JP5556223B2 - 液晶高分子組成物、その製造方法及び成形体 - Google Patents

液晶高分子組成物、その製造方法及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、特定の凝集粒子と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物、該熱可塑性樹脂組成物の製造方法、及び該熱可塑性樹脂組成物を溶融成形して得られる成形体に関する。
熱可塑性樹脂は、リサイクル加工が可能であり、生産性の高い溶融成形加工(押出成形や射出成形等)に適用できることから、環境負荷が小さく、かつ、エネルギー効率の高い材料として有用である。中でも金属やセラミックスを代替し得る高性能高分子材料(エンジニアリング材料)が、電気、電子、機械、光学機器、自動車、航空機、医療分野と様々な分野の構成材料として利用されている。
熱可塑性樹脂の中でも液晶高分子は、機械強度や耐熱性等の特性に優れた成形体が得られることから、様々な分野の構成材料として特に有用である。液晶高分子は、分子が剛直なため溶融状態でも絡み合いを起こさず液晶状態を有するポリドメインを形成し、成形時のせん断により分子鎖が流れ方向に著しく配向する挙動を示し、それにより優れた機械強度の成形体を得ることができる。
ところで、熱可塑性樹脂を溶融成形して成形体を得る場合、形状が比較的複雑な成形体を得るときは、射出成形という成形方法が通常用いられる。この射出成形とは、所望の成形体形状に相当する空隙部(キャビティ)を有する金型を用い、当該キャビティに溶融樹脂を射出注入し、さらに注入された溶融樹脂を冷却固化した後、金型を分離して、成形体を製造する方法である。射出成形による成形体製造において、目的とする成形体が、例えば中空部を有するような形状である場合、射出された溶融樹脂はキャビティ内で、複数の流路に分流したり、さらに分流した溶融樹脂が再び合流したりすることがある。そして、溶融樹脂の合流した部分は、得られる成形体において、色むらや凹部となって外観上の不良(外観不良)となることがある。このような成形体の外観不良は、通常ウエルドラインと呼ばれている。
成形体の外観不良を改良するには、ウエルドラインの発生を防止することが必要であり、そのため溶融成形時に様々な工夫が試みられている。たとえば、特許文献1では、板状の本体部に貫通孔(中空部)が形成された成形体において、前記貫通孔の周囲に厚肉部を設けることによりウエルドラインの発生を抑制できることが開示されている。しかしながら、この検討では、成形体の形状に制約が加わり、成形体の使用目的に合致しない場合があった。
特開平11−291277号公報
熱可塑性樹脂を溶融成形して成形体を得るうえで、ウエルドラインの発生を抑制することは高品位な成形体を得る点で重要である。したがって、成形体形状の自由度を確保しながらも、ウエルドラインの発生を防止し得る成形体を与える樹脂材料は市場からも強く求められている。特に、熱可塑性樹脂として液晶高分子を使用した場合、該液晶高分子は成形時の強い配向のために、キャビティ内で溶融樹脂の合流が生じるような成形体を製造しようとすると、発生するウエルドラインがより明瞭に現れ易く、特に外観に劣るという欠点がある。
そこで、本発明の目的は、溶融(射出)成形したときに、ウエルドラインの発生が十分防止され、外観に優れる成形体を与える熱可塑性樹脂材料を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、以下の<1>を提供する。
<1>:熱可塑性樹脂と、繊維状結晶が凝集してなる凝集粒子とを含む、熱可塑性樹脂組成物。
また、本発明は、前記<1>に係る具体的な実施態様として、以下の<2>〜<5>を提供する。
<2>:前記繊維状結晶が、けい酸カルシウムの繊維状結晶である、<1>の熱可塑性樹脂組成物。
<3>:前記繊維状結晶がゾノトライトの結晶である、<1>又は<2>の熱可塑性樹脂組成物。
<4>:前記熱可塑性樹脂が、液晶高分子である、<1>〜<3>のいずれかの熱可塑性樹脂組成物。
<5>:前記凝集粒子の含有量が、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上150重量部以下である、<1>〜<4>のいずれかの熱可塑性樹脂組成物。
さらに、本発明は、前記いずれかの熱可塑性樹脂組成物の製造方法及びその用途として、以下の<6>及び<7>を提供する。
<6>:<1>〜<5>のいずれかの熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記凝集粒子の一部と前記熱可塑性樹脂とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物に前記凝集粒子の残部を溶融混練する工程とを有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
<7>:<1>〜<5>のいずれかの熱可塑性樹脂組成物を溶融成形して得られる、成形体。
本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、ウエルドラインの発生を十分抑制した成形体を得ることができる。特に、熱可塑性樹脂が液晶高分子である場合、従来の成形体に比して、ウエルドラインの発生を良好に防止することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形体は、ケース、筐体のような外観が特に重視される成形体や、カメラのレンズ鏡筒、光学センサー筐体のような表面の反射ムラが問題となる光学部品に極めて有用であり、工業的な価値は大きい。
実施例でウエルドラインの有無の判定に用いた成形体の形状の概要を表す図面である。
本発明は、熱可塑性樹脂と、繊維状結晶が凝集してなる凝集粒子とを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。以下、該熱可塑性樹脂組成物の構成成分である凝集粒子、熱可塑性樹脂、これらを用いた熱可塑性樹脂組成物の製造方法、熱可塑性樹脂組成物を溶融成形して得られる成形体に関し、順次説明する。
<凝集粒子>
本発明に用いる凝集粒子は、繊維長0.05μm〜30μmの繊維状結晶が凝集して粒子状になったものであることが好ましい。該繊維状結晶の繊維長は0.1μm〜10μmであることがより好ましい。また、該繊維状結晶の繊維径は、10nm〜1μmであることが好ましく、50nm〜600nmであることがよりに好ましい。なお、ここでいう繊維長や繊維径は、以下のような測定方法で求められるものである。このような繊維径の繊維状結晶であれば、熱可塑性樹脂との親和性が良好となる傾向がある。
[繊維長・繊維径の測定方法]
前記繊維状結晶をメタノールに分散させて、分散液を調製し、該分散液をスライドガラス上に展開し、メタノールを蒸発させた後に、走査型電子顕微鏡を用い、測定倍率2000倍で顕微鏡写真をとり、その写真から繊維状結晶の繊維長を計測する。このような顕微鏡写真により、該凝集粒子100個程度の繊維長を計測し、計測値を平均して繊維長を求める。また、同様にして得られた顕微鏡写真により、繊維状結晶の繊維径を計測し、繊維長測定と同数程度の計測値を求め、それらを平均することで繊維径は求められる。
また、前記繊維状結晶は、けい酸塩を含む繊維状の結晶であることが好ましく、また、人工的に合成して得られるものであることが好ましい。このけい酸塩としては、例えば、けい酸カルシウム、けい酸マグネシウム、けい酸ナトリウム、けい酸カリウムが挙げられ、中でも、けい酸カルシウムが好ましい。このような繊維状結晶からなる前記凝集粒子は、熱可塑性樹脂との親和性が一層良好となる傾向にある。
このけい酸カルシウムの繊維状結晶を具体的に例示すると、トベルモライト(化学式:Ca5Si616(OH)2・4H2O)の結晶、ウォラストナイト(化学式:CaO・SiO2)の結晶、ゾノトライト(化学式:CaO・SiO2・H2O)の結晶が挙げられる。
前記ウォラストナイトとしては、例えば、巴化学(株)、ナガセケムスペック(株)から、繊維長6〜25μm程度の結晶が入手できる。
前記ゾノトライトとしては、例えば、宇部マテリアルズ(株)から、繊維長10〜20μm程度の結晶が入手できる。
このような繊維状結晶から凝集粒子を得る。換言すれば、本発明に使用する凝集粒子とは、該繊維状結晶が集合体化した二次粒子ということができる。
該繊維状結晶を凝集してなる凝集粒子を得るには、種々公知の手段が採用される。具体的に先行文献を示して例示すると、特開平6−40715号公報には、石灰乳と結晶質珪酸原料と水とを混合して原料スラリーを得、該原料スラリーを加圧下、加熱攪拌しながら水熱合成反応を行い、トベルモライトが凝集された凝集粒子を得る方法が開示されている。また、ウォラストナイトが凝集された凝集粒子の製造方法は、特開昭53−146997号公報に開示されている。
また、ゾノトライトの結晶が凝集してなる凝集粒子には、市場から容易に入手できる市販品もある。該市販品としては、例えば、日本インシュレーション(株)製「ゾノトライトパウダーXK」(平均粒子径30μm)や「ゾノトライトパウダーXJ」(平均粒子径22μm)が挙げられる。このような市販の凝集粒子は、これまで耐火材、断熱材、意匠材料といった建築材料用途に向けて市販されているものであるが、このような市販の凝集粒子を、熱可塑性樹脂とともに熱可塑性樹脂組成物にすることで、該熱可塑性樹脂組成物から得られる成形体のウエルドラインの発生を抑制し得ることは、本発明者等の検討によって初めて見出されたものである。なお、ここでいう平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定により求められる体積平均粒子径をいう。このような市販の凝集粒子の使用は、当該凝集粒子の製造を必要としないことから、本発明の熱可塑性樹脂の製造における工程を省略できるという利点がある。
また、本発明に用いる凝集粒子は、その形状が球状や略球状であることは必ずしも必要ではなく、異形状粒子であってもよく、該凝集粒子の表面の一部に凹凸を有するものであってもよい。また、該凝集粒子は、後述する熱可塑性樹脂と溶融混練する際、混和性をより良好にする面で、その平均粒子径が1〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましく、20〜40μmであることがさらに好ましい。仮に、上述の方法により繊維状結晶を凝集せしめて凝集粒子を製造した後、得られた凝集粒子がこのような平均粒子径を満たさない場合には、適当な分級操作によって分級することで、所望の平均粒子径に調節することもできる。上述の市販品であるゾノトライトの繊維状結晶が凝集してなる凝集粒子は、その平均粒子径も好適な範囲のものである。
<熱可塑性高分子>
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、溶融成形においてウエルドラインが発生するような各種の熱可塑性樹脂に適用することができる。該熱可塑性樹脂を具体的に例示すると、ポリスチレン、ポリメチルペンテン−1、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド12、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンースチレン共重合体、ポリアミド6、ポリアミド66、芳香族ポリアミド、9Tポリアミド、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ六フッ化エチレンプロピレン、ポリ三フッ化エチレン、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスルホンポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド及びその変性物、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエステルアミド等が挙げられる。また、これらの中でもポリエステル、ポリアミド又はポリエステルアミドであって液晶性を有する液晶高分子は、既述のようにウエルドラインがより明瞭に発生し易く、本発明の効果をより一層享受することができる。
<液晶高分子>
以下、本発明に使用するうえで、好適な液晶高分子に関し詳述することにする。
液晶高分子とは、溶融時に光学異方性を示し、500℃以下の温度で異方性溶融体を形成する高分子をいう。この光学的異方性は、直交偏光子を利用した通常の偏光検査法によって確認することができる。液晶高分子は、その分子内に、分子形状が細長く、扁平で分子の長鎖に沿って剛性が高い分子鎖(以下、剛性が高い分子鎖を「メソゲン基」と呼ぶことがある)を有する。液晶高分子は、このようなメソゲン基を主鎖又は側鎖のいずれか一方又は両方に有する高分子であるが、より高耐熱性の成形体を求めるならば高分子主鎖にメソゲン基を有する液晶高分子が、本発明の熱可塑性樹脂組成物には好ましい。
該液晶高分子の具体例としては、液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエステルエーテル、液晶ポリエステルカーボネート、液晶ポリエステルイミド、液晶ポリアミド等が挙げられるが、これらの中でも、高強度の成形体が得られる点で液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド又は液晶ポリアミドが好ましい。
前記の好適な液晶高分子を具体的に例示すると、以下の(a)、(b)、(c)からなる群より選ばれる少なくとも1種の液晶高分子が好ましい。
(a):構造単位(I)及び/又は構造単位(II)からなる、液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド又は液晶ポリアミド。
(b):構造単位(I)及び構造単位(II)からなる群より選ばれる構造単位と、構造単位(III)と、構造単位(IV)とからなる、液晶ポリエステル又は液晶ポリエステルアミド。
(c):構造単位(I)及び構造単位(II)からなる群より選ばれる構造単位と、構造単位(III)と、構造単位(IV)、構造単位(V)及び構造単位(VI)からなる群より選ばれる構造単位とからなる、液晶ポリエステル又は液晶ポリエステルアミド。
Figure 0005556223
ここで、Ar1、Ar2、Ar5及びAr6は同一あるいは異なって、2価の芳香族基を表し、Ar3及びAr4は同一あるいは異なって、2価の芳香族基、2価の脂環基及び2価の脂肪族基からなる群より選ばれる基を表す。なお、前記芳香族基にある芳香環上の水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数6〜10のアリール基で置換されていてもよい。なお、ここで脂環基とは脂環式化合物から水素原子を2つ取り去って得られる基を意味し、脂肪族基とは脂肪族化合物から水素原子を2個取り去って得られる基を意味する。
前記の構造単位において、Ar1、Ar2、Ar5及びAr6で示される芳香族基としては、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニレン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルケトン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルメタン等の、単環芳香族化合物、縮合環芳香族化合物及び複数の芳香環が2価の連結基(単結合を含む)で連結された芳香族化合物からなる群より選ばれる芳香族化合物の芳香環に結合している水素原子を2つ取り去って得られる基であり、好適には、2,2−ジフェニルプロピリデン基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基及び4,4’−ビフェニレン基からなる群より選ばれる2価の芳香族基であり、該芳香族基がこのような基である液晶高分子は、より機械強度に優れる傾向にあるため好ましい。
構造単位(I)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される構造単位であり、該芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸、又はこれらの芳香族ヒドロキシカルボン酸にある芳香環上の水素原子の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。なお、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6の直鎖、分岐又は脂環状のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、イソプロピオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの、直鎖、分岐又は脂環状のアルコキシ基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基やナフチル基が挙げられる。また、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
構造単位(II)は、芳香族アミノカルボン酸から誘導される構造単位であり、該芳香族アミノカルボン酸としては、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、又はこれら芳香族アミノカルボン酸にある芳香環上の水素原子の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族アミノカルボン酸が挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の置換基として例示したものと同じである。
構造単位(V)は、芳香族ヒドロキシアミンから誘導される構造単位であり、4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニル、又はこれら芳香族ヒドロキシアミンにある芳香環上の水素原子の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ヒドロキシアミンが挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の置換基として例示したものと同じである。
構造単位(VI)は、芳香族ジアミンから誘導される構造単位であり、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリン)、これらの芳香族ジアミンにある芳香環上の水素の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基ハロゲン原子に置換されてなる芳香族アミノカルボン酸、前記に例示した芳香族ジアミンの1級アミノ基に結合している水素原子がアルキル基に置換されてなる芳香族ジアミンが挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の置換基として例示したものと同じである。
前記の構造単位(III)におけるAr3と、構造単位(IV)におけるAr4は、Ar1、Ar2、Ar5又はAr6で説明した芳香族基に加えて、炭素数1〜9の飽和脂肪族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の脂肪族基や2価の脂環基から選ばれる基である。
構造単位(III)は、芳香族ジカルボン酸あるいは脂肪族ジカルボン酸から誘導される基であり、該芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’’−トリフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、又はこれら芳香族ジカルボン酸にある芳香環上の水素原子の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
該脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;及びトランス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジカルボン酸、トラシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸あるいはこれらの脂肪族ジカルボン酸にある脂肪族基又は脂環基の水素原子の一部又は全部がアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
なお、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の置換基として例示したものと同等である。
構造単位(IV)は、芳香族ジオールあるいは脂肪族ジオールから誘導される基であり、該芳香族ジオールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレン−2,6−ジオール、4,4’−ビフェニレンジオール、3,3’−ビフェニレンジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン又はこれら芳香族ジオールにある芳香環上の水素原子の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ジオールが挙げられる。
該脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、シス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、トランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シクロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサンジメタノール又はこれらの脂肪族ジオールにある脂肪族基又は脂環基の水素原子の一部又は全部がアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる脂肪族ジオールが挙げられる。
なお、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の置換基として例示したものと同じである。
上述の好適な液晶高分子において、前記(b)又は前記(c)は、構造単位(III)と構造単位(IV)に脂肪族基を有する場合もあるが、このような液晶高分子に対する脂肪族基の導入量は、該液晶高分子が液晶性を発現し得る範囲で選択され、さらには該液晶高分子の耐熱性を著しく損なわない範囲で選択される。本発明に適用する液晶高分子において、該液晶高分子にあるAr1〜Ar6の総和を100モル%としたとき、2価の芳香族基の総和が60モル%以上であると好ましく、75モル%以上であるとさらに好ましく、90モル%以上であるとより好ましく、2価の芳香族基の総和が100モル%である全芳香族液晶高分子が特に好ましい。
好適な全芳香族液晶高分子の中でも、前記(a)の液晶ポリエステル又は前記(b)の液晶ポリエステルが好ましく、特に前記(b)の液晶ポリエステルが好ましい。さらに、前記(b)の液晶ポリエステルの中でも、以下の(I−1)及び/又は(I−2)の芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される構造単位と、以下の(III−1)、(III−2)及び(III−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸から誘導される構造単位と、下記の(IV−1)、(IV−2)、(IV−3)及び(IV−4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ジオールから誘導される構造単位とからなる液晶ポリエステルは、成形性、耐熱性、高機械強度及び難燃性といった特性がいずれも高水準となる成形体が得られやすいという利点がある。
Figure 0005556223
次に、好適な液晶高分子を製造する方法について説明する。
該液晶高分子の製造方法としては、前記(a)においては、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又は芳香族アミノカルボン酸を原料モノマーとし、前記(b)においては、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又は芳香族アミノカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸と、芳香族ジオール及び/又は脂肪族ジオールとを原料モノマーとし、前記(c)においては、芳香族カルボン酸及び/又は芳香族アミノカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを原料モノマーとし、これらの原料モノマーを公知の重合方法で重合することにより液晶高分子は製造できる。
より好適な液晶高分子である液晶高分子である前記(b)の液晶ポリエステルにおいては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオールとを原料モノマーとして用い重合することで液晶ポリエステルを得ることができる。
上述のように、液晶高分子を製造するには、前記に示した原料モノマーを直接重合してもよいが、より重合を容易にするためには、原料モノマーの一部をエステル形成性誘導体・アミド形成性誘導体(以下、まとめて「エステル・アミド形成性誘導体」ということがある)に転換してから重合することが好ましい。該エステル・アミド形成性誘導体とは、エステル生成反応又はアミド生成反応を促進するような基を有する化合物を意味し、具体的に例示すると、モノマー分子内のカルボキシル基を、ハロホルミル基、酸無水物基又はエステル基に転換したエステル・アミド形成性誘導体、モノマー分子内のフェノール性水酸基又はフェノール性アミノ基を、それぞれエステル基又はアミド基にしたエステル・アミド形成性誘導体等が挙げられる。
以下、原料モノマーの一部をエステル・アミド形成性誘導体に転換して重合を行い、前記(b)の液晶ポリエステルを製造する方法について簡単に説明する。該液晶ポリエステルの製造としては、例えば、特開2002−146003号公報に記載の方法等によって実施できる。まず、脂肪酸無水物、好ましくは無水酢酸を用いて、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジオールのフェノール性水酸基をアシル基に転換したアシル化物を製造する。次いで、このようにして得られたアシル化物のアシル基と、アシル化芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のカルボキシル基とがエステル交換を生じるようにして脱酢酸重縮合させることによって、液晶ポリエステルが製造される。この脱酢酸重縮合は、反応温度150〜400℃、反応時間0.5〜8時間という重合条件による溶融重合で実施できる。該溶融重合では、比較的低分子量の液晶ポリエステル(以下、「プレポリマー」という)が得られる。液晶ポリエステル自身のさらなる特性向上のためには、該プレポリマーをさらに高分子量化させることが好ましく、この高分子量化には固相重合を行うことが好ましい。該固相重合とは、該プレポリマーを粉砕して粉末状にし、得られた粉末状プレポリマーを固相状態のまま加熱する重合方法である。このような固相重合を用いると、重合がより進行して、液晶ポリエステルの高分子量化を図ることができる。
<熱可塑性樹脂組成物>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、前記凝集粒子を0.1重量部以上150重量部以下で用いることが好ましく、前記凝集粒子を0.5重量部以上67重量部以下で用いることがさらに好ましく、前記凝集粒子を1重量部以上25重量部以下で用いることがより好ましい。該凝集粒子の使用量が上述の範囲を下回ると、得られる成形体のウエルドラインの発生を十分抑制できないことがある。一方、前記凝集粒子の使用量が上述の範囲を超えると、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が悪化し易く、得られる成形体の機械的強度も低下して脆くなる傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、種々の慣用の方法によって調製することができる。たとえば、前記熱可塑性樹脂及び前記凝集粒子を、ヘンシェルミキサーやタンブラー等を用いて混合することで本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。また、押出機を用いて前記熱可塑性樹脂をあらかじめ加熱溶融させてから、前記凝集粒子を投入して溶融混練することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物をペレット状(組成物ペレット)にして得ることもできる。また、このような方法を組み合わせてもよい。すなわち、予め前記熱可塑性樹脂及び前記凝集粒子を、ヘンシェルミキサーやタンブラー等を用いて混合して混合物とした後、さらにこの混合物を、押出機を用いて溶融混練し、本発明の熱可塑性樹脂組成物をペレット状(組成物ペレット)にして得ることもできる。このようにして本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができるが、該熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、押出機をも用いて組成物ペレットとして得ることが、後の成形に使用する際に、取扱性が優れるので好ましい。なお、該押出機としては、2軸の混練押出機を用いることがより好ましい。
この組成物ペレットの製造としては、予め、使用する熱可塑性樹脂を全量、加熱溶融してから、この溶融熱可塑性樹脂に、使用する凝集粒子全量を溶融混練することもできるが、好ましくは、前記凝集粒子の一部と前記熱可塑性樹脂とを混合して混合物を得る工程と、該混合物と前記凝集粒子の残部とを溶融混練する工程とを有し、この溶融混練する工程により得られる溶融物を紐状(ストランド)に押出して、当該ストランドを一定長さになるように切断し、組成物ペレットを得る熱可塑性樹脂組成物の製造方法が特に好ましい。このように、使用する熱可塑性樹脂を複数回に分けて使用し、熱可塑性樹脂組成物をペレット状で得ると、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物(組成物ペレット)中の凝集粒子が、より均一に分散し易くなる(分散性が良好となる)という利点がある。なお、この場合、前記混合物調製に予め使用する凝集粒子は、その使用量全量に対して10〜50重量%、好ましくは30重量%程度とすると好ましい。また、分散性は所定長さに切断された組成物ペレットの重量を測定し、この重量測定値の標準偏差により、そのばらつきを求め、このばらつきが小さければ、分散性が良好と見ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、他の諸特性、たとえば機械強度等の向上を求めて、その他の充填剤を使用してもよい。そのような充填剤としては、繊維状フィラー、板状フィラー、球状フィラー、粉状フィラー、異形フィラー、ウイスカー、着色成分、潤滑剤、各種界面活性剤、酸化防止剤や熱安定剤、その他各種安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が挙げられる。
繊維状フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維が挙げられる。
板状フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、グラファイトが挙げられる。
球状フィラーとしては、例えば、ガラスビース、ガラスバルーンが挙げられる。
粉状フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ硫酸バリウム、酸化チタン、カーボンブラック、導電カーボン、微粒シリカが挙げられる。
異形フィラーとしては、例えば、ガラスフレーク、異形断面ガラス繊維が挙げられる。
これらの充填剤は、1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。その使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0〜250重量部、より好ましくは0〜150重量部、さらに好ましくは0〜100重量部、一層好ましくは0〜67重量部である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に、該充填剤としてカーボンブラックを使用した場合、得られる成形体のウエルドライン発生の存否が明瞭に判定することができる。また、該カーボンブラックの使用は、黒色に着色された成形体を与える。そして、該成形体にウエルドラインが発生していると、着色の度合いにムラが生じることになるので、このようにムラの存否を判定することにより、ウエルドラインを判定することができる。
<熱可塑性樹脂組成物の成形方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来公知の溶融成形、好ましくは、成形体の形状によってはウエルドラインを発生する可能性の高い射出成形において、該ウエルドラインの発生を極めて良好に抑制し得るという顕著な効果を奏する。また、該溶融成形における他の成形方法、すなわち、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、Tダイを用いたフィルム成形、インフレーション成形等のフィルム製膜、溶融紡糸にも適用することが可能である。
これらの溶融成形の中でも、様々な形状の成形体が製造可能であり、比較的複雑な形状の成形体を得る点で射出成形が好ましい。該射出成形は高生産性であるという点でも有利である。また、該射出成形は既述のように、前記キャビティにおける溶融樹脂の合流に伴うウエルドラインの発生が顕著であり、本発明の効果をより一層享受できるものである。
ここでは、本発明の熱可塑性樹脂組成物を上述の組成物ペレットとして得た場合において、該組成物ペレットを用いた射出成形について詳述することにする。まず、該組成物ペレットの流動開始温度FT(℃)を求める。ここで、流動開始温度とは射出成形機の可塑化装置内で組成物ペレットが溶融する温度を表し、通常熱可塑性樹脂組成物自体の流動開始温度である。なお、流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管レオメータを用いて、9.81MPa(100kgf/cm2)の荷重下、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体を昇温しながらノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度である。このような流動開始温度とは、液晶高分子の技術分野では、その分子量を表す指標として周知のものである(小出直之編、「液晶性ポリマー合成・成形・応用−」、95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。本発明においては、流動開始温度を測定する装置として、(株)島津製作所製の流動特性評価装置「フローテスターCFT−500D」を用いる。
好適な射出成形としては、組成物ペレットの流動開始温度FT(℃)に対して、[FT]℃以上[FT+100]℃以下の温度(樹脂溶融温度)で該組成物ペレットを溶融せしめて溶融物を得、該溶融物を、0℃以上の温度に設定された金型に射出する方法である。
なお、該組成物ペレットは射出成形に供する前に十分乾燥させておくことが好ましい。
該樹脂溶融温度が、FT(℃)よりも低いと、該組成物ペレットが十分溶融することができないため、溶融物の流動性が低くなり、微細な形状の成形体を得ようとすることが困難になったり、金型面への転写性が低くなって成形体表面が荒れたり、する傾向があり、好ましくない。一方、該樹脂溶融温度が、[FT+100]℃よりも高いと、成形途中で、組成物ペレット中の熱可塑性樹脂の分解が生じ、得られる成形体に膨れ状の外観異常を生じたり、熱可塑性樹脂の分解物がガス化して脱ガス等が発生しやすくなりなったり、するので好ましくない。また、該樹脂溶融温度が、[FT+100]℃よりも高いと、射出成形後に金型を開いて成形体を取り出す際に、ノズルから溶融樹脂が流れ出るような弊害を生じやすいことから、成形体の生産性自体が低下するおそれもある。成形体の安定性と成形性(生産性)を考慮すると、該樹脂溶融温度は[FT+10]℃以上[FT+80]℃以下であることが好ましく、さらに[FT+15]以上[FT+60]℃以下であることがより好ましい。
また、金型温度は前記のとおり、通常0℃以上に設定されるが、該金型温度は、得られる成形体の寸法、機械物性、及び、加工性や成形サイクルといった生産性を加味して決定される。この要件を勘案した場合、該金型温度は40℃以上が好適である。該金型温度が40℃を下回ると、連続成形する場合に該金型温度のコントロールが困難になり易く、温度のばらつきが生じて、結果として得られる成形体に悪影響を及ぼすことがある。より好ましくは、該金型温度は70℃以上である。該金型温度が70℃を下回ると、得られる成形体の表面平滑性が損なわれることがある。表面平滑性を良好にする点からは、該金型温度は高いほど有利であるが、高すぎると冷却効果が低下して冷却工程に要する時間が長くなるために生産性が低下したり、離型性の低下により成形体が変形したりするなどの問題が生じるため好ましくない。さらにいえば、該金型温度を上げすぎると、金型どうしの噛み合いが悪くなり、金型開閉時に金型自体が破損する危険性も増加する。該金型温度の上限も、前記組成物ペレットに含まれる熱可塑性樹脂の分解を防止するために、適用する組成物ペレットの種類に応じて適宜最適化することが好ましい。なお、使用する熱可塑性樹脂が好適な液晶高分子、特に全芳香族の液晶ポリエステルである場合、金型温度は70℃以上220℃以下が好ましく、130℃以上200℃以下がより好ましい。
このような射出成形において、本発明の熱可塑性樹脂組成物が前記凝集粒子を用いることにより、ウエルドラインの発生が抑制されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、本発明者等は次のように推定している。なお、ここではウエルドラインの発生要因であるキャビティでの溶融樹脂が合流する部分を「ウエルド部」と呼ぶことにする。
熱可塑性樹脂を溶融させて溶融樹脂を形成し、これを射出成形したとき、該熱可塑性樹脂の溶融樹脂は、金型表面においてせん断を受けて大きく配向することになり、その結果、収縮率も異方性を生じることになる。一方キャビティ中を流動する樹脂は冷却されながら充填するため、ウエルド部においては粘度の上昇、固化挙動が生起していると考えられる。したがって、ウエルド部において会合した熱可塑性樹脂の分子鎖の絡み合いは生じにくく、流動時の配向を残したまま固化する傾向が高まり、この現象がウエルドラインを生じさせているものと考えられる。特に、液晶高分子においては、分子鎖自体の配向性が強く、かつ、冷却固化速度が速い反面緩和時間が長いといった特徴があり、その傾向が特に強い。それに対し、前記凝集粒子を含む熱可塑性樹脂組成物では、異方性をもった繊維状結晶が三次元的に絡み合うことで異方性を失っており、かつ、該凝集粒子が繊維状結晶の集合体(二次粒子)であるという独特の構造から、成形時にキャビティ中を流れる溶融樹脂のせん断配向を阻害する効果が高く、かつ、溶融樹脂が会合するウエルド部において該凝集粒子が絡み合うことで、ウエルドラインを消失させていると推定される。また、射出成形の途中で、該凝集粒子の一部の凝集状態が解け、繊維状結晶となっていることも判明している。このように凝集粒子と繊維状結晶が共存することによっても、ウエルドライン発生の抑制に寄与していることも考えられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前記凝集粒子は成形体におけるウエルドラインの発生を良好に抑制することができるが、該凝集粒子を使用した場合の成形体と、該凝集粒子を使用しない場合の成形体とを比較しても、成形体自体の機械強度や耐熱性といった特性は著しく損なわれない。したがって、前記凝集粒子は、熱可塑性樹脂自体が有している特徴を十分維持しつつ、ウエルドライン発生を良好に回避できるものである。
また、本発明者等が検討した結果、熱可塑性樹脂として液晶高分子を用いた場合、該液晶高分子を射出成形して得られた成形体の一つの問題である表面剥離が大きく抑制されていることが判明した。すなわち、液晶高分子を用いてなる成形体は、通常その表面にスキン層と呼ばれる特有の層が形成される傾向がある。このスキン層では、液晶高分子が特に強く配向しており、弱く擦っただけでも、繊維状のフィブリルが手羽だってくること(表面剥離)がある。このような表面剥離は、たとえばテープ剥離試験で判定できる。簡単に、このテープ剥離試験を説明すると、成形体表面にテープを張って剥がすといった操作を所定回繰り返し、テープを貼って剥がした部分の後が目視でも判定できる場合を、表面剥離が生じていると判定する試験である。本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前記液晶高分子と前記凝集粒子とを用いることにより得られる成形体は、このような表面剥離が極めて抑制されていることが判明した。かかる効果の発現は、成形体表面にある該凝集粒子が三次元的に絡み合うことで成形体表面に露出して、いわゆるアンカー効果が生じ、表面剥離に対する耐久性、特に前記テープ剥離試験における耐剥離性が高まるものと推定される。
<成形体の用途>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、既述のように電気・電子部品、光学部品等に好適である。当該電気・電子部品、光学部品としては、例えば、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、プリント配線板、 回路基板、半導体パッケージ、コンピュータ関連部品、カメラ鏡筒、光学センサー筐体、コンパクトカメラモジュール筐体(パッケージや鏡筒)、プロジェクター光学エンジン構成部材、ICトレー、ウエハーキャリヤー、等の半導体製造プロセス関連部品;VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具、等の家庭電気製品部品;ランプリフレクター、ランプホルダー等照明器具部品;コンパクトディスク、レーザーディスク、スピーカー、等の音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部品、ファクシミリ部品、モデム等の通信機器部品等を挙げることができる。
また、その他の用途、すなわち、分離爪、ヒータホルダー、等の複写機、印刷機関連部品;インペラー、ファン歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース、等の機械部品;自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品等の自動車部品、マイクロ波調理用鍋、耐熱食器、等の調理用器具;床材、壁材などの断熱、防音用材料、梁、柱などの支持材料、屋根材等の建築資材、または土木建築用材料;航空機、宇宙機、宇宙機器用部品;原子炉等の放射線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品に用いることもできる。
このように、様々な用途に本発明の樹脂成形体を使用することができるが、当該成形品はウエルドラインが消失することから、外観が特に重視される部品、ムラのない反射挙動が要求される光学部品に好適である。また当該成形品は、テープ剥離試験における耐剥離性にも優れることから、成形体からのパーティクルの脱落が信頼性の観点から問題となる接点部品(スイッチやリレー)や光学センサー部品、カメラ部品に好適である。
以下、本発明を、実施例を挙げて詳細に説明する。
ウエルドラインの有無の判定方法
図1に、ウエルドラインの有無の判定に用いた成形体(ウエルドライン判定用試験片:外寸64mm×64mm×3mmで、中心部に6mmφの中空部を有する。)の形状の概要を表す。また、図1では、このようなウエルドライン判定用試験片を射出成形により成形した際の溶融樹脂の流れ方向を矢印で示している。この溶融樹脂の合流部(ウェルド部)に、ウエルドライン(図1では「ウエルド」と記載している)が表れる。このウエルドラインの有無を目視で観察し、有無を判定した。また、ウエルドラインが観察されなかったものは、樹脂流動によるフローマークの有無に関しても目視で観察した。
テープ剥離試験
射出成形にて、外寸64mm×64mm×1mmのテープ剥離試験用試験片を成形した。このテープ剥離試験用試験片に対し、ニチバン(株)製セロテープ(登録商標)CT−18を、該試験片を成形した際の流動方向及び流動直行方向に沿って、該試験片の全長にわたり貼り、素早く引き剥がすといった一連の操作を30回繰り返し行った。この試験では、テープによって表面の樹脂組成物が剥されて、フィブリル化(毛羽立ち)が表れる。試験後の試験片表面における繊維状のフィブリルが手羽だってくる表面剥離について目視で確認し、その程度を判定した。
比重
射出成形により、ASTM4号ダンベル(比重試験片)を成形し、ASTM D792に準拠して測定した。なお、ASTM4号ダンベルの代わりに64×64×15mm厚みの試験片や長さ127mm、幅12.7mm、厚さ6.4mmの試験片を射出成形して、比重を測定してみたが、結果としてASTM4号ダンベルとほぼ同等であったので、本実施例では、ASTM4号ダンベルでの試験結果を代表して示す。
曲げ物性
射出成形により、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ6.4mmの試験片を成形し、A&D社製テンシロンUTM−500を用いて、ASTM D790に準拠した測定条件で3点曲げ強度を測定した。
荷重たわみ温度
射出成形により、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ6.4mmの試験片を成形し、ASTM D648に準拠した測定条件で荷重たわみ温度を測定した。
製造例1<液晶高分子の製造>
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、パラヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)及び1−メチルイミダゾール0.194gを添加し、室温で15分間攪拌して反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。その後、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了としてプレポリマーを得た。プレポリマーの流動開始温度は261℃であった。
得られたプレポリマーは室温まで冷却し、祖粉砕機で粉砕して、液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から285℃まで5時間かけて昇温し、285℃で3時間保持し、固相重合を行った。得られた液晶ポリエステルの流動開始温度は327℃であった。このようにして得られた液晶ポリエステルをLCP1とする。
<凝集粒子>
凝集粒子として、日本インシュレーション(株)製「ゾノトライトパウダーXK」を用いた。この凝集粒子は、平均粒子径(レーザー回折法)が30μmであり、充填密度(JIS K1464)が0.084g/ccであり、吸油量(JIS K5101)が492ml/100gであり、比表面積(BET法)が56m2/gである。なお、これらの凝集粒子の特性はいずれも、日本インシュレーション(株)のカタログデータに基づく。
実施例1〜2、比較例1
製造例1で得られたLCP1、凝集粒子(ゾノトライトパウダーXK)、ガラス繊維(セントラル硝子(株)製「EFH75−01」)、及びカーボンブラック(三菱化学(株)製「カーボンブラックCB#45」)を表1に示す組成で、二軸押出機(池貝鉄工(株)製「PCM−30」)を用いて、シリンダー温度340℃で造粒し、液晶高分子組成物ペレットを得た。その際、LCP1に対して、ゾノトライトパウダーXKの一部(ゾノトライトパウダーXKの使用量全量に対して、約30重量%)をあらかじめヘンシェルミキサーを用いて混合し、その混合物と残りのゾノトライトパウダーXK、ガラス繊維、カーボンブラックとを二軸押出機で溶融混練した。
得られた組成物ペレットについて100粒当たりの重量を測定した。各組成物ペレットの重量測定は、10回測定を行い、その最大値、最低値、標準偏差から分散性を評価した。結果を表2に示す。
また、得られた組成物ペレットの流動開始温度(FT:フロー温度)を、前記に示す方法により、比重、成形収縮率、曲げ物性及び荷重たわみ温度を測定した。前記のようにして得られた組成物ペレットを乾燥後、射出成形機(日精樹脂工業(株)製「PS40E−5ASE型」)を用い、射出成形により各種試験方法に応じた試験片を得た。結果を表3に示す。
また、得られた成形体のウエルドラインの有無を判定した。結果を表4に示す。
Figure 0005556223
Figure 0005556223
Figure 0005556223
Figure 0005556223
実施例3、比較例2
実施例2及び比較例1で用いた熱可塑性樹脂組成物を用い、既述の方法に従ってテープ剥離試験を行った。実施例2の熱可塑性樹脂組成物により得られた成形体の結果を実施例3、比較例1の熱可塑性樹脂組成物により得られた樹脂成形体の結果を比較例2として、その結果を表5に示す。
Figure 0005556223
本発明の熱可塑性樹脂組成物(液晶高分子組成物)、すなわち繊維状結晶が凝集してなる凝集粒子(ゾノトライトパウダーXK)を含む熱可塑性樹脂組成物(液晶高分子組成物)は、射出成形により成形体を得たとしても、ウエルドラインの発生が十分抑制されることが判明した。また、この熱可塑性樹脂組成物(液晶高分子組成物)はテープ剥離試験を行ったとしても、表面剥離(フィブリル)の発生も良好に防止されていた。したがって、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形体は、ケース、筐体のような外観が重視される成形体はもとより、カメラのレンズ鏡筒、光学センサー筐体のような表面の反射ムラ、表面剥離等による異物発生も問題となる光学部品に極めて有用である。

Claims (6)

  1. 液晶高分子と、繊維状結晶が凝集してなる凝集粒子とを含むことを特徴とする液晶高分子組成物。
  2. 前記繊維状結晶が、けい酸カルシウムの繊維状結晶であることを特徴とする請求項1に記載の液晶高分子組成物。
  3. 前記繊維状結晶が、ゾノトライトの結晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶高分子組成物。
  4. 前記凝集粒子の含有量が、前記液晶高分子100重量部に対して、0.1重量部以上150重量部以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液晶高分子組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の液晶高分子組成物の製造方法であって、前記凝集粒子の一部と前記液晶高分子とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物に前記凝集粒子の残部を溶融混練する工程とを有することを特徴とする液晶高分子組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の液晶高分子組成物を溶融成形して得られることを特徴とする成形体。
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