JP3067122B2 - 強化された有機高分子組成物 - Google Patents
強化された有機高分子組成物Info
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- JP3067122B2 JP3067122B2 JP6012573A JP1257394A JP3067122B2 JP 3067122 B2 JP3067122 B2 JP 3067122B2 JP 6012573 A JP6012573 A JP 6012573A JP 1257394 A JP1257394 A JP 1257394A JP 3067122 B2 JP3067122 B2 JP 3067122B2
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- fibrous zonotolite
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状無機フィラーで
強化された有機高分子組成物に関する。この成形品は軽
量で高強度、高弾性率、高耐熱性を有し、かつ、表面平
滑性に優れるなどの特長があるために、自動車、電気・
電子、土木建築、精密機械などの材料として使用するこ
とができる。
強化された有機高分子組成物に関する。この成形品は軽
量で高強度、高弾性率、高耐熱性を有し、かつ、表面平
滑性に優れるなどの特長があるために、自動車、電気・
電子、土木建築、精密機械などの材料として使用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】従来、有機高分子物質
の剛性、強度、耐熱性、成形収縮率、寸法安定性などを
改良する目的のために、有機高分子物質に繊維状無機物
質を混入することが広く行われている。その一つとして
繊維状をしたゾノトライトは、樹脂やゴムなどの補強材
としてよく知られている(特開昭48−19498号公
報、特開昭50−52145号公報、特開昭53−30
499号公報、特開昭53−33245号公報など参
照)。しかし、従来知られていた繊維状ゾノトライト
は、凝集しやすいためにマトリックス中への分散が悪
く、さらにマトリックスとなる有機高分子物質との濡れ
性も十分でなく、その結果、得られる複合材料は、当初
期待されるほどの物性値を示すことができなかった。
の剛性、強度、耐熱性、成形収縮率、寸法安定性などを
改良する目的のために、有機高分子物質に繊維状無機物
質を混入することが広く行われている。その一つとして
繊維状をしたゾノトライトは、樹脂やゴムなどの補強材
としてよく知られている(特開昭48−19498号公
報、特開昭50−52145号公報、特開昭53−30
499号公報、特開昭53−33245号公報など参
照)。しかし、従来知られていた繊維状ゾノトライト
は、凝集しやすいためにマトリックス中への分散が悪
く、さらにマトリックスとなる有機高分子物質との濡れ
性も十分でなく、その結果、得られる複合材料は、当初
期待されるほどの物性値を示すことができなかった。
【0003】さらに、その改良のために繊維状ゾノトラ
イトの表面をカップリング剤などで処理する試みもなさ
れている(特開昭50−158647号公報、特開昭5
0−158648号公報、特開昭51−7055号公
報、特開平4−108855号公報など参照)が、満足
のいく効果は得られていない。
イトの表面をカップリング剤などで処理する試みもなさ
れている(特開昭50−158647号公報、特開昭5
0−158648号公報、特開昭51−7055号公
報、特開平4−108855号公報など参照)が、満足
のいく効果は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
高分子物質との濡れ性を著しく向上させ、従来よりもは
るかに優れた物性を有する繊維状ゾノトライト/有機高
分子物質複合材料を提供しようとするものである。
高分子物質との濡れ性を著しく向上させ、従来よりもは
るかに優れた物性を有する繊維状ゾノトライト/有機高
分子物質複合材料を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな従来技術の問題点の解決について鋭意検討した結
果、特定の性状を有する繊維状ゾノトライトを使用する
ことによって、すなわち、特定の比表面積を有し、か
つ、表面処理され、さらに全体が顆粒状に造粒されてい
る繊維状をしたゾノトライトを使用することによって、
それらを克服できることを見つけ、本発明を完成するに
至った。
うな従来技術の問題点の解決について鋭意検討した結
果、特定の性状を有する繊維状ゾノトライトを使用する
ことによって、すなわち、特定の比表面積を有し、か
つ、表面処理され、さらに全体が顆粒状に造粒されてい
る繊維状をしたゾノトライトを使用することによって、
それらを克服できることを見つけ、本発明を完成するに
至った。
【0006】すなわち、本発明は、窒素吸着によるBE
T比表面積が21m2 /g以上であり、その表面が界面
活性剤および/またはカップリング剤によって処理さ
れ、かつ、顆粒状に造粒された繊維状をしたゾノトライ
トと有機高分子物質とから構成されることを特徴とする
強化された有機高分子組成物、つまり、繊維状ゾノトラ
イト/有機高分子物質複合材料を提供することによって
前記課題を解決するものである。
T比表面積が21m2 /g以上であり、その表面が界面
活性剤および/またはカップリング剤によって処理さ
れ、かつ、顆粒状に造粒された繊維状をしたゾノトライ
トと有機高分子物質とから構成されることを特徴とする
強化された有機高分子組成物、つまり、繊維状ゾノトラ
イト/有機高分子物質複合材料を提供することによって
前記課題を解決するものである。
【0007】以下に、本発明を詳しく説明する。本発明
に述べる繊維状ゾノトライトとは、ゾノトライト(示性
式:Ca6 Si 6 O17(OH)2 、化学式:6CaO・
6SiO2 ・H2 O)の針状結晶物質をいう。本発明で
は、その比表面積の値が非常に重要であり、21m2 /
g以上、好ましくは30m2 /g以上(ただし、窒素吸
着によるBET法での測定値である)でなければならな
い。この値が21m2 /gより小さい繊維状ゾノトライ
トでは、有機高分子物質との濡れ性が悪く、本発明の目
的を達成することができない。
に述べる繊維状ゾノトライトとは、ゾノトライト(示性
式:Ca6 Si 6 O17(OH)2 、化学式:6CaO・
6SiO2 ・H2 O)の針状結晶物質をいう。本発明で
は、その比表面積の値が非常に重要であり、21m2 /
g以上、好ましくは30m2 /g以上(ただし、窒素吸
着によるBET法での測定値である)でなければならな
い。この値が21m2 /gより小さい繊維状ゾノトライ
トでは、有機高分子物質との濡れ性が悪く、本発明の目
的を達成することができない。
【0008】さらに本発明では、顆粒状に造粒された繊
維状ゾノトライトの形状は、特に平均繊維長(L)が1
μm≦L<5μm、平均繊維径(D)が0.1μm≦D
<0.5μm、そしてアスペクト比(L/D)が10≦
L/D<20の条件を同時に満たすものが好適に使用で
きる。Dが0.1μm未満のものやLが5μm以上のも
のでは、有機高分子物質との混合・混練時に折れる恐れ
があるし、Dが0.5μm以上のものやLが1μm未満
のものでは、繊維状ゾノトライトによる複合材料の機械
的強度の向上効果が十分ではないことがある。また、L
/Dが10未満の場合には、得られる複合材料は、十分
な機械的強度を得ることができないことがあるし、L/
Dが20以上の場合には、顆粒状に造粒された繊維状ゾ
ノトライトの嵩比重が小さくなりすぎ、複合材料製造時
などに混練が困難となることがある。
維状ゾノトライトの形状は、特に平均繊維長(L)が1
μm≦L<5μm、平均繊維径(D)が0.1μm≦D
<0.5μm、そしてアスペクト比(L/D)が10≦
L/D<20の条件を同時に満たすものが好適に使用で
きる。Dが0.1μm未満のものやLが5μm以上のも
のでは、有機高分子物質との混合・混練時に折れる恐れ
があるし、Dが0.5μm以上のものやLが1μm未満
のものでは、繊維状ゾノトライトによる複合材料の機械
的強度の向上効果が十分ではないことがある。また、L
/Dが10未満の場合には、得られる複合材料は、十分
な機械的強度を得ることができないことがあるし、L/
Dが20以上の場合には、顆粒状に造粒された繊維状ゾ
ノトライトの嵩比重が小さくなりすぎ、複合材料製造時
などに混練が困難となることがある。
【0009】上述した本発明の繊維状ゾノトライトは、
以下に詳述するように、特願平5−190336号明細
書に記載された製造法、すなわち、石灰質原料とケイ酸
質原料とを特定割合で配合して水熱合成反応により製造
される。
以下に詳述するように、特願平5−190336号明細
書に記載された製造法、すなわち、石灰質原料とケイ酸
質原料とを特定割合で配合して水熱合成反応により製造
される。
【0010】石灰質原料としては、生石灰、消石灰など
があり、不純物の少ないものが好ましい。また、ケイ酸
質原料としては、ケイ石、ケイ砂および石英の粉砕品、
ケイ酸、無水ケイ酸、シリカゲル、ケイソウ土などであ
り、不純物が少なくかつ平均粒径10μm以下の微粉状
が望ましい。これら両者の配合割合(Ca/Si比)
は、理論当量よりも若干小さく0.8〜0.99とする
のが好ましい。また、混合する水の割合は、石灰質原料
とケイ酸質原料の量の総和の5〜40倍、好ましくは8
〜30倍であることが望ましい。
があり、不純物の少ないものが好ましい。また、ケイ酸
質原料としては、ケイ石、ケイ砂および石英の粉砕品、
ケイ酸、無水ケイ酸、シリカゲル、ケイソウ土などであ
り、不純物が少なくかつ平均粒径10μm以下の微粉状
が望ましい。これら両者の配合割合(Ca/Si比)
は、理論当量よりも若干小さく0.8〜0.99とする
のが好ましい。また、混合する水の割合は、石灰質原料
とケイ酸質原料の量の総和の5〜40倍、好ましくは8
〜30倍であることが望ましい。
【0011】そして水熱合成反応は、上記所定割合の石
灰質原料、ケイ酸質原料および水をオートクレーブに投
入し、攪拌しながら、180〜240℃で通常1〜8時
間かけて行われる。この反応温度および反応時間は重要
な因子であり、前記範囲以外では本発明に用いる特定の
比表面積を有する繊維状ゾノトライトが得られない。
灰質原料、ケイ酸質原料および水をオートクレーブに投
入し、攪拌しながら、180〜240℃で通常1〜8時
間かけて行われる。この反応温度および反応時間は重要
な因子であり、前記範囲以外では本発明に用いる特定の
比表面積を有する繊維状ゾノトライトが得られない。
【0012】本発明において、上述の製法によって得ら
れた繊維状ゾノトライトは、その、後述する有機高分子
物質に対する補強効果を一層向上させるために、さら
に、表面が界面活性剤および/またはカップリング剤
(以下表面処理剤という)によって処理される。すなわ
ち、表面処理剤は、前記繊維状ゾノトライトの、マトリ
ックスとなる有機高分子物質との親和性を向上させ、そ
の補強効果、つまり、機械的強度をより高める目的で使
用されるものであり、具体的には次のようなものが使用
され得る。界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン
系、両性系および非イオン系界面活性剤のいずれも使用
できる。陰イオン系界面活性剤としては、アルキルエー
テル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ステアリ
ン酸塩など、陽イオン系界面活性剤としては、テトラデ
シルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライドなど、両性系界面活性剤としては、ジメチルア
ルキルラウリルペタインなど、そして、非イオン系界面
活性剤としては、ポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げら
れる。また、カップリング剤としては、シラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム
系カップリング剤、クロム系カップリング剤、ホウ素系
カップリング剤などが挙げられる。
れた繊維状ゾノトライトは、その、後述する有機高分子
物質に対する補強効果を一層向上させるために、さら
に、表面が界面活性剤および/またはカップリング剤
(以下表面処理剤という)によって処理される。すなわ
ち、表面処理剤は、前記繊維状ゾノトライトの、マトリ
ックスとなる有機高分子物質との親和性を向上させ、そ
の補強効果、つまり、機械的強度をより高める目的で使
用されるものであり、具体的には次のようなものが使用
され得る。界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン
系、両性系および非イオン系界面活性剤のいずれも使用
できる。陰イオン系界面活性剤としては、アルキルエー
テル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ステアリ
ン酸塩など、陽イオン系界面活性剤としては、テトラデ
シルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライドなど、両性系界面活性剤としては、ジメチルア
ルキルラウリルペタインなど、そして、非イオン系界面
活性剤としては、ポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げら
れる。また、カップリング剤としては、シラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム
系カップリング剤、クロム系カップリング剤、ホウ素系
カップリング剤などが挙げられる。
【0013】これら表面処理剤の添加量は、繊維状ゾノ
トライト(乾燥物基準)に対して0.1〜10重量%、
好ましくは0.5〜8重量%であるべきである。添加量
が0.1重量%未満では前述の効果が十分でなく、ま
た、添加量が10重量%を超える場合は、添加量を増加
しても前述の効果はほとんど向上しない。
トライト(乾燥物基準)に対して0.1〜10重量%、
好ましくは0.5〜8重量%であるべきである。添加量
が0.1重量%未満では前述の効果が十分でなく、ま
た、添加量が10重量%を超える場合は、添加量を増加
しても前述の効果はほとんど向上しない。
【0014】本発明においては、水熱合成反応によって
得られた繊維状ゾノトライトスラリーをオートクレーブ
から抜き出し、繊維状ゾノトライトの表面処理を行う。
表面処理方法は、特に限定はしないが、例えば、繊維状
ゾノトライトスラリーにそのまま、あるいは、適当量の
水を加えた後に、表面処理剤を添加し、適当な装置によ
りスラリー状態で混合・攪拌する。引き続き、遠心脱水
機あるいはフィルタープレス機などにより余剰の水分を
濾過分離し、ケーキ状の繊維状ゾノトライトを得るので
ある。また、この表面処理については、繊維状ゾノトラ
イトスラリーを乾燥した後に、少量の水あるいは溶媒に
溶解した表面処理剤を用いて行ってもよいが、操作が繁
雑となり、また、表面処理剤の効果が小さく特にメリッ
トはない。
得られた繊維状ゾノトライトスラリーをオートクレーブ
から抜き出し、繊維状ゾノトライトの表面処理を行う。
表面処理方法は、特に限定はしないが、例えば、繊維状
ゾノトライトスラリーにそのまま、あるいは、適当量の
水を加えた後に、表面処理剤を添加し、適当な装置によ
りスラリー状態で混合・攪拌する。引き続き、遠心脱水
機あるいはフィルタープレス機などにより余剰の水分を
濾過分離し、ケーキ状の繊維状ゾノトライトを得るので
ある。また、この表面処理については、繊維状ゾノトラ
イトスラリーを乾燥した後に、少量の水あるいは溶媒に
溶解した表面処理剤を用いて行ってもよいが、操作が繁
雑となり、また、表面処理剤の効果が小さく特にメリッ
トはない。
【0015】さらに、本発明で使用する繊維状ゾノトラ
イトは、後述する有機高分子物質との混合・混練を容易
に行う目的で顆粒状に造粒される。顆粒状の繊維状ゾノ
トライトは、前記の表面処理剤を付着したケーキ状の繊
維状ゾノトライトを、造粒機によって径が1〜8mmの
顆粒状に成形し、乾燥および、前記表面処理剤としてカ
ップリング剤を使用した場合は、さらに熱処理を行うこ
とによって得られる。この場合、前記造粒機としては、
特に制限されるものではなく、回転縦型造粒機、回転ド
ラム型造粒機、回転さら型造粒機、スクリュー押出造粒
機、ロール押出造粒機など公知の造粒機を用いることが
できる。そして、造粒によって得られる繊維状ゾノトラ
イトの顆粒状成形品の径が前記の範囲を逸脱すると、有
機高分子物質との混合・混練に際して、一軸押出機や二
軸押出機などでの混合・混練が困難となり、ロールやバ
ンバリーミキサーなどで遂次的に充填し、混合・混練を
行わなければならず、繊維が著しく破壊して機械的強度
の低下を生じることがあるので好ましくない。また、前
記乾燥は、熱風循環式乾燥器、赤外線加熱式乾燥器など
公知の乾燥器を用いて100〜150℃の温度で20〜
30時間かけて顆粒状の繊維状ゾノトライトの水分が1
重量%以下になる程度まで行うことが好ましい。さら
に、カップリング剤を使用した場合の熱処理は、前記1
00〜150℃および20〜30時間の加熱下で水分の
乾燥に続いて行うことが好ましい。なお、ケーキ状の繊
維状ゾノトライトをそのまま乾燥および熱処理し、粒径
5mm程度に砕く方法で顆粒状に成形してもよいが、粉
が生じやすく、かつ、嵩がやや大きく取扱いにやや難が
ある。
イトは、後述する有機高分子物質との混合・混練を容易
に行う目的で顆粒状に造粒される。顆粒状の繊維状ゾノ
トライトは、前記の表面処理剤を付着したケーキ状の繊
維状ゾノトライトを、造粒機によって径が1〜8mmの
顆粒状に成形し、乾燥および、前記表面処理剤としてカ
ップリング剤を使用した場合は、さらに熱処理を行うこ
とによって得られる。この場合、前記造粒機としては、
特に制限されるものではなく、回転縦型造粒機、回転ド
ラム型造粒機、回転さら型造粒機、スクリュー押出造粒
機、ロール押出造粒機など公知の造粒機を用いることが
できる。そして、造粒によって得られる繊維状ゾノトラ
イトの顆粒状成形品の径が前記の範囲を逸脱すると、有
機高分子物質との混合・混練に際して、一軸押出機や二
軸押出機などでの混合・混練が困難となり、ロールやバ
ンバリーミキサーなどで遂次的に充填し、混合・混練を
行わなければならず、繊維が著しく破壊して機械的強度
の低下を生じることがあるので好ましくない。また、前
記乾燥は、熱風循環式乾燥器、赤外線加熱式乾燥器など
公知の乾燥器を用いて100〜150℃の温度で20〜
30時間かけて顆粒状の繊維状ゾノトライトの水分が1
重量%以下になる程度まで行うことが好ましい。さら
に、カップリング剤を使用した場合の熱処理は、前記1
00〜150℃および20〜30時間の加熱下で水分の
乾燥に続いて行うことが好ましい。なお、ケーキ状の繊
維状ゾノトライトをそのまま乾燥および熱処理し、粒径
5mm程度に砕く方法で顆粒状に成形してもよいが、粉
が生じやすく、かつ、嵩がやや大きく取扱いにやや難が
ある。
【0016】次に、本発明で述べる有機高分子物質と
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびゴム・エラスト
マーを含む通常よく知られた有機重合体物質である。本
発明に用いる前述したような繊維状ゾノトライトは、6
80〜700℃の分解温度(ただし、空気中)を有する
物質であるために、高い溶融温度を持つ有機高分子物質
でも好適に使用することが可能である。熱可塑性樹脂と
しては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリイミド樹脂、ふっ素樹脂などが挙げられる。さ
らに、これらの熱可塑性樹脂を二種類以上混合した熱可
塑性樹脂、これらの熱可塑性樹脂のモノマー成分の共重
合体、およびこれらの熱可塑性樹脂を成分とするポリマ
ーアロイが含まれる。
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびゴム・エラスト
マーを含む通常よく知られた有機重合体物質である。本
発明に用いる前述したような繊維状ゾノトライトは、6
80〜700℃の分解温度(ただし、空気中)を有する
物質であるために、高い溶融温度を持つ有機高分子物質
でも好適に使用することが可能である。熱可塑性樹脂と
しては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリイミド樹脂、ふっ素樹脂などが挙げられる。さ
らに、これらの熱可塑性樹脂を二種類以上混合した熱可
塑性樹脂、これらの熱可塑性樹脂のモノマー成分の共重
合体、およびこれらの熱可塑性樹脂を成分とするポリマ
ーアロイが含まれる。
【0017】上記熱可塑性樹脂の具体例を挙げると、種
々の密度および分子量を有するポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリ
プロピレンコポリマー、変性ポリプロピレン、ポリブテ
ン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニルア
ルコール共重合体、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリ
ル−スチレン樹脂、無水マレイン酸−スチレン樹脂、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン1
2、芳香族を含むナイロン、ナイロン612、ナイロン
46、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、その他の芳香族ポリエ
ステル、ポリアセタール樹脂(ホモポリマーおよびコポ
リマーを含む)、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル
イミド、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミドイミ
ド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、
ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体など
である。
々の密度および分子量を有するポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリ
プロピレンコポリマー、変性ポリプロピレン、ポリブテ
ン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニルア
ルコール共重合体、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリ
ル−スチレン樹脂、無水マレイン酸−スチレン樹脂、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン1
2、芳香族を含むナイロン、ナイロン612、ナイロン
46、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、その他の芳香族ポリエ
ステル、ポリアセタール樹脂(ホモポリマーおよびコポ
リマーを含む)、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル
イミド、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミドイミ
ド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、
ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体など
である。
【0018】前記熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型
ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリアミドイミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂から
選ばれる一種以上が挙げられる。
ステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型
ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリアミドイミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂から
選ばれる一種以上が挙げられる。
【0019】そして、前記ゴム・エラストマーとして
は、天然ゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴム、アクリル
ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロルスルホン化ポ
リエチレンなどのゴムやポリスチレン系、ポリウレタン
系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、1,2−ポリブタジエ
ン、アイオノマー、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、塩化ビニル系などの熱可塑性エラストマーなどが
挙げられる。
は、天然ゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴム、アクリル
ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロルスルホン化ポ
リエチレンなどのゴムやポリスチレン系、ポリウレタン
系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、1,2−ポリブタジエ
ン、アイオノマー、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、塩化ビニル系などの熱可塑性エラストマーなどが
挙げられる。
【0020】なお、以上三者の組み合わせも可能である
ことはいうまでもない。例えば、耐衝撃性を向上させる
目的で熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂にゴム・エラストマ
ーを添加することもできるし、また、熱可塑性樹脂/熱
硬化性樹脂のブレンドなども行うことができる。
ことはいうまでもない。例えば、耐衝撃性を向上させる
目的で熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂にゴム・エラストマ
ーを添加することもできるし、また、熱可塑性樹脂/熱
硬化性樹脂のブレンドなども行うことができる。
【0021】さらに、前記有機高分子物質の特性改善や
製造改善のために添加される各種副資材、すなわち、熱
安定剤、光安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、難燃
剤、強化剤、顔料、染料、滑剤、帯電防止剤、離型剤、
香料などならびに他の充填剤、例えば有機質として木
粉、パルプ、および無機質として鉄、銅、銀、金、アル
ミニウムなどのウイスカー、フレーク、繊維または粉末
状の金属、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、活性炭、中空球などの炭素材料、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、マグネシア、カル
シア、チタン酸カリウム、各種フェライト類および塩基
性硫酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム他の複合
酸化物類を含む酸化物、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、岩綿および珪酸亜鉛などの珪酸塩、各種金属の
水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ホウ
珪酸塩、アルミノ珪酸塩、チタン酸塩、塩基性硫酸塩、
塩基性炭酸塩およびその他の塩基性塩など、ガラス繊
維、ガラス中空球、ガラスフレークなどのガラス材料、
炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、ムライト、コージェ
ライトなどのセラミックス、フライアッシュやミクロシ
リカなどの廃棄物、などと本発明の繊維状ゾノトライト
との併用も、本発明の繊維状ゾノトライトの補強効果が
阻害されない限り何ら差し支えない。
製造改善のために添加される各種副資材、すなわち、熱
安定剤、光安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、難燃
剤、強化剤、顔料、染料、滑剤、帯電防止剤、離型剤、
香料などならびに他の充填剤、例えば有機質として木
粉、パルプ、および無機質として鉄、銅、銀、金、アル
ミニウムなどのウイスカー、フレーク、繊維または粉末
状の金属、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、活性炭、中空球などの炭素材料、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、マグネシア、カル
シア、チタン酸カリウム、各種フェライト類および塩基
性硫酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム他の複合
酸化物類を含む酸化物、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、岩綿および珪酸亜鉛などの珪酸塩、各種金属の
水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ホウ
珪酸塩、アルミノ珪酸塩、チタン酸塩、塩基性硫酸塩、
塩基性炭酸塩およびその他の塩基性塩など、ガラス繊
維、ガラス中空球、ガラスフレークなどのガラス材料、
炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、ムライト、コージェ
ライトなどのセラミックス、フライアッシュやミクロシ
リカなどの廃棄物、などと本発明の繊維状ゾノトライト
との併用も、本発明の繊維状ゾノトライトの補強効果が
阻害されない限り何ら差し支えない。
【0022】本発明において、前記繊維状ゾノトライト
と熱可塑性樹脂またはゴム・エラストマーとの組成物に
おける前記繊維状ゾノトライトの含有量は、5〜75重
量%、好ましくは10〜50重量%である。前記含有量
が5重量%よりも少ないと、成形品の機械的強度、剛性
などが向上しない。また、前記含有量が75重量%を超
えると、混練、成形が困難となり好ましくない。一方、
前記繊維状ゾノトライトと熱硬化性樹脂との組成物にお
ける前記繊維状ゾノトライトの含有量は、5〜96重量
%、好ましくは10〜70重量%である。前記含有量が
5重量%よりも少ないと、成形品の機械的強度、剛性な
どが向上しない。また、前記含有量が96重量%を超え
ると、混合あるいは混練、成形が困難となり、また成形
物の強度が低下し好ましくない。
と熱可塑性樹脂またはゴム・エラストマーとの組成物に
おける前記繊維状ゾノトライトの含有量は、5〜75重
量%、好ましくは10〜50重量%である。前記含有量
が5重量%よりも少ないと、成形品の機械的強度、剛性
などが向上しない。また、前記含有量が75重量%を超
えると、混練、成形が困難となり好ましくない。一方、
前記繊維状ゾノトライトと熱硬化性樹脂との組成物にお
ける前記繊維状ゾノトライトの含有量は、5〜96重量
%、好ましくは10〜70重量%である。前記含有量が
5重量%よりも少ないと、成形品の機械的強度、剛性な
どが向上しない。また、前記含有量が96重量%を超え
ると、混合あるいは混練、成形が困難となり、また成形
物の強度が低下し好ましくない。
【0023】ところで、上記本発明の繊維状ゾノトライ
トと有機高分子物質との組成物は、以下のようにして製
造することができる。すなわち、繊維状ゾノトライトと
熱可塑性樹脂との組成物は、公知の方法で製造される。
例えば、前記所定量の繊維状ゾノトライトと熱可塑性樹
脂とが、押出機を用いて溶融混練され組成物のペレット
とされる。この際、溶融混練温度は、結晶性の熱可塑性
樹脂の場合、樹脂の融点より10〜60℃高い温度、好
ましくは樹脂の融点より10〜40℃高い温度であるこ
と、そして、非晶性の熱可塑性樹脂の場合は、樹脂のガ
ラス転移点より110〜160℃高い温度、好ましくは
樹脂のガラス転移点より110〜140℃高い温度であ
ることが好ましい。溶融混練温度が結晶性樹脂の融点+
10℃もしくは非晶性樹脂のガラス転移点+110℃よ
りも低いと、押出機内において、熱可塑性樹脂の溶融粘
度が高くなりすぎるとともに、熱可塑性樹脂の融点また
はガラス転移点以下の温度となる部分が生じ、製造中に
熱可塑性樹脂が固化するなどして、吐出不良を起こす可
能性がある。また、溶融混練温度が結晶性樹脂の融点+
60℃もしくは非晶性樹脂のガラス転移点+160℃よ
り高いと、熱可塑性樹脂の熱分解や熱劣化が起こり、着
色や物性の低下をもたらすので好ましくない。また、前
記押出機としては、例えば、一軸押出機や二軸押出機な
どのスクリュー型押出機、エラスチック押出機、ハイド
ロダイナミック押出機、ラム式連続押出機、ギヤ式押出
機などを挙げることができるが、これらの中でも、スク
リュー型押出機が好ましく、二軸押出機が特に好まし
い。さらに前記繊維状ゾノトライトと熱可塑性樹脂との
溶融混練の際のこれら成分の添加、混合順序について
は、任意に選択することができ、例えば、繊維状ゾノト
ライトは溶融混練に先立ち、熱可塑性樹脂と混合した後
押出機のホッパーに供給してもよく、また、押出機のホ
ッパーには熱可塑性樹脂のみを供給し、繊維状ゾノトラ
イトは押出機の途中から供給してもよい。なお、前記組
成物を製造するにあたって、必要に応じて同時に前記各
種副資材を添加することもできる。このようにして得ら
れた組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成
形などの公知の種々の成形法により成形される。さらに
はまた、モノマーやオリゴマーなどの重合体前駆物質と
繊維状ゾノトライトとを混合した後、重合・成形を行
う、いわゆる反応成形(リアクティブプロセシング)に
供することも可能である。反応射出成形(RIM)や反
応押出成形などがその例である。本発明の繊維状ゾノト
ライトと熱可塑性樹脂との組成物の製造においてリアク
ティブプロセシングを適用できるモノマーとしては、ラ
クタム類やメチルメタクリレートなどを代表例として挙
げることができる。
トと有機高分子物質との組成物は、以下のようにして製
造することができる。すなわち、繊維状ゾノトライトと
熱可塑性樹脂との組成物は、公知の方法で製造される。
例えば、前記所定量の繊維状ゾノトライトと熱可塑性樹
脂とが、押出機を用いて溶融混練され組成物のペレット
とされる。この際、溶融混練温度は、結晶性の熱可塑性
樹脂の場合、樹脂の融点より10〜60℃高い温度、好
ましくは樹脂の融点より10〜40℃高い温度であるこ
と、そして、非晶性の熱可塑性樹脂の場合は、樹脂のガ
ラス転移点より110〜160℃高い温度、好ましくは
樹脂のガラス転移点より110〜140℃高い温度であ
ることが好ましい。溶融混練温度が結晶性樹脂の融点+
10℃もしくは非晶性樹脂のガラス転移点+110℃よ
りも低いと、押出機内において、熱可塑性樹脂の溶融粘
度が高くなりすぎるとともに、熱可塑性樹脂の融点また
はガラス転移点以下の温度となる部分が生じ、製造中に
熱可塑性樹脂が固化するなどして、吐出不良を起こす可
能性がある。また、溶融混練温度が結晶性樹脂の融点+
60℃もしくは非晶性樹脂のガラス転移点+160℃よ
り高いと、熱可塑性樹脂の熱分解や熱劣化が起こり、着
色や物性の低下をもたらすので好ましくない。また、前
記押出機としては、例えば、一軸押出機や二軸押出機な
どのスクリュー型押出機、エラスチック押出機、ハイド
ロダイナミック押出機、ラム式連続押出機、ギヤ式押出
機などを挙げることができるが、これらの中でも、スク
リュー型押出機が好ましく、二軸押出機が特に好まし
い。さらに前記繊維状ゾノトライトと熱可塑性樹脂との
溶融混練の際のこれら成分の添加、混合順序について
は、任意に選択することができ、例えば、繊維状ゾノト
ライトは溶融混練に先立ち、熱可塑性樹脂と混合した後
押出機のホッパーに供給してもよく、また、押出機のホ
ッパーには熱可塑性樹脂のみを供給し、繊維状ゾノトラ
イトは押出機の途中から供給してもよい。なお、前記組
成物を製造するにあたって、必要に応じて同時に前記各
種副資材を添加することもできる。このようにして得ら
れた組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成
形などの公知の種々の成形法により成形される。さらに
はまた、モノマーやオリゴマーなどの重合体前駆物質と
繊維状ゾノトライトとを混合した後、重合・成形を行
う、いわゆる反応成形(リアクティブプロセシング)に
供することも可能である。反応射出成形(RIM)や反
応押出成形などがその例である。本発明の繊維状ゾノト
ライトと熱可塑性樹脂との組成物の製造においてリアク
ティブプロセシングを適用できるモノマーとしては、ラ
クタム類やメチルメタクリレートなどを代表例として挙
げることができる。
【0024】次に、繊維状ゾノトライトと熱硬化性樹脂
との組成物は、必要に応じて硬化剤、硬化触媒、硬化促
進剤の他に前記の副資材を添加してミキサー、ニーダ
ー、ロールなどを用いて、よく混合あるいは混練した
後、圧縮成形、トランスファ成形、射出成形、RIM、
注形などの方法により成形されることにより製造され
る。本発明において、上記繊維状ゾノトライトと熱硬化
性樹脂との組成物製造に用いられる硬化剤、硬化触媒お
よび硬化促進剤は、熱硬化性樹脂の種類によって異な
り、限定することはできないが、例えば、不飽和ポリエ
ステル樹脂の場合には、有機過酸化物などの硬化触媒や
それらとコバルト系や第3級アミンなどの硬化促進剤と
の組み合わせによって硬化させ、エポキシ樹脂の場合に
は、脂肪族アミン、芳香族アミン、有機酸無水物、ポリ
アミド、フェノール、BF3 ・モノメチルアミン錯化合
物などの硬化剤を用い、レゾール型フェノール樹脂の場
合には加圧加熱のみで硬化させ、また、ノボラック型フ
ェノール樹脂の場合にはヘキサメチレンテトラミン硬化
剤を用いるなど、公知の方法を使用することができ、使
用される熱硬化性樹脂の種類に応じて最適な硬化剤、硬
化触媒および硬化助剤を用いればよい。
との組成物は、必要に応じて硬化剤、硬化触媒、硬化促
進剤の他に前記の副資材を添加してミキサー、ニーダ
ー、ロールなどを用いて、よく混合あるいは混練した
後、圧縮成形、トランスファ成形、射出成形、RIM、
注形などの方法により成形されることにより製造され
る。本発明において、上記繊維状ゾノトライトと熱硬化
性樹脂との組成物製造に用いられる硬化剤、硬化触媒お
よび硬化促進剤は、熱硬化性樹脂の種類によって異な
り、限定することはできないが、例えば、不飽和ポリエ
ステル樹脂の場合には、有機過酸化物などの硬化触媒や
それらとコバルト系や第3級アミンなどの硬化促進剤と
の組み合わせによって硬化させ、エポキシ樹脂の場合に
は、脂肪族アミン、芳香族アミン、有機酸無水物、ポリ
アミド、フェノール、BF3 ・モノメチルアミン錯化合
物などの硬化剤を用い、レゾール型フェノール樹脂の場
合には加圧加熱のみで硬化させ、また、ノボラック型フ
ェノール樹脂の場合にはヘキサメチレンテトラミン硬化
剤を用いるなど、公知の方法を使用することができ、使
用される熱硬化性樹脂の種類に応じて最適な硬化剤、硬
化触媒および硬化助剤を用いればよい。
【0025】そして、ゴム・エラストマーと繊維状ゾノ
トライトからなる組成物は、必要に応じて架橋剤および
架橋助剤の他前記副資材を添加してバンバリーミキサ
ー、ロール、二軸混練押出機などを用いて混練した後、
カレンダーや押出機などによって成形し、さらにプレス
などを使用して架橋が行われることによって製造され
る。なお、特別、架橋工程を要しない熱可塑性エラスト
マーの場合は、直接射出成形することもできる。なお、
前記架橋剤としては、イオウや含イオウ有機化合物(い
わゆる加硫剤)の他、パーオキサイド、金属酸化物、多
官能アミン、キノンジオキシム、アゾ化合物などの非イ
オウ系架橋剤などを好適に挙げることができる。また、
前記架橋助剤は、特にパーオキサイド架橋の場合に使用
し、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ
メタクリレートなどの多官能モノマーが好適に挙げられ
る。
トライトからなる組成物は、必要に応じて架橋剤および
架橋助剤の他前記副資材を添加してバンバリーミキサ
ー、ロール、二軸混練押出機などを用いて混練した後、
カレンダーや押出機などによって成形し、さらにプレス
などを使用して架橋が行われることによって製造され
る。なお、特別、架橋工程を要しない熱可塑性エラスト
マーの場合は、直接射出成形することもできる。なお、
前記架橋剤としては、イオウや含イオウ有機化合物(い
わゆる加硫剤)の他、パーオキサイド、金属酸化物、多
官能アミン、キノンジオキシム、アゾ化合物などの非イ
オウ系架橋剤などを好適に挙げることができる。また、
前記架橋助剤は、特にパーオキサイド架橋の場合に使用
し、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ
メタクリレートなどの多官能モノマーが好適に挙げられ
る。
【0026】
【実施例】以下に実施例および比較例を述べて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例および比較
例によって何ら限定を受けるものではない。なお、実施
例および比較例において述べる成形品の物性評価方法に
ついては、下記の方法に従って行った。
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例および比較
例によって何ら限定を受けるものではない。なお、実施
例および比較例において述べる成形品の物性評価方法に
ついては、下記の方法に従って行った。
【0027】(1)引張特性および曲げ特性 (株)オリエンテック製テンシロンUTM−5Tを使用
して測定した。所望の繊維状ゾノトライトと有機高分子
物質との組成物を成形後、23℃、相対湿度50%(以
下「50%RH」と略記。ただし、ナイロンの場合のみ
デシケーター中)で48時間状態調節をした。そして、
引張強度および引張弾性率などの引張特性および曲げ強
度や曲げ弾性率などの曲げ特性の測定は、それぞれAS
TM D638およびASTM D790に従い、23
℃、50%RH(ただし、ナイロンの場合は絶乾状態)
において行った。
して測定した。所望の繊維状ゾノトライトと有機高分子
物質との組成物を成形後、23℃、相対湿度50%(以
下「50%RH」と略記。ただし、ナイロンの場合のみ
デシケーター中)で48時間状態調節をした。そして、
引張強度および引張弾性率などの引張特性および曲げ強
度や曲げ弾性率などの曲げ特性の測定は、それぞれAS
TM D638およびASTM D790に従い、23
℃、50%RH(ただし、ナイロンの場合は絶乾状態)
において行った。
【0028】(2)アイゾット衝撃強度またはシャルピ
ー衝撃強度 (株)東洋精機製アイゾットまたはシャルピー衝撃試験
機を使用して測定した。そして、前記(1)と同様の状
態調節をした試験片を用いて、ASTM D256に従
い、前記(1)と同様の温度および湿度条件においてノ
ッチ付アイゾットまたはシャルピー衝撃強度を求めた。
ー衝撃強度 (株)東洋精機製アイゾットまたはシャルピー衝撃試験
機を使用して測定した。そして、前記(1)と同様の状
態調節をした試験片を用いて、ASTM D256に従
い、前記(1)と同様の温度および湿度条件においてノ
ッチ付アイゾットまたはシャルピー衝撃強度を求めた。
【0029】(3)荷重たわみ温度 (株)東洋精機製荷重たわみ試験機を使用して測定し
た。前記(1)と同様の状態調節をした試験片を用い
て、ASTM D648に従い、応力1.81MPaの
下での値を求めた。
た。前記(1)と同様の状態調節をした試験片を用い
て、ASTM D648に従い、応力1.81MPaの
下での値を求めた。
【0030】参考例1 石灰質原料として生石灰(カルシード(株)製品、Ca
O純度98%)430g、珪酸質原料として農業用珪石
粉(ジャパンゼネラル(株)製品、ブレーン比表面積
7,000cm2 /g、SiO2 純度97%)470
g、および水道水18リットルを内容積30リットルの
SUS316製攪拌機付オートクレーブに投入した。そ
して、回転数80rpmで攪拌しながら、保持温度22
0℃まで2℃/分の割合で昇温し、保持温度220℃で
5時間保持して水熱合成反応を行った後、攪拌しながら
10時間以上かけて放冷して繊維状ゾノトライトスラリ
ーを得た。なお、このスラリーのX線回折を測定したと
ころ、ゾノトライトのみが同定された。
O純度98%)430g、珪酸質原料として農業用珪石
粉(ジャパンゼネラル(株)製品、ブレーン比表面積
7,000cm2 /g、SiO2 純度97%)470
g、および水道水18リットルを内容積30リットルの
SUS316製攪拌機付オートクレーブに投入した。そ
して、回転数80rpmで攪拌しながら、保持温度22
0℃まで2℃/分の割合で昇温し、保持温度220℃で
5時間保持して水熱合成反応を行った後、攪拌しながら
10時間以上かけて放冷して繊維状ゾノトライトスラリ
ーを得た。なお、このスラリーのX線回折を測定したと
ころ、ゾノトライトのみが同定された。
【0031】続いて、この繊維状ゾノトライトスラリー
920g(固形分基準)に水道水約18リットルおよび
非イオン系の界面活性剤(ポリオキシエチレンオクタデ
シルアミン、日本油脂(株)製品、商品名ナイミーン2
04)46g(繊維状ゾノトライト固形分に対して5重
量%)を加え、ホモジナイザーで分散しながら表面処理
した。このスラリーをヌッチェにて脱水してケーキ状に
した後、造粒機によりφ3mmの径に成形し、約100
℃で乾燥することにより、表面処理した顆粒状の繊維状
ゾノトライトを得た。この顆粒状の繊維状ゾノトライト
について、窒素吸着によるBET比表面積の測定ならび
に走査型電子顕微鏡写真による平均繊維長および平均繊
維径の測定を行ったところ、それぞれ、39m2 /g、
3μmおよび0.2μm(従ってアスペクト比15)で
あった。そこで得られた繊維状ゾノトライトを以下、
『繊維状ゾノトライトA』と表わす。
920g(固形分基準)に水道水約18リットルおよび
非イオン系の界面活性剤(ポリオキシエチレンオクタデ
シルアミン、日本油脂(株)製品、商品名ナイミーン2
04)46g(繊維状ゾノトライト固形分に対して5重
量%)を加え、ホモジナイザーで分散しながら表面処理
した。このスラリーをヌッチェにて脱水してケーキ状に
した後、造粒機によりφ3mmの径に成形し、約100
℃で乾燥することにより、表面処理した顆粒状の繊維状
ゾノトライトを得た。この顆粒状の繊維状ゾノトライト
について、窒素吸着によるBET比表面積の測定ならび
に走査型電子顕微鏡写真による平均繊維長および平均繊
維径の測定を行ったところ、それぞれ、39m2 /g、
3μmおよび0.2μm(従ってアスペクト比15)で
あった。そこで得られた繊維状ゾノトライトを以下、
『繊維状ゾノトライトA』と表わす。
【0032】参考例2 水熱合成反応の保持温度を、参考例1における220℃
に替えて240℃とした以外は、参考例1と全く同様に
して顆粒状の繊維状ゾノトライトの製造を行い、BET
比表面積24m2 /g、平均繊維長4μmおよび平均繊
維径0.2μm(従ってアスペクト比20)の繊維状ゾ
ノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライト
B』と表わす。
に替えて240℃とした以外は、参考例1と全く同様に
して顆粒状の繊維状ゾノトライトの製造を行い、BET
比表面積24m2 /g、平均繊維長4μmおよび平均繊
維径0.2μm(従ってアスペクト比20)の繊維状ゾ
ノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライト
B』と表わす。
【0033】参考例3 水熱合成反応の保持温度を、参考例1における220℃
に替えて260℃とした以外は、参考例1と全く同様に
して顆粒状の繊維状ゾノトライトの製造を行い、BET
比表面積16m2 /g、平均繊維長10μmおよび平均
繊維径0.2μm(従ってアスペクト比50)の繊維状
ゾノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライ
トC』と表わす。
に替えて260℃とした以外は、参考例1と全く同様に
して顆粒状の繊維状ゾノトライトの製造を行い、BET
比表面積16m2 /g、平均繊維長10μmおよび平均
繊維径0.2μm(従ってアスペクト比50)の繊維状
ゾノトライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライ
トC』と表わす。
【0034】参考例4 表面処理剤としての非イオン系界面活性剤を添加しなか
ったこと以外は、参考例1と全く同様にして顆粒状の繊
維状ゾノトライトの製造を行い、BET比表面積39m
2 /g、平均繊維長3μmおよび平均繊維径0.2μm
(従ってアスペクト比15)の表面未処理の繊維状ゾノ
トライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライト
D』と表わす。
ったこと以外は、参考例1と全く同様にして顆粒状の繊
維状ゾノトライトの製造を行い、BET比表面積39m
2 /g、平均繊維長3μmおよび平均繊維径0.2μm
(従ってアスペクト比15)の表面未処理の繊維状ゾノ
トライトを得た。以下、これを『繊維状ゾノトライト
D』と表わす。
【0035】参考例5 参考例1と全く同様の方法によって得た脱水ケーキを乾
燥した後、造粒機による成形を行わずに乾燥し、さらに
衝撃ミルで解砕してBET比表面積39m2 /g、平均
繊維長3μmおよび平均繊維径0.2μm(従ってアス
ペクト比15)の未顆粒状の繊維状ゾノトライトを得
た。以下、これを『繊維状ゾノトライトE』と表わす。
燥した後、造粒機による成形を行わずに乾燥し、さらに
衝撃ミルで解砕してBET比表面積39m2 /g、平均
繊維長3μmおよび平均繊維径0.2μm(従ってアス
ペクト比15)の未顆粒状の繊維状ゾノトライトを得
た。以下、これを『繊維状ゾノトライトE』と表わす。
【0036】参考例6および7 参考例6および7において、それぞれ、参考例1の非イ
オン系界面活性剤に替えてγ−アミノプロピルトリエト
キシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを使用したこと以外は、参考例1と全く同様に
してケーキ状の繊維状ゾノトライトを造粒した後、約1
00℃で乾燥し、さらに120℃で20分間熱処理を行
うことにより、表面処理した顆粒状の繊維状ゾノトライ
トを得た。得られたものは、BET比表面積が39m2
/g、平均繊維長が3μmおよび平均繊維径が0.2μ
m(従ってアスペクト比15)であった。以下、これら
を、参考例6および7についてそれぞれ『繊維状ゾノト
ライトF』および『繊維状ゾノトライトG』と表わす。
オン系界面活性剤に替えてγ−アミノプロピルトリエト
キシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを使用したこと以外は、参考例1と全く同様に
してケーキ状の繊維状ゾノトライトを造粒した後、約1
00℃で乾燥し、さらに120℃で20分間熱処理を行
うことにより、表面処理した顆粒状の繊維状ゾノトライ
トを得た。得られたものは、BET比表面積が39m2
/g、平均繊維長が3μmおよび平均繊維径が0.2μ
m(従ってアスペクト比15)であった。以下、これら
を、参考例6および7についてそれぞれ『繊維状ゾノト
ライトF』および『繊維状ゾノトライトG』と表わす。
【0037】実施例1 シリンダー径φ30mmの同方向回転型二軸スクリュー
押出機(池貝鉄工(株)製PCM30)を使用し、25
0℃(ただし、ノズル部の温度とし、以下において同
じ)においてナイロン6(宇部興産(株)製、商品名U
BEナイロン1013B)80重量部と繊維状ゾノトラ
イトA20重量部とを溶融混練し、ペレットを作製し
た。ただし、スクリューフィーダーを用いて第1ベント
口より繊維状ゾノトライトAを供給し、第2ベント口か
ら脱気操作を行った。次に、射出成形機(住友重機械工
業(株)製ネスタールC250)を使用して、シリンダ
ー温度(ただし、ノズルヘッド部の温度とし、以下にお
いて同じ)275℃および金型温度80℃において上記
ペレットを射出成形し、物性試験片を作製した。物性試
験の結果、この材料の引張強度は、115MPaであっ
た。また、その他の物性も併せて表1に示す。
押出機(池貝鉄工(株)製PCM30)を使用し、25
0℃(ただし、ノズル部の温度とし、以下において同
じ)においてナイロン6(宇部興産(株)製、商品名U
BEナイロン1013B)80重量部と繊維状ゾノトラ
イトA20重量部とを溶融混練し、ペレットを作製し
た。ただし、スクリューフィーダーを用いて第1ベント
口より繊維状ゾノトライトAを供給し、第2ベント口か
ら脱気操作を行った。次に、射出成形機(住友重機械工
業(株)製ネスタールC250)を使用して、シリンダ
ー温度(ただし、ノズルヘッド部の温度とし、以下にお
いて同じ)275℃および金型温度80℃において上記
ペレットを射出成形し、物性試験片を作製した。物性試
験の結果、この材料の引張強度は、115MPaであっ
た。また、その他の物性も併せて表1に示す。
【0038】実施例2 実施例1の繊維状ゾノトライトAの代わりに繊維状ゾノ
トライトBを用いた以外は、実施例1と同様の方法によ
って得られた材料の引張強度は、112MPaであっ
た。
トライトBを用いた以外は、実施例1と同様の方法によ
って得られた材料の引張強度は、112MPaであっ
た。
【0039】比較例1〜3 比較例1、2および3において、実施例1の繊維状ゾノ
トライトAの代わりに、それぞれ、繊維状ゾノトライト
C、DおよびEを使用したこと以外は、実施例1と全く
同様の操作を行った。その結果、繊維状ゾノトライトC
およびDを用いて得られた材料の引張強度は、それぞ
れ、84MPaおよび81MPaであった。また、繊維
状ゾノトライトEを用いた場合は、均一な混練物が得ら
れず、成形ができなかった。
トライトAの代わりに、それぞれ、繊維状ゾノトライト
C、DおよびEを使用したこと以外は、実施例1と全く
同様の操作を行った。その結果、繊維状ゾノトライトC
およびDを用いて得られた材料の引張強度は、それぞ
れ、84MPaおよび81MPaであった。また、繊維
状ゾノトライトEを用いた場合は、均一な混練物が得ら
れず、成形ができなかった。
【0040】実施例3〜5 実施例3、4および5において、ナイロン6と繊維状ゾ
ノトライトAとの配合割合(重量比)を、実施例1の8
0/20からそれぞれ90/10、70/30および6
0/40に変えたこと以外は、実施例1と全く同様の操
作を行った。得られた材料の物性試験結果は、表1に示
す通りであった。
ノトライトAとの配合割合(重量比)を、実施例1の8
0/20からそれぞれ90/10、70/30および6
0/40に変えたこと以外は、実施例1と全く同様の操
作を行った。得られた材料の物性試験結果は、表1に示
す通りであった。
【0041】実施例6 実施例1の繊維状ゾノトライトAの代わりに繊維状ゾノ
トライトFを使用したこと以外は、実施例1と全く同様
の操作を行った。得られた材料の物性試験結果を表1に
示す。
トライトFを使用したこと以外は、実施例1と全く同様
の操作を行った。得られた材料の物性試験結果を表1に
示す。
【0042】実施例7 ナイロン6に替えてナイロン66(宇部興産(株)製、
商品名UBEナイロン2020B)を使用したこと、混
練温度を250℃に替えて280℃としたこと、および
射出成形機シリンダー温度を275℃に替えて285℃
としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行っ
た。得られた材料の物性試験結果は、表1に示す通りで
あった。
商品名UBEナイロン2020B)を使用したこと、混
練温度を250℃に替えて280℃としたこと、および
射出成形機シリンダー温度を275℃に替えて285℃
としたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行っ
た。得られた材料の物性試験結果は、表1に示す通りで
あった。
【0043】実施例8 実施例7の繊維状ゾノトライトAの代わりに繊維状ゾノ
トライトGを使用したこと以外は、実施例7と全く同様
の操作を行った。得られた材料の物性試験結果を表1に
示す。
トライトGを使用したこと以外は、実施例7と全く同様
の操作を行った。得られた材料の物性試験結果を表1に
示す。
【0044】実施例9 ナイロン6に替えてポリブチレンテレフタレート(宇部
興産(株)製、商品名UBE PBT 1000F)を
使用したこと、混練温度を250℃に替えて270℃と
したこと、および金型温度を80℃に替えて70℃とし
たこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。得
られた材料の物性試験結果は、表1に示す通りであっ
た。
興産(株)製、商品名UBE PBT 1000F)を
使用したこと、混練温度を250℃に替えて270℃と
したこと、および金型温度を80℃に替えて70℃とし
たこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。得
られた材料の物性試験結果は、表1に示す通りであっ
た。
【0045】実施例10 ナイロン6に替えて変性ポリフエニレンオキサイド(エ
ンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ノリル
731J)を使用したこと、混練温度を250℃に替え
て280℃としたこと、射出成形機シリンダー温度を2
75℃に替えて280℃としたこと、および金型温度を
80℃に替えて90℃としたこと以外は、実施例1と全
く同様の操作を行った。得られた材料の物性試験結果
は、表1に示す通りであった。
ンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ノリル
731J)を使用したこと、混練温度を250℃に替え
て280℃としたこと、射出成形機シリンダー温度を2
75℃に替えて280℃としたこと、および金型温度を
80℃に替えて90℃としたこと以外は、実施例1と全
く同様の操作を行った。得られた材料の物性試験結果
は、表1に示す通りであった。
【0046】実施例11 ナイロン6に替えてポリアセタールコポリマー(三菱瓦
斯化学(株)製、商品名ユピタールF20−13)を使
用したこと、混練温度を250℃に替えて210℃とし
たこと、および射出成形機シリンダー温度を275℃に
替えて210℃としたこと以外は、実施例1と全く同様
の操作を行った。得られた材料の物性試験結果は、表1
に示す通りであった。
斯化学(株)製、商品名ユピタールF20−13)を使
用したこと、混練温度を250℃に替えて210℃とし
たこと、および射出成形機シリンダー温度を275℃に
替えて210℃としたこと以外は、実施例1と全く同様
の操作を行った。得られた材料の物性試験結果は、表1
に示す通りであった。
【0047】実施例12 ナイロン6に替えて結晶性エチレン・プロピレンブロッ
クコポリマー(宇部興産(株)製、商品名UBEポリプ
ロJ703H)を使用したこと、混練温度を250℃に
替えて210℃としたこと、射出成形機シリンダー温度
を275℃に替えて220℃としたこと、および金型温
度を80℃に替えて60℃としたこと以外は、実施例1
と全く同様の操作を行った。得られた材料の物性試験結
果は、表1に示す通りであった。
クコポリマー(宇部興産(株)製、商品名UBEポリプ
ロJ703H)を使用したこと、混練温度を250℃に
替えて210℃としたこと、射出成形機シリンダー温度
を275℃に替えて220℃としたこと、および金型温
度を80℃に替えて60℃としたこと以外は、実施例1
と全く同様の操作を行った。得られた材料の物性試験結
果は、表1に示す通りであった。
【0048】
【表1】
【0049】実施例13 10インチ径の2本ロールを用いて、フェノールノボラ
ック樹脂:42.5重量部、硬化剤(ヘキサメチレンテ
トラミン):6.5重量部、硬化助剤〔Ca(O
H)2 〕:4重量部、繊維状ゾノトライトA:40重量
部、可塑剤(フルフラール/水):3重量部(フルフラ
ール:1重量部、水:2重量部)および離型剤(ステア
リン酸亜鉛):1.2重量部を150℃にて混練し、フ
ェノール樹脂組成物を得た。そして、熱硬化用射出成形
機(東芝機械(株)製IR−80AM)を使用し、シリ
ンダー温度95℃および金型温度175℃において、前
記組成物を成形して物性試験片を作製した。物性試験の
結果、この材料は、曲げ強度148MPa、シャルピー
衝撃強度4.0KPa・mおよび荷重たわみ温度167
℃を示した。
ック樹脂:42.5重量部、硬化剤(ヘキサメチレンテ
トラミン):6.5重量部、硬化助剤〔Ca(O
H)2 〕:4重量部、繊維状ゾノトライトA:40重量
部、可塑剤(フルフラール/水):3重量部(フルフラ
ール:1重量部、水:2重量部)および離型剤(ステア
リン酸亜鉛):1.2重量部を150℃にて混練し、フ
ェノール樹脂組成物を得た。そして、熱硬化用射出成形
機(東芝機械(株)製IR−80AM)を使用し、シリ
ンダー温度95℃および金型温度175℃において、前
記組成物を成形して物性試験片を作製した。物性試験の
結果、この材料は、曲げ強度148MPa、シャルピー
衝撃強度4.0KPa・mおよび荷重たわみ温度167
℃を示した。
【0050】実施例14 ナイロン6に替えてナイロン12系エラストマー(宇部
興産(株)製、商品名UBEポリアミドエラストマーP
AE1200)を使用したこと、混練温度を250℃に
替えて190℃としたこと、および射出成形機シリンダ
ー温度を275℃に替えて210℃としたこと以外は、
実施例1と全く同様にして物性試験片を作製した。物性
試験の結果、この材料は、曲げ強度10MPaおよび曲
げ弾性率320MPaを示した。
興産(株)製、商品名UBEポリアミドエラストマーP
AE1200)を使用したこと、混練温度を250℃に
替えて190℃としたこと、および射出成形機シリンダ
ー温度を275℃に替えて210℃としたこと以外は、
実施例1と全く同様にして物性試験片を作製した。物性
試験の結果、この材料は、曲げ強度10MPaおよび曲
げ弾性率320MPaを示した。
【0051】実施例15 RIMナイロン6原料(宇部興産(株)製、商品名UB
EナイロンRIM一般タイプUX−A)75重量部に繊
維状ゾノトライトF25重量部を配合し、高温用RIM
成形機を使用してRIM成形を行った。成形条件は、原
料タンク温度130℃および金型温度170℃とした。
得られた成形品の物性は、前述の試験方法による物性試
験の結果、曲げ強度130MPa、曲げ弾性率5.9G
Pa、アイゾット衝撃強度40N・m/mおよび荷重た
わみ温度180℃であった。
EナイロンRIM一般タイプUX−A)75重量部に繊
維状ゾノトライトF25重量部を配合し、高温用RIM
成形機を使用してRIM成形を行った。成形条件は、原
料タンク温度130℃および金型温度170℃とした。
得られた成形品の物性は、前述の試験方法による物性試
験の結果、曲げ強度130MPa、曲げ弾性率5.9G
Pa、アイゾット衝撃強度40N・m/mおよび荷重た
わみ温度180℃であった。
【0052】実施例16 ヘンシェルミキサーを用いて、塩化ビニル樹脂(三井東
圧化学(株)製、商品名ビニクロン3000P)100
重量部、可塑剤(ジオクチルフタレート)2重量部、安
定剤(ジ−n−ブチル錫ジマレエート)3.5重量部お
よび滑剤(ステアリン酸カルシウムおよびブチルステア
レート、両者の重合比:1/1)1重量部を混合した。
次に、8インチ径のミキシングロールを使用し、上記混
合物80重量部と繊維状ゾノトライトA20重量部とを
170℃で溶融混練した。得られた混練物を170℃で
プレスし、シートを作製した。前述の試験方法による物
性試験の結果、このシートの引張弾性率は2.5GPa
であった。
圧化学(株)製、商品名ビニクロン3000P)100
重量部、可塑剤(ジオクチルフタレート)2重量部、安
定剤(ジ−n−ブチル錫ジマレエート)3.5重量部お
よび滑剤(ステアリン酸カルシウムおよびブチルステア
レート、両者の重合比:1/1)1重量部を混合した。
次に、8インチ径のミキシングロールを使用し、上記混
合物80重量部と繊維状ゾノトライトA20重量部とを
170℃で溶融混練した。得られた混練物を170℃で
プレスし、シートを作製した。前述の試験方法による物
性試験の結果、このシートの引張弾性率は2.5GPa
であった。
【0053】実施例17 実施例1において、ナイロン6の代わりにABS樹脂
(宇部サイコン(株)製、商品名サイコラックT)を用
いたこと、および250℃に替えて230℃で溶融混練
したこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製
した。次に、射出成形機のシリンダー温度を250℃に
替えて230℃としたこと、および金型温度を80℃に
替えて60℃にしたこと以外は、実施例1と同様にし
て、前記ペレットを射出成形した。得られた成形品は、
物性試験の結果、引張強度が500MPa、曲げ強度が
800MPa、曲げ弾性率が5.7GPa、そして、荷
重たわみ温度が96℃であった。
(宇部サイコン(株)製、商品名サイコラックT)を用
いたこと、および250℃に替えて230℃で溶融混練
したこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製
した。次に、射出成形機のシリンダー温度を250℃に
替えて230℃としたこと、および金型温度を80℃に
替えて60℃にしたこと以外は、実施例1と同様にし
て、前記ペレットを射出成形した。得られた成形品は、
物性試験の結果、引張強度が500MPa、曲げ強度が
800MPa、曲げ弾性率が5.7GPa、そして、荷
重たわみ温度が96℃であった。
【0054】
【発明の効果】本発明は、特定の性状を有する繊維状ゾ
ノトライトを使用することによって、従来の繊維状無機
物質/有機高分子物質複合材料に比較して、高強度・高
剛性で、耐熱性と耐衝撃性のバランスのとれた有機高分
子複合材料を提供することを可能にする。従って、本発
明の強化された有機高分子組成物は、自動車、電気・電
子、土木建築、精密機械などの材料として使用できる。
ノトライトを使用することによって、従来の繊維状無機
物質/有機高分子物質複合材料に比較して、高強度・高
剛性で、耐熱性と耐衝撃性のバランスのとれた有機高分
子複合材料を提供することを可能にする。従って、本発
明の強化された有機高分子組成物は、自動車、電気・電
子、土木建築、精密機械などの材料として使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08
Claims (1)
- 【請求項1】(1)窒素吸着によるBET比表面積が2
1m2/g以上であり、(2)その表面が界面活性剤お
よび/またはカップリング剤によって処理され、かつ、
(3)顆粒状に造粒された繊維状ゾノトライトと有機高
分子物質とから構成され、繊維状ゾノトライトと有機高
分子物質とから構成される組成物中の繊維状ゾノトライ
トの含有量が、5〜96重量%であることを特徴とする
強化された有機高分子組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6012573A JP3067122B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 強化された有機高分子組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6012573A JP3067122B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 強化された有機高分子組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07216133A JPH07216133A (ja) | 1995-08-15 |
JP3067122B2 true JP3067122B2 (ja) | 2000-07-17 |
Family
ID=11809109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6012573A Expired - Fee Related JP3067122B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 強化された有機高分子組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3067122B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3432610B2 (ja) * | 1994-08-18 | 2003-08-04 | 大塚化学ホールディングス株式会社 | 樹脂組成物 |
WO2000012630A1 (fr) * | 1998-08-27 | 2000-03-09 | Ube Industries, Ltd. | Composition de resine polyamide et procede de preparation de cette derniere |
JP4718015B2 (ja) * | 1999-04-19 | 2011-07-06 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
JP4502227B2 (ja) * | 1999-10-06 | 2010-07-14 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 帯電防止ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 |
JP6361352B2 (ja) * | 2013-08-12 | 2018-07-25 | 宇部興産株式会社 | ポリアミドエラストマー組成物、及びそれを用いた成形体 |
JP6364223B2 (ja) * | 2014-04-25 | 2018-07-25 | 旭化成株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物及び成形品 |
-
1994
- 1994-02-04 JP JP6012573A patent/JP3067122B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07216133A (ja) | 1995-08-15 |
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