JP2007146039A - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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広明 桑原
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チュンイ・ズィ
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チェンチュン・タン
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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性に優れ、結晶化が促進された樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエステルと窒化ホウ素ナノチューブとを均一に分散させた樹脂組成物およびその成形体に関する。
従来、樹脂の結晶化を促進するための添加剤として、脂肪酸塩、有機ホスホン酸塩、フェニルスルホン酸塩、安息香酸およびポリエステルオリゴマーなどの有機系結晶化促進剤や、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、フッ化亜鉛、フッ化カドミウム、二酸化チタン、カオリン、アルミナ、非晶質シリカアルミナ粒子などの無機系結晶化促進剤が知られている。しかし、有機系結晶化促進剤はそれ自体の耐熱性が不十分であったり、無機系結晶化促進剤は、サイズが数μmより大きく樹脂そのものの物性を低下させる場合があった。
一方、分散相の大きさがナノメートルオーダーであるナノコンポジットの研究が、近年活発となってきている。ナノコンポジットは、分散相がミクロンオーダーである場合と比較して、分散相が微細なため、分散相の占める体積が同じ場合、分散相の間の距離が極度に小さくなる。その結果、少量の分散相でも十分な効果を発現する可能性があることが知られている。
また最近、カーボンナノチューブは、従来にない機械的物性、電気的特性、熱的特性等を有するためナノテクノロジーの有力な素材として注目を浴びている。そして、カーボンナノチューブについて広範な分野で応用の可能性が検討され、一部実用化が開始されている。ポリマーコンポジットにおいて、フィラーとしてカーボンナノチューブをポリマーに添加することで、ポリマーの機械的物性、導電性、耐熱性等を改質する試みも行われている。
中でも、カーボンナノチューブや微細炭素繊維をポリマーに添加することにより、ポリマーの結晶化が促進されることが報告されている(非特許文献1、特許文献1)。また、機械的物性を改質する試みとしてポリパラフェニレンベンゾオキサゾールと単層カーボンナノチューブとの繊維組成物による力学特性改善の報告例(非特許文献2)やポリアクリロニトリルと単層カーボンナノチューブとの繊維組成物に関する報告例(非特許文献3)等が知られている。
一方、カーボンナノチューブと、構造的な類似性を有する窒化ホウ素ナノチューブも、従来にない特性を有する材料として注目を浴びている(特許文献2参照)。窒素ホウ素ナノチューブは、カーボンナノチューブに匹敵する優れた機械的物性、熱伝導性を有するだけでなく、化学的に安定でカーボンナノチューブよりも優れた耐酸化性を有することが知られている。また、絶縁性であるため、絶縁放熱材料としても期待できる。さらには、カーボンナノチューブと異なり白色であることから着色を嫌う用途にも応用できる。しかし、窒化ホウ素ナノチューブとポリマーからなる複合材料についてはこれまで報告されていない。
特開2004−339484号公報 特開2000−109306号公報 Polymer 44 (2003) 2373-2377 Macromolecules 2002, 35, 9039-9043 Advanced Materials 2004, 16, 58
本発明の目的は、耐熱性に優れ、結晶化が促進された樹脂組成物を提供することにある。また本発明は、機械的物性に優れた成形体を提供することにある。さらに本発明の目的は、該樹脂組成物および該成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、窒化ホウ素ナノチューブをポリエステルに添加することにより、耐熱性に優れ、結晶化が促進された樹脂組成物が得られることを見出し本発明を完成した。また本発明者は、該樹脂組成物を成形することにより機械的物性に優れた、繊維、フィルムなどの成形体が得られることを見出し本発明を完成した。
即ち本発明は、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物である。該樹脂組成物は、ポリエステルに窒化ホウ素ナノチューブを溶融混合することにより製造することができる。また該樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブの存在下で、ポリエステルの重合反応を行うことにより製造することができる。また該樹脂組成物は、溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた後、ポリエステルを添加、溶解して、ポリエステル、窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有する溶液を調製し、次いで溶媒を除去することにより製造することができる。
また本発明は、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物からなる繊維を包含する。該繊維は、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物を溶融紡糸し、次いで延伸することにより製造することができる。
さらに本発明は、ポリエステル100重量部と窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物からなるフィルムを包含する。該フィルムは、ポリエステル100重量部と窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物を溶融押出することにより製造することができる。また該フィルムは、溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた後、ポリエステルを添加、溶解して、ポリエステル、窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有する溶液を調製し、キャストした後、溶媒を除去することにより製造することができる。
本発明によれば、ポリエステル中に窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散している樹脂組成物が得られる。本発明の樹脂組成物は、優れた結晶性、熱伝導性、力学特性、耐熱性を有する。本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、溶融紡糸、フィルム成形などの任意の成形方法により、所望の形状に成形できる。
本発明の成形体は、機械部品などの樹脂成形体、衣料・産業資材などの繊維、包装・磁気記録用途、電気電子用途などのフィルムとして好適に使用することができる。本発明の繊維は、引張強度に優れ、高次加工、各種充填剤の添加が可能であり、多くの産業資材および衣料用の繊維として好適に使用することができる。また本発明のフィルムは、機械的物性に優れ、高次加工、各種充填剤の添加が可能であり、多くの産業資材用面状体として好適に使用することができる。
以下本発明を詳細に説明する。本発明は、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物である。
(窒化ホウ素ナノチューブ)
本発明において、窒化ホウ素ナノチューブとは、窒化ホウ素からなるチューブ状材料であり、理想的な構造としては6角網目の面がチューブ軸に平行に管を形成し、一重管もしくは多重管になっているものである。窒化ホウ素ナノチューブの平均直径は、好ましくは0.4nm〜1μm、より好ましくは0.6〜500nm、さらにより好ましくは0.8〜200nmである。ここでいう平均直径とは、一重管の場合、その平均外径を、多重管の場合はその最外側の管の平均外径を意味する。平均長さは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。アスペクト比は、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。アスペクト比の上限は、平均長さが10μm以下であれば限定されるものではないが、上限は実質25000である。よって、窒化ホウ素ナノチューブは、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であることが好ましい。
窒化ホウ素ナノチューブの平均直径およびアスペクト比は、電子顕微鏡による観察から求めることが出来る。例えばTEM(透過型電子顕微鏡)測定を行い、その画像から直接窒化ホウ素ナノチューブの直径および長手方向の長さを測定することが可能である。また組成物中の窒化ホウ素ナノチューブの形態は例えば繊維軸と平行に切断した繊維断面のTEM(透過型電子顕微鏡)測定により把握することが出来る。
窒化ホウ素ナノチューブは、アーク放電法、レーザー加熱法、化学的気相成長法を用いて合成できる。また、ホウ化ニッケルを触媒として使用し、ボラジンを原料として合成する方法も知られている。また、カーボンナノチューブを鋳型として利用して、酸化ホウ素と窒素を反応させて合成する方法もが提案されている。本発明に用いられる窒化ホウ素ナノチューブは、これらの方法により製造されるものに限定されない。窒化ホウ素ナノチューブは、強酸処理や化学修飾された窒化ホウ素ナノチューブも使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル100重量部に対して、窒化ホウ素ナノチューブを0.01〜100重量部含有する。本発明の樹脂組成物におけるポリエステル100重量部に対する窒化ホウ素ナノチューブの含有量の下限は、0.01重量部であるが、本発明においては特に、0.05重量部以上が好ましく、より好ましくは0.1重量部以上であることが好ましい。一方、ポリエステル100重量部に対する窒化ホウ素ナノチューブの含有量の上限は、上述したように100重量部以下であるが、本発明においては、80重量部以下であることが好ましく、50重量部以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、窒化ホウ素ナノチューブをポリエステルに均一に分散させることが容易となるからである。また、窒化ホウ素ナノチューブが過度に多い場合は、均一な樹脂組成物を得ることが困難となり好ましくない。よって本発明の樹脂組成物は、ポリエステル100重量部に対して、窒化ホウ素ナノチューブを好ましくは0.05〜80重量部、より好ましくは0.1〜50重量部含有する。本発明の樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブに由来する窒化ホウ素フレーク、触媒金属等を含む場合がある。
(ポリエステル)
本発明におけるポリエステルとしては、ジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)、ジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)、ヒドロキシカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)を主原料として、縮合反応することにより得られるものが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
また、ジオールとしては炭素数2〜20の脂肪族グリコール、すなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、分子量400〜6,000の長鎖グリコール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
これらの重合体ないしは共重合体の例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ビスフェノールA(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリプロピレンナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレン(テレフタレート/イソフタレート)ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレート、ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)(テレフタレート/イソフタレート)などが挙げられる。
その他、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなるサーモトロピック液晶性を示す熱可塑性ポリエステル樹脂を使用することもできる。
ここでいう芳香族オキシカルボニル単位としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシジフェニル−4−カルボン酸から生成した構造単位を、芳香族ジオキシ単位としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノンから生成した構造単位を、芳香族ジカルボニル単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸から生成した構造単位を、芳香族イミノオキシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールから生成した構造単位を例示することができる。具体例としては、p−オキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレート、p−オキシ安息香酸/6−オキシ−2−ナフトエ酸などのサーモトロピック液晶性ポリエステルが挙げられる。
この中でもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどのポリアルキレンナフタレンジカルボキシレート、サーモトロピック液晶性を示すポリエステル、およびポリ乳酸から選ばれたポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリ乳酸、サーモトロピック液晶性を示すポリエステルから選ばれたポリエステルがより好ましい。
さらに具体的にはポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリエステルが好ましい。
本発明におけるポリエステルの固有粘度は、(フェノール/1,1’,2,2’−テトラクロロエタン=60/40(重量比)溶媒中、濃度1.2g/dL、温度35℃で測定)0.4以上のポリエステル系樹脂が好ましく、好ましくは0.5以上である。
本発明の樹脂組成物は、示差走査熱量分析(DSC)測定において、窒素雰囲気下、融解後、降温速度20℃/分で測定したときの結晶化ピークが、窒化ホウ素ナノチューブを含まないポリエステルに比較して、高温側にシフトしていることが好ましい。
例えば、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートは、通常、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分での示差熱分析装置(DSC)により、260℃〜270℃に結晶融解に起因する吸熱ピークを観察することができ、結晶融解後、降温速度20℃/分で測定した際、192℃付近に結晶化に起因する発熱ピークを観察することができる。一方、窒化ホウ素ナノチューブを含有するポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートにおいては、結晶融解後、降温速度20℃/分で示差熱分析装置(DSC)を測定した際、210℃付近に結晶化に起因する発熱ピークを観察することができる。結晶化ピークが高温側にシフトしていることから窒化ホウ素ナノチューブを含有することによりポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの結晶化が促進されていることが確認できる。
また本発明の樹脂組成物は、示差走査熱量分析(DSC)測定において、窒素雰囲気下、融解後、降温速度20℃/分で測定したときの結晶化ピークが、窒化ホウ素ナノチューブを含まないポリエステルでは見られなかった結晶化ピークが発現することが好ましい。
例えば、ポリ乳酸においては、結晶性が低いため、結晶融解後、降温速度20℃/分で測定した際、結晶化に起因する発熱ピークを観察することができない場合があるが、窒化ホウ素ナノチューブを含有するポリ乳酸においては、結晶融解後、降温速度20℃/分で示差熱分析装置(DSC)を測定した際、結晶化に起因する発熱ピークを観察することができる。結晶化ピークが発現することから窒化ホウ素ナノチューブを含有することによりポリ乳酸の結晶化が促進されていることが確認できる。結晶化が促進されているかどうか判断するための分析手段として、DSC測定以外にも半結晶化時間を測定することにより、半結晶化時間の長短を確認することで可能である。
(組成物の製造)
(原料混合)
本発明の樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブの存在下で、ポリエステルの重合反応を行うことにより製造することができる。即ち、重合原料に窒化ホウ素ナノチューブを混合して重合せしめることにより製造することができる。重合原料に窒化ホウ素ナノチューブを混合する方法としては、例えば溶媒中に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた分散液を調製し重合原料に混合することができる。
ここでポリエステルの原料とは、ジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシカルボン酸、これらのエステル形成性誘導体、オリゴマー等である。オリゴマーとはジカルボン酸(そのエステル形成性誘導体)とジオール(そのエステル形成性誘導体)とをエステル交換させて得られるものである。好ましい化合物は前記のとおりである。この際に、例えば窒化ホウ素ナノチューブを溶媒中で、ビーズミル処理したり、超音波処理を施したり、強力なせん断処理を施したりすることにより窒化ホウ素ナノチューブの分散性を向上することができる。
(溶融混合)
本発明の樹脂組成物は、ポリエステルに窒化ホウ素ナノチューブを溶融混合して製造することができる。溶融混合の方法は特に制限はないが、一軸あるいは二軸押し出し機、ニーダー、ラボプラストミルなどを用いて混練することができる。
(溶媒混合)
本発明の樹脂組成物は、溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた後、ポリエステルを添加、溶解して、ポリエステル、窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有する溶液を調製し、次いで溶媒を除去して製造することができる。溶媒は、ポリエステルを溶解することが可能な溶媒であればよい。溶媒として、フェノール、1,1’,2,2’−テトラクロロエタン、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、クレゾール、ヘキサフルオロイソプロパノール、クロロホルム、メチレンクロライド、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルアセトアミドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、必要に応じて溶媒を選ぶことができる。溶解性を損なわない範囲で、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、クロロベンゼン、水といった溶媒が含まれていても差し支えない。窒化ホウ素ナノチューブは、溶媒100重量部に対し、好ましくは0.0001〜10重量部の割合で添加する。ポリエステルは、溶媒100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部の割合で添加する。
この際に、例えば窒化ホウ素ナノチューブを溶媒中でビーズミル処理したり、超音波処理を施したり、強力なせん断処理を施したりすることにより窒化ホウ素ナノチューブの分散性を向上することができる。
(溶融混練処理)
上記方法により製造された樹脂組成物は、さらに分散性を高めるために溶融混練処理を行ってもよい。混練方法は特に特定されないが、一軸ルーダー、ニ軸のルーダーおよびニーダーを使用して行うことができる。溶融混練処理温度は、樹脂成分が溶融する温度より5℃〜100℃高い温度であり、特に好ましくは樹脂の融点より10℃〜60℃高い温度である。高温過ぎると樹脂の分解や異常反応を生じ好ましくない。また、混練処理時間は少なくとも30秒以上15分以内、好ましくは1〜10分である。
(充填剤)
また本発明の樹脂組成物は、その物性を損なわない範囲で各種充填剤の添加してもよい。機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性質の性能に優れた成形体を得るためには配合することが好ましい。充填剤として目的に応じて繊維状、粒子状、板状または中空状のものが用いられる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維状物などの無機質繊維状物が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維、またはカーボン繊維である。なお、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用することができる。
粒子状充填剤として、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、またカオリン、タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化硅素、窒化硅素、各種金属粉末等が挙げられる。粒子状充填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔等が挙げられる。また、中空状充填剤としては、シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。これらの充填剤は、有機シラン、有機ボラン、有機チタネート等を使用して表面処理を施すことが好ましい。これらの無機充填剤は1種または2種以上併用することができる。繊維状充填剤、特にガラス繊維またはカーボン繊維と粒子状または板状充填剤は特に機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。尚、本発明の目的を逸脱しない範囲で、他の熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の熱可塑性樹脂、或いは難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、離型剤、発泡剤、架橋剤、着色剤等の添加剤を加えても差し支えない。
(繊維)
本発明の繊維は、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する。ポリエステルおよび窒化ホウ素ナノチューブは組成物の項で説明したとおりである。窒化ホウ素ナノチューブは、ポリエステル100重量部に対し、好ましくは0.1〜18重量部、より好ましくは0.2〜15重量部である。
本発明の繊維は、窒化ホウ素ナノチューブの90%以上が、繊維軸方向に配向していることが好ましい。窒化ホウ素ナノチューブの配向の割合はコンポジット繊維を例えば透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、30点測定して繊維軸方向に配向している窒化ホウ素ナノチューブの割合を算出することにより求める。本発明の繊維の単繊維繊度は、好ましくは0.5〜50dtex、より好ましくは5〜50dtexである。
本発明の繊維中の窒化ホウ素ナノチューブの平均直径は、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下である。繊維中の窒化ホウ素ナノチューブの平均直径は、繊維を透過型電子顕微鏡(TEM)観察することにより測定可能で、50点測定してその平均を計算する方法により求めることができる。本発明の繊維は、窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散しており、多数の窒化ホウ素ナノチューブが凝集の少ない状態で繊維中に均一に存在している。繊維中の窒化ホウ素ナノチューブの90%以上は、直径が好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。直径200nm以下の窒化ホウ素ナノチューブの割合は透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めることができる。窒化ホウ素ナノチューブは、繊維中で分散していることが好ましい。
本発明の繊維は、窒化ホウ素ナノチューブは繊維軸方向に高度に配向しているために、優れた機械的物性を発現する。本発明の繊維は、優れた力学特性、耐熱性を有し、特に窒化ホウ素ナノチューブを添加する効果として、引張強度の向上が見られる。さらに本発明の繊維は、高次加工、各種充填剤の添加が可能であり、多くの産業資材および衣料用の繊維として好適に使用することができる。
(繊維の製造)
本発明の繊維は、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物を溶融紡糸し、次いで延伸することにより製造することができる。
溶融紡糸、延伸については特に制限はなく、ポリエステル繊維を製造する従来公知の工程で製造することができる。例えば、紡糸後、未延伸糸を巻き取り別途延伸する方法、未延伸糸をいったん巻き取ることなく連続して延伸を行う方法などが採用される。ここで、紡糸した未延伸糸を延伸する際に、トータル延伸倍率が5〜15倍の範囲内となるように設定すれば、最終的に得られる繊維の繊維強度と引張強度とをさらに高い水準にて両立させることができるとともに、延伸工程における断糸が少なくなり、生産性がさらに向上する。また延伸工程は一段延伸のみでも、二段以上の延伸段階を経てもよい。また、紡糸時に使用する口金の形状について制限はなく、円形、異形、中実、中空等のいずれも採用することができる。
本発明の繊維を得るうえで、溶融紡糸して繊維を作成するには、固有粘度(フェノール/1,1’,2,2’−テトラクロロエタン=60/40(重量比)溶媒中、濃度1.2g/dL、温度35℃で測定)0.4以上のポリエステルを用いることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが特に好ましい。なかでもポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートは、本発明により、より優れた力学特性を発揮できる。
(フィルム)
本発明のフィルムは、ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物からなる。ポリエステルおよび窒化ホウ素ナノチューブは樹脂組成物の項で説明したとおりである。窒化ホウ素ナノチューブは、ポリエステル100重量部に対し、好ましくは0.1〜18重量部、より好ましくは0.2〜15重量部である。
(フィルムの製造)
本発明のフィルムは、ポリエステル100重量部と窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物を溶融押出することにより製造することができる。窒化ホウ素ナノチューブは、ポリエステル100重量部に対し、好ましくは0.1〜18重量部、より好ましくは0.2〜15重量部である。
溶融押出した未延伸フィルムはそのまま巻き取ってもよいし、熱処理もしくは延伸を行ってもよい。延伸する場合は、トータル延伸倍率をコントロールすることで、最終的に得られるフィルムの引張強度を高くすることができるとともに、延伸工程における破断が少なくなり、生産性がさらに向上する。また延伸工程は一段延伸のみでも、二段以上の延伸段階を経てもよい。
本発明のフィルムは、溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた後、ポリエステルを添加、溶解して、ポリエステル、窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有する溶液を調製し、キャストした後、溶媒を除去することにより製造することができる。窒化ホウ素ナノチューブは、溶媒100重量部に対し、好ましくは0.0001〜10重量部の割合で添加する。ポリエステルは、溶媒100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部の割合で添加する。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
1)平均直径、平均長さ
透過型電子顕微鏡(TEM)により50点の窒化ホウ素ナノチューブを観察し、その直径の平均をとることで窒化ホウ素ナノチューブの平均直径および平均長さを算出した。
2)固有粘度
ポリエステル材料をフェノール/1,1’,2,2’−テトラクロロエタン=60/40(重量比)溶媒に溶解し、濃度1.2g/dL、温度35℃で測定を行った。
3)熱特性
TAs Instrument製DSC2920を用いて窒素雰囲気下20℃/分で350℃まで加熱し測定を行った。また10重量%減量温度に関しては、理学電機製TG−DTA8120を用いて、昇温速度を10℃/分、ガス流量を空気100mL/分のもと30℃から800℃まで加熱して測定を行った。
4)テンシロン測定
オリエンテック製RTC1225Aを用いて初期試料長25mm(繊維)、50mm(フィルム)試験速度10mm/分で引張試験を15回行い、その平均値を用いた。
5)繊維中の窒化ホウ素ナノチューブの配向評価
コンポジット繊維の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、30点測定して繊維軸方向に配向している窒化ホウ素ナノチューブの割合を算出することにより求めた。
<参考例1>(窒化ホウ素ナノチューブの合成)
窒化ホウ素製のるつぼに、1:1のモル比でホウ素と酸化マグネシウムを入れ、るつぼを高周波誘導加熱炉で1300℃に加熱した。ホウ素と酸化マグネシウムは反応し、気体状の酸化ホウ素(B)とマグネシウムの蒸気が生成した。この生成物をアルゴンガスにより反応室へ移送し、温度を1100℃に維持してアンモニアガスを導入した。酸化ホウ素とアンモニアが反応し、窒化ホウ素が生成した。1.55gの混合物を十分に加熱し、副生成物を蒸発させると、反応室の壁から310mgの白色の固体が得られた。続いて得られた白色固体を濃塩酸で洗浄、イオン交換水で中性になるまで洗浄後、60℃で減圧乾燥を行い窒化ホウ素ナノチューブ(以下、BNNTと略すことがある)を得た。得られたBNNTは、平均直径が27.6nm、平均長さが2460nmのチューブ状であった。
<実施例1>
0.3重量部のBNNTを60重量部のエチレングリコールに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い分散液を調製した。40重量部のビスヒドロキシエチルテレフタレートと三酸化アンチモン0.014重量部を上記分散液に加え、窒素不活性雰囲気下200℃にて反応を開始した。30分かけて250℃に昇温した後、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に280℃、0.3mmHgへさらに10分かけて、昇温、減圧を行った。その条件で3時間反応を行い樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークおよび10重量%減量温度を表1に示す。
<比較例1>
40重量部のビスヒドロキシエチルテレフタレートに三酸化アンチモン0.014重量部を加え窒素不活性雰囲気下200℃にて反応を開始した。30分かけて250℃に昇温した後、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に280℃、0.3mmHgへさらに10分かけて昇温、減圧を行った。その条件で3時間反応を行い、ポリエステルを得た。得られた樹脂の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークおよび10重量%減量温度を表1に示す。
<比較例2>
0.3重量部の多層カーボンナノチューブ(MWNT、シンセンナノテクポート社製:直径40〜60nm)を60重量部のエチレングリコールに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い、多層カーボンナノチューブ分散液を調製した。40重量部のビスヒドロキシエチルテレフタレートと三酸化アンチモン0.014重量部を上記分散液に加え窒素不活性雰囲気下200℃にて反応を開始した。30分かけて250℃に昇温した後、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に280℃、0.3mmHgへさらに10分かけて昇温、減圧を行った。その条件で3時間反応を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークおよび10重量%減量温度を表1に示す。
<実施例2>
0.3重量部のBNNTを60重量部のエチレングリコールに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い、分散液を調製した。37.7重量部の2,6−ビスヒドロキシエチルナフタレンジカルボキシレートと三酸化アンチモン0.011重量部を上記分散液に加え窒素不活性雰囲気下220℃にて反応を開始した。30分かけて270℃に昇温し、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に300℃、0.3mmHgへ1時間かけて昇温、減圧を行った。この条件で1時間反応を行い樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークおよび10重量%減量温度を表1に示す。
<比較例3>
37.7重量部の2,6−ビスヒドロキシエチルナフタレンジカルボキシレートに三酸化アンチモン0.011重量部を加え窒素不活性雰囲気下220℃にて反応を開始した。30分かけて270℃に昇温し、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に300℃、0.3mmHgへ1時間かけて昇温、減圧を行った。この条件で1時間反応を行い、ポリエステルを得た。得られた樹脂の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークおよび10重量%減量温度を表1に示す。
<実施例3>
0.235重量部のBNNTを200重量部のジクロロメタンに添加して、超音波バスを用いて1時間処理を行い分散液を調製した。この分散液に23.5重量部のポリ乳酸(島津製作所製 ラクティ#9000)を添加、溶解してポリ乳酸と窒化ホウ素ナノチューブからなる混合溶液を調製した。混合溶液よりジクロロメタンを除去した後、50℃1時間、70℃10分減圧乾燥することで樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークを表1に示す。
<実施例4>
0.47重量部のBNNTを200重量部のジクロロメタンに添加して、超音波バスを用いて1時間処理を行い分散液を調製した。この分散液に23.5重量部のポリ乳酸(島津製作所製 ラクティ#9000)を添加、溶解してポリ乳酸と窒化ホウ素ナノチューブからなる混合溶液を調製した。混合溶液よりジクロロメタンを除去した後、50℃1時間、70℃10分減圧乾燥することで樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークを表1に示す。
<実施例5>
0.94重量部のBNNTを200重量部のジクロロメタンに添加して、超音波バスを用いて4時間処理を行い分散液を調製した。この分散液に23.5重量部のポリ乳酸(島津製作所製 ラクティ#9000)を添加、溶解してポリ乳酸と窒化ホウ素ナノチューブからなる混合溶液を調製した。混合溶液よりジクロロメタンを除去した後、50℃1時間、70℃10分減圧乾燥することで樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークを表1に示す。
<比較例4>
23.5重量部のポリ乳酸(島津製作所製 ラクティ#9000)を200重量部のジクロロメタンに添加、溶解してポリ乳酸溶液を調製した。ポリ乳酸溶液よりジクロロメタンを除去した後、50℃1時間、70℃10分減圧乾燥することで樹脂を得た。得られた樹脂の融解後、20℃/分で測定したDSCの冷却曲線の結晶化ピークを表1に示す。
以下、表1に実施例1〜5、および比較例1〜4の結果をまとめた。窒化ホウ素ナノチューブを添加することにより、ポリエステルの融解後の冷却過程におけるDSC測定で得られた結晶化ピークが高温側にシフトしており、結晶化が促進していることがわかる。また、多層カーボンナノチューブを用いた場合よりも、結晶化ピークは高温であり、10重量%減量温度も高温であることから、窒化ホウ素ナノチューブが耐熱性(耐酸化性)および結晶化促進剤として優れていることがわかる。ポリ乳酸の系においては、窒化ホウ素ナノチューブがない場合、結晶化ピークは観測されなかったにもかかわらず、窒化ホウ素ナノチューブ含有樹脂組成物の場合、結晶化ピークが観察された。
<実施例6>
0.3重量部のBNNTを60重量部のエチレングリコールに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い分散液を調製した。37.7重量部の2,6−ビスヒドロキシエチルナフタレンジカルボキシレートと三酸化アンチモン0.011重量部を上記分散液に加え窒素不活性雰囲気下220℃にて反応を開始した。30分かけて270℃に昇温し、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に300℃、0.3mmHgへ1時間かけて設定し、この条件で1時間反応を行い樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は均一な白色であった。得られた樹脂組成物の固有粘度は0.65dl/gであった。
(製糸)
120℃で5時間乾燥した上記で得られた樹脂組成物を、通常のエクストルーダー型モノホール紡糸機で300℃にて溶融した。1時間脱泡した後、口径0.2mmの口金から紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を140℃で7.5倍に一段延伸し、窒化ホウ素ナノチューブ含有ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート繊維を製造した。図1に得られた繊維のTEM写真を示す。直径が100nmより大きい窒化ホウ素ナノチューブの凝集物は観察できず、窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散していることがわかる。また、繊維軸方向に窒化ホウ素ナノチューブが高度に配向していることがわかる。得られた繊維の物性の測定結果を表2に示す。
<比較例5>
37.7重量部の2,6−ビスヒドロキシエチルナフタレンジカルボキシレートに三酸化アンチモン0.011重量部を加え窒素不活性雰囲気下220℃にて反応を開始した。30分かけて270℃に昇温し、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に300℃、0.3mmHgへ1時間かけて設定し、この条件で1時間反応を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固有粘度は0.64dl/gであった。
(製糸)
120℃で5時間乾燥した上記樹脂組成物を、通常のエクストルーダー型モノホール紡糸機で300℃にて溶融した。1時間脱泡した後、口径0.2mmの口金から紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を140℃で7.5倍に一段延伸し、ポリエチレンテレフタレート繊維を製造した。得られた繊維の物性の測定結果を表2に示す。
<比較例6>
0.3重量部の多層カーボンナノチューブ(MWNT、シンセンナノテクポート社製 直径40〜60nm)を60重量部のエチレングリコールに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い、窒化ホウ素ナノチューブ分散液を調製した。37.7重量部の2,6−ビスヒドロキシエチルナフタレンジカルボキシレートと三酸化アンチモン0.011重量部を上記分散液に加え窒素不活性雰囲気下220℃にて反応を開始した。30分かけて270℃に昇温し、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に300℃、0.3mmHgへ1時間かけて設定し、この条件で1時間反応を行い樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固有粘度は0.65dl/gであった。
(製糸)
120℃で5時間乾燥した上記樹脂組成物を、通常のエクストルーダー型モノホール紡糸機で300℃にて溶融した。1時間脱泡した後、口径0.2mmの口金から紡出を試みたが、分散性が悪く安定な紡糸を実施することはできなかった。以下表2に実施例6および比較例5〜6の結果をまとめた。
<実施例7>
0.3重量部のBNNTを60重量部のエチレングリコールに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い分散液を調製した。40重量部のビスヒドロキシエチルテレフタレートと三酸化アンチモン0.014重量部を上記分散液に加え窒素不活性雰囲気下200℃にて反応を開始した。30分かけて250℃に昇温した後、その後系内の圧力を常圧から30mmHgへ1時間かけて減圧し、最終的に280℃、0.3mmHgへさらに10分かけて、昇温、減圧を行った。その条件で3時間反応を行い樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は均一な白色であった。得られた樹脂組成物の固有粘度は0.68dl/gであった。
(製糸)
120℃で5時間乾燥した上記で得られた樹脂組成物を、通常のエクストルーダー型モノホール紡糸機で300℃にて溶融した。1時間脱泡した後、口径0.2mmの口金から紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を140℃で5.4倍に一段延伸し、窒化ホウ素ナノチューブ含有ポリエチレンテレフタレート繊維を製造した。図2に得られた繊維のTEM写真を示す。直径が100nmより大きい窒化ホウ素ナノチューブの凝集物は観察できず、窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散していることがわかる。また、繊維軸方向に窒化ホウ素ナノチューブが高度に配向していることがわかる。
<実施例8>
0.235重量部のBNNTを200重量部のジクロロメタンに添加して、超音波バスを用いて1時間処理を行い分散液を調製した。この分散液に23.5重量部のポリ乳酸(島津製作所製 ラクティ#9000)を添加、溶解してポリ乳酸と窒化ホウ素ナノチューブからなる混合溶液を調製した。ドクターブレード200μを用いて、ガラス板上にキャストした後、室温でジクロロメタンを除去した。50℃1時間、70℃10分減圧乾燥することでフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは23μm、引張強度62.7MPa、引張弾性率3.00GPaであった。
<比較例7>
23.5重量部のポリ乳酸(島津製作所製 ラクティ#9000)を200重量部のジクロロメタンに添加、溶解してポリ乳酸溶液を調製した。ポリ乳酸溶液をドクターブレード200μmを用いて、ガラス板上にキャストした後、室温でジクロロメタンを除去した。50℃1時間、70℃10分減圧乾燥することでフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは23μm、引張強度57.1MPa、引張弾性率2.85GPaであった。
表1および表2中、PETはポリエチレンテレフタレート、PENはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、PLAはポリ乳酸、BNNTは窒化ホウ素ナノチューブ、MWNTは多層カーボンナノチューブを表す。
本発明の樹脂組成物および成形体は、機械部品、衣料・産業資材、電気電子用途に使用することができる。
実施例6で得られた繊維の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 実施例7で得られた繊維の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。

Claims (15)

  1. ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物。
  2. 窒化ホウ素ナノチューブは、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 示差走査熱量分析(DSC)測定において、窒素雰囲気下、融解後、降温速度20℃/分で測定したときの結晶化ピークが、窒化ホウ素ナノチューブを含まないポリエステルに比較して、高温側にシフトしている請求項1〜3いずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 示差走査熱量分析(DSC)測定において、窒素雰囲気下、融解後、降温速度20℃/分で測定したときの結晶化ピークが、窒化ホウ素ナノチューブを含まないポリエステルでは見られなかった結晶化ピークが発現する請求項1〜3いずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. ポリエステルに窒化ホウ素ナノチューブを溶融混合することからなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 窒化ホウ素ナノチューブの存在下で、ポリエステルの重合反応を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  8. 溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた後、ポリエステルを添加、溶解して、ポリエステル、窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有する溶液を調製し、次いで溶媒を除去することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物からなる繊維。
  10. 窒化ホウ素ナノチューブの90%以上が、繊維軸方向に配向している請求項9に記載の繊維。
  11. 窒化ホウ素ナノチューブの90%以上が、直径200nm以下である請求項9または10記載の繊維。
  12. ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物を溶融紡糸し、次いで延伸することを特徴とする繊維の製造方法。
  13. ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物からなるフィルム。
  14. ポリエステル100重量部および窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物を溶融押出することを特徴とするフィルムの製造方法。
  15. 溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた後、ポリエステルを添加、溶解して、ポリエステル、窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒を含有する溶液を調製し、キャストした後、溶媒を除去することを特徴とするフィルムの製造方法。
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