JPH10265613A - 樹脂添加用複合フィラー - Google Patents

樹脂添加用複合フィラー

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JPH10265613A
JPH10265613A JP9058074A JP5807497A JPH10265613A JP H10265613 A JPH10265613 A JP H10265613A JP 9058074 A JP9058074 A JP 9058074A JP 5807497 A JP5807497 A JP 5807497A JP H10265613 A JPH10265613 A JP H10265613A
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JP
Japan
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filler
fibrous
resin
composite
powder
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JP9058074A
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Inventor
Shinichi Yamamoto
新一 山本
Ryoichi Nomura
良一 野村
Kaoru Takasaki
薫 高崎
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Ube Material Industries Ltd
Original Assignee
Ube Material Industries Ltd
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Publication date
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  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ハンドリングが容易で安定した供
給ができ粉塵を発生せず、しかもコンパウンド時の分
散、配向が良く、樹脂中へ均等に分散、配向することに
より物性の優れた樹脂成形製品を安定して生産できる樹
脂添加用複合フィラーを提供する。 【解決手段】 平均繊維長50μm以下、アスペクト比
5〜45の繊維状フィラー、および平均径10μm以下
の板状フィラーよりなり、平均直径0.5〜5mm、見
掛比重0.20〜0.80に造粒されてなる樹脂への分
散性に優れた樹脂添加用複合フィラー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレンな
どの成形用樹脂材料の機械的特性を改善する目的で添
加、混練する樹脂添加用フィラーに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき課題】ポリプロピレンなど
の成形用樹脂材料について引っ張り強度、耐衝撃性、剛
性等の機械的物性を改善するためには、繊維状、板状、
粒状等の形状の種々のフィラーを適正量添加、混練する
ことにより、樹脂と無機充填剤との複合材料とする方法
が一般的である。特に自動車のインストルメンタルパネ
ルなどの構造用材料としての用途では、環境の変化した
中での機械的物性および体積安定性など総合的な物性バ
ランスの調整が必要とされる。
【0003】機械的物性の調整の中で、剛性の付与、静
的強度の向上、耐衝撃性の改善並びに体積安定性の向上
のためには、ガラス繊維などのフィラーを添加すること
でほぼ目的を達成できるが、インストルメンタルパネル
などの用途では成形製品の表面性状、特に滑らかさが問
題とされ、その確保のため従来のガラス繊維と比べてよ
り微細な1μm径以下の繊維よりなるフィラーを使用す
る必要があった。しかしながら、1μm径以下の微細な
繊維フィラーは凝集し易い性質のため複合した樹脂中で
繊維を均等に分散、配向させることが難しくなり、成形
製品の機械的物性、特に耐衝撃性が低下する、あるい
は、安定した耐用特性が得られない等の問題があった。
【0004】また、現在樹脂充填用材料として、10μ
m径以下の板状フィラーも同時に使用されているが、単
独使用では機械的物性が繊維状フィラー程には付与でき
ず、総合的な樹脂物性バランスを満足できなかった。
【0005】通常の樹脂加工において一般的に用いられ
るペレット状または顆粒状のポリプロプレンなどの基材
樹脂と粉末状フィラーとの混合は両者の形状や密度の相
違のために容易ではない。そのため、通常無機物質と熱
可塑性樹脂とを混合する場合、予め両者をV型ブレンダ
ーやリボンミキサー等の乾式混合機によって混合した
後、コンパウンド用の溶融混練機に供給する方法が採用
されるが、材料供給口でブリッジによる閉塞や粉材料と
基材、他の添加材との分離現象が起こりやすい。このた
めに、強化複合材料を製造するときの加工性が悪くまた
均一な複合製品が得られ難く、結果として成形品の物性
や外観が良くない場合がある。
【0006】また、ペレット状または顆粒状のポリプロ
プレンなどの基材樹脂と微細繊維フィラーの造粒品とを
予め両者をV型ブレンダーやリボンミキサー等の乾式混
合機によって混合したものと粉状の微細フィラーとを溶
融混練機の材料供給口に別々に供給する方法も実施され
ている。しかしながら、この方法においても、粉状の微
細フィラーの嵩比重が極めて小さく流動性が悪いために
混練機への均一な投入が困難であり、結果として品質の
バラツキがあり物性、外観ともに良好な樹脂組成物を得
るためには問題を残している。
【0007】更にまた、板状フィラーは天然鉱物の粉砕
粉を使用する場合が多く混練時に発塵し易く環境への悪
影響が問題となる。フィラーについては、流動性が良く
ハンドリングが容易で安定した供給ができ粉塵を発生せ
ず、しかもコンパウンド時の分散、配向が良いこと−従
って樹脂中へ均等に分散、配向することにより物性の優
れた樹脂成形製品を安定して生産できる−が望まれてい
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、無機フィラーに関して繊維状と板状の2
種類を混合して複合フィラーの造粒品とすることで上記
の課題を改善できることを見出した。繊維状フィラーと
板状フィラーとの均質な混合の方法は、安定した均質な
混合状態を得るため湿式スラリーでの混合が望ましい。
即ち、微細な繊維状フィラーを含有するスラリー中に粉
末状の板状微細フィラーを投入し湿式混合した後に、濾
過、造粒、乾燥することにより、熱可塑性樹脂との混練
時に容易に分散可能な複合フィラー造粒物を得ることが
できた。この複合樹脂フィラー造粒物を充填材として使
用する熱可塑性樹脂組成物の製造時ならびに樹脂自体の
諸物性において次のような特長を提供することができ
る。組成物製造時においてハンドリングが優れ、発塵を
防止できることは勿論であるが、樹脂と充填材の均質混
合を促進でき、ひいては品質のバラツキの少ない樹脂組
成物を提供できる。特に、本複合フィラー造粒物を使用
した樹脂組成物は引っ張り強度,曲げ強度の機械的性質
を維持した上で充填材添加時の欠点である耐衝撃特性を
特長的に改善でき、総合的な品質バランスの向上が可能
である。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
における繊維状フィラーとしては、繊維状マグネシウム
オキシサルフェート、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミ
ニウムウイスカー、ワラストナイト、ゾノトライト、ガ
ラス繊維、炭素繊維、金属繊維、有機重合体繊維などが
挙げられる。繊維状フィラーの平均繊維長は50μm以
下、好ましくは、10〜30μmである。平均繊維長が
50μmより長くなると繊維状フィラーとポリプロピレ
ン等の熱可塑性樹脂との溶融混練が困難になる。また、
アスペクト比は5〜45、好ましくは、10〜30であ
る。アスペクト比が5よりも小さいと、組成物の物性に
おいて充分な補強効果を付与しない。また、45よりも
大きいと、繊維状フィラーとポリプロピレン等の熱可塑
性樹脂との溶融混練が困難になる。本発明においては、
繊維状フィラーとして、平均繊維径が0.1〜2μmで
平均繊維長20μm以下の繊維状マグネシウムオキシサ
ルフェートを使用するのが好ましい。
【0010】繊維状フィラーはそのまま樹脂へ混練する
ことも可能ではあるが、分散性の向上、樹脂基材との馴
染み向上のため各種の表面処理が適用できる。シラン系
のカップリング剤、ステアリン酸およびその金属塩が使
用されるが、ポリプロピレンが基材の場合にはステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムにより温水
中で表面処理するのが特に望ましい。
【0011】本発明における板状フィラーとしては、タ
ルク、マイカ、クレー、ガラスフレーク、グラファイ
ト、アルミナフレーク等が挙げられる。板状フィラーの
平均粒径は、10μm以下、好ましくは、0.5〜5μ
mである。平均粒径が10μmよりも大きいと、組成物
の物性、特に耐衝撃性が劣化する。本発明においては、
板状フィラーとして、粉砕・分級された平均粒径10μ
m以下のタルク粉末またはマイカ粉末を使用するのが好
ましい。
【0012】繊維状フィラーと板状フィラーとの混合の
方法は、安定した均質な混合状態を得るため水熱合成直
後のスラリーでの混合が望ましい。繊維状フィラーに関
しては、乾粉での混合は勿論のこと、一旦乾燥した粉を
解繊スラリー化して混合した場合でも、樹脂複合組成物
での耐衝撃特性の向上が認められなかった。繊維スラリ
ーの乾燥時に生成した凝集物が最終成形体まで残存した
ためと推察された。
【0013】本発明の複合フィラーは、平均直径0.5
〜5mm好ましくは1〜3mm、見掛比重0.20〜
0.80、好ましくは0.20〜0.60の造粒物であ
る。平均直径が0.5mmよりも小さくなると、流動性
が低下しハンドリングが悪くなる。また、5mmよりも
大きくなると、乾式混合の対象となる熱可塑性樹脂との
粒径差から予備的混合の効果が低下する。また、見掛比
重を0.20〜0.80、好ましくは、0.20〜0.
60の範囲とすることにより、混練時の分散性が向上す
る。見掛比重が0.20未満であると樹脂との混練前に
粉化が起こり発塵防止,ノズルの閉塞などの課題の解決
とならない。0.80より大きくなると成形時に高剪断
に晒されるため繊維の破損が著しくなり、混練時に樹脂
中への解繊、分散が著しく難しくなる。
【0014】繊維状マグネシウムオキシサルフェートを
繊維状フィラーとして採用する場合、この材料は通常水
熱合成によりスラリー状態で生産されることから湿式で
の混合方法を容易に適用できる。繊維状マグネシウムオ
キシサルフェートを水熱合成によりスラリー状態で生成
し、篩別等により250μm以上の凝集体を除去する。
このとき、繊維状マグネシウムオキシサルフェートのス
ラリー濃度は5%以下が望ましい。スラリー中へ粉末の
板状微細フィラーを投入し回転羽根等の通常のスラリー
攪拌機により攪拌し混合する。更に望ましくは、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムを用いて
常法により表面処理を実施し、加えて処理スラリーを常
温まで冷却する或いは温水等で洗浄した後に、粉末状の
板状微細フィラーを投入し攪拌,混合する。
【0015】混合スラリーを常法により含水率50〜7
0%、好ましくは57〜62%に脱水する。含水率50
%未満の場合には造粒成形物の強度が弱く乾燥以後の工
程において粉生成に伴う弊害が発生する。含水率70%
以上の場合には流動性が残り造粒形状の保持が難しく容
易に乾燥しなくなる。脱水装置としては通常の濾過装置
が適用できるが、真空濾過装置が好ましい。
【0016】次に脱水ケーキを造粒するが、加工中に含
有する微細繊維が破断しないことが必要であり、成形し
た粒が事後の乾燥、貯蔵、供給の工程で粉化しないこ
と、さらに樹脂と混練するときに分散し易く均等に配向
することが必要である。以上の条件を全て満足するため
には、加圧力が小さく被処理物への剪断が弱い造粒方法
が望まれる。造粒方法としては、転動造粒、押し出し造
粒、圧縮造粒などがあるが、バインダー添加が許されな
い本件においては転動造粒では成形粒の強度が弱く事後
工程での粉化が発生してしまう。圧縮造粒では成形時の
圧力が高く被処理物への剪断が著しく激しくなるため繊
維破損も激しく併せて樹脂との混練時に凝集体が残存し
分散が難しくなる。押し出し造粒を適用することによ
り、得られる造粒物の見掛比重が乾燥ベースで0.20
〜0.80に選定することにより、造粒物が事後の乾
燥、貯蔵、供給の工程で粉化せず、さらに混練するとき
に分散し易く均等に配向することがわかった。
【0017】造粒装置としては、各種の押し出し造粒機
を使用可能であるが、バスケットリュウーザー等の横出
し押し出し造粒機が望ましい。押し出しのダイス径は1
〜5mm(φ)、好ましくは2〜3mm(φ)である。
造粒成形後、通常の乾燥機により水分を1%以下まで乾
燥させる。装置としては、被処理物への剪断が大きくな
るディスクドライヤー等を除き通常の乾燥機が適用でき
る。バンド乾燥機など静置状態で処理できる装置がより
望ましい。
【0018】このようにして得られた顆粒状の樹脂添加
用の複合フィラー造粒物は、流動性が優れコンパウンド
時に容易にフィード、練り込みできることがわかった。
本発明による複合フィラーを添加したポリプロピレン組
成物の成形製品は、全体に安定した機械的物性と一部の
優れた機械的物性とを示した。即ち落錘衝撃値において
従来のドライブレンド法に比較し大きく改善された測定
値を示し、アイゾットの測定に関して変動係数が小さく
安定した測定値を示した。特に繊維状マグネシウムオキ
シサルフェートのみステアリン酸系金属石鹸で表面処理
した場合に、落錘衝撃値において改善効果がおおきかっ
た。物性改善の原因については明確でないが、フィラー
が混練時に容易に分散し成形体中で優れた配向を占めた
ためと推察され、分散された板状フィラーと繊維状フィ
ラーとの複合効果によるものと考えられる。
【0019】本発明で使用されるポリプロピレンの具体
例としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンとプ
ロピレン以外のα−オレフィン、例えば、エチレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1との共重合体、
これらの混合物が挙げられる。これらの中でも、プロピ
レンとエチレンとのブロック重合体が好適に使用されう
る。このブロック重合体は、例えば、プロピレンの単独
重合体の存在下に、プロピレンとエチレンとを共重合さ
せることによって製造することができる。プロピレンと
エチレンとのブロック共重合体におけるエチレンの含有
割合は、一般に1〜20重量%、好ましくは1〜10重
量%である。
【0020】本発明のポリプロピレン組成物は、ポリプ
ロピレン100重量部および複合フィラー3〜50重量
部、好ましくは3〜30重量部を溶融混練してコンパウ
ンドすることにより製造される。複合フィラーの添加量
が3重量部より少ないと組成物に十分な機械的強度を付
与することができず、その使用量が上限より多いと組成
物の外観が低下する。
【0021】ポリプロピレンおよび複合フィラーを溶融
混練する方法については特別の制限はなく、公知の押出
機を用いて両者を溶融混練することができるが、均等な
混合を行うためには、二軸の押出機を用いるのが好まし
い。ポリプロピレンと複合フィラーとを溶融混練する温
度は、ポリプロピレンの融点以上であれば特に制限はな
いが、過度に高いとマグネシウムオキシサルフェート等
が分解するようになるので、一般には260℃以下であ
る。
【0022】組成物の耐衝撃性をより向上させる目的
で、それ自体公知のエラストマーを含有する事ができ
る。エラストマーの具体例としては、エチレン−プロピ
レンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムのような
オレフィン系エラストマー、スチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−
エチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−イソ
プレン−スチレンゴムのようなスチレン系エラストマー
が挙げられる。これらのエラストマーの使用割合は、ポ
リプロピレン100重量部当たり、一般には、2〜20
%重量部である。
【0023】本発明の組成物は、さらに、それ自体公知
の添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、着色剤を含むことがで
きる。本発明の組成物は、例えば射出成形、押し出し成
形、圧縮成形等によって種々の成形品に成形することが
できる。
【0024】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳し
く説明する。 〔使用原料〕 (マグネシウムオキシサルフェート繊維)マグネシウム
オキシサルフェート繊維は宇部化学工業(株)の生産工
程で生成する合成直後のスラリー(2重量%)を使用し
た。このMOSの平均繊維長は15μmでアスペクト比
は30であった。 (タルク)タルクは福岡タルク(株)製5000Sを使
用した。平均粒子径4μmの粉砕粉末であった。 (マイカ)マイカはカナダマイカ(株)製M−XFを使
用した。平均粒子径6μmの粉砕粉末であった。 〔評価方法〕 (見掛比重)複合フィラーの見掛比重の測定はJIS−
K5101に準じた。 (粉体特性)粉体等のハンドリングの指標として、粉体
の個々の物性値を総合評価するCarr氏の表に基づく
流動性指数と噴流性指数をセイシン(株)製のパウダー
テスター測定値より算出した。 流動性指数 70〜79 流動性の程度 かなり良好 60〜69 流動性の程度 普通 20〜39 流動性の程度 不良 噴流性指数 60〜69 噴流性の程度 かなり強い 0〜24 噴流性の程度 なし (発塵性)労働安全衛生法(作業環境測定)に準じた。
具体的には、ポリプロピレン樹脂および複合フィラーを
二軸の押出機で溶融混練する際の作業環境測定を行っ
た。具体的には当機の直上0.5m位置(作業床面より
1.7m高)における空気を採取し0.07μm以上の粉塵
粒子を測定した。 (樹脂複合材料の物性)樹脂複合材料の物性について
は、以下の測定法に準じた。 ・曲げ試験 ASTM D−638に準じた。 ・引張試験 ASTM D−790に準じた。 ・落錐衝撃試験 (株)オリエンテックの計装化衝撃試
験機UTM−5を用いて、速度4.5m/sec、温度
23℃、湿度50%の条件で測定した。 ・Izod衝撃試験 JIS K7110に準じた。 ・HDT(荷重たわみ温度試験) ASTM D−64
8に準じた。 ・MFI(メルトフローインデックス) ASTM D
−1238に準じ230℃で測定した。
【0025】実施例1〜2 (複合フィラー)80℃でステアリン酸ソーダにより表
面処理した2重量%のマグネシウムオキシサルフェート
繊維スラリーを室温まで冷却した後、タルク粉末を各配
合割合になるように配合し、回転羽根付き攪拌槽で30
分間で混合した。得られたスラリーを真空濾過機により
含水率57〜63%に脱水した。次にこの脱水ケーキを
不二パウダル製の押出造粒機バスケットリュウザーを使
って2.5mm(φ)に造粒後、箱型乾燥機で水分1%
以下まで乾燥した。このようにして得られたマグネシウ
ムオキシサルフェート繊維とタルクの複合フィラーの物
性を表1に示した。物性測定の項目として流動性、ハン
ドリングの指標として粉体特性,見掛比重を作業環境へ
の影響の指標として混練時の発塵量を測定した。この複
合フィラーは見掛比重が原料のマグネシウムオキシサル
フェート繊維やタルク粉末又はマイカ粉末より大きいた
め、流動性、ハンドリングが良い。混練時の発塵量は従
来の技術に比べて少ないため、作業環境が良くなった。
【0026】実施例3〜4 (複合フィラー)2重量%のマグネシウムオキシサルフ
ェート繊維スラリー中にタルク粉末を各配合割合になる
ように配合し、回転羽根付き攪拌槽で30分間で混合し
た。得られたスラリーを真空濾過機により含水率57〜
63%に脱水した。以下、実施例1〜2と同様に処理し
て得られたマグネシウムオキシサルフェート繊維とタル
ク粉末の複合フィラーの物性を表1に示した。物性測定
の項目として流動性、ハンドリングの指標として粉体特
性,見掛比重を、作業環境への影響の指標として混練時
の発塵量を測定した。
【0027】実施例5 タルクの代わりにマイカを用い、他は実施例1〜2と同
様に処理した。フィラーの物性は表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】(樹脂複合材料)エチレン含量3.5%、
メルトフローインデックス(MFI)15g/10分
(230℃)の結晶性エチレン−プロピレンブロック共
重合体(EPBC)100部に、表1に示した複合フィ
ラー25部及び酸化防止剤としてヨシノックスBHT
(吉富製薬製)0.1部及びイルガノックス1010
(チバガイギー製)0.2部、さらに分散剤としてステ
アリン酸マグネシウム0.2部を乾式混合した。次い
で、乾式混合物を2軸押出機の主フィード口から投入
し、設定温度220℃で溶融混練して樹脂複合材料を得
た。2軸押出機は池貝鉄工製PCM30(二条ネジ、直
径30mm、L/D28.5)を使用した。 (試験片の製作)得られた樹脂複合材料を、シリンダー
設定温度220℃、金型温度80℃の条件で宇部興産製
UBE−MAX D150−10射出成形機にて射出成
形し、物性測定用の試験片を製作し各物性を測定した。
結果を表2に示す。得られた樹脂複合材料は従来技術と
比較して物性が向上している。特に、表面外観が優れ、
アイゾット衝撃値のCVが小さく、落錐衝撃値が大きく
優れていることがわかる。特に繊維状マグネシウムオキ
シサルフェートのみステアリン酸ソーダで表面処理した
場合に、落錐衝撃における改善効果がおおきい。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1〜2 エチレン含量3.5%、メルトフローインデックス(M
FI)15g/10分(230℃)の結晶性エチレン−
プロピレンブロック共重合体(EPBC)100部に、
表3に示したマグネシウムオキシサルフェート繊維を所
定量及び酸化防止剤としてヨシノックスBHT(吉富製
薬製)0.1部及びイルガノックス1010(チバガイ
ギー製)0.2部、さらに分散剤としてステアリン酸マ
グネシウム0.2部を乾式混合した。次いで、乾式混合
物を2軸押出機の主フィード口から投入し、別のフィー
ド口から表3に示したタルク粉末を投入し、設定温度2
20℃で溶融混練して樹脂複合材料を得た。2軸押出機
は池貝鉄工製PCM30(二条ネジ、直径30mm、L/D
28.5)を使用した。次いで、実施例1〜2と同様にして
試験片の製作を行った。結果を表4に示す。
【0032】
【表3】
【0033】比較例3 複合原料であるタルク粉末の代わりにマイカ粉末を用い
た以外は、比較例1〜2と同様に処理した。複合組成物
の物性を測定した結果を表4にしめす。
【0034】比較例4 マグネシウムオキシサルフェート繊維のみを用いた以外
は、比較例1〜2と同様に処理した。複合組成物の物性
を測定した結果を表4にしめす。
【0035】比較例5 タルク粉末のみを用いた以外は、比較例1〜2と同様に
処理した。複合組成物の物性を測定した結果を表4にし
めす。
【0036】比較例6 マイカ粉末のみを用いた以外は、比較例1〜2と同様に
処理した。複合組成物の物性を測定した結果を表4にし
めす。
【0037】比較例7 2重量%のマグネシウムオキシサルフェート繊維スラリ
ー中へタルク粉末を表3に記載の配合割合になるように
配合し、回転羽根付き攪拌槽で30分間で混合した。得
られたスラリーをろ過、乾燥により、含水率10%に脱
水した。次にこの脱水物を圧縮成形機を使って500kg
f/cm2 の圧力で2.5mm(φ)に造粒後、箱型乾燥機
で水分1%以下に乾燥した。後は実施例1〜2と同様
に、樹脂複合材料、試験片を作成し各物性を測定した。
結果を表4に示す。
【0038】比較例8 (複合フィラー)マグネシウムオキシサルフェート繊維
の乾粉を温水に2重量%添加し5時間スタラーで攪拌し
た。得られた2重量%のマグネシウムオキシサルフェー
ト繊維スラリー中にタルク粉末を各配合割合になるよう
に配合し、回転羽根付き攪拌槽で30分間で混合した。
得られたスラリーを真空濾過機により含水率57〜63
%に脱水した。以下、実施例1〜2と同様に処理して得
られたマグネシウムオキシサルフェート繊維とタルク粉
末の複合フィラーの物性を表3に示した。物性測定の項
目として流動性、ハンドリングの指標として粉体特性,
見掛比重を、作業環境への影響の指標として混練時の発
塵量を測定した。以下、実施例1〜2と同様に、樹脂複
合材料、試験片を作成し各物性を測定した。結果を表4
に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明は繊維状フィラー
と板状フィラーを均一に混合され、特定の物性を有する
複合フィラー造粒物とその製造方法を提供することがで
きるので、ポリプロピレン樹脂に混練することにより、
作業性、加工性、物性、外観ともに優れた複合ポリプロ
ピレン樹脂組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 9/00 C08K 9/00 C08L 23/10 C08L 23/10 C09C 1/02 C09C 1/02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維長50μm以下、アスペクト比
    5〜45の繊維状フィラー、および平均径10μm以下
    の板状フィラーよりなり、平均直径0.5〜5mm、見
    掛比重0.20〜0.80に造粒されてなる樹脂への分
    散性に優れた樹脂添加用複合フィラー。
  2. 【請求項2】 繊維状フィラーが繊維状マグネシウムオ
    キシサルフェートであり、板状フィラーがタルク粉末ま
    たはマイカ粉末であることを特徴とする請求項1に記載
    の樹脂添加用複合フィラー。
  3. 【請求項3】 繊維状フィラーがステアリン酸系金属石
    鹸で表面処理された繊維状マグネシウムオキシサルフェ
    ートであり、板状フィラーがタルク粉末またはマイカ粉
    末であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂添加用
    複合フィラー。
  4. 【請求項4】 繊維状フィラーと板状フィラーを湿式混
    合した均質スラリーを濾過後、造粒、乾燥することを特
    徴とする請求項1に記載の樹脂添加用複合フィラー。
  5. 【請求項5】 繊維状フィラーが繊維状マグネシウムオ
    キシサルフェートであり、板状フィラーがタルク粉末ま
    たはマイカ粉末であることを特徴とする請求項4に記載
    の樹脂添加用複合フィラー。
  6. 【請求項6】 水熱合成法により得られた繊維状マグネ
    シウムオキシサルフェートをスラリー状態でステアリン
    酸系金属石鹸で表面処理し、冷却または水洗した後にタ
    ルク粉末またはマイカ粉末を投入し、湿式混合した均質
    スラリーを濾過後、押し出し造粒法により造粒した後
    に、乾燥することを特徴とする請求項5に記載の樹脂添
    加用複合フィラー。
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