JPH08165376A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH08165376A
JPH08165376A JP31300294A JP31300294A JPH08165376A JP H08165376 A JPH08165376 A JP H08165376A JP 31300294 A JP31300294 A JP 31300294A JP 31300294 A JP31300294 A JP 31300294A JP H08165376 A JPH08165376 A JP H08165376A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fibrous
weight
fibrous zonotolite
component
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JP31300294A
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English (en)
Inventor
Hideho Tanaka
秀穂 田中
Kunio Watanabe
邦夫 渡辺
Toshitaka Uchimura
寿孝 内村
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性樹脂(A)と、(1)窒素吸着によ
るBET比表面積が21m2 /g以上であり、(2)界
面活性剤および/またはカップリング剤で表面処理さ
れ、(3)顆粒状に造粒された繊維状ゾノトライト
(B)と、強化繊維(C)とから構成され、(A)成分
と(B)成分と(C)成分とからなる全組成物中におけ
る(B)成分と(C)成分の重量百分率の和が5重量%
以上65重量%以下であり、さらに、(B)成分と
(C)成分の重量の和における(B)成分の重量百分率
が5重量%以上70重量%以下であることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物。 【効果】 強度、剛性などの機械的特性および耐熱性に
優れた、異方性の小さい熱可塑性樹脂組成物が得られ、
自動車、電気・電子、精密機械などの分野の材料として
使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状ゾノトライトで
補強された熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、本
組成物を用いて得られる成形品は、機械的特性および耐
熱性に優れ、異方性が小さく、自動車、電気・電子、精
密機械などの分野の材料として使用できる。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】熱可塑性樹脂の特性を
改良する方法として、繊維によって強化する方法が広く
知られている。例えば、熱可塑性樹脂の強度、弾性率な
どの機械的特性や耐熱性などを改良するためにガラス繊
維や炭素繊維などの繊維を配合する方法(特開昭63−
156856号公報など参照)が開示されている。しか
しこの方法は、同時に異方性が大きくなることも良く知
られている。
【0003】そこで、この問題を解決する方法の一つと
して、上記の強化繊維に加えてタルク、マイカなどの非
繊維状充填材を配合する方法(いわゆるハイブリッド
化)(特開昭60−63255号公報など参照)が公知
のものとなっているが、逆に強度や弾性率の低下を招い
てしまう。このために、上記強化繊維と、セラミックウ
ィスカーなどのアスペクト比(L/D)を有する繊維状
充填材とを組み合わせる方法(特開昭60−20686
1号公報など参照)が試みられている。そして、上記の
ような目的に使用する繊維状充填材の一例として、繊維
状ゾノトライトを用いる方法(特開昭62−18574
6号公報など参照)が知られている。
【0004】しかし、従来知られている繊維状ゾノトラ
イトは、凝集を起こしやすく、熱可塑性樹脂との濡れが
悪いために、熱可塑性樹脂中での分散性が低いという欠
点を持っている。このために、上に述べるようなこれら
繊維状ゾノトライトと強化繊維とのハイブリッド材につ
いても、上記のような期待される効果が十分に発現され
ない不満足なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記のような従来公知の熱可塑性樹脂が抱えていた
問題点を解決した、すなわち、機械的特性および耐熱性
に優れ、異方性の小さい熱可塑性樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
における上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた
結果、マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂との濡れ性
および熱可塑性樹脂中での分散性に優れた特定の性状を
有する繊維状ゾノトライトと、強化繊維とを、特定の割
合で、前記マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂に配合
することによって、強度、弾性率などの機械的特性およ
び耐熱性に優れ、異方性の小さい熱可塑性樹脂組成物を
供することにより、本発明を達成できることを見い出し
た。
【0007】すなわち、請求項1に記載の第1の発明
は、熱可塑性樹脂(A)と、窒素吸着によるBET比表
面積が21m2 /g以上であり、界面活性剤および/ま
たはカップリング剤で表面処理され、かつ、顆粒状に造
粒された繊維状ゾノトライト(B)と、強化繊維(C)
とから構成され、前記数式(I)で表わされる、前記
(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分からなる
全組成物中における前記(B)成分の重量百分率と前記
(C)成分の重量百分率の和(wf)が、5重量%以上
65重量%以下であり、さらに、前記数式(II)で表わ
される、前記(B)成分の重量と前記(C)成分の重量
の和における前記(B)成分の重量百分率(wb)が、
5重量%以上70重量%以下であることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物を提供することによって達成できる。
【0008】また、請求項2に記載の第2の発明は、繊
維状ゾノトライト(B)が、0.1μm≦D<0.5μ
m、1μm≦L<5μmおよび10≦L/D<20(た
だし、DおよびLは、それぞれ繊維状ゾノトライト
(B)の平均繊維径および平均繊維長を示す。)を同時
に満たすことを特徴とする繊維状ゾノトライトである上
記第1の発明に係る熱可塑性樹脂組成物を提供すること
によって達成できる。
【0009】以下に、本発明を詳しく説明する。本発明
に述べる繊維状ゾノトライト(B)とは、ゾノトライト
(示性式:Ca 6 Si6 17(OH)2 、化学式:6C
aO・6SiO2 ・H2 O)の針状結晶物質をいう。本
発明では、その比表面積の値が非常に重要であり、21
2 /g以上、好ましくは30m2 /g以上(ただし、
窒素吸着によるBET法での測定値である)でなければ
ならない。この値が30m2 /gより小さい繊維状ゾノ
トライトでは、マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂
(A)との濡れ性が悪くなることがあり、特に、21m
2 /gより小さい繊維状ゾノトライトでは、この濡れ性
の悪化が著しいため、本発明の目的を達成することがで
きない。
【0010】さらに本発明では、繊維の形状としては、
特に平均繊維長(L)が1μm≦L<5μm、平均繊維
径(D)が0.1μm≦D<0.5μm、そしてアスペ
クト比(L/D)が10≦L/D<20の条件を同時に
満たすものが好適に使用できる。Dが0.1μm未満の
ものやLが5μm以上のものでは、繊維状ゾノトライト
(B)を顆粒状に成形する際や、熱可塑性樹脂(A)お
よび強化繊維(C)との混合・混練時に前記繊維状ゾノ
トライト(B)が折れる恐れがあるし、一方、Dが0.
5μm以上のものやLが1μm未満のものでは、得られ
る熱可塑性樹脂組成物の、繊維状ゾノトライト(B)に
よる機械的強度の向上効果が十分ではないことがある。
また、L/Dが10未満の場合には、得られる熱可塑性
樹脂組成物は、十分な機械的強度を得ることができない
ことがあるし、L/Dが20以上の場合には、繊維状ゾ
ノトライト(B)の嵩比重が小さくなりすぎ、本発明の
熱可塑性樹脂組成物製造時などに混練が困難となること
がある。
【0011】上述した本発明の繊維状ゾノトライト
(B)は、以下に詳述するように、特願平5−1903
36号明細書に記載された製造法、すなわち、石灰質原
料と珪酸質原料とを特定割合で配合して水熱合成反応に
より製造される。石灰質原料としては、生石灰、消石灰
などがあり、不純物の少ないものが好ましい。また、珪
酸質原料としては、珪石、珪砂および石英の粉砕品、珪
酸、無水珪酸、シリカゲル、ケイソウ土などであり、不
純物が少なくかつ平均粒径が10μm以下の微粉状のも
のが望ましい。これら両者の配合割合(Ca/Si比)
は、理論当量よりも若干小さく0.8〜0.99とする
のが好ましい。また、混合する水の割合は、前記石灰質
原料と前記珪酸質原料の量の総和の5〜40倍、好まし
くは8〜30倍であることが望ましい。
【0012】そして、水熱合成反応は、上記所定割合の
石灰質原料、珪酸質原料および水をオートクレーブに投
入し、攪拌しながら、180〜240℃で通常1〜8時
間かけて行われる。この反応温度および反応時間は重要
な因子であり、前記範囲以外では、前述したような本発
明に用いる特定の比表面積を有する繊維状ゾノトライト
が得られない。
【0013】本発明において、上述の製法によって得ら
れた繊維状ゾノトライト(B)は、その、後述する熱可
塑性樹脂(A)と、同じく後述する強化繊維(C)とか
らなる組成物に対する補強効果を一層向上させるため
に、さらに、表面が界面活性剤および/またはカップリ
ング剤(以下表面処理剤という)によって処理されるこ
とが望ましい。すなわち、表面処理剤は、前記繊維状ゾ
ノトライト(B)の、マトリックスとなる有機高分子物
質、つまり、前記(A)成分との親和性を向上させ、そ
の補強効果、つまり、機械的強度をより高める目的で使
用されるものであり、具体的には次のようなものが使用
され得る。界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン
系、両性系および非イオン系界面活性剤のいずれも使用
できる。陰イオン系界面活性剤としては、アルキルエー
テル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ステアリ
ン酸塩など、陽イオン系界面活性剤としては、テトラデ
シルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライドなど、両性系界面活性剤としては、ジメチルア
ルキルラウリルペタインなど、そして、非イオン系界面
活性剤としては、ポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げら
れる。また、カップリング剤としては、シラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム
系カップリング剤、クロム系カップリング剤、ホウ素系
カップリング剤などが挙げられる。
【0014】これら表面処理剤の添加量は、繊維状ゾノ
トライト(B)(乾燥物基準)に対して0.1〜10重
量%、好ましくは0.5〜8重量%であるべきである。
添加量が0.1重量%未満では前述の効果が十分でな
く、また、添加量が10重量%を越える場合は、添加量
を増加しても前述の効果はほとんど向上しない。なお、
添加量が0.1〜0.5重量%の範囲では、前述の効果
が十分でないことがあり、そして添加量が8〜10重量
%の範囲では、前述の効果の向上が望めなくなる傾向に
ある。
【0015】本発明においては、前述の水熱合成反応に
よって得られた繊維状ゾノトライトスラリーをオートク
レーブから抜き出し、繊維状ゾノトライトの表面処理を
行う。表面処理方法は、特に限定はしないが、例えば、
繊維状ゾノトライトスラリーにそのまま、あるいは、適
当量の水を加えた後に、前記表面処理剤を添加し、適当
な装置によりスラリー状態で混合・攪拌する。引き続
き、遠心脱水機あるいはフィルタープレス機などにより
余剰の水分を濾過分離し、ケーキ状の繊維状ゾノトライ
トを得るのである。また、この表面処理については、繊
維状ゾノトライトスラリーを乾燥した後に、少量の水あ
るいは溶媒に溶解した表面処理剤を用いて行ってもよい
が、操作が繁雑となり、また、表面処理剤の効果が小さ
く特にメリットはない。
【0016】さらに、本発明で使用する繊維状ゾノトラ
イト(B)は、後述する熱可塑性樹脂(A)と、同じく
後述する強化繊維(C)との混合・混練を容易に行う目
的で顆粒状に造粒される。顆粒状の繊維状ゾノトライト
は、前記の表面処理剤を付着したケーキ状の繊維状ゾノ
トライトを、造粒機によって径が1〜8mmの顆粒状に
成形し、乾燥および、前記表面処理剤としてカップリン
グ剤を使用した場合は、さらに熱処理を行うことによっ
て得られる。この場合、前記造粒機としては、特に制限
されるものではなく、回転縦型造粒機、回転ドラム型造
粒機、回転さら型造粒機、スクリュー押出造粒機、ロー
ル押出造粒機など公知の造粒機を用いることができる。
そして、造粒によって得られる繊維状ゾノトライトの顆
粒状成形品の径が前記の範囲を逸脱すると、熱可塑性樹
脂(A)や強化繊維(C)との混合・混練に際して、一
軸押出機や二軸押出機などでの混合・混練が困難とな
り、ロールやバンバリーミキサーなどで遂次的に充填
し、混合・混練を行わなければならず、充填材が著しく
破壊して機械的強度の低下を生じることがあるので好ま
しくない。また、前記乾燥は、熱風循環式乾燥器、赤外
線加熱式乾燥器など公知の乾燥器を用いて100〜15
0℃の温度で20〜30時間かけて顆粒状の繊維状ゾノ
トライトの水分が1重量%以下になる程度まで行うこと
が好ましい。さらに、カップリング剤を使用した場合の
熱処理は、前記100〜150℃および20〜30時間
の加熱下で水分の乾燥に続いて行うことが好ましい。な
お、ケーキ状の繊維状ゾノトライトをそのまま乾燥およ
び熱処理し、粒径5mm程度に砕く方法で顆粒状に成形
してもよいが、粉が生じやすく、かつ、嵩がやや大きく
取扱いにやや難がある。
【0017】次に、本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)
の具体例を挙げると、種々の密度および分子量を有する
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンコ
ポリマー(エチレン・酢酸ビニルコポリマー、エチレン
・プロピレンコポリマーなど)、ポリプロピレンホモポ
リマー、ポリプロピレンコポリマー(エチレン・プロピ
レンブロックコポリマーなど)、変性ポリプロピレン、
ポリブテン−1およびポリ−4−メチルペンテン−1な
どのポリオレフィン、ポリビニルアルコール共重合体、
ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、
無水マレイン酸−スチレン樹脂、ポリカプロアミド(ナ
イロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン
46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカノアミド(ナイロン6
12)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロ
ン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイ
ロン6I)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、
ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ナイロン6/6
6、ナイロン6/11、ナイロン6/12、ナイロン6
/610、ナイロン6/612、ナイロン66/61
0、ナイロン6/66/610、ナイロン6/66/1
2、ナイロン6/6T、ナイロン6/6I、ナイロン6
6/6T、ナイロン66/6I、ナイロン6/11/6
T、ナイロン6/12/6T、ナイロン66/11/6
T、ナイロン66/12/6T、ナイロン11/6T/
6Iおよびナイロン12/6T/6Iなどのポリアミ
ド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレートおよびその他の芳香族ポリエステルなどのポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアセタール樹脂(ホ
モポリマーおよびコポリマーを含む)、ポリフェニレン
エーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテル
エーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリアリーレンサルファイド、ポリエーテルイミ
ド、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミドイミド、
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、および
これらの混合体などである。これらの中でも、前記ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリーレ
ンサルファイド、およびこれらの二種以上の混合体など
が好ましい具体例として挙げられる。
【0018】本発明において使用される強化繊維(C)
とは、熱可塑性樹脂の補強の目的に通常よく用いられる
ものであればよく、具体的には、ガラス繊維、カーボン
繊維、アラミドのほかポリエーテルケトン、液晶ポリエ
ステルなどの有機ポリマー繊維、シリカ繊維、アルミナ
繊維、シリカ・アルミナ繊維、炭化珪素繊維、窒化珪素
繊維などの無機繊維、ステンレス鋼、アルミニウム、マ
グネシウム、鉄、銅、チタン、真ちゅう、金、銀などの
金属繊維などが挙げられる。本発明では、上記の強化繊
維の1種類を単独で使用してもよく、また、2種類以上
を混合して使用することもできる。そして本発明では、
これら強化繊維の形態としては、最も代表的にはチョッ
プドストランドが挙げられるが、ロービング、織物、不
織布、マットなども可能である。チョップドストランド
の場合、その代表的な長さは、1〜10mm、好ましく
は3〜6mm程度である。また、これら強化繊維には、
前述した界面活性剤やカップリング剤などの表面処理剤
による表面被覆処理など、公知の表面処理を施すことが
できる。
【0019】さらに、前記の熱可塑性樹脂(A)、繊維
状ゾノトライト(B)および強化繊維(C)からなる組
成物の特性改善や製造改善のために添加される各種副資
材、すなわち、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、架橋剤、
酸化防止剤、難燃剤、顔料、染料、滑剤、帯電防止剤、
離型剤、香料などの使用も、本発明の繊維状ゾノトライ
ト(B)の補強効果が阻害されない限り何ら差し支えな
い。
【0020】ところで、本発明においては、前記数式
(I)で表わされる、前記熱可塑性樹脂(A)と繊維状
ゾノトライト(B)と強化繊維(C)とからなる熱可塑
性樹脂組成物中における繊維状ゾノトライト(B)およ
び強化繊維(C)の重量百分率の和(wf)は、5重量
%以上65重量%以下、好ましくは10重量%以上50
重量%以下であることが必要である。該重量百分率の和
(wf)が5重量%よりも小さいと、得られる熱可塑性
樹脂組成物の機械的強度や耐熱性などが向上しないので
好ましくない。また、65重量%より大きいと、得られ
る熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性が低下し、成形がし
にくくなるし、また、得られる成形品の外観が悪化する
ので好ましくない。これらの好ましくない現象の発現を
確実に防止するためには、上記の繊維状ゾノトライト
(B)および強化繊維(C)の重量百分率の和(wf)
は、上述の好ましい範囲とすべきである。
【0021】次に、本発明において、前記数式(II)で
表わされる、前記繊維状ゾノトライト(B)と強化繊維
(C)との両成分中における、繊維状ゾノトライト
(B)の重量百分率(wb)は、5重量%以上70重量
%以下、好ましくは10重量%以上65重量%以下であ
るべきである。該重量百分率(wb)が5重量%よりも
小さいと、繊維状ゾノトライト(B)による改質効果が
小さく、70重量%よりも大きいと、強化繊維(C)の
有する本来の特長が損なわれ好ましくない。また、該重
量百分率(wb)が、5重量%以上10重量%未満であ
る場合や65重量%を越え70重量%以下である場合
は、それぞれ、上述したような好ましくない現象が発生
することがある。
【0022】上記本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可
塑性樹脂(A)、繊維状ゾノトライト(B)および強化
繊維(C)の三成分を一本化・複合化する公知の方法で
製造される。それらの形態としては、チョップドストラ
ンド状の強化繊維を用いて製造されるペレットが最も代
表的であるが、プリプレグやスタンパブルシートなども
可能である。一般的には、前記所定量の熱可塑性樹脂
(A)と繊維状ゾノトライト(B)と強化繊維(C)と
が、混練機を用いて溶融混練され、本発明の熱可塑性樹
脂組成物とされる。
【0023】この際、溶融混練温度は、使用する熱可塑
性樹脂(A)が結晶性樹脂の場合、樹脂の融点より10
〜60℃高い温度、好ましくは樹脂の融点より10〜4
0℃高い温度であること、そして、使用する熱可塑性樹
脂(A)が非晶性の樹脂の場合は、樹脂のガラス転移点
より110〜160℃高い温度、好ましくは樹脂のガラ
ス転移点より110〜140℃高い温度であることが好
ましい。溶融混練温度が結晶性樹脂の融点+10℃もし
くは非晶性樹脂のガラス転移点+110℃よりも低い
と、混練機内において、樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ
るとともに、樹脂の融点またはガラス転移点以下の温度
となる部分が生じ、製造中に樹脂が固化するなどして、
混練不良を起こす可能性がある。また、溶融混練温度が
結晶性樹脂の融点+60℃もしくは非晶性樹脂のガラス
転移点+160℃より高いと、樹脂の熱分解や熱劣化が
起こり、着色や物性の低下をもたらすので好ましくな
い。なお、溶融混練温度に係る上記の好ましくない現象
の発生を確実に防止するためには、溶融混練温度を上述
の好ましい範囲内にすべきことは言うまでもないことで
ある。
【0024】また、前記混練機としては、例えば、一軸
押出機や二軸押出機などの押出機、二軸連続ミキサー、
バンバリーミキサー、スーパーミキサー、ミキシングロ
ール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフなどを挙
げることができ、熱可塑性樹脂組成物は、一般にペレッ
ト状として得るのが通常である。これらの中でも、押出
機が好ましく、二軸押出機が特に好ましい。
【0025】さらに、前記熱可塑性樹脂(A)、繊維状
ゾノトライト(B)および強化繊維(C)の溶融混練の
際のこれら成分の添加、混合順序については、任意に選
択することができ、例えば、繊維状ゾノトライト(B)
は、溶融混練に先立ち、熱可塑性樹脂(A)および強化
繊維(C)と混合した後、押出機のホッパーに供給して
もよく、また、押出機のホッパーには、熱可塑性樹脂
(A)および強化繊維(C)のみを供給し、繊維状ゾノ
トライト(B)は押出機の途中から供給してもよい。あ
るいはまた、押出機のホッパーには、熱可塑性樹脂
(A)のみを供給し、繊維状ゾノトライト(B)および
強化繊維(C)を押出機の途中から同時または別々に供
給してもよい。なお、前記熱可塑性樹脂組成物を製造す
るにあたって、必要に応じて同時に前記各種副資材を添
加することもできる。
【0026】そして、このようにして得られた本発明の
熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成
形、中空成形などの公知の種々の成形法により成形され
る。
【0027】
【実施例】以下に、実施例および比較例を述べて本発明
を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例および比
較例によって何ら限定を受けるものではない。なお、実
施例および比較例において述べる成形品の物性評価方法
については、下記の方法に従って行った。
【0028】(1)曲げ特性 (株)オリエンテック製テンシロンUTM−5Tを使用
して測定した。所望の熱可塑性樹脂組成物を成形後、2
3℃、相対湿度50%(以下「50%RH」と略記)で
48時間状態調節をした。そして、曲げ強度や曲げ弾性
率の測定を、ASTM D790に従い、23℃、50
%RHにおいて行った。なお、ポリアミド樹脂を主成分
とする熱可塑性樹脂組成物の場合には、23℃、デシケ
ーター中で48時間状態調節をし、曲げ強度や曲げ弾性
率の測定を、ASTM D790に従い、23℃、絶乾
状態において行った。
【0029】(2)荷重たわみ温度 (株)東洋精機製荷重たわみ試験機を使用して測定し
た。前記(1)項と同様の状態調節をした試験片を用い
て、ASTM D648に従い、応力1.82MPaの
下での値を求めた。なお、ポリプロピレン樹脂を主成分
とする熱可塑性樹脂組成物の場合には、応力0.45M
Paの下での値を求めた。
【0030】(3)成形収縮率 所望の熱可塑性樹脂組成物を用いて、寸法が縦100m
m×横100mm×厚さ3mmの平板の射出成形を行
い、前記(1)項と同様の状態調節を行った。この平板
のMD方向(流れ方向)およびTD方向(直角方向)の
寸法を、(株)ミツトヨ製三次元測定器BX303を用
いて測定し、それぞれの方向について、金型寸法に対す
る収縮率を求め、さらに、成形収縮率の異方性を表わす
TD/MDを求めた。
【0031】参考例1 石灰質原料として生石灰(カルシード(株)製品、Ca
O純度:98%)430g、珪酸質原料として農業用珪
石粉(ジャパンゼネラル(株)製品、ブレーン比表面
積:7,000cm2 /g、SiO2 純度:97%)4
70g、および水道水18リットルを内容積30リット
ルのSUS316製攪拌機付オートクレーブに投入し
た。そして、回転数80rpmで攪拌しながら、保持温
度220℃まで2℃/分の割合で昇温し、保持温度22
0℃で5時間保持して水熱合成反応を行った。その後、
攪拌しながら10時間以上かけて放冷して繊維状ゾノト
ライトスラリーを得た。なお、このスラリーのX線回折
を測定したところ、ゾノトライトのみが同定された。
【0032】続いて、この繊維状ゾノトライトスラリー
920g(固形分基準)に水道水約18リットルおよび
非イオン系の界面活性剤(ポリオキシエチレンオクタデ
シルアミン、日本油脂(株)製品、商品名:ナイミーン
204)46g(繊維状ゾノトライト固形分に対して5
重量%)を加え、ホモジナイザーで分散しながら表面処
理した。このスラリーをヌッチェにて脱水してケーキ状
にした後、造粒機によりφ3mmの径に成形し、約10
0℃で乾燥することにより、表面処理した顆粒状の繊維
状ゾノトライトを得た。この顆粒状の繊維状ゾノトライ
トについて、窒素吸着によるBET比表面積の測定なら
びに走査型電子顕微鏡写真による平均繊維長および平均
繊維径の測定を行ったところ、それぞれ、39m2
g、3μmおよび0.2μm(従って、アスペクト比:
15)であった。そこで得られた繊維状ゾノトライト
を、以下、『繊維状ゾノトライトA』と表わす。
【0033】参考例2 水熱合成反応の保持温度を、220℃に変えて240℃
としたこと以外は、参考例1と全く同様にして顆粒状の
繊維状ゾノトライトの製造を行い、BET比表面積:2
4m2 /g、平均繊維長:4μmおよび平均繊維径:
0.2μm(従って、アスペクト比:20)の繊維状ゾ
ノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライト
B』と表わす。
【0034】参考例3 水熱合成反応の保持温度を、220℃に変えて260℃
としたこと以外は、参考例1と全く同様にして顆粒状の
繊維状ゾノトライトの製造を行い、BET比表面積:1
6m2 /g、平均繊維長:10μmおよび平均繊維径:
0.2μm(従って、アスペクト比:50)の繊維状ゾ
ノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライト
C』と表わす。
【0035】参考例4 表面処理剤としての非イオン系界面活性剤を添加しなか
ったこと以外は、参考例1と全く同様にして顆粒状の繊
維状ゾノトライトの製造を行い、BET比表面積:39
2 /g、平均繊維長:3μmおよび平均繊維径:0.
2μm(従って、アスペクト比:15)の表面未処理の
繊維状ゾノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノ
トライトD』と表わす。
【0036】参考例5 参考例1と全く同様の方法によって得た脱水ケーキを乾
燥した後、造粒機による成形を行わずに乾燥し、さら
に、衝撃ミルで解砕して、BET比表面積:39m2
g、平均繊維長:3μmおよび平均繊維径:0.2μm
(従って、アスペクト比:15)の未顆粒状の繊維状ゾ
ノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライト
E』と表わす。
【0037】参考例6および7 参考例6および7において、それぞれ、参考例1の非イ
オン系界面活性剤に代えてγ−アミノプロピルトリエト
キシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを使用したこと以外は、参考例1と全く同様に
してケーキ状の繊維状ゾノトライトを造粒した後、約1
00℃で乾燥し、さらに120℃で20分間熱処理を行
うことにより、表面処理した顆粒状の繊維状ゾノトライ
トを得た。得られたものは、参考例6および7の両方に
おいて、BET比表面積が39m 2 /g、平均繊維長が
3μmおよび平均繊維径が0.2μm(従って、アスペ
クト比:15)であった。以下、これらを、参考例6お
よび7について、それぞれ『繊維状ゾノトライトF』お
よび『繊維状ゾノトライトG』と表わす。
【0038】実施例1 シリンダー径:φ30mmの同方向回転型二軸スクリュ
ー押出機(池貝鉄工(株)製、型式:PCM30)を使
用し、250℃(ただし、ノズル部の温度とし、以下に
おいて同じ)において、ポリブチレンテレフタレート樹
脂(宇部興産(株)製、商品名:UBE PBT 10
00、以下「PBT樹脂」と略記)と、参考例1で得ら
れた繊維状ゾノトライトAと、ガラス繊維チョップドス
トランド(日東紡績(株)製、商品名:CS−3J 9
51、繊維径:10μm、繊維長:3mm)とを溶融混
練し、前記PBT樹脂が80重量%、前記繊維状ゾノト
ライトAが13重量%および前記ガラス繊維チョップド
ストランドが7重量%からなるペレットを作製した。た
だし、2台のスクリューフィーダーを用いて、前記押出
機の第1ベント口より繊維状ゾノトライトAとガラス繊
維をそれぞれ供給し、そして第2ベント口から脱気操作
を行った。次に、射出成形機(日本製鋼所(株)製、型
式:N100)を使用して、シリンダー温度(ただし、
ノズルヘッド部の温度とし、以下において同じ)260
℃および金型温度100℃において上記ペレットを射出
成形し、物性試験片と平板を作製した。得られた材料の
物性試験の結果を表1に示す。
【0039】実施例2 参考例1で得られた繊維状ゾノトライトAの代わりに、
参考例2で得られた繊維状ゾノトライトBを用いたこと
以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。得られた
材料の物性試験結果を表1に示す。
【0040】比較例1〜3 比較例1、2および3において、繊維状ゾノトライトA
の代わりに、それぞれ、参考例3、4および5で得られ
た繊維状ゾノトライトC、DおよびEを使用したこと以
外は、実施例1と全く同様の操作を行った。比較例1お
よび2において、得られた材料の物性試験結果は、それ
ぞれ表1に示す通りであった。また、繊維状ゾノトライ
トEを用いた比較例3の場合は、表1に示すように、均
一な混練物が得られず、成形ができなかった。
【0041】実施例3 参考例1で得られた繊維状ゾノトライトAの代わりに、
参考例6で得られた繊維状ゾノトライトFを使用したこ
と以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。得られ
た材料の物性試験の結果を表1に示す。
【0042】実施例4 PBT樹脂に代えてナイロン66樹脂(宇部興産(株)
製、商品名:UBEナイロン 2020B)を使用した
こと、ガラス繊維を、実施例1のガラス繊維チョップド
ストランドからガラス繊維チョップドストランド(日東
紡績(株)製、商品名:CS−3PE 227、繊維
径:13μm、繊維長:3mm)に代えたこと、溶融混
練温度を250℃に変えて290℃としたこと、およ
び、射出成形機のシリンダー温度を260℃に変えて2
90℃としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を
行った。得られた材料の物性試験結果は、表1に示す通
りであった。
【0043】実施例5 参考例1で得られた繊維状ゾノトライトAの代わりに、
参考例7で得られた繊維状ゾノトライトGを使用したこ
と以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。得られ
た材料の物性試験の結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例6 ナイロン66樹脂に代えてナイロン6樹脂(宇部興産
(株)製、商品名:UBEナイロン 1013B)を使
用したこと、ガラス繊維を、実施例4のガラス繊維チョ
ップドストランドからガラス繊維チョップドストランド
(日東紡績(株)製、商品名:CS−3PE 454、
繊維径:13μm、繊維長:3mm)に代えたこと、溶
融混練温度を290℃に変えて250℃としたこと、お
よび、射出成形機のシリンダー温度を290℃に変えて
260℃としたこと以外は、実施例4と全く同様の操作
を行った。得られた材料の物性試験結果は、表2に示す
通りであった。
【0046】実施例7 実施例6におけるナイロン6樹脂、繊維状ゾノトライト
Aおよびガラス繊維の使用量を変えて、得られるペレッ
ト中のナイロン6樹脂、繊維状ゾノトライトAおよびガ
ラス繊維の重量百分率を、80重量%、13重量%およ
び7重量%からそれぞれ55重量%、25重量%および
20重量%に変えたこと以外は、実施例6と全く同様の
操作を行った。得られた材料の物性試験結果は、表2に
示す通りであった。
【0047】比較例4 実施例6におけるナイロン6樹脂、繊維状ゾノトライト
Aおよびガラス繊維の使用量を変えて、得られるペレッ
ト中のナイロン6樹脂、繊維状ゾノトライトAおよびガ
ラス繊維の重量百分率を、80重量%、13重量%およ
び7重量%からそれぞれ80重量%、0重量%および2
0重量%に変えたこと以外は、実施例6と全く同様の操
作を行った。得られた材料の物性試験結果は、表2に示
す通りであった。
【0048】比較例5 実施例6におけるナイロン6樹脂、繊維状ゾノトライト
Aおよびガラス繊維の使用量を変えて、得られるペレッ
ト中のナイロン6樹脂、繊維状ゾノトライトAおよびガ
ラス繊維の重量百分率を、80重量%、13重量%およ
び7重量%からそれぞれ80重量%、20重量%および
0重量%に変えたこと以外は、実施例6と全く同様の操
作を行った。得られた材料の物性試験結果は、表2に示
す通りであった。
【0049】
【表2】
【0050】実施例8 PBT樹脂に代えてポリアリーレンサルファイド樹脂
(宇部興産(株)製、商品名:UBE PPS NR−
04)を使用したこと、ガラス繊維を、実施例1のガラ
ス繊維チョップドストランドに代えてガラス繊維チョッ
プドストランド(日東紡績(株)製、商品名:CS−3
J 961、繊維径:10μm、繊維長:3mm)とし
たこと、溶融混練温度を250℃に変えて280℃とし
たこと、射出成形機のシリンダー温度を260℃に変え
て300℃としたこと、および、射出成形機の金型温度
を100℃に変えて130℃としたこと以外は、実施例
1と全く同様の操作を行った。得られた材料の物性試験
結果は、表3に示す通りであった。
【0051】実施例9 ガラス繊維に代えてカーボン繊維(チョップドストラン
ド)(東レ(株)製、商品名:トレカチョップドファィ
バー T008、繊維径:7μm、繊維長:3mm)を
使用したこと以外は、実施例8と全く同様の操作を行っ
た。得られた材料の物性試験結果は、表3に示す通りで
あった。
【0052】実施例10 PBT樹脂に代えてポリプロピレン樹脂(エチレン・プ
ロピレンブロックコポリマー)(宇部興産(株)製、商
品名:UBEポリプロ J709HK)を使用したこ
と、ガラス繊維を、実施例1のガラス繊維チョップドス
トランドからガラス繊維チョップドストランド(日東紡
績(株)製、商品名:CS−3PE 956、繊維径:
13μm、繊維長:3mm)に代えたこと、溶融混練温
度を250℃に変えて230℃としたこと、射出成形機
のシリンダー温度を260℃に変えて230℃としたこ
と、および、射出成形機の金型温度を100℃に変えて
80℃としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を
行った。得られた材料の物性試験結果は、表3に示す通
りであった。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】以上の実施例および比較例からも明らか
なように、本発明は、特定の性状を有する繊維状ゾノト
ライトと強化繊維とを使用することによって、強度や剛
性などの機械的特性と耐熱性に優れ、異方性の小さい熱
可塑性樹脂組成物を提供することができる。従って、本
発明によって得られる熱可塑性樹脂組成物は、自動車、
電気・電子、精密機械などの分野の材料として使用でき
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)と繊維状ゾノトライ
    ト(B)と強化繊維(C)とから構成され、前記(B)
    成分が(1)窒素吸着によるBET比表面積が21m2
    /g以上であり、(2)界面活性剤および/またはカッ
    プリング剤で表面処理され、かつ、(3)顆粒状に造粒
    されており、そして、数式(I) 【数1】 で表わされる、前記(A)成分と前記(B)成分と前記
    (C)成分からなる全組成物中における前記(B)成分
    の重量百分率と前記(C)成分の重量百分率の和(w
    f)が5≦wf≦65の範囲であり、さらに、数式(I
    I) 【数2】 で表わされる、前記(B)成分の重量と前記(C)成分
    の重量の和における前記(B)成分の重量百分率(w
    b)が5≦wb≦70の範囲であることを特徴とする熱
    可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 繊維状ゾノトライト(B)が、 (1)0.1μm≦D<0.5μm、 (2)1μm≦L<5μmおよび (3)10≦L/D<20 (ただし、DおよびLは、それぞれ繊維状ゾノトライト
    (B)の平均繊維径および平均繊維長を示す。)を同時
    に満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
JP31300294A 1994-12-16 1994-12-16 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH08165376A (ja)

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JP31300294A JPH08165376A (ja) 1994-12-16 1994-12-16 熱可塑性樹脂組成物
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EP95305437A EP0717072B1 (en) 1994-12-16 1995-08-03 Xonotlite-reinforced organic polymer composition
DE69507784T DE69507784T2 (de) 1994-12-16 1995-08-03 Mit Xonotlit verstärkte organische Polymerzusammensetzung

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62293670A (ja) * 1986-10-29 1987-12-21 Sony Corp 半導体メモリ装置
JP2002079517A (ja) * 2000-09-06 2002-03-19 Ube Material Industries Ltd 自動車外装部品
JP2010215905A (ja) * 2009-02-19 2010-09-30 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及び成形体
JP4718015B2 (ja) * 1999-04-19 2011-07-06 宇部マテリアルズ株式会社 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2011132281A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体
JP2011202062A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 摺動用熱可塑性樹脂組成物、摺動用熱可塑性樹脂組成物の製造方法および摺動部品

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