JP2005169646A - 射出成形方法と射出成形用スクリュ - Google Patents

射出成形方法と射出成形用スクリュ Download PDF

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Abstract

【課題】 長繊維を含有する熱可塑性樹脂の射出スクリュでの溶融中に、繊維の切断を少なくして強度の低下を避け、樹脂可塑化能力が著しく低下しない射出スクリュを提供すること。
【解決手段】 射出スクリュ1のフライト頂部4の幅をスクリュ直径Dの0.2〜0.4倍の範囲に形成し、射出スクリュ1のフライト頂部4におけるスクリュ先端側に1mm以下の段差4aをスクリュの径方向に形成した。また、射出スクリュ1の先端に設置したチェックリング6の摺動ストロークを5mm〜20mmとした。そして、射出スクリュ1を回転し、繊維と熱可塑性樹脂を原料として、加熱、混練、溶融して繊維含有可塑化樹脂を射出成形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維を含有する熱可塑性樹脂を射出成形するとき、樹脂に含有する繊維の切断を抑えて混練可塑化する射出成形方法並びに射出成形用スクリュ及びこれを備えた射出成形機に関する。
樹脂材料などを成形する機械で、チップや粉末を加熱、混練、溶融して溶融樹脂を金型に射出する射出成形機が知られている。射出成形機は、内部に射出スクリュを配設し、射出スクリュはスクリュ軸の外周部にリブを螺旋状に突出させた形状のフライトを設けている。そして、フライト間に樹脂材料を充填し、射出スクリュの回転により、樹脂材料を射出成形機の先端側に移送する役割を果たす。
図7は、従来の射出スクリュを示す。射出スクリュ21は、1回転当たりの有効可塑化量の向上と齧り防止のため、通常、射出スクリュ21のフライト22のフライト幅F0を射出スクリュ21の直径D0の0.2倍以下に設定している。
射出スクリュ21は、スクリュ軸の後端側から先端側へ向かって、供給部24、圧縮部25及び計量部26を備えている。
供給部24は供給された樹脂材料を予熱しつつ、前方へ搬送する役割を担う区間であり、スクリュ溝23の深さは他の部分に比較して深く、その溝方向に対して垂直な方向の断面積は前方へ行くにしたがって少し減少している。
圧縮部25は樹脂材料に剪断作用を与えつつ図示しない加熱シリンダからの熱を伝えて溶融させる役割を担う区間であり、スクリュ溝23の深さ及びその溝方向に対して垂直な断面の断面積が比較的急激に減少している。
計量部26は、溶融した樹脂材料を混練して均質にする役割を担う区間であって、スクリュ溝23の深さは浅く、その溝方向に対して垂直な断面積はほとんど変化していない。射出スクリュ21の先端には、スクリュチップ27を設け、スクリュチップ27とスクリュ軸部との間に設けられた小径軸には、小寸法でスクリュの軸方向に摺動可能なチェックリング28を嵌合させている。
一方、樹脂材料は、樹脂に長繊維を混入して、製品強度を維持させるものがある。このような長繊維を含んだ熱可塑化材料を可塑化、溶融する射出成形機が開示されている。
特開平8−318561号公報に開示された射出スクリュによると、テーパ状の圧縮部とこれに延設される計量部のみによって形成し、圧縮比を1.0〜2.5として、従来のものよりも小さく構成し、剪断力による樹脂内繊維の切断を低減して、強度及び剛性が高く、かつ耐衝撃性の大きい樹脂成形品を得ることを狙いとしている。
特許第3157966号に開示された射出スクリュは、スクリュのフライト幅をスクリュ直径の0.3〜0.5倍の範囲内としたもので、通常の射出成形機用スクリュ(フライト幅はスクリュの直径の0.2倍以下)に比較して加熱シリンダ内における成形材料の滞留量が少なくなり、滞留時間が短縮されるため、熱履歴を受けにくく、成形材料の変色や分解が防止され、コンタミの発生が少なくなる。
特開平8−318561号公報 (要約、段落0035、図1参照) 特許第3157966号公報 (特許請求の範囲、段落0011 図1参照)
射出成形機は、原料に長繊維を含有しない、又は、繊維を含有してもその繊維が短い強化樹脂の場合は、射出シリンダの外側からの加熱と同時に、射出スクリュで十分に混練して強い剪断作用を加えることによる剪断発熱により加熱するようになっている。射出成形機の原料が、長繊維を含有する熱可塑性樹脂の場合は、射出スクリュにおける剪断作用を減少させる必要がある。そのため、スクリュ溝の深さを浅くしたり、スクリュの回転速度を遅くしたり、特開平8−318561号に開示された射出スクリュのように、圧縮部を長くしている。そのため、圧縮比を従来のものよりも小さくして混練を緩やかにせざるを得ず、その結果、射出スクリュの溶融樹脂生成能力が低下する。
また、特許第3157966号に開示された射出スクリュは、スクリュのフライト幅をスクリュ直径の0.3〜0.5倍と大きく採って、シリンダ内における成形材料の滞留量を少なくして混練と熱履歴時間を短くしている。しかしながら、この構成ではスクリュのサイズに対して溶融可塑化される樹脂量が著しく少なくなるので、射出スクリュは樹脂可塑化能力が低いものとなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、長繊維を含有する熱可塑性樹脂の射出スクリュでの溶融中に、繊維の切断を少なくして製品強度の低下を避け、樹脂可塑化能力が著しく低下しないような射出スクリュを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の射出成形用スクリュは、以下の(1)〜(5)のように構成した。
(1)繊維含有熱可塑性樹脂を射出成形する射出成形機の射出成形用スクリュにおいて、前記射出スクリュのフライト頂部の幅をスクリュ直径の0.2〜0.4倍の範囲とした。
射出成形用スクリュは、長繊維含有熱可塑性樹脂を射出成形する射出スクリュの直径Dに対するスクリュ長さLの割合(L/D)が18〜25である射出スクリュに適用することがより効果的である。
(2)前記(1)の射出成形用スクリュは、前記繊維含有熱可塑性樹脂が溶融樹脂となる前記射出スクリュの領域で、かつ射出スクリュのフライト頂部におけるスクリュ先端側に、前記繊維含有熱可塑性溶融樹脂の入り込みが可能な1mm以下の段差をスクリュの径方向に形成することができる。
射出成形スクリュは、スクリュ先端よりスクリュ直径の約8倍長さ(8D)の範囲のフライト頂部のスクリュ先端側に、フライト幅の0.1〜0.9倍の範囲にステップランドを設けるとより効果的である。
(3)前記(1)及び(2)の発明は、前記射出スクリュの先端に設置したチェックリングの摺動ストロークを5mm〜20mmとするとより効果的である。
(4)また、本発明の射出成形機は、繊維含有熱可塑性樹脂を射出成形する射出成形機の射出スクリュにおいて、前記射出スクリュの先端に設置したチェックリングの摺動ストロークを5mm〜20mmとした。
(5)本発明の射出成形方法は、射出スクリュのフライト頂部の幅をスクリュ直径の0.2〜0.4倍の範囲に形成し、前記射出スクリュのフライト頂部におけるスクリュ先端側に1mm以下の段差をスクリュの径方向に形成し、前記射出スクリュの先端に設置したチェックリングの摺動ストロークを5mm〜20mmとした射出スクリュを用い、繊維と熱可塑性樹脂を加熱、混練、溶融して繊維含有可塑化樹脂を射出成形するようにした。
この射出成形方法は、硝子繊維長3mm以上、硝子繊維含有率10質量%以上の長繊維含有熱可塑性樹脂を用いるとより効果的である。
本発明の上記(1)に記載した射出成形用スクリュは、フライト幅を広くすることにより、スクリュ溝内の樹脂への熱伝達を向上し、含有繊維破断の減少により、スクリュへの樹脂詰まりが抑制され、可塑化時間が安定し、射出する溶融樹脂温度が上昇して充填不良を起こさない。
本発明の上記(2)に記載した射出成形用スクリュは、前記スクリュのフライト頂部のスクリュ前進側にステップランドをスクリュ先端より(例えば、スクリュ直径の約8倍長さ以内)に設けたことにより、スクリュに潤滑性を増加し、シリンダとの間の齧り、焼付きを防止し、安定した稼働運転が可能で、スクリュの寿命を延ばす効果がある。
また、本発明の上記(3)、(4)に記載した射出成形用スクリュは、スクリュ先端のチェックリングの摺動ストロークを従来の小寸法のものを大きく移動可能とすることにより、溶融樹脂に含有する樹脂強化用繊維の切断を相当に回避して繊維長を保つことができて強度の優れた良質な繊維含有樹脂成形品が得られる。
さらに、本発明の上記(5)に記載した射出成形方法は、スクリュ溝内の樹脂への熱伝達を向上し、含有繊維破断の減少により、スクリュへの樹脂詰まりが抑制され、可塑化時間が安定し、射出する溶融樹脂温度が上昇して充填不良を起こさない。また、スクリュに潤滑性を増加し、シリンダとの間の齧り、焼付きを防止し、安定した稼働運転が可能で、スクリュの寿命を延ばす効果がある。溶融樹脂に含有する樹脂強化用繊維の切断を相当に回避して繊維長を保つことができ、強度の優れた良質な繊維含有樹脂成形品が得られる。
以下、本発明の射出成形方法及び射出成形スクリュの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、射出成形機の射出スクリュを示す側面図であり、図2は図1の射出スクリュのフライト部のA−A断面図に、図7の従来の射出スクリュのフライト部のA’−A’断面を重ねた図であり、図3は図1の射出スクリュのフライト部のBーB断面図である。また、図4は、図1の射出スクリュのフライト幅の増大に対する樹脂材料の可塑化量の変化を示す線図であり、図5及び図6は、図1の射出スクリュのチェックリングストロークの増加に対する射出シリンダ先端に押出された樹脂材含有繊維長さの変化を示す線図である。
射出スクリュ1は、射出成形機のシリンダ10内に水平方向に配設され、射出スクリュの後端側(図面右側)が図示しない駆動モータと連結されている。射出スクリュ1の外周部には、外周面から突出する1本の螺旋状のフライト2を形成し、射出スクリュ1の先端には、スクリュチップ5を設けている。また、スクリュチップ5とスクリュ軸部との間には、チェックリング6が小径軸7に嵌合してスクリュ軸方向に対して摺動可能に設けている。
射出スクリュ1の長さは、スクリュ部1aの長さLが、直径Dの18〜25倍の長さを有し、従来の射出スクリュ21(図7)と同様に、後端側から先端側へ向かって、ほぼ3分割の領域で、供給部、圧縮部及び計量部を備えている。
射出スクリュ1の外周部に形成されているフライト2の幅Wは、スクリュ直径Dの0.2〜0.4倍であり、図7に示す従来の射出スクリュ21のフライト22の幅F0と比べて幅広となっている。なお、従来の射出スクリュ21のフライト22の幅F0は、F0<0.2D0である(D0はスクリュ直径)。図2に射出スクリュ1のフライト2のA−A断面における幅Wと、従来の射出スクリュ21のフライト22のA’−A’断面における幅F0を重ねて示している。
また、図1と、図1のB−B断面の図3に示すように、フライト22の頂き部には、射出スクリュ1の先端側に位置させて段差Tとしてのステップランド4aを連続的に形成している。ステップランド4aは、射出スクリュ1の先端からスクリュ直径(D)の1倍以上、8倍(8D)以下の長さであり、ステップランド4aの幅Mは、フライト2の幅Wの0.1〜0.9倍の範囲で、段差Tは1.0mm以下である。
ステップランド4aの長さをスクリュ1の先端からとしたのは、ステップランド4aは、樹脂が溶融している範囲でないと効果が得られないからである。スクリュ直径(D)の1倍以上としたのは、ステップランド4aの設置長さが短いと、囓りを抑制する十分な効果が得られないからである。スクリュ直径(D)の8倍以下としたのは、溶融樹脂が十分に存在する範囲であり、それ以上であると十分な効果が得られないからである。
ステップランド4aの幅Mは、樹脂の物性(溶融粘度など)や可塑化条件で異なるが、実用範囲では上述したように、フライト2の幅Wの0.1〜0.9倍である。ステップランド4aの幅が小さすぎると、スクリュ1の囓りを抑制する十分な効果が得られない。幅が大きすぎるとステップランド4aに入り込んだ樹脂が、フライト2を乗り越えて逆流してしまう可能性がある。
また、ステップランド4aのスクリュの囓り抑制効果は、ステップランド4aの段差が大きくなると減少する。そこで、樹脂が入りやすく囓り抑制効果がある範囲としてステップランド4aの段差は1.0mm以下であれば、十分に効果が得られる。
チェックリングの摺動ストロークは、射出スクリュの径で効果的な範囲が多少異なるが、例えば、射出スクリュ1の直径が70mm未満のスクリュにおけるチェックリング6の摺動ストロークS1は、スクリュ直径の0.15〜0.35倍の範囲で効果的である。また、スクリュ直径が70mm以上のスクリュにおけるチェックリング6の摺動ストロークS2は、スクリュ直径の0.15〜0.30倍の範囲で効果的である。両者に見合った、チェックリング6の摺動ストロークS1,S2は、5〜20mmの範囲が効果的である。チェックリングストロークが大きすぎると、射出時に樹脂の逆流(バックフロー)を防止するシール効果が不安定となり、生産において成形品の重量にバラツキが生じ、少なすぎると樹脂の逆流は少なくなるが、樹脂の流路が狭くなるためガラス繊維が折れやすい。
長繊維含有熱可塑性樹脂を射出成形する射出スクリュのスクリュ先端に設置されたチェックリング6と小径軸7との間は、長繊維含有溶融樹脂15が通り抜ける隙間が設けてある。射出スクリュ1が回転しながら緩速で後退すると、溶融可塑化した樹脂はこの隙間と射出シリンダ10とチェックリング6との隙間を通って射出スクリュの先端の射出シリンダ10内に貯溜する。射出スクリュ1が回転を停止し、急速前進して溶融樹脂15を射出するとき、チェックリング6は逆止弁の作用をする。
長繊維含有熱可塑性樹脂15を加熱、可塑化するときの射出スクリュ1の作用について説明する。
図2に示すように、射出スクリュ1が回転して樹脂15を搬送するとき、図示しないヒータにより加熱された射出シリンダ10には、矢印に示すように、熱が樹脂15とフライト2に伝えられる。フライト2は特殊鋼で作られ、熱伝導率が樹脂15より遥かに大きいので、伝えられる熱量は大で熱伝導速度も早く、フライト2に伝えられた熱はスクリュの溝底3へ伝わり、溝底3から樹脂15を加熱することができる。
従来の射出スクリュ21においては図2に破線で示したように、フライト22の幅が小さいので、フライト22とスクリュ溝23を経由する熱量は少ない。従って、射出スクリュ1のフライト2,2間に溜めて送られる樹脂量はフライト2の幅が広い分だけ少なく、図4に示すように、射出スクリュ1を同一回転速度とすれば、樹脂の加熱可塑化の能力はやや減少するが、樹脂加熱速度が早いのでフライト深さが同じ従来のスクリュ21より回転速度を早くすることにより、ほとんど同じ可塑化能力を持つことができる。
図4のフライト幅の増大に対する、樹脂材料の可塑化量の変化を示す線図の運転条件は、
スクリュ径:120mm
スクリュ回転数:60(1/min)
樹脂材料:PP(ポリプロピレン、含有繊維は繊維長9mmの硝子繊維で含有率は40質量%)
また、上記と同じ運転条件で、可塑化量を480kg/hとして、フライト2の幅が0.1D、0.15D、0.2D、0.3D、0.4Dの各射出スクリュによる射出を行った樹脂の加熱可塑化の実験によると、
フライト2の幅が0.1Dのとき、射出の10ショット目にスクリュに樹脂詰まりを生じて溶融樹脂の送出が不可能になり、フライト2の幅が0.15Dのとき、射出の20ショット目付近からスクリュに樹脂詰まりが始まって可塑化時間が増加し、30ショット付近でスクリュに樹脂詰まりを生じて溶融樹脂の送出が不可能になった。フライト2の幅が0.2D以上では、スクリュに樹脂詰まりが生じることなく、可塑化時間に変化はないという結果が観測されている。なお、許容できる可塑化量の下限値350kg/hからフライト2の幅は0.4Dまでが実用的である。フライト2の幅を0.4D以上とすると、可塑化能力が大幅に低減するからである。
このように、フライト2の幅を0.2D以上にすると、フライト2の幅が広いので樹脂15がフライト2とシリンダ10の隙間をくぐり抜けられる。樹脂に含有する長繊維(硝子繊維)は、従来のフライト21におけるように短距離で折り曲げられることが防止される。こうして、長繊維の切断を減少させ、樹脂の可塑化、送りが滑らかになり、フライト2と射出シリンダ10の間に繊維が詰まることが少なくなり、設定した可塑化時間を維持することができる。
図1と図3に示すように、射出スクリュ1の計量部(長さ8D)において、フライト2の外周4に段差1.0mm以下のステップランド4aを設けている。射出スクリュ1が回転することにより、ステップランド4a側から射出シリンダ10の内周とステップランド4aとの間に溶融樹脂15が入って流動圧を生じる。そしてさらに、樹脂には、潤滑作用が働くので、スクリュ1の齧りが無くなり、長繊維の切断が避けられ、樹脂の変質を防止し、スクリュ1の耐久性が向上する。
成形サイクルの樹脂溶融可塑化工程において、射出スクリュ1が回転しながら緩速で後退し、溶融樹脂は射出シリンダ10とチェックリング6との隙間を通ってスクリュチップ5の先の射出シリンダ10内に貯溜する。このとき樹脂はチェックリング6のリング面とこれに対面するスクリュのリング面との間を通り、チェックリング6の内筒面とスクリュ1の小径軸7の外径との嵌合隙間を通り、さらに、射出シリンダ10とチェックリング6との隙間を通ってスクリュチップ5の外側を通って射出シリンダ10の先端に貯溜される。
従来のチェックリング28は摺動ストロークが2.5〜3.5mmと小さいため、溶融樹脂に含有する長繊維が折り曲げられる機会が多く、折角の長繊維が短く切断され強度が低下してしまう。本発明では、射出スクリュ1先端に設けられたチェックリングの摺動ストロークSを5〜20mmの範囲内にすることにより、溶融樹脂に含有する長繊維の折り曲げられる機会が減少し、長繊維の長さが保たれて強度低下が防止できる。
射出スクリュ1のチェックリングストロークSの増加と、繊維長と、射出シリンダ先端に押出された樹脂材含有繊維長さ(パージ材残存繊維長)の変化を調べた。
[試験1]
射出スクリュと長繊維含有熱可塑性樹脂の条件は、下記の通りである。
スクリュ径D:120mm
スクリュ回転数:60(1/min)
樹脂材料:PP(硝子繊維含有率は40質量%)
樹脂含有繊維長(試料):8、9、12mmの3種
[試験2]
射出スクリュと長繊維含有熱可塑性樹脂の条件は、下記の通りである。
スクリュ径D:60mm
スクリュ回転数:80(1/min)
樹脂材料:PP(硝子繊維含有率は40質量%)
樹脂含有繊維長(試料):8、9、12mmの3種
試験1の結果を図5に示し、試験2の結果を図6に示す。
スクリュ径D、60mm、120mmの射出スクリュの両者が共に、チェックリングのストロークが5mmに至るまで、各繊維長毎に急激に繊維長の上昇が見られた。そして、ストロークが5mm以上で緩やかな上昇、若しくは均衡状態が見られた。また、ストロークが5mm以上であれば、両者の射出スクリュ共に各原料繊維長12、9、8mmの全てが、半分以上の長さを維持することが分かった。
よって、チェックリングのストロークが5mm以上であれば、原料繊維の元長さの長短にかかわらず、原料繊維は半分程度以上の長さを確保できる。一方、成形製品は、繊維長が長ければ長いほど強くなるが、平均1.5mm〜2mmから急激に強度アップするといわれている。これによると、射出成形機の射出時点では、1.5〜2mmの繊維長を確保できれば、高強度の製品作製が可能である。したがって、射出成形機に用いる繊維の元長さは、切断されても1.5mmの長さを維持できる3mmの長さのものに適用が可能である。
また、繊維の含有率は、10%以上が有効である。含有率が、10%未満だと製品強度がでず、10%を越えれば、製品強度が大きくなるからである。市場の主流では、繊維含有率は40質量%程度であるが、含有量が多すぎると可塑化に支障を来すので、支障のない範囲での混入が必要である。
よって、本発明の射出成形用スクリュ及びこれを備えた射出成形機は、実用的には、繊維長が3mm以上、繊維含有率10質量%以上の長繊維含有熱可塑性樹脂が適用可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明の技術的思想に基いて種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、PPの長繊維樹脂を例として挙げたが、繊維については、その他の樹脂や硝子繊維にも適用が可能である。
さらに、既設の射出成形機に備えられている従来のスクリュを、本発明の射出成形用スクリュに置き換えることによっても、本発明の効果を奏することはもちろんである。
本発明の実施の形態による射出成形用スクリュの側面図である。 図1の射出成形用スクリュのフライト部のAーA線方向の断面に、図7の従来の射出スクリュのフライト部のA’−A’断面を重ねた断面図である。 図1の射出成形用スクリュのフライト部のB−B線方向における断面図である。 図1の射出成形用スクリュのフライト幅の増大に対する、樹脂材料の可塑化量の変化を示す線図である。 図1の射出成形用スクリュ(スクリュ径120mm)のチェックリングストロークの増加に対する、射出シリンダ先端に押出された樹脂材含有繊維長さの変化を示す線図である。 図1の射出スクリュ(スクリュ径60mm)のチェックリングストロークの増加に対する、射出シリンダ先端に押出された樹脂材含有繊維長さの変化を示す線図である。 従来の射出成形用スクリュの側面図である。
符号の説明
1 射出成形用スクリュ
2 フライト
3 スクリュ溝底
4 フライトの外周
4a ステップランド
6 チェックリング
10 射出シリンダ
15 長繊維含有溶融樹脂
D 射出スクリュ直径
W フライト幅
S チェックリングのストローク

Claims (6)

  1. 繊維含有熱可塑性樹脂を射出成形する射出成形機の射出成形用スクリュにおいて、
    前記射出スクリュのフライト頂部の幅をスクリュ直径の0.2〜0.4倍の範囲としたことを特徴とする射出成形用スクリュ。
  2. 前記繊維含有熱可塑性樹脂が溶融樹脂となる前記射出スクリュの領域で、かつ射出スクリュのフライト頂部におけるスクリュ先端側に、前記繊維含有熱可塑性溶融樹脂の入り込みが可能な1mm以下の段差をスクリュの径方向に形成したことを特徴とする請求項1に記載の射出成形用スクリュ。
  3. 前記射出スクリュの先端に設置したチェックリングの摺動ストロークを5mm〜20mmとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用スクリュ。
  4. 繊維含有熱可塑性樹脂を射出成形する射出成形機の射出スクリュにおいて、前記射出スクリュの先端に設置したチェックリングの摺動ストロークを5mm〜20mmとしたことを特徴とする射出成形用スクリュ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形用スクリュを含んでなる射出成形機。
  6. 射出スクリュのフライト頂部の幅をスクリュ直径の0.2〜0.4倍の範囲に形成し、前記射出スクリュのフライト頂部におけるスクリュ先端側に1mm以下の段差をスクリュの径方向に形成し、前記射出スクリュの先端に設置したチェックリングの摺動ストロークを5mm〜20mmとした射出スクリュを用い、
    繊維と熱可塑性樹脂を加熱、混練、溶融して繊維含有可塑化樹脂を射出成形することを特徴とする射出成形方法。
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