−co−2,5−ジオクトキシ−p−フェニレンビニレン)を添加して超音波処理を1時間実施した。得られた分散液をミリポア製オムニポアメンブレンフィルター0.1μでろ過し、大量のジクロロメタンで洗浄後、60℃減圧乾燥を2時間行うことで黄色の共役高分子で被覆された窒化ホウ素ナノチューブを得た。窒化ホウ素ナノチューブ上に被覆された共役系高分子の量は窒化ホウ素ナノチューブに対して4.1重量%であった。
(窒化ホウ素ナノチューブ含有液晶ポリエステル系樹脂の作製)
上記で作製した共役系高分子で被覆された窒化ホウ素ナノチューブ10重量部を、参考例2で得られた液晶ポリエステル系樹脂990重量部と共に30mmφ同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、PCM30)を用いて、ポリマー温度375℃、平均滞留時間約5分の条件下で溶融混練せしめた後、これをペレット化した。次に射出成型機(名機製作所(株)M―50B)を用いて、シリンダー温度375℃、金型温度200℃にて射出成型を行い、2mm厚の成形体を得た。成型体の融点は355.4℃、熱膨張係数は13.8ppm/℃であった。また引っ張り強度は260.5MPa、伸度は5.8%であった。
[比較例1]
窒化ホウ素ナノチューブを含有しない以外は、実施例1と同様に2mm厚の液晶ポリエステル系樹脂の成型体を作製した。成型体の融点は350.7℃、熱膨張係数は16.8ppm/℃であった。また引っ張り強度は251.8MPa、伸度は5.3%であった。
以上の結果より本発明の窒化ホウ素ナノチューブを含有する液晶ポリエステル系樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブを含有しない液晶ポリエステル系樹脂に比べて優れた耐熱性、寸法安定性を有することがわかる。

Claims (5)

  1. 液晶ポリエステル系樹脂100重量部と窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部とからなる液晶ポリエステル系樹脂組成物。
  2. 窒化ホウ素ナノチューブの平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
  3. 窒化ホウ素ナノチューブが共役系高分子で被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の液晶ポリエステル系組成物からなる液晶ポリエステル系樹脂成形体。
  5. 共役系高分子を窒化ホウ素ナノチューブに被覆した後、共役系高分子で被覆された窒化ホウ素ナノチューブを液晶ポリエステル系樹脂または該樹脂溶液に混合分散させる工程を含む請求項3記載の液晶ポリエステル系樹脂組成物の製造方法。
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