JP4824894B2 - 燃料電池用セパレーターおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高導電性を有する燃料電池用セパレーターおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、成形性に優れ、低コストで製造可能な高導電性燃料電池用セパレーターおよびその効率的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高導電性を必要とする樹脂材料のニーズが大幅に増えてきている。特に、燃料電池用セパレーター用途においては、環境対策の一環として軽量化のために金属から樹脂への代替が進められているが、ここで使用する樹脂材料の一部には、高い導電性が要求されるようになっている。
【0003】
燃料電池は、炭酸ガス排出問題に対応するために、従来石油資源から得ていたエネルギーを、石油資源に依らない方法で供給する手段の一つとしての注目されており、この燃料電池については、車両用電源や一般家庭用電源への普及を目指しての開発が盛んに進められている。燃料電池用セパレーターは、通常、導通目的で用いられる成形品として製造され、高い導電性が要求される。
【0004】
しかるに、上記した導電性のニーズに対応するために、高導電性を有する樹脂成形品を得る方法としては、炭素繊維や金属繊維あるいは黒鉛などの導電性物質を樹脂に混合して成形する方法が従来から知られているが、この方法では、導電性物質を多量に添加しても成形性が悪くなる一方、導電性物質が絶縁性の樹脂の薄い膜で覆われることに起因して、その添加量に見合うだけの十分な導電性を有する成形品が得られないため、成形性が悪くなると共に製造コストが非常に高くなるという問題があった。
【0005】
例えば、特開平5−70677号公報には、ポリカーボネート、アクリロニトリル/スチレン共重合体およびメタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体からなる樹脂組成物に対して導電性フィラーを配合した導電性樹脂組成物が提案されているが、この組成物をそのまま成形して得られる樹脂成形品は、導電性が未だ十分ではなく、さらに導電性を高めるために導電性フィラーの配合量を増加すると、導電性の向上に反して成形性および成形品の外観が著しく悪化し、しかもコストアップを招くという問題を包含していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。したがって、本発明の課題は、成形性に優れ、低コストで製造可能な燃料電池用セパレーターおよびその効率的な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明に係る燃料電池用セパレーターは、液晶性ポリエステル樹脂および/またはポリフェニレンスルフィド樹脂10〜30重量%に導電剤70〜90重量%を合計が100重量%になるように添加した高導電性樹脂組成物であって、切削部形成前の成形品とした時のJIS K6911に準じて測定した体積固有抵抗値が0.09Ωcm以下の高導電性樹脂組成物からなる燃料電池用セパレーターであって、その少なくとも導通させる必要のある部分を切削して、切削後の体積固有抵抗値が切削部形成前の体積固有抵抗値より50%以上低下していることを特徴とするものからなる。
【0008】
なお、本発明の燃料電池用セパレーターにおいては、下記(1)、(2)が好ましい態様、条件として挙げられ、これらの態様、条件を適用した場合には、さらに優れた効果の発現を期待することができる。
(1)前記導電剤が粉状、粒状、板状あるいは鱗片状の導電剤を含むこと。
(2)前記切削部が、燃料電池用セパレーターの最表面層から深さ方向に5〜500μmの深さを有すること。
【0009】
また、本発明に係る燃料電池用セパレーターの製造方法は、上記のような燃料電池用セパレーターを製造するに際し、液晶性ポリエステル樹脂および/またはポリフェニレンスルフィド樹脂10〜30重量%に導電剤70〜90重量%を合計が100重量%になるように添加した高導電性樹脂組成物であって、切削部形成前の成形品のJIS K6911に準じて測定した体積固有抵抗値が0.09Ωcm以下の高導電性樹脂組成物からなる燃料電池用セパレーターを成形した後、得られた燃料電池用セパレーターの少なくとも導通させる必要のある部分を切削して、切削後の体積固有抵抗値が切削部形成前の体積固有抵抗値より50%以上低下していることを特徴とする方法であり、前記切削を物理的な研磨方法で行うことが好ましい条件である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池用セパレーターおよびその製造方法について詳述する。なお、本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0011】
本発明の燃料電池用セパレーターは、液晶性ポリエステル樹脂および/またはポリフェニレンスルフィド樹脂10〜30重量%に導電剤70〜90重量%を合計が100重量%になるように添加した高導電性樹脂組成物であって、切削部形成前の成形品とした時のJIS K6911に準じて測定した体積固有抵抗値が0.09Ωcm以下の高導電性樹脂組成物からなるものである。
【0012】
本発明で用いられる液晶性ポリエステル樹脂とは、異方性溶融相を形成し得るポリエステル樹脂である。例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルが挙げられ、さらに具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなどの液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0013】
上記液晶性ポリエステルのうち、好ましい構造の具体例としては、下記化1に示す(I)、(II)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0014】
特に好ましいのは(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルである。
【0015】
【化1】
【0016】
ただし、上記化1において、式中のR1は、下記化2から選ばれた1種以上の基を示す。
【0017】
【化2】
【0018】
上記化2において、R2は下記化3から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。
【0019】
【化3】
【0020】
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が下記化4であり、R2が下記化5であるものが特に好ましい。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記したように、構造単位(I)、(III)、(IV)からなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0024】
すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜15モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0025】
一方、上記構造単位(II)を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0026】
ここで実質的に等モルとは、末端を除くポリマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
【0027】
上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0028】
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。例えば、上記液晶性ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
【0029】
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0030】
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0031】
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0032】
(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0033】
(5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0034】
本発明に使用する液晶性ポリエステルは、フィラーを高充填した場合、例えば液晶性ポリエステルとフィラーの合計に対して、50重量%以上フィラーを配合するような場合には、得られる組成物の流動性低下を抑制するため、溶融粘度は0.5〜80Pa・sが好ましく、特に1〜50Pa・sがより好ましい。また、流動性がより優れた組成物を得ようとする場合には、溶融粘度を40Pa・s以下とすることが好ましい。
【0035】
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0036】
上述した樹脂のうち、機械的性質および成形性などの観点から、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、および、ポリフェニレンスルフィド樹脂から選ばれた1種または2種以上の混合物を、好ましく用いることができる。
【0037】
なかでも、ポリフェニレンスルフィド、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステルが特に好ましく用いることができる。
【0038】
また、本発明で用いる導電剤とは、導電性フィラーおよび/または導電性ポリマーであり、特に限定されるものではない。
【0039】
上記導電性フィラーは、通常樹脂の導電化に用いられる導電性フィラーであれば特に制限はなく、その具体例としては、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、金属酸化物、導電性物質で被覆された無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、PAN系あるいはピッチ系炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンおよびカーボンナノチューブなどが挙げられる。
【0040】
ここで、上記金属粉、金属フレークおよび金属リボンの金属種の具体例としては、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロムおよび錫などを例示することができる。
【0041】
また、上記金属繊維の金属種の具体例としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよび黄銅などを例示することができる。
【0042】
かかる金属粉、金属フレーク、金属リボンおよび金属繊維は、いずれもチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0043】
上記金属酸化物の具体例としては、SnO2 (アンチモンドープ)、In2 O3 (アンチモンドープ)およびZnO(アルミニウムドープ)などを例示することができ、これらはチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0044】
上記導電性物質で被覆された無機フィラーにおける導電性物質の具体例としては、アルミニウム、ニッケル、銀、カーボン、SnO2 (アンチモンドープ)およびIn2 O3 (アンチモンドープ)などを例示することができる。また、被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛系ウィスカー、酸化チタン酸系ウィスカーおよび炭化珪素ウィスカーなどを例示することができる。被覆方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法および焼き付け法などが挙げられる。そして、これらの導電性物質で被覆された無機フィラーもまた、チタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0045】
上記カーボン粉末は、その原料および製造法から、アセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラックおよびディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料および製造法については特に限定されないが、なかでもアセチレンブラックおよびファーネスブラックが特に好適に用いられる。また、カーボン粉末としては、その粒子径、表面積、DBP吸油量および灰分などの特性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性については特に制限はないが、強度および電気伝導度のバランスの点から、平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、さらには10〜70nmの範囲にあることが好ましい。また、表面積(BET法)が10m2 /g以上、さらには30m2 /g以上の範囲にあることが好ましい。さらに、DBP給油量が50ml/100g以上、特に100ml/100g以上の範囲にあることが好ましい。さらにまた、灰分が0.5%以下、特に0.3%以下の範囲にあることが好ましい。
【0046】
かかるカーボン粉末は、チタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。また、樹脂との溶融混練作業性を向上させるために造粒されたものを用いることも可能である。
【0047】
本発明で用いられる導電性ポリマーの具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリ(パラフェニレン)、ポリチオフェンおよびポリフェニレンビニレンなどを例示することができる。
【0048】
上記導電性フィラーおよび/または導電性ポリマーは、2種以上を併用して用いてもよいが、下記で説明する導通表面切削により、導電性向上効果をより一層好適に発揮するためには、高いアスペクト比を有する繊維状フィラーよりも、粉状、粒状、板状、鱗片状の導電剤を含む導電剤であることが好ましい。ここでいう粉状、粒状、板状、鱗片状の導電剤としては、黒鉛およびカーボンブラックが好適に用いられる。
【0049】
本発明で用いられる導電剤と樹脂との配合量は、導電性、成形性および機械的強度などのバランスの点から、樹脂と導電剤の合計量に対し、好ましくは樹脂10〜97重量%、導電剤3〜90重量%の範囲であるが、後述の実施形態における「液晶性ポリエステル樹脂100重量部にピッチ系炭素繊維ミルドファイバー(メルブロンXM60:ペトカ社製)を230重量部の割合」を重量%に換算すると樹脂30重量%、導電剤70重量%であることから、本発明では樹脂10〜30重量%、導電剤70〜90重量%と規定している。
【0050】
本発明の燃料電池用セパレーターに対してさらに機械強度その他の特性を付与するために、その他の充填材を配合することが可能であり、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填材を使用することができる。具体的には、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填材、およびマイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填材が挙げられる。上記充填材のなかでも、特にガラス繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填材は2種以上を併用して使用することが可能であり、例えば、機械強度と成形品の低そり性の両立を得る目的として使用される。なお、本発明に使用する上記の充填材は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤およびチタネート系カップリング剤など)や、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
【0051】
また、使用するガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0052】
上記の充填材の添加量は、樹脂100重量部に対し、通常0.5〜150重量部、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜80重量部の範囲である。
【0053】
本発明における燃料電池用セパレーターには、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体など)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系およびヒンダードアミン系など)、離型剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックスなど)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンおよび着色用カーボンブラックなど)、染料(ニグロシンなど)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリンおよびクレーなど)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチルおよびN−ブチルベンゼンスルホンアミドなど)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤およびベタイン系両性帯電防止剤など)、難燃剤(例えば、赤燐、燐酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化PPO、臭素化PC、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせなど)、他の重合体などを添加することができる。
【0054】
本発明の燃料電池用セパレーター用の樹脂組成物は通常公知の方法で製造され、例えば、“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用い、180〜350℃で溶融混練して組成物とするなどの方法を用いることができる。
【0055】
かくして得られた樹脂組成物は、通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、トランスファー成形およびインジェクションプレス成形など)により、所望の形状の燃料電池用セパレーターに加工することができるが、射出成形あるいはインジェクションプレスおよびプレス成形などの成形方法によることが好ましい。
【0056】
本発明においては、上記の成形方法よって得られた燃料電池用セパレーターの少なくとも導通させる必要のある部分に切削部を形成することにより、高導電性部分を有する部分を露出せしめることにより、切削部を形成する前の成形品よりも高度な導電性を得ることが可能となる。
【0057】
例えば、導電剤を含有する樹脂組成物を上記のような方法により成形すると、得られる燃料電池用セパレーターは樹脂の含有量が多く、かつ低結晶性および樹脂流れ方向に高配向であるスキン層と、導電剤のランダム配向であるコア層とから構成されることになる。本発明においては、かかるスキン層を切削することにより、燃料電池用セパレーターの厚み方向により効率的な導電パスが得られることを見出したことを特徴としている。しかしながら、使用する樹脂の種類や燃料電池用セパレーターの形状あるいは成形後の熱処理により燃料電池用セパレーターの表面状態が変化し、スキン層とコア層との境界が必ずしも明確でないことから、形成する切削部の切削深さとしては、導通が必要とされる燃料電池用セパレーター最表層面から深さ方向に5〜500μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、10〜300μm、さらに好ましくは30〜200μmの範囲である。最も好ましくは、導電剤の希薄なスキン層部分の切削を行うことである。切削深さが上記の範囲の場合には、添加した導電剤の導通パスが形成しやすく、導電性向上効果が最も高くなる。
【0058】
本発明でいう高導電性とは、JIS K6911法に準じて測定した燃料電池用セパレーターの体積固有抵抗値が1010Ωcm以下であることを示し、さらに好ましくは106 Ωcm以下である。燃料電池用セパレーター表面の導電および制電性を付与する目的の場合には、通常、JIS K6911法に準じて測定した燃料電池用セパレーターの体積固有抵抗値が1010Ωcm以下のレベル、なかでも106Ωcm以下のレベルで好ましく用いられる。下限に制限はないが、通常、0.008Ωcm以上で用いられる。また、本発明で対象としている燃料電池用セパレーターのように成形品の導通目的で用いられる部材の場合には、特に4端子法で10-2 Ωcm以下の領域で好ましく用いられる。
【0059】
本発明の好ましい態様においては、燃料電池用セパレーター表面を切削処理することにより、切削部形成後の燃料電池用セパレーターの体積固有抵抗値を、前記切削部形成前の体積固有抵抗値よりも50%以上低下せしめることが可能であり、より好ましい態様においては90%以上低下せしめること、さらに好ましい態様においては99%以上低下せしめることが可能である。
【0060】
本発明の燃料電池用セパレーターがその効果を効率よく発揮するためには、導通させる表面部分を平坦にすることが好ましい。具体的には、得られる燃料電池用セパレーター表面の凹凸は最凸部と最凹部の差が50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、さらには20μm以下、最も好ましくは5μm以下であることが好ましい。
【0061】
なお、導通させる表面部分とは、導電性が必要とされる燃料電池用セパレーターの表面部分であり、例えば、静電塗装を行う時のその表面、成形品を重ね合わせた時の導通が必要な部分、あるいは帯電防止性が必要な燃料電池用セパレーターの表面部分まで、すべての導電性が必要とされる部分まで含む。
【0062】
本発明の燃料電池用セパレーターの表面の切削方法としては、導通させる燃料電池用セパレーター表面の全面または部分的に最表面の絶縁樹脂膜を切削することができれば、通常の切削方法を使用することが可能であり、具体的には、サンドブラスト加工、サンディングペーパー(40番〜2000番)による加工、フライス盤による加工、酸・アルカリによるエッジング加工および液体ホーミング加工などを用いることができ、なかでも好ましくは、サンドブラスト加工、サンディングペーパー(40番〜2000番)による加工およびフライス盤による加工などの物理的な研磨方法、特に生産性の点からサンドブラスト加工が好ましい。
【0063】
かくして得られる本発明の燃料電池用セパレーターは、従来より導電剤の配合量が少量であっても高導電性であり、同等の導電レベルを得る上では成形性に優れ、かつ低コストであるという優れた効果を発現するものである。
【0064】
また、本発明の燃料電池用セパレーターの製造方法によれば、通常の切削手段を付加するのみで、上記の優れた特性を有する燃料電池用セパレーターを効率的に製造することができる。
【0065】
本発明の燃料電池用セパレーターは、上記の優れた特性を生かして、特に表面あるいは成形品全体の導電性が必要とされる燃料電池用セパレーター材に有用である。つまり、所定の樹脂に導電剤を添加した高導電性樹脂組成物を用いて燃料電池用セパレーターを製造し、本発明に係る特徴的構成を与えるものである。
【0066】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0067】
[参考例1(液晶性ポリエステル(LCP)の製造]
p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部および無水酢酸960重量部を、撹拌翼と留出管とを備えた反応容器に仕込み、100〜250℃で5時間、250〜320℃で1.5時間反応させた後、320℃、1.5時間で6.5×10-3Paに減圧し、さらに約0.25時間反応させ重縮合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点314℃の液晶性ポリエステル樹脂が得られた。溶融粘度は324℃で12Pa・s(オリフィス0.5mm直径×10mm、ずり速度1,000(1/秒))であった。
【0068】
[参考例2(PPS樹脂の準備)]
ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)として、M2588(リニアタイプ、東レ社製)を準備した。
【0069】
〔比較例1〕
参考例1の液晶性ポリエステル樹脂100重量部にピッチ系炭素繊維ミルドファイバー(メルブロンXM60:ペトカ社製)を230重量部の割合でドライブレンドし、特開平08−1663号公報の記載に基づきPCM30型2軸押出機(池貝鉄鋼社製)のダイヘッド部を外した状態で樹脂温度340℃で溶融混練し、不定形の組成物を得た。次いで油圧式プレスを用いて105mm×105mm×3mm厚の板状成形品を成形し、4端子法を用いて体積固有抵抗を測定した結果、0.05Ωcmであった。
【0070】
〔実施例1〕
比較例1の成形品の表面を120番および1000番のサンディングペーパーを用いて成形品表面を深さ100μm切削し、4端子法を用いて体積固有抵抗値を測定したところ、0.01Ωcmであった。体積固有抵抗値の低減率は80%であった。
【0071】
なお、体積固有抵抗値の低減率は下式で算出した。
抵抗値低下率(%)=〔(切削前体積固有抵抗値−表面切削後体積固有抵抗値)/切削前体積固有抵抗値〕×100
【0072】
実施例1と比較例1との関係から、導通させる必要のある部分の最表層部を除去することにより、より有用な燃料電池セパレーターが得られることが明らかである。
【0073】
〔比較例2〕
参考例1の液晶性ポリエステル樹脂100重量部にグラファイト(T15−75:ティムカルジャパン社製)を450重量部の割合でドライブレンドし、特開平08−1663号公報の記載に基づき、PCM30型2軸押出機(池貝鉄工社製)のダイヘッド部を外した状態で樹脂温度340℃で溶融混練し、不定型の組成物を得た。次いで油圧式プレスを用いて105mm×105mm×3mm厚の板状成形品を成形し、4端子法を用いて体積固有抵抗を測定した結果、0.08Ωcmであった。
【0074】
〔実施例2〕
比較例2の成形品の表面を120番および1000番のサンディングペーパーを用いて成形品表面を深さ100μm切削し、4端子法を用いて体積固有抵抗値を測定したところ、0.008Ωcmであった。体積固有抵抗値の低減率は90%であった。
【0075】
〔比較例3〕
参考例2のPPS100重量部にグラファイト(KS−75:ティムカルジャパン社製)を450重量部の割合でドライブレンドし、特開平08−1663号公報の記載に基づき、PCM30型2軸押出機(池貝鉄工社製)のダイヘッド部を外した状態で樹脂温度340℃で溶融混練し、不定型の組成物を得た。次いで油圧式プレスを用いて105mm×105mm×3mm厚の板状成形品を成形し、4端子法を用いて体積固有抵抗を測定した結果、0.09Ωcmであった。
【0076】
〔実施例3〕
比較例3の成形品の表面を120番および1000番のサンディングペーパーを用いて成形品表面を深さ150μm切削し、4端子法を用いて体積固有抵抗値を測定したところ、0.011Ωcmであった。体積固有抵抗値の低減率は80%であった。
【0077】
〔実施例4、5〕
比較例2、3で用いた成形品を粉砕し、再度同様の条件で成形を行い、成形品を幅12.7mmに切削加工し、粉砕(リサイクル)前後の曲げ強度をASTMD790に準拠、測定し、曲げ強度保持率を下式で算出した。
曲げ強度保持率(%)=粉砕後成形品曲げ強度/粉砕前成形品曲げ強度×100
その結果、強度保持率は液晶性ポリエステル樹脂で95%、PPS樹脂で98%であり、いずれも95%以上であった。また、粉砕成形後の成形品について、実施例2、3と同様に表面切削を行い、体積固有抵抗値を測定した結果、それぞれ液晶性ポリエステル樹脂が0.009Ωcm、PPS樹脂が0.013Ωcmであった。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃料電池用セパレーターでは、従来よりも導電剤量が少量であっても高導電性を発揮し、成形性に優れ、かつ低コストで製造可能であることから、特に高導電性の燃料電池用セパレーターを効率よく製造できる。
【0079】
また、本発明の燃料電池用セパレーターの製造方法によれば、通常の切削手段を付加するのみで、上記の優れた特性を有する燃料電池用セパレーターを効率的に製造することができ、特に、熱可塑性樹脂のフィラー高充填の領域については高導電性とリサイクル性の両立が図れることから、環境分野に用いられる燃料電池用セパレーターとして有用である。
Claims (5)
- 液晶性ポリエステル樹脂および/またはポリフェニレンスルフィド樹脂10〜30重量%に導電剤70〜90重量%を合計が100重量%になるように添加した高導電性樹脂組成物であって、切削部形成前の成形品とした時のJIS K6911に準じて測定した体積固有抵抗値が0.09Ωcm以下の高導電性樹脂組成物からなる燃料電池用セパレーターであって、その少なくとも導通させる必要のある部分を切削して、切削後の体積固有抵抗値が切削部形成前の体積固有抵抗値より50%以上低下していることを特徴とする燃料電池用セパレーター。
- 前記導電剤が粉状、粒状、板状あるいは鱗片状の導電剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレーター。
- 前記切削部が、燃料電池用セパレーターの最表面層から深さ方向に5〜500μmの深さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用セパレーター。
- 液晶性ポリエステル樹脂および/またはポリフェニレンスルフィド樹脂10〜30重量%に導電剤70〜90重量%を合計が100重量%になるように添加した高導電性樹脂組成物であって、切削部形成前の成形品のJIS K6911に準じて測定した体積固有抵抗値が0.09Ωcm以下の高導電性樹脂組成物からなる燃料電池用セパレーターを成形した後、得られた燃料電池用セパレーターの少なくとも導通させる必要のある部分を切削して、切削後の体積固有抵抗値が切削部形成前の体積固有抵抗値より50%以上低下していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用セパレーターの製造方法。
- 前記切削を物理的な研磨方法で行うことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用セパレーターの製造方法。
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