JP2007042326A - 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用セパレータ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造工程を増加させることなく、接触抵抗が小さい燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】 導電性材料からなり、多数の貫通孔を有するシート状の導電性基材を積層して充填した金型に、黒鉛と樹脂とを含む導電性樹脂組成物をインサート成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
従来、燃料の有する化学エネルギーを電気エネルギー直接変換する燃料電池に関する需要が高まっている。一般に燃料電池は、電解質を含有するマトリックスを挟んで、電極板が配置され、さらにその外側にセパレータが配置された単位セルを、多数積層した形になっている。
図2は一般的な燃料電池用セパレータ5の一例を示す斜線図であるが、平板部6の両面に所定間隔で複数の隔壁7を立設して形成されており、燃料電池とするには、隔壁7の突出方向(図中、上下方向)に沿って多数の燃料電池用セパレータ5を積層する。そして、この積層により、隣接する一対の隔壁7で形成されるチャネル8に各種流体を流通させる。
通常、燃料電池用セパレータ5の片面には燃料が、もう一方の面には気体酸化剤等が供給されるため、燃料電池用セパレータ5には両者が混合しないように気体不透過性に優れることが必要である。また、単位セルを積層して用いるので、高い導電性を有するとともに、重量が小さく、コストが安いことが要求される。従来、燃料電池セパレータは、このような特性、生産性を満足するため、樹脂、黒鉛等の導電性フィラー、補強のための炭素繊維等の配合物を高分散させた導電性樹脂組成物を所定の形状に熱プレス成型して得られるのが一般的である。
しかしながら、このような成形体では熱プレス時の樹脂流動により、表面に樹脂が流れ出し、接触抵抗が増大する問題があった。
接触抵抗を低減させる手段としては、ガラス状カーボンのような剛体材表面に膨張黒鉛シートを加熱圧縮することにより積層する方法(例えば特許文献1参照)、樹脂と黒鉛を含む導電性樹脂組成物に、穴の空いた膨張黒鉛を積層する方法(例えば特許文献2参照)が採られている。また、酸溶液に浸漬することにより、表面を研磨し、接触抵抗を低減する方法(例えば特許文献3参照)も採られている。ただし、膨張黒鉛シートを積層する方法では、膨張黒鉛シート自体を作製するのが別工程であるが故のコスト増、また積層時に巻き込まれる空気、樹脂の反応ガスによる、膨張黒鉛層の膨れといった不具合を引き起こしていた。また、酸処理等の表面研磨においても、工程増加によるコスト増という不具合を引き起こしていた。
特開昭62−272465号公報 特開2004−207103号公報 特開平11−297338号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、製造工程を増加させることなく、接触抵抗が小さい燃料電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、燃料電池用セパレータの製造方法について鋭意検討を行った結果、導電性材料からなり、多数の貫通孔を有する不織布やペーパー、フェルトを金型に充填し、そこへ黒鉛と樹脂とを含む導電性樹脂組成物をインサート成形することにより、表面に黒鉛層が形成されて導電性が向上することを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記目的を達成するために、下記に示す燃料電池用セパレータ及びその製造方法を提供する。
(1)導電性材料からなり、多数の貫通孔を有するシート状の導電性基材を充填した金型に、黒鉛と樹脂とを含む導電性樹脂組成物をインサート成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
(2) 導電性基材が炭素繊維、天然黒鉛、カーボンナノチューブ、導電処理を施したガラス繊維、導電処理を施したアルミナ繊維及び導電処理を施したアラミド繊維の少なくとも1種を含む不織布、ペーパーまたはフェルトであることを特徴とする上記(1)記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(3)導電性基材を、嵩密度0.4〜0.8g/cmとなるように充填することを特徴とする上記(1)または(2)記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(4)樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(5)黒鉛が、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラックの少なくとも1種を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(6)黒鉛の平均粒径が1〜500μmであることを特徴とする上記(5)記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(7)上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の製造方法により得られる燃料電池用セパレータであって、導電性基材の隙間に樹脂と黒鉛との混合物が充填され、かつ、表面に黒鉛層が形成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
(8)表面の黒鉛層の厚さが20〜100μmであることを特徴とする上記(7)記載の燃料電池用セパレータ。
本発明によれば、成形と同時に表面に黒鉛層を形成することができるため、貫通方向の抵抗が小さく、高強度の燃料電池用セパレータを効率良く、低コストで製造することができる。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の燃料電池用セパレータの製造方法を模式的に示す工程図である。先ず、図1の(1)に示されるように、導電性基材1を成形金型2に充填する。導電性基材1は、例えば、炭素繊維、天然黒鉛、カーボンナノチューブ、導電処理を施したガラス繊維、導電処理を施したアルミナ繊維、導電処理を施したアラミド繊維等の導電性材料をそれぞれ単独で、もしくは複数種を混合して、不織布やペーパー、フェルト等のように多数の貫通孔を有するシート状に加工したものである。尚、導電性材料を混合使用する場合の混合比率に制限はなく、導電性、強度、コスト等の観点から決定することができる。
中でも、燃料電池用セパレータの強度を高める効果が高く、取り扱い性が良いこと等を考慮すると、炭素繊維からなる導電性基材を用いることが好ましい。炭素繊維は、ポリアクリロニトリルの焼成により作製されるPAN系炭素繊維、石油、石炭ピッチの焼成により作製されるピッチ系炭素繊維、またレーヨン繊維の焼成により作製されるレーヨン系炭素繊維が挙げられ、それぞれ単独もしくは数種混合して用いることができる。導電性の観点から、炭素繊維を高温で焼成し、黒鉛結晶が発達した黒鉛質の炭素繊維を用いる方が好ましい。
炭素繊維の形状に特に制限はないが、繊維径としては、1〜20μm、繊維長としては0.1〜500mmぐらいのものを使用できる。繊維長が長いと、炭素繊維の絡み合いが大きくなるため、大きな強度が発現するが、燃料電池用セパレータの表面の平滑性が得にくくなる。また逆に、繊維長が短いと、補強効果が期待できなくなる。
天然黒鉛は、土壌黒鉛、鱗片状黒鉛等があり、鱗片状黒鉛を濃硫酸等で処理し、加熱することにより得られる膨張黒鉛を使用するのが好ましい。膨張黒鉛は黒鉛結晶構造の層間を拡張処理したものであり、極めて嵩高く、鱗片状黒鉛、球状黒鉛と比較して表面積が大きく、粒子はより薄い薄板状となっている。このため、容易に導電パスを形成し、燃料電池セパレータに必要とされる導電フィラーとしては好適である。膨張黒鉛の嵩密度としては、0.001〜0.1g/cmが好ましい。嵩密度が高すぎると、膨張黒鉛同士の絡み合いが少なくなり、燃料電池セパレータとして必要とされる、強度、導電性が得られない。
カーボンナノチューブは、C60フラーレン分子の製造プロセスで発見されたもので、炭素六角網面が円筒状に閉じた単層構造や多層構造をとる材料のことである。カーボンナノチューブの種類に制限はなく、単層構造をとるもの、多層構造をとるもの両方を使用することができる。また、カーボンナノチューブではないが、気相成長させたナノオーダーの炭素繊維を使用しても構わない。また、カーボンナノチューブの合成法としては、アーク放電法、レーザーアプレーション法、炭化水素触媒分解法、CVD法等様々ある。カーボンナノチューブの繊維径は0.1〜100nm、繊維長1〜1000μmが好ましい。
また、ガラス繊維やアルミナ繊維、アラミド繊維に導電処理を施す方法としては、制限されるものではないが、蒸着、スパッタリング、CVD、PVD等により繊維表面を金属で被覆する方法が挙げられる。被覆量(膜厚)は、導電性が付与されればよく、特に制限はない。
導電性基材の作製方法としては、公知の技術、例えば不織布のようなものであれば、ニードルパンチ法、レジンボンド法、スパンボンド法、サーマルボンド法で作製することができる。ペーパーのようなものであれば、抄造、脱水成形等で作製することができ、ハンドリング性向上のために少量の樹脂を添加しても構わない。
導電性基材は、嵩密度が0.4〜0.8g/cmとなるように成形金型2に充填することが好ましい。嵩密度が0.4g/cm未満になると、絶縁物である樹脂の比率が大きくなるため、導電パスが少なくなり、導電性が悪化する。また逆に、嵩密度が0.8g/cm超になると、導電パスが多くなることで導電性が良好になるが、導電性材料の隙間に樹脂が入り難くなり、水素や酸素ガスの透過、強度の低下を引き起こす。導電性、強度のバランスからは嵩密度が0.4〜0.6g/cmとなるように充填することが好ましく、さらに好ましくは0.4〜0.5g/cmである。
また、導電性基材の目付量は、特に制限はなく、燃料電池用セパレータの厚さに対して適宜決定することができる。また、目付量の異なるものを組み合わせて使用してよく、上記の嵩密度となるように成形金型2に充填する。
次いで、図1の(2)に示すように、導電性樹脂組成物3をインサート成形する。成形装置には制限がないが、図示されるように、成形金型2の上下から導電性樹脂組成物3を注入できる構成のものが好ましい。これにより、導電性樹脂組成物3を成形金型2のキャビティ内に均質に供給することができる。また、成形条件も、導電性基材や導電性樹脂組成物に応じて、適宜設定できる。
導電性樹脂組成物の樹脂分としては、特に制限はなく熱硬化性樹脂であれば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の1種または複数種類を混合したものを用いることができる。また熱可塑性樹脂であれば、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、ABS、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、液晶ポリエステル等の1種または複数種類を混合したものを用いることができる。
成形性、耐熱性を考慮した場合、エポキシ樹脂を選択するのが好ましい。エポキシ樹脂は、エポキシ基をもつ化合物が自己重合する、または硬化剤との反応により、エポキシ樹脂化合物となる。エポキシ樹脂としては、多官能性エポキシ化合物と硬化剤との反応で形成される構造体、ならびに該構造体を与えるエポキシ化合物及び硬化剤全てを包含する。以後、反応前のエポキシ化合物をエポキシ樹脂前駆体、反応により生じた構造体をエポキシ化合物と言うことがある。また、エポキシ樹脂量は、エポキシ硬化物の質量に等しい。
エポキシ樹脂前駆体としては、種々の公知の化合物を使用することができる。例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型、
ビスフェノールSジグリシジルエーテル型、ビスフェノールADジグリシジルエーテル型、レゾルシノールジグリシジルエーテル型等の2官能性エポキシ化合物;フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等の多官能性エポキシ化合物;更にはエポキシ化大豆油のような線状脂肪族エポキシ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物、複素環エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物等が挙げられるがこれらに限定されない。また、エポキシ当量、分子量等も特に制限はない。
本発明に用いられる導電性樹脂組成物の黒鉛としては、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、カーボンブラック等が挙げられる。黒鉛粉末としては、鱗片状黒鉛等の天然黒鉛、土壌黒鉛、また鱗片状黒鉛を濃硫酸等で処理し、加熱して得られる膨張黒鉛を用いることができる。人造黒鉛粉末としては、球形の粉末、メソカーボン小球体などを用いることができる。またカーボンブラックとしてはケッチェンブラック、アセチレンブラック、サーマルカーボンブラック、ファーネスカーボンブラックを単独もしくは複数組み合わせて用いることができる。ケッチェンブラック、アセチレンブラックは高導電性フィラーとして開発されたものであり、それぞれ天然ガス等の不完全燃焼、アセチレンの熱分解により得られる。サーマルカーボンブラックは天然ガスの熱分解により得られる大粒子径のカーボンであり、例としてFTカーボン、MTカーボン等が挙げられる。ファーネスカーボンブラックは炭化水素油や天然ガスの不完全燃焼により得られるフィラーであり、粒径に応じてSAF、ISAF、IISAF、HAF、FF、FEF、MAF、GPF、SRF、CF等に分類される。これら各種のカーボンブラックのうちでも、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、またはファーネスカーボンブラックの中で比表面積やDBP吸油量の多いものが一層好ましい。これらの黒鉛は、それぞれ単独で、もしくは複数種を混合して用いることができる。
黒鉛の平均粒径は1〜500μmが好ましい。平均粒径が1μm未満になると、黒鉛が炭素基材表面に残りにくくなり、接触抵抗が悪化する。また逆に、500μmを越えると、樹脂との混練性が悪くなる、表面の平滑性がなくなるため、接触抵抗が増大するといった不具合を引き起こす。
樹脂と黒鉛とを混合する方法としては、種々の慣用の方法によって調整することができる。樹脂が常温で固体であれば、樹脂と加熱溶融させ、そこに黒鉛、カーボンブラックを所定量添加し、ニーダー、バンバリミキサー等公知の混練手段を用い、混練して調整される。また樹脂が常温で液体であれば、プラネタリーミキサー等を利用して混合することができる。
上記のインサート成形により、図1の(3)に示すように、成形体である燃料電池用セパレータ4が得られる。成形時、導電性基材1がフィルタのように機能し、注入された導電性樹脂組成物3の黒鉛の多くは導電性基材1の表面に残り、樹脂及び残りの黒鉛が導電性基材1の内部へと浸透していく。そのため、得られる燃料電池用セパレータ4には、その表面に黒鉛層が形成される。
黒鉛層の厚さは、20〜100μmであることが好ましい。20μm未満であると、接触抵抗が高くなる。逆に100μmを越えると、黒鉛層自体の補強性が乏しいため、黒鉛層の剥れによる外観不良、また表面の圧縮強度が低く、チャネル形成用の隔壁(図2参照))の潰れが起き、ガス詰まりや圧力損失が起こり、燃料電池自身の性能低下を引き起こす。従って、導電性樹脂組成物における黒鉛の含有量は、上記の厚さの黒鉛層が形成されるように、設定される。
本発明の燃料電池用セパレータ4は、導電性基材1が導電性材料からなるシート状であるため、個々の導電性基材1は導電性が良好であり、更に隣接する導電性基材同士、並びに導電性基材1と、内部にまで入り込んだ黒鉛とが接触することで燃料電池用セパレータ4の内部全体にわたり導電性の良好なネットワークが形成されており、加えて表面に黒鉛層が形成されているため、極めて導電性が高いものとなる。
尚、燃料電池用セパレータ4の形状には制限が無く、例えば、図2に示したような表裏面にチャネル8を形成する隔壁7が形成された形状を例示することができる。図3は、本発明に従い図2に示した形状に成形した燃料電池用セパレータ4の断面を拡大して示す模式図であるが、隔壁7の表面に黒鉛層10が形成される。
また、上記において、成形金型2のキャビティを図2に対応する形状とし、図示されるような燃料電池用セパレータ4を直接成形する方法が効率的であるが、例えば板状の成形体を作製した後、図示されるような形状にスタンピング成形することもできる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜7)
表1に示すように、平均粒径400μm、200μm、0.5μm、800μmの黒鉛粉末と、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、酸無水物、イミダゾールを用いた常温で液状のエポキシ樹脂)とを混合機で混合して導電性樹脂組成物を調製した。そして、導電性基材として炭素繊維不織布(繊維径13μm、目付量300g/m)を用い、表1に示す嵩密度となるように成形金型に充填し、プランジャー型射出成形機を用いて導電性樹脂組成物をインサート成形した。このときのシリンダーの温度は常温であり、成形金型の温度は150℃とし、幅100mm、長さ100mm、厚さ0.5mmの板状の成形体を得た。そして、成形体について、(1)成形体の外観評価、(2)導電性評価及び(3)曲げ強度測定を行った。結果を表1に併記する。
(1)成形体の外観評価
下記基準により成形体の外観を目視による評価で行った。
表面に平滑性があり、黒鉛層の脱落等がないもの・・・○
表面に平滑性がなく、黒鉛層の欠けている部分があるもの・・・×
樹脂が入り込まずに、導電性基材がそのままの密度となっているもの・・・×
(2)導電性評価
図4に示すように、作製した成形体から幅30mm、長さ30mm、厚さ0.5mmの試験片11を切り出し、カーボンペーパー12を介して電極113にセットし、電極間に流した電流とカーボンペーパー間の電圧から、電気抵抗を算出し、更にこれに試験片11と電極13との接触面積を乗じて貫通方向の抵抗率とした。従って、貫通方向の抵抗には、カーボンペーパー12と試験片11の接触抵抗2つと試験片11の体積固有抵抗が含まれる。
(3)曲げ強度測定
曲げ強度は、JIS K7171に準じて、島津製作所製「オートグラフ AG−100kND」を用いて、100℃の雰囲気で3点曲げ試験を行った。即ち、作製した成形体から幅10mm、長さ50mm、厚さ0.5mmの試験片を切り出し、この試験片を支点間距離40mmで支えるとともに、試験片の中央部に荷重を加え、試験片が折れるまでの荷重を測定した。曲げ強度は、燃料電池用セパレータの実用上、50MPa以上が好ましい。
Figure 2007042326
表1に示されるように、表面に黒鉛層がない試験片(比較例1)は貫通方向の抵抗が大きいが、本発明に従い、表面に適当な黒鉛層を設けた試験片(実施例1、3)は貫通抵抗が低く、また高強度となる。また、黒鉛層の厚さが薄い試験片(比較例6)では、ところどころに下地である導電性基材が現れており、貫通方向の抵抗が大きくなる。逆に黒鉛層の厚さが厚い試験片(比較例7)では、貫通方向の抵抗は良好なものの、黒鉛層自体に補強性がないため、ところどころに黒鉛層の剥れが生じ、外観上の不具合を起こしていた。
また、導電性基材の嵩密度が小さい試験片(比較例2)では、黒鉛層の厚さが適当であっても、基材部の体積固有抵抗が大きくなるため、貫通方向の抵抗が大きくなるとともに、炭素繊維の補強効果が薄れるため強度が小さくなる。逆に導電性基材の嵩密度が大きい試験片(比較例3)では、導電性基材の隙間に樹脂が入り込んでいかないため、燃料電池用セパレータとして成立しない。一方、本発明に従い、導電性基材の嵩密度が適当で、なおかつ黒鉛層を有する試験片(実施例1、2)は貫通抵抗が小さく、高強度であり、燃料電池用セパレータとして好適である。
また、導電性樹脂組成物中の黒鉛の粒径が過小の試験片(比較例4)では、黒鉛層が形成されず、接触抵抗が増大するため、貫通方向の抵抗が大きくなる。逆に、黒鉛の粒径が過大の試験片(比較例5)では、表面の平滑性がなくなり、接触面積が減少する分、接触抵抗が上がり、結果として貫通方向の抵抗が大きくなる。一方、本発明に従い、導電性樹脂組成物中の黒鉛粒径が適当で、なおかつ黒鉛層が形成された試験片(実施例1、4)は、貫通抵抗が小さく、高強度であり、燃料電池用セパレータとして好適である。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法を模式的に示す工程図である。 燃料電池用セパレータの一例を示す斜線図である。 燃料電池用セパレータの断面を拡大して示す模式図である。 貫通抵抗の測定方法を示す図である。
符号の説明
1 導電性基材
2 成形用金型
3 導電性樹脂組成物
4 燃料電池用セパレータ
5 燃料電池用セパレータ
6 平板部
7 隔壁
8 チャネル
10 黒鉛層
11 試験片
12 カーボンペーパー
13 電極

Claims (8)

  1. 導電性材料からなり、多数の貫通孔を有するシート状の導電性基材を充填した金型に、黒鉛と樹脂とを含む導電性樹脂組成物をインサート成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
  2. 導電性基材が炭素繊維、天然黒鉛、カーボンナノチューブ、導電処理を施したガラス繊維、導電処理を施したアルミナ繊維及び導電処理を施したアラミド繊維の少なくとも1種を含む不織布、ペーパーまたはフェルトであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  3. 導電性基材を、嵩密度0.4〜0.8g/cmとなるように充填することを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  4. 樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  5. 黒鉛が、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラックの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  6. 黒鉛の平均粒径が1〜500μmであることを特徴とする請求項5記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法により得られる燃料電池用セパレータであって、導電性基材の隙間に樹脂と黒鉛との混合物が充填され、かつ、表面に黒鉛層が形成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  8. 表面の黒鉛層の厚さが20〜100μmであることを特徴とする請求項7記載の燃料電池用セパレータ。
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