JP2001016867A - 系統連系インバータ - Google Patents

系統連系インバータ

Info

Publication number
JP2001016867A
JP2001016867A JP11186524A JP18652499A JP2001016867A JP 2001016867 A JP2001016867 A JP 2001016867A JP 11186524 A JP11186524 A JP 11186524A JP 18652499 A JP18652499 A JP 18652499A JP 2001016867 A JP2001016867 A JP 2001016867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distortion
inverter
component
frequency component
output current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11186524A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001016867A5 (ja
JP4421700B2 (ja
Inventor
Tetsuhiro Kawamoto
哲裕 川本
Yasunobu Okada
泰伸 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP18652499A priority Critical patent/JP4421700B2/ja
Publication of JP2001016867A publication Critical patent/JP2001016867A/ja
Publication of JP2001016867A5 publication Critical patent/JP2001016867A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4421700B2 publication Critical patent/JP4421700B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/56Power conversion systems, e.g. maximum power point trackers

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】精度の高い歪み電流の低減をフィードバック制
御系を不安定にすることなく実現する。 【解決手段】インバータ出力部に設けられたLCフィル
タ部3の出力電流中に重畳される歪み周波数成分を、ま
ず歪み成分抽出部10が歪み周波数成分毎に回転座標変
換により歪み成分を直流に変換し、ローパスフィルタを
用いてその直流分のみを抽出することによって歪み周波
数成分を抽出する。そして、インバータ出力電流補償指
令作成手段11,12,13のうち歪み補償指令作成手
段がその抽出した歪み周波数成分を補償するための歪み
補償指令を作成し、その歪み補償指令を回転逆座標変換
によりインバータ出力電流補償指令に変換する。そし
て、作成されたインバータ出力電流補償指令に基づいて
インバータの出力制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池等の直流
電源から供給される直流電力を交流電力に変換して電力
系統に連系させる系統連系インバータに係り、詳しくは
インバータ出力から電流歪み成分を除去する構成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】系統連系インバータにおいては、その出
力電流歪み率の上限値(例えば、各次3%、総合5%)
が規格(所謂ガイドライン)により設定されており、電
力系統に連系させるためには、この規格を満足させる必
要がある。そこで、従来から、系統連系インバータで
は、上記規格(出力電流歪み率)を満足させるために、
1).インバータ出力電流を直接フィードバック制御する
ことでインバータの出力制御を行う、2).インバータ出
力部にLCフィルタ部を設けることでインバータのスイ
ッチング動作時に発生する歪み電流を低減する、といっ
た構成が知られていた。
【0003】しかしながら、系統連系インバータでは、
系統電圧の歪みに起因して生じる歪み電流(以下、系統
起因歪み電流と称す)が発生し、LCフィルタ部を構成
するコンデンサにこの系統起因歪み電流が流れ込むこと
があるが、上述した従来の構成では、このような系統起
因歪み電流については十分低減することができないとい
う不都合があった。特に、電力系統側のインダクタンス
成分と上述したLCフィルタ部のコンデンサ成分とで疑
似的に構成される共振回路(以下、みなし共振回路と称
す)の共振周波数が、系統電圧の歪み周波数成分に近似
したものとなる場合には、みなし共振回路の共振周波数
付近に周波数帯を有する系統起因歪み電流がLCフィル
タ部の出力部に多く流れてしまうという不都合があっ
た。
【0004】このような不都合を解消するためには、
3).共振周波数調整用のインダクタンスを系統側に別途
外付けで設けることで、上述したみなし共振回路の共振
周波数を、系統電圧の歪み成分の周波数帯から大きく離
間させる、4).LCフィルタ部に対して直列にダンピン
グ抵抗を接続することで、上述したみなし共振回路の共
振周波数成分を含めたインピーダンスを大きくしてみな
し共振回路の共振周波数付近に周波数帯を有する電流を
減衰させる、といった構成も考えられ、実際、従来では
採用されることもあった。
【0005】しかしながら、このような構成に対して次
のような不都合がある。すなわち、3).の構成において
は、電力系統毎に、インダクタンス成分の値が変動する
ために、接続する電力系統毎に外付けのインダクタンス
のLを調整する必要があり、その作業が非常に面倒なも
のとなって製造コストを上昇させる。一方、4).の構成
においては、ダンピング抵抗を設ける分、インバータの
効率を低下させたり、LCフィルタ部の歪み電流低減効
果を減退させる。
【0006】そこで、このような不都合を生じさせるこ
となく系統起因歪み電流を低減するものとして、従来か
ら、5).LCフィルタ部の出力部に電流センサを設け
て、この電流センサから供給される電力系統と系統連系
インバータとの間に流れる電流(系統起因歪み電流)を
直接フィードバック制御することでインバータの出力制
御をする、という構成が知られていた。
【0007】この構成によれば、外付けのインダクタン
スといった出力調整(インダクタンス値)を調整する必
要がなく、しかも、ダンピング抵抗といったインバータ
の効率や歪み電流低減効果を減退させる要因となる回路
部品を設ける必要がなく、系統起因歪み電流を低減する
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして系統起因歪み電流の低減を図っていた従来の構
成(上述した5).の構成)においても、次のような課題
があった。すなわち、LCフィルタ出力電流のフィード
バック制御系に、LCフィルタ部および上述したみなし
共振回路のゲイン特性や位相特性を考慮した微分要素を
設ける必要がある。ところが、微分要素には高周波にな
るほどゲインが大きくなるという特性がある。そのた
め、このような特性を有する微分要素をLCフィルタ部
の出力電流のフィードバック制御系に設けると、このフ
ィードバック制御系を流れる制御信号のノイズ成分を増
幅して、フィードバック制御系を不安定にしてしまうと
いう課題があった。
【0009】なお、このような微分要素によるノイズ成
分の増幅を防止したものとしては、従来から微分要素に
さらにローパスフィルタ機能を合わせ持った不完全微分
要素という微分要素が知られており、広く使われてい
る。しかしながら、このような不完全微分要素と純粋な
微分要素とはそのゲイン・位相特性が異なっているた
め、不完全微分要素を組み込んでLCフィルタ部出力電
流のフィードバック制御系を構成しても精度高く歪み電
流を低減することは困難であった。
【0010】したがって、本発明においては、精度の高
い歪み電流の低減をフィードバック制御系を不安定する
ことなく実現することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、インバータ出力部に歪み電流低減用のLCフ
ィルタ部を設けてなる系統連系インバータであって、前
記LCフィルタ部の出力電流中に重畳される歪み周波数
成分を、歪み周波数成分毎に静止座標系から歪み角周波
数で回転する回転座標系へ変換する回転座標変換手段に
よって直流に変換し、ローパスフィルタを用いてその直
流分のみを抽出することによって歪み成分を抽出する歪
み成分抽出手段と、前記歪み周波数成分を補償するため
の歪み補償指令を歪み補償指令作成手段により作成し、
作成した歪み補償指令を歪み角周波数で回転する回転座
標系から静止座標系へ変換する回転逆座標変換手段によ
りインバータ出力電流補償指令を作成するインバータ出
力電流補償指令作成手段と、前記インバータ出力電流補
償指令作成手段で作成されたインバータ出力電流補償指
令に基づいてインバータの出力制御を行う制御手段とを
有することに特徴を有しており、これにより次のような
作用を有する。
【0012】すなわち歪み周波数成分毎に回転座標変換
手段とローパスフィルタとによる歪み成分の抽出と、歪
み補償指令作成手段と回転逆座標変換操作とによるイン
バータ出力電流補償指令値の作成とを行うので、LCフ
ィルタ部およびみなし共振回路(電力系統側のインダク
タンス成分とLCフィルタ部のコンデンサ成分とで構成
される)のゲイン・位相特性を考慮したフィードバック
制御系を構成するためにノイズを増幅させる微分要素や
ノイズを考慮した不完全微分要素(微分要素とゲイン・
位相特性が若干異なる)を用いる必要がなくなるので、
制御系のノイズを考慮することなくLCフィルタ部およ
び上述したみなし共振回路のゲイン・位相特性を考慮し
た精度の高い歪み電流制御系を構成できる。
【0013】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に係る系統連系インバータであって、前記回転逆座標
変換手段は、回転逆座標変換の際に回転座標系の回転角
を調整することでその位相補正を行うものであることに
特徴を有しており、これにより次のような作用を有す
る。
【0014】すなわち、回転逆座標変換時の回転座標系
の回転角の調整により、歪み成分が最も減少するように
インバータ出力電流補償指令値の位相調整を行うことが
できる。
【0015】また、前記歪み補償指令作成手段は、請求
項3に記載したように、前記歪み周波数成分の直流変換
成分と予め設定された歪み電流指令値との偏差を積分す
ることを特徴としており、これにより次のような作用を
有する。
【0016】すなわち、歪み補償指令値の急激な変化が
なくなり、歪み電流抽出制御系が安定する。
【0017】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1ないし3のいずれかに係る系統連系インバータであっ
て、前記歪み成分抽出手段および前記インバータ出力電
流補償指令作成手段は、インバータで出力制御可能なす
べての歪み成分に対して常時動作するものであることに
特徴を有しており、これにより次のような作用を有す
る。
【0018】すなわち、インバータで出力制御可能な周
波数成分は、インバータのスイッチング周波数(ディジ
タル制御の場合は、演算周期やサンプリング周波数にも
関係する)によって決まる。よって、前記歪み成分抽出
手段および前記インバータ出力電流補償指令作成手段
を、インバータで出力制御可能なすべての歪み成分に対
して常時動作させておけば、インバータの性能を最大限
に活かしたさらに精度のよい歪み電流の低減を行えるよ
うになる。
【0019】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1ないし3のいずれかに係る系統連系インバータであっ
て、フィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段をさらに
有しており、このフィルタ出力歪み抽出制御部導入選択
手段は、前記LCフィルタ部の出力電流中に重畳される
歪み周波数成分の歪み率を測定する歪み周波数成分測定
手段と、前記歪み周波数成分測定手段で検出した歪み周
波数成分の歪み率のうち、歪み率設定値を上回っている
周波数成分を明確にして、明確化された歪み情報に応じ
て前記歪み成分抽出手段および前記インバータ出力電流
補償指令作成手段を動作させるフィルタ出力歪み抽出制
御部導入指令を出力する歪み周波数成分比較手段とを有
しており、かつ、前記歪み周波数成分比較手段は、歪み
率設定値を上回っている歪み周波数成分についてのみ前
記歪み成分抽出手段および前記インバータ出力電流補償
指令作成手段を動作させるものであることに特徴を有し
ており、これにより次のような作用を有する。
【0020】すなわち、歪み周波数成分測定手段は、前
記LCフィルタ部の出力電流中に重畳される各周波数成
分の歪み率を測定するものであり、FFT解析器や請求
項1記載の歪み成分抽出手段等を用いて構成することが
できる。一方、歪み周波数成分比較手段は、前記歪み周
波数成分測定手段を用いて測定した各周波数成分の歪み
率と、歪み率設定値とを比較器(コンパレータ)等を用
いて比較し、歪み率設定値を上回っている周波数成分を
明確にして、歪み率設定値を上回っている周波数成分に
ついてのみ前記歪み成分抽出手段およびインバータ出力
電流補償指令作成手段を動作させる。
【0021】このようなフィルタ出力歪み抽出制御部導
入選択手段を設けることによって、歪み率が設定値を下
回っている歪み周波数成分についても前記歪み成分抽出
手段およびインバータ出力電流補償指令作成手段を動作
させてしまうという無駄がなくなる。
【0022】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
5に係る系統連系インバータであって、前記歪み周波数
成分比較手段は、歪み率設定値を上回っている歪み周波
数成分のうち歪み率の大きいものから上位N番目までの
歪み周波数成分についてのみ前記歪み成分抽出手段およ
びインバータ出力電流補償指令作成手段を動作させるこ
とに特徴を有しており、これにより次のような作用を有
する。
【0023】すなわち、このような歪み周波数成分比較
手段を設けることにより、例えば、インバータのディジ
タル制御に使用しているCPUの能力に限界があって、
前記歪み成分抽出手段およびインバータ出力電流補償指
令作成手段を多数の周波数成分に対して動作させること
ができない場合(例えば、歪み周波数10成分の抽出制
御しか動作できない場合)であっても、歪み率が設定値
を越えている上位N成分までの歪み周波数成分について
抽出制御を導入することで、CPUの能力を最大限に活
かした前記歪み成分抽出手段およびインバータ出力電流
補償指令作成手段を構築することが可能となる。
【0024】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
5または6に係る系統連系インバータであって、前記フ
ィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段は、前記電力系
統と連系した直後の1回だけ動作するものであることに
特徴を有しており、これにより次のような作用を有す
る。
【0025】すなわち、系統の歪み周波数成分は系統の
負荷変動等によって若干変化している。しかし、系統の
中には負荷変動等がほとんど起こらない安定した系統も
存在し、その場合、系統の歪み周波数成分はほとんど一
定で、LCフィルタ部の出力電流中に含まれる歪み周波
数成分も変化することはない。ゆえに、以上のような安
定した系統にインバータを設置する場合は、前記フィル
タ出力歪み抽出制御部導入選択手段を常時動作させてお
く必要はなく、前記系統連系インバータを系統と連系し
た直後の1回だけ動作させれば、歪み電流を制御するこ
とが可能となる。
【0026】本発明の請求項8記載の発明は、請求項5
または6に係る系統連系インバータであって、前記フィ
ルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段は、前記電力系統
と連系した直後からある一定周期もしくはランダムに動
作させるようにしたことに特徴を有しており、これによ
り次のような作用を有する。すなわち、系統の歪み周波
数成分は系統の負荷変動等によって若干変化している。
ゆえに、系統連系インバータを系統に連系させた直後か
らある一定周期もしくはランダム(例えば、負荷変動時
(インバータ出力電力変動時))に、前記フィルタ出力
歪み抽出制御部導入選択手段を動作させるようにする。
これにより、フィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段
を常時働かせる場合に比べて、CPUの負担が軽くな
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明の一実施の形態の系統連系
インバータの構成を示すブロック図であり、図2はその
要部の詳細を示すブロック図である。
【0029】この系統連系インバータ1は、インバータ
部2と、LCフィルタ部3と、インバータ制御回路部4
と、ドライブ回路5とを備えている。
【0030】インバータ部2は太陽電池等の直流電源α
から供給される直流電圧を裁断して任意の交流電圧波形
を作成して電力系統βに連系している。LCフィルタ部
3はインバータ部2の交流出力から高調波成分を取り除
いている。インバータ制御回路部4はインバータ出力電
圧補正信号を発生させている。ドライブ回路5は、イン
バータ制御回路部4から入力されるインバータ出力電圧
補正信号からインバータ主回路素子駆動PWM信号を作
成してインバータ部2を駆動させている。
【0031】インバータ制御回路部4は、第1、第2の
電流センサ6,7と、フィルタ出力歪み抽出制御部8
と、インバータ出力電流制御部9とを備えている。
【0032】第1電流センサ6は、インバータ部2の出
力電流(以下、インバータ出力電流情報と称す)を検出
している。第2電流センサ7は、LCフィルタ部3の出
力電流(以下、LCフィルタ出力電流情報と称す)を検
出している。
【0033】フィルタ出力歪み抽出制御部8は、歪み成
分抽出部10と、歪み閾値作成部11と、第1減算器1
2と、フィルタ出力歪み制御部13とを備えている。
【0034】歪み成分抽出部10は、LCフィルタ出力
電流情報から歪み電流成分を直流に変換してその直流分
を抽出し第1減算器12に出力している。歪み閾値作成
部11は、歪み電流の閾値レベル信号を作成して第1減
算器12に供給している。閾値レベル信号は直流レベル
であって、本実施の形態ではゼロ値に設定している。第
1減算器12では閾値レベル信号(歪み閾値作成部11
から供給)と歪み電流成分(歪み成分抽出部10から入
力)との偏差を算出してその偏差情報をフィルタ出力歪
み制御部13に出力している。フィルタ出力歪み制御部
13は、入力される歪みの偏差を積分(I制御)するこ
とにより、その偏差がゼロになる出力電流歪み補償指令
(直流)を作成し、さらに、その出力電流歪み補償指令
を回転逆座標変換によりインバータ出力電流補償指令
(交流)に変換してインバータ出力電流制御部9にフィ
ードフォワードしている。
【0035】インバータ出力電流制御部9は、インバー
タ出力電流基本波成分作成部14と、第1加算器15
と、第2減算器16と、インバータ出力電流制御部本体
17とを備えている。インバータ出力電流基本波成分作
成部14はインバータ出力電流の基本波成分の指令値
(以下、基本波成分と称す)を作成して第1加算器15
に供給している。第1加算器15は、供給される基本波
成分に、インバータ出力電流補償指令(フィルタ出力歪
み制御部13から入力される)を加算し、その加算結果
であるインバータ出力電流指令を第2減算器16に出力
している。第2減算器16はインバータ出力電流指令と
インバータ出力電流情報(第1の電流センサ6の出力)
との偏差を算出して、その偏差情報をインバータ出力電
流制御部本体17に出力している。インバータ出力電流
制御部本体17は、入力される偏差情報に比例要素(P
制御)をかけることにより、その偏差がゼロになるよう
なインバータ出力電圧補正信号を作成して、ドライブ回
路5に供給している。
【0036】以上が、この系統連系インバータ1の基本
構成である。次に、この系統連系インバータ1の特徴と
なるフィルタ出力歪み抽出制御部8の構成について説明
する。
【0037】歪み成分抽出部10は、LCフィルタ出力
電流情報から任意の周波数成分を回転座標変換により直
流に変換する回転座標変換手段20と、回転座標変換手
段20の出力から交流成分を除去するローパスフィルタ
21とを備えている。
【0038】フィルタ出力歪み制御部13は、第1減算
器12の出力である偏差情報を積分処理(I制御)する
積分手段22と、積分手段22の出力である出力電流歪
み補償指令(直流)を回転逆座標変換することにより元
の周波数成分(交流)に変換する回転逆座標変換手段2
3とを備えている。
【0039】なお、本実施の形態では、歪み成分抽出部
10から歪み成分抽出手段が構成され、歪み閾値作成部
11と第1減算器12とフィルタ出力歪み制御部13
(積分手段22のみ)とから歪み補償指令作成手段が構
成されており、インバータ出力電流制御部9とドライブ
回路5とから制御手段が構成されている。また、図1
中、符号18は、電力系統βの連系点であり、符号L
は、電力系統βのインダクタンスである。
【0040】次に、この系統連系インバータ1の動作を
説明する。
【0041】第2電流センサ7からフィードバックされ
るLCフィルタ出力電流情報に対して回転座標変換手段
20により次のような処理を行う。すなわち、抽出する
高調波歪みの次数に対応した回転角(例えば、5次の正
相分の高調波歪みであれば、5wt[wt:基本波正相分の
回転角])で回転する回転座標系に変換する。このよう
にして回転座標変換することにより任意次数の歪み成分
を直流量に選択的に変換することができる。ここで、任
意次数の歪み成分以外は、歪み成分との差周波数の交流
量となる。そのため、ローパスフィルタ21により回転
座標変換手段20の出力から交流分を除去すれば、LC
フィルタ出力電流情報から任意の次数の高調波歪み成分
だけを回転座標成分(直流量)にして抽出することがで
きる。
【0042】次に、第1減算器12において、直流量に
して抽出した歪み成分と歪み電流の歪み閾値レベル信号
(本実施の形態では直流ゼロレベル値)との偏差をと
り、その偏差を積分手段22で積分(I制御)すること
により、その偏差をゼロに制御するような出力電流歪み
補償指令(直流)を作成する。さらには、出力電流歪み
補償指令(直流)を、回転逆座標変換手段23により回
転逆座標変換することにより、上記任意の次数の高調波
歪み成分を補償する交流3相のインバータ出力電流補償
指令を作成する。
【0043】このようなフィルタ出力電流の歪み抽出制
御は、LCフィルタ出力電流情報に含まれているすべて
の歪み周波数成分について設け、フィルタ出力歪み制御
部13から出力されるそれぞれの歪み周波数成分につい
ての交流3相のインバータ出力電流補償指令は、第2加
算器24においてそれぞれの相毎にすべて足し込むこと
によって、LCフィルタ出力電流情報に含まれているす
べての歪み周波数成分を補償する交流3相のインバータ
出力電流補償指令を作成する。
【0044】このようにして作成した交流3相のインバ
ータ出力電流補償指令を第1加算器15において基本波
成分に加算(フィードフォワード)したのち、その加算
結果と第1電流センサ6で検出したインバータ出力電流
情報との偏差をとり、さらには、インバータ出力電流制
御部本体17において、その偏差をゼロに制御するよう
なインバータ出力電圧補正信号を作成して、そのインバ
ータ出力電圧補正信号に基づいて、ドライブ回路5でイ
ンバータ2を駆動制御する。
【0045】なお、回転逆座標変換手段23において出
力電流歪み補償指令(直流)を回転逆座標変換する際
に、回転座標系の回転角を、回転座標変換時の回転角に
対して必要に応じて、進ませたり、遅らせたりすること
より、歪み成分が最も減少するように交流3相のインバ
ータ出力電流補償指令の位相補正を簡単に行うことがで
きる。しかも、このような位相補正をノイズ成分を増幅
させる微分要素を用いることなく行えるので、安定した
制御系を構成することができる。
【0046】なお、本発明における回転座標変換手段お
よび回転逆座標変換手段として、3相/dq軸座標変換
およびdq軸/3相座標変換と呼ばれる座標変換手段を
用いており、3相/dq軸座標変換式としては次の
(1)式で表され、dq軸/3相座標変換式としては次
の(2)式で表される。
【0047】(ただし、n:抽出制御したい高調波歪み
の次数[整数]、ωt:基本波正相分の回転角、θ
(n):回転逆座標変換時の位相補正量[−π≦θ
(n)≦π])
【0048】
【数1】
【0049】この系統連系インバータ1では、インバー
タ部2のスイッチングによる歪み電流をLCフィルタ部
3の動作により低減する。そして、LCフィルタ部3で
除去することができない歪み成分(直流電流やLCフィ
ルタ部3の共振電流等)をインバータ出力電流制御部9
により除去する。さらには、このような2つの歪み電流
除去手段によっても除去することができない電流歪み
(電力系統βの電圧歪みに起因して電力系統βからLC
フィルタ部3のコンデンサに流れ込む歪み電流)につい
ては、フィルタ出力歪み抽出制御部8の動作により除去
する。
【0050】したがって、電力系統β側からの歪み電流
を抑制するために、電力系統β側にLC共振周波数調整
用のインダクタンスLを外付け配置したり、LCフィル
タ部3に共振抑制用のダンピング抵抗を設けたりする必
要がなくなり、コスト削減や変換効率の向上につなが
る。
【0051】さらには、制御系に微分要素を挿入するこ
となくLCフィルタ部3の出力電流のフィードバック制
御系を構成できるので、このフィードバック制御系にお
いてノイズ成分を考慮する必要がなくなる。すなわち、
歪み周波数成分毎に、回転座標変換操作とローパスフィ
ルタによる歪み成分の抽出操作と、歪み補償指令作成手
段と回転逆座標変換操作によるインバータ出力電流補償
指令値の作成とを行うので、LCフィルタ部3やみなし
共振回路(電力系統β側のインダクタンス成分とLCフ
ィルタ部3のコンデンサ成分とで構成される)のゲイン
・位相特性を考慮したフィードバック制御系を構成する
ために、ノイズを増幅させる要因となる微分要素を用い
る必要がなくなるうえに、ノイズを考慮した不完全微分
要素(微分要素とゲイン・位相特性が若干異なる)を用
いる必要もなくなるので、制御系のノイズを考慮するこ
となくLCフィルタ部3および上述したみなし共振回路
のゲイン・位相特性を考慮した精度の高い歪み電流制御
系を構成できる。
【0052】また、インバータ出力電流補償指令作成手
段を構成する歪み閾値作成部11、第1減算器12、お
よびフィルタ出力歪み制御部13において、回転逆座標
変換時の回転座標系の回転角を調整することでその位相
補正を行えば、歪み成分が最も減少するようにインバー
タ出力電流補償指令値の位相調整を行うことができる。
【0053】この系統連系インバータ1では、上述した
構成を備えたうえでさらに、フィルタ出力歪み抽出制御
部導入選択手段19を備えている。フィルタ出力歪み抽
出制御部導入選択手段19は、歪み周波数成分測定手段
19Aと、歪み周波数成分比較手段19Bとを有してい
る。
【0054】歪み周波数成分測定手段19Aは、LCフ
ィルタ部3の出力電流(電流センサ7で検出される)中
に重畳される歪み周波数成分の歪み率を測定している。
【0055】歪み周波数成分比較手段19Bは、歪み周
波数成分測定手段19Aで検出した歪み周波数成分の歪
み率のうち、予め設定しておいた歪み率設定値を上回っ
ている周波数成分を明確にしている。さらに歪み周波数
成分比較手段19Bは、明確化された歪み情報に応じて
フィルタ出力歪み抽出制御部導入指令をフィルタ出力歪
み抽出制御部8に出力している。フィルタ出力歪み抽出
制御部導入指令を受けたフィルタ出力歪み抽出制御部8
は、歪み率設定値を上回っている歪み周波数成分に対し
て選択的に動作することになる。
【0056】歪み周波数成分測定手段19Aは、LCフ
ィルタ部3の出力電流中に重畳される各周波数成分の歪
み率を測定しており、FFT解析器や歪み成分抽出部1
0と同等の構成を用いて構成することができる。一方、
歪み周波数成分比較手段19Bは、歪み周波数成分測定
手段19Aを用いて測定した各周波数成分の歪み率と、
歪み率設定値とを比較器(コンパレータ)等を用いて比
較してフィルタ出力歪み抽出制御部導入指令を作成して
いる。
【0057】このようなフィルタ出力歪み抽出制御部導
入選択手段19を設けることによって、この系統連系イ
ンバータ1は、歪み率が規定値を下回っている歪み周波
数成分についてもフィルタ出力歪み抽出制御部8を動作
させてしまうという無駄がなくなる。
【0058】ここで、歪み周波数成分比較手段19Bに
おいて、歪み率設定値を上回っている歪み周波数成分の
うち歪み率の大きいものから上位N番目までの歪み周波
数成分についてのみフィルタ出力歪み抽出制御部8を動
作させるようにしてもよい。そうすれば、次の点で好都
合となる。すなわち、例えば、系統連系インバータ1の
ディジタル制御に使用しているCPUの能力に限界があ
って、フィルタ出力歪み抽出制御部8を多数の周波数成
分に対して動作させることができない場合(例えば、歪
み周波数10成分の抽出制御しか動作できない場合)で
あっても、歪み率が設定値を越えている上位N成分まで
の歪み周波数成分について抽出制御を導入するようにす
れば、CPUの能力を最大限に活かしたフィルタ出力歪
み抽出制御部8を構築することが可能となる。
【0059】さらには、フィルタ出力歪み抽出制御部導
入選択手段19を、電力系統と連系した直後の1回だけ
動作するものとしてもよい。そうすれば、次の点で好都
合となる。すなわち、電力系統βの歪み周波数成分は電
力系統βの負荷変動等によって若干変化している。しか
し、電力系統βの中には負荷変動等がほとんど起こらな
い安定した系統も存在し、その場合、電力系統βの歪み
周波数成分はほとんど一定で、LCフィルタ部3の出力
電流中に含まれる歪み周波数成分も変化することはな
い。ゆえに、以上のような安定した電力系統βに系統連
系インバータ1を設置する場合は、フィルタ出力歪み抽
出制御部導入選択手段19を常時動作させておく必要は
なく、系統連系インバータ1を電力系統βと連系した直
後の1回だけ動作させれば、歪み電流を制御することが
可能となる。
【0060】さらにまた、フィルタ出力歪み抽出制御部
導入選択手段19を、電力系統βと連系した直後からあ
る一定周期もしくはランダムに動作するものとしてもよ
い。そうすれば、次の点で好都合である。すなわち、電
力系統βの歪み周波数成分は電力系統βの負荷変動等に
よって若干変化している。ゆえに、この系統連系インバ
ータ1を電力系統βに連系させた直後からある一定周
期、もしくはランダム(例えば、負荷変動時、すなわ
ち、インバータ出力電力変動時)に、フィルタ出力歪み
抽出制御部導入選択手段19を動作させるようにする。
これにより、フィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段
19を常時働かせる場合に比べて、CPUの負担が軽く
なる。
【0061】上述した実施の形態は、電流制御型インバ
ータにおいて本発明を実施した例であったが、本発明は
このようなインバータに限定的に実施されるものではな
く、図3に示すように、電力制御型のインバータにおい
て実施できるのはいうまでもなく、さらには、図4に示
すように、高力率コンバータにおいても実施できる。さ
らにまた、図5に示すように、電力系統βから負荷υに
流れ込む歪み電流を抑制するアクティブフィルタにおい
ても実施できる。なお、これらの変形例における基本構
成は、上述した実施の形態と同様であり、同一ないし同
様の部分には、同一の符号を付している。
【0062】なお、図3において、符号30は、電力演
算のために設けられた電圧センサであり、符号31は、
電圧センサ30の出力と第2電流センサ7の出力とから
電力を演算する電力演算部であり、符号32は、電力演
算部31で演算したインバータ出力電力と電力指令値と
の偏差をとる減算器であり、符号33は、減算器32か
ら出力される電力偏差からその偏差をゼロに制御する上
述した実施の形態における基本波成分に相当する信号を
作成する電力制御部である。
【0063】なお、図4において、符号40は、電力演
算のために設けられた電圧センサであり、符号41は、
負荷γとインバータ部2との間の電圧を検出する電圧検
出器であり、符号42は、電圧センサ40の出力と第2
電流センサ7の出力とから電力を演算する電力演算部で
あり、符号43は、電力演算部42で演算したインバー
タ出力電力と電力指令値との偏差をとる減算器であり、
符号44は、電圧検出器41で検出した負荷γの電圧と
電圧指令値との偏差をとる減算器であり、符号45は、
減算器43から出力される電力偏差からその偏差をゼロ
に制御する上述した実施の形態における基本波成分に相
当する信号を作成する電力制御部であり、符号46は、
減算器44から出力される電圧偏差からその偏差をゼロ
に制御する上述した実施の形態における基本波成分に相
当する信号を作成する電圧制御部である。
【0064】なお、図5において、符号50は、負荷υ
に流れ込む電流を検出する電流センサであり、符号51
は、電流センサ50により検出された負荷電流から歪み
成分を抽出する負荷電流歪み成分抽出手段である。ここ
で、負荷電流歪み成分抽出手段は歪み成分抽出部10と
同等の構成を用いて構成することができる。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、次のよう
な効果を奏する。
【0066】請求項1では、LCフィルタ部の出力電流
歪みを歪み周波数成分毎に歪み成分を抽出して制御する
ので、LCフィルタ部、および電力系統側のインダクタ
ンス成分とLCフィルタ部のコンデンサ成分とで構成さ
れるみなし共振回路のゲイン・位相特性を考慮したフィ
ードバック制御系を構成するために、ノイズを増幅させ
る微分要素や、ノイズを考慮した不完全微分要素(微分
要素とゲイン・位相特性が若干異なる)を用いる必要が
なくなるので、制御系のノイズを考慮することなくLC
フィルタ部および上述したみなし共振回路のゲイン・位
相特性を考慮した精度の高い歪み電流制御系を構成でき
る。
【0067】また、請求項2では、回転逆座標変換時の
回転座標系の回転角の調整を行うことで、歪み成分が最
も減少するようにインバータ出力電流補償指令値の位相
調整を行うことができ、その分、さらに、歪み除去精度
を高めることができる。
【0068】また、請求項3では、歪み補償指令値を積
分手段を用いて作成するので、歪み補償指令値の急激な
変化がなくなり、歪み電流抽出制御系の安定性がよくな
る。
【0069】また、請求項4では、LCフィルタ部の出
力電流中に重畳される歪み周波数成分のうち、インバー
タの出力制御可能な周波数成分についてはすべて制御で
きるようになるので、インバータの性能を最大限に活か
したさらに精度のよい歪み電流の低減を行えるようにな
る。
【0070】また、請求項5によれば、歪み率が規定値
を下回っている歪み周波数成分について歪み成分抽出手
段およびインバータ出力電流補償指令作成手段を動作さ
せてしまうという無駄がなくなり、前記歪み成分抽出手
段およびインバータ出力電流補償指令作成手段を含めた
インバータの制御をディジタル制御で行う場合、制御演
算を司るCPUの負担が軽くなって安価なCPUを用い
ることができ、CPUのコスト削減につながる、もしく
は、演算時間が高速になって、演算時間による制御遅れ
が短縮され、歪み電流制御系の精度が向上することにな
る。
【0071】さらには、アクティブフィルタのような多
数(例えば、40次以下のすべて)の歪み周波数成分を
制御する場合には、このフィルタ出力歪み抽出制御部導
入選択手段を設けることによって、(40次以下の)す
べての歪み周波数成分について抽出制御を導入する必要
がなくなるので、演算時間および演算時間による制御遅
れの大幅な短縮が予想され、歪み電流制御系の精度が大
幅に向上する。
【0072】また、請求項6では、例えば、インバータ
のディジタル制御に使用しているCPUの能力に限界が
あって、前記歪み成分抽出手段およびインバータ出力電
流補償指令作成手段を多数の周波数成分に対して動作さ
せることができない場合(例えば、歪み周波数10成分
の抽出制御しか動作できない場合)であっても、歪み率
が設定値を越えている上位N成分までの歪み周波数成分
について抽出制御を導入するようにすれば、CPUの能
力を最大限に活かした前記歪み成分抽出手段およびイン
バータ出力電流補償指令作成手段を構築することが可能
となり、そのため、CPUのコスト削減にもつながる。
【0073】また、請求項7では、フィルタ出力歪み抽
出制御部導入選択手段を働かせるCPUの負担が軽くな
って安価なCPUを用いることができ、CPUのコスト
削減につながる、もしくは、演算時間が高速になって、
演算時間による制御遅れが短縮され、歪み電流制御系の
精度が向上することになる。
【0074】また、請求項8では、フィルタ出力歪み抽
出制御部導入選択手段を常時働かせる場合に比べて、C
PUの負担が軽くなって安価なCPUを用いることがで
き、CPUのコスト削減につながる、もしくは、演算時
間が高速になって、演算時間による制御遅れが短縮さ
れ、歪み電流制御系の精度が向上する。また、負荷変動
等によって系統の歪み周波数成分が変化した場合でも、
その系統の変化に応じてフィルタ出力歪み抽出制御部の
選択導入が行われるので、系統の歪み周波数成分の変化
に強い歪み電流制御系を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る系統連系インバー
タの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態の要部の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の第1の変形例を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の第2の変形例を示すブロック図であ
る。
【図5】本発明の第3の変形例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
α 直流電源 2 インバータ
部 β 電力系統 3 LCフィル
タ部 4 インバータ制御回路部 5 ドライブ回
路 6 第1電流センサ 7 第2電流セ
ンサ 8 フィルタ出力歪み抽出制御部 9 インバータ
出力電流制御部 10 歪み成分抽出部 11 歪み閾値
作成部 12 第1減算器 13 フィルタ
出力歪み制御部 14 インバータ出力電流基本波成分作成部 15 第1加算器 16 第2減算器 17 インバー
タ出力電流制御部本体 19 フィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段 19A 歪み周波数成分測定手段 19B 歪み周波
数成分比較手段 20 回転座標変換手段 21 ローパス
フィルタ 22 積分手段 23 回転逆座
標変換手段 24 第2加算器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ出力部に歪み電流低減用のL
    Cフィルタ部を設けて電力系統に連系させる系統連系イ
    ンバータであって、 前記LCフィルタ部の出力電流中に重畳される歪み周波
    数成分を、歪み周波数成分毎に静止座標系から歪み角周
    波数で回転する回転座標系へ変換する回転座標変換手段
    によって直流に変換し、ローパスフィルタを用いてその
    直流分のみを抽出することによって歪み成分を抽出する
    歪み成分抽出手段と、 前記歪み周波数成分を補償するための歪み補償指令を歪
    み補償指令作成手段により作成し、作成した歪み補償指
    令を歪み角周波数で回転する回転座標系から静止座標系
    へ変換する回転逆座標変換手段によりインバータ出力電
    流補償指令を作成するインバータ出力電流補償指令作成
    手段と、 前記インバータ出力電流補償指令作成手段で作成された
    インバータ出力電流補償指令に基づいてインバータの出
    力制御を行う制御手段と、 を有することを特徴とする系統連系インバータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の系統連系インバータであ
    って、 前記回転逆座標変換手段は、回転逆座標変換の際に回転
    座標系の回転角を調整することでその位相補正を行うも
    のであることを特徴とする系統連系インバータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の系統連系インバ
    ータであって、 前記歪み補償指令作成手段は、前記歪み周波数成分の直
    流変換成分と予め設定された歪み電流指令値との偏差を
    積分することを特徴とする系統連系インバータ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか記載の系統
    連系インバータであって、 前記歪み成分抽出手段および前記インバータ出力電流補
    償指令作成手段は、インバータで出力制御可能なすべて
    の歪み成分に対して常時動作するものであることを特徴
    とする系統連系インバータ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか記載の系統
    連系インバータであって、 フィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段をさらに有し
    ており、 このフィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段は、 前記LCフィルタ部の出力電流中に重畳される歪み周波
    数成分の歪み率を測定する歪み周波数成分測定手段と、 前記歪み周波数成分測定手段で検出した歪み周波数成分
    の歪み率のうち、歪み率設定値を上回っている周波数成
    分を明確にして、明確化された歪み情報に応じて前記歪
    み成分抽出手段および前記インバータ出力電流補償指令
    作成手段を動作させるフィルタ出力歪み抽出制御部導入
    指令を出力する歪み周波数成分比較手段と、 を有しており、 かつ、前記歪み周波数成分比較手段は、歪み率設定値を
    上回っている歪み周波数成分についてのみ前記歪み成分
    抽出手段および前記インバータ出力電流補償指令作成手
    段を動作させるものであることを特徴とする系統連系イ
    ンバータ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の系統連系インバータであ
    って、 前記歪み周波数成分比較手段は、歪み率設定値を上回っ
    ている歪み周波数成分のうち歪み率の大きいものから上
    位N番目までの歪み周波数成分についてのみ前記歪み成
    分抽出手段およびインバータ出力電流補償指令作成手段
    を動作させるものであることを特徴とする系統連系イン
    バータ。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の系統連系インバ
    ータであって、 前記フィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段は、前記
    電力系統と連系した直後の1回だけ動作するものである
    ことを特徴とする系統連系インバータ。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載の系統連系インバ
    ータであって、 前記フィルタ出力歪み抽出制御部導入選択手段は、前記
    電力系統と連系した直後からある一定周期もしくはラン
    ダムに動作するものであることを特徴とする系統連系イ
    ンバータ。
JP18652499A 1999-06-30 1999-06-30 系統連系インバータ Expired - Lifetime JP4421700B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18652499A JP4421700B2 (ja) 1999-06-30 1999-06-30 系統連系インバータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18652499A JP4421700B2 (ja) 1999-06-30 1999-06-30 系統連系インバータ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001016867A true JP2001016867A (ja) 2001-01-19
JP2001016867A5 JP2001016867A5 (ja) 2006-08-03
JP4421700B2 JP4421700B2 (ja) 2010-02-24

Family

ID=16190012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18652499A Expired - Lifetime JP4421700B2 (ja) 1999-06-30 1999-06-30 系統連系インバータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4421700B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6903496B2 (en) 2002-06-03 2005-06-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric filter and electronic component including the same
JP2005341753A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toshiba Corp 電力変換装置および超電導電力貯蔵装置
JP2005341754A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toshiba Corp 電力変換装置および超電導電力貯蔵装置
JP2005341765A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toshiba Corp 電力変換装置
JP2006033960A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Toshiba Corp 電力変換装置
JP2008245349A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Daihen Corp 系統連系インバータ装置
JP2009106131A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Meidensha Corp 電圧制御方法及び電圧制御装置
JP2011166852A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Kyushu Electric Power Co Inc 交直変換装置の制御方法及び制御装置
JP2013085435A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Daihen Corp 電力変換回路の制御回路、この制御回路を用いた系統連系インバータシステムおよび三相pwmコンバータシステム
JP2013233005A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 電力変換装置の制御方法
WO2014125649A1 (ja) * 2013-02-18 2014-08-21 富士電機株式会社 共振抑制装置
KR101494453B1 (ko) 2010-08-06 2015-02-16 메이덴샤 코포레이션 전력변환장치의 고조파전류억제장치 및 고조파전류억제방법
KR101505434B1 (ko) * 2013-09-11 2015-03-25 삼성중공업 주식회사 계통 연계형 컨버터 시스템
WO2017126205A1 (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 三菱電機株式会社 電力変換装置および電力変換システム
CN113640585A (zh) * 2021-08-13 2021-11-12 阳光电源股份有限公司 电网阻抗的检测方法、检测装置及多机并联系统

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5944663B2 (ja) * 2011-12-28 2016-07-05 株式会社ダイヘン 電力変換回路の制御回路、この制御回路を用いた系統連系インバータシステムおよび三相pwmコンバータシステム
JP5944670B2 (ja) * 2012-01-19 2016-07-05 株式会社ダイヘン 電力変換回路の制御回路、この制御回路を用いた系統連系インバータシステムおよび単相pwmコンバータシステム

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6903496B2 (en) 2002-06-03 2005-06-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric filter and electronic component including the same
JP4612342B2 (ja) * 2004-05-28 2011-01-12 株式会社東芝 電力変換装置および超電導電力貯蔵装置
JP2005341753A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toshiba Corp 電力変換装置および超電導電力貯蔵装置
JP2005341754A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toshiba Corp 電力変換装置および超電導電力貯蔵装置
JP2005341765A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toshiba Corp 電力変換装置
JP4619692B2 (ja) * 2004-05-28 2011-01-26 株式会社東芝 電力変換装置および超電導電力貯蔵装置
JP4533668B2 (ja) * 2004-05-28 2010-09-01 株式会社東芝 電力変換装置
JP2006033960A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Toshiba Corp 電力変換装置
JP4533688B2 (ja) * 2004-07-14 2010-09-01 株式会社東芝 電力変換装置
JP2008245349A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Daihen Corp 系統連系インバータ装置
JP2009106131A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Meidensha Corp 電圧制御方法及び電圧制御装置
JP2011166852A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Kyushu Electric Power Co Inc 交直変換装置の制御方法及び制御装置
KR101494453B1 (ko) 2010-08-06 2015-02-16 메이덴샤 코포레이션 전력변환장치의 고조파전류억제장치 및 고조파전류억제방법
US8971066B2 (en) 2010-08-06 2015-03-03 Meidensha Corporation Harmonic current suppression method and harmonic current suppression device of power conversion device
JP2013085435A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Daihen Corp 電力変換回路の制御回路、この制御回路を用いた系統連系インバータシステムおよび三相pwmコンバータシステム
JP2013233005A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 電力変換装置の制御方法
WO2014125649A1 (ja) * 2013-02-18 2014-08-21 富士電機株式会社 共振抑制装置
JPWO2014125649A1 (ja) * 2013-02-18 2017-02-02 富士電機株式会社 共振抑制装置
KR101505434B1 (ko) * 2013-09-11 2015-03-25 삼성중공업 주식회사 계통 연계형 컨버터 시스템
WO2017126205A1 (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 三菱電機株式会社 電力変換装置および電力変換システム
JPWO2017126205A1 (ja) * 2016-01-20 2018-05-31 三菱電機株式会社 電力変換装置および電力変換システム
CN113640585A (zh) * 2021-08-13 2021-11-12 阳光电源股份有限公司 电网阻抗的检测方法、检测装置及多机并联系统
CN113640585B (zh) * 2021-08-13 2023-10-31 阳光电源股份有限公司 电网阻抗的检测方法、检测装置及多机并联系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4421700B2 (ja) 2010-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001016867A (ja) 系統連系インバータ
JP6295782B2 (ja) 電力変換装置、発電システム、制御装置および電力変換方法
JP4575272B2 (ja) 分散型電源システム及び系統安定化方法
JP2846261B2 (ja) 電力系統安定化装置
US9124245B2 (en) Adaptive online filter for DC offset elimination
JP2001286150A (ja) 電力変換装置
JP4328241B2 (ja) 電力用アクティブフィルタ
JPH10225131A (ja) 電力変換器の制御装置
JP2018057200A (ja) アクティブフィルタの制御装置
JP2001016867A5 (ja)
JP2933640B2 (ja) 交流電力変換器制御装置
JP2004336870A (ja) 配電系統用アクティブフィルタ
JP6437807B2 (ja) インバータ回路を制御する制御回路、および、当該制御回路を備えたインバータ装置
JPH11143562A (ja) アクティブフィルタ装置の制御装置
JP2708648B2 (ja) 並列運転制御装置
JPH11275900A (ja) 同期電動機の制御装置
JPH09215197A (ja) アクティブフィルタ装置
JPH08223920A (ja) コンバータの制御方法とその装置及びそれに使用するコンバータ交流電流の補正方法
JP5078144B2 (ja) 電力変換方法および電力変換装置
JP3201457B2 (ja) 誘導電動機磁束推定器入力電圧誤差補正の方法及び誘導電動機磁束推定器
JPH10201099A (ja) アクティブフィルタ
JP2005003530A (ja) 位相検出器
JP5768957B2 (ja) 3相v結線式インバータの制御装置
JP2833187B2 (ja) 電力変換器の電流制御回路
JP3696306B2 (ja) 位相検出器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060621

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091203

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4421700

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131211

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term