JP4611770B2 - 燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュ、及び燃料電池セパレータ成形材料の成形方法 - Google Patents

燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュ、及び燃料電池セパレータ成形材料の成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性材料と樹脂バインダ材料とを含有する燃料電池セパレータ向けの成形材料にかかり、それを成形するために用いられるスクリュと、それの成形方法に関する。
燃料電池は、燃料のもつ化学的エネルギーを、燃焼させることなしに電気化学的に直接、電気エネルギーに変えることが出来る、エネルギー変換効率に優れた装置である。なかでも、水素を燃料として負極に用い正極には空気中の酸素を用いる燃料電池は、エネルギー変換に伴って水素が酸素で酸化され水が生成されるのみであり、石油、石炭等の化石燃料と異なり、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物等を発生して環境負荷の増大を招来することがなく、クリーンなエネルギー源として期待されている。
燃料電池には様々な用途が考えられるが、例えば自動車のガソリンエンジン等の代替機関として開発が進められている。燃料電池をエネルギー源とする自動車は、化石燃料の枯渇を心配する必要がなく、上記の通り環境に優しくエネルギー効率に優れており、普及が待たれている。しかしながら、課題も多く、水素の製造、貯蔵、供給にかかる技術的、社会的問題等の他に、普及のためには、より低廉な燃料電池が求められ、燃料電池自体に改善の余地が多く残されている。
燃料電池には様々な種類があるが、自動車用には固体高分子電解質膜を用いるものが採用されている。このタイプの燃料電池は、電極と高分子電解質膜とを導電性のセパレータで挟んでセルを構成し、そのセルが数百以上のオーダーで重ねられてなるものであるが、このセパレータ(燃料電池セパレータともいう)を低廉化することが、このタイプの燃料電池の改善課題の1つとして挙げられている。
燃料電池セパレータは、導電性を備える必要がある(要件1)他に、その使用環境から、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、耐加水分解性等について優れていなければならない(要件2)ため、例えば黒鉛を好適な導電性材料として構成される。ところが、黒鉛は加工が難しいため、上記条件を満たしつつ薄肉化を図ることが困難であり軽量に出来ず、低廉化を図ることも出来なかった。
そこで、近年、射出成形により燃料電池セパレータを作製する試みがなされ始めた。射出成形で量産することが出来れば、可塑化時間の短縮、成形時間の短縮等、生産性が向上し、低廉化が図れるからである。又、射出成形により作製する際には導電性材料にバインダを混合して原料(成形材料)を用意する必要があるが、バインダ材料として用いられる熱可塑性樹脂は一般に比重も低く、射出成形によって薄肉に成形することが可能になり、、燃料電池セパレータの軽量化が図れるからである。尚、射出成形のための成形材料については、上記の要件1、要件2に合致することから、その成形材料を構成する導電性材料としても黒鉛が有望であり、樹脂バインダ材料として液晶ポリマが有望とされる。
ところで、燃料電池セパレータは板厚の規格が非常に厳しい。従って、射出成形で作製するにあたっては、成形工程毎に射出充填される溶融した成形材料の量のばらつきを抑えることが重要となる。
しかしながら、従来、射出充填される成形材料の量のばらつきを抑えることが困難であった。その理由は、一般に、射出成形に用いられる汎用の(スクリュ式射出)成形装置には、チェックリング式の逆流防止機構が組み込まれており(非特許文献1参照)、可塑化された成形材料は、この逆流防止機構を通過する際に、断面積の変化や流路の屈曲によって通過速度が不均一になるからである。特に、導電性材料として黒鉛を多く含み樹脂バインダ材料として液晶ポリマを用いる成形材料では、可塑化状態において黒鉛の粗密状態が不均一になり背圧を制御するだけでは溶融状態を均一にすることが出来ないため、尚更に、成形材料の量がばらつき易い。
又、導電性材料と樹脂バインダ材料とを含む燃料電池セパレータ向けの成形材料は、一般に、粘度が非常に高く、しかも速く固化することから、高速で金型へ射出充填させる必要がある。特に、導電性材料のうち黒鉛は、射出成形にかかる温度では溶融しないことから、体積変化は温度による熱膨張と圧力の影響のみで小さく、含有率が高いと成形材料の粘度を高め、特に、樹脂バインダ材料のうち液晶ポリマは、温度上昇に伴う粘度低下が急激であり流動性が良好ではない。このような成形材料を、可塑化して金型へ射出充填させる場合に、非特許文献1に示されるようなチェックリング式の逆流防止機構では、高速で射出充填するとチェックリングの閉じ時間がばらつき易く、そのばらつきに関係して成形材料が逆流する量にもばらつきが生じ、射出充填される成形材料の量を均一化することが困難であった。
更に、非特許文献1に示されるようなチェックリング式の逆流防止機構では、その逆流防止機構に成形材料が堆積し得ることから、それによって、可塑化状態あるいは射出状態における成形材料の品質に経時変化が生じ得て、セパレータの品質が不安定になるおそれがあった。
尚更には、成形材料を変更する場合に、その逆流防止機構に成形材料が滞留し得ることから、逆流防止機構部分の洗浄に多大な時間と薬液を要していた。
燃料電池セパレータを射出成形で作製しようとすると、上記問題に直面するが、以下、これらの問題に関係する先行技術文献について記載する。
先ず、特許文献1には、射出される樹脂(成形材料)の量の変動を防止した逆流防止装置が開示されている。特許文献1に提案された逆流防止装置は、計量完了後にスクリュを可塑化時とは反対方向に回転させると、逆止リングがシール方向に回転移動してスクリュヘッド部に当接し、射出前に強制的に流路を遮断するので、スクリュヘッド部前方に送られた成形材料(溶融樹脂)がスクリュ側に漏れることを防止可能な装置である。
次に、特許文献2には、射出成形により半導体を封止する方法が開示されており、この中で、スクリュに逆流防止機構を設けた射出成形機が提案されている。提案されている逆流防止機構は、スクリュの前端(先端)のフライト溝を狭くし(フライトのピッチを短くし)バリヤを設けた構造等である。
更に、特許文献3には、均一な厚さを有し薄肉のセパレータを、射出成形機によって大量に生産し得る燃料電池用セパレータの成形方法が提案されている。特許文献3に開示された方法は、金型(可動金型と固定金型)の動作を制御することにより、成形材料(溶融樹脂)を金型のキャビティに供給しながら圧縮し、キャビティの末端まで成形材料を流動させ得る方法である。
特開平9−262877号公報 特開平10−214853号公報 特開2004−160772号公報 書籍名及び該当頁「射出成形、245〜246頁」、発行所「(株)プラスチックエージ」、編集者「伊藤、曽根、中川」、発行日「1993年8月10日(改訂第10版)」
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、従来の問題点を解決した燃料電池セパレータ成形材料を成形する手段を提供することを目的とする。具体的には、燃料電池セパレータに好適な成形材料は、粘度が高く流動性が低く、溶融時の体積変化が少なく、可塑化し難いという性質を有するが、このような成形材料を、量のばらつきを抑えて射出充填出来、好ましくは、逆流防止機構部分の洗浄が簡便である成形手段を提供することが、本発明の課題である。研究が重ねられた結果、以下に示す手段によって、上記課題を解決し得ることが見出された。
即ち、本発明によれば、導電性材料と樹脂バインダ材料とを含有する燃料電池セパレータ向けの成形材料を成形するために用いられるスクリュであって、後端から前端にかけて全体にフライトが形成されたスクリュ本体部と、そのスクリュ本体部の前端側に設けられたスクリュヘッド部と、を有し、スクリュヘッド部に、成形材料の流れの抵抗になるリング状突起が設けられた燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュが提供される(本明細書において、単に成形用スクリュともいう)。
本明細書において、スクリュ又は射出装置にかかり、その前端とは成形材料が射出される金型側の端を指し、後端とはその反対側の端を意味する。即ち、本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュにおいて、スクリュの前端側とは金型側であり、スクリュの後端側とはその反対側であり成形材料の供給口側である。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、スクリュヘッド部にリング状突起が設けられていればよく、リング状突起の具体的態様を限定しない。リング状突起は、スクリュ先端のスクリュヘッド部において、突起が、スクリュを収めるバレルとの隙間(成形材料の流路)を狭めるように、少なくとも1周(リング状に)、形成されたものであればよい。リング状突起とバレルとの間に堰(流路が狭くなった部分)が形成され、成形材料の流れに対し抵抗が生じ、射出時の逆流防止作用を発現するとともに、可塑化時の剪断作用により成形材料(溶融樹脂)を整流する。尚、リング状突起は、成形材料の流れを制限し、剪断作用を与え得る限りにおいて、その形状や寸法は限定されず、成形材料によって、適宜、調整し得る。又、リング状突起に、切欠、凸部等を設けてもよい。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、スクリュ本体部とスクリュヘッド部とが一体化した構造を有していてもよいが、限定されるものではなく、スクリュヘッド部が、スクリュ本体部から分離可能な独立した部材として構成されることが好ましい。スクリュヘッド部を交換することにより、従来のスクリュを、本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュへ更新出来るため、汎用のスクリュ式射出成形装置の利用が可能になるからである。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、スクリュヘッド部のリング状突起よりスクリュの後端側に、成形材料の流れを制限する流れ制限機構が設けられたものであることが好ましい。但し、本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、スクリュヘッド部のリング状突起よりスクリュの前端側に、成形材料の流れを制限する流れ制限機構を設ける態様を排除するものではない。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、流れ制限機構の具体的態様を限定しない。具体的な流れ制限機構を備えた本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュの好ましい態様として、次の2つの態様がある。
第1の態様は、流れ制限機構が、スクリュヘッド部のリング状突起よりスクリュの後端側に設けられた小径部と、その小径部の外周に配置され小径部との間に成形材料流路を形成する逆止リングと、小径部とスクリュ本体部とで挟まれるように設けられるシートと、で構成されるものである。
第2の態様は、流れ制限機構が、スクリュ本体部のフライトの溝の中に形成されたサブフライトで構成されるものである。尚、本明細書において、単にフライトと記すときは、スクリュ本体部に形成されるメインフライト(スクリュフライト)を指すものとする。
サブフライトは、限定されるものではないが、フライトの0.5〜2.5ピッチの溝の中心に設けることが好ましい。又、サブフライトは、フライトと平行して形成されていてもよく、フライトに対して斜めに形成されていてもよく、限定されない。更に、サブフライトは、フライトの溝の中に多重に形成されていてもよいが、成形材料の可塑化能力低下を防止するため、1又は2本で形成されることが好ましい。
又、本発明によれば、上記した何れかの燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを用いたスクリュ式射出成形装置が提供される。
次に、本発明によれば、導電性材料と樹脂バインダ材料とを含有する燃料電池セパレータ向けの成形材料を成形する方法であって、上記した何れかの燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを具備する射出装置と、金型と、を含むスクリュ式射出成形装置を用いて、予熱乾燥した成形材料を射出装置へ供給し可塑化した後に、その可塑化した成形材料を金型のキャビティ内へ射出充填する工程を有する燃料電池セパレータ成形材料の成形方法が提供される(本明細書において、本発明に係る成形方法ともいう)。
本発明に係る成形方法において、上記射出装置が、スクリュヘッド部のリング状突起よりスクリュの後端側に、成形材料の流れを制限する流れ制限機構が設けられた燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを具備するものであることが好ましい。
又、本発明に係る成形方法は、流れ制限機構が設けられた燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを具備する場合において、その流れ制限機構が、スクリュ本体部のフライトの溝の中に形成されたサブフライトで構成されるものであることが好ましい。
更に、本発明に係る成形方法は、流れ制限機構が設けられた燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを具備する場合において、その流れ制限機構が、スクリュヘッド部のリング状突起よりスクリュの後端側に設けられた小径部と、その小径部の外周に配置され小径部との間に成形材料流路を形成する逆止リングと、小径部とスクリュ本体部とで挟まれるように設けられるシートと、で構成されるものであることが好ましい。
尚、本発明に係る成形用スクリュ、及び本発明に係る成形方法で用いられる成形用スクリュは、スクリュ本体部及びスクリュヘッド部の形状を具体的に限定するものではない。導電性材料の含有量等によって変わり得る成形材料の溶融粘度等に応じて、最適化すればよい。好ましい態様におけるサブフライトについても、同様に、形状等を成形材料の特性に応じて最適化出来る。
又、限定されるものではないが、本発明に係る成形用スクリュ、及び本発明に係る成形方法で用いられる成形原料は、樹脂バインダ材料として液晶ポリマを含有するとともに導電性材料を70〜90質量%含有するものが好ましい。黒鉛と液晶ポリマとの組合せた成形材料は、成形体に、優れた機械的強度、耐熱性、寸法安定性、耐加水分解性等を付与し得るので、成形体として得られる燃料電池セパレータは、長期わたり高い信頼性を発揮し得るものになる。導電性材料としては、黒鉛の他に、例えばカーボンファイバ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等が好適に採用され得る。
更に、用いられる成形原料は、平均粒径が2〜4mmの範囲のペレットに形成されたものが好ましい。ペレットの形状は限定されないが、概ね球状又は概ね筒状を呈することが好ましい。尚、球状の場合に粒径とは直径を指し、筒状の場合には粒径とは、軸線の長さ、又は、軸線に垂直な断面輪郭線に外接する円の直径、のうち大きい方を意味する。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、スクリュヘッド部に成形材料の流れの抵抗になるリング状突起が設けられている。リング状突起が設けられることにより、スクリュを収めるバレルとの間に、成形材料の流路が他の部分より狭くなった部分である堰が形成され、この堰を通過することによって、成形材料が剪断作用を受け、その温度が均一化し、それに含まれる導電性材料が均一に分散される。
又、断面積の変化や流路の屈曲が殆ど存在しないので、可塑化した成形材料における導電性材料(例えば黒鉛)の粗密状態が概ね均一に保持出来、溶融状態のばらつきが生じ難い、という効果を発現し得る。
更に、スクリュの全長が、従来(非特許文献1参照)より短縮出来るので、本発明に係る成形用スクリュを用いた射出装置及び成形装置(スクリュ式射出成形装置)の小型化に寄与する。少なくとも従来より長くはならないので、スクリュ本体の長さ調整により、汎用の(スクリュ式射出)成形装置に対してスクリュを交換することが可能であり、それによって、優れた品質の燃料電池セパレータを射出成形で作製出来るようになる。
加えて、従来のチェックリング式の逆流防止機構が組み込まれる場合(非特許文献1参照)のように、成形材料が殆ど滞留せず、又、殆ど堆積することもない。従って、成形材料の品質に経時変化が生じ難く、作製されるセパレータの品質が不安定になるおそれが解消出来る。成形材料を変更する場合にも、洗浄が少ない薬液で短時間で行える。
従って、本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、用いる成形材料が、導電性材料と樹脂バインダ材料とを含み粘度が高く流動性が低い燃料電池セパレータ向けの成形材料であり、それを高速で金型へ射出充填させる場合であっても、溶融したその成形材料にかかる射出充填量のばらつきを抑制出来る。本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを用いたスクリュ式射出成形装置によれば、板厚が一定の燃料電池セパレータを得ることが出来る。例えば、導電性材料として黒鉛を多く含み樹脂バインダ材料として液晶ポリマを用いる成形材料を使用して、射出成形によって、優れた品質の燃料電池セパレータを作製することが可能になる。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュは、その好ましい態様において、リング状突起よりスクリュの後端側に流れ制限機構を設けているので、2重の逆流防止手段が構築されることになり、より確実に、それ(リング状突起)よりスクリュの後端側へ成形材料が逆流することを防止することが可能である。
流れ制限機構を特定した本発明に係る成形用スクリュの好ましい第1の態様では、リング状突起が設けられたスクリュヘッド部を分割可能にすることにより、スクリュヘッド部を交換することのみで、従来のスクリュを、本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュへ更新出来、汎用のスクリュ式射出成形装置の利用が可能になる。逆止リングやシートは汎用品が使用出来る。
流れ制限機構を特定した本発明に係る成形用スクリュの好ましい第2の態様では、サブフライトを設けたことにより、成形材料が剪断作用を受け、その温度が均一化し、それに含まれる導電性材料が均一に分散される。又、可塑化時にスクリュ先端側への成形材料の送り量が安定し、溶融状態のばらつきが生じ難い。更に、スクリュを収容するバレルの内壁の成形材料の掻き取り効果が高く、洗浄能力に優れ、洗浄剤の低減、洗浄時間の短縮が図れる。加えて、従来のチェックリング式の逆流防止機構が組み込まれる場合(非特許文献1参照)のように、成形材料が殆ど滞留せず殆ど堆積することもなく、この点からも、洗浄が、より少ない薬液でより短時間に行える。
以下、本発明の燃料電池セパレータ成形材料(燃料電池セパレータ向けの成形材料)成形用スクリュ、及び燃料電池セパレータ成形材料の成形方法について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は以下に記述される手段である。尚、以下の記載において、一般的な技術、公知の技術、汎用の技術は省略している。
先ず、本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュについて説明する。図1は、本発明に係る成形用スクリュを含むスクリュ式射出成形装置(単に成形装置ともよぶ)の一実施形態を示す断面図である。又、図2及び図3は、図1に示される成形装置の構成要素になり得る本発明に係る成形用スクリュの実施形態を示す図であり、図2は第1の態様の要部を表す側面図であり、図3は第2の態様の要部を表す側面図である。以下、図1、図2及び図3を参酌しながら、説明する。
図1に示される成形装置100は、射出装置30、金型10、型締装置20、及び制御装置60とで構成されている。金型10は、固定盤1に取り付けられた固定金型3と、可動盤2に取り付けられた可動金型4とからなり、型締装置20は、型締シリンダ22を有する。金型10の可動金型4は、図示されないタイバーに案内されつつ、型締装置20の型締シリンダ22によって固定金型3に対して前後進し、この動作によって金型10が開閉する。
射出装置30は、バレル41と、バレル41内に駆動可能に収められている成形用スクリュ38と、成形用スクリュ38を回転駆動する駆動装置(油圧モータ42及び射出シリンダ40)と、を主構成機器としている。バレル41には後端側に材料供給孔が設けられ、固体のペレット状の成形材料が、ホッパ44から材料供給孔を通じバレル41内に供給される。成形材料は、バレル41内で、図示しない加熱手段によって加熱され、又、成形用スクリュ38の回転に伴い混練圧縮作用を受けて、可塑化され溶融状態になり、成形用スクリュ38の前端側へ送られる。バレル41の前端側には射出ノズル37が設けられており、溶融した成形材料は、射出ノズル37を経由して、金型10の固定金型3と可動金型4とで形成されたキャビティ5へ射出される。
制御装置60は、射出制御部61と型締制御部62で構成される。射出制御部61は、図示しない油圧源から作動油を供給して射出シリンダ40及び油圧モータ42を駆動させ、これによって成形材料の可塑化と、可塑化した(溶融した)成形材料の金型10(キャビティ5)への射出充填等を制御する。型締制御部62は、図示しない油圧源から作動油を供給して型締シリンダ22を駆動することにより、金型10の開閉等を制御する。尚、駆動手段は油圧ではなく電動サーボであってもよい。又、型締装置20は横型で直圧式として図示されているがトグル式等であってもよい。
射出装置30を構成する成形用スクリュ38は、本発明に係る成形用スクリュであって、後端側から前端側にかけてフライトがスクリュ全体に設けられたフルフライトスクリュである。又、加熱手段としては、例えば、電熱線ヒータ(バンドヒータ、セラミックヒータ、アルミ鋳込みヒータ、真鍮鋳込みヒータ)、高周波誘導加熱ヒータ等の熱源が採用される。一般的には、電熱線ヒータが採用されるが、その中でも、燃料電池セパレータ成形材料を可塑化するために、より好適なものは、真鍮鋳込みヒータである。真鍮鋳込みヒータは、発熱密度(ワット密度)が6W/cm2以上と高く、可塑化・射出成形にかかるサイクルタイムの短縮を実現し、生産効率を向上させ得る。但し、加熱手段は、発熱密度が高いものであれば真鍮鋳込みヒータ以外でも採用出来、限定されない。加熱手段の好ましい発熱密度(ワット密度)は、4W/cm2以上であり、より好ましくは5W/cm2以上であり、更に好ましくは6W/cm2以上である。
図2は、図1に示される成形装置100(射出装置30)を構成し得る本発明に係る成形用スクリュの第1の態様の要部を表す側面図である。図2において、(a)は一体構造の成形用スクリュを示し、(b)〜(d)は分割構造の成形用スクリュを示している。
図2の(a)に示される一体構造の成形用スクリュ38aは、その後端から前端にかけて全体にフライトが形成されたスクリュ本体部39aと、そのスクリュ本体部39aの前端に位置するスクリュヘッド部50aと、を有する。スクリュヘッド部50aは、前端側が円錐状に形成されるとともに、その大径部51aには、成形材料の流れの抵抗になるリング状突起52aが設けられ、尚且つ、そのリング状突起52aよりスクリュの後端側には、成形材料の流れを制限する流れ制限機構55aが設けられている。スクリュヘッド部50aは、その大径部51aに設けられたリング状突起50aよりスクリュ本体部側に、小径部53を有するものであり、流れ制限機構55aは、その小径部53と、小径部53の外周に、バレル41に内接して進退自在に配置され、小径部53との間に成形材料流路58を形成する逆止リング56と、小径部53を挟み且つスクリュ本体部39aの前端に当接するように配置されるシート57と、で構成されている。即ち、流れ制限機構55aはスクリュヘッド部50aに備わる。そして、図2の(a)に示されるように、リング状突起52aは、バレル41との隙間(成形材料の流路)を狭めるように形成され、リング状突起52aとバレル41との間には、堰54a(狭くなった上記隙間部分)が形成されている。尚、逆止リング56は、図示される爪なしタイプ(非連廻り)ではなく、爪ありタイプ(連廻り)であってもよい。
図2の(b)に示される成形用スクリュは、図2の(a)に示される一体構造の成形用スクリュ38aを、スクリュ本体部(39a)とスクリュヘッド部(50a)とで分割可能にした構造の成形用スクリュであり、スクリュ本体部の前端に、図中において破線で示されるねじ部で螺合されたスクリュヘッド部が備わる、2ピース構造の成形用スクリュである。又、図2の(c)に示される成形用スクリュは、図2の(a)に示される成形用スクリュ38aにおいて、スクリュヘッド部(50a)のリング状突起(52a)部分を分割可能にした構造の成形用スクリュであり、スクリュ本体部及びスクリュヘッド部の小径部(53)が一体化され、小径部の前端側でスクリュヘッド部のリング状突起側の部分が図中において破線で示されるねじ部で螺合された、2ピース構造の成形用スクリュである。更に、図2の(d)に示される成形用スクリュは、3ピース構造の成形用スクリュであり、図2の(a)に示される成形用スクリュ38aにおいて、スクリュ本体部(39a)とスクリュヘッド部(50a)とで分割可能であり、且つ、スクリュヘッド部(50a)のリング状突起(52a)部分を分割可能にしたものである。図2の(d)において、破線はねじ部で螺合されている様子を示している。
図3は、図1に示される成形装置100を構成し得る本発明に係る成形用スクリュの第2の態様の要部を表す側面図である。図3において、(a)は一体構造の成形用スクリュを示し、(b)〜(d)は分割構造の成形用スクリュを示している。
図3の(a)に示される成形用スクリュ38bは、図2の(a)に示される成形用スクリュ38aに準じて、その後端から前端にかけて全体にフライトが形成されたスクリュ本体部39bと、そのスクリュ本体部39bの前端に位置するスクリュヘッド部50bと、を有する。スクリュヘッド部50bは、成形用スクリュ38aのスクリュヘッド部50aに準じて、前端側が円錐状に形成されるとともに、その大径部51bには、成形材料の流れの抵抗になるリング状突起52bが設けられ、尚且つ、そのリング状突起52bよりスクリュの後端側には、成形材料の流れを制限する流れ制限機構55bが設けられている。但し、流れ制限機構55bは、流れ制限機構55aとは異なり、スクリュ本体部39bに備わるものであって、スクリュ本体部39bの前端側の溝の中にフライトと平行して形成されたサブフライト47で構成されている。そして、図3の(a)に示されるように、リング状突起52bは、バレル41との隙間(成形材料の流路)を狭めるように形成され、リング状突起52bとバレル41との間には、堰54b(狭くなった上記隙間部分)が形成されている。
図3の(b)に示される成形用スクリュは、図3の(a)に示される一体構造の成形用スクリュ38bを、スクリュ本体部(39b)とスクリュヘッド部(50b)とで分割可能にした構造の成形用スクリュであり、スクリュ本体部の前端に、図中において破線で示されるねじ部で螺合されたスクリュヘッド部が備わる、2ピース構造の成形用スクリュである。又、図3の(c)に示される成形用スクリュは、図3の(a)に示される成形用スクリュ38bにおいて、流れ制限機構(55b)を含みそれより前端側の部分を分割可能にした構造の成形用スクリュであり、スクリュヘッド部及びスクリュ本体部の流れ制限機構(サブフライト)部分は一体化され、それらが流れ制限機構を除くスクリュ本体部の前端側において図中において破線で示されるねじ部によって螺合された、2ピース構造の成形用スクリュである。更に、図3の(d)に示される成形用スクリュは、3ピース構造の成形用スクリュであり、図3の(a)に示される成形用スクリュ38aにおいて、スクリュ本体部(39b)とスクリュヘッド部(50b)とで分割可能であり、且つ、スクリュ本体部(39b)の流れ制限機構(55b)部分を分割可能にしたものである。図3の(d)において、破線はねじ部で螺合されている様子を示している。
尚、図2及び図3に示される成形用スクリュにおいて、リング状突起が設けられることにより形成された堰は、それ自体が流れ制限手段として作用する。図4は、図2及び図3に示される成形用スクリュ38a,38bにおいて、流れ制限機構55a,55bを省いた態様の成形用スクリュの要部を表す側面図である。図4において、(a)は一体構造の成形用スクリュを示し、(b)〜(d)は分割構造の成形用スクリュを示している。
図4の(a)に示される成形用スクリュ38dは、その後端から前端にかけて全体にフライトが形成されたスクリュ本体部39dと、そのスクリュ本体部39dの前端に位置し、スクリュ本体部39dと一体的に設けられたスクリュヘッド部50dと、を有する。スクリュヘッド部50dは、前端側が円錐状に形成されるとともに、成形材料の流れの抵抗になるリング状突起52dがバレル41との隙間(成形材料の流路)を狭めるように設けられ、それによって形成された堰54d(狭くなった上記隙間部分)が、スクリュヘッド部50dより前端側に送り込まれた成形材料の逆流を防止し得る。
図4の(b)に示される成形用スクリュは、図4の(a)に示される一体構造の成形用スクリュ38dを、スクリュ本体部(39d)とスクリュヘッド部(50d)とで分割可能にした構造の成形用スクリュであり、スクリュ本体部の前端に、図中において破線で示されるねじ部で螺合されたスクリュヘッド部が備わる、2ピース構造の成形用スクリュである。又、図4の(c)に示される成形用スクリュは、図4の(a)に示される成形用スクリュ38dにおいて、スクリュ本体部が分割可能であり図中において破線で示されるねじ部によって螺合された、2ピース構造の成形用スクリュであり、スクリュヘッド部側を取り外し、代わりに、図2の(a)に示される成形用スクリュ38a又は図3の(a)に示される成形用スクリュ38bの、スクリュヘッド部及び流れ制限機構部分を取り付け可能なものである。更に、図4の(d)に示される成形用スクリュは、3ピース構造の成形用スクリュであり、図4の(a)に示される成形用スクリュ38dにおいて、スクリュ本体部(39d)とスクリュヘッド部(50d)とで分割可能であり、且つ、スクリュ本体部(39d)自体を図4の(c)と同様に分割可能にしたものである。図4の(d)において、破線はねじ部で螺合されている様子を示している。
続いて、以下に、本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料の成形方法について説明する。本発明に係る成形方法は、導電性材料と樹脂バインダ材料とを含有し、粘度が高く流動性が低く溶融時の体積変化が少なく可塑化し難い燃料電池セパレータ用の成形材料を可塑化するのに、好適な方法である。
本発明に係る成形方法では、上述した本発明に係る成形用スクリュの何れかを具備する射出装置と、金型と、を含むスクリュ式射出成形装置を用いる。本発明に係る成形方法では、上記条件以外の成形装置の具体的態様を限定しないが、既に説明した成形装置100は好適なものであるので、以下、図1に示される成形装置100を使用するものとして説明する。成形用スクリュ38としては、成形用スクリュ38a、成形用スクリュ38b、成形用スクリュ38dの何れも採用することが出来る。
先ず、ホッパ44に、好ましくは、樹脂バインダ材料として液晶ポリマを含有するとともに、導電性材料として黒鉛を70〜90質量%含有し、且つ平均粒径が2〜4mmの範囲のペレット状の成形材料を入れる。そして、予め、成形装置100の加熱手段の温度、成形用スクリュ38の回転速度、等を設定しておく。
このとき、成形材料を予熱して、それに含まれる水分を除去し、乾燥させておくことが肝要である。乾燥が不充分な場合には、ブリスター等の成形不良や成形体(燃料電池セパレータ)の強度低下が生じ易くなる。成形材料をバレル41に入れる前に予熱しておけば、バレル41内において可塑化に要する熱量は、より少なくてすみ、成形装置内におけるサイクルタイムは短縮され、効率よく成形装置100を使用することが出来る。
又、既に述べたように、より好ましい加熱手段としては真鍮鋳込みヒータが挙げられるが、予熱することにより、そのような発熱密度が高い加熱手段ではなく、より発熱密度の低いもの、例えば、従来の成形装置において用いられるアルミ鋳込みヒータやマイカヒータ(バンドヒータ)等の採用も可能となる。予熱は、成形材料にマイクロ波を照射して行ってもよい。
成形材料の予熱にかかる熱量は、バレル41内において可塑化に要する熱量を減らす観点からは、多いほどに好ましい。しかし、予熱温度が高くなりすぎると成形材料の形状が崩れたり、粘着性を発現して、次の過程でホッパ44からバレル41内への供給がスムーズにいかなくなって好ましくない。従って、バレル41内への供給に問題が生じない範囲で予熱する。通常、黒鉛と液晶ポリマとを含む成形材料の場合の予熱は、ホッパ44に入れる前に100〜150℃の温度で、20分程度行う。
次に、油圧モータ42により成形用スクリュ38を回転駆動させて成形材料の受入を行う。成形材料は、材料供給孔からバレル41内へ入り、成形用スクリュ38の圧縮部(スクリュの後端側)に供給される。成形用スクリュ38の回転によりバレル41内を搬送される成形材料は、加熱手段から加えられる熱と、成形用スクリュ38の回転による混練圧縮作用を受けることによって溶融し、計量部(スクリュの前端側)へ送られる。
次に、溶融した成形材料は、射出シリンダ40により前進する成形用スクリュ38によって、射出ノズル37を介し、キャビティ5を有する金型10へ射出充填される。そして、冷却固化を待って金型10を開くと、成形体たる燃料電池セパレータが得られる。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)図1に示される成形装置100(宇部興産機械株式会社製)を使用し、成形用スクリュ38として図2の(a)に示される成形用スクリュ38a(宇部興産機械株式会社製)を採用して、燃料電池セパレータを射出成形した。
成形装置100の詳細仕様は、次の通りである。スクリュは、後端から前端にかけて全体にフライトが形成され、スクリュ径とピッチはスクリュ全長にわたって同じであり、そのスクリュの全長はスクリュ径の20倍とした。スクリュ回転数は25rpm、可塑化時の背圧は5MPa、射出速度は160mm/sec、とした。又、加熱手段として、発熱密度が6W/cm2になるように設けた真鍮鋳込みヒータを採用した。
成形材料は、液晶ポリマと黒鉛を用意し、これらがそれぞれ25質量%、75質量%の比率で含まれるように混合し、混練機でよく混練し、概ね円筒状のペレットとして仕上げた。ペレットの大きさは、軸線に垂直な断面の直径が2.5mm、軸線の長さが3mmとした。ランナ部分を含む成形体全体は、縦150mm×横200mm×高さ2mmの平板であり、そのうち、燃料電池セパレータ分の体積は45cm3、ランナ部分が15cm3で、合計が60cm3である。
上記のような条件で、成形材料を可塑化し金型へ射出して成形することとし、連続30ショット射出成形したときの質量を求め、そのばらつき(3σ/平均値)を測定した。結果は、1.15%であった。
次いで、射出成形を終えた後に、成形装置100の射出装置30のバレル41内の洗浄を行った。洗浄剤としては、白色のアサクリンEX(旭化成株式会社製)を使用し、洗浄完了までの洗浄剤使用量を測定したところ、4.0kgであった。尚、洗浄完了の判断は、白色の洗浄剤に対し、成形材料が黒色であるため、色の変化で行った。
(実施例2)図1に示される成形装置100を使用し、成形用スクリュ38として図3の(a)に示される成形用スクリュ38b(宇部興産機械株式会社製)を採用して、燃料電池セパレータを射出成形した。尚、成形用スクリュ38bにおいて、サブフライトは、スクリュ本体部39bの前端から始まって、フライトの1ピッチの溝の中心に設けた。それ以外は、実施例1と同様にして、連続30ショット射出成形したときの質量を求め、そのばらつき(3σ/平均値)を測定した。結果は、0.99%であった。又、射出成形を終えた後に、実施例1と同様にバレル41内の洗浄を行い、洗浄完了までの洗浄剤使用量を測定したところ、1.5kgであった。
(実施例3)図1に示される成形装置100を使用し、成形用スクリュ38として図4に示される成形用スクリュ38d(宇部興産機械株式会社製)を採用して、燃料電池セパレータを射出成形した。それ以外は、実施例1と同様にして、連続30ショット射出成形したときの質量を求め、そのばらつき(3σ/平均値)を測定した。結果は、1.25%であった。又、射出成形を終えた後に、実施例1と同様にバレル41内の洗浄を行い、洗浄完了までの洗浄剤使用量を測定したところ、2.0kgであった。
(比較例1)図1に示される成形装置100を使用し、成形用スクリュ38として、リング状突起及び流れ制限機構の存在しない汎用品(宇部興産機械株式会社製、図示しない)を採用して、燃料電池セパレータを射出成形した。それ以外は、実施例1と同様にして、連続30ショット射出成形したときの質量を求め、そのばらつき(3σ/平均値)を測定した。結果は、1.99%であった。又、射出成形を終えた後に、実施例1と同様にバレル41内の洗浄を行い、洗浄完了までの洗浄剤使用量を測定したところ、8.0kgであった。
(考察)スクリュヘッド部にリング状突起が設けられた成形用スクリュ、及び、それに加えてリング状突起よりスクリュの後端側に流れ制限機構が設けられた成形用スクリュを用いることによって、射出成形により得られる成形体(燃料電池セパレータ)の質量のばらつきを抑制することが出来た。これは、成形材料がリング状突起を通過する際に、溶融した成形材料の温度が均一化され、成形材料のうち導電性材料が均一に分散し安定した射出充填がなされるため、と推定された。
特に、実施例2(第2の態様の成形用スクリュ)では、質量のばらつきが、より小さくなった。これは、流れ制限機構が、サブフライトで形成されたものであり、射出充填時における成形材料の逆流が、より少なく、且つ、より一定になるためと推定された。
又、実施例2及び実施例3では、洗浄剤の使用量が大幅に少なくなる。これは、流れ制限機構として逆止リングで成形材料流路を形成したものを有していないため、成形材料が当該流れ制限機構に滞留せず、堆積も少ないため、と考えられた。
本発明の燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュ、及び燃料電池セパレータ成形材料の成形方法は、粘度が高く流動性が低く、溶融時の体積変化が少なく、可塑化し難いという性質を有する成形材料、例えばプラマグのような磁性体を多く含んだ材料を射出成形する手段として、好適に利用される。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを用いた成形装置、及び本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料の成形方法、によって得られる燃料電池セパレータは、より品質の優れたものになり得て、且つ、量産により低廉になり得るので、燃料電池の普及に貢献する。
本発明により作製された燃料電池セパレータを使用した燃料電池は、自動車用動力源のみならず、携帯乃至小型の電子機器の電力源、家庭定置用エネルギー源、電気事業用発電装置、コージェネレーションシステムへの組込、その他各種の産業用のエネルギー源として、様々な利用の可能性がある。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを用いた成形装置の一実施形態を示す説明図である。 本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュの一の実施形態を示す要部の側面図であり、(a)は一体構造の成形用スクリュを示し、(b)〜(d)は分割構造の成形用スクリュを示す図である。 本発明に係る燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュの他の実施形態を示す要部の側面図であり、(a)は一体構造の成形用スクリュを示し、(b)〜(d)は分割構造の成形用スクリュを示す図である。 図2及び図3に示される成形用スクリュから流れ制限機構を省いた態様の成形用スクリュの要部を表す側面図であり、(a)は一体構造の成形用スクリュを示し、(b)〜(d)は分割構造の成形用スクリュを示す図である。
符号の説明
37…射出ノズル、38,38a,38b,38d…成形用スクリュ、39,39a,39b,39d…スクリュ本体部、41…バレル、44…ホッパ、47…サブフライト、50a,50b,50d…スクリュヘッド部、52a,52b,52d…リング状突起、54a,54b,54d…堰、55a,55b…流れ制限機構、100…(スクリュ式射出)成形装置。

Claims (5)

  1. 導電性材料と樹脂バインダ材料とを含有する燃料電池セパレータ向けの成形材料を成形するために用いられるスクリュであって、
    後端から前端にかけて全体にフライトが形成されたスクリュ本体部と、そのスクリュ本体部の前端側に設けられたスクリュヘッド部と、を有し、
    前記スクリュヘッド部に、成形材料の流れの抵抗になるリング状突起が設けられるとともに、
    そのスクリュヘッド部のリング状突起より前記スクリュの後端側に、成形材料の流れを制限する流れ制限機構が設けられ、その流れ制限機構が、前記スクリュ本体部のフライトの溝の中に形成されたサブフライトで構成される燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュ。
  2. 前記成形材料に含有される前記導電性材料が黒鉛であり前記樹脂バインダ材料が液晶ポリマである請求項1に記載の燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュ。
  3. 請求項1に記載の燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを用いたスクリュ式射出成形装置。
  4. 導電性材料と樹脂バインダ材料とを含有する燃料電池セパレータ向けの成形材料を成形する方法であって、
    請求項1に記載の燃料電池セパレータ成形材料成形用スクリュを具備する射出装置と、金型と、を含むスクリュ式射出成形装置を用いて、
    予熱乾燥した前記成形材料を前記射出装置へ供給し可塑化した後に、その可塑化した成形材料を前記金型のキャビティ内へ射出充填する工程を有する燃料電池セパレータ成形材料の成形方法。
  5. 前記成形材料に含有される前記導電性材料が黒鉛であり前記樹脂バインダ材料が液晶ポリマである請求項4に記載の燃料電池セパレータ成形材料の成形方法。
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