JP3909804B2 - 真空バルブ用接点材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空バルブ用接点材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力系統において、一般に事故の拡大を防ぐため遮断器が設けられるが、その1つに開閉部の絶縁媒体を真空とした真空遮断器がある。真空遮断器は、開閉部をなす真空バルブと、この真空バルブの真空容器内に設けられる接離可能な一対の電極を操作する操作機構から成っている。
真空バルブの一対の電極における接点材料に要求される特性には、基本三要件である遮断特性、耐電圧特性、耐溶着特性の他、接触抵抗特性や温度上昇特性がある。これら全ての特性が良好である真空バルブ用接点材料が理想であるが、これらの特性には相反する性質のものがある関係上、単一の金属種によって全ての特性を満足させるのは困難である。このため、実用化されている真空バルブ用接点材料は、不足する特性を相互に補えるような2種以上の元素、例えば導電成分と耐弧成分を組合せて構成され、大電流用や高電圧用等といった所望する用途に応じて使用される。
一方、多種多用な真空バルブ用接点材料の中でも比較的満足する特性を有するものとしては、例えば特開昭54−71375号公報に記載されているように、導電成分としてのCuと耐弧成分としてのCrから成るCu−Cr系真空バルブ用接点材料がある。同公報によれば、真空中では優秀な耐電圧特性を示すが大電流性能は期待できないCrの性質を補うべく大電流性能を有するCuを添加し、Cuマトリクス中にCr、特に平均粒径が100μm以下のCrを均一に分散させ、遮断性能や耐電圧性能等の諸特性を良好とすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のCu−Cr系真空バルブ用接点材料では、導電成分と耐弧成分において、硬度、引張強度、靭性値等の機械的強度が大きく異なるために、接点材料の表面を所定形状へと加工する際、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒子の脱落といった現象を生じることがある。
これらの現象は、遮断性能等に悪影響を及ぼし、真空バルブ用接点材料として満足できる諸特性を得ることはできない。
本発明の目的は、接点材料の表面を所定形状へと加工する際、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒子の脱落といった現象の発生を低減させ、良好な遮断性能と耐電圧性能を得られる真空バルブ用接点材料を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、Ag及びCuの内の少なくとも一種を主成分とする導電成分と、Cr、W、Nb、Ta、Ti、Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも一種を備える粒径10〜40μmの耐弧成分とを有し、前記耐弧成分の占める割合xと、通電面での1mm 2 以上で深さが0 . 01mm以下の所定領域における耐弧成分の占める割合y n( nはyの添え字 ) は重量比で0 . 9≦y n /x≦1.1の関係にあるとともに、通電面の粗さが1〜3μmであることを特徴とする。
これにより、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒子の脱落といった現象の発生を低減させることができる。そして、良好な遮断性能と耐電圧性能を得られる真空バルブ用接点材料を得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの断面図である。
同図において、1は遮断室を示し、この遮断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、この両端に封着金具3a,3bを介して設けた金属性の蓋体4a,4bとで真空気密に構成されている。遮断室1内には、導電棒5,6の対向する端部に取り付けられた一対の電極7,8が配設され、上部の電極7を固定電極、下部の電極8を可動電極としている。また、この可動電極8の導電棒6にはベローズ9が取り付けられ、遮断室1内を真空気密に保持しながら可動電極8の軸方向の移動を可能にする。ベローズ9の上部には金属性の第1のアークシールド10が設けられ、ベローズ9がアーク蒸気で覆われることを防止している。11は、固定電極7と可動電極8を覆うようにして遮断室1内に設けられた金属性の第2のアークシールドで、絶縁容器2がアーク蒸気で覆われることを防止している。
一方、可動電極8側は、図2に示すように、導電棒6にロウ付け部12によって固定されるか、また、かしめによって圧着接続されている。可動側接点13aは、可動電極8にロウ付け14で固着されている。尚、固定電極7側について、固定側接点13bは図2の可動側接点13bと同様に固定電極7に固着されている。
【0006】
ところで、真空バルブ用接点材料、例えばCu−Cr系接点材料は、接点材料の表面を所定形状へと加工する際、耐弧成分粒子上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒子の周囲への導電成分の凹み又は耐弧成分粒子の脱落といった現象の発生を低減させると、良好な遮断性能と耐電圧性能が得られる。
本発明者等は、上述したような現象を低減させることと、通電面近傍の断面組織の微細化及び最大粗さに密接な関係があることを発見した。特に、通電面において、接点を所定形状に加工後に表面から0.001mm以上2mm以下の深さまで溶融して微細化し且つ最大粗さを3μmmにする。
このように、通電面において、表面から0.001mm以上2mm以下の深さまで溶融して微細化し且つ最大粗さを3μmmにすると、表面の凹凸が小さくなって通電面の組成比と接点全体の組成比が同等になる。
特に、本発明者等の研究によれば、通電面において、1mm2以上で深さが0.01mm以下の所定領域における耐弧成分の占める割合ynは重量比で0.9≦yn/x≦1.1となるくらいに、通電面及び接点全体における組成比のバラツキを小さくすれば遮断性能及び耐電圧性能が良好となる。
【0007】
より詳細には、上述した各現象との関係をみてみると、耐弧成分粒子の上への導電成分の覆被りは、導電成分が耐弧成分よりも軟質で伸びが大きいために発生する現象であるから通電面に存在する耐弧成分が減少するので、ynはxより小さくなる。また、耐弧成分粒子の周囲の導電成分の凹みは、耐弧成分の被切削性が導電成分よりも良好なために発生する現象であるから下地の耐弧成分粒子が通電面に現れるので、ynはxより大きくなる。更に、耐弧成分粒子の脱落は、耐弧成分粒子と導電成分マトリックスとの結合力が弱い場合、例えば燒結法、特に固層燒結法で製造した場合に発生し易いことから、ynはxより小さくなる。
従って、耐弧成分粒子の上への導電成分の覆被り、耐弧成分粒子の周囲の導電成分の凹み及び耐弧成分粒子の脱落といった現象を低減させることにより、1mm2以上で深さが0.01mm以下の所定領域における耐弧成分の占める割合ynは重量比で0.9≦yn/x≦1.1の関係となるくらいに通電面及び接点全体における組成比のバラツキを小さくするすることが可能となり、良好な遮断性能及び耐電圧性能が得られる。
ここで、上述した真空バルブに採用される真空バルブ用接点材料として、Cu−Cr系接点材料を例にとり、本実施の形態による真空バルブ用接点材料の製造方法及び遮断特性と静耐圧特性の測定結果につき表1を参照しながら説明する。
【0008】
【表1】
(比較例1〜比較例2,実施例1〜実施例3)
比較例1では、固相焼結法でCu−50Cr接点を製造した。Cu粉末とCr粉末を重量比で1:1となるように混合してφ60mmの坩堝に充填した後、10 −3 Paオーダの真空中で、1000℃*5時間の条件で焼結した。次に、得られた焼結体をφ60mmの金型で10t/cm 2 で成形した後、再度同一条件で焼結し、Cu−50Cr合金を得た。このCu-Cr合金を所定の接点形状(φ50mm、t5mm)に加工した後、真空バルブに組み込んで遮断試験を実施した。
遮断試験は、5kAから徐々に電流値を上げていく方法で最大遮断電流を測定した。また、遮断試験と並行して、静耐圧試験を試験片(針電極と平板電極の組み合わせ)とで実施した。静耐圧試験は、電極間隔を一定にして破壊電圧を5回測定し、その平均値を算出した。この比較例1の測定結果を基準とし、その他の測定結果は相対値で示した。なお、表1に示したynとxの比については、ynとxを別々の方法で測定した後に算出した。通電面の耐弧成分比であるynは、通電面の拡大写真(数十倍程度)から導電成分と耐弧成分の面積比を測定して重量比に換算した。この測定を位置を変えて5回実施し、最大値と最小値を記録した。耐弧成分の粒径が数十μmと細かい場合は、電子顕微鏡に付属のEDXで重量比を測定した(この方法についても、位置を変えて5回測定した)。また、接点全体の耐弧成分比であるxは、湿式分析で測定した。ynの最大値または最小値をxで除した値が、表1に示した0.92と1.12である。
【0009】
実施例1では、Cu−50Cr合金を比較例1と同一工程で作製して所定形状に加工した後、通電面(遮断試験用接点の場合は遮断面,静耐圧用試験片の場合は耐圧評価面)に電子線を照射して(注入エネルギーは、例えば1W/mm2)、CuとCrを溶融微細化させて遮断試験と静耐圧試験を実施した。電子線照射後のyn/xは0.96〜1.07であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.2倍と1.1倍であった。
実施例2と実施例3では、Cu−50Cr合金を比較例1と同一工程で作製して所定形状に加工した後、通電面を溶融させてCuとCrを微細化させて遮断試験と静耐圧試験を実施した。実施例2では、レーザ照射(注入エネルギーは、例えば2W/mm2)により溶融させたところ、yn/xは0.91〜1.05であり、遮断性能と静耐電圧性能は比較例1の1.3倍と1.0倍であった。また、実施例3では、遮断試験用接点を真空バルブに組み込んだ後に、数百Aを通電させて50回開閉することにより溶融したものとし、静耐圧用試験片には数十kVの電圧を10秒間、10回印加することにより溶融させたものとしたところ、yn/xは0.93〜1.04であり、遮断性能と静耐電圧性能は比較例1の1.3倍と1.1倍であった。
【0010】
比較例2では、Cu−50Cr合金を比較例1と同一工程で作製して所定形状に加工した後、電子線を実施例1よりも長時間照射したところ、CuがCrよりも多量に蒸発した為にCr含有率が増大し、yn/xの最大値は1.15であり、遮断性能と静耐電圧性能は比較例1の1.2倍と0.9倍であった。
(比較例3〜比較例4,実施例4〜実施例5)
比較例3〜比較例4と実施例4〜実施例5では、水素雰囲気中の固相焼結法で作製したCu−40Cr合金を所定形状に加工後、通電面を溶融する際の注入エネルギーを調整して、溶融深さをパラメータとした。なお、エネルギーは、Cu−40Crにアークを発生させることにより注入した。
比較例3では、表面からの溶融深さは約0.0008mmであり、遮断性能、耐電圧性能ともに比較例1とほぼ同等であった。
実施例4と実施例5では、溶融深さはそれぞれ、0.002mmと1.5mmであり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1の1.1〜1.2倍であり、若干向上した。
比較例4では、溶融深さは2.2mmで接点厚さの半分程度であり、真空バルブの組立て中に接点側面が割れたので、試験を中止した。この割れは、溶融微細層と基材の材料物性(硬度,熱膨張率等)の差により発生したと考えられる。
【0011】
(比較例5,実施例6〜実施例7)
比較例5と実施例6〜実施例7では、焼結溶浸法でCu−55Cr合金を作製し、所定形状に加工した後に、通電面を溶融する際の電子線の注入エネルギーと凝固する際の冷却速度を調整して、微細層中のCr粒子の粒径をパラメータとした。
Cu−55Cr合金は、Cr粉末を加圧成形した後、水素雰囲気中で1150℃*1時間の条件で焼結して製造したCrスケルトンと溶浸材Cuを坩堝内で上下に配置し、水素雰囲気中で1150℃で加熱して導電成分であるCuを溶浸させることにより作製した。
比較例5では、Cr粒子径が約70μm、yn/xの最大値は1.12であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ0.9倍と1.1倍であった。
実施例6では、Cr粒子径が約40μm、yn/xが0.95〜1.08であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.1倍と1.2倍であった。
実施例7では、Cr粒子径が約10μm、yn/xが0.97〜1.05であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.2倍と1.3倍であった。
(比較例6,実施例8〜実施例11)
上述した比較例2〜比較例5と実施例1〜実施例7では、Cu-Cr合金を所定形状に加工後に通電面を溶融させた事例について述べたが、実施例8〜11では通電面を機械的に滑らかにすることによりyn/xを0.9〜1.1にし、接点特性を向上させている。
【0012】
比較例6では、真空雰囲気中での液相焼結により作製したCu−20Cr合金を所定形状に加工したところ、通電面の最大粗さは5μm、yn/xの最大値が1.13であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.0倍と0.9倍であった。
実施例8では、比較例6と同一工程で作製したCu−20Cr合金を所定形状に加工した後、通電面のみをバイトの送り速度,角度を調整した特殊な研削加工した結果、通電面の最大粗さは3μmに低下し、yn/xが0.95〜1.08であり、遮断性能と耐圧性能は比較例1のそれぞれ1.2倍と1.1倍であった。
実施例9では、比較例6と同一工程で作製したCu−20Cr合金を所定形状に加工した後、通電面のみをエメリー紙で研摩した結果、通電面の最大粗さは2μmに低下し、yn/xが0.96〜1.06であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.3倍と1.2倍であった。
実施例10は、比較例6と同一工程で作製したCu−20Cr合金を所定形状に加工した後、通電面のみをダイヤモンド粉を含むペーストで研摩した結果、通電面の最大粗さは1μmに低下し、yn/xが0.97〜1.04であり、遮断性能と耐電圧性能はともに比較例1のそれぞれ1.3倍であった。
【0013】
実施例11では、比較例6と同一工程で作製したCu−20Cr合金を所定形状に加工した後、通電面をイオンビームの照射(注入エネルギーは、例えば0.5W/mm2)により溶融させ、さらにアルミナ粉で研摩した結果、通電面の最大粗さは1μmに低下し、yn/xが0.98〜1.03であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.4倍と1.3倍であった。
(比較例8〜比較例9,実施例12〜実施例13)
上述した比較例1〜比較例7と実施例1〜実施例11では、焼結温度を1000℃、1100℃、1150℃の3通り、即ち導電成分Cuの融点(1083℃)を基準にして±90℃以内の温度で焼結したが、比較例8〜比較例9、実施例12〜13では、焼結温度をそれぞれ900℃、950℃、1200℃、1300℃で、Cu−25Cr合金を製造した。この内、1300℃で焼結した比較例9では、CuとCrが分離してしまったので接点の電気評価に値しないと判断した。残りの3種類のCu−25Cr合金については、所定形状に加工した後、通電面をイオンビームの照射により溶融させた。
比較例8では、yn/xが0.98〜1.03であったが、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.0倍と0.9倍であった。これは、焼結温度が低いために焼結が進まず、密度が低かった(相対密度85%)からである。
【0014】
実施例12では、yn/xが0.96〜1.08であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.1倍と1.0倍であった。
実施例13では、yn/xが0.94〜1.06であり、遮断性能と耐電圧性能は比較例1のそれぞれ1.2倍と1.1倍であった。
(実施例14〜実施例19)
上述した比較例1〜比較例9と実施例1〜実施例13では、耐弧成分がCrで導電成分がCuであるCu−Cr系接点材料について述べたが、実施例14では耐弧成分をWとし導電成分をCuとしたCu−20wt(重量)%W接点とした。しかして、実施例14では、所定形状に加工した後にその通電面を溶融させて作製し、遮断性能と静耐電圧性能を評価した結果、最大遮断電流と絶縁破壊電圧は、加工後の処理工程(通電面の溶融工程)を経ていない通常の固相焼結法で製造した時のCu−W接点のそれぞれ1.2倍と1.1倍であった。
実施例15〜実施例17では、耐弧成分をそれぞれNb、WC、Cr+Wとし、導電成分をCuとして、実施例14と同様な条件で接点材料を製造し、遮断性能と静耐電圧性能を評価した結果、実施例15〜実施例17の全てについて、通電面溶融工程を経ていない通常の固相焼結法で製造した時の接点と比較して、遮断性能は1.2倍であり、静耐電圧性能は1.1倍であった。
【0015】
実施例18〜実施例19では、導電成分をそれぞれAg、Ag+Cuとし、耐弧成分をWCとして、実施例15と同様な条件で接点材料を製造して電気特性を評価した結果、実施例18、実施例19共に、通電面溶融工程を経ていない通常の焼結溶浸法で製造した時の接点と比較して、遮断性能は1.3倍であり、静耐電圧性能は1.2倍であった。
(実施例20〜実施例22)
上述した比較例1〜比較例9と実施例1〜実施例19では、導電成分と耐弧成分で構成される接点材料について述べたが、実施例20〜実施例22では補助成分としてそれぞれBi、Te、Te+Seを添加し、実施例14と同様な条件で接点材料を製造して電気特性を評価した結果、実施例20〜22全てについて、通電面の溶融工程を経ていない通常の固相焼結法で製造した時の接点と比較して、遮断性能は1.2倍であり、静耐電圧性能は1.1倍であった。
以上の結果が示すように、本実施の形態による真空バルブ用接点材料は、基準とした比較例1の接点材料と比較して、遮断性能と静耐電圧性能を向上させることができる。
なお、耐弧成分について、本実施の形態では、Cr、W、Nb、WC、Cr+Wの記載しかないが、Cr、W、Nb、Ta、Ti、Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1つを耐弧成分として使用しても、同様の効果が得られる。
【0016】
また、導電成分について、本実施の形態では、Cu、Ag、Ag+Cuの記載しかないが、CuまたはAgを主成分とするならば同様の効果が得られる。
さらに、補助成分については、本実施の形態では、Bi,Te,Te+Seの記載しかないが、Bi、Te、Se、Sb、Coの内の少なくとも1つを補助成分としても、同様の効果が得られる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、遮断性能と耐電圧性能が良好な真空バルブ用接点材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの断面 図。
【図2】 [図1]の可動電極8の拡大断面図。
【符号の説明】
7…固定電極、8…可動電極、13a…可動側接点、13b…固定側接点
Claims (2)
- Ag及びCuの内の少なくとも一種を主成分とする導電成分と、Cr、W、Nb、Ta、Ti、Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも一種を備える粒径10〜40μmの耐弧成分とを有し、前記耐弧成分の占める割合xと、通電面での1mm2以上で深さが0.01mm以下の所定領域における耐弧成分の占める割合yn(nはyの添え字)は重量比で0.9≦yn/x≦1.1の関係にあるとともに、通電面の粗さが1〜3μmであることを特徴とする真空バルブ用接点材料。
- 含有量が5重量%以下であってBi、Te、Se、Sb及びCoの内の少なくとも一種を有する補助成分を含有させたことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ用接点材料。
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