JP4842046B2 - 射出成形機の可塑化装置及び可塑化方法 - Google Patents

射出成形機の可塑化装置及び可塑化方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形機の可塑化装置及び可塑化方法に関する。
一般に、樹脂材料を可塑化して射出成形する際には、射出装置の加熱筒内に、筒方向の後側から順にフィードゾーンとコンプレッションゾーンとメタリングゾーンの各部によって構成されたスクリュが配置された可塑化装置を備える射出成形機が用いられる。この射出成形機では、前記スクリュによって樹脂材料を混練しせん断発熱させて溶融するとともに、加熱筒に配置されるバンドヒータによって前記樹脂材料の溶融を促進するように構成される。
このような射出成形機の可塑化装置では、通常、スクリュによる混練とバンドヒータによる加熱が樹脂材料の可塑化に大きく影響する。そこで、従来では、樹脂材料の可塑化を良好に行うために、スクリュの全長を長く(スクリュの外径に対するスクリュの全長の比率を大きく)して樹脂材料を長時間加熱するように構成されていた。しかしながら、従来の射出成形機では射出装置が長くなるため広い設置スペースが必要となり、加えて、加熱筒に多数のバンドヒータを配置しなければならず、加熱時の電力消費量が多くなることが問題であった。
上記の問題を解消するものとしては、例えば、スクリュの外径に対するスクリュの全長の比率を小さくした射出成形機の可塑化装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この射出成形機の可塑化装置では、スクリュの外径を極端に大きくすることなくスクリュの全長を短く構成して射出装置を短縮化するとともに、前記スクリュのスレッド長を長くしてスクリュのピッチ(溝長さ)を小さく(ピッチ数を多く)することにより、樹脂材料を加熱筒内に長時間滞留させるように構成されている。これにより、樹脂材料の加熱時間が長くなって、前記樹脂材料の可塑化が促進される。しかしながら、この可塑化装置では、場合によってせん断発熱量が不足することがあり、良好な可塑化を行うことが困難であった。
2005−119277号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、スクリュの全長を短く構成して射出装置を短縮化させた可塑化装置において、せん断発熱量を増加させて良好な可塑化を行うことができる射出成形機の可塑化装置及び可塑化方法を提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、射出装置の加熱筒内に配置され、筒方向の後側から順にフィードゾーンとコンプレッションゾーンとメタリングゾーンの各部によって構成されたスクリュを有する射出成形機の可塑化装置において、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュの全長(L)の比率(L/D)が8〜14であるとともに、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)が0.02D+0.5〜0.02D+0.9であり、かつ、前記スクリュの全長に対するメタリングゾーンの長さの比率が10〜20%であるとともに、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュのピッチ(P)の比率(P/D)が0.3〜0.9であることを特徴とする射出成形機の可塑化装置に係る。
請求項の発明は、射出装置の加熱筒内に配置され、筒方向の後側から順にフィードゾーンとコンプレッションゾーンとメタリングゾーンの各部によって構成されたスクリュを有する射出成形機の可塑化方法であって、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュの全長(L)の比率(L/D)を8〜14とするとともに、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)を0.02D+0.5〜0.02D+0.9とし、かつ、前記スクリュの全長に対するメタリングゾーンの長さの比率を10〜20%とするとともに、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュのピッチ(P)の比率(P/D)を0.3〜0.9とし、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)と計量時のスクリュ回転数(n)との関係が200≦(nπD)/(60H)≦650となるような前記スクリュ回転数で計量を行うことを特徴とする射出成形機の可塑化方法に係る。
請求項1の発明に係る射出成形機の可塑化装置によれば、射出装置の加熱筒内に配置され、筒方向の後側から順にフィードゾーンとコンプレッションゾーンとメタリングゾーンの各部によって構成されたスクリュを有する射出成形機の可塑化装置において、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュの全長(L)の比率(L/D)が8〜14であるとともに、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)が0.02D+0.5〜0.02D+0.9であり、かつ、前記スクリュの全長に対するメタリングゾーンの長さの比率が10〜20%であるとともに、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュのピッチ(P)の比率(P/D)が0.3〜0.9であるため、射出装置を短縮化できると同時にせん断発熱量を増加させることが可能となって、良好な可塑化を実施できるとともに、加熱時の電力消費量の削減を効果的に行うことができる。
請求項の発明に係る射出成形機の可塑化方法によれば、筒方向の後側から順にフィードゾーンとコンプレッションゾーンとメタリングゾーンの各部によって構成されたスクリュを有する射出成形機の可塑化方法であって、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュの全長(L)の比率(L/D)を8〜14とするとともに、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)を0.02D+0.5〜0.02D+0.9とし、かつ、前記スクリュの全長に対するメタリングゾーンの長さの比率を10〜20%とするとともに、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュのピッチ(P)の比率(P/D)を0.3〜0.9とし、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)と計量時のスクリュ回転数(n)との関係が200≦(nπD)/(60H)≦650となるような前記スクリュ回転数で計量を行うため、前述の可塑化装置を用いて効果的に樹脂材料の可塑化を実施することができる。
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る射出成形機の可塑化装置の断面図、図2はスクリュの側面図、図3はスクリュの溝部周辺の断面図、図4はスクリュ外径とメタリングゾーンの溝深さとの関係を表したグラフである。
図1に示す本発明の一実施例に係る射出成形機の可塑化装置10は、射出装置11の加熱筒12内に配置されたスクリュ20を有するものであって、射出成形を行う際には、ホッパ(図示せず)から可塑化装置10の加熱筒12内に供給された樹脂材料を図示しない計量モータによりスクリュ20を回転させつつ、図示しない射出モータまたは射出シリンダにより背圧を付与して可塑化する。そして、可塑化が完了したら加熱筒12前方に貯留された溶融樹脂を前記射出モータまたは射出シリンダにより、型締装置(図示せず)により圧締した金型(図示せず)のキャビティ内に射出するように構成される。この実施例において、樹脂材料としてはポリアセタール(POM)が用いられるが、ポリエチレン,ポリプロピレン等の結晶性樹脂や、ポリスチレン,アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の非結晶性樹脂を使用してもよい。なお、図中の符号13は加熱筒12の先端に螺着されたノズル、14は加熱筒12に配置して樹脂材料の溶融を促進するバンドヒータ、15は図示しないホッパが接続される樹脂材料供給口である。
スクリュ20は、図1ないし図3に示すように、筒方向の前側から後側に向かって徐々に小径となる軸部21を有し、該軸部21の外周面には螺旋状に所定のピッチ(溝長さ)Pで立設されたスレッド22によって溝部23が形成されている。また、スレッド22と溝部23との境界はR面24となっており、溶融樹脂の滞留が防止される。このスクリュ20において、外径Dは、図2及び図3に示すように、加熱筒12の内径よりわずかに小径に形成されたスレッド22の直径に相当し、全長Lは、図2に示すように、スレッド22が立設された軸部21の直線距離に相当する。
上記スクリュ20にあっては、筒方向の後側から順にフィードゾーン26とコンプレッションゾーン27とメタリングゾーン28の各部によって構成される。
フィードゾーン26は、スクリュ20の後側に形成されていて、図示しないホッパから供給された樹脂材料を予備加熱して前側に搬送するように構成される。このフィードゾーン26の長さFは、スクリュ20の全長Lに対して45〜70%である。また、フィードゾーン26では、軸部21がスクリュ20全体で最も細く形成されているため、該フィードゾーン26の溝部23aが深溝に構成される。
コンプレッションゾーン27は、フィードゾーン26の前側に形成され、前記フィードゾーン26において予備加熱されて搬送された樹脂材料を圧縮加熱して溶融するように構成される。このコンプレッションゾーン27の長さCは、スクリュ20の全長Lに対して20〜35%である。また、コンプレッションゾーン27では、軸部21が該コンプレッションゾーン27の後側から前側に向かって徐々に太くなるように形成されているため、該コンプレッションゾーン27の溝部23bは前側に向かって徐々に浅溝となるように構成される。
メタリングゾーン28は、図1ないし図3に示すように、スクリュ20の前側に形成され、コンプレッションゾーン27において溶融されて搬送された樹脂材料をせん断発熱させてスクリュ20の前方に押し出すように構成される。このメタリングゾーン28の長さMは、スクリュ20の全長Lに対して10〜20%であり、前記ピッチPを少なくとも2以上含むことが好ましい。また、メタリングゾーン28では、軸部21がスクリュ20全体で最も太くかつ同じ太さに形成されているため、該メタリングゾーン28の溝部23cが浅溝に構成される。なお、図3において、符号Hはメタリングゾーン28における溝深さを表し、溝部23cから突出したスレッド22の高さに相当するものである。また、符号30は、スクリュ20の先端に螺着されたスクリュヘッドであり、その基部に図示しない逆流防止弁を備えている。このスクリュヘッド30と逆流防止弁はスクリュ20の全長Lに含まれない。
このスクリュ20では、フィードゾーン26,コンプレッションゾーン27,メタリングゾーン28におけるピッチPは一定に設けられている。また、このスクリュ20では、溝深さが、フィードゾーン26で深溝、コンプレッションゾーン27では深溝から徐々に浅溝、メタリングゾーン28で浅溝となるように形成されているため、樹脂材料が搬送される際には、前側に送られるに連れて圧縮される。このスクリュ20における圧縮比は、(フィードゾーンの1ピッチの長さ×フィードゾーンの溝深さ)/(メタリングゾーンの1ピッチの長さ×メタリングゾーンの溝深さ)で求めることができ、1.9〜3.0である。
この発明の射出成形機の可塑化装置10にあっては、スクリュ20の外径Dに対するスクリュ20の全長Lの比率L/Dが8〜14であるとともに、メタリングゾーン28における溝深さHが0.02D+0.5〜0.02D+0.9(mm)に構成される。
スクリュ20の外径Dとスクリュ20の全長Lとの比率L/Dは、スクリュの可塑化における能力の指標として従来から重要視されており、一般的には、スクリュ20の全長Lが長くL/Dの値が大きいほど良好に可塑化を行うことが可能とされる。その際、L/Dの値としては20〜22が採用されるが、上記の如くL/Dを8〜14、より好ましくは9.5〜12と比較的小さくすることにより、スクリュ20の全長Lを短くして射出装置11を短縮化することができる。このように射出装置11を短縮化する場合、加熱筒11も短くなって通常は加熱が不十分となってしまうが、メタリングゾーン28の溝深さHを0.02D+0.5〜0.02D+0.9(mm)の浅溝に構成することによりせん断発熱量を増大させて樹脂材料の溶融を促進させることが可能となり、十分な加熱を行うことができる。なお、この可塑化装置10において、L/Dが8未満の場合は、コンプレッションゾーン27やメタリングゾーン28について十分な長さを確保することが困難となり、L/Dが14より大きい場合は、射出装置11を十分に短縮することができない。
このスクリュ20では、螺旋状に立設されたスレッド22によって形成される溝部23の全長が樹脂材料の加熱筒12内での加熱時間に影響し、一般的には、スクリュ20の外径Dに対するスクリュ20のピッチPの比率P/Dが0.9〜1とされる。しかしながら、上記の如くスクリュ20を短縮して構成した場合は、当該スクリュ20のピッチPを小さくして溝部23の全長を確保し、樹脂材料が加熱筒12内で長時間滞留するように構成することが好ましい。その際、前記ピッチPが小さすぎると、スクリュ20の停止時(調整等の作業時)に樹脂材料の冷却時の固化が発生しやすくなることから、P/Dは0.3〜0.9、より好ましくは0.5〜0.7とされる。
また、上記の如く構成された可塑化装置10を用いた可塑化方法として、スクリュ20によるせん断速度が200〜650(mm/sec)、より好ましくは280〜558(mm/sec)となるような計量時のスクリュ回転数n(rpm)で計量を行う方法が挙げられる。このせん断速度は、例えば、特開平10−180823号公報に記載されるように、メタリングゾーン28の溝深さH(mm)と計量時のスクリュ回転数n(rpm)との関係から、(nπD)/(60H)で表すことができる。この実施例におけるスクリュ回転数n(rpm)としては200〜400(rpm)、より好ましくは300〜400(rpm)である。なお、この可塑化方法において、せん断速度が200(mm/sec)以下の場合は樹脂材料の可塑化に時間がかかりすぎる問題や未可塑が発生する問題等があり、650(mm/sec)以上の場合は樹脂焼け等が発生する問題がある。
次に、この発明の可塑化装置10について、樹脂材料の溶融、脱気の目視評価の具体的な実施例及び比較例を説明する。以下の実施例及び比較例では、樹脂材料としてポリアセタール(POM)を使用した。また、計量ストロークは140(mm)、保圧時間を含む射出時間は7(mm/s)、成形サイクル時間は45(s)、冷却時間は35(s)、加熱筒内温度は200(℃)である。
実施例1の可塑化装置では、L/Dが10、スクリュ外径Dが40mm、メタリングゾーンの溝深さHが1.5mmのスクリュを用いた。比較例1の可塑化装置では、L/Dが10、スクリュ外径Dが40mm、メタリングゾーンの溝深さHが2.8mmのスクリュを用いた。比較例2の可塑化装置では、L/Dが13、スクリュ外径Dが40mm、メタリングゾーンの溝深さHが2.8mmのスクリュを用いた。比較例3の可塑化装置では、L/Dが22、スクリュ外径Dが40mm、メタリングゾーンの溝深さHが2.8mmのスクリュを用いた。
上記実施例1及び比較例1〜3に関し、樹脂材料の背圧の実測値をそれぞれ7.1(MPa)、14.2(MPa)、28.4(MPa)とした際の、各スクリュ回転数200(rpm)、300(rpm)、400(rpm)での計量において、樹脂材料の未溶融部分の有無を目視にて評価するとともに、計量時間の計測を行った。なお、計量時間の良否の基準は、成形サイクル時間が45(s)なので、射出、保圧、型開閉等の関係から冷却時間と等しい35(s)以内とした。
Figure 0004842046
実施例1の可塑化装置では、いずれの場合においても樹脂材料を溶融することができ、計量時間も35秒以内であり、可塑化を良好に実施することができた。比較例1〜3の可塑化装置では、計量時間に関係なく、いずれの場合においても樹脂材料に未溶融部分が存在したため、良好な可塑化を実施することができなかった。
表1に示した結果からよく理解されるように、当該可塑化装置10において良好な可塑化を実施することができるスクリュ20は、L/Dが10、スクリュ外径Dが40mm、メタリングゾーンの溝深さHが1.5mmである。
上記の良好な可塑化が実施可能なスクリュ20において、ピッチPは24mmとされており、該ピッチPに対してメタリングゾーン28の溝深さH(1.5mm)は約6.3%である。このスクリュ20のピッチPに対するメタリングゾーン28の溝深さHの割合としては、約5.4〜7.1%が好ましく、スクリュ外径Dが40mmの場合、メタリングゾーン28の溝深さHは最適な値(1.5mm)の±0.2の範囲である1.3〜1.7mmが好ましい値となる。より好ましい値としては、±0.1の範囲である1.4〜1.6mmである。スクリュ20のピッチPに対するメタリングゾーン28の溝深さHの割合が5.4%より小さい場合、せん断発熱が過多となって、成形サイクルに影響が出るほどスクリュ回転数を落とさなければ溶融樹脂の熱劣化が進行するおそれがあり、溶融樹脂を前方へ搬送する力が不足して溶融樹脂の送出量が低下する問題がある。7.1%より大きい場合、スクリュ回転数を増加させても溝深さHが深すぎて十分なせん断発熱量が得られない上に、スクリュ回転数の増加により計量時間が早くなりすぎて溶融樹脂にバンドヒータ14の熱が十分に伝わらず、溶融樹脂が未可塑状態となる問題がある。
また、スクリュ20のメタリングゾーン28の溝深さHは、スクリュ外径Dや可塑化する樹脂材料の種類に応じて最適値が変更され、さらに、成形するペレットの厚さと比較して前記溝深さHが極端に浅くなると、食い込みが遅くなったりせん断発熱が発生しすぎる等の問題が生じるため、前記ペレットの厚さの1/2よりも深くすることが好ましい。
ここで、上記スクリュ20(外径Dは40mm、メタリングゾーン28の溝深さHは1.5mm)に基づいてスクリュ外径Dを変更する場合、濱田博晟著:「現場で活かす押出機マニュアル」(1993年5月20日発行)第32ページ〜第33ページに記載されているhm/H=(d/D)0.7の演算式を用いることによって、適宜のスクリュ外径に対応したメタリングゾーン28の溝深さを概算することができる。この演算式において、dは変更時のスクリュ外径、hmは変更時のメタリングゾーン28の溝深さである。
これらのことから、経験上、スクリュ外径Dが20mmの場合は0.9〜1.3mm、スクリュ外径Dが60mmの場合は1.7〜2.1mm、スクリュ外径Dが120mmの場合は2.9〜3.3mmがそれぞれ好ましいメタリングゾーン28の溝深さHとされる。また、一般的なスクリュの外径は20〜120mmであり、当該スクリュ20においてもこの範囲内で好適に用いられることから、図4に図示したように、スクリュ外径Dの値が20〜120でメタリングゾーン28の溝深さHが0.02D+0.5〜0.02D+0.9となる斜線部A内が、スクリュ20の最適な条件となる。なお、スクリュ外径Dが20mmより小さい場合は通常のペレットの外径との関係から不適切であり、120mmより大きい場合はスケールアップによる溝深さが一定以上に深くなって不適切である。
以上説明したことからよく理解されるように、本発明の射出成形機の可塑化装置10にあっては、L/Dを8〜14とするとともに、メタリングゾーン28における溝深さHを0.02D+0.5〜0.02D+0.9とすることにより、射出装置11を短縮化させると同時にせん断発熱量を増加させることが可能となるため、前記射出装置11の短縮化の際に加熱が不足することがなくなって良好な可塑化を実施することが可能となる。また、射出装置11の短縮化により、加熱筒12に配置するバンドヒータ14を少なくして加熱時の電力消費量を削減することができ、さらに、上記の如くせん断発熱量が増加することにより、バンドヒータ14の作動時間を減少させることが可能となるので、より効果的に電力消費量の削減を行うことができる。
また、スクリュ20の全長Lに対するメタリングゾーン28の長さMの比率を10〜20%とするとともに、P/Dを0.3〜0.9とすることにより、メタリングゾーン28での加熱時間を十分に確保することができ、より効果的に樹脂材料を可塑化することができる。
なお、本発明は、当業者の知識に基づいて様々な変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものを含む。また、前記変更等を加えた実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りいずれも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明の一実施例に係る射出成形機の可塑化装置の要部断面図である。 スクリュの側面図である。 スクリュの溝部周辺の断面図である。 スクリュ外径とメタリングゾーンの溝深さとの関係を表したグラフである。
10 射出成形機の可塑化装置
11 射出装置
12 加熱筒
14 バンドヒータ
20 スクリュ
26 フィードゾーン
27 コンプレッションゾーン
28 メタリングゾーン
C コンプレッションゾーンの長さ
D スクリュの外径
F フィードゾーンの長さ
H メタリングゾーンの溝深さ
L スクリュの全長
M メタリングゾーンの長さ
P スクリュのピッチ

Claims (2)

  1. 射出装置の加熱筒内に配置され、筒方向の後側から順にフィードゾーンとコンプレッションゾーンとメタリングゾーンの各部によって構成されたスクリュを有する射出成形機の可塑化装置において、
    前記スクリュの外径(D)に対するスクリュの全長(L)の比率(L/D)が8〜14であるとともに、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)が0.02D+0.5〜0.02D+0.9であり、かつ、前記スクリュの全長に対するメタリングゾーンの長さの比率が10〜20%であるとともに、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュのピッチ(P)の比率(P/D)が0.3〜0.9であることを特徴とする射出成形機の可塑化装置。
  2. 射出装置の加熱筒内に配置され、筒方向の後側から順にフィードゾーンとコンプレッションゾーンとメタリングゾーンの各部によって構成されたスクリュを有する射出成形機の可塑化方法であって、
    前記スクリュの外径(D)に対するスクリュの全長(L)の比率(L/D)を8〜14とするとともに、前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)を0.02D+0.5〜0.02D+0.9とし、かつ、前記スクリュの全長に対するメタリングゾーンの長さの比率を10〜20%とするとともに、前記スクリュの外径(D)に対するスクリュのピッチ(P)の比率(P/D)を0.3〜0.9とし、
    前記メタリングゾーンにおける溝深さ(H)と計量時のスクリュ回転数(n)との関係が200≦(nπD)/(60H)≦650となるような前記スクリュ回転数で計量を行うことを特徴とする射出成形機の可塑化方法。
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