JP4395973B2 - 光コネクター部品用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真円性、低そり性、寸法安定性に優れ、さらにピン圧入強度の高い光コネクター部品用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光コネクター部品は、光ファイバーの先端に設けられて光ファイバー同士の接続に使用される。このような光コネクターにおいては、光ファイバーは、光ファイバーを位置決め固定するためのフェルールに収納されるのが一般的である。当初からフェルールはセラミックや金属を高精度に切削研磨すること等により作成されている。このため、生産効率が悪く製造コストが高くなるという問題がある。コストダウンの目的で、熱硬化性の樹脂で成形することは既に知られており、例えばエポキシ樹脂をトランスファ成形で得たフェルールがある。しかし、熱硬化性樹脂を使用すると、成形時、硬化に時間がかかるため、生産性が良くないという問題がある。
【0003】
こうした問題を解決するために熱可塑性樹脂による射出成形が考えられている。例えば、特開平5−345328号公報には、球状シリカを充填したポリフェニレンサルファイド樹脂を射出成形して得られた寸法安定性の優れたフェルールが開示されている。また、近年、寸法精度、機械的強度等が高く、高流動性であることから、電気・電子分野、特にファインピッチコネクター用途に広く用いられる液晶性ポリエステルによる検討が盛んに行われており、例えば特開平8−15568号公報、特開平9−19938号公報、特開平11−125734号公報等に液晶性ポリエステル製光コネクター部品が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリフェニレンサルファイド樹脂の場合、得られた成形品のバリ取り行程が必要となり、また加工条件によってはガス発生あるいは金型腐食等の成形上の問題があり、寸法精度も十分でないことがわかった。また、上述した液晶性ポリエステルによる検討においても、成形品のゲート形状によっても異なるが液晶性ポリエステルの異方性を十分に低減するまでには至っておらず、真円性がまだ満足できるレベルには至っていないことがわかった。また、特にフェルールの場合、円柱状のガイドピン穴を形成するが、ガイドピン挿入時に割れなどが生じることがわかった。
【0005】
本発明は上記の問題を解決し、真円性、低そり性、寸法安定性に優れ、さらにピン圧入強度の高い光コネクター部品用樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は(1)スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂(A)96〜65重量%と液晶性樹脂(B)4〜35重量%とからなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物中の液晶性樹脂粒子の長径を測定した重量平均分散径が0.8〜2.5μmであり、平均アスペクト比(長径/短径)が4以下である光コネクター部品用樹脂組成物、(2)前記の(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、さらに充填材を0.5〜300重量部含有してなる上記(1)記載の光コネクター部品用樹脂組成物、(3)前記の熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート樹脂であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の光コネクター部品用樹脂組成物、(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光コネクター部品用樹脂組成物を射出成形してなるフェルールを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)としてはスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以上のものである。
【0008】
スチレン系樹脂はスチレン及び/またはその誘導体から生成した単位を含有するものである。
【0009】
スチレン、その誘導体(これらを総称して芳香族ビニル系単量体と称する場合がある)から生成した単位の具体例としては、下記構造単位のものが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】
R1〜R5は、水素、塩素等のハロゲン、炭素数1〜10の脂肪族基、芳香族基、脂環式、スルホニル基、ニトロ基などの基を示し、これらはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0012】
R1〜R5の具体例としては、水素、塩素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、クロルメチル、シアノメチル、シアノメトキシ、エトキシ、フェノキシ、ニトロなどの基が挙げられ、これらはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0013】
スチレン、その誘導体の好ましい例として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、これらを併用することもできる。
【0014】
スチレン系樹脂としては、スチレン系(共)重合体、ゴム強化スチレン(共)重合体が挙げられる。スチレン系(共)重合体としては芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上を重合した(共)重合体、芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合可能な単量体の1種または2種以上を共重合した共重合体が挙げられる。ゴム強化スチレン(共)重合体としては、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上をグラフト重合したゴム強化グラフト(共)重合体、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合可能な単量体の1種または2種以上をグラフト共重合したグラフト共重合体が挙げられる。
【0015】
上記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化ビニルなどが挙げられる。
【0016】
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられるが、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。また、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0017】
上記ゴム状重合体としては、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)などのジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムおよびエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)などのポリオレフィン系ゴムが挙げられ、なかでもポリブタジエン、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)が好ましく用いられる。
【0018】
ゴム強化スチレン系(共)重合体を更に詳しく説明すると、ゴム状重合体(a)に芳香族ビニル化合物(b)から選ばれる少なくとも一種、またはそれと共単量体であるメタクリル酸エステル(c)およびシアン化ビニル化合物(d)から選ばれる少なくとも1種とがグラフト重合したグラフト共重合体(重合体(i))、あるいは該重合体(i)と芳香族ビニル化合物(b)、メタクリル酸エステル(c)等から選ばれる少なくとも1種のビニル化合物とシアン化ビニル化合物(d)が重合した共重合体(重合体(ii))とを配合した樹脂等が挙げられる。
【0019】
重合体(i)として、(a)に対し、(b)と(c)および/または(d)とをグラフト重合する場合、ゴム状重合体(a)の共重合量は5〜80重量%が好適である。グラフト成分中、芳香族ビニル化合物(b)、メタクリル酸エステル(c)などから選ばれるビニル化合物の1種または2種以上の合計が50〜97重量%であり、シアン化ビニル化合物(d)が3〜50重量%が好ましい。
【0020】
重合体(i)の重合方法は特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合および塊状−懸濁重合などの公知の方法を用いることができる。
【0021】
一方、重合体(ii)中のシアン化ビニル化合物(d)の共重合量としては3〜50重量%が適当である。
【0022】
重合体(ii)の重合方法は特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合および塊状−懸濁重合などの公知の方法を用いることができる。
【0023】
ゴム状重合体を共重合させたスチレン系樹脂は重合体(i)を必須成分とし、重合体(ii)を任意の割合で配合して用いることができる。
【0024】
本発明において好ましいスチレン系樹脂としては、PS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、HIPS(高衝撃ポリスチレン)等のゴム強化スチレン系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、AES(アクリロニトリル/エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴム/スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体)などのゴム強化(共)重合体等が挙げられ、なかでも特にPS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)が好ましい。
【0025】
ポリカーボネート系樹脂としては、カーボネート結合を有し、芳香族二価フェノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエステルなどとを反応させることにより得られる芳香族ホモまたはコポリカーボネートが挙げられる。該芳香族ホモまたはコポリカーボネート樹脂は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で20℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、特に0.3〜1.5dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用でき、これら単独あるいは混合物として使用することができる。
【0026】
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、下記繰り返し単位で表される熱可塑性樹脂が挙げられ、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が0.01〜0.80dl/gの重合体が好ましく用いられる。
【0027】
【化2】
【0028】
R6〜R9 は、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の脂肪族基、芳香族基、脂環式、スルホニル基、ニトロ基などの基が挙げられ、これらはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0029】
R6〜R9 の具体例としては、水素、塩素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、クロルメチル、シアノメチル、シアノメトキシ、エトキシ、フェノキシ、ニトロなどの基が挙げられ、これらはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0030】
具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,4,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共重合体などが挙げられる。
【0031】
また、(A)熱可塑性樹脂は2種以上を併用してもよく、具体的には、ABSとポリカーボネートの組み合わせ、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンまたは耐衝撃ポリスチレンとの組み合わせなどを挙げることができる。また、その他特性例えば耐薬品性等を付与させるために熱可塑性樹脂(A)の一部(通常、(A)成分の85重量%以下、好ましくは70重量%以下、特に好ましくは50重量%以下)を結晶性の熱可塑性樹脂に置き換えることが可能であり、このような結晶性の熱可塑性樹脂としては例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、具体的には、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートの組み合わせ、ポリカーボネートとポリエチレンテレフタレートの組み合わせ、ポリフェニレンエーテルとナイロン6の組み合わせ、ポリフェニレンエーテルとナイロン66の組み合わせなどが挙げられる。
【0032】
これらのうち、機械特性および寸法安定性、液晶性樹脂(B)との相溶性の点から、ポリカーボネート系樹脂が好ましく用いられる。
【0033】
本発明の液晶性樹脂(B)は、異方性溶融相を形成し得る樹脂であり、エステル結合を有するものが好ましい。例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドなどである。
【0034】
芳香族オキシカルボニル単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などから生成した構造単位、芳香族ジオキシ単位としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどから生成した構造単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などから生成した構造単位、アルキレンジオキシ単位としてはエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等から生成した構造単位(なかでもエチレングリコールから生成した構造単位が好ましい。)、芳香族イミノオキシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールなどから生成した構造単位が挙げられる。
【0035】
液晶性ポリエステルの具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、ハイドロキノンおよびその他芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0036】
なかでも異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルの例としては、下記(I)、(II)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが好ましく挙げられる。
【0037】
特に好ましいのは(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルである。
【0038】
【化3】
【0039】
(ただし式中のR10は
【0040】
【化4】
【0041】
から選ばれた1種以上の基を示し、R11は
【0042】
【化5】
【0043】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR10が
【0044】
【化6】
【0045】
であり、R11が
【0046】
【化7】
【0047】
であるものが特に好ましい。
【0048】
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記したように、構造単位(I)、(III)、(IV)からなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0049】
すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜15モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0050】
一方、上記構造単位(II) を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0051】
ここで実質的に等モルとは、末端を除くポリマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
【0052】
また液晶性ポリエステルアミドとしては、上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0053】
上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0054】
また、液晶性樹脂(B)の溶融粘度は特に限定されないが、本発明の効果をより発揮するために、液晶性樹脂の融点+10℃で測定した値が、100Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50Pa・sであり、最も好ましくは0.5〜30Pa・sである。なお、ここで溶融粘度は、剪断速度1,000(1/秒)の条件下でノズル径0.5mmφ、ノズル長10mmのノズルを用い高化式フローテスターによって測定した値である。
【0055】
ここで融点とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点とする。
【0056】
液晶性樹脂の融点は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂(A)への分散性の点から好ましくは330℃以下、より好ましくは320℃以下である。
【0057】
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0058】
例えば、上記液晶ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0059】
液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。
【0060】
本発明で用いるスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂(A)と液晶性樹脂(B)の配合比は、真円性、寸法安定性と機械特性のバランスの点から、(A)と(B)の合計に対し、(A)96〜65重量%、(B)4〜35重量%であり、好ましくは(A)91〜70重量%、(B)9〜30重量%である。
【0061】
また、熱可塑性樹脂(A)中における液晶性樹脂(B)の分散状態については、優れた流動性および真円性を発揮するためのLCPの異方性低減効果を得るためには、成形品の中心部において流れ方向に切削した場合、球状分散に近いことが好ましく、具体的には液晶性樹脂粒子の平均アスペクト比(粒子の長径/短径)が4以下であり、さらに好ましくは3以下である。また、液晶性樹脂粒子の長径を測定した重量平均分散径が0.8〜2.5μmである。液晶性樹脂の熱可塑性樹脂(A)中の分散状態が上記の範囲内のときに本組成物における最大の効果を発現する。
【0062】
液晶性樹脂(B)中の熱可塑性樹脂(A)の重量平均分散径の測定方法は、組成物の配向方向に切削して得られたコア層部分の切片を電子透過型顕微鏡(TEM)により観察・写真撮影し、分散粒子100個の平均値をそれぞれ平均アスペクト比および重量平均分散径として求めた。なお、重量平均分散粒子径は長径方向で測定するものとする。
【0063】
本発明において光コネクター部品用樹脂組成物の機械強度その他の特性を付与するために充填剤を使用することが可能であり、特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状など非繊維状の充填剤を使用することができる。具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填剤が挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カオリンが好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填剤は機械強度と真円性のバランスを得るために2種以上を併用して使用することもでき、例えば、ガラス繊維とマイカあるいはカオリン、ガラス繊維とガラスビーズ、炭素繊維とマイカあるいはカオリン、炭素繊維とミルドファイバーあるいはガラスフレーク等が挙げられる。なお、本発明に使用する上記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
【0064】
また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0065】
上記の充填剤の添加量は(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して通常、0.5〜300重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜250重量部、特に好ましくは30〜150重量部である。
【0066】
さらに、本発明の光コネクター部品用樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(例えばブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩、赤燐など)、難燃助剤、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂)、帯電防止剤などの通常の添加剤、他の重合体(ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂等)を添加して、所定の特性をさらに付与することができる。
【0067】
また、更なる特性改良の必要性に応じて無水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物を添加して所定の特性をさらに付与することができる。
【0068】
本発明の光コネクター部品用樹脂組成物は通常公知の方法で製造される。例えば、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂(A)および液晶性樹脂(B)成分中、その他の必要な添加剤および充填材を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製される。また、充填材を添加する場合、充填材の繊維長をコントロールするために好ましくは、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および添加剤を押出機の元から投入し、充填材をサイドフィーダーを用いて押出機へ供給することにより調整される。
【0069】
光コネクター部品用樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成物とすることができる。
【0070】
また、光コネクター部品を成形するにあたっての成形方法は通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)により、三次元成形品、シート、容器・パイプ状物などに加工することができるが、射出成形あるいはインジェクションプレス成形等が好ましい。
【0071】
かくして得られる成形品は、真円性、低そり性、寸法安定性、さらにピン圧入強度などの各種特性を生かし、フェルール、スリーブなどの光コネクター用部品に用いられ、ピン圧入強度が高いことからフェルールに特に有用である。
【0072】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0073】
参考例1(LCP1)
p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル等量、芳香族ジカルボン酸単位20モル等量からなる融点314℃、18Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ずり速度1,000(1/秒))のペレットを得た。
【0074】
参考例2(LCP2)
p−ヒドロキシ安息香酸907重量部と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸457重量部及び無水酢酸873重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位100モル等量からなる融点283℃、290℃で150Pa・s(オリフィス0.5mm直径×10mm、ずり速度1,000(1/秒))であった。
【0075】
各評価については、次に述べる方法にしたがって測定した。
【0076】
(1)真円性
外径20mm直径×内径16mm直径×長さ30mmの円筒側面1点ゲート円筒型成形品を成形し、三次元測定器(ミツトヨ製)により真円度を測定した。真円度は端から10mmの位置の断面の内円を測定することにより代表し、測定点数は24点とした。すなわち、実測円上の24点を真円で近似し、その真円からの外側への最大偏差及び内側への最大偏差の和を真円度とした。真円度の単位はmmであり、この値が小さいほど真円性が良好であることを示す。
【0077】
(2)そり変形性
1.0mm厚、外法寸法30mm×30mm×高さ30mmの壁部1点ゲート箱形成形品を最低充填圧力+0.98MPaで成形し、ゲート側壁部と反ゲート側壁部の内ぞり量を測定した。
【0078】
(3)寸法安定性(線膨張係数)
角形成形品(80mm×80mm×2mm厚)を成形し、中心部を流れ方向に対し垂直に幅1mm×長さ10mm×厚み2mmの角柱状に切削し、得た試験片をTMA(セイコー電子工業SSC−5020)を用い、30℃→5℃/分→100℃の条件で測定を行い、線膨張係数を求めた。
【0079】
(4)ピン圧入強度(割れ性)
図1に示した成形品(金型寸法により得られる成形品の概略)を成形し、
0.5mm角の金属製ピンを格子内(ピン穴)に挿入し、割れ性を評価した。
評価は、○:ピン挿入可、×:ピン挿入時成形品割れ発生とした。
【0080】
(5)分散径
熱可塑性樹脂(A)中の液晶性樹脂(B)の数平均分散径は、ASTM D790に従って作成した1/8インチ曲げ試験片の中心部を流れ方向に切削して得られた切片を電子透過型顕微鏡(TEM)により観察・写真撮影し、分散粒子100個の長径方向の長さの平均値を重量平均分散径として求め、また、長径/短径の比をアスペクト比として求めた。
【0081】
実施例1〜6、比較例1〜5
表1に示した割合で日本製鋼所製TEX30型2軸押出機を用いて熱可塑性樹脂(A)、液晶性ポリエステル(B)をドライブレンドし、元から供給し、充填剤を表1で示した割合になるように重量式サイドフィーダーから供給し、表1中押出機温度として示した樹脂温度で溶融混練してペレットとした。このペレットを東芝IS55EPN射出成形機(東芝機械(株)製)に供し、シリンダー温度を表1中成形温度として示した温度とし、金型温度80℃の条件で各評価項目ごとの方法で試験片を成形した。
【0082】
表1からも明らかなように本発明の組成物は比較例に比べ、真円性、低そり性、寸法安定性およびピン圧入強度が均衡して優れていることがわかる。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】
本発明の光コネクター部品用樹脂組成物は、真円性、低そり性、寸法安定性およびピン圧入強度が均衡して優れていることから光コネクター用途に好適な材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例で使用したピン圧入試験用成形品(概略)の斜視図である。
Claims (4)
- スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂(A)96〜65重量%と液晶性樹脂(B)4〜35重量%とからなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物中の液晶性樹脂粒子の長径を測定した重量平均分散径が0.8〜2.5μmであり、平均アスペクト比(長径/短径)が4以下であることを特徴とする光コネクター部品用樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、さらに充填材を0.5〜300重量部含有してなる請求項1記載の光コネクター部品用樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の光コネクター部品用樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光コネクター部品用樹脂組成物を射出成形してなるフェルール。
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