JP2003257446A - 燃料電池セパレータ成形用複合材及びその製造方法、並びに該複合材を用いた燃料電池セパレータ - Google Patents

燃料電池セパレータ成形用複合材及びその製造方法、並びに該複合材を用いた燃料電池セパレータ

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JP2003257446A
JP2003257446A JP2002368501A JP2002368501A JP2003257446A JP 2003257446 A JP2003257446 A JP 2003257446A JP 2002368501 A JP2002368501 A JP 2002368501A JP 2002368501 A JP2002368501 A JP 2002368501A JP 2003257446 A JP2003257446 A JP 2003257446A
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Hiroshi Kitade
拓 北出
Mitsuo Suzuki
光雄 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的特性及び電気的特性を兼ね備え
た燃料電池セパレータを製造するための燃料電池セパレ
ータ成形用複合材及びその製造方法、並びに該複合材を
用いた燃料電池セパレータを提供する。 【解決手段】 マトリックス中に炭素質粉末1が分散さ
れてなる複合材であって、該マトリックスは該炭素質粉
末1を被覆する樹脂被覆層2と、該樹脂被覆層2を形成
する樹脂よりも高耐熱性の樹脂強化相3とで形成されて
いる燃料電池セパレータ成形用複合材。この燃料電池セ
パレータ成形用複合材を、第1の樹脂を、該第1の樹脂
が完全相溶可能な有機溶媒に相溶させた後、これを炭素
質粉末と混合して、該炭素質粉末1表面に該第1の樹脂
よりなる樹脂被覆層2を形成し、次いで、前記有機溶媒
に対して低相溶性であるか又は実質的に相溶性がなく、
かつ、前記第1の樹脂よりも高耐熱性の第2の樹脂を混
合した後、加熱、混練、押し出しすることによって製造
する。この燃料電池セパレータ成形用複合材を加熱後、
射出成形又は圧縮成形してなる燃料電池セパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池セパレー
タ成形用複合材及びその製造方法、並びに該複合材を用
いた燃料電池セパレータに関する。
【0002】詳しくは、優れた機械的特性及び電気的特
性を兼ね備えた燃料電池セパレータを製造するための燃
料電池セパレータ成形用複合材及びその製造方法、並び
に、該複合材を用いた燃料電池セパレータに関する。
【0003】
【従来の技術】近年、資源問題や環境問題等に応えた発
電システムとして、水素と酸素の反応を利用した燃料電
池が注目され、様々な分野での実用化が検討されてい
る。
【0004】燃料電池の基本構造は、電解質を多孔質正
負電極板で挟み、その両外側に、ガスバリア性、導電性
の板状セパレータを配したセルを、数十〜数百セル積層
させたものであり、代表的には、水素及び空気等の反応
ガス流路としての溝を、各正負電極板のセパレータ側表
面に刻設したリブ付電極方式と、各セパレータの表面に
刻設したリブ付セパレータ方式等がある。このような燃
料電池に用いられるセパレータは、一般に、導電性物質
としての炭素質粉末を、フェノール樹脂に代表される熱
硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂等の樹脂よりなる結着材と
混合して加熱下に加圧成形することにより製造されてい
る。
【0005】例えば、特開2000−182630号公
報には、フェノール樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フ
ルフリルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、
尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シ
リコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビスマレイミ
ドトリアジン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、芳
香族ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネー
ト、ポリオキサメチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルク
ロライド、ポリフェニールサルフォン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、
ポリアリレート、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、ポ
リオキシベンゾイルエステル樹脂、液晶ポリエステル樹
脂、芳香族ポリエステル、ポリアセタール、ポリアリル
スルフォン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルニ
トリル、ポリチオエーテルスルフォン、ポリフェニレン
エーテル等の熱可塑性樹脂;フッ素ゴム、シリコーンゴ
ム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニ
トリルクロロプレンゴム、塩素化ブチルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、エピクロルヒドリンーエチレンオキサ
イドゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイドー
アクリルグリシルエーテル3次元共重合体、ウレタンゴ
ム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレ
ンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム等のゴムを結着材と
して用い、これを炭素質粉末と混合して成形することに
より燃料電池セパレータを得ることが記載されている。
【0006】しかしながら、炭素質粉末と上述のような
樹脂結着材を含有する成形体からなる燃料電池セパレー
タは、成形性や強度等の機械的特性と、導電性等のセパ
レータとしての機能が相容れない問題があった。即ち、
成形性を高めたり、炭素質粉末の結着度を高めて機械的
特性を向上させるためには、結着材が多い方が望ましい
が、結着材が多いと、相対的に炭素質粉末の含有割合が
少なくなって、導電性が低下する。特に、射出成形にお
いては、成形材料に対して高い流動性が要求させるた
め、この要求を満たすためには結着材を多く必要とし、
この結果、導電性が損なわれることとなる。
【0007】なお、粉体を混合、混練する手法として、
特開平11−204120号公報には、エポキシ樹脂と
フェノール樹脂を黒鉛粉末と共にメチルイソブチルケト
ン溶媒を加えてボールミルでスラリー状に混練、乾燥す
ることにより、燃料電池セパレータ成形用複合材を作成
することが記載されている。また、特開2001−18
1519号公報には、熱硬化性樹脂及び黒鉛と、ポリビ
ニルブチラール又はポリビニルブチラール及びアクリロ
ニトリルブタジエンゴムの混合物とをヘンシェルミキサ
ーのような混練機械で混合して燃料電池セパレータ成形
用材料とすることが記載されている。
【0008】また、特開昭58−5977号公報には、
アルカリ水溶液電解質型燃料電池の炭素バイポーラプレ
ートとして、黒鉛粉末に親和性処理を施してから耐アル
カリ性樹脂を付着させることが記載されている。そし
て、この親和性処理として、ステアリン酸処理、フェノ
ール樹脂処理、ポリエステル処理、プロセスオイル処
理、ナフテン系オイル処理、脂肪酸処理、水ガラス処理
などが記載されている。また、耐アルカリ性樹脂として
は、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹
脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリ四
弗化エチレン−ポリ六弗化プロピレン樹脂などが記載さ
れている。
【0009】
【特許文献1】特開2000−182630号公報
【特許文献2】特開平11−204120号公報
【特許文献3】特開2001−181519号公報
【特許文献4】特開昭58−5977号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、炭素質粉
末と樹脂のような結着材とを混合して燃料電池セパレー
タを成形する場合、成形性、機械的物性と、導電性等の
セパレータとしての要求特性とを共に満たすことは困難
であり、この問題を解決するためには、セパレータ性能
と結着性とのバランスを高めることが必要である。
【0011】ところで、上述の如く、結着材樹脂の中に
は、汎用樹脂に対して、いわゆるエンジニアリングプラ
スチックと称される高耐熱性の樹脂がある。従って、耐
久性や強度の高い粘りのある高性能な燃料電池セパレー
タを得るには、炭素質粉末を高密度に充填して導電パス
を最大限に有効利用しつつ、その空隙部分を、高耐熱性
樹脂で埋めたものが得られれば、比較的少量の結着材で
も機械的特性とセパレータとしての機能が満たされ、工
業的に有利であると考えた。
【0012】しかしながら、これらの高耐熱性樹脂は、
高耐熱性であるが故に、炭素質粉末表面を覆うように処
理することが困難であった。即ち、結着材で炭素質粉末
の表面を覆う処理としては、有機溶媒に溶解して炭素質
粉末と混合することが有利であり、これにより炭素質粉
末表面を結着材樹脂で高度に被覆することが可能となる
が、高耐熱性樹脂は、高耐熱性で、高強度、高耐久性を
発現するが故に、有機溶媒に対する相溶性が低いか実質
的に相溶しないため、このような方法を採用することが
できない。
【0013】前述の特開平11−204120号公報や
特開2001−181519号公報に記載される混練手
法では、炭素質粉末同士の間の空隙を結着材で埋めるに
は不十分であり、特に、高耐熱性、高強度性、高耐久性
の樹脂は炭素質粉末と馴染みにくく、点接触的に存在す
るに止まり、炭素質粉末表面に広がって炭素質粉末と面
接触しにくい。そのため、高耐熱性の樹脂が含まれてい
るにもかかわらず、本来の優れた機械的特性が生かされ
ず、優れた機械的特性及び電気的特性を兼ね備えた燃料
電池セパレータを得ることが難しかった。
【0014】また、特開昭58−5977号公報に記載
される親和性処理には、樹脂処理が含まれているもの
の、処理の仕方についての具体的な記載はない。
【0015】本発明は上記従来の問題点を解決し、優れ
た機械的特性及び電気的特性を兼ね備えた燃料電池セパ
レータを製造するための燃料電池セパレータ成形用複合
材及びその製造方法、並びに、該複合材を用いた燃料電
池セパレータを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池セパレ
ータ成形用複合材は、マトリックス中に炭素質粉末が分
散されてなる複合材であって、該マトリックスは該炭素
質粉末を被覆する樹脂被覆層と、該樹脂被覆層を形成す
る樹脂よりも高耐熱性の樹脂強化相とで形成されている
ことを特徴とする。
【0017】本発明の燃料電池セパレータ成形用複合材
の製造方法は、第1の樹脂を、該第1の樹脂が相溶可能
な有機溶媒に完全相溶させた後、これを炭素質粉末と混
合して、該炭素質粉末表面に該第1の樹脂よりなる樹脂
被覆層を形成し、次いで、前記有機溶媒に対して低相溶
性であるか又は実質的に相溶性がなく、かつ、前記第1
の樹脂よりも高耐熱性の第2の樹脂を混合した後、加
熱、混練、押し出しすることによって、炭素質粉末を樹
脂被覆層で被覆したものが、該樹脂被覆層を形成する樹
脂よりも高耐熱性の樹脂強化相を伴ってマトリックスを
形成した複合材を得ることを特徴とする。
【0018】即ち、本発明者らは、前述の如く、有機溶
媒に低相溶性の高耐熱性樹脂を結着材とし、これを炭素
質粉末と組み合せて優れた機械的特性及び電気的特性を
兼ね備えた燃料電池用セパレータを得るべく鋭意検討し
た結果、まず、有機溶媒に樹脂を完全相溶させたもので
炭素質粉末に樹脂被覆層を形成させた後、該有機溶媒に
対して難相溶性又は実質的に相溶性のない高耐熱性樹脂
と混練して樹脂強化相を形成することによって、樹脂被
覆層が炭素質粉末と樹脂強化相との接着機能を果たし、
炭素質粉末間の空隙を効率的に結着材で埋め、かつ、高
耐熱性、高強度性、高耐久性の樹脂を炭素質粉末表面に
面接触的に広げること、即ち、炭素質粉末を樹脂被覆層
で被覆したものが、樹脂強化相を伴ってマトリックスを
形成した燃料電池セパレータ成形用複合材が得られるこ
とによって、高耐熱性樹脂が本来備えた高強度性、高耐
久性を十分に生かすことができ、機械的特性及び電気的
特性が共に優れた燃料電池用セパレータが得られること
を見出し、本発明を完成した。
【0019】なお、前述の特開昭58−5977号公報
には、黒鉛粉末に親和性処理として樹脂処理を施してか
ら耐アルカリ性樹脂を付着させることが記載されている
が、具体的な処理方法についての記載はなく、親和性処
理として列記された処理方法は、耐アルカリ性樹脂と化
学結合による表面親和力を持たせるものである。
【0020】これに対して、本発明における樹脂被覆層
は、炭素質粉末と樹脂強化相の面接触を保てる限りにお
いてごく薄い被覆層とし、炭素質表面の空隙を樹脂強化
相で埋めたマトリックス状とすることで、炭素質粉末表
面の樹脂被覆層と樹脂強化相との樹脂同士の物理的なじ
みやすさを持たせ、電気的特性と機械的特性(強度)を
得るものであり、両者はそのメカニズムや得られる効果
が基本的に異なり、使用される樹脂の範囲においても異
なる。
【0021】本発明の燃料電池セパレータは、本発明の
燃料電池セパレータ成形用複合材又は本発明の方法によ
り製造される燃料電池セパレータ成形用複合材を加熱
後、射出成形又は圧縮成形してなるものであり、好まし
くは、JIS K7171に準拠して測定した、曲げ強
さが30MPa以上であり、JIS K7171に準拠
して測定した、曲げ破壊歪みが1%以上であり、体積抵
抗率が200mΩ・cm以下であり、かつ、接触抵抗値
が200mΩ・cm以下であるような優れた機械的特
性と導電性とを兼ね備える。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0023】まず、本発明で用いられる炭素質粉末、こ
の炭素質粉末に形成される樹脂被膜層、樹脂強化相、及
び複合材のマトリックスについて説明する。
【0024】[炭素質粉末]炭素質粉末としては、通
常、黒鉛粉末が用いられる。この黒鉛粉末としては、特
に制限はなく、鱗片状、粒状、塊状、土状等の天然黒
鉛、石油コークスやピッチコークス等を主原料に、混
捏、成形、焼成、黒鉛化により製造された塊状等の人造
黒鉛や、繊維状の人造黒鉛、例えば、PAN系、レーヨ
ン系、ピッチ系等の炭素繊維、該炭素繊維織布又は不織
布や、複合材料等を、必要に応じて粉砕したもの、その
他、膨張黒鉛などを用いることができる。
【0025】黒鉛粉末等の炭素質粉末は、導電性、電池
性能等の点から、灰分含有量が1重量%以下、特に0.
5重量%以下であるものが好ましい。また、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、遷移金属の含有量は、500p
pm以下、特に100ppm以下であるものが好まし
い。
【0026】また、炭素質粉末中の揮発分は、得られる
セパレータの表面平滑性、電池性能等の点から、2重量
%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。ま
た、固定炭素は98重量%以上のものが好ましく、99
重量%以上のものが特に好ましい。
【0027】炭素質粉末の粒径(一次粒子径)は、セパ
レータ性能等の面から、最大粒径が1000μm以下が
好ましく、500μm以下が更に好ましく、300μm
以下が特に好ましい。但し、セパレータの成形性及び性
能等の面から、微粉(例えば、0.1μm以下のような
微粉)を含まない方が好ましく、従って、炭素質粉末が
粒状(粒状とは、必ずしも球形に限らず、鱗片状、その
他の各種の異形形状を含む。)の場合、平均粒径として
は1〜100μm、特に3〜70μm、中でも5〜50
μmが好ましい。
【0028】炭素繊維等の繊維状の炭素質粉末であれ
ば、平均繊維径は通常1〜50μmであり、特に3〜2
0μm、中でも4〜15μmが好ましい。また、平均繊
維長は、通常10〜500μm、特に50〜500μ
m、中でも100〜500μmが好ましい。なお、この
平均繊維長は、燃料電池セパレータ成形用複合材中での
平均繊維長である。平均繊維長は、以下のように測定す
る。
【0029】液体窒素中に十分浸漬(通常5分程度)し
た燃料電池セパレータ成形用複合材を、ハンマーなどで
破断する。その破断面を電子顕微鏡等で、縦横それぞれ
約500μmとなる視野で観察し、両端が視野から外れ
ていない繊維の長さを100本実測する。100本の実
測値を相加平均し、これを平均繊維長とする。
【0030】また、繊維状の炭素質粉末の場合、原料と
しては、後述する製造工程の際に折れたり壊れたりする
ことを考慮し、上記範囲より大きい平均繊維長のものを
用いても良いが、通常50mm程度以下である。
【0031】樹脂被覆される炭素質粉末の単位は、上記
一次粒子だけでなく、二次粒子等の凝集体であってもよ
い。従って、下限値としては、一次粒子の大きさの下限
値でよく、1μm以上でよいが、上限値としては、通常
500μm以下、中でも400μm以下、特に300μ
m以下である。この上限値を超えると、得られる燃料電
池用セパレータが、応力をかけたときの変形耐性が低く
なりやすく、また、マトリックスのミクロな均一性が低
下しやすくなる。
【0032】[樹脂被覆層]本発明において、樹脂被覆
層は、炭素質粉末(一次粒子ないし凝集体)の表面の、
通常70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましく
は90%以上の表面を被覆するように形成されている。
樹脂による炭素質粉末の被覆状態は、例えば、成形用複
合材あるいは、成形後の燃料電池用セパレータの厚み方
向の断面のSEM写真による観察で調べることができ
る。
【0033】後述する、樹脂被覆層形成用の樹脂が相溶
可能な有機溶媒に、この樹脂を完全相溶させた後、炭素
質粉末を混合、乾燥する本発明の方法によれば、炭素質
粉末表面の95%以上、条件によっては、炭素質粉末表
面の実質的に全面を樹脂被覆層で覆うことができる。炭
素質粉末表面を樹脂被覆層で被覆する割合が多い程、炭
素質粉末と樹脂強化相とをなじみやすくして、炭素質粉
末間の空隙を樹脂強化相で効率良く埋めることができる
ので望ましい。
【0034】樹脂被覆層を構成する樹脂としては、ガラ
ス転移温度(Tg)が100℃以下、特に90℃以下、
とりわけ80℃以下である樹脂が、燃料電池セパレータ
成形用複合材及びセパレータの作製過程で溶融した際の
流動性が良好であることから、炭素質粉末表面に吸着し
やすくなるので好ましい。
【0035】ガラス転移温度の下限値としては、上記の
有機溶媒に完全相溶させた後炭素質粉末と混合、乾燥す
る方法に適用するには、有機溶媒への相溶性が確保され
ればよく、ゴム類などでは、−60℃程度のものまで使
用可能である。従って、樹脂被覆層を構成する樹脂のT
gは通常−60〜100℃である。
【0036】なお、燃料電池は、通常水の沸点付近で使
用されることから、樹脂被覆層を形成する樹脂の融点と
しては、50℃以上が好ましく、80℃以上が更に好ま
しく、100℃以上が特に好ましい。樹脂被覆層を形成
する樹脂の融点の上限は、200℃以下程度である。
【0037】樹脂被覆層を構成する樹脂としては、いわ
ゆる汎用熱可塑性樹脂、例えば、ポリスチレン、スチレ
ンアクリロニトリル共重合体、スチレンブタジエンアク
リロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルブチラー
ル系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビ
ニルエーテル、ポリビニルアルコール、エチレンビニル
アルコール共重合体等が挙げられる。また、天然ゴム
(イソプレンゴム)、ブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、アク
リロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム等のジエン系
ゴム、及び、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、
フッ素ゴム、ケイ素ゴム等の合成ゴム等の、樹脂に対し
ていわゆるゴムに分類されているゴム類のほか、スチレ
ン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラス
トマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリア
ミド系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマー等のいわゆる熱可塑性エラストマーに分
類されているものも使用しうる。また、汎用熱硬化性樹
脂、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂等を用いるこ
ともできる。
【0038】これらの樹脂は、1種を単独で用いても良
く、また複数種を組み合わせて用いても良い。
【0039】これらの中でも、汎用熱可塑性樹脂或いは
ゴム類や熱可塑性エラストマーを選択することが、少な
い含有量で樹脂被覆層としての効果が得やすく、機械的
強度、成形性を向上させることができるので、好まし
い。汎用熱可塑性樹脂としてはスチレン系樹脂が好まし
く、また、ゴムとしては、ジエン系ゴム、エチレンプロ
ピレンゴム等の炭化水素系ゴムが、熱可塑性エラストマ
ーとしてはスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0040】樹脂被覆層の厚みは、後述の樹脂強化相が
面接触的に樹脂被覆層を介して炭素質粉末表面に接触で
きる限りにおいて、できるだけ薄くて良く、その下限値
は、通常1μm以上、好ましくは2μm以上である。樹
脂被覆層の厚みがこれよりも薄いと、樹脂被覆が確実に
行われにくくなる。また、樹脂被覆層の厚みの上限値
は、通常50μm以下、好ましくは30μm以下、更に
好ましくは10μm以下である。これよりも樹脂被覆層
の厚みが厚いと、炭素質粉末同士が接触しにくくなり、
導電性が低下する傾向が生じやすく、また、樹脂強化相
を形成する樹脂本来の性能を生かしにくくなる。
【0041】炭素質粉末に対する樹脂被覆層の形成割合
の下限値は、炭素質粉末100重量部あたり、通常0.
1重量部以上、好ましくは1重量部以上、更に好ましく
は5重量部以上である。この割合よりも樹脂被覆層の形
成割合が少ないと、樹脂被覆が確実に行われにくくな
る。また、樹脂被覆層の形成割合の上限値は、炭素質粉
末100重量部あたり、通常50重量部以下、好ましく
は40重量部以下、更に好ましくは30重量部以下であ
る。この割合よりも樹脂被覆層の形成割合が多いと、炭
素質粉末同士が接触しにくくなり、導電性が低下する傾
向が生じやすく、樹脂強化相を形成する樹脂本来の性能
を生かしにくくなる。
【0042】[樹脂強化相]樹脂強化相は、上記樹脂被
覆層を形成する樹脂よりも高耐熱性の樹脂で構成され
る。この耐熱性は、ガラス転移温度(Tg)で表すこと
ができる。
【0043】樹脂強化相の樹脂が、樹脂被覆層の樹脂よ
りも高耐熱性であるためには、樹脂強化相の樹脂のTg
が、樹脂被覆層の樹脂のTgよりも高く、通常20℃、
特に30℃以上、さらには50℃以上高い温度となるの
が好ましい。
【0044】樹脂強化相を構成する樹脂は、ガラス転移
温度の下限値として、120℃以上、中でも130℃以
上、特に150℃以上とりわけ180℃以上である樹脂
が、得られる燃料電池セパレータが高耐熱性、高強度
性、高耐久性を示すので好ましい。
【0045】しかし、その一方で、樹脂強化相を構成す
る樹脂のガラス転移温度が過度に高いと、得られる複合
材において樹脂被覆層との境界部がなじみにくく、炭素
質粉末間の空隙率が高くなったり、得られる樹脂被覆層
を介して炭素質粉末表面に樹脂強化相が面接触的に広が
りにくくなることから、350℃以下、中でも300℃
以下とすることが望ましい。従って、樹脂強化相を構成
する樹脂のガラス転移温度は、通常120〜350℃で
ある。
【0046】なお、樹脂強化相を構成する樹脂の融点の
上限は、加熱加圧下での成形性等の面から、400℃以
下であるのが好ましく、350℃程度以下であるのが更
に好ましく、300℃程度以下であるのが最も好まし
い。また、樹脂強化相を構成する樹脂の融点の下限とし
ては、燃料電池が、通常水の沸点付近で使用されるこ
と、また、用いられる樹脂被覆層の樹脂との関係で、通
常100℃以上であることが好ましい。
【0047】樹脂強化相は、樹脂被覆層上に面接触的に
広がっていることが望ましいが、例えば、この状態は成
形用複合材あるいは、成形後の燃料電池用セパレータの
厚み方向の断面のSEM写真により観察することがで
き、樹脂強化相外周の樹脂被覆層への接触比率が、通常
10%以上、好ましくは20%以上であることが好まし
い。この接触比率は高ければ高いほど、機械的特性等の
面で好ましい。
【0048】なお、樹脂強化相外周の樹脂被覆層への接
触比率については、後述のマトリックスの空隙率の項で
詳細に説明する。
【0049】このような樹脂強化相を構成する樹脂とし
ては、いわゆるエンジニアリングプラスチックと称され
る樹脂が好ましいが、例えば、ポリフェニレンスルフィ
ド系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエーテルスルフ
ォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル
系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等の不飽和ポ
リエステル、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリ
アリルスルフォン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系
樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド系樹脂、ポリア
セタール系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂等の高
耐熱性熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0050】これらの樹脂は、1種を単独で用いても良
く、また複数種を組み合わせて用いても良い。
【0051】なお、強化相形成用樹脂は、前記したガラ
ス転移温度(Tg120℃以上)の耐熱性を備えている
かぎりにおいて、他の樹脂、例えば、前記した被覆層形
成用樹脂を予め相溶させるか、予め混合するか、あるい
は、樹脂被覆層を形成した炭素質粉末を混練する際に別
々に混合して、混練時に相溶させても良い。
【0052】このような樹脂強化相の樹脂の割合の下限
値は、炭素質粉末100重量部に対して、通常1重量部
以上、好ましくは5重量部以上、更に好ましくは10重
量部以上である。樹脂強化相の樹脂の割合がこれよりも
少ないと、得られるセパレータの機械的強度が出にくく
なる。また、樹脂強化相の樹脂の割合の上限値は、炭素
質粉末100重量部に対して、通常100重量部以下、
好ましくは90重量部以下、更に好ましくは80重量部
以下であり、これよりも多いと得られるセパレータの導
電性が低下しやすくなる。
【0053】[マトリックス]本発明の燃料電池セパレ
ータ成形用複合材においては、模式的に図1(図1
(a)は断面の模式図であり、図1(b)は図1(a)
の要部拡大図である。)に示されるように、炭素質粉末
1を樹脂被覆層2で被覆したものの間の空隙を樹脂強化
相3で埋めたマトリックスを形成していると考えられ
る。
【0054】即ち、燃料電池セパレータ成形用複合材或
いは成形後の燃料電池セパレータにおいて、炭素質粉末
1同士或いは樹脂被覆層2を介して炭素質粉末1が充填
されて導電パスが効率的に形成され、その空隙が高耐熱
性樹脂の結着材で埋められるか、或いは、樹脂被覆層を
形成した炭素質粉末の周りを樹脂強化相で取り巻いた状
態で、かつ、高耐熱性の樹脂強化相3を炭素質粉末1表
面に面接触的に広がった低空隙率のマトリックスを形成
している。
【0055】このマトリックスの空隙部4等の状態は、
前記したSEM写真で確認することができる。
【0056】このマトリックスの空隙率の上限値は通常
10%以下、好ましくは8%以下、更に好ましくは7%
以下である。空隙率がこれよりも多いと、得られる燃料
電池セパレータの機械的強度が低下しやすくなる。空隙
率の下限値は、低ければ低いほどよいが、2%程度ま
で、中でも1%程度までの空隙であれば、混練等の処理
に要する負担を軽減することができ、機械的特性、電気
的特性の共に優れた燃料電池セパレータを作成すること
ができる。従って、マトリックスの空隙率は、通常1〜
10%である。
【0057】なお、前述の如く、樹脂強化相3は、樹脂
被覆層2を形成した炭素質粉末1上に面接触的に広がっ
ていることが望ましく、樹脂強化相3外周の樹脂被覆層
2を形成した炭素質粉末1への接触比率が、通常10%
以上、好ましくは20%以上であることが好ましいが、
この被覆層への接触比率とは、例えば、図1(b)に示
す如く、樹脂被覆層2で被覆された炭素質粉末1同士の
間に樹脂強化相3が存在し、炭素質粉末1同士の間の空
隙部4を樹脂強化相3で埋めることによりマトリックス
が形成されている複合材において、樹脂強化相3の外周
面を形成する7つの曲線a−b,b−c,c−d,d−
e,e−f,f−g及びg−aの合計の長さに対する、
樹脂被覆層2が形成された炭素質粉末1と接触している
5つの曲線a−b,b−c,d−e,e−f及びf−g
の合計の長さの割合で求めることができる。
【0058】マトリックスを構成する樹脂被覆層を形成
する樹脂と、樹脂強化相を形成する樹脂の合計の含有割
合は、炭素質粉末100重量部に対して、通常1.1重
量部以上、好ましくは2重量部以上、更に好ましくは5
重量部以上である。この含有割合よりも少ないと、得ら
れる燃料電池セパレータの機械的強度が出にくくなる。
樹脂被覆層及び樹脂強化相の樹脂の合計の含有割合の上
限値は、炭素質粉末100重量部に対して、通常150
重量部以下、好ましくは140重量部以下、更に好まし
くは130重量部以下である。この含有割合よりも多い
と、得られる燃料電池セパレータの導電性が低下しやす
くなる。
【0059】なお、燃料電池セパレータの成形方法によ
って、マトリックスを構成する樹脂被覆層を形成する樹
脂と、樹脂強化相を形成する樹脂の合計の含有割合が異
なるため、例えば、比較的多量の樹脂を必要とする射出
成形で得られる燃料電池セパレータの方が、圧縮成形で
得られる燃料電池セパレータよりも、導電性が劣る傾向
にあるが、それぞれの成形法において、樹脂被覆層を形
成した場合には導電性が改良され、さらに、機械的物性
も改良される。
【0060】また、樹脂被覆層を形成する樹脂と、樹脂
強化相を形成する樹脂との含有比率(重量比)の下限値
(強化相形成用樹脂の比率が最も大きい場合)は、通常
1/99以上、好ましくは5/95以上である。この比
率よりも強化相形成用樹脂が多いと、樹脂被覆層と樹脂
強化相の面接触がしにくくなる。樹脂被覆層を形成する
樹脂と樹脂強化相を形成する樹脂の含有比率(重量比)
の上限値(強化相形成用樹脂の比率が最も小さい場合)
は、通常30/70以下、好ましくは25/75、更に
好ましくは20/80以下である。この比率よりも強化
相形成用樹脂が少ないと、樹脂強化相による機械的強度
が十分に出にくくなる。
【0061】このようなマトリックスの嵩密度の下限値
は、通常1.5g/cc以上、好ましくは1.6g/c
c以上、更に好ましくは1.7g/cc以上である。マ
トリックスの嵩密度がこれよりも低いと、マトリックス
の空隙が多く、得られるセパレータの機械的強度が低下
しやすい。マトリックスの嵩密度の上限値は、高い充填
率で炭素質粉末が詰まっているのが望ましいことから、
高ければ高いほど良いが、純粋な炭素質粉末の密度、即
ち、黒鉛の密度2.2g/cc付近が上限である。従っ
て、マトリックスの嵩密度は、通常1.5〜2.2g/
ccである。
【0062】本発明の燃料電池セパレータ成形用複合材
は、任意の形状で良いが、通常は、ペレット状又は粉体
とされる。本発明の燃料電池セパレータ成形用複合材が
ペレット状である場合、射出成形において取り扱い性の
良い大きさであることが好ましく、通常直径1mmφ以
上、好ましくは1.5mmφ以上、中でも2mmφ以上
で、通常10mmφ以下、好ましくは7mmφ以下、中
でも5mmφ以下であることが好ましい。また、粉体状
である場合は、圧縮成形において取り扱い性に優れ、型
への均一充填がしやすい大きさであることが好ましく、
平均粒径は、通常0.05mm以上、好ましくは0.1
mm以上、中でも0.2mm以上で、通常1mm以下、
好ましくは0.9mm以下、中でも0.8mm以下であ
り、最大粒径が通常2mm以下、好ましくは1.5mm
以下で、最小粒径が通常0.02mm以上、好ましくは
0.03mm以上であることが望ましい。
【0063】このような粉体は、ペレットを、任意の粉
砕機で粉砕することで作成することができるが、造粒に
よるものであっても良い。
【0064】本発明の燃料電池セパレータ成形用複合材
は、上記樹脂被覆層が形成された炭素質粉末以外の導電
性物質を更に含有していても良い。この場合、導電性物
質は、成形用複合材中に30重量%以下の含有率で含有
されていることが好ましい。導電性物質の含有率の下限
は、0.1重量%程度である。
【0065】含有される導電性物質の種類としては特に
制限はないが、黒鉛、膨張黒鉛、カーボンブラック、炭
素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、フ
ラーレン及び金属よりなる群から選ばれる1種又は2種
以上が挙げられる。金属としては、アルミニウム、銅、
亜鉛、鉄等或いはこれらの合金が挙げられる。
【0066】導電性物質の形状には特に制限はなく、鱗
片状、粒状、塊状、繊維状等各種の形状を採用し得る。
導電性物質が各種形状の粉末状の場合、その粒径又は繊
維長は炭素質粉末の粒径又は繊維長と同程度であること
が好ましく、この導電性物質についても、炭素質粉末と
同様の樹脂被覆層が形成されていることが、よりセパレ
ータの機械的特性を向上させることができるので好まし
い。
【0067】次に、本発明の燃料電池セパレータ成形用
複合材の製造方法について説明する。
【0068】本発明の方法に従って、燃料電池セパレー
タ成形用複合材を製造するには、樹脂被覆層を形成する
樹脂(第1の樹脂)を有機溶媒に完全相溶させた後、こ
れを炭素質粉末と混合して、樹脂被覆層を形成し、次い
で、該有機溶媒に対して低相溶性又は実質的に相溶性の
ない高耐熱性の樹脂(第2の樹脂)と混合、加熱、溶
融、混練して樹脂強化相を形成する。
【0069】樹脂の有機溶媒に対する相溶性は、樹脂の
耐熱性と相関づけられ、耐熱性が高いほど同一有機溶媒
への相溶性は低くなる傾向にある。即ち、樹脂強化相を
形成する樹脂として、樹脂被覆層を形成する樹脂に比べ
て、同一有機溶媒に対する相溶性が低いものを用いるこ
とで、炭素質粉末を樹脂被覆層で被覆したものが、該樹
脂被覆層をなす樹脂よりも高耐熱性の樹脂強化相を伴っ
てマトリックスを形成したものとすることができる。
【0070】樹脂被覆層を形成する樹脂、樹脂強化相を
形成する樹脂及び炭素質粉末は前述の通りである。
【0071】なお、樹脂を相溶可能な有機溶媒とは、下
記の相溶性テストで、樹脂溶解度が10%以上のものを
指す。
【0072】また、有機溶媒に対して低相溶性又は実質
的に相溶性のない樹脂の場合の低相溶性とは、下記の相
溶性テストで、樹脂溶解度が30%以下のものを指し、
実質的に相溶性のないものとは、同樹脂溶解度が10%
以下を指す。特に、樹脂溶解度が10%以下のものは、
高耐熱性の樹脂強化相を形成するので好ましい。
【0073】[相溶性テスト]樹脂を、5mm以下の大
きさとなるように切断、破砕、又は粉砕したもの(以
下、「原料樹脂」という)を、該樹脂に対して重量比で
5倍量の有機溶媒と室温(25℃)で混合し、回転速度
1000rpmで2時間攪拌を継続した混合物(以下、
「相溶化処理物」という)を、直ちに、濾過、乾燥して
得られる濾残樹脂の重量を測定し、下記式で適宜される
樹脂溶解度を求める。 樹脂溶解度(%)={(原料樹脂の重量−濾残樹脂の重
量)/原料樹脂の重量}×100
【0074】本発明の燃料電池セパレータ成形用複合材
の製造に当たり、樹脂を複数種混合して用いる場合にお
いては、相溶性テストは、用いる樹脂の混合比率に合致
した比率で、かつ、使用形態と同じ状態で、即ち、複数
種の樹脂を溶融、混練するなどして合わせてから用いる
場合はその形態で、単に複数種の樹脂をそれぞれペレッ
ト状のままで混合して用いる場合はその形態で、樹脂を
混合したもので上記相溶性テストを行う。
【0075】有機溶媒についても、複数種混合して用い
る場合においては、相溶性テストは、用いる有機溶媒の
混合比率及び使用形態に合致させて実施する。
【0076】また、完全相溶とは、有機溶媒と樹脂被覆
層形成用樹脂とを混合したものが、炭素質粉末と混合す
る際に、目視で一相の状態を指す。
【0077】樹脂被覆層形成用樹脂の完全相溶に用いる
有機溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等のアルカン類;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシク
ロアルカン類;エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、
オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ジアセト
ンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコ
ール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ類;プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエ
ーテル等のプロピレングリコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等の
ケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類;酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチ
ル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル
−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテー
ト、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン
酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレ
ン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、アミルベン
ゼン、ピリジン、アニリン、フェノール等の芳香族炭化
水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤等が挙げら
れ、中でも芳香族炭化水素類が好ましい。
【0078】このような有機溶媒の使用量の下限値は、
樹脂被覆層形成用樹脂1重量部に対して、通常0.5重
量部以上、好ましくは1重量部以上、更に好ましくは
1.5重量部以上である。この使用量よりも少ないと、
樹脂被覆層による被覆を十分に行いにくく、有機溶媒の
回収の手間がかり、非効率になる。有機溶媒の使用量の
上限値は、樹脂被覆層形成用樹脂1重量部に対して、通
常10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。こ
の使用量よりも多いと、樹脂が十分に炭素質粉末表面に
広がりにくくなる。
【0079】樹脂被覆層形成用樹脂を完全相溶させた有
機溶媒と炭素質粉末との混合は、単純な混合、或いは、
被覆被覆層形成用樹脂を有機溶媒に完全相溶させたもの
をフラッシングすること等により行える。具体的には、
タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレン
ダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合
機により均一に混合するか、或いは、一軸又は二軸押出
機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベン
ダー等の混練機により混合、混練する方法を採用するこ
とができる。なお、炭素質粉末は、用いる有機溶媒で予
め湿潤させておいても良い。
【0080】炭素質粉末の樹脂被覆層形成用樹脂が完全
相溶した有機溶媒への混合比率は、炭素質粉末に対す
る、樹脂被覆層形成用樹脂の比率が前述の範囲となるよ
うに適宜選択すればよい。この混合時の温度条件は、均
一に混合できる範囲であれば良く、必要に応じて加温し
ても良い。通常は室温(25℃)以上、中でも30℃以
上であり、80℃以下、中でも60℃以下程度で混合を
行うことが好ましい。
【0081】混合時の攪拌は均一に混合できるよう回転
速度、時間を選択する。混合時間については、通常1分
〜10時間、好ましくは数分〜数時間程度である。
【0082】上記混合によりペースト状になった場合
は、適宜加熱乾燥する。この加熱条件としては、有機溶
媒が蒸発する温度、時間とするのが良く、具体的には、
加熱温度は200℃以下、加熱時間は数分〜数十時間と
し、有機溶媒の含有量が好ましくは1重量%以下となる
まで乾燥させる。
【0083】このようにして樹脂被覆層を形成した炭素
質粉末は、樹脂強化相形成用樹脂と混合して加熱し、或
いは加熱して混合し、混合溶融状態で、タンブラーブレ
ンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー等の混合機により均一に
混合するか、或いは、一軸又は二軸押出機、ロール、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等の混練機
により混合、混練し、押し出して、ペレット化し、更
に、必要に応じて粉砕する。
【0084】この樹脂強化相形成用樹脂を樹脂被覆層を
形成した炭素質粉末と混合する際の両者の形状は、通常
粉末状であり、その平均粒径の下限値は、通常10μm
以上である。これよりも平均粒径が小さいと、混合時に
粉体が舞い上がったり、ホッパー内にブリッジしてスム
ーズな粉体供給が行いにくくなる。平均粒径の上限は、
通常、5mm以下のペレット、好ましくは、2mm以下
のペレット、更に好ましくは1mm以下(粉状)に粉砕
すると速やかな混練ができる。この混練に際しては、必
要に応じて、前述の有機溶媒を更に添加しても良い。
【0085】混練条件には特に制限はなく、混練が円滑
に行われるように適宜温度、時間を選択すればよいが、
例えば下記の通りである。
【0086】混練温度の下限値は、通常、用いる樹脂強
化相形成用樹脂の融点よりも50℃以上高い温度、好ま
しくは100℃以上高い温度である。この温度よりも低
いと、速やかに流動しにくく、樹脂被覆層と樹脂強化相
の密着が図りにくくなる。混練温度の上限値は、樹脂の
種類により一概に言えないが、あまりに高温だと用いる
樹脂の劣化が起こるので、劣化が起こらない温度未満、
通常450℃以下、好ましくは400℃以下とする。
【0087】混練時間は、用いる混練機により一概にい
えないが、1分〜10時間、好ましくは数分〜数時間程
度である。
【0088】得られる燃料電池セパレータ成形用複合材
に導電性物質を含有させる場合、導電性物質は、樹脂被
覆層及び樹脂強化相のいずれか又は双方に存在すること
が挙げられ、下記(1)〜(5)から選ばれる1以上に
導電性物質を添加して成形用複合材中に含有させれば良
い。 (1) 炭素質粉末 (2) 樹脂被覆層形成用樹脂を有機溶媒に完全相溶さ
せたもの (3) 樹脂被覆層形成用樹脂を有機溶媒に完全相溶さ
せたものと炭素質粉末の混合時及び/又は混合物 (4) 樹脂強化相形成用樹脂 (5) 樹脂被覆層を炭素質粉末表面に形成したものと
樹脂強化相形成用樹脂の混合時及び/又は混合物
【0089】なお、本発明の燃料電池セパレータ成形用
複合材は、好ましくは上述のような本発明の燃料電池セ
パレータ成形用複合材の製造方法により製造されるが、
何らこの方法に限定されず、他の方法に製造されたもの
であっても良い。
【0090】次に、本発明の燃料電池セパレータについ
て説明する。
【0091】本発明の燃料電池セパレータは、上述のよ
うな本発明の燃料電池セパレータ成形用複合材或いは本
発明の燃料電池セパレータ成形用複合材の製造方法で製
造された燃料電池セパレータ成形用複合材を、加熱溶融
して成形することにより製造される。この成形は、任意
の成形法でよく、圧縮成形はもとより、射出成形、射出
圧縮成形が挙げられる。
【0092】本発明の燃料電池セパレータの寸法や形状
には特に制限はないが、縦横の長さが各50〜1000
mm、中でも80〜500mm、厚さ0.5〜数10m
m、中でも1〜10mm程度の板状のセパレータが挙げ
られる。
【0093】この成形に当たり、金型表面に平行させた
多数の直線状等の突条を形成しておくことにより、成形
される板状セパレータの片表面或いは両表面にその直線
状等の突条に対応した反応ガス流路用溝を形成させるこ
とができる。
【0094】このような本発明の燃料電池セパレータの
体積抵抗率の上限は、通常200mΩ・cm以下、好ま
しくは150mΩ・cm以下、更に好ましくは100m
Ω・cm以下である。体積抵抗率は低いほど望ましい
が、通常、数mΩ・cm以上である。
【0095】本発明の燃料電池セパレータの接触抵抗値
の上限は、通常200mΩ・cm以下、好ましくは1
50mΩ・cm以下、更に好ましくは100mΩ・c
以下である。接触抵抗値も低いほど望ましいが、通
常、数mΩ・cm以上である。
【0096】また、本発明の燃料電池セパレータの機械
的特性は次の,を満たすものである。 JIS K7171に準拠して測定したセパレータ
の曲げ強さが、通常30MPa以上、好ましくは40M
Pa以上。この曲げ強さは強いほどよいが、実用的に得
られるのは、100MPa程度までである。 JIS K7171に準拠して測定したセパレータ
の曲げ破壊歪みが、通常1%以上、中でも1.5%上、
特に2%以上。この曲げ破壊歪みは大きいほど好ましい
が、電気的特性とのバランスを考慮すると、実用的に
は、下限値は5%程度である。
【0097】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない
限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0098】実施例1 天然黒鉛粉末(平均粒径30μm)2000gにトルエ
ン500ccを加えて混合して黒鉛粉末を湿潤させた
後、ポリスチレン160gをトルエン500ccに溶解
させた溶液をこの黒鉛粉末湿潤物に加え、双腕式ニーダ
ーを用いて1時間混練した後、110℃で5時間加熱、
乾燥させた。引き続いて、該混練物をミキサーを用いて
最大粒径が1mm以下となるように粗粉砕した後、該粉
砕物とカーボンブラック(ケッチェンブラックEC(D
BP吸油量360cm/100g,表面積(BET)
800m/g,揮発分0.5%,pH9.0,灰分
0.05))64g、ポリフェニレンエーテル286
g、スチレンブタジエンブロック共重合体(スチレン含
有率約30重量%)の水素添加誘導体であるスチレン系
熱可塑性エラストマー667g、トルエン500ccを
高速ミキサーに投入し、4分間混合し、次いで、280
℃に設定した2軸押し出し機にて混練した。引き続い
て、該混練物をミキサーを用いて最大粒径が1mm以下
となるように粗粉砕し、燃料電池セパレータ成形用複合
材を得た。
【0099】得られた燃料電池セパレータ成形用複合材
は、マトリックスの空隙率が約1%、樹脂被覆層の厚み
が約7μm、樹脂被覆層で被覆された炭素質粉末に対す
る、樹脂強化相外周の接触比率が約80%であった。
【0100】該複合材を100g秤量し、100×10
0mmシート用プレス金型に充填した。270℃の温
度、98MPaの圧力下で5分間プレス成形し、40℃
まで放冷後除圧することにより、縦及び横の長さが各々
100mmで、厚さ5mmの板状の燃料電池用セパレー
タを製造した。
【0101】得られたセパレータは、目視による表面状
態は、平滑で目立った凹凸がなく、その嵩密度は1.6
2g/ccであった。
【0102】縦及び横の長さが各々100mmで、厚さ
5mmの板状の試験片について、4端子法抵抗測定器
(三菱化学(株)製「Loresta MP」)によ
り、体積抵抗率を測定した。5点の平均値を測定値と
し、体積抵抗率は293mΩ・cmであった。
【0103】次に、JIS K7171に準拠し、長さ
100mm、幅10mm、厚さ5mmの試験片をセパレ
ータから切り出し、その試験片について、支点間距離8
0mm、試験速度5mm/分で、セパレータ板面に圧子
を当てて荷重をかけることにより、曲げ強さ、曲げ破断
歪みを測定した。5点の平均値を測定値とし、曲げ強さ
は30MPa、曲げ破壊歪みは1.2mmであった。
【0104】実施例2 炭素質粉末としてPAN系炭素繊維(三菱レーヨン社
製、繊維径7.5μm、繊維長:1cm)550gにト
ルエン250ccを加えて混合し、炭素繊維を湿潤させ
た後、実施例1と同じカーボンブラック3.8g及び気
相成長炭素繊維7.7g(いずれも導電性物質)と、ポ
リスチレン38.5gをトルエン250ccに溶解させ
た溶液の混合物を、この炭素繊維湿潤物に加え、双腕式
ニーダーを用いて40℃で1時間混練し、その後、10
0℃で3時間加熱、乾燥させた。引き続いて、該混練物
をミキサーを用いて最大粒径が1mm以下となるように
粗粉砕した後、該粉砕物とカーボンブラック30.8
g、気相成長炭素繊維61.5g、ポリフェニレンスル
フィド307.7gを混合し、次いで、300℃に設定
した2軸押し出し機にて溶融混練した。引き続いて、該
混練物をカッティングミルを用いて最大粒径が6mm以
下となるように粗粉砕し、燃料電池セパレータ成形用複
合材を得た。
【0105】得られた燃料電池セパレータ成形用複合材
は、マトリックスの空隙率が約3%、樹脂被覆層の厚み
が約5μm、樹脂被覆層で被覆された炭素質粉末に対す
る、樹脂強化相外周の接触比率が約50%であった。ま
た、燃料電池セパレータ成形用複合材中の炭素繊維の平
均繊維長は、254μmであった。
【0106】該複合材を金型温度100℃、シリンダ温
度350℃に設定した射出成形機を用いて、射出時間
0.82秒で成形し、縦及び横の長さが各々100mm
で、厚さ2mmの板状の燃料電池用セパレータを製造し
た。
【0107】得られたセパレータは、目視による表面状
態は、平滑で目立った凹凸がなく、その嵩密度は1.6
5g/ccであった。厚みを2mmとしたこと以外は、
実施例1と同様に体積抵抗率を測定したところ、5点の
平均値は、22mΩ・cmであった。
【0108】次に、試験片の大きさを長さ40mm、幅
40mm、厚さ2mmとし、支点間距離を34mmとし
たこと以外は、実施例1と同様にして曲げ強さ及び曲げ
破壊歪みを測定した。曲げ強さは83MPa、曲げ破壊
歪みは0.29mmであった。
【0109】また、接触抵抗値は151mΩ・cm
あった。接触抵抗値の測定法を以下に示す。まず、図2
に示すとおり、縦及び横の長さが各々100mm、厚さ
2mmの板状のセパレータ6を、100×100mmの
カーボンペーパー5,5で両面を挟み、さらに140×
140mmの金メッキを施した銅板4,4で挟んだ。こ
れを試験片(A)とする。図3に示すように、試験片
(A)を、接触抵抗測定器の加圧盤(可動側)8の中央
に静置し、油圧ジャッキ10を稼働させ、ガイド9に沿
って加圧盤(可動側)8を上昇させ、試験片(A)全面
が加圧盤(固定側)7に接し、さらに10Kgf/cm
の面圧がかかるまで圧縮加圧した。なお、加圧盤7,
8には、表面に絶縁処理を施している。試験片(A)の
上下の金メッキを施した銅板4,4にそれぞれ抵抗器1
1の測定端子を接続し、日置電機(株)製「HIOKI
3560 ACミリオームハイテスタ」にて抵抗値を
測定した。1cmあたりの抵抗値を算出し、この値
を、接触抵抗値(mΩ・cm)とし、5点の平均値を
測定値とした。
【0110】比較例1 炭素質粉末としてPAN系炭素繊維550g、ポリフェ
ニレンスルフィド346.2g、導電性物質としてカー
ボンブラック34.6g及び気相成長炭素繊維69.2
gを混合し、次いで、300℃に設定した2軸押し出し
機にて溶融混練した。引き続いて、該混練物をカッティ
ングミルを用いて最大粒径が6mm以下となるように粗
粉砕し、燃料電池セパレータ成形用複合材を得た。
【0111】得られた燃料電池セパレータ成形用複合材
は、マトリックスの空隙率が約1%、炭素質粉末に対す
る、樹脂強化相外周の接触比率が約5%であった。ま
た、燃料電池セパレータ成形用複合材中の炭素繊維の平
均繊維長は、167μmであった。
【0112】該複合材を金型温度100℃、シリンダ温
度350℃に設定した射出成形機を用いて、射出時間
0.85秒で成形し、縦及び横の長さが各々100mm
で、厚さ2mmの板状の燃料電池用セパレータを製造し
た。
【0113】得られたセパレータは、目視による表面状
態は、平滑で目立った凹凸がなく、その嵩密度は1.7
3g/ccであった。
【0114】このセパレータについて、実施例2と同様
に体積抵抗率を測定したところ、5点の平均値は、24
mΩ・cmであった。また、実施例2と同様にして曲げ
強さ及び曲げ破壊歪みを測定したところ、曲げ強さは7
0MPa、曲げ破壊歪みは0.18mmであった。ま
た、実施例2と同様にして接触抵抗値を測定したとこ
ろ、180mΩ・cmであった。
【0115】実施例3 炭素質粉末として天然黒鉛(平均粒径13μm)を使用
したこと以外は実施例2と同様にして、燃料電池セパレ
ータ成形用複合材を得た。
【0116】得られた燃料電池セパレータ成形用複合材
は、マトリックスの空隙ほとんどなく、樹脂被覆層の厚
みが約30μm、樹脂被覆層で被覆された炭素質粉末に
対する、樹脂強化相外周の接触比率が約60%であっ
た。
【0117】該複合材を金型温度100℃、シリンダ温
度350℃に設定した射出成形機を用いて、射出時間
0.94秒で成形し、縦及び横の長さが各々100mm
で、厚さ2mmの板状の燃料電池用セパレータを製造し
た。
【0118】得られたセパレータは、目視による表面状
態は、平滑で目立った凹凸がなく、その嵩密度は1.9
6g/ccであった。
【0119】このセパレータについて、実施例2と同様
に体積抵抗率を測定したところ、5点の平均値は、41
mΩ・cmであった。また、実施例2と同様にして曲げ
強さ及び曲げ破壊歪みを測定したところ、曲げ強さは4
8MPa、曲げ破壊歪みは0.08mmであった。ま
た、実施例2と同様にして接触抵抗値を測定したとこ
ろ、175mΩ・cmであった。
【0120】比較例2 炭素質粉末として天然黒鉛(平均粒径13μm)を使用
したこと以外は比較例2と同様にして、燃料電池セパレ
ータ成形用複合材を得た。
【0121】得られた燃料電池セパレータ成形用複合材
は、マトリックスの空隙率が約4%、炭素質粉末に対す
る、樹脂強化相外周の接触比率が約30%であった。
【0122】該複合材を金型温度100℃、シリンダ温
度350℃に設定した射出成形機を用いて、射出時間
0.90秒で成形し、縦及び横の長さが各々100mm
で、厚さ2mmの板状の燃料電池用セパレータを製造し
た。
【0123】得られたセパレータは、目視による表面状
態は、平滑で目立った凹凸がなく、その嵩密度は1.9
0g/ccであった。
【0124】このセパレータについて、実施例2と同様
に体積抵抗率を測定したところ、5点の平均値は、49
mΩ・cmであった。また、実施例2と同様にして曲げ
強さ及び曲げ破壊歪みを測定したところ、曲げ強さは4
6MPa、曲げ破壊歪みは0.07mmであった。ま
た、実施例2と同様にして接触抵抗値を測定したとこ
ろ、223mΩ・cmであった。
【0125】上記実施例2,3及び比較例1,2の結果
を表1にまとめて記載する。
【0126】表1に示すとおり、実施例2と比較例1、
実施例3と比較例2の対比から、炭素質粉末に樹脂被覆
層を形成することにより、体積抵抗率及び接触抵抗値が
下がっており、セパレータの導電性が向上している。ま
た、曲げ強さ、曲げ破壊歪みが大きくなっており、機械
的特性も向上していることが明らかである。
【0127】
【表1】
【0128】実施例4 天然黒鉛粉末(平均粒径13μm)900gにトルエン
250ccを加えて混合して黒鉛粉末を湿潤させた後、
ポリスチレン50gをトルエン250ccに溶解させた
溶液を、この黒鉛粉末湿潤物に加え、双腕式ニーダーを
用いて40℃で1時間混練し、その後、100℃で3時
間加熱、乾燥させた。引き続いて、該混練物をミキサー
を用いて最大粒径が1mm以下となるように粗粉砕し
た。該粉砕物と、ポリフェニレンスルフィド50gを混
合し、次いで、300℃に設定した2軸押し出し機にて
混練した。引き続いて、該混練物をミキサーを用いて最
大粒径が1mm以下となるように粗粉砕し、燃料電池セ
パレータ成形用複合材を得た。
【0129】得られた燃料電池セパレータ成形用複合材
は、マトリックスの空隙率が約1%、樹脂被覆層の厚み
が約10μm、樹脂被覆層で被覆された炭素質粉末に対
する、樹脂強化相外周の接触比率が約90%であった。
【0130】該複合材を100g秤量し、100×10
0mmシート用プレス金型に充填した。300℃の温
度、98MPaの圧力下で5分間プレス成形し、40℃
まで放冷後除圧することにより、縦及び横の長さが各々
100mmで、厚さ5mmの板状の燃料電池用セパレー
タを製造した。
【0131】得られたセパレータは、目視による表面状
態は、平滑で目立った凹凸がなく、その嵩密度は2.0
8g/ccであった。このセパレータについて、実施例
1と同様にして、体積抵抗率、曲げ強さ、曲げ破壊歪み
を測定したところ、それぞれ、8mΩ・cm、67MP
a、0.78mmであった。
【0132】比較例3 天然黒鉛(平均粒径13μm)900g及びポリフェニ
レンスルフィド100gを混合し、次いで、300℃に
設定した2軸押し出し機にて混練した。引き続いて、該
混練物をミキサーを用いて最大粒径が1mm以下となる
ように粗粉砕し、燃料電池セパレータ成形用複合材を得
た。
【0133】得られた燃料電池セパレータ成形用複合材
は、マトリックスの空隙率が約1%、炭素質粉末に対す
る、樹脂強化相外周の接触比率が約80%であった。
【0134】該複合材を100g秤量し、100×10
0mmシート用プレス金型に充填した。300℃の温
度、98MPaの圧力下で5分間プレス成形し、40℃
まで放冷後除圧することにより、縦及び横の長さが各々
100mmで、厚さ5mmの板状の燃料電池用セパレー
タを製造した。
【0135】得られたセパレータは、目視による表面状
態は、平滑で目立った凹凸がなく、その嵩密度は2.0
9g/ccであった。このセパレータについて、実施例
1と同様にして、体積抵抗率、曲げ強さ、曲げ破壊歪み
を測定したところ、それぞれ、9mΩ・cm、60MP
a、0.64mmであった。
【0136】上記実施例4及び比較例3の結果を表2に
まとめて記載する。
【0137】表2に示すとおり、実施例4と比較例3と
の対比から、炭素質粉末に樹脂被覆層を形成することに
より、体積抵抗率が下がっており、セパレータの導電性
が向上している。また、曲げ強さ、曲げ破壊歪みが大き
くなっており、機械的特性も向上していることが明らか
である。
【0138】
【表2】
【0139】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、優
れた機械的特性及び電気的特性を兼ね備えた燃料電池セ
パレータを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の燃料電池セパレータ成
形用複合材及び燃料電池セパレータにおいて、樹脂被覆
層で被覆した炭素質粉末が、該樹脂被覆層をなす樹脂よ
りも高耐熱性の樹脂強化相を伴って形成されるマトリッ
クスの断面を模式的に示す図であり、図1(b)はその
要部拡大図である。
【図2】図2は燃料電池セパレータの接触抵抗値測定用
試験片を模式的に示した図である。
【図3】図3は燃料電池セパレータの接触抵抗値の測定
装置を模式的に示した図であり、接触抵抗値測定用試験
片を装置にセットした状態を示す。
【符号の説明】
1 炭素質粉末 2 樹脂被覆層 3 樹脂強化相 4 金メッキ銅板 5 カーボンペーパー 6 セパレータ 7 加圧盤(固定側) 8 加圧盤(可動側) 9 ガイド 10 油圧ジャッキ 11 抵抗器
フロントページの続き Fターム(参考) 5H026 AA02 BB01 BB02 BB04 BB08 EE05 EE18 HH01 HH03 HH04 HH05 HH06 HH08 HH09

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス中に炭素質粉末が分散され
    てなる複合材であって、該マトリックスは該炭素質粉末
    を被覆する樹脂被覆層と、該樹脂被覆層を形成する樹脂
    よりも高耐熱性の樹脂強化相とで形成されていることを
    特徴とする燃料電池セパレータ成形用複合材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該マトリックスの空
    隙率が10%以下であることを特徴とする燃料電池セパ
    レータ成形用複合材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該炭素質粉末
    は粒状であり、その平均粒径が1μm以上、100μm
    以下であることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用
    複合材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、該炭素質粉末
    は繊維状であり、その平均繊維長が10μm以上、50
    0μm以下であることを特徴とする燃料電池セパレータ
    成形用複合材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該樹脂被覆層の厚みが1μm以上、50μm以下で
    あることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用複合
    材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、該樹脂被覆層で被覆された炭素質粉末に対する、該
    樹脂強化相外周の接触比率が10%以上であることを特
    徴とする燃料電池セパレータ成形用複合材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、該樹脂被覆層及び樹脂強化相を形成する樹脂の合計
    含有率が、炭素質粉末100重量部あたり1.1重量部
    以上、150重量部以下であることを特徴とする燃料電
    池セパレータ成形用複合材。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
    て、該樹脂被覆層を形成する樹脂の含有率が、炭素質粉
    末100重量部あたり0.1重量部以上、50重量部以
    下であることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用複
    合材。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項におい
    て、該樹脂強化相を形成する樹脂の含有率が、炭素質粉
    末100重量部あたり1重量部以上、100重量部以下
    であることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用複合
    材。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項にお
    いて、該樹脂被覆層を形成する樹脂と、該樹脂強化相を
    形成する樹脂の含有比率(重量比)が、1/99以上、
    30/70以下であることを特徴とする燃料電池セパレ
    ータ成形用複合材。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか1項に
    おいて、該複合材の嵩密度が1.5g/cc以上である
    ことを特徴とする燃料電池セパレータ成形用複合材。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    おいて、該樹脂被覆層を形成する樹脂が熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用複合
    材。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか1項に
    おいて、該樹脂被覆層を形成する樹脂のガラス転移温度
    が100℃以下であることを特徴とする燃料電池セパレ
    ータ成形用複合材。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか1項に
    おいて、該樹脂強化相を形成する樹脂が熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用複合
    材。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれか1項に
    おいて、該樹脂強化相を形成する樹脂のガラス転移温度
    が120℃以上であることを特徴とする燃料電池セパレ
    ータ成形用複合材。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15のいずれか1項に
    おいて、該複合材が、前記炭素質粉末以外の導電性物質
    を含有することを特徴とする燃料電池セパレータ成形用
    複合材。
  17. 【請求項17】 請求項16において、該導電性物質の
    含有率が30重量%以下であることを特徴とする燃料電
    池セパレータ成形用複合材。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17において、該導電
    性物質が、粉末状導電性物質を樹脂被覆層で被覆してな
    るものであることを特徴とする燃料電池セパレータ成形
    用複合材。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれか1項に
    記載の燃料電池セパレータ成形用複合材を加熱後、射出
    成形してなる燃料電池用セパレータ。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし18のいずれか1項に
    記載の燃料電池セパレータ成形用複合材を加熱後、圧縮
    成形してなる燃料電池用セパレータ。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20において、体積抵
    抗率が200mΩ・cm以下であることを特徴とする燃
    料電池用セパレータ。
  22. 【請求項22】 請求項19ないし21のいずれか1項
    において、接触抵抗値が200mΩ・cm以下である
    ことを特徴とする燃料電池セパレータ。
  23. 【請求項23】 請求項19ないし22のいずれか1項
    において、JISK7171に準拠して測定した、セパ
    レータの曲げ強さが30MPa以上であることを特徴と
    する燃料電池用セパレータ。
  24. 【請求項24】 請求項19ないし23のいずれか1項
    において、JISK7171に準拠して測定した、セパ
    レータの曲げ破壊歪みが1%以上であることを特徴とす
    る燃料電池用セパレータ。
  25. 【請求項25】 第1の樹脂を、該第1の樹脂が相溶可
    能な有機溶媒に完全相溶させた後、これを炭素質粉末と
    混合して、該炭素質粉末表面に該第1の樹脂よりなる樹
    脂被覆層を形成し、次いで、前記有機溶媒に対して低相
    溶性であるか又は実質的に相溶性がなく、かつ、前記第
    1の樹脂よりも高耐熱性の第2の樹脂を混合した後、加
    熱、混練、押し出しすることによって、炭素質粉末を樹
    脂被覆層で被覆したものが、該樹脂被覆層を形成する樹
    脂よりも高耐熱性の樹脂強化相を伴ってマトリックスを
    形成した複合材を得ることを特徴とする燃料電池セパレ
    ータ成形用複合材の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項25において、該有機溶媒が、
    アルカン類、シクロアルカン類、アルコール類、セロソ
    ルブ類、プロピレングリコール類、ケトン類、エーテル
    類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水
    素類及び高極性溶剤からなる群から選ばれる1種又は2
    種以上であることを特徴とする燃料電池セパレータ成形
    用複合材の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項25又は26において、該第1
    の樹脂のガラス転移温度が100℃以下であることを特
    徴とする燃料電池セパレータ成形用複合材の製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項25ないし27のいずれか1項
    において、該第2の樹脂の前記有機溶媒に対する溶解性
    が30%以下であることを特徴とする燃料電池セパレー
    タ成形用複合材の製造方法。
  29. 【請求項29】 請求項25ないし28のいずれか1項
    において、該炭素質粉末の平均粒径が1μm以上、10
    0μm以下であることを特徴とする燃料電池セパレータ
    成形用複合材の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項25ないし29のいずれか1項
    において、該第2の樹脂のガラス転移温度が120℃以
    上であることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用複
    合材の製造方法。
  31. 【請求項31】 請求項25ないし30のいずれか1項
    において、得られる複合材中に、前記炭素質粉末以外の
    導電性物質を含有させることを特徴とする燃料電池セパ
    レータ成形用複合材の製造方法。
  32. 【請求項32】 請求項31において、該導電性物質
    を、得られる複合材中に30重量%以下含有させること
    を特徴とする燃料電池セパレータ成形用複合材の製造方
    法。
  33. 【請求項33】 請求項31又は32において、該導電
    性物質が、粉末状導電性物質を樹脂被覆層で被覆してな
    るものであることを特徴とする燃料電池セパレータ成形
    用複合材の製造方法。
  34. 【請求項34】 請求項25ないし33のいずれか1項
    に記載の燃料電池セパレータ成形用複合材の製造方法に
    よって製造された燃料電池セパレータ成形用複合材を加
    熱後、射出成形してなる燃料電池用セパレータ。
  35. 【請求項35】 請求項25ないし33のいずれか1項
    に記載の燃料電池セパレータ成形用複合材の製造方法に
    よって製造された燃料電池セパレータ成形用複合材を加
    熱後、圧縮成形してなる燃料電池用セパレータ。
  36. 【請求項36】 JIS K7171に準拠して測定し
    た、曲げ強さが30MPa以上であり、JIS K71
    71に準拠して測定した、曲げ破壊歪みが1%以上であ
    り、かつ、体積抵抗率が200mΩ・cm以下であるこ
    とを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  37. 【請求項37】 JIS K7171に準拠して測定し
    た、曲げ強さが30MPa以上であり、JIS K71
    71に準拠して測定した、曲げ破壊歪みが1%以上であ
    り、体積抵抗率が200mΩ・cm以下であり、かつ、
    接触抵抗値が200mΩ・cm以下であることを特徴
    とする燃料電池用セパレータ。
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