JP2001049225A - 湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組成物 - Google Patents

湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組成物

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JP2001049225A
JP2001049225A JP2000033988A JP2000033988A JP2001049225A JP 2001049225 A JP2001049225 A JP 2001049225A JP 2000033988 A JP2000033988 A JP 2000033988A JP 2000033988 A JP2000033988 A JP 2000033988A JP 2001049225 A JP2001049225 A JP 2001049225A
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JP
Japan
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urethane
composition
tetrahydrofuran
copolymer
moisture
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Application number
JP2000033988A
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English (en)
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Masaya Kobayashi
正也 小林
Takahiro Futamura
高博 二村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1液型であり常温硬化性であるので、大がか
りな設備投資や加熱養生を必要とせず、作業性や貯蔵安
定性に優れ、且つ、硬化後は高い弾力性や伸び率と高い
凝集力や破断強度とを優れたバランスで兼備し、耐
(温)水性、耐薬品性、耐候性等の耐久性にも優れる、
1液型の湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリ
ング剤組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 テトラヒドロフランの単独重合体又はテ
トラヒドロフランとアルキレンオキサイドとの共重合体
及びテトラヒドロフランを用いないポリオキシアルキレ
ンエーテルポリオールからなる混合ポリオールと、過剰
のジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させて合
成される両末端にイソシアネート基を有するウレタンプ
レポリマーに対し、表面有機酸処理炭酸カルシウム及び
カーボンブラックが添加されてなることを特徴とする湿
気硬化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1液型の湿気硬化
型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ウレタン系組成物は、1液型なので作業
性が良く、且つ、硬化後は優れた接着力や弾力性等の性
能を発揮するので、従来から一般的に使用されてきたゴ
ム系溶剤型組成物や2液混合型エポキシ系組成物等に代
わり、接着剤やシーリング剤等として、その需要を拡大
しつつある。
【0003】このような1液型のウレタン系組成物とし
て、例えば、特開平5−78447号公報では、「固体
ポリイソシアネート化合物に不活性化剤を反応させてイ
ソシアネート基の0.2〜10重量%を部分的に不活性
化した固体ポリイソシアネート化合物、及び、分子量8
000〜40000の2官能乃至4官能のポリオキシア
ルキレンエーテルポリオールから成ることを特徴とする
1液型熱硬化性弾性ポリウレタン組成物」が開示されて
いる。
【0004】上記開示にある1液型のウレタン系組成物
は、固体ポリイソシアネート化合物の不活性化率を特定
の範囲とし、且つ、架橋点間の鎖長の長い高分子量のポ
リオキシアルキレンエーテルポリオールを用いることに
より、伸び率が高く、引張り強度も高い、接着剤やシー
リング剤として有用なゴム弾性硬化物が得られるとされ
ている。
【0005】しかし、上記開示にある1液型熱硬化性弾
性ポリウレタン組成物において用いられている分子量8
000〜40000の2官能乃至4官能のポリオキシア
ルキレンエーテルポリオールは、常温では粘度が非常に
高いため、混合が容易でなく、作業性が良くないという
問題点がある。
【0006】一方、上記高分子量のポリオキシアルキレ
ンエーテルポリオールに代えて、重量平均分子量が数千
程度のポリオキシアルキレンエーテルポリオールを用い
ることも考えられる。しかし、重量平均分子量が数千程
度のポリオキシアルキレンエーテルポリオールを用いた
場合、ウレタン系組成物の硬化物が固くなり、弾力性が
大きく損なわれるという問題点が生じる。
【0007】他方、ウレタン系組成物の硬化物の伸び率
を高めるために、可塑剤(軟化剤)を添加する方法が一
般的に行われている。しかし、単に可塑剤を添加して硬
化物の伸び率を高めた場合には、他の物性、例えば凝集
力や破断強度等が低下するという問題点や、可塑剤のブ
リードアウトにより、被着体が汚染されたり、接着性が
低下するという問題点が生じる。
【0008】又、ウレタン系組成物の硬化物の破断強度
を高めるために、低分子量であり且つ多官能のポリオキ
シアルキレンエーテルポリオールを用いる方法も考えら
れる。即ち、架橋点の数を増大させることにより、硬化
物の破断強度を高めることが出来る。しかし、この方法
の場合、硬化物中におけるウレタン結合の数が多くなる
ため、凝集力や架橋密度が高められ、破断強度は向上す
るものの、硬化物の伸び率や弾力性が大きく損なわれる
という問題点が生じる。
【0009】さらに、前記開示にある1液型のウレタン
系組成物は、硬化養生時に加熱する必要があるため、例
えば浄化槽の組立て等に適用しようとする場合、加熱養
生装置等の大がかりな設備投資が必要となり、実用性に
欠けるという問題点がある。
【0010】上述したように、大がかりな設備投資や加
熱養生を要することなく、作業性に優れ、且つ、硬化後
は高い弾力性や伸び率と高い凝集力や破断強度とを発揮
し得る1液型の常温硬化性ウレタン系組成物は実用化さ
れていないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、1液型であり常温硬化性であるので、大
がかりな設備投資や加熱養生を必要とせず、作業性や貯
蔵安定性に優れ、且つ、硬化後は高い弾力性や伸び率と
高い凝集力や破断強度とを優れたバランスで兼備し、耐
(温)水性、耐薬品性、耐候性等の耐久性にも優れる、
1液型の湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリ
ング剤組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】一般に、繰り返し単位の
骨格が直鎖の連続した炭素数が3以下のポリオキシアル
キレンエーテルポリオールは、ガラス転移温度(Tg)
が約−90℃程度と低く、結晶性を有しない。従って、
このようなポリオキシアルキレンエーテルポリオールを
含有させたウレタン系組成物においては、硬化物の凝集
力は、化学的な架橋とウレタン結合の物理的架橋とによ
り主としてもたらされる。ここで、架橋点間の分子量が
大きくなると、硬化物の伸び率が大きくなり、逆に架橋
点間の分子量が小さくなると、硬化物の破断強度が大き
くなる。従って、上記繰り返し単位の骨格が直鎖の連続
した炭素数が3以下のポリオキシアルキレンエーテルポ
リオールを用いた場合、硬化物の伸び率と破断強度の双
方を高めることは非常に困難であった。
【0013】本発明者は、上記のような問題点に鑑み、
ポリマー成分そのものに凝集力を付与することにより、
上記課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明においては、テトラヒドロフラ
ンとエチレンオキサイドとを共重合して得られる凝集力
の大きいポリエーテルポリオールとテトラヒドロフラン
を用いないポリオキシアルキレンエーテルポリオールと
が、互いに相溶する特定の範囲で混合されてなる混合ポ
リオールと、ジフェニルメタンジイソシアネートとを反
応させて合成される活性イソシアネート基含有ウレタン
プレポリマーに対し、必須成分として表面有機酸処理炭
酸カルシウム、カーボンブラック及び微粉シリカを添加
することにより、上記課題を達成し得る1液型の常温硬
化性ウレタン系組成物を得られることを見出し、該知見
に基づき、本発明を完成するに至った。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】請求項1に記載の発明(以下、「第1発
明」と記す)による湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物
又はシーリング剤組成物(以下、単に「ウレタン系組成
物」と記す)は、テトラヒドロフラン(以下、「TH
F」と記す)の単独重合体又はTHFとアルキレンオキ
サイドとの共重合体及びTHFを用いないポリオキシア
ルキレンエーテルポリオールからなる混合ポリオール
と、過剰のジフェニルメタンジイソシアネート(以下、
「MDI」と記す)とを反応させて合成される両末端に
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(以
下、単に「ウレタンプレポリマー」と記す)に対し、表
面有機酸処理炭酸カルシウム及びカーボンブラックが添
加されてなることを特徴とする。
【0016】請求項2に記載の発明(以下、「第2発
明」と記す)によるウレタン系組成物は、第1発明によ
るウレタン系組成物において、THFの単独重合体又は
THFとアルキレンオキサイドとの共重合体の重量平均
分子量が1000〜4000であることを特徴とする。
【0017】請求項3に記載の発明(以下、「第3発
明」と記す)によるウレタン系組成物は、第1発明又は
第2発明によるウレタン系組成物において、混合ポリオ
ール中におけるTHFの単独重合体又はTHFとアルキ
レンオキサイドとの共重合体の含有量が25〜75重量
%であることを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の発明(以下、「第4発
明」と記す)によるウレタン系組成物は、第1発明〜第
3発明のいずれかによるウレタン系組成物において、T
HFを用いないポリオキシアルキレンエーテルポリオー
ルが、官能基数が2〜4であり、重量平均分子量が20
00〜9000であるプロピレンオキサイドの単独重合
体又はプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの
共重合体であることを特徴とする。
【0019】請求項5に記載の発明(以下、「第5発
明」と記す)によるウレタン系組成物は、第1発明〜第
4発明のいずれかによるウレタン系組成物において、ウ
レタンプレポリマーに対し、さらに微粉シリカが添加さ
れてなることを特徴とする。
【0020】請求項6に記載の発明(以下、「第6発
明」と記す)によるウレタン系組成物は、第5発明によ
るウレタン系組成物において、微粉シリカが疎水性微粉
シリカであることを特徴とする。
【0021】請求項7に記載の発明(以下、「第7発
明」と記す)によるウレタン系組成物は、第5発明又は
第6発明によるウレタン系組成物において、微粉シリカ
がウレタンプレポリマーの合成後に添加されてなること
を特徴とする。
【0022】第1発明においては、ウレタンプレポリマ
ーを合成するためのポリオールとして、THFの単独重
合体又はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合体と
THFを用いないポリオキシアルキレンエーテルポリオ
ールとからなる混合ポリオールが用いられることが必要
である。
【0023】THFの単独重合体とは、THFを開環重
合して得られるポリオキシテトラメチレングリコールで
あり、これは常温でワックス状固体(融点10〜30
℃)の結晶性ポリエーテルポリオールである。
【0024】又、THFとアルキレンオキサイドとの共
重合体とは、THFとアルキレンオキサイドとを触媒の
存在下で開環共重合して得られる結晶性ポリエーテルポ
リオールである。
【0025】上記アルキレンオキサイドとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、エチレンオキサイ
ド(以下、「EO」と記す)、プロピレンオキサイド
(以下、「PO」と記す)、β−ブチレンオキサイド等
が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもEOがより
好適に用いられる。
【0026】上記アルキレンオキサイドは、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】THFとアルキレンオキサイドとの共重合
体の結合形態は、特に限定されるものではなく、ランダ
ム共重合体であっても良いし、ブロック共重合体であっ
ても良い。
【0028】THFとアルキレンオキサイドとの共重合
体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0029】又、上記THFの単独重合体又はTHFと
アルキレンオキサイドとの共重合体は、それぞれ単独で
用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0030】混合ポリオール中にTHFの単独重合体又
はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合体である結
晶性ポリエーテルポリオールを含有させることにより、
得られるウレタン系組成物の硬化物の凝集力や破断強度
と弾力性や伸び率との双方をバランス良く高めることが
出来る。
【0031】第2発明においては、上記THFの単独重
合体又はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合体と
して、重量平均分子量が1000〜4000の上記単独
重合体又は共重合体が用いられることが必要である。
【0032】上記THFの単独重合体又はTHFとアル
キレンオキサイドとの共重合体の重量平均分子量が10
00未満であると、得られるウレタン系組成物の硬化物
の弾力性や伸び率が十分に向上しないことがあり、逆に
上記THFの単独重合体又はTHFとアルキレンオキサ
イドとの共重合体の重量平均分子量が4000を超える
と、得られるウレタン系組成物の硬化物の凝集力や破断
強度が低下することがある。
【0033】又、第3発明においては、混合ポリオール
として、上記THFの単独重合体又はTHFとアルキレ
ンオキサイドとの共重合体を25〜75重量%含有する
混合ポリオールが用いられることが必要である。
【0034】混合ポリオール中における上記THFの単
独重合体又はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合
体の含有量が25重量%未満であると、得られるウレタ
ン系組成物の硬化物の弾力性や伸び率と凝集力や破断強
度との双方をバランス良く高めることが出来ないことが
あり、逆に混合ポリオール中における上記THFの単独
重合体又はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合体
の含有量が75重量%を超えると、得られるウレタン系
組成物の硬化物が固くなり、弾力性や伸び率が不十分と
なることがある。
【0035】次に、混合ポリオール中に上記THFの単
独重合体又はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合
体と共に含有されるTHFを用いないポリオキシアルキ
レンエーテルポリオールとしては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール等の2価アルコール類;グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ヘキサントリオール等の3価アルコール
類;ソルビトール、シュークローズ等の4価以上の多価
アルコール類;ハイドロキン、ビスフェノールA、ビス
フェノールF等の多価フェノール類;例えばPOの単独
重合体やPOとEOとの共重合体等のような炭素数2〜
4のアルキレンオキサイドの単独重合体もしくは共重合
体等が挙げられ、好適に用いられる。
【0036】上記THFを用いないポリオキシアルキレ
ンエーテルポリオールの具体例としては、特に限定され
るものではないが、例えば、ポリオキシプロピレンジオ
ール、ポリオキシプロピレンエチレンジオール、ポリオ
キシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンエチ
レントリオール、ポリオキシプロピレンテトラオール、
ポリオキシプロピレンエチレンテトラオール等が挙げら
れ、好適に用いられるが、なかでもポリオキシプロピレ
ンジオールやポリオキシプロピレントリオール等がより
好適に用いられる。
【0037】上記THFを用いないポリオキシアルキレ
ンエーテルポリオールは、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。
【0038】混合ポリオール中に上記THFを用いない
ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを含有させる
ことにより、得られるウレタン系組成物の硬化物の弾力
性や伸び率と凝集力や破断強度との双方を適度に調整す
ることが出来る。
【0039】第4発明においては、上記THFを用いな
いポリオキシアルキレンエーテルポリオールとして、官
能基数が2〜4であり、重量平均分子量が2000〜9
000であるPOの単独重合体又はPOとEOとの共重
合体が用いられることが必要である。
【0040】上記POの単独重合体又はPOとEOとの
共重合体は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者
が併用されても良い。
【0041】上記POの単独重合体又はPOとEOとの
共重合体の官能基数が2未満であると、得られるウレタ
ン系組成物の硬化物の凝集力や破断強度が不十分となる
ことがあり、逆に上記POの単独重合体又はPOとEO
との共重合体の官能基数が4を超えると、得られるウレ
タン系組成物の硬化物の弾力性や伸び率が不十分となる
ことがある。
【0042】又、上記POの単独重合体又はPOとEO
との共重合体の重量平均分子量が2000未満である
と、得られるウレタン系組成物の硬化物の弾力性や伸び
率が不十分となることがあり、逆に上記POの単独重合
体又はPOとEOとの共重合体の重量平均分子量が90
00を超えると、混合ポリオール中において、前記TH
Fの単独重合体又はTHFとアルキレンオキサイドとの
共重合体との相溶性が低下して相分離を起こし、得られ
るウレタン系組成物の硬化物の弾力性や伸び率と凝集力
や破断強度が不十分となることがある。
【0043】本発明(第1発明〜第7発明)によるウレ
タン系組成物の主成分として用いられるウレタンプレポ
リマーは、上述した混合ポリオールと過剰のMDIとを
反応させて合成される。
【0044】上記MDIとしては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、精製MDI(ピュアMDI)や多
官能成分を含有する粗製MDI(クルードMDI)等が
挙げられ、好適に用いられるが、粗製MDIを用いる
と、得られるウレタン系組成物の硬化物の弾力性や伸び
率が不十分となることがあるので、精製MDIを用いる
ことが好ましい。
【0045】前記混合ポリオールと上記MDIとの反応
割合は、特に限定されるものではないが、例えば、混合
ポリオール中の水酸基に対するMDI中のイソシアネー
ト基のモル比(NCO/OH)が、1.2〜3.0、好
ましくは1.5〜2.0となるような割合であることが
好ましい。
【0046】上記NCO/OH(モル比)が1.2未満
であると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が高く
なり過ぎて、作業性が低下することがあり、逆に上記N
CO/OH(モル比)が3.0を超えると、得られるウ
レタン系組成物の硬化物の架橋密度が高くなり過ぎて、
弾力性や伸び率が不十分となることがある。
【0047】ウレタンプレポリマーの合成方法は、特別
なものではなく、例えば、THFの単独重合体又はTH
Fとアルキレンオキサイドとの共重合体の所定量とTH
Fを用いないポリオキシアルキレンエーテルポリオール
の所定量とを、例えば100〜150℃程度の温度で均
一に加熱混合し、減圧脱水した後、窒素気流中で例えば
60℃程度に冷却して、混合ポリオールを準備する。次
いで、この混合ポリオールにMDIの所定量を添加し、
窒素気流中で例えば60〜100℃程度の温度で3〜5
時間程度反応させることにより、所望のウレタンプレポ
リマーを得ることが出来る。尚、THFの単独重合体又
はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合体とTHF
を用いないポリオキシアルキレンエーテルポリオールと
の各所定量は予め混合された状態で仕込まれても良い
し、それぞれの所定量が個別に仕込まれても良い。
【0048】又、本発明においては、上記のように混合
ポリオールとMDIとを反応させて所望のウレタンプレ
ポリマーを合成する方法を採っても良いし、THFの単
独重合体又はTHFとアルキレンオキサイドとの共重合
体とMDIとを反応させたウレタンプレポリマー及びT
HFを用いないポリオキシアルキレンエーテルポリオー
ルとMDIとを反応させたウレタンプレポリマーをそれ
ぞれ個別に合成した後に、両者を所定の割合で混合して
所望のウレタンプレポリマーを得る方法を採っても良い
が、生産性の点から前者の方法を採ることが好ましい。
【0049】第1発明〜第4発明によるウレタン系組成
物においては、上記方法で得られるウレタンプレポリマ
ーに対し、表面有機酸処理炭酸カルシウム及びカーボン
ブラックが添加されていることが必要である。
【0050】表面有機酸処理炭酸カルシウムは、得られ
るウレタン系組成物の硬化物を補強して、凝集力や破断
強度を向上させる機能や、増量による塗布作業性の向上
機能やコストダウン機能等を発揮する。
【0051】有機酸による表面処理が施されていない炭
酸カルシウムを用いると、耐酸性が乏しいので、例えば
浄化槽で汚水を処理する際に発生する硝酸により炭酸カ
ルシウムが分解して、ウレタン系組成物の硬化物の弾力
性や伸び率と凝集力や破断強度との双方が低下し、耐久
性が不十分となる。従って、本発明においては、表面有
機酸処理炭酸カルシウムを用いることが必要である。
【0052】上記表面有機酸処理炭酸カルシウムとして
は、特に限定されるものではないが、例えば、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシ
ウム、沈降性炭酸カルシウム等の通常の炭酸カルシウム
に、例えば脂肪酸のような有機酸で表面処理を施したも
のが挙げられ、好適に用いられる。
【0053】上記表面有機酸処理炭酸カルシウムは、単
独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0054】又、カーボンブラックは、得られるウレタ
ン系組成物の硬化物を補強して、凝集力や破断強度を向
上させる機能や、耐(温)水性、耐薬品性、耐候性、耐
久性等を向上させる機能等を発揮する。
【0055】上記カーボンブラックとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、ファーネスブラック、
チャンネルブラック、サーマルブラック等の通常のカー
ボンブラックが挙げられ、好適に用いられる。
【0056】上記カーボンブラックは、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0057】次に、第5発明によるウレタン系組成物
は、上述した第1発明〜第4発明によるウレタン系組成
物において、ウレタンプレポリマーに対し、さらに微粉
シリカが添加されてなることが必要である。
【0058】又、第6発明によるウレタン系組成物は、
第5発明によるウレタン系組成物において、微粉シリカ
が疎水性微粉シリカであることが必要である。
【0059】さらに、第7発明によるウレタン系組成物
は、第5発明又は第6発明によるウレタン系組成物にお
いて、微粉シリカが前記ウレタンプレポリマーの合成後
に添加されてなることが必要である。
【0060】微粉シリカは、得られるウレタン系組成物
に適度な揺変性(チクソトロピック性)を付与して、優
れた作業性や優れた貯蔵安定性を発現し得るものとする
機能を発揮する。即ち、微粉シリカを添加することによ
り、得られるウレタン系組成物は塗布時に垂れや糸引き
等を起こし難い優れた作業性を有するものとなり、又、
長期間にわたって保管された場合でも相分離や沈殿等を
起こさない優れた貯蔵安定性を有するものとなる。
【0061】上記微粉シリカは、珪素と酸素の球状結合
体であり、表面が水酸基化されて親水性を有する親水性
微粉シリカと表面の水酸基に疎水化処理を施した疎水性
微粉シリカとに大別され、いずれの微粉シリカも好適に
用いられるが、なかでもウレタン系組成物の硬化後の強
度向上にも寄与し得る疎水性微粉シリカがより好適に用
いられる。これらの微粉シリカは、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0062】上記疎水性微粉シリカとしては、親水性微
粉シリカ表面の水酸基に脂肪族炭化水素、モノクロロシ
ラン、ジクロロシラン、オクチルシラン、シリコーンオ
イル等の疎水化剤で疎水化処理を施したものが挙げら
れ、その平均粒子径が0.007μm程度のものが好適
に用いられる。これらの疎水性微粉シリカは、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0063】前記ウレタンプレポリマーに対する上記微
粉シリカの添加量は、特に限定されるものではないが、
ウレタンプレポリマー100重量部に対し、微粉シリカ
1〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは
1〜10重量部である。
【0064】ウレタンプレポリマー100重量部に対す
る微粉シリカの添加量が1重量部未満であると、得られ
るウレタン系組成物の前記作業性向上効果や貯蔵安定性
向上効果を十分に得られないことがあり、逆にウレタン
プレポリマー100重量部に対する微粉シリカの添加量
が50重量部を超えても、得られるウレタン系組成物の
作業性や貯蔵安定性はそれ以上向上しないからである。
【0065】ウレタン系組成物作製時における微粉シリ
カの添加時期は、ウレタンプレポリマーの合成後である
ことが好ましい。ウレタンプレポリマーの合成前、即
ち、前記混合ポリオールとMDIとの反応完了前に微粉
シリカを添加すると、微粉シリカの表面が混合ポリオー
ルやMDIにより被覆されて、微粉シリカ同士の接触に
よって発現される前記作業性向上効果や貯蔵安定性向上
効果を十分に得られなくなることがある。
【0066】本発明によるウレタン系組成物には、ウレ
タンプレポリマー、表面有機酸処理炭酸カルシウム、カ
ーボンブラック、微粉シリカ以外に、本発明の課題達成
を阻害しない範囲で必要に応じて、粘着付与樹脂、硬化
促進触媒、充填剤、粘度調整剤、微粉シリカ以外のチク
ソ性付与剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、カップリン
グ剤、発泡防止剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤、有機溶剤等の各種添加剤の1種もしくは2
種以上が添加されていても良い。
【0067】粘着付与樹脂としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、ロジン系樹脂、水添ロジン系樹
脂、テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂、テルペンフ
ェノール系樹脂、脂肪族石油樹脂、脂環族石油樹脂、芳
香族石油樹脂等が挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が好適に用いられる。
【0068】硬化促進触媒としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、トリエチルアミン、N−メチル
モルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテ
ル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル
−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチ
ル)エーテル、N−メチル,N’−ジメチルアミノエチ
ルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基
をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等のア
ミン系硬化促進触媒や有機金属化合物系硬化促進触媒等
が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用
いられる。
【0069】充填剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、前記表面有機酸処理炭酸カルシウム以
外の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タル
ク、酸化チタン、雲母粉末、ゴム粉末、有機バルーン、
無機バルーン、ウォラストナイト等が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0070】チクソ性付与剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、水素添加ヒマシ油、有機ベン
トナイト等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられる。
【0071】可塑剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジ2−エチルヘキシルフタレート、
ジラウリルフタレート、ジオクチルアジペート、ジイソ
デシルアジペート、トリブチルホスフェート、トリオク
チルホスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポ
リエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステ
ル、エポキシ化大豆油、塩素化パラフィン、流動パラフ
ィン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好
適に用いられる。
【0072】安定剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、商品名「チヌビン327」(チバガイ
ギー社製)、商品名「イルガノックス1010」(チバ
ガイギー社製)、商品名「トミソープ800」(吉富製
薬社製)等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられる。
【0073】有機溶剤としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、合成イソパラフィン系炭化水素、ト
ルエン、アセトン、酢酸エチル等が挙げられ、これらの
1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0074】本発明によるウレタン系組成物の製造方法
は、特別なものではなく、先ず、主成分として用いるウ
レタンプレポリマーを例えば前述の方法で合成する。次
いで、例えば万能ミキサーのような攪拌混合機を用い
て、上記で得られたウレタンプレポリマーの所定量と表
面有機酸処理炭酸カルシウム、カーボンブラック、微粉
シリカの各所定量、及び、必要に応じて添加する上記各
種添加剤の1種もしくは2種以上の各所定量とを均一に
攪拌混合することにより、所望のウレタン系組成物を得
ることが出来る。尚、上記攪拌混合時における各成分の
配合順序は特に限定されるものではなく、又、攪拌混合
は減圧下もしくは不活性ガス気流下で行われることが好
ましい。
【0075】本発明によるウレタン系組成物の使用方法
は、特別なものではなく、例えばロールコーター、フロ
ーコーター、スプレー塗布機、ハンドガン、ヘラ等の各
種塗布装置を用いて、ウレタン系組成物を、例えば平面
状、ビード状、スパイラル状等の所望の各種パターンで
被着体に塗布、充填もしくは注入すれば良い。
【0076】
【作用】本発明によるウレタン系組成物は、主成分とし
て用いられるウレタンプレポリマー合成用の混合ポリオ
ール中にTHFの単独重合体又はTHFとアルキレンオ
キサイドとの共重合体である結晶性ポリエーテルポリオ
ールが含有されているので、硬化物は高い弾力性や伸び
率と高い凝集力や破断強度とを優れたバランスで兼備し
得るものとなる。又、同じく上記混合ポリオール中にT
HFを用いないポリオキシアルキレンエーテルポリオー
ルが含有されているので、硬化物の弾力性や伸び率と凝
集力や破断強度とを適度に調整し得る。
【0077】又、ウレタンプレポリマー合成用のポリイ
ソシアネート化合物としてMDIが用いられるので、硬
化物の弾力性や伸び率と凝集力や破断強度とはより優れ
たバランスのものとなる。
【0078】さらに、本発明によるウレタン系組成物
は、主成分として用いられる上記ウレタンプレポリマー
に対し、表面有機酸処理炭酸カルシウム及びカーボンブ
ラックが添加されているので、これらの補強機能によ
り、硬化物の凝集力や破断強度が一段と向上すると共
に、耐(温)水性、耐薬品性、耐候性等の耐久性も優れ
たものとなる。さらに又、上記ウレタンプレポリマーに
対し、さらに微粉シリカを添加することにより、優れた
作業性や優れた貯蔵安定性を有するものとなる。
【0079】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例の
みに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0080】(実施例1)
【0081】(1)ウレタンプレポリマーの合成 THFとアルキレンオキサイドとの共重合体としてTH
FとEOとの共重合体(商品名「THFE−200
0」、重量平均分子量:2000、三洋化成工業社製)
100部及びTHFを用いないポリオキシアルキレンエ
ーテルポリオールとして3官能のポリオキシプロピレン
エーテル(商品名「サンニックスFA−909」、重量
平均分子量:6000、三洋化成工業社製)50部から
なる混合ポリオール150部とMDIとして精製MDI
(商品名「ミリオネートMT」、官能基当量:8meq
/g、日本ポリウレタン工業社製)31部とを、窒素気
流下、80℃で5時間反応させて、ウレタンプレポリマ
ーを得た。尚、上記原料は、いずれも予め脱水処理した
ものを用いた。
【0082】(2)ウレタン系組成物の作製 上記で得られたウレタンプレポリマー40部に対し、表
面有機酸処理炭酸カルシウムとして表面脂肪酸処理重質
炭酸カルシウム(商品名「白艶華CCR」、白石カルシ
ウム社製)35部、カーボンブラック(商品名「シース
ト3」、東海カーボン社製)15部、可塑剤としてDO
P10部及び硬化促進触媒(商品名「U−CAT204
1」、サンアプロ社製)0.3部を添加し、減圧下で十
分に攪拌混合して、常温でパテ状のウレタン系組成物を
得た。尚、上記原料は、いずれも予め脱水処理したもの
を用いた。上記で得られたウレタン系組成物は、接着剤
としてもシーリング剤としても用い得るものであった。
【0083】(3)評価 上記で得られたウレタン系組成物の性能(破断強度及
び伸び率、耐温水性、耐薬品性)を以下の方法で評
価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0084】破断強度及び伸び率:ウレタン系組成物
を膜厚が1mmとなるように塗布し、20℃−65%R
Hの雰囲気下で4週間養生して、膜厚1mmの硬化シー
トを得た後、2号ダンベルで打ち抜いて測定用試験片を
作製した。次いで、JISK−6251「加硫ゴムの引
張試験方法」に準拠して、上記で得られた測定用試験片
の引張試験(引張速度5mm/分)を行い、破断強度
(kgf/cm2 )及び伸び率(%)を測定した。
【0085】耐温水性:で作製した測定用試験片を
温水(60℃)中に2ケ月間浸漬した後、取り出して、
の場合と同様にして、破断強度及び伸び率を測定し
た。
【0086】耐薬品性:で作製した測定用試験片を
下記3種類の薬品水溶液(20℃)中に2ケ月間浸漬し
た後、取り出して、の場合と同様にして、破断強度及
び伸び率を測定した。 〔薬品水溶液(20℃)〕 イ.0.2重量%硝酸水溶液 ロ.2重量%アンモニア水溶液 ハ.2重量%次亜塩素酸ソーダ水溶液
【0087】(比較例1)ウレタンプレポリマーの合成
において、混合ポリオール中にTHFの単独重合体又は
THFとアルキレンオキサイドとの共重合体を含有させ
ることなく、2官能のポリオキシプロピレンエーテル
(商品名「サンニックスPP−2000」、重量平均分
子量:2000、三洋化成工業社製)100部及び3官
能のポリオキシプロピレンエーテル「サンニックスFA
−909」50部からなる混合ポリオール150部を用
いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、ウレタン
プレポリマーを得た。
【0088】次いで、ウレタン系組成物の作製におい
て、上記で得られたウレタンプレポリマー40部を用い
たこと以外は実施例1の場合と同様にして、ウレタン系
組成物を得た。
【0089】(比較例2)ウレタン系組成物の作製にお
いて、表面有機酸処理炭酸カルシウムを含有させること
なく、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトンSS
B」、白石カルシウム社製)35部を含有させたこと以
外は実施例1の場合と同様にして、ウレタン系組成物を
得た。
【0090】(比較例3)ウレタン系組成物の作製にお
いて、カーボンブラックを含有させることなく、表面脂
肪酸処理重質炭酸カルシウム「白艶華CCR」50部を
含有させたこと以外は実施例1の場合と同様にして、ウ
レタン系組成物を得た。
【0091】比較例1〜3で得られた3種類のウレタン
系組成物の性能(破断強度及び伸び率、耐温水性、
耐薬品性)を実施例1の場合と同様にして評価した。
その結果は表1に示すとおりであった。
【0092】
【表1】
【0093】表1から明らかなように、本発明による実
施例1のウレタン系組成物は、初期性能(破断強度及び
伸び率)、耐温水性及び耐薬品性のいずれについても優
れており、優れたバランスの性能を発揮した。
【0094】これに対し、THFの単独重合体又はTH
Fとアルキレンオキサイドとの共重合体を含有させなか
った混合ポリオールを用いて合成されたウレタンプレポ
リマーを主成分とする比較例1のウレタン系組成物は、
耐温水性が極端に悪く、初期性能及び耐薬品性も劣って
いた。
【0095】又、表面有機酸処理炭酸カルシウムの代わ
りに通常の重質炭酸カルシウムを含有させた比較例2の
ウレタン系組成物は、耐酸性(耐硝酸性)が悪く、耐温
水性も劣っていた。
【0096】さらに、カーボンブラックを含有させなか
った比較例3のウレタン系組成物は、耐温水性及び耐薬
品性が悪く、初期性能も劣っていた。
【0097】(実施例2)実施例1で合成したウレタン
プレポリマー40部に対し、表面有機酸処理炭酸カルシ
ウムとして表面脂肪酸処理重質炭酸カルシウム「白艶華
CCR」35部、カーボンブラック「シースト3」15
部、微粉シリカとして疎水性微粉シリカ(商品名「アエ
ロジルR−202」、日本アエロジル社製)5部、可塑
剤としてDOP10部及び硬化促進触媒「U−CAT2
041」0.3部を添加し、減圧下で十分に攪拌混合し
て、常温でパテ状のウレタン系組成物を得た。尚、上記
原料は、いずれも予め脱水処理したものを用いた。上記
で得られたウレタン系組成物は、接着剤としてもシーリ
ング剤としても用い得るものであった。
【0098】(実施例3)微粉シリカとして、疎水性微
粉シリカ「アエロジルR−202」5部の代わりに、疎
水性微粉シリカ(商品名「レオロシールDM−20」、
トクヤマ社製)5部を添加したこと以外は実施例2の場
合と同様にして、ウレタン系組成物を得た。
【0099】(比較例4)疎水性微粉シリカ「アエロジ
ルR−202」5部の添加をウレタンプレポリマー合成
前に行ったこと以外は実施例2の場合と同様にして、ウ
レタン系組成物を得た。
【0100】(比較例5)疎水性微粉シリカ「アエロジ
ルR−202」5部を添加しなかったこと以外は実施例
2の場合と同様にして、ウレタン系組成物を得た。
【0101】実施例2及び3、及び、比較例4及び5で
得られた4種類のウレタン系組成物の性能(破断強度
及び伸び率、耐温水性、耐薬品性)を実施例1の場
合と同様にして評価した。その結果は表2に示すとおり
であった。
【0102】又、上記4種類のウレタン系組成物の揺
変性を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すと
おりであった。
【0103】揺変性:20℃の雰囲気下において、B
8U型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて、ロータ
ーNo.7で、ウレタン系組成物の1rpm時及び10
rpm時の粘度を測定し、下式によりチクソ指数を算出
した。チクソ指数が高いほど揺変性に優れていることに
なる。 チクソ指数=1rpm時の粘度/10rpm時の粘度
【0104】
【表2】
【0105】表2から明らかなように、本発明による実
施例2及び3のウレタン系組成物は、初期性能(破断強
度及び伸び率)、耐温水性及び耐薬品性のいずれについ
ても優れていた。又、チクソ指数が高く揺変性が優れて
いたので、優れた作業性や貯蔵安定性を有するものであ
った。
【0106】これに対し、微粉シリカの添加をウレタン
プレポリマーの合成前に行った比較例4のウレタン系組
成物、及び、微粉シリカを添加しなかった比較例5のウ
レタン系組成物は、初期性能(破断強度及び伸び率)、
耐温水性及び耐薬品性は優れていたものの、チクソ指数
が低く揺変性が乏しかったので、十分な作業性や貯蔵安
定性を有するものではなかった。
【0107】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による湿気硬
化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組成物
は、1液型であり常温硬化性であるので、大がかりな設
備投資や加熱養生を必要とせず、優れた作業性や貯蔵安
定性を有するものである。又、硬化後は高い弾力性や伸
び率と高い凝集力や破断強度との双方を優れたバランス
で兼備し、且つ、耐(温)水性、耐薬品性、耐候性等の
耐久性にも優れるので、各種工業用や現場施工用の弾性
接着剤やシーリング剤として好適に用いられる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA03 AA25 AA27 AA29 AA39 AB05 AC01 AC05 AC19 4J034 BA03 BA07 CE01 DC50 DG03 DG04 DG05 DG06 DG08 DG09 DG10 DG12 DG14 DG16 HA01 HA06 HA07 HC12 HC63 HC64 HC67 HC71 JA42 KA01 KB02 KD12 LA08 LA33 MA02 MA03 MA04 QA05 QB12 RA08 4J040 EF131 EF132 EF321 EF322 GA20 HA026 HA196 HA306 HB24 JA12 JB04 KA07 LA01 LA05 LA06 LA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラヒドロフランの単独重合体又はテ
    トラヒドロフランとアルキレンオキサイドとの共重合体
    及びテトラヒドロフランを用いないポリオキシアルキレ
    ンエーテルポリオールからなる混合ポリオールと、過剰
    のジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させて合
    成される両末端にイソシアネート基を有するウレタンプ
    レポリマーに対し、表面有機酸処理炭酸カルシウム及び
    カーボンブラックが添加されてなることを特徴とする湿
    気硬化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 テトラヒドロフランの単独重合体又はテ
    トラヒドロフランとアルキレンオキサイドとの共重合体
    の重量平均分子量が1000〜4000であることを特
    徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ウレタン系接着剤
    組成物又はシーリング剤組成物。
  3. 【請求項3】 混合ポリオール中におけるテトラヒドロ
    フランの単独重合体又はテトラヒドロフランとアルキレ
    ンオキサイドとの共重合体の含有量が25〜75重量%
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組
    成物。
  4. 【請求項4】 テトラヒドロフランを用いないポリオキ
    シアルキレンエーテルポリオールが、官能基数が2〜4
    であり、重量平均分子量が2000〜9000であるプ
    ロピレンオキサイドの単独重合体又はプロピレンオキサ
    イドとエチレンオキサイドとの共重合体であることを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の湿気硬
    化型ウレタン系接着剤組成物又はシーリング剤組成物。
  5. 【請求項5】 ウレタンプレポリマーに対し、さらに微
    粉シリカが添加されてなることを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載の湿気硬化型ウレタン系接着
    剤組成物又はシーリング剤組成物。
  6. 【請求項6】 微粉シリカが疎水性微粉シリカであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の湿気硬化型ウレタン系
    接着剤組成物又はシーリング剤組成物。
  7. 【請求項7】 微粉シリカがウレタンプレポリマーの合
    成後に添加されてなることを特徴とする請求項5又は請
    求項6に記載の湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物又は
    シーリング剤組成物。
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