JP2005003530A - 位相検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、単相の交流系統電圧の位相を、連続的に、高速で適切に、かつ安定して精度よく検出することを目的とする。
【解決手段】単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段6と、交流系統電圧の推定位相を基に位相の異なる二相の正弦波を発生する波形発生手段4、5と、交流系統電圧、波形発生手段4、5の出力および位相シフト手段6の出力を入力して交流系統電圧の位相と推定位相との位相差を演算する位相差検出手段1と、位相差検出手段1からの出力位相差を基に推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整する位相推定手段2、3とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段6と、交流系統電圧の推定位相を基に位相の異なる二相の正弦波を発生する波形発生手段4、5と、交流系統電圧、波形発生手段4、5の出力および位相シフト手段6の出力を入力して交流系統電圧の位相と推定位相との位相差を演算する位相差検出手段1と、位相差検出手段1からの出力位相差を基に推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整する位相推定手段2、3とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単相の交流系統電圧の周波数変化や位相変化に追従して、その位相を連続的に検出することができる位相検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流送電、静止型無効電力補償装置等のパワ−エレクトロニクス機器は、交流系統電圧の位相を検出し、その検出値を用いて位相制御を行なうことにより、交流系統との間で有効・無効電力を安定に授受できるようにしている。このときに用いられる従来の位相検出器としては、例えば、図7および図8に示すようなものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7において、位相検出器は、三相交流系統電圧と後述する波形発生回路の出力信号との位相差を検出する位相差検出回路10と、この位相差検出回路10から位相差信号が入力され、誤差増幅を行なう増幅演算回路17と、この増幅演算回路17の出力に応じた周波数で発振する発振回路18と、発振回路18の出力である検出位相θiに対応した余弦波、正弦波を出力する波形発生回路19、20とからなっている。
【0004】
この動作について説明する。位相差検出回路10では、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20からの出力信号との位相差を演算により求める。この演算により求められた位相差信号は増幅演算回路17に入力され、誤差増幅の処理がなされる。発振回路18には、増幅演算回路17の出力が入力されて、この値に応じた周波数で発振し、検出位相θiを出力する。この検出位相θiは波形発生回路19、20に入力され、再び余弦波、正弦波に変換され、位相差検出回路10にて三相交流系統電圧との位相差検出が繰り返される。
【0005】
このようにして、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号との位相差が繰り返し求められ、その位相差Δθがゼロになるように増幅演算回路17の出力及び発振回路18の発振周波数が調整される。そして、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号との位相差がゼロになったとき、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号とが同期したことになり、即ち、三相交流系統電圧の位相検出ができる。
【0006】
次に、位相差検出回路10内の詳細を図8を用いて説明する。3相2相変換回路13は、三相交流系統電圧VR、VS、VTを入力として、次式にて二相電圧V1d、V1qに変換する。
【0007】
【数1】
そして、乗算回路11a〜11d、加算回路12a、12b、振幅演算回路14、除算回路15、sin−1演算回路16によって、下式の演算を行ない、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号との位相差Δθを求める。
【0008】
【数2】
ここで、VFd、VFqは波形発生回路19、20の出力信号である。
【0009】
VFd=cosθi
VFq=sinθi
θi:検出位相
従来の位相検出器は、このようにして三相交流系統電圧の位相を連続的に検出している。しかし、この位相検出器は、位相検出中に三相交流系統に事故が発生すると、三相交流系統電圧の電圧振幅低下、不平衡、歪み等に起因して位相検出誤差が増大するおそれがあった。
【0010】
これに対し、他の従来の位相検出器として、三相交流系統電圧と後述する波形発生手段の出力との位相差を演算により求める位相差検出手段と、この位相差検出手段からの位相差を基に三相交流系統電圧の位相を推定する位相推定手段と、この位相推定手段からの位相を基に90゜位相の異なった二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、三相交流系統電圧の振幅が定常状態の三相交流系統電圧の振幅より小さいときには、検出位相の変化量が小さくなるように制御する補正手段とを具備させて、位相検出誤差の増加を抑えるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開昭55−34851号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平9−133718号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、単相の交流系統にパワ−エレクトロニクス機器等を導入する際、その機器の位相制御を行なうためには、単相の交流系統電圧の位相を連続的に検出することができる位相検出器が必要とされる。しかしながら、特許文献1、2に記載の従来の位相検出器は、いずれも三相交流系統電圧を前提として構成されていた。つまり、三相交流系統電圧から、3相2相変換することで、90゜異なる位相差をもった信号を作成していた。このため、これらの位相検出器の動作原理で、単相交流系統電圧の位相を検出することはできない。
【0014】
一方、単相交流電圧の位相を検出する従来の検出器としては、単相交流電圧のゼロクロス信号を用いたゼロクロス方式の同期検出器がある。しかし、このゼロクロス信号を用いた同期検出器は、単相交流系統電圧の位相変化への追従が遅く、また、電圧波形歪が大きい場合には、ゼロクロスのタイミングが大きくずれたり、複数のゼロクロスが発生するなどで位相検出の精度が悪化する。このため、単相の交流系統に導入するパワ−エレクトロニクス機器の位相制御に支障をきたす場合があり、所望の制御ができないおそれがあった。
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、単相の交流系統電圧の位相を、連続的に、高速で適切に、かつ交流系統電圧波形に歪み等がある場合でも安定して精度よく検出することができる位相検出器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力位相差を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを要旨とする。
【0017】
位相検出器内で、位相シフト手段により単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する。位相差検出手段に、その位相シフト手段の出力信号、原信号である単相の交流系統電圧および波形発生手段からの位相の異なる二相の正弦波信号を入力して、交流系統電圧の位相と推定位相との位相差を演算する。位相推定手段により、位相差検出手段からの出力位相差を基に推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し、推定位相を交流系統電圧の位相と一致させることで、単相の交流系統電圧の位相が、連続的に、高速で適切に検出される。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記交流系統電圧と前記位相シフト手段の出力信号との位相差と、前記波形発生手段で発生させる位相の異なる二相の正弦波の位相差とを同じにすることを要旨とする。
【0019】
位相差検出手段の演算過程が簡単化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より適切、かつ精度よく検出される。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段として、第1の正弦波を出力する波形発生回路と、その第1の正弦波出力から第2の正弦波を発生させる位相シフト回路とを用いることを要旨とする。
【0021】
波形発生手段の構成が簡素化されて、単相の交流系統電圧の位相が、より高速で適切に検出される。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する前記位相シフト手段の特性と、第2の正弦波を発生させる前記位相シフト回路の特性とを同じにすることを要旨とする。
【0023】
位相シフト手段および位相シフト回路の両シフト位相を等しくすることができて、上記請求項2記載の発明の作用と同様の作用が得られる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記位相シフト手段のシフト位相および前記波形発生手段で発生させる位相の異なる二相の正弦波の位相差をともに90゜とすることを要旨とする。
【0025】
位相差検出手段の演算過程が、さらに単純化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より一層適切、かつ精度よく検出される。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段として、遅れ時定数を適宜に選択することで所望のシフト位相を得ることが可能な一次遅れ関数を用いることを要旨とする。
【0027】
位相シフト手段は、一次遅れ関数における遅れ時定数を適宜に選択することで所望のシフト位相とすることができるので、位相差検出手段の演算過程が簡単化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より適切、かつ精度よく検出される。
【0028】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段として、一次遅れ回路と、この一次遅れ回路の一次遅れ出力と前記交流系統電圧にcosφ(但し、φ:シフト位相)を乗じた信号成分とを合成する加算器とを用いることを要旨とする。
【0029】
位相シフト手段のシフト位相は、90゜となるので、位相差検出手段の演算過程が、単純化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より適切、かつ精度よく検出される。
【0030】
請求項8記載の発明は、単相の交流系統電圧から高調波成分を低減するフィルタ手段と、該フィルタ手段の出力を入力して前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力位相差を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを要旨とする。
【0031】
位相差検出手段の入力に、単相の交流系統電圧から高調波成分を低減するフィルタ手段が設けられるので、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段に入力する交流系統電圧からは高調波成分が除去される。したがって、位相差検出手段の位相差出力中に高調波成分が含まれることがなく、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記フィルタ手段として、バンドパスフィルタを用いることを要旨とする。
【0033】
バンドパスフィルタにより、単相の交流系統電圧の基本波成分のみを通過させることで、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段に入力する交流系統電圧から高調波成分が除去されて、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0034】
請求項10記載の発明は、単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段の位相差出力信号から高調波成分を除去するフィルタ手段と、該フィルタ手段からの出力信号を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを要旨とする。
【0035】
位相差検出手段の次段に、その位相差出力から高調波成分を除去するためのフィルタ手段が設けられるので、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段の位相差出力中に高調波成分が含まれることがなく、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0036】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記フィルタ手段として、ロ−パスフィルタを用いることを要旨とする。
【0037】
ロ−パスフィルタにより、直流または低い周波数成分のみを通過させることで、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段の位相差出力中に高調波成分が含まれることがなく、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0038】
請求項12記載の発明は、請求項1、8または10記載の発明において、前記位相推定手段は、前記位相差検出手段の位相差出力信号を増幅する増幅演算回路と、該増幅演算回路の出力に応じた周波数で発振し、この発振信号を前記推定位相信号として出力する発振回路とで構成されることを要旨とする。
【0039】
増幅演算回路は、その特性を適宜に選択することで、位相差検出手段からの出力位相差中、その出力位相差の大・小に応じた直流信号成分のみを増幅して、その出力を発振回路に入力する。発振回路は、その増幅演算回路からの出力に応じた周波数で発振し、その発振信号を推定位相信号として出力する。このように、増幅演算回路と発振回路とからなる位相推定手段は、推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整して出力する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0041】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。本実施の形態の位相検出器は、位相差検出手段としての位相差検出回路1に、所要の演算処理を行なうための乗算回路11a、11bおよび加算回路12が内装され、位相差検出回路1の前段には、単相の交流系統電圧V1から、その位相θと異なる位相の信号V2を作成する位相シフト手段としての位相シフト回路6が設けられている。一方、位相差検出回路1の後段には、位相差検出回路1からの位相差出力信号Δθを誤差増幅する増幅演算回路2と、この増幅演算回路2の出力に応じた周波数で発振する発振回路3とが設けられている。これらの増幅演算回路2および発振回路3で、位相差検出回路1からの位相差出力Δθを基に交流系統電圧V1の位相θを推定する位相推定手段が構成されている。位相推定手段からは、発振回路3の発振信号が、交流系統電圧V1の推定位相信号θiとして出力される。
【0042】
また、発振回路3の次段に、その発振回路3の出力である推定位相信号θiを基に位相の異なる二相の正弦波信号Va、Vbを発生させる波形発生手段としての第1と第2の波形発生回路4、5が設けられている。位相差検出回路1は、交流系統電圧V1、位相シフト回路6の出力信号V2および第1と第2の波形発生回路4、5からの正弦波信号Va、Vbを入力して、交流系統電圧V1と波形発生回路4、5からの正弦波信号Va、Vbとの位相差、即ち交流系統電圧V1の位相θと推定位相θiとの位相差Δθを演算し出力する。
【0043】
次に、上述のように構成された位相検出器の動作を説明する。ここでは、説明の簡単化のため、交流系統電圧V1、位相シフト回路6の出力信号V2が、次のように、振幅が1の正弦波で表せるものとする。
【0044】
V1=sinθ、 V2=sin(θ−φ) …(5)
第1と第2の波形発生回路4、5は、それぞれの正弦波信号Va、Vb出力を、次のように位相差φiをもって作成する。
【0045】
Va=sin(θi−φi)、 Vb=sinθi …(6)
位相差検出回路1は、交流系統電圧V1、位相シフト回路6の出力信号V2および波形発生回路4、5からの正弦波信号Va、Vbを入力して、位相差演算を次式のように行なう。
【0046】
Δθ=−V1*Va+V2*Vb …(7)
この式(7)に、各信号を表す式を代入すると、
式(8)中の各項を、第2項と第4項、第1項と第3項でまとめる。
【0047】
交流系統電圧V1の位相θと発振回路3の出力である推定位相信号θiとの差が小さく一定であれば、式(9)中の第1項により、θとθiとの差に比例する直流信号を得ることができる。
【0048】
第1項≒sinφ(θ−θi)
式(9)中の第2項と第3項は、交流系統電圧V1の周波数で変動する項であるので、増幅演算回路2は、その特性を適宜選択することで、第1項の直流信号成分のみを増幅して、その出力を発振回路3に入力することができる。
【0049】
交流系統電圧V1の位相θが、発振回路3の出力である推定位相信号θiより進んでいる場合は、位相差検出回路1の出力および増幅演算回路2の出力は、ともに正となり、発振回路3の発振周波数を増加させる。発振回路3の周波数が大きくなると、推定位相信号θiの位相が進み、交流系統電圧V1の位相θと推定位相信号θiとが一致する。この結果、交流系統電圧V1と波形発生回路4、5の出力信号との同期をとることができ、交流系統電圧V1の位相θを検出することができる。
【0050】
上述したように、本実施の形態によれば、単相の交流系統電圧V1に対し、その位相θを連続的に検出することができ、高速に位相変化に追従しうる位相検出器を提供することができる。
【0051】
本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る位相検出器は、上記第1の実施の形態と回路は同じであるが、次式(10)に示すように、第1と第2の波形発生回路4、5から発生させる二つの正弦波信号VaとVb間の位相差φiを、位相シフト回路6のシフト位相φと等しくしている。
【0052】
φi=φ …(10)
式(10)の関係を、式(9)に代入すると、第2項と第3項はゼロになるので、第1項だけが残り、次のように簡単化されて、位相差検出回路1の出力として直流成分だけを抽出することができる。
【0053】
Δθ=sinφsin(θ−θi)≒sinφ(θ−θi) …(11)
本実施の形態によれば、位相差検出回路1の出力信号のリップルを小さくすることができて、交流系統電圧V1の位相θを、より適切、かつ精度よく検出することができる。
【0054】
図2には、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態の位相検出器は、波形発生手段を、第1の正弦波Vb(=sinθi)を発生させる波形発生回路5と、その第1の正弦波Vbから第2の正弦波Va(=sin(θi−φi))を作成する位相シフト回路7とで構成している。本実施の形態の回路構成においても、前記式(6)に示す二つの正弦波信号Va、Vbを発生させることができるので、第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0055】
本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、交流系統電圧V1の位相θと異なる位相の信号V2(=sin(θ−φ))を作成する位相シフト回路6の特性と、第2の正弦波Va(=sin(θi−φi))を作成する位相シフト回路7の特性とを同一にしている。このように、両位相シフト回路6、7の特性を合わせることで、位相シフト回路6のシフト位相φと位相シフト回路7のシフト位相φiとを等しくすることができる。したがって、本実施の形態においては、第2の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0056】
また、本実施の形態の構成においては、位相シフト回路6、7は、ゲインが1でなくてもよい。すなわち、前記式(5)、(6)において、位相シフト回路6、7の出力の振幅がkとなってもよい。
【0057】
V1=sinθ、 V2=ksin(θ−φ) …(5)′
Va=ksin(θi−φi)、 Vb=sinθi …(6)′
さらに、φi=φとすると、前記式(9)、式(11)と同様にして、式を整理すると、次式(12)を得る。
【0058】
Δθ=ksinφsin(θ−θi)≒ksinφ(θ−θi) …(12)
したがって、ゲインk分だけ出力は変化するが、位相差検出回路1からの位相差出力Δθを直流分として検出することができる。
【0059】
本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態では、位相シフト回路6のシフト位相φおよび第1と第2の波形発生回路4、5から発生させる二つの正弦波信号VaとVb間の位相差φiをともに90゜としている。このため、前記式(11)、式(12)において、sinφ=1となるので、位相差検出回路1における位相差の演算を、次式のように、さらに単純化することができる。
【0060】
Δθ=sin(θ−θi)≒(θ−θi) …(11)′
Δθ=ksin(θ−θi)≒k(θ−θi) …(12)′
本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態では、位相シフト回路として、演算が式(13)で表される簡単な一次遅れ関数を用いる。遅れ時定数をT、交流系統電圧の角周波数をωとすると、シフト位相φ、ゲインkは、それぞれ、式(14)、式(15)で得ることができる。
【0061】
【数3】
遅れ時定数Tを適宜選択することで、所望のシフト位相φを得ることができる。したがって、第5の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0062】
図3には、本発明の第7の実施の形態を示す。本実施の形態では、位相シフト回路6を一次遅れ回路61と加算回路62とで構成している。原信号である交流系統電圧V1に対し、一次遅れの出力Vφは、位相φ、ゲインkだけ異なる。この信号をVαとし、V1とVφとから、式(16)により、位相シフト回路6の出力信号V2を合成する。この様子を図4のベクトル図に示す。式(16)の分子は、V1とVφとから、V1と直交する成分を計算している。また、式(16)の分母は、原信号である交流系統電圧V1と位相シフト回路6の出力信号V2との振幅を一致させるためのゲインの逆数である。
【0063】
【数4】
図3中、63、64、65は、それぞれゲインを示している。この図3に示す回路により、90゜の位相シフトが実現できるので、第5の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0064】
図5には、本発明の第8の実施の形態を示す。本実施の形態では、前記第1の実施の形態において、位相差検出回路1への入力に、交流系統電圧V1から高調波成分を低減するためのフィルタ手段としてのフィルタ回路8を設けている。交流系統電圧V1の波形が大きく歪んでいる場合は、原信号である交流系統電圧V1に多くの高調波成分を含むことになる。このため、位相差検出回路1の出力信号に多くの高調波成分が現れ、発振回路3への入力が変動して、安定した同期検出(位相検出)が困難になる恐れがある。本実施の形態では、フィルタ回路8により、交流系統電圧V1波形中の高調波成分を抑制することで、安定した位相検出を行なうことができる。
【0065】
本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上記第8の実施の形態におけるフィルタ回路8としてバンドパスフィルタを用いる。バンドパスフィルタにより、交流系統電圧V1の基本波成分のみを通過させ、高調波成分を低減することで、安定した位相検出を行なうことができる。
【0066】
図6には、本発明の第10の実施の形態を示す。本実施の形態は、前記第1の実施の形態において、位相差検出回路1の出力に、その位相差出力Δθから高調波成分を除去するためのフィルタ手段としてのフィルタ回路9を設けている。本実施の形態では、フィルタ回路9により、位相差検出回路1の位相差出力Δθから高調波成分を除去することで、上記第8の実施の形態と同様に、安定した位相検出を行なうことができる。
【0067】
本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上記第10の実施の形態におけるフィルタ回路9としてをロ−パスフィルタを用いる。交流系統電圧V1が基本波成分だけであれば、位相差検出回路1からは、直流または低い周波数成分の位相差出力Δθがなされる。しかし、交流系統電圧V1に高調波成分がある場合は、位相差出力Δθに変動成分が含まれることになる。このため、位相差検出回路1の次段にロ−パスフィルタを接続して、同期するために必要な直流あるいは低い周波数成分の位相差出力Δθだけを通過させることで、安定した位相検出を行なうことができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜7および12記載の発明によれば、位相検出器内で、位相シフト手段により単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成し、この位相シフト手段の出力信号を、単相の交流系統電圧および波形発生手段からの正弦波信号とともに位相差検出手段に入力して、交流系統電圧の位相と推定位相との位相差を演算し、この位相差検出手段からの出力位相差を基に、位相推定手段により、推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整することで、単相の交流系統電圧の位相を、連続的に、高速で適切に、かつ精度よく検出することができる。
【0069】
請求項8〜11記載の発明によれば、上記共通の効果に加えてさらに、次のような効果がある。位相差検出手段の入力段または出力段に、単相の交流系統電圧から高調波成分を低減するフィルタ手段を設けたので、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段の位相差出力から高調波成分が除去されて、単相の交流系統電圧の位相を安定して精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である位相検出器のブロック図である。
【図2】本発明の第3の実施の形態のブロック図である。
【図3】本発明の第7の実施の形態における位相シフト回路の内部構成を示すブロック図である。
【図4】上記第7の実施の形態において位相シフト回路の出力信号を合成する作用を説明するためのベクトル図である。
【図5】本発明の第8の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】本発明の第10の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】従来の位相検出器を示すブロック図である。
【図8】図7における位相差検出回路の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 位相差検出回路(位相差検出手段)
2 増幅演算回路
3 増幅演算回路とともに位相推定手段となる発振回路
4 第1の波形発生回路(波形発生手段)
5 第2の波形発生回路(波形発生手段)
6 位相シフト回路(位相シフト手段)
7 位相シフト回路
8、9 フィルタ回路(フィルタ手段)
61 一次遅れ回路
62 加算回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、単相の交流系統電圧の周波数変化や位相変化に追従して、その位相を連続的に検出することができる位相検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流送電、静止型無効電力補償装置等のパワ−エレクトロニクス機器は、交流系統電圧の位相を検出し、その検出値を用いて位相制御を行なうことにより、交流系統との間で有効・無効電力を安定に授受できるようにしている。このときに用いられる従来の位相検出器としては、例えば、図7および図8に示すようなものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7において、位相検出器は、三相交流系統電圧と後述する波形発生回路の出力信号との位相差を検出する位相差検出回路10と、この位相差検出回路10から位相差信号が入力され、誤差増幅を行なう増幅演算回路17と、この増幅演算回路17の出力に応じた周波数で発振する発振回路18と、発振回路18の出力である検出位相θiに対応した余弦波、正弦波を出力する波形発生回路19、20とからなっている。
【0004】
この動作について説明する。位相差検出回路10では、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20からの出力信号との位相差を演算により求める。この演算により求められた位相差信号は増幅演算回路17に入力され、誤差増幅の処理がなされる。発振回路18には、増幅演算回路17の出力が入力されて、この値に応じた周波数で発振し、検出位相θiを出力する。この検出位相θiは波形発生回路19、20に入力され、再び余弦波、正弦波に変換され、位相差検出回路10にて三相交流系統電圧との位相差検出が繰り返される。
【0005】
このようにして、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号との位相差が繰り返し求められ、その位相差Δθがゼロになるように増幅演算回路17の出力及び発振回路18の発振周波数が調整される。そして、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号との位相差がゼロになったとき、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号とが同期したことになり、即ち、三相交流系統電圧の位相検出ができる。
【0006】
次に、位相差検出回路10内の詳細を図8を用いて説明する。3相2相変換回路13は、三相交流系統電圧VR、VS、VTを入力として、次式にて二相電圧V1d、V1qに変換する。
【0007】
【数1】
そして、乗算回路11a〜11d、加算回路12a、12b、振幅演算回路14、除算回路15、sin−1演算回路16によって、下式の演算を行ない、三相交流系統電圧と波形発生回路19、20の出力信号との位相差Δθを求める。
【0008】
【数2】
ここで、VFd、VFqは波形発生回路19、20の出力信号である。
【0009】
VFd=cosθi
VFq=sinθi
θi:検出位相
従来の位相検出器は、このようにして三相交流系統電圧の位相を連続的に検出している。しかし、この位相検出器は、位相検出中に三相交流系統に事故が発生すると、三相交流系統電圧の電圧振幅低下、不平衡、歪み等に起因して位相検出誤差が増大するおそれがあった。
【0010】
これに対し、他の従来の位相検出器として、三相交流系統電圧と後述する波形発生手段の出力との位相差を演算により求める位相差検出手段と、この位相差検出手段からの位相差を基に三相交流系統電圧の位相を推定する位相推定手段と、この位相推定手段からの位相を基に90゜位相の異なった二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、三相交流系統電圧の振幅が定常状態の三相交流系統電圧の振幅より小さいときには、検出位相の変化量が小さくなるように制御する補正手段とを具備させて、位相検出誤差の増加を抑えるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開昭55−34851号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平9−133718号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、単相の交流系統にパワ−エレクトロニクス機器等を導入する際、その機器の位相制御を行なうためには、単相の交流系統電圧の位相を連続的に検出することができる位相検出器が必要とされる。しかしながら、特許文献1、2に記載の従来の位相検出器は、いずれも三相交流系統電圧を前提として構成されていた。つまり、三相交流系統電圧から、3相2相変換することで、90゜異なる位相差をもった信号を作成していた。このため、これらの位相検出器の動作原理で、単相交流系統電圧の位相を検出することはできない。
【0014】
一方、単相交流電圧の位相を検出する従来の検出器としては、単相交流電圧のゼロクロス信号を用いたゼロクロス方式の同期検出器がある。しかし、このゼロクロス信号を用いた同期検出器は、単相交流系統電圧の位相変化への追従が遅く、また、電圧波形歪が大きい場合には、ゼロクロスのタイミングが大きくずれたり、複数のゼロクロスが発生するなどで位相検出の精度が悪化する。このため、単相の交流系統に導入するパワ−エレクトロニクス機器の位相制御に支障をきたす場合があり、所望の制御ができないおそれがあった。
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、単相の交流系統電圧の位相を、連続的に、高速で適切に、かつ交流系統電圧波形に歪み等がある場合でも安定して精度よく検出することができる位相検出器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力位相差を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを要旨とする。
【0017】
位相検出器内で、位相シフト手段により単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する。位相差検出手段に、その位相シフト手段の出力信号、原信号である単相の交流系統電圧および波形発生手段からの位相の異なる二相の正弦波信号を入力して、交流系統電圧の位相と推定位相との位相差を演算する。位相推定手段により、位相差検出手段からの出力位相差を基に推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し、推定位相を交流系統電圧の位相と一致させることで、単相の交流系統電圧の位相が、連続的に、高速で適切に検出される。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記交流系統電圧と前記位相シフト手段の出力信号との位相差と、前記波形発生手段で発生させる位相の異なる二相の正弦波の位相差とを同じにすることを要旨とする。
【0019】
位相差検出手段の演算過程が簡単化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より適切、かつ精度よく検出される。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段として、第1の正弦波を出力する波形発生回路と、その第1の正弦波出力から第2の正弦波を発生させる位相シフト回路とを用いることを要旨とする。
【0021】
波形発生手段の構成が簡素化されて、単相の交流系統電圧の位相が、より高速で適切に検出される。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する前記位相シフト手段の特性と、第2の正弦波を発生させる前記位相シフト回路の特性とを同じにすることを要旨とする。
【0023】
位相シフト手段および位相シフト回路の両シフト位相を等しくすることができて、上記請求項2記載の発明の作用と同様の作用が得られる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記位相シフト手段のシフト位相および前記波形発生手段で発生させる位相の異なる二相の正弦波の位相差をともに90゜とすることを要旨とする。
【0025】
位相差検出手段の演算過程が、さらに単純化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より一層適切、かつ精度よく検出される。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段として、遅れ時定数を適宜に選択することで所望のシフト位相を得ることが可能な一次遅れ関数を用いることを要旨とする。
【0027】
位相シフト手段は、一次遅れ関数における遅れ時定数を適宜に選択することで所望のシフト位相とすることができるので、位相差検出手段の演算過程が簡単化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より適切、かつ精度よく検出される。
【0028】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段として、一次遅れ回路と、この一次遅れ回路の一次遅れ出力と前記交流系統電圧にcosφ(但し、φ:シフト位相)を乗じた信号成分とを合成する加算器とを用いることを要旨とする。
【0029】
位相シフト手段のシフト位相は、90゜となるので、位相差検出手段の演算過程が、単純化されるとともに、位相差検出手段の位相差出力中のリップルが小さくなり、単相の交流系統電圧の位相が、より適切、かつ精度よく検出される。
【0030】
請求項8記載の発明は、単相の交流系統電圧から高調波成分を低減するフィルタ手段と、該フィルタ手段の出力を入力して前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力位相差を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを要旨とする。
【0031】
位相差検出手段の入力に、単相の交流系統電圧から高調波成分を低減するフィルタ手段が設けられるので、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段に入力する交流系統電圧からは高調波成分が除去される。したがって、位相差検出手段の位相差出力中に高調波成分が含まれることがなく、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記フィルタ手段として、バンドパスフィルタを用いることを要旨とする。
【0033】
バンドパスフィルタにより、単相の交流系統電圧の基本波成分のみを通過させることで、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段に入力する交流系統電圧から高調波成分が除去されて、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0034】
請求項10記載の発明は、単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段の位相差出力信号から高調波成分を除去するフィルタ手段と、該フィルタ手段からの出力信号を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを要旨とする。
【0035】
位相差検出手段の次段に、その位相差出力から高調波成分を除去するためのフィルタ手段が設けられるので、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段の位相差出力中に高調波成分が含まれることがなく、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0036】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記フィルタ手段として、ロ−パスフィルタを用いることを要旨とする。
【0037】
ロ−パスフィルタにより、直流または低い周波数成分のみを通過させることで、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段の位相差出力中に高調波成分が含まれることがなく、単相の交流系統電圧の位相が安定して精度よく検出される。
【0038】
請求項12記載の発明は、請求項1、8または10記載の発明において、前記位相推定手段は、前記位相差検出手段の位相差出力信号を増幅する増幅演算回路と、該増幅演算回路の出力に応じた周波数で発振し、この発振信号を前記推定位相信号として出力する発振回路とで構成されることを要旨とする。
【0039】
増幅演算回路は、その特性を適宜に選択することで、位相差検出手段からの出力位相差中、その出力位相差の大・小に応じた直流信号成分のみを増幅して、その出力を発振回路に入力する。発振回路は、その増幅演算回路からの出力に応じた周波数で発振し、その発振信号を推定位相信号として出力する。このように、増幅演算回路と発振回路とからなる位相推定手段は、推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整して出力する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0041】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。本実施の形態の位相検出器は、位相差検出手段としての位相差検出回路1に、所要の演算処理を行なうための乗算回路11a、11bおよび加算回路12が内装され、位相差検出回路1の前段には、単相の交流系統電圧V1から、その位相θと異なる位相の信号V2を作成する位相シフト手段としての位相シフト回路6が設けられている。一方、位相差検出回路1の後段には、位相差検出回路1からの位相差出力信号Δθを誤差増幅する増幅演算回路2と、この増幅演算回路2の出力に応じた周波数で発振する発振回路3とが設けられている。これらの増幅演算回路2および発振回路3で、位相差検出回路1からの位相差出力Δθを基に交流系統電圧V1の位相θを推定する位相推定手段が構成されている。位相推定手段からは、発振回路3の発振信号が、交流系統電圧V1の推定位相信号θiとして出力される。
【0042】
また、発振回路3の次段に、その発振回路3の出力である推定位相信号θiを基に位相の異なる二相の正弦波信号Va、Vbを発生させる波形発生手段としての第1と第2の波形発生回路4、5が設けられている。位相差検出回路1は、交流系統電圧V1、位相シフト回路6の出力信号V2および第1と第2の波形発生回路4、5からの正弦波信号Va、Vbを入力して、交流系統電圧V1と波形発生回路4、5からの正弦波信号Va、Vbとの位相差、即ち交流系統電圧V1の位相θと推定位相θiとの位相差Δθを演算し出力する。
【0043】
次に、上述のように構成された位相検出器の動作を説明する。ここでは、説明の簡単化のため、交流系統電圧V1、位相シフト回路6の出力信号V2が、次のように、振幅が1の正弦波で表せるものとする。
【0044】
V1=sinθ、 V2=sin(θ−φ) …(5)
第1と第2の波形発生回路4、5は、それぞれの正弦波信号Va、Vb出力を、次のように位相差φiをもって作成する。
【0045】
Va=sin(θi−φi)、 Vb=sinθi …(6)
位相差検出回路1は、交流系統電圧V1、位相シフト回路6の出力信号V2および波形発生回路4、5からの正弦波信号Va、Vbを入力して、位相差演算を次式のように行なう。
【0046】
Δθ=−V1*Va+V2*Vb …(7)
この式(7)に、各信号を表す式を代入すると、
式(8)中の各項を、第2項と第4項、第1項と第3項でまとめる。
【0047】
交流系統電圧V1の位相θと発振回路3の出力である推定位相信号θiとの差が小さく一定であれば、式(9)中の第1項により、θとθiとの差に比例する直流信号を得ることができる。
【0048】
第1項≒sinφ(θ−θi)
式(9)中の第2項と第3項は、交流系統電圧V1の周波数で変動する項であるので、増幅演算回路2は、その特性を適宜選択することで、第1項の直流信号成分のみを増幅して、その出力を発振回路3に入力することができる。
【0049】
交流系統電圧V1の位相θが、発振回路3の出力である推定位相信号θiより進んでいる場合は、位相差検出回路1の出力および増幅演算回路2の出力は、ともに正となり、発振回路3の発振周波数を増加させる。発振回路3の周波数が大きくなると、推定位相信号θiの位相が進み、交流系統電圧V1の位相θと推定位相信号θiとが一致する。この結果、交流系統電圧V1と波形発生回路4、5の出力信号との同期をとることができ、交流系統電圧V1の位相θを検出することができる。
【0050】
上述したように、本実施の形態によれば、単相の交流系統電圧V1に対し、その位相θを連続的に検出することができ、高速に位相変化に追従しうる位相検出器を提供することができる。
【0051】
本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る位相検出器は、上記第1の実施の形態と回路は同じであるが、次式(10)に示すように、第1と第2の波形発生回路4、5から発生させる二つの正弦波信号VaとVb間の位相差φiを、位相シフト回路6のシフト位相φと等しくしている。
【0052】
φi=φ …(10)
式(10)の関係を、式(9)に代入すると、第2項と第3項はゼロになるので、第1項だけが残り、次のように簡単化されて、位相差検出回路1の出力として直流成分だけを抽出することができる。
【0053】
Δθ=sinφsin(θ−θi)≒sinφ(θ−θi) …(11)
本実施の形態によれば、位相差検出回路1の出力信号のリップルを小さくすることができて、交流系統電圧V1の位相θを、より適切、かつ精度よく検出することができる。
【0054】
図2には、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態の位相検出器は、波形発生手段を、第1の正弦波Vb(=sinθi)を発生させる波形発生回路5と、その第1の正弦波Vbから第2の正弦波Va(=sin(θi−φi))を作成する位相シフト回路7とで構成している。本実施の形態の回路構成においても、前記式(6)に示す二つの正弦波信号Va、Vbを発生させることができるので、第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0055】
本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、交流系統電圧V1の位相θと異なる位相の信号V2(=sin(θ−φ))を作成する位相シフト回路6の特性と、第2の正弦波Va(=sin(θi−φi))を作成する位相シフト回路7の特性とを同一にしている。このように、両位相シフト回路6、7の特性を合わせることで、位相シフト回路6のシフト位相φと位相シフト回路7のシフト位相φiとを等しくすることができる。したがって、本実施の形態においては、第2の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0056】
また、本実施の形態の構成においては、位相シフト回路6、7は、ゲインが1でなくてもよい。すなわち、前記式(5)、(6)において、位相シフト回路6、7の出力の振幅がkとなってもよい。
【0057】
V1=sinθ、 V2=ksin(θ−φ) …(5)′
Va=ksin(θi−φi)、 Vb=sinθi …(6)′
さらに、φi=φとすると、前記式(9)、式(11)と同様にして、式を整理すると、次式(12)を得る。
【0058】
Δθ=ksinφsin(θ−θi)≒ksinφ(θ−θi) …(12)
したがって、ゲインk分だけ出力は変化するが、位相差検出回路1からの位相差出力Δθを直流分として検出することができる。
【0059】
本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態では、位相シフト回路6のシフト位相φおよび第1と第2の波形発生回路4、5から発生させる二つの正弦波信号VaとVb間の位相差φiをともに90゜としている。このため、前記式(11)、式(12)において、sinφ=1となるので、位相差検出回路1における位相差の演算を、次式のように、さらに単純化することができる。
【0060】
Δθ=sin(θ−θi)≒(θ−θi) …(11)′
Δθ=ksin(θ−θi)≒k(θ−θi) …(12)′
本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態では、位相シフト回路として、演算が式(13)で表される簡単な一次遅れ関数を用いる。遅れ時定数をT、交流系統電圧の角周波数をωとすると、シフト位相φ、ゲインkは、それぞれ、式(14)、式(15)で得ることができる。
【0061】
【数3】
遅れ時定数Tを適宜選択することで、所望のシフト位相φを得ることができる。したがって、第5の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0062】
図3には、本発明の第7の実施の形態を示す。本実施の形態では、位相シフト回路6を一次遅れ回路61と加算回路62とで構成している。原信号である交流系統電圧V1に対し、一次遅れの出力Vφは、位相φ、ゲインkだけ異なる。この信号をVαとし、V1とVφとから、式(16)により、位相シフト回路6の出力信号V2を合成する。この様子を図4のベクトル図に示す。式(16)の分子は、V1とVφとから、V1と直交する成分を計算している。また、式(16)の分母は、原信号である交流系統電圧V1と位相シフト回路6の出力信号V2との振幅を一致させるためのゲインの逆数である。
【0063】
【数4】
図3中、63、64、65は、それぞれゲインを示している。この図3に示す回路により、90゜の位相シフトが実現できるので、第5の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0064】
図5には、本発明の第8の実施の形態を示す。本実施の形態では、前記第1の実施の形態において、位相差検出回路1への入力に、交流系統電圧V1から高調波成分を低減するためのフィルタ手段としてのフィルタ回路8を設けている。交流系統電圧V1の波形が大きく歪んでいる場合は、原信号である交流系統電圧V1に多くの高調波成分を含むことになる。このため、位相差検出回路1の出力信号に多くの高調波成分が現れ、発振回路3への入力が変動して、安定した同期検出(位相検出)が困難になる恐れがある。本実施の形態では、フィルタ回路8により、交流系統電圧V1波形中の高調波成分を抑制することで、安定した位相検出を行なうことができる。
【0065】
本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上記第8の実施の形態におけるフィルタ回路8としてバンドパスフィルタを用いる。バンドパスフィルタにより、交流系統電圧V1の基本波成分のみを通過させ、高調波成分を低減することで、安定した位相検出を行なうことができる。
【0066】
図6には、本発明の第10の実施の形態を示す。本実施の形態は、前記第1の実施の形態において、位相差検出回路1の出力に、その位相差出力Δθから高調波成分を除去するためのフィルタ手段としてのフィルタ回路9を設けている。本実施の形態では、フィルタ回路9により、位相差検出回路1の位相差出力Δθから高調波成分を除去することで、上記第8の実施の形態と同様に、安定した位相検出を行なうことができる。
【0067】
本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上記第10の実施の形態におけるフィルタ回路9としてをロ−パスフィルタを用いる。交流系統電圧V1が基本波成分だけであれば、位相差検出回路1からは、直流または低い周波数成分の位相差出力Δθがなされる。しかし、交流系統電圧V1に高調波成分がある場合は、位相差出力Δθに変動成分が含まれることになる。このため、位相差検出回路1の次段にロ−パスフィルタを接続して、同期するために必要な直流あるいは低い周波数成分の位相差出力Δθだけを通過させることで、安定した位相検出を行なうことができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜7および12記載の発明によれば、位相検出器内で、位相シフト手段により単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成し、この位相シフト手段の出力信号を、単相の交流系統電圧および波形発生手段からの正弦波信号とともに位相差検出手段に入力して、交流系統電圧の位相と推定位相との位相差を演算し、この位相差検出手段からの出力位相差を基に、位相推定手段により、推定位相が交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整することで、単相の交流系統電圧の位相を、連続的に、高速で適切に、かつ精度よく検出することができる。
【0069】
請求項8〜11記載の発明によれば、上記共通の効果に加えてさらに、次のような効果がある。位相差検出手段の入力段または出力段に、単相の交流系統電圧から高調波成分を低減するフィルタ手段を設けたので、原信号である交流系統電圧波形が歪んで交流系統電圧に多くの高調波成分が含まれる場合でも、位相差検出手段の位相差出力から高調波成分が除去されて、単相の交流系統電圧の位相を安定して精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である位相検出器のブロック図である。
【図2】本発明の第3の実施の形態のブロック図である。
【図3】本発明の第7の実施の形態における位相シフト回路の内部構成を示すブロック図である。
【図4】上記第7の実施の形態において位相シフト回路の出力信号を合成する作用を説明するためのベクトル図である。
【図5】本発明の第8の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】本発明の第10の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】従来の位相検出器を示すブロック図である。
【図8】図7における位相差検出回路の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 位相差検出回路(位相差検出手段)
2 増幅演算回路
3 増幅演算回路とともに位相推定手段となる発振回路
4 第1の波形発生回路(波形発生手段)
5 第2の波形発生回路(波形発生手段)
6 位相シフト回路(位相シフト手段)
7 位相シフト回路
8、9 フィルタ回路(フィルタ手段)
61 一次遅れ回路
62 加算回路
Claims (12)
- 単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力位相差を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを特徴とする位相検出器。
- 前記交流系統電圧と前記位相シフト手段の出力信号との位相差と、前記波形発生手段で発生させる位相の異なる二相の正弦波の位相差とを同じにすることを特徴とする請求項1記載の位相検出器。
- 前記推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段として、第1の正弦波を出力する波形発生回路と、その第1の正弦波出力から第2の正弦波を発生させる位相シフト回路とを用いることを特徴とする請求項1記載の位相検出器。
- 前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する前記位相シフト手段の特性と、第2の正弦波を発生させる前記位相シフト回路の特性とを同じにすることを特徴とする請求項3記載の位相検出器。
- 前記位相シフト手段のシフト位相および前記波形発生手段で発生させる位相の異なる二相の正弦波の位相差をともに90゜とすることを特徴とする請求項1記載の位相検出器。
- 前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段として、遅れ時定数を適宜に選択することで所望のシフト位相を得ることが可能な一次遅れ関数を用いることを特徴とする請求項1記載の位相検出器。
- 前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段として、一次遅れ回路と、この一次遅れ回路の一次遅れ出力と前記交流系統電圧にcosφ(但し、φ:シフト位相)を乗じた信号成分とを合成する加算器とを用いることを特徴とする請求項1記載の位相検出器。
- 単相の交流系統電圧から高調波成分を低減するフィルタ手段と、該フィルタ手段の出力を入力して前記交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの出力位相差を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを特徴とする位相検出器。
- 前記フィルタ手段として、バンドパスフィルタを用いることを特徴とする請求項8記載の位相検出器。
- 単相の交流系統電圧の位相と異なる位相の信号を作成する位相シフト手段と、前記交流系統電圧の推定位相信号を基に位相の異なる二相の正弦波を発生させる波形発生手段と、前記交流系統電圧、前記波形発生手段の出力および前記位相シフト手段の出力信号を入力して前記交流系統電圧の位相と前記推定位相との位相差を演算する位相差検出手段と、該位相差検出手段の位相差出力信号から高調波成分を除去するフィルタ手段と、該フィルタ手段からの出力信号を基に前記推定位相が前記交流系統電圧の位相と一致するように当該推定位相を調整し出力する位相推定手段とを有することを特徴とする位相検出器。
- 前記フィルタ手段として、ロ−パスフィルタを用いることを特徴とする請求項10記載の位相検出器。
- 前記位相推定手段は、前記位相差検出手段の位相差出力信号を増幅する増幅演算回路と、該増幅演算回路の出力に応じた周波数で発振し、この発振信号を前記推定位相信号として出力する発振回路とで構成されることを特徴とする請求項1、8または10記載の位相検出器。
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