JP2846261B2 - 電力系統安定化装置 - Google Patents

電力系統安定化装置

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JP2846261B2 JP6297235A JP29723594A JP2846261B2 JP 2846261 B2 JP2846261 B2 JP 2846261B2 JP 6297235 A JP6297235 A JP 6297235A JP 29723594 A JP29723594 A JP 29723594A JP 2846261 B2 JP2846261 B2 JP 2846261B2
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P9/00Arrangements for controlling electric generators for the purpose of obtaining a desired output
    • H02P9/10Control effected upon generator excitation circuit to reduce harmful effects of overloads or transients, e.g. sudden application of load, sudden removal of load, sudden change of load
    • H02P9/105Control effected upon generator excitation circuit to reduce harmful effects of overloads or transients, e.g. sudden application of load, sudden removal of load, sudden change of load for increasing the stability

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、同期発電機の励磁装
置に適用され、電力系統を安定化する電力系統安定化装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の電力系統安定化システムの
構成を示すシステム構成図である。図において、1は同
期発電機(以下、発電機という)、2は発電機1を外部
電力系統4から引き外すための遮断器、3は遮断器2と
外部電力系統4との間に設けられる主変圧器、5は発電
機1の回転子に接続されたタービン軸、6は発電機1の
電流を検出するための変成器、7は発電機1の端子電圧
を検出するための変成器、13は変成器6,7が検出し
た電圧および電流から発電機出力を算出する電力変換
器、51は発電機1の回転子の回転数や発生電力を入力
して自動電圧制御装置(AVR)に対する補助信号を作
成する系統安定化装置、10は発電機1の端子電圧を安
定化するためのAVR、8は発電機1の発生電力の一部
を発電機1の界磁巻線を励磁するサイリスタ励磁装置9
aに供給するための変成器である。
【0003】変成器7によって検出される発電機1の端
子電圧が基準値からずれると、AVR10は、基準値か
らの偏差が零になるようにサイリスタ励磁装置9aを制
御する。ここで、系統安定化装置51は、例えば、電力
変換器13を介して発電機出力を入力し、また、回転子
の回転数を入力する。そして、電力系統の安定度を向上
させるために、発電機出力や回転子回転数から補助信号
を作成し、それらをAVR10に供給する。AVR10
は、電圧偏差に対して補助信号を加味してサイリスタ励
磁装置9aを制御する。なお、一般に、系統安定化装置
51は、発電機出力偏差、発電機回転数偏差または系統
周波数偏差のいずれかを用いる。偏差とは、それぞれ基
準値からのずれ量である。
【0004】図8は例えば特公平4−35975号公報
に示された従来の電力系統安定化システムにおける系統
安定化装置および励磁系(AVRおよび励磁装置)の部
分を示すブロック図である。図8に示されたものは、2
並列型電力系統安定化装置(2並列型PSS)を構成し
ている。図において、31は発電機1の回転子回転数の
偏差信号を入力端子23から入力し所定の周波数以下の
信号のみを通過させるローパスフィルタ、22はローパ
スフィルタ31の出力にもとづいて回転数偏差に関する
補助信号を作成する第1の系統安定化回路である。第1
の系統安定化回路22において、22aは入力信号に対
する応動範囲を定めるためのフィルタ回路であり、通
常、[Tr1S/(1+Tr1S)]・[1/(1+Th1
S)]の形の伝達特性を有する。22bはレギュレータ
26、励磁装置9および発電機1等の時間遅れを補償す
るための増幅・位相補正回路であり、通常、Kp ・(1
+TP2S)/(1+TP1S)の形の伝達特性を有する。
22cは第1の系統安定化回路22の出力が励磁系全体
から考えて適当な信号レベルになるように制限するリミ
ッタ回路である。
【0005】32は発電機1の出力偏差信号を入力端子
29から入力し所定の周波数以上の信号のみを通過させ
るハイパスフィルタ、28はハイパスフィルタ32の出
力にもとづいて出力偏差に関する補助信号を作成する第
2の系統安定化回路である。第2の系統安定化回路28
において、28aは入力信号に対する応動範囲を定める
ためのフィルタ回路であり、[Tr2S/(1+Tr2
S)]・[(1/(1+Th2S)]の形の伝達特性を有
する。28bは増幅・位相補正回路であり、Kw ・(1
+Tw2S)/(1+Tw1S)の形の伝達特性を有する。
28cは第2の系統安定化回路28の出力が励磁系全体
から考えて適当な信号レベルになるように制限するリミ
ッタ回路である。30は第1の系統安定化回路22の出
力から第2の系統安定化回路28の出力を減算する減算
回路である。
【0006】21は発電機1の端子電圧の基準値からの
偏差が入力される入力端子、25は入力端子1からの電
圧偏差と減算回路30の出力を加算するとともにダンピ
ング回路24の出力を減算する演算回路である。26は
演算回路25の出力にもとづいて励磁装置9を制御する
レギュレータ、9は発電機1の界磁巻線を励磁する励磁
装置、24は励磁装置9の出力をレギュレータ26の入
力側にフィードバックして電圧制御を安定化するための
ダンピング回路である。
【0007】なお、フィルタ31,32、第1の系統安
定化回路22、第2の系統安定化回路28および減算回
路30は図7における系統安定化装置51に相当し、演
算回路25、レギュレータ26およびダンピング回路2
4はAVRに相当し、励磁装置9はサイリスタ励磁装置
9aに相当している。
【0008】次に動作について説明する。系統安定化装
置51は、一般に、発電機出力偏差、発電機回転数偏差
または系統周波数偏差のいずれかを入力として用いる
が、ここでは、発電機回転数偏差が第1の系統安定化回
路22に入力される場合を示す。入力端子23に回転数
偏差信号が入力されると、ローパスフィルタ31は、そ
の信号からノイズやねじり振動の影響を除去するため
に、5〜10rad /秒以上の周波数成分をカットする。
さらに、回転数偏差信号は、フィルタ回路22aによっ
てその直流分と高周波分がカットされ、増幅・位相補正
回路22bに入力する。増幅・位相補正回路22bは、
その信号に対して適当に増幅および位相補正を行う。な
お、増幅・位相補正回路22bは、位相進み補正を行う
ように設定される。そして、リミッタ回路22cは、増
幅・位相補正回路22bの出力を励磁系全体からみて適
正な信号レベル以下になるように制限する。
【0009】回転数偏差が生ずるときには、発電機出力
も変化する。よって、入力端子29には、出力偏差信号
が入力される。ハイパスフィルタ32は、第1の系統安
定化回路22が有効に作用しない周波数領域の動揺に対
して十分な効果が得られるように、1〜2rad /秒以下
の周波数成分をカットする。出力偏差信号は、フィルタ
回路28aによってその直流分と高周波分がカットさ
れ、増幅・位相補正回路28bに入力する。増幅・位相
補正回路28bは、その信号に対して適当に増幅および
位相補正を行う。なお、増幅・位相補正回路28bは、
位相遅れ補正を行うように設定される。そして、リミッ
タ回路28cは、増幅・位相補正回路28bの出力を励
磁系全体からみて適正な信号レベル以下になるように制
限する。
【0010】減算回路30は、第1の系統安定化回路2
2から第2の系統安定化回路28の出力を減算し、励磁
系の演算回路25に結果を出力する。演算回路25は、
入力端子21から入力された発電機1の端子電圧の偏差
に減算回路30の出力を加え、ダンピング回路24の出
力を減算してレギュレータ26に供給する。
【0011】以上のような2並列型電力系統安定化装置
の作用によって、系統動揺に含まれる 周期3〜5秒程度の低周波数系統間振動、および 周期1秒程度の発電機間振動 に対して効果的な対応がなされる。すなわち、低周波数
系統間振動に対して、回転数偏差を入力とする位相進み
特性を持つ第1の系統安定化回路22が補助信号を発生
し、周期1秒程度の発電機間振動に対して、発電機出力
偏差を入力とする位相遅れ特性を持つ第2の系統安定化
回路28が補助信号を発生する。そして、それらの補助
信号が励磁系に加えられ、複数の電力動揺モードに対す
るダンピング性能が向上する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の電力系統安定化
装置は以上のように構成されているので、あらかじめ予
測できる複数の電力動揺モードに対しては有効に機能す
る。しかし、対応すべき電力動揺モードの数を増加させ
るとそれに応じて系統安定化回路の数も増やさなければ
ならない。また、増幅・位相補正回路22b,28bに
おいて用いられている定数は、ある一つの安定平衡点の
近傍で、発電機1の出力Pと内部相差角δとの関係を線
形化したときの設計値である。よって、系統安定化装置
51は設計点(例えば図9におけるδ1 )近傍での微小
擾乱に対しては有効に機能する。しかし、電力系統構成
の変更や大規模な負荷遮断などによる安定平衡点の移動
によって非線形性が強く現れるような場合(例えば、平
衡点が図9におけるδ2 に移動した場合)に対しては、
電力系統の安定度が確保できないという問題点があっ
た。
【0013】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電力動揺をより速やかに収束さ
せるとともに、安定平衡点の移動によって電力系統の非
線形性が強く現れる状況においても、複数の電力動揺に
対して十分な安定化効果を引き出せる電力系統安定化装
置を得ることを目的とする。
【0014】請求項1記載の発明に係る電力系統安定化
装置は、発電機の励磁量を調整する自動電圧制御装置に
対して、発電機出力偏差、発電機回転数偏差または系統
周波数偏差にもとづく補助信号を与えて電力系統を安定
化する電力系統安定化装置であって、発電機に接続され
た主変圧器の2次側母線電圧の位相に対する前記発電機
の内部相差角の位相差を算出するとともに、位相差の位
相差基準値からの偏差を出力する位相差計算回路と、位
相差計算回路の出力にもとづく補助信号を作成する系統
安定化回路とを備えたものである。
【0015】請求項2記載の発明に係る電力系統安定化
装置は、位相差計算回路が算出した位相差、同期発電機
の回転数偏差、同期発電機の内部電圧および主変圧器の
2次側電圧を用いて、電力系統の非線形性を補償する補
償信号を出力する第1の非線形補償回路をさらに備えた
ものである。
【0016】そして、請求項3記載の発明に係る電力系
統安定化装置は、位相差計算回路が算出した位相差およ
び主変圧器の2次側電圧を用いて、電力系統の非線形性
を補償する補償信号を出力する第2の非線形補償回路を
さらに備えたものである。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明における系統安定化回路
は、位相差計算回路による位相差を用いて動揺中の発電
機内部位相を直接に制御することによって、電力動揺を
速やかに収束させる。
【0018】請求項2記載の発明における第1の非線形
補償回路および請求項3記載の発明における第2の非線
形補償回路は、電力系統の非線形性を弱めるように作用
して自動電圧制御系の応答を線形化することを可能に
し、従来の系統安定化回路における固定化された定数が
あたかも最適値に変更されたように系統安定化回路の出
力を補償する。
【0019】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の実施例1による電力系統安定化
装置を含むシステムのシステム構成図である。図におい
て、11は主変圧器3の2次側母線の電流を検出するた
めの変成器、12は主変圧器3の2次側母線の電圧を検
出するための変成器、14は検出された電流および電圧
を用いて電力を算出する電力変換器、15は電力変換器
14の出力および変成器12の検出電圧等を用いて主変
圧器3の電圧位相と発電機1の内部相差角との位相差δ
h を求める位相差計算回路、16は電力変換器13の出
力および発電機の端子電圧等を用いて発電機1の内部電
圧を求める電圧計算回路、17は位相差計算回路15の
出力、電圧計算回路16の出力、変成器12の検出電圧
および発電機1の回転数偏差を用いて電力系統の非線形
性を弱めるような補償信号を生成する第1の非線形補償
回路、18は位相差計算回路15の出力および変成器1
2の検出電圧を用いて電力系統の非線形性を弱めるよう
な補償信号を生成する第2の非線形補償回路、19は発
電機1の回転数偏差、発電機1の端子電圧偏差および位
相差計算回路15の出力を用いてAVR10への補助信
号を作成する系統安定化装置である。
【0020】41は系統安定化回路19の出力と第2の
非線形補償回路18の出力とを乗算する乗算回路、42
は乗算回路41の出力に第1の非線形補償回路17の出
力を加算する加算回路、43は加算回路42の出力を励
磁系に加えるための加算回路である。その他のものは、
図7に同一符号を付して示したものと同一のものであ
る。
【0021】図2は、位相差計算回路15、第1の非線
形補償回路17、第2の非線形補償回路18および各系
統安定化回路の構成を励磁系とともに示すブロック図で
ある。図において、15aは位相差の基準値δh0を設定
する位相差基準値設定部、15bは主変圧器3の2次側
母線の電圧位相を基準とした発電機1の内部相差角の位
相差δh を算出する位相差計算部、15cは位相差計算
部15bによる位相差δh と基準値δh0との偏差を求め
る減算回路、36は位相差に関する補助信号を作成する
第3の系統安定化回路(系統安定化回路)、60は第1
の系統安定化回路22の出力から第2の系統安定化回路
28の出力を減算するとともに、第3の系統安定化回路
36の出力を加算する演算回路である。その他のものは
同一符号を付して図1または図8に示したものと同一の
ものである。
【0022】第3の系統安定化回路36において、36
aは入力信号に対する応動範囲を定めるためのフィルタ
回路であり、[Tr3S/(1+Tr3S)]・[1/(1
+Th3S)]の形の伝達特性を有する。36bは増幅・
位相補正回路であり、Kδ・(1+Tδ2 S)/(1+
Tδ1 S)の形の伝達特性を有する。36cは第3の系
統安定化回路36の出力が励磁系全体から考えて適当な
信号レベルになるように制限するリミッタ回路である。
【0023】なお、位相差基準値設定部15a、位相差
計算部15bおよび減算回路15cは、図1における位
相差計算回路15に対応する。フィルタ回路31,3
2、第1の系統安定化回路22、第2の系統安定化回路
28および第3の系統安定化回路36は、図1に示す系
統安定化装置19に対応する。
【0024】次に動作について説明する。図3に示すよ
うに、主変圧器3の電圧Vh は変成器12で検出され、
通過電流Ih は変成器11で検出される。電力変換器1
4は、検出された電圧Vh および電流Ih から主変圧器
3の通過潮流Ph ,Qh を算出する。位相差計算部15
bは、検出された電圧Vh 、通過潮流Ph ,Qh 、主変
圧器3のリアクタンスXt および発電機1の同期リアク
タンスXq を用いて、主変圧器3の2次側母線電圧Vh
の位相を基準とした発電機1の内部相差角、すなわち位
相差δh を求める。
【0025】位相差δh は高圧側母線(主変圧器3の2
次側母線)の電圧と発電機内部電圧との位相差であるか
ら、 δh =tan -1[(Ph ・(Xt +Xq )−Qh ・Ra)
/(Ph ・Ra+Qh ・(Xt +Xq )+Vh 2 )] で求められる。RaはXq に比べて無視し得るほど小さ
いので、 δh ≒tan -1[Ph ・(Xt +Xq )/(Qh ・(Xt
+Xq )+Vh 2 )] の式にもとづいて、位相差計算部15bは、位相差δh
を算出する。
【0026】一方、位相差基準値設定部15aは、発電
機1の界磁電圧Efdを入力として、時々刻々と変わる電
力系統の状況に応じた適切な位相基準値δh0を定める。
すなわち、下式のように、発電機1の界磁電圧Efdと発
電機内部電圧Eq'とから発電機出力に見合う位相を算出
しそれを位相基準値δh0とする。 cos(δh0)=((1+b)・Eq'−Efd)/b・Vh ここで、b=(Xd −Xd')/(Xt +Xd')である。
なお、Xd は発電機1の直軸リアクタンスであり、Xd'
は過渡直軸同期リアクタンスである。また、発電機内部
電圧Eq'は、例えば、後述する電圧計算回路16から導
入すればよい。
【0027】発電機1の内部相差角を直接計測すること
はできないが、以上のようにして、その代替となる値
(Vh の位相と発電機1の内部電圧の位相との位相差δ
h )を求めることができる。つまり、位相差δh は、発
電機1の内部相差角を情報として含むものである。ま
た、電力動揺は発電機1の内部相差角の動揺であり、こ
れを抑制すれば、系統安定化を実現できる。すなわち、
電力系統の構成変更等によって主変圧器3を通過する潮
流量が変化すると、主変圧器3の2次側母線電圧位相と
発電機内部位相との偏差が変化し、位相が動揺し始め
る。すると、位相差計算部15bで算出される位相差δ
h が位相基準値δh0からずれていく。
【0028】減算回路15cは、そのずれを検出しそれ
を偏差信号として第3の系統安定化回路36に供給す
る。第3の系統安定化回路36において、フィルタ回路
36aは、偏差信号の高周波数域の雑音などを除去す
る。増幅・位相補正回路36bは、レギュレータ26、
励磁装置9および発電機1等の時間遅れを補償するため
の位相補正を行い、かつ、信号増幅を行う。そして、リ
ミッタ回路36cは、励磁系に与えられる信号のレベル
が過大にならないようにレベル制限を行う。
【0029】リミッタ回路36cの出力は、演算回路6
0で、2並列型系統安定化装置の出力、すなわち第1の
系統安定化回路22および第2の系統安定化回路28の
出力に加算される。そして、演算回路60の出力は、電
力系統安定化装置の出力として励磁系に供給される。励
磁系において、補助信号は、励磁装置9の出力に加算さ
れて界磁巻線に供給される。従って、基準値からの発電
機内部相差角の偏差が零になるように制御される。
【0030】以上のように、動揺中の発電機内部相差角
を直接に制御することによって電力動揺は、速やかに収
束する。なお、この実施例では、1つの増幅・位相補正
回路36bを設けた場合を示したが、2回路以上設けて
もよい。また、系統安定化回路は、アナログ回路で構成
してもよいし、ディジタル回路で構成したもよい。
【0031】実施例2.図1に示すように第1〜第3の
系統安定化回路22,28,36の出力を第1の非線形
補償回路17の出力で補償すると、発電機1の運転状態
のいかんに関わらず自動電圧制御系の応答を線形にする
ことができる。
【0032】図4に示すように、電力変換器13は、変
成器7が検出した発電機1の端子電圧Vt および変成器
6が検出した電流It を用いて発電機1の端子における
潮流Pg ,Qg を算出する。内部電圧計算回路16は、
潮流Pg ,Qg から、発電機1の内部電圧Eq'を算出す
る。第1の非線形補償回路17は、主変圧器3の2次側
母線電圧Vh 、発電機1の内部電圧Eq'、位相差δh お
よび発電機1の回転数偏差Δωを導入する。
【0033】図9に示すように、電力系統構成の変更や
大規模な負荷遮断などによって安定平衡点が移動した場
合には、発電機1の出力Pと発電機1の内部相差角δと
の間には強い非線形性が現れる。すなわち、図9に示す
ように、出力P=(V1 ・V2 /X)sin δで表され、
正弦関数が入ることによって強い非線形性が現れる。こ
こで、V1 ,V2 はそれぞれ各ノードの電圧、Xはノー
ド間のリアクタンス、δはV1 ,V2 間の相差角であ
る。
【0034】第1の非線形補償回路17は、自動電圧制
御系が線形応答できるように、出力Pと内部相差角δと
の関係に対して、座標軸を変換する演算をもって正弦関
数がある範囲内で線形になるような演算式を算出する。
そして、本来の非線形部分と線形化される部分とを補う
ような補償信号を出力する。第1〜第3の系統安定化回
路22,28,36の出力は、加算回路42で補償信号
と加算されて励磁系に供給される。なお、演算式は例え
ば以下のようなものである。 Td0・(ω−ω0 )/(d+sin δh )[f・cos (2
δh )−d・Eq'・cos δh ]+(1+b)・Eq'−b
・Vh ・cos δh ここで、Mは発電機1の慣性定数、Td0は発電機1の界
磁回路の時定数、X1は主変圧器3のリアクタンスと発
電機1の同期リアクタンスとの加算値、ω0 は発電機1
の同期回転速度を示す。また、d=[1/(Xt +Xq
)]・(1+b)・Vh 、f=[1/(Xt +Xq
)]・b・Vh 2 である。
【0035】以上のようにして、発電機1の安定平衡点
が移動した場合にも、第1〜第3の系統安定化回路2
2,28,36の出力は有効に用いられる。
【0036】実施例3.図1に示すように、第2の非線
形補償回路18の出力で第1〜第3の系統安定化回路2
2,28,36の出力をさらに補償するようにしてもよ
い。図5に示すように、第2の非線形補償回路18は、
位相差δh および主変圧器3の2次側母線電圧Vh を導
入して、例えば、−(M・Td0)/(X1 ・ω0 ・sin
δh )の演算を行う。
【0037】すなわち、第2の非線形補償回路18は、
各定数と位相差δh および主変圧器3の2次側母線電圧
Vh を用いて、電力系統の非線形性を弱め自動電圧制御
系が線形応答できるような補償信号を出力する。第2の
非線形補償回路18は、一種の制御入力変換動作を行
う。第1の非線形補償回路17は、座標変換による非線
形システムの線形化のための演算を行っていたが、この
回路は、線形で応答された制御信号を元の非線形システ
ムの入力として整合させるような補助信号の演算を行
う。すなわち、線形の座標系で応答された信号を元の座
標系の入力信号として取り扱えるように修正する作用を
果たす。そして、第2の非線形補償回路18の出力は、
乗算回路41で第1〜第3の系統安定化回路22,2
8,36の出力と乗算されて加算回路42に出力され
る。
【0038】以上のようにして、発電機1の安定平衡点
が移動した場合にも、第1〜第3の系統安定化回路2
2,28,36の出力は有効に用いられる。図6はこの
電力系統安定化装置による効果を示す説明図である。図
において、実線Aは従来の2並列型電力系統安定化回路
を用いた場合の電力動揺の一例を示し、実線Bは同様の
条件での本電力系統安定化装置を用いた場合の電力動揺
の様子を示している。
【0039】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、電力系統安定化装置を、主変圧器の2次側母線電
圧の位相に対する発電機の内部相差角の位相差を算出す
るとともに、位相差の位相差基準値からの偏差を出力
し、位相差計算回路の出力にもとづく補助信号を作成す
るように構成したので、動揺中の発電機内部位相を直接
に制御することができ、電力動揺を速やかに収束させる
ものが得られる効果がある。
【0040】請求項2記載の発明によれば、電力系統安
定化装置を、位相差計算回路が算出した位相差、同期発
電機の回転数偏差、同期発電機の内部電圧および主変圧
器の2次側電圧を用いて、電力系統の非線形性を補償す
る補償信号を出力するように構成したので、電力系統構
成の変更や大規模な負荷遮断などによって安定平衡点が
移動した場合でも、電力系統の安定度を確保できるもの
が得られる効果がある。
【0041】そして、請求項3記載の発明によれば、電
力系統安定化装置を、さらに、位相差計算回路が算出し
た位相差および主変圧器の2次側電圧を用いて、電力系
統の非線形性を補償する補償信号を出力するように構成
したので、やはり、電力系統構成の変更や大規模な負荷
遮断などによって安定平衡点が移動した場合でも、電力
系統の安定度を確保できるものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による電力系統安定化装
置を含むシステムのシステム構成図である。
【図2】 位相差計算回路、第1の非線形補償回路、第
2の非線形補償回路および系統安定化回路の構成を励磁
系とともに示すブロック図である。
【図3】 位相差計算回路をその入力部とともに示すブ
ロック図である。
【図4】 第1の非線形補償回路をその入力部とともに
示すブロック図である。
【図5】 第2の非線形補償回路をその入力部とともに
示すブロック図である。
【図6】 従来の電力系統安定化装置および第3の実施
例による電力系統安定化装置による電力動揺の一例を示
す説明図である。
【図7】 従来の電力系統安定化システムの構成を示す
システム構成図である。
【図8】 従来の電力系統安定化システムにおける系統
安定化装置および励磁系の部分を示すブロック図であ
る。
【図9】 発電機出力と発電機内部相差角との関係を示
す説明図である。
【符号の説明】
15 位相差計算回路、17 第1の非線形補償回路、
18 第2の非線形補償回路、36 第3の系統安定化
回路(系統安定化回路)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期発電機の励磁量を調整する自動電圧
    制御装置に対して、発電機出力偏差、発電機回転数偏差
    または系統周波数偏差にもとづく補助信号を与えて電力
    系統を安定化する電力系統安定化装置において、前記同
    期発電機に接続された主変圧器の2次側母線電圧の位相
    に対する前記同期発電機の内部相差角の位相差を算出す
    るとともに、前記位相差の位相差基準値からの偏差を出
    力する位相差計算回路と、前記位相差計算回路の出力に
    もとづく補助信号を作成する系統安定化回路とを備えた
    ことを特徴とする電力系統安定化装置。
  2. 【請求項2】 位相差計算回路が算出した位相差、同期
    発電機の回転数偏差、前記同期発電機の内部電圧および
    主変圧器の2次側電圧から、電力系統の非線形性を補償
    する補償信号を出力する第1の非線形補償回路を備えた
    請求項1記載の電力系統安定化装置。
  3. 【請求項3】 位相差計算回路が算出した位相差および
    主変圧器の2次側電圧から、電力系統の非線形性を補償
    する補償信号を出力する第2の非線形補償回路を備えた
    請求項2記載の電力系統安定化装置。
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