JP2001076595A - 真空バルブ用接点材料及びその製造方法 - Google Patents

真空バルブ用接点材料及びその製造方法

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JP2001076595A
JP2001076595A JP24854299A JP24854299A JP2001076595A JP 2001076595 A JP2001076595 A JP 2001076595A JP 24854299 A JP24854299 A JP 24854299A JP 24854299 A JP24854299 A JP 24854299A JP 2001076595 A JP2001076595 A JP 2001076595A
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Takefumi Ito
武文 伊藤
Kenichi Koyama
健一 小山
Norio Suga
則雄 菅
Shigeyuki Kurashima
茂幸 倉島
Makoto Yamade
真 山出
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Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Materials Corp
Nidec Material Corp
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Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Materials Corp
Mitsubishi Materials CMI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裁断特性、遮断特性及び耐割れ性に優れたA
g−WC−Co接点材料を得ること、及びこの接点材料
に適した製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 25〜40重量%のAg、1〜8重量%
のCo、残部が平均粒径が1〜8μmのWC及び不可避
の不純物からなるAg−WC−Co合金であって、N2
ガスとO2ガスの合計の含有量が600ppm以下で、
接点表面に直径1μm以下のCo相並びにWC−Co相
が分散した表面組織を構成する。また、その製造方法
は、溶浸法でAg−WC−Co合金を得る第1の工程
と、そのAg−WC−Co合金の接点表面に液相を生成
して凝固する第2の工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、真空遮断器等に
使用される真空バルブの接点材料及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は真空遮断器に搭載される一般的な
真空バルブの断面図である。図3において、1は遮断
室、2は絶縁容器、3aと3bは封止金具、4aと4b
は金属製蓋、5は固定電極棒、6は可動電極棒、7は固
定電極、8は可動電極、9は固定接点、10は可動接
点、11はベローズ、12はベローズ用アークシール
ド、13は絶縁容器用アークシールドである。
【0003】図3に示す構成の真空バルブにおいて、遮
断室1は、円筒状に形成された絶縁材料製の絶縁容器2
と、この両端に封止金具3a、3bを介して設けた金属
製蓋4a、4bとで構成され、真空気密となっている。
遮断室1内の固定電極棒5と可動電極棒6の端部には、
固定電極7と可動電極8が対向するようにろう付けによ
り取り付けられている。固定接点9は固定電極7に、ま
た、可動接点10は可動電極8にろう付けにより取り付
けられている。可動電極棒6にはベローズ11が取り付
けられ、遮断室1内を真空気密に保持しながら、可動電
極8の軸方向の移動を可能にしている。
【0004】ベローズ11の上部には金属製のベローズ
用アークシールド12が設けられ、ベローズ11がアー
クにより発生した金属蒸気で覆われることを防止してい
る。また、固定側電極7と可動電極8を覆うように、遮
断室1内に金属製の絶縁容器用アークシールド13が設
けられ、これにより、発弧域より発生する金属蒸気が絶
縁容器2の内面に付着することを防止している。この真
空バルブの開閉操作は、図示しない駆動機構に連結され
た可動電極棒6を介して行われる。
【0005】この真空バルブを搭載した真空遮断器は、
負荷電流を遮断する時に異常サージが発生し、負荷機器
を破壊する恐れがある。この異常サージの発生原因の一
つとして、小電流遮断時に電流がその零点前に強制的に
遮断されてしまう電流裁断現象が上げられる。
【0006】従来、この異常サージを低く抑える為に裁
断電流値が小さい真空バルブ用接点材料が用いられ、A
g−WC合金(例えば、特公昭53−6710号公報参
照)が実用化されている。また、Bi、Te、Pb、S
eを添加したAg−WC合金(例えば、特開昭62−2
26521号公報参照)やAg−Cu−WC合金(例え
ば特開昭58−157015号公報参照)が提案されて
いる。しかし、近年の真空遮断器の大容量化と小型化の
要求に伴い、裁断特性と遮断特性に一層優れた真空バル
ブ用接点材料が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のAg−WC系合金の裁断電流値は、バラツキを
含めて最大2A程度と高く、大容量化の要求に対して不
十分であった。裁断電流値が高い原因の一つとして、導
電成分や耐弧成分の分布が不均一であること等が考えら
れている。また、遮断電流が大きくなると、接点間に発
生するアークの衝撃で接点表面に割れが発生するという
新たな問題点もある。
【0008】また、Bi、Te、Pb、Seを添加した
Ag−WC合金は、耐溶着性に対してはある程度の改善
がされるが、接点割れに対しては不十分であった。さら
に、Ag−Cu−WC合金は、多数回開閉した時の最大
裁断特性が不安定であった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、極めて低い裁断電流値が安定し
て得られると共に遮断特性と耐割れ性に優れた真空バル
ブ用接点材料及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る真空バル
ブ用接点材料は、高導電成分として25〜40重量%の
Ag、補助成分として1〜10重量%のCo、残部が耐
弧成分として平均粒径が1〜8μmのWC及び不可避の
不純物からなるAg−WC−Co合金であって、N2
スとO2ガスの合計の含有量が600ppm以下で、接
点表面は、直径1μm以下のCo相並びにWC−Co相
が分散した組織を示すことを特徴とするものである。
【0011】また、上記Ag−WC−Co合金は、Ag
量が27〜35重量%、Co量が3〜7重量%のCo、
残部が1〜5μmの平均粒径を有するWCからなること
を特徴とするものである。
【0012】また、この発明に係る真空バルブ用接点材
料の製造方法は、溶浸法でAg−WC−Co合金の接点
を得る第1の工程と、第1の工程で得られたAg−WC
−Co合金の接点表面に液相を生成して凝固する第2の
工程とからなるものである。
【0013】さらに、第2の工程において、真空中で接
点表面にアーク放電を印加することを特徴とするもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この実施の形態1
では、N2ガスとO2ガスの合計の含有量が600ppm
以下で、接点表面は、直径1μm以下のCo相並びにW
C−Co相が分散した組織を持ち、高導電成分として2
5〜40重量%のAg、補助成分として1〜10重量%
のCo、残部が耐弧成分として平均粒径1〜8μmのW
CであるAg−WC−Co合金を作製した例について説
明する。
【0015】先ず、溶浸法でAg−WC−Co合金を得
る第1の工程について述べる。平均粒径1〜8μm、純
度99%以上のWC粉と、平均粒径1μm、純度99%
以上のCo粉を準備した。これらの粉末を所定量秤量し
た後、混合機で混合しWC粉とCo粉の混合粉を得た。
なお、後から溶浸するAgの溶浸性を向上するために、
WCとCoの混合粉にAg粉を加えても良い。
【0016】次に、この混合粉の流動性を向上するため
に、所定量の結合剤を添加して、再び混合し、乾燥と篩
い掛けを行って造粒粉を得た。続いて、造粒粉を秤量し
内径φ23mmの金型に充填し、任意の圧力で加圧して
直径23mm、厚さ4mmの圧粉体を得た。圧力は、作
製する各組成(25〜40重量%のAg)に適した圧力
を選定し、ここでは、1〜6ton/cm2で行った。
【0017】そして、これらの圧粉体を水素炉の中に入
れ、水素中で所定の温度と時間で熱処理を施し仮焼結体
を得た。仮焼結体を得る条件は、先ず結合剤を熱分解さ
せるために、900℃で1時間の予備焼結を行い、次
に、温度900〜1300℃、1時間で仮焼結を行っ
た。
【0018】その後、仮焼結体の上に所定量のAgを配
置し、再び水素炉に入れて水素中で熱処理を行い、仮焼
結体に残存する空孔中にAgを溶浸し、25〜40重量
%のAg、1〜10重量%のCo、残部が平均粒径1〜
8μmのWCであるAg−WC−Co合金を得た。溶浸
の条件は、温度1150〜1300℃、2時間で行っ
た。溶浸は水素中の他に真空中でも可能である。得られ
たAg−WC−Co合金は、機械加工で直径20mm、
厚さ2mmの接点に仕上げた。
【0019】なお、Ag−WC−Co合金のガス含有量
は、原料粉末の純度やガス含有量、さらに溶浸条件によ
って制御され、粉末の純度は99%以上が望ましい。ま
た、製造した接点の密度比((接点密度/接点の理論密
度)×100)は95%以上にすることが望ましい。
【0020】次に、液相を生成して凝固し表面改質層を
得る第2の工程について述べる。第1の工程で得られた
Ag−WC−Co合金の接点を図3に示した真空バルブ
内(真空度10-6torr以下)に組み込み、直流15
0A、印加時間0.3秒、接点間距離7mmで極性を変
えてアークを50回印加し、固定側と可動側の接点表面
に改質層を得た。なお、液相を生成して凝固した表面改
質層を得る条件(電流値、印加時間、印加回数、接点間
距離)は、組成や接点径により異なるが、直径1μm以
下のCo相並びにWC−Co相が分散した改質層が接点
表面に得られるものであれば良い。
【0021】図1は接点表面近傍の拡大断面図である。
図1において、アーク放電により得られた表面改質層1
4には、WC粒子15との間に直径1μm以下のCo相
16並びにWC−Co相17が生成・分散し、WC粒子
15の周辺にAg相18がある。表面改質層14の下に
は改質が行われていない非改質組織19があり、非改質
組織19中には、混合時のCo粉の粒径に近い大きさの
Co相20がある。
【0022】実施の形態2.この実施の形態2では、実
施の形態1で述べた製造方法により作製したAg−WC
−Co合金について、性能評価を実施した例について説
明する。
【0023】性能評価は、真空バルブに組み込こまれた
状態で行う。図2は真空バルブ内の電極部分の拡大断面
図を示す。図2において、固定電極棒5と可動電極棒6
の端部には、固定電極7と可動電極8が対向するように
ろう付け等により取り付けられている。固定接点9は固
定電極7に、また、可動接点10は可動電極8にろう付
けにより取り付けられている。対向する固定接点9と可
動接点10の表面には、直径1μm以下のCo相16並
びにWC−Co相17が分散した表面改質層14が設け
られている。電極の開閉操作は、図示しない駆動機構に
連結された可動電極棒6を介して行われる。
【0024】接点材料の性能は、裁断特性、遮断特性及
び耐割れ性について評価した。裁断特性は、周波数60
Hzで交流20Aピーク時に1m/secの速度で開極
し、電流が零点になる前に切れた時の電流値(裁断電流
値)を測定した。また、遮断特性は、外部から一定の磁
界を加えながら60Hzに調整した任意の電流を流し、
開極速度1m/secで開極した時に遮断に成功した電
流値(遮断限界電流値)を求めた。裁断特性と遮断特性
を評価した時の接点間距離は7mmとした。さらに、接
点割れは、遮断試験後の真空バルブを分解し、目視で接
点割れの有無を調べた。
【0025】表1は各接点材料の性能を評価した結果で
ある。
【0026】
【表1】
【0027】先ず、接点表面に改質層を設けない場合に
ついて述べる。実施例のNo.1〜No.5は、この発
明に係る範囲内にあるAg,Co,WCの組成並びにW
C粒径による材料で、すなわち、高導電成分として25
〜40重量%のAg、補助成分として1〜10重量%の
Co、残部が耐弧成分として平均粒径が1〜8μmのW
C及び不可避の不純物からなるAg−WC−Co合金で
あって、その中のNo.2〜No.4はさらに好ましい
範囲内のものである。
【0028】No.1〜No.5の裁断電流値は0.6
5〜1.23A、遮断限界電流値は10.2〜11kA
で、遮断後の接点割れも見られなかった。裁断電流値は
Ag量の増加に伴い高くなる傾向がある。Ag量が27
〜35重量%、Co量が3〜7重量%、残部が平均粒径
が1〜5μmのWCからなる範囲のNo.2〜No.4
は、遮断限界電流値が10.9〜11kAと安定してお
り、かつ裁断電流値は1A以下と良好な特性が得られた
ので、好ましい範囲としている。
【0029】一方、比較例のNo.9〜No.16は、
この発明の範囲外の接点材料で、No.9とNo.10
はAg量のみが範囲外の場合、No.11とNo.12
はCo量のみが範囲外の場合、No.13とNo.14
はWC粒径のみが範囲外の場合、No.15とNo.1
6はN2とO2の合計のガス含有量のみが範囲外の場合を
それぞれ示している。
【0030】比較例No.9とNo.10の場合は、A
g量が25wt%未満では遮断試験後に接点割れを生じ
た。他方、40wt%を越えると、裁断電流値が1.4
1A以上と高くなり、裁断特性は悪くなる。また、比較
例No.11とNo.12の場合は、Co量が1wt%
未満では遮断限界電流値が約6kAと低くなり、遮断特
性は悪くなる。他方、10wt%を越えると、裁断電流
値が本発明材よりも高くなり、裁断特性は悪くなる。ま
た、比較例No.13とNo.14の場合は、WC粒径
が1μm未満では遮断試験後に接点割れを生じた。他
方、WC粒径が8μmを越えると、遮断限界電流値が約
7kAと低くなり、遮断特性は悪くなる。さらに、比較
例No.15とNo.16は、N2とO2の合計のガス含
有量が600ppmを越えると、遮断限界電流値が約
9.5kAと低く、遮断特性は悪くなり、No.16の
ようにガス含有量が多い場合は接点割れも生じやすくな
る。従って、この発明に係る範囲内にある組成のAg−
WC−Co合金が裁断特性、遮断特性、耐割れ性に優れ
ていることがわかる。
【0031】さらに、比較例No.17〜No.21の
場合は、この発明の範囲外の接点材料で、Ag量は25
重量%未満又は40重量%を越え、Co量は1重量%未
満又は8重量%を越え、ガス含有量は600ppmを越
えるものである。No.17とNo.18の裁断電流値
は0.61Aと0.59Aと小さい値を示したが、遮断
限界電流値は8.4kAと9.4kAで、実施例のN
o.1とNo.5に比べて低く、遮断試験後の接点に割
れも生じた。No.19とNo.20の裁断電流値は
1.41Aと1.70Aと大きく、遮断限界電流値は
8.5kAと8.3kAと低く、実施例のNo.1〜N
o.5に比べて裁断特性と遮断特性が著しく劣る。ま
た、Coを含有しないAg−WC合金(No.21)
は、裁断電流値が0.93A、遮断限界電流値が6.1
kAで、遮断特性が実施例に比べて劣れる。
【0032】実施例のNo.1〜No.5において、A
g量がこの発明に係る範囲の下限に近い場合(25重量
%)は、遮断後の耐割れ性が劣化する傾向を抑制する為
に、Co量を多くしてWC粒子間の結合力を増加させ、
さらに、WC粒径を大きくして耐割れ性を向上させた。
一方、Ag量がこの発明に係る範囲の上限に近い場合
(40重量%)は、裁断特性と遮断特性の低下を抑制す
る為に、Co量を少なくし、WC粒径は小さくして局部
的な組成バラツキを抑えて、バランスの取れた性能を確
保した。
【0033】本実施の形態2では、各々の組成に対し1
種類の平均粒径のWC粉末を用いていたが、例えば1μ
mと6μmのWC粉末を任意の割合でブレンドする等し
て、平均粒径1〜8μmの範囲のWC粉末を組み合わせ
て用いても良い。
【0034】次に、この発明に係る範囲内の接点材料に
表面改質層を設けた場合について述べる。実施例No.
6〜No.8は、この発明に係る範囲内にある組成並び
にWC粒径による接点材料に、表面改質層を設けた場合
の結果である。裁断電流値は0.50〜1.12A、遮
断限界電流値は10.2〜10.8kAであった。実施
例のNo.1、No.3、No.5と比較すると、遮断
特性を維持しながら裁断電流値が一層小さくなったこと
がわかる。これは、この発明の接点材料の効果とともに
表面改質層を設けた効果が現れたものである。また、比
較例と比べてバランスが取れた接点性能を示しているこ
とがわかる。
【0035】以上、この発明を要約すると次の通りであ
る。この発明の真空バルブ用接点材料は、高導電成分と
して25〜40重量%、好ましくは27〜35重量%の
Ag、補助成分として1〜10重量%、好ましくは3〜
7重量%のCo、残部が耐弧成分として粒径が1〜8μ
m、好ましくは1〜5μmのWC及び不可避の不純物か
らなるAg−WC−Co接点材料であって、N2ガスと
2ガスの合計の含有量が600ppm以下で、接点表
面に直径1μm未満のCo相並びにWC−Co相が分散
した組織を設けたものである。
【0036】また、この発明の製造方法は、溶浸法でA
g−WC−Co合金を得る工程と、そのAg−WC−C
o合金の接点表面に液相を生成して凝固する工程を行う
ものである。
【0037】この発明者らがAg−WC−Co合金につ
いて検討したところ、 (1)Ag量の増加に伴い耐割れ性は向上し、逆に、A
g量の減少に伴い裁断特性と遮断特性は向上する傾向が
ある。 (2)Co量の増加に伴い耐割れ性と遮断特性は向上
し、逆に、Co量の減少に伴い裁断特性は向上する傾向
がある。 (3)WC粒径が大きくなるに伴い耐割れ性と裁断電流
値は向上する傾向があり、遮断性能は最適な粒径範囲が
あることを突き止めた。
【0038】この結果から、Ag量、Co量、WC粒径
の適切な組み合わせを選択することで、優れた裁断特性
と遮断特性が確保され、接点割れが抑制できることを見
い出した。即ち、Ag−WC−Co合金のAg量を25
〜40重量%、好ましくは27〜35重量%;Coを1
〜10重量%、好ましくは3〜7重量%;残部を平均粒
径1〜8μmのWC、好ましくは平均粒径1〜5μmで
ある。
【0039】また、上記Ag−WC−Co合金中のN2
ガスとO2ガスの合計含有量を600ppm以下とした
ことで、導電率や熱伝導率が安定し、遮断アーク発生時
の接点温度の上昇が容易となって金属蒸気の発生が均一
となり、接点表面のアークの広がり易い状態が形成され
て遮断特性が安定する。ガス含有量が600ppmを越
えると遮断特性が劣化するため限定している。
【0040】さらに、接点表面に直径1μm以下のCo
相並びにWC−Co相が分散した表面層を設けたこと
で、遮断アーク時に均一な液相を生成し、かつ電子放出
が容易となって裁断電流値を小さくできると共に特性値
のバラツキを小さくすることができる。
【0041】一方、この発明の製造方法では、溶浸法で
Ag−WC−Co合金を得る第1の工程と、その合金の
接点表面に液相を生成して凝固する第2の工程により、
1μm以下のCo相並びにWC−Co相を接点表面に形
成させることができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、高導
電成分として25〜40重量%のAg、補助成分として
1〜8重量%のCo、残部が耐弧成分として平均粒径が
1〜8μmのWC及び不可避の不純物からなるAg−W
C−Co合金であって、N2ガスとO2ガスの合計の含有
量が600ppm以下で、接点表面に直径1μm以下の
Co相並びにWC−Co相が分散した組織を示すことを
特徴とするので、極めて低い裁断電流値が安定して得ら
れると共に遮断特性と耐割れ性に優れた真空バルブ用接
点材料を得ることができる。
【0043】また、上記Ag−WC−Co合金は、Ag
量が27〜35重量%、Co量が3〜7重量%のCo、
残部が1〜5μmの平均粒径を有するWCからなること
を特徴とすることにより、さらに安定した裁断電流特性
と遮断特性及び耐割れ性に優れた真空バルブ用接点材料
を得ることができる。
【0044】また、この発明に係る真空バルブ用接点材
料の製造方法によれば、溶浸法でAg−WC−Co合金
の接点を得る第1の工程と、第1の工程で得られたAg
−WC−Co合金の接点表面に液相を生成して凝固する
第2の工程とからなるので、裁断電流値と遮断特性並び
に耐割れ性に優れた真空バルブ用接点材料が得られる。
【0045】さらに、第2の工程において、真空中で接
点表面にアーク放電を印加することで、接点表面に表面
改質層を得ることができ、裁断電流値と遮断特性並びに
耐割れ性に優れた真空バルブ用接点材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による製造方法により得られる接点
表面近傍の拡大断面図である。
【図2】 この発明に係る電極部分の拡大断面図であ
る。
【図3】 従来の真空バルブの断面図である。
【符号の説明】
1 遮断室、2 絶縁容器、3a,3b 封止金具、4
a,4b 金属製蓋、5 固定電極棒、6 可動電極
棒、7 固定電極、8 可動電極、9 固定接点、10
可動接点、11 ベローズ、12 ベローズ用アーク
シールド、13 絶縁容器用アークシールド、14 表
面改質層、15 WC粒子、16 Co相、17 WC
−Co相、18 Ag相、19 非改質組織、20 非
改質組織のCo相。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 武文 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小山 健一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 菅 則雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 倉島 茂幸 静岡県裾野市千福46番地の1 株式会社東 富士製作所内 (72)発明者 山出 真 静岡県裾野市千福46番地の1 株式会社東 富士製作所内 Fターム(参考) 5G026 BA01 BA03 BA07 BB04 BB10 BB12 BC04 BC08 5G050 AA01 AA11 AA51 BA01 BA03 BA12 CA01 EA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高導電成分として25〜40重量%のA
    g、補助成分として1〜10重量%のCo、残部が耐弧
    成分として平均粒径が1〜8μmのWC及び不可避の不
    純物からなるAg−WC−Co合金であって、N2ガス
    とO2ガスの合計の含有量が600ppm以下で、接点
    表面は、直径1μm以下のCo相並びにWC−Co相が
    分散した組織を示すことを特徴とする真空バルブ用接点
    材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の真空バルブ用接点材料
    において、上記Ag−WC−Co合金は、Ag量が27
    〜35重量%、Co量が3〜7重量%のCo、残部が1
    〜5μmの平均粒径を有するWCからなることを特徴と
    する真空バルブ用接点材料。
  3. 【請求項3】 溶浸法でAg−WC−Co合金の接点を
    得る第1の工程と、 第1の工程で得られたAg−WC−Co合金の接点表面
    に液相を生成して凝固する第2の工程とからなる真空バ
    ルブ用接点材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の真空バルブ用接点材料
    の製造方法において、第2の工程において、真空中で接
    点表面にアーク放電を印加することを特徴とする真空バ
    ルブ用接点材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004273342A (ja) * 2003-03-11 2004-09-30 Toshiba Corp 真空バルブ用接点材料及び真空バルブ
KR100485245B1 (ko) * 2002-10-22 2005-04-25 희성금속 주식회사 은과 텅스텐 카바이드 합금의 전기접점재료
JP2013241632A (ja) * 2012-05-17 2013-12-05 Toshiba Corp 真空バルブ用接点材料

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