JP5116538B2 - 接点材料 - Google Patents

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本発明は接点材料に関し、特に真空遮断器等に用いられる真空バルブ用に適した接点材料に関するものである。
遮断器、特に真空遮断器の大容量化、高耐圧化、小型化への要求が一段と厳しくなっており、真空遮断器の中に搭載されている真空バルブの性能向上が望まれている。真空バルブは、高真空に保たれた絶縁容器内に固定電極と可動電極が同軸上に対向配置されており、可動電極はベローズを介して操作機構部に接続され、軸方向に移動するようになっていて、過負荷電流や短絡電流が発生した場合、電極を瞬時に開極して遮断する。このような真空バルブの固定電極と可動電極の接触部分に使用されている接点材料には、主に遮断性能、耐電圧性能、低溶着力性能が要求されている。
しかし、これらの要求特性は接点材料に対して互いに相反する性質を要求するので、接点材料を単一材料で製造することは困難であって、従来から二種以上の元素を組み合わせた材料からなる接点材料が使用されている。真空バルブ用接点材料としては、遮断性能と耐電圧性能に優れるCu−Cr材料が知られている(例えば特許文献1)。また、Cu−Cr材料を低溶着力化させるためにTeを添加した接点材料が提案されている(例えば特許文献2)。
特公昭54−71375号公報 (第1頁右欄の下から7行目〜第2頁左上欄の下から4行目) 特開2006−140073号公報 (第2頁 請求項2)
真空バルブ等に用いられる接点材料は、短時間電流通電時に発生するジュール熱、または電流遮断時に発生するアーク熱などにより接点表面が溶融し、その後に凝固して溶着が発生する。従来のCu−Cr材料は溶着力が大きく、溶着した接点を引き外すために操作力が大きな機構部を真空遮断器に設ける必要があった。そのため、接点材料には溶着しても引き外し易い材料、あるいは溶着し難い材料が求められている。Cu−Cr材料にTeを含有させたものは、母材のCuを脆くして溶着引き外し力を低減する効果があることは従来から知られている。しかし、通電時のジュール熱や電流遮断時のアーク熱により、Teが蒸発して真空バルブ内を汚損して真空度を低下させ、耐電圧性能の低下や遮断性能が不安定になるという問題がある
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、溶着引き外しが容易な接点材料を提供することである
本発明の接点材料は、Cu母材中にCrとTeを含む接点材料において、Cr−Te粒子を含み、Cr含有量が40質量%以上50質量%以下の範囲、Te含有量が0.1質量%以上2質量%以下の範囲であり、Cr−Te粒子の平均粒径が5μm以下であり、かつ接点材料の全断面積中に占めるCr−Te粒子の平均面積が上記全断面積の0.5面積%以下であることを特徴とするものである。
本発明の接点材料は、優れた溶着引き外し性を実現し得るという効果があって、低い操作力でも溶着引き外しが可能となる効果がある。
実施の形態1.
図1および図2は、本発明の実施の形態1を説明するものであって、図1は本発明の接点材料の一例の断面図であり、図2は当該接点材料を有する遮断器の一例として真空遮断器に搭載される真空バルブを示す断面図である。
図2において、真空バルブ8の遮断室9は円筒状に形成された絶縁材料製の絶縁容器10と、この両端に封止金具11a、11bを介して設けた金属製蓋12a、12bとで構成され、遮断室9内は真空気密となっている。遮断室9内の固定電極棒13と可動電極棒14の端部には、固定電極15と可動電極16が対向するようにロウ付けにより取り付けられている。固定電極15の接触部には固定接点17が、また可動電極15の接触部には可動接点18がロウ付けにより取り付けられている。可動電極棒14にはベローズ19が取り付けられ、遮断室9の内部を真空気密に保持しながら、可動電極16の軸方向の移動を可能にしている。上記の固定接点17および可動接点18は、本発明の接点材料にて形成されており、共に同材料からなっている。
固定電極15と可動電極16は平板電極の他にも、遮断性能を上げるためにスパイラル状の溝を切ったスパイラル電極、カップ状の接点に溝を付けたコントレート電極、電極間に発生するアークと並行に磁界を与える縦磁界電極が用いられる。ベローズ19の上部には金属製のベローズ用アークシールド20が設けられている。ベローズ用アークシールド20は、発弧域より発生した金属蒸気がベローズ19に付着することを防止している。また、固定電極15と可動電極16を覆うように、遮断室9内に金属製の絶縁容器用アークシールド21が設けられ、これにより発弧域より発生する金属蒸気が絶縁容器10の内面に付着することを防止している。この真空バルブの開閉操作は、図示しない駆動機構に連結された可動電極棒14を介して行われる。
図1において、Cuを主体とした母材(以下Cu母材)1中には、Cr粒子(右下がり線のハッチングを施したもの)2、Cu−Te相3とTe−Cu−Cr相4とが混在したCu−Cr−Te粒子5、およびCr−Te粒子6(左下がり線のハッチングを施したもの)とが分散した状態で存在しており、さらに母材1と各Cr粒子2との各粒界にはTe含有相7(太黒線で示す)が存在している。
次に本発明の接点材料の組成に就き説明する。本発明の接点材料におけるCu母材1としては、Cu原料に含まれている微量の不可避の不純物、例えばAg、Al、Fe、Si、P、O、N、Hなどを各0.01質量%未満であればそれらを含有するものであってもよい。
また本発明の接点材料において、Cr含有量は40質量%〜50質量%であることが好ましく、Cr量が40質量%未満では耐電圧性能が不十分であり50質量%を超えると遮断性能は低下する。一方、Te含有量は0.1質量%以上2質量%以下であることが好ましい。Te量が0.1質量%未満では、溶着引き外し性が乏しく、2質量%を越える場合では溶着引き外し性は向上するが材料自体が脆くなり接点材料としては実用上で不適当である。
本発明の接点材料においては、さらにCr−Te粒子の平均径が5μm以下であり、かつ接点材料の全断面積中に占める前記Cr−Te粒子の平均面積が上記全断面積の0.5面積%以下であるものが好ましい。なお上記平均径が過小であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、平均径が過大であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題があり、Cr−Te粒子の占める全面積が前記断面の全面積に対して過小であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、過大であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題があるので、上記Cr−Te粒子の平均径は0.1μm以上5μm以下、Cr−Te粒子の上記平均面積は、上記全断面積の0.001面積%以上0.5面積%以下のものが特に好ましい。
本発明の接点材料においては、さらに上記Te含有相は、その平均厚みが5μm以下、Te含有量が90質量%以下のものが好ましく、平均厚みが過小であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、平均厚みが過大であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題があり、含有量が過小であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、含有量が過大であると材料自体が脆くなる点で問題があるので、上記Te含有相は、その平均厚みが0.1μm以上5μm以下、Te含有量が50質量%以上90質量%以下のものが特に好ましい。
本発明の接点材料においては、上記Cr粒子、Te−Cu−Cr相とCu−Te相とが混在したCu−Cr−Te粒子、Cr−Te粒子、および上記Cu母材と上記Cr粒子との粒界に形成されたTe含有相を含むが、上記Cr−Te粒子およびTe含有相の両方を含むことにより、前記した両方の顕著な効果が得られる。その際、Cr含有量が40質量%以上50質量%以下の範囲、Te含有量が0.1質量%以上2質量%以下の範囲である。なおCr含有量とTe含有量の好ましい範囲と理由については前記の通りである。
Cr粒子は、その平均粒径が過小であると耐電圧性能が低下する点で問題があり、一方、平均粒径が過大であると遮断性能のバラツキが大きくなる点で問題がある。また、Cr粒子の面積比が過少であると耐電圧性能が不十分であり、過多であると遮断性能は低下する点で問題がある。そのため、Cr粒子の平均粒径は150μm以下で、好ましくは平均粒径が35μm以上150μm以下である。かつ接点材料の全断面積中に占める上記Cr粒子の平均面積が上記全断面積の55面積%以下で、好ましくは45面積%以上55面積%以下である。
Cu−Cr−Te粒子は、その平均粒径が過小であると溶着引き外し性が低下する点で問題があり、一方、平均粒径が過大であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題があり、含有量が過少であると溶着引き外し性が低下する点で問題があり、一方、含有量が過多であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題がある。そのため、上記Cu−Cr−Te粒子の平均粒径は100μm以下で、好ましくは平均粒径が1μm以上100μm以下である。かつ接点材料の全断面積中に占める上記Cu−Cr−Te粒子の平均面積が上記全断面積の2.5面積%以下であり、好ましくは0.1面積%以上2.5面積%以下である。なおCu−Cr−Te粒子中におけるTe−Cu−Cr相とCu−Te相との存在量比に就いては特に制限はなく、後記する本発明の接点材料の製造方法で生じる存在量比であってよく、そのTe−Cu−Cr相の面積1に対してCu−Te相の面積は0.3〜1.2程度である。
Cr−Te粒子は、その平均粒径が過小であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、平均粒径が過大であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題がある。Cr−Te粒子の占める全面積が前記断面の全面積に対して過少であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、過多であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題がある。そのため、上記Cr−Te粒子の平均粒径は5μm以下であり、好ましくは0.1μm以上5μm以下である。Cr−Te粒子の平均面積が上記全断面積の0.5面積%以下で、好ましくは上記全断面積の0.001面積%以上0.5面積%以下である。
Te含有相は、平均厚みが過小であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、平均厚みが過大であると耐電圧性能のバラツキが大きくなる点で問題があり、含有量が過小であると溶着引き外し性が乏しくなる点で問題があり、一方、含有量が過大であると材料自体が脆くなる点で問題がある。そのため、上記Te含有相は、平均厚みが5μm以下、好ましくは平均厚みが0.1μm以上5μm以下である。また、Te含有量が90質量%以下で、好ましくはTe含有量が50質量%以上90質量%以下である。
また、本発明の接点材料は、真空バルブ用接点材料として使用され場合、高真空中で使用されるため、接点材内部の残留ガスが少なく、密度比は理論密度に近い方が好ましく、特に、性能に悪影響を与えない90%以上の密度比を有するものが好ましい。なお上記密度比は、下式から求める。
密度比=(焼結体の密度/組成分析値から求めた接点材料の理論密度)×100
本発明において、当該接点材料に含まれるCr粒子、Cr−Te粒子、およびCu-Cr-Te粒子の各平均粒径や各平均面積、Cu−Cr−Te粒子中に含まれているCu−Te相とTe−Cu−Cr相の平均厚さ、さらにTe含有相の平均厚さは、当該接点材料の断面を研磨し、当該研磨面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察し、観察領域内の各粒子径、各面積、および各相の厚みを画像処理により積算し、観察領域内で割り出して各平均値を求めた。具体的には200μm角程度の観察領域をランダムに選んだ5箇所を観察し、各観察領域の粒子径、面積、および厚みの各平均値を求めた。
また、接点材料に含まれるCr粒子、Cu-Cr-Te粒子、Cr-Te粒子の含有量は、当該研磨面をSEMにより観察し、観察領域内の各粒子の全面積を画像処理により積算し、観察領域内で割り出して求めた。具体的には200μm角の観察領域をランダムに選んだ5箇所を観察し、各観察領域の各粒子の面積比(面積%)を平均して求めた。
Te含有相のTe含有量は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)による波長分散型X線分光(WDS)法で定量分析を行い、Te含有相のランダムに選んだ5箇所を測定した算術平均値を質量%として求めた。
本発明に係る接点材料は、接点材料を構成する成分金属の必要量を含む組成物を温度700℃以上1080℃以下、圧力30MPa以上200MPa以下の条件で加熱焼結することにより製造することができる。その際、接点材料におけるCr−Te粒子の平均径と含有量とは、加熱焼結される組成物におけるCrとTeの含有量を加減することにより調節可能であり、接点材料におけるTe含有相の平均厚みと含有量とは、加熱焼結される組成物におけるTeの含有量を加減することにより調節可能である。一方、接点材料を構成する成分金属の必要量を含む組成物を温度700℃以上1080℃以下、圧力30MPa以上200MPa以下の条件で且つパルス通電加圧焼結することにより、Cu−Te相、Cu−Te相とTe−Cu−Cr相とが混在した粒子、Cr−Te粒子が分散し、さらにTe含有相が形成された組織を有する接点材料を製造することができる。
なお、本発明に係る接点材料の製造において、加熱焼結時における温度が低いと、密度比90%以上の焼結体を得るために200MPa以上の高圧が必要となるが、プレス型を形成するカーボン材料の強度の観点から200MPaまでが好ましい。一方、Cuの融点である1083℃以上の温度で焼結した場合は、溶融したCuが上記プレス型の隙間に注し込み、組成ずれの原因となる。また圧力30MPa未満の低圧下で焼結した場合は、密度比90%以上の焼結体が得られない。よって、本発明に係る接点材料の製造においては、接点材料を構成する成分金属の必要量を含む組成物を、温度720℃以上1000℃以下、圧力40MPa以上150MPa以下の条件、さらに温度750℃以上950℃以下、圧力50MPa以上100MPa以下の条件で加熱焼結することが好ましい。
なお、上記のパルス通電加圧焼結は、斯界で多用されている周知のパルス通電加圧焼結装置を用いて行ってよい。パルス通電の好ましい条件は、例えば通電パルス電流500〜5000A、パルス間隔時間は3ms程度である。本発明においては、加熱焼結で製造した接点材料を所望の形状並びに寸法となるように成形してもよいが、被処理の混合粉を所望の形状並びに寸法のカーボン型に充填した状態で焼結すると、焼結物を直接あるいは軽度の後処理を施して実用に供し得る。次に、実施例と比較例とにより本発明を一層詳細に説明する。
実施例1.
平均粒径35μmで純度99.9質量%のCu粉末と、平均粒径40μmで純度99.9質量%のCr粉末と、平均粒径40μmで純度99.9質量%のTe粉末とを、Cuが59.5質量%、Crが40質量%、Teが0.1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。得られた混合粉末を内径25mmのカーボン型に充填し、そのカーボン型ごと6Paの真空中で圧力50MPa、焼結温度1050℃で60分間加圧焼結を行って、直径25mm、厚さ5mm、密度比98.5%のCu−Cr−Te接点材料を得た。当該Cu−Cr−Te接点材料に就き、前記の方法で定量分析したところ、生成したCr−Te粒子は平均粒径が0.5μmであり、その含有量は0.001面積%であった。
実施例2〜4.
上記実施例2から4では、Crが40質量%でTeが2質量%であり(実施例2)、Crが50質量%でTeが0.1質量%であり(実施例3)、Crが50質量%でTeが2質量%(実施例4)となるように各配合し、その後は実施例1と同条件で混合し、焼結し、得られたCu−Cr−Te接点材料を得、実施例1と同方法で定量分析した。その結果、実施例2ではCr−Te粒子は平均粒径が3μm、その含有量は0.1面積%であり、実施例3ではCr−Te粒子は平均粒径が1μm、その含有量は0.01面積%であり、実施例4ではCr−Te粒子は平均粒径が5μm、その含有量は0.3面積%であった。
実施例1〜4の各Cu−Cr−Te接点材料に就き、下記の方法並びに条件にて溶着引き外し力(以下、溶着引外力と略称)を測定した。後記する比較例3(Cu:Cr:Te比が60:40:0のもの)の接点材料の溶着引外力は1.1kNであった。これに対し実施例1〜4のいずれもは溶着引外力が、0.5〜0.6kNの範囲であって、比較例3のそれの約1/2と小さくて引き外しが容易であった。
溶着引外力:直径20mm、厚み5mmの被試験の接点材料を組み込んだ真空バルブに30kgfの接圧を負荷し、電流12.5kAを2秒間通電し、引張試験により溶着外力を測定し評価した。
実施例5〜8.
平均粒径35μmで純度99.9質量%のCu粉末と、平均粒径40μmで純度99.9質量%のCr粉末と、平均粒径20μmで純度99.9質量%のTe粉末とを、Cuが59.5質量%、Crが40質量%、Teが0.1質量%(実施例5)、Teが0.5質量%(実施例6)、Teが1質量%(実施例7)、Teが2質量%(実施例8)となるようにそれぞれ配合し、Vミキサーで混合した。
得られた各混合粉末を内径25mmのカーボン型に充填し、そのカーボン型ごと真空中で圧力50MPa、焼結温度800℃で20分間加圧焼結を行って、直径25mm、厚さ5mm、密度比98.5%の4種のCu−Cr−Te接点材料を得た。各Cu−Cr−Te接点材料に就き、前記の方法で分析したところ、生成した実施例5でのTe含有相は平均厚み0.1μmであり、そのTe含有量は85質量%、実施例6でのTe含有相は平均厚みが0.4μmであり、そのTe含有量は70質量%、実施例7でのTe含有相は平均厚みが1μmであり、そのTe含有量は60質量%、実施例8でのTe含有相は平均厚みが3μmであり、そのTe含有量は55質量%であった。
実施例5〜8の各Cu−Cr−Te接点材料に就き、前記の方法並びに条件にて溶着引外力を測定し、前記比較例3の接点材料の特性を1として相対比較したところ、実施例5〜8のいずれもは溶着引外力が、0.5〜0.6kNの範囲にあって、比較例3のそれの約1/2と小さくて引き外しが容易であった。
実施例9.
平均粒径35μmで純度99.9%のCu粉末と、平均粒径80μmで純度99.9質量%のCr粉末と、平均粒径40μmで純度99.9質量%のTe粉末とを、Cuが59.5質量%、Crが40.0質量%、Teが0.5質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。得られた混合粉末を内径25mmのカーボン型に充填し、そのカーボン型ごと真空中で焼結圧力50MPa、焼結温度800℃で20分間、ピーク電流1200A、電流パルス間隔3msの条件でパルス通電加圧焼結を行って、直径25mm、厚さ5mm、密度比99%のCu−Cr−Te接点材料を得た。
上記接点材料に就き、湿式切断機を用いて切断し、その断面の研磨面をSEMとEPMAにより拡大し観察・分析したところ、前記図2と同様の、Cu母材中に、Cr粒子、Cu−Te相とTe−Cu−Cr相とが混在したCu−Cr−Te粒子、Cr−Te粒子とが分散した状態で存在しており、さらに母材1とCr粒子との粒界に存在しているTe含有相が観察された。このことは、後続の実施例も同様である。次に前記した画像処理による方法で上記各粒子の大きさと含有量、並びにTe含有相7の平均厚みと平均Te含有量とを定量分析した(このことは、後続の実施例でも同じである。)ところ、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が0.5面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は1μm、含有量が0.002面積%であり、Te含有相は、平均厚みが0.5μmであり、Te含有量が70質量%であって、密度比が99%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が1.0であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
なお本発明において、上記遮断性能および耐電圧性能は、それぞれ次ぎの方法並びに条件で測定し判定した。当該測定と判定は、後続の実施例および比較例についても同様である。
遮断性能:直径30mm、厚み5mmの被試験の接点材料を真空バルブに組み込み、接点間距離4.5mm、遮断電流12.5kAの短絡遮断試験を実施し、遮断した場合は可、遮断しなかった場合は否とした。
耐電圧性能:直径20mm、厚み5mmの被試験の接点材料を真空バルブに組み込み、接点間距離2mmでインパルス電圧試験を行い、Cu60質量%とCr40質量%とからなる後記の比較例3の接点材料の耐電圧特性を1として相対比較値で表した。
実施例10.
前記実施例9とは、Cuが59.0質量%であり、Teが1.0質量%である点のみ異なり、他は同じである配合並びに製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が1.3面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は3μm、含有量が0.07面積%であり、Te含有相は、平均厚みが3μmであり、Te含有量が70質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が1.1であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
実施例11.
前記実施例9とは、Cuが58.0質量%であり、Teが2.0質量%である点のみ異なり、他は同じである配合並びに製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が2.6面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は3μm、含有量が0.1面積%であり、Te含有相は、平均厚みが3μmであり、Te含有量が70質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が1.1であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
実施例12.
前記実施例9とは、Cuが54.5質量%、Crが45質量%、Teが0.5質量%である点のみ異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mm、密度比98%のCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が50面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が0.6面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は1μm、含有量が0.01面積%であり、Te含有相は、平均厚みが0.5μmであり、Te含有量が70質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が1.1であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
実施例13.
前記実施例9とは、Cuが49.9質量%、Crが50.0質量%、Teが0.1質量%、焼結温度が900℃、焼結圧力が80MPaである点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が55面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が0.1面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は1μm、含有量が0.01面積%であり、Te含有相は、平均厚みが0.1μmであり、Te含有量が60質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が1.3であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
実施例14.
前記実施例9とは、Cuが48.0質量%、Crが50.0質量%、Teが2.0質量%、焼結温度が900℃、焼結圧力が80MPaである点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mm、密度比98%のCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が55面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が2.5面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は5μm、含有量が0.2面積%であり、Te含有相は、平均厚みが3μmであり、Te含有量が60質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が1.1であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
実施例15.
前記実施例9とは、Cuが59.5質量%、Crが40.0質量%、Teが0.5質量%、焼結温度が950℃、焼結圧力が30MPaである点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が0.7面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は0.7μm、含有量が0.002面積%であり、Te含有相は、平均厚みが0.8μmであり、Te含有量が55質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が0.9であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
実施例16.
前記実施例9とは、Cuが59.5質量%、Crが40.0質量%、Teが0.5質量%、焼結温度が700℃、焼結圧力が70MPaである点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が0.7面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は0.2μm、含有量が0.001面積%であり、Te含有相は、平均厚みが0.5μmであり、Te含有量が85質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が0.9であり、溶着引外力が0.5〜0.6kNであった。
ここで、実施例10のCu−Cr−Te接点材料を代表に選んでその断面を電子顕微鏡により観察した例について述べる。材料中のTeは、本発明の製造方法により焼結することにより、TeはTe−Cu−Cr相とCu−Te相が混在したCu−Cr−Te粒子、Cu−Te相、Cr−Te粒子、さらにCu母材とCr粒子との粒界に存在するTe含有相に分散して存在し、本発明の特有の合金相が分散した組織となる。上記Cu−Cr−Te粒子は、粒径0より大きく100μm以下、Cr−Te粒子は0より大きく5μm以下であった。Cr粒子とCu母材の粒界に不連続なTe含有相が存在し、その厚さは0より大きく厚さ5μm以下であった。
また上記Cu−Cr−Te粒子の粒径は、出発原料として用いられたTe粒子径に依存して変化し、一方、単独のCu−Te相、Cr−Te粒子、Te含有相は、出発原料として用いられたTe粒子径よりも小さく、本発明におけるTe粒径、Te配合量、焼結条件に依存せず微細なサイズとなる。したがって、0より大きく5μm以下のCr−Te粒子と、厚さが0より大きく5μm以下のCr粒子とCu母材の粒界の不連続なTe含有相は安定した好ましいサイズと考えられる。
さらに混在したCu−Te相とTe−Cu−Cr相についてEPMAによるWDS法で定量分析を行った結果、Cu−Te相はCuが51質量%以上54質量%以下、Teが46質量%以上49質量%以下で化学構造的にはCu2Teに近いものであった。また、Te−Cu−Cr相はTeが63質量%以上67質量%以下、Cuが23質量%以上25質量%以下、Crが8質量%以上12質量%以下であった。
一方、微小なCr−Te粒子、およびCu母材とCr粒子との粒界に形成されたTe含有相は、EPMAによる面分析とWDS法の定量分析により確認したところ、Cr−Te粒子は、Cr3Te4、Cr2Te3、CrTe3などから構成されているように考えられ、Te含有相は、Te−Cu−Cr合金相やCu−Te合金相などから構成されているように考えられた。また、SEMとEPMAにより観察・分析した結果、Cr粒子の粒径は主に35μm以上150μm以下であるが、最小で0.5μmのCr粒子が確認された。Te−Cu−Cr相とCu−Te相との混在相の径は75μm以下で、最小1μmの混在相が確認された。なお、Cr−Te相は0.5μm以上5μm以下であった。また図1には図示していないが、直径1μm以上20μm以下のCu−Te相が単独でも存在することも確認された。
比較例1.
前記実施例9とは、Cuが69.0質量%、Crが30.0質量%、Teが1.0質量%である点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が35面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が1.3面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は1μm、含有量が0.02面積%であり、Te含有相は、平均厚みが1μmであり、Te含有量が70質量%であって、密度比が99%、遮断性能が否であり、耐電圧性能が0.9であり、溶着引外力が0.4〜0.6kNであった。
比較例2.
前記実施例9とは、Cuが39.0質量%、Crが60.0質量%、Teが1.0質量%、焼結温度が900℃、焼結圧力が70MPaである点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が65面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径は40μm、含有量が1.2面積%あり、Cr−Te粒子は、平均粒径は1.2μm、含有量が0.05面積%であり、Te含有相は、平均厚みが1μmであり、Te含有量が60質量%であって、密度比が98%、遮断性能が否であり、耐電圧性能が1.2であり、溶着引外力が0.4〜0.6kNであった。
比較例3.
前記実施例9とは、Cuが60.0質量%、Crが40.0質量%であり、Teが0質量%である点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、含有量が0面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が0面積%であり、Te含有相は、Te含有量が0質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が1であり、溶着引外力が1.1kNであった。
比較例4.
前記実施例9とは、Cuが57.0質量%、Crが40.0質量%、Teが3.0質量%である点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、含有量が3.9面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が3.9面積%であり、Te含有相は、Te含有量が65質量%であって、密度比が98%、遮断性能が否であり、耐電圧性能が0.7であり、溶着引外力が0.3〜0.6kNであった。
比較例5.
前記実施例9とは、Cuが59.0質量%、Crが40.0質量%であり、Teが1.0質量%である点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が170μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、含有量が1.3面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が0.05面積%であり、Te含有相は、Te含有量が65質量%であって、密度比が98%、遮断性能が否であり、耐電圧性能が0.7〜0.9であり、溶着引外力が0.4〜0.6kNであった。
比較例6.
前記実施例9とは、Cuが59.0質量%、Crが40.0質量%、Teが1.0質量%である点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が10μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、含有量が1.3面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が0.05面積%であり、Te含有相は、Te含有量が65質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が0.7〜0.9であり、溶着引外力が0.4〜0.6kNであった。
比較例7.
前記実施例9とは、Cuが59.0質量%、Crが40.0質量%、Teが1.0質量%である点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、平均粒径が120μm、含有量が1.3面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が0.05面積%であり、Te含有相は、Te含有量が65質量%であって、密度比が98%、遮断性能が可であり、耐電圧性能が0.8であり、溶着引外力が0.5〜0.9kNであった。
比較例8.
前記実施例9とは、Cuが59.0質量%、Crが40.0質量%、Teが1.0質量%、焼結温度が900℃、焼結圧力25MPaである点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、含有量が1.3面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が1面積%であり、Te含有相は、Te含有量が60質量%であって、密度比が89%、遮断性能が否であり、耐電圧性能が0.8であり、溶着引外力が0.4〜0.6kNであった。
比較例9.
前記実施例9とは、Cuが59.0質量%、Crが40.0質量%、Teが1.0質量%、焼結温度が600℃、焼結圧力80MPaである点で異なり、他は同じ製造条件にて直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、含有量が0面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が0面積%であり、Te含有相は、Te含有量が0面積%であって、密度比が95%、遮断性能が否であり、耐電圧性能が0.9であり、溶着引外力が0.4〜0.6kNであった。
比較例10.
Cuが59.0質量%、Crが40.0質量%、Teが1.0質量%であり、焼結温度が1060℃、焼結圧力が0MPaの焼結法で製造されて、直径25mm、厚さ5mmのCu−Cr−Te接点材料を得た。当該接点材料は、Cr粒子は、平均粒径が80μm、含有量が45面積%であり、Cu−Cr−Te粒子は、含有量が1面積%あり、Cr−Te粒子は含有量が0面積%であり、Te含有相は、Te含有量が0質量%であって、密度比が89%、遮断性能が否であり、耐電圧性能が0.9であり、溶着引外力が0.4〜0.6kNであった。
以上の実施例9〜16と比較例1〜10とを対比すると、比較例1〜6は、組成、各合金相の有無、Cr粒径、Cu−Cr−Te粒子の各粒子径のうちの少なくとも一つが本発明の接点材料の条件を満たしていないものである。また、比較例7〜9は圧力、焼結温度、焼結方法の少なくとも一つが本発明の接点材料の製造条件を満たしていないものである。比較例1と比較例2の接点材料は、Cr量が本発明の接点材料の条件を満たしていない場合で、耐圧性能と溶着引き外し性は得られるものの遮断性能が不可であった。これに対し、実施例9〜実施例14に示す本発明の接点材料は、耐圧性能と溶着引外力を維持しながら、高い遮断性能を得る効果があることが明らかになった。なお、実施例14〜実施例16の遮断性能は、実施例9〜実施例14のそれらに比べて若干低下しているが実用上問題の無い範囲であった。
なお、因みに前記実施例10の接点材料の断面組織をSEMとEPMAにより観察・分析した結果、Cr粒子の粒径は38μm以上150μm以下のものが大部分であるが、最小で0.5μmのCr粒子が確認された。Te−Cu−Cr相とCu−Te相が混在するCu−Cr−Te粒子の径は、75μm以下で最小1μmであることが確認された。なお、Cr−Te相は1μm以上5μm以下であった。また、図1に図示していないが、直径1μm以上20μm以下のCu−Te相が単独でも存在することも確認された。
一方、比較例3と比較例4は、Teを含有していない場合とTeが2.5質量%で、本発明のTe量の条件を満たしていない場合である。Teが含有していないものは溶着が発生し、この時の引き外した時の特性を1として実施例1〜8の特性を調べた。Te量が2質量%を超える場合、溶着引外性は得られるものの耐電圧性能が低下し、遮断性能は不可であった。また、接点材料自体が脆くなり加工性が低下した。比較例5は、Cr粒径が170μmで、本発明のCr粒径の上限値である150μmを超えた場合である。Cr粒径が150μmを超える粒子が混在する場合、Cuの母材中にCr粒子が均一に分散せず遮断性能にバラツキが生じ、遮断性能が不可であった。また、比較例6は、本発明のCr粒径の下限値である35μm以下の場合で、耐電圧性能にバラツキを生じた。比較例4と比較例5に対して、実施例9〜実施例16では溶着引外性を維持しながら良好な遮断性能、耐電圧性能を得ることができ、Cr粒径は35μm以上150μm以下が好ましい範囲であることがわかる。
比較例7は、Te粒径が120μmのTeを用い、本発明のTe粒径の上限値である100μmを超えた場合である。これにより、Te−Cu−Cr相とCu−Te相の混在相の粒径が100μmを超える結果となり、分散が不均一になることから溶着引き外し力にバラツキを生じた。比較例8は、製造条件の圧力が25MPaで、本発明の圧力の下限値である30MPa未満の場合である。密度比89%と低くなり遮断性能が低下し遮断性能は不可であった。但し、密度比を向上させるために、既知の方法である再圧縮と再焼結を行って本発明の接点を得てもよい。例えば、比較例8で得た焼結体を圧力30MPa以上で再圧縮加工し、その後700℃以上1080℃以下の温度で再焼結を行ってもよい。
比較例9は、製造条件の焼結温度が600℃で、本発明の焼結温度の下限値である700℃未満の場合である。この条件で製造した場合、Cuを主体とした母材中にはCr粒子、Cu−Te相およびTe−Cu−Cr相が形成され分散しているが、上記両相が混在した相、Cr−Te粒子、さらにCr粒子と母材との粒界にTe含有相は形成できず、密度比も実施例9〜16に比べて低い。その結果、耐電圧性能が低下し、遮断性能も不可であった。比較例10は、Cuが59質量%、Crが40質量%、Teが1質量%の圧粉体をCuの融点未満で固相焼結した場合で、本発明の製造工程を含まなかった場合である。Cuを主体とした母材中にはCr粒子、Te−Cu−Cr相とCu−Te相が混在した粒子が形成され分散しているが、Cu−Te相、Cr−Te粒子、さらにCr粒子と母材との粒界にTe含有相は形成されていなかった。また、密度比も実施例9〜16に比べて低い。その結果、耐電圧性能が低下し、遮断性能も不可であった。
以上、本発明を実施の形態および実施例により詳細に説明したが、本発明はそれらの実施の形態および実施例に限定されず、本発明の課題並びに解決手段の精神に則った各種の変型形態をも包含する。
本発明は、例えば真空遮断器の接点材料として利用される可能が高い。
本発明の接点材料の一例の断面図である。 本発明の接点材料を有する真空バルブを示す断面図である。
1:Cu母材、2:Cr粒子、3:Cu−Te相、4:Te−Cu−Cr相、
5:Cu−Cr−Te粒子、6:Cr−Te粒子、7:Te含有相、8:真空バルブ、9:遮断室、10:絶縁容器、11a:封止金具、11b:封止金具、12a:金属製蓋、12b:金属製蓋、13:固定電極棒、14:可動電極棒、15:固定電極、
16:可動電極、17:固定接点、18:可動接点、19:ベローズ、
20:ベローズ用アークシールド、21:絶縁容器用アークシールド。

Claims (1)

  1. Cu母材中にCrとTeを含む接点材料において、Cr−Te粒子を含み、Cr含有量が40質量%以上50質量%以下の範囲、Te含有量が0.1質量%以上2質量%以下の範囲であり、上記Cr−Te粒子の平均粒径が5μm以下であり、かつ接点材料の全断面積中に占める上記Cr−Te粒子の平均面積が上記全断面積の0.5面積%以下であることを特徴とする接点材料。
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