JP2008141935A - 単相交流信号の基本波成分検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
単相交流信号の基本波成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号を、安定なフィルタを用いて単相交流信号から生成し、生成した矩相信号を少なくとも用いて、基本波成分の周波数と位相あるいは基本波成分の周波数と位相余弦正弦値を少なくとも検出するようにした上で、矩相信号生成用の該安定フィルタの特性をバンドパス特性に微分特性あるいは積分特性を付加した特性とし、検出した周波数を用いて、バンドパス特性の中心周波数に対応したフィルタ係数のみを適応調整するようにして、課題を解決した。
【選択図】図1
Description
(1)新中新二:「単相交流信号の位相検出方法と同方法を用いた電力変換装置」、特開2006−129681(2004−10)
(2)清水敏久・齋藤真:「半導体電力変換装置の制御回路」、特開2003−143860(2001−11)
(3)L.N.Arruda、B.J.C.Filho、S.M.Silva、S.R.Silva、and A.S.A.C.Diniz:“Wide Bandwidth Single and Three−Phase PLL Structures for Grid−Tied PV Systems”、Record of the 28th IEEE Photovoltaic Specialist Conference 2000、pp.1660−1663(2000)
(4)S.M.Silva、L.N.Arruda、and B.J.C.Filho:“Wide Bandwidth Single and Three−Phase PLL Structures for Utility Connected Systems”、CD−Proc.of 9th European Conference on Power Electronics and Applications(EPE 2001)(2001−8)
(5)L.N.Arruda、S.M.Silva、and B.J.C.Filho:“PLL Structures for Utility Connected Systems”、Conference Record of the 2001 IEEE Industry Applications Conference、36th IAS Annual Meeting(IAS 2001)、Vol.4、pp.2655−2660(2001−9)
(6)L.M.Silva、B.M.Lopes、B.J.C.Filho、R.P.Campana、and W.C.Boaventura:“Performance Evaluation of PLL Algorithms for Single−Phase Grid−Connected Systems”、Conference Record of the 2004 IEEE Industry Applications Conference、39th IAS Annual Meeting(IAS 2004)、Vol.4、pp.2259−2263(2004−10)
(7)M.Ciobotaru、R.Teodorescu、and F.Blaabjerg:“Improved PLL structures for single−phase grid inverters”、CD−Proc.of International Conference on Power Electronics and Intelligent Control for Energy Conservation(PELINCEC2005)(2005−10)
(8)M.Ciobotaru、R.Teodorescu、and F.Blaabjerg:“A New Single−Phase PLL Structures Based on Second Order Generalized Integrator”、CD−Proc.of 37th IEEE Power Electronics Specialis Conference(PESC 2006)(2006−6)
(9)S.Sakamoto、T.Izumi、T.Yokoyama、and T.Haneyoshi:“A New Method for Digital PLL Control Using Estimated Two Quadrature Two Phase Frequency Detection”、Proc.of Power Conversion Conference(PCC−2002)、pp.671−676(2002−4)
(a)総合的に、検出システムが不安定化しやすい。
(b)生成2相電圧の内の1相分をPLLへの入力信号とする構成をとっている。このためか、PLLのための位相制御器(PLLに使用される制御器)の設計には「small signal model」の導出が必要であり、システム安定化のための位相制御器設計は煩雑である。更には、高い追随性をもたらす広帯域高次の位相制御器の設計・利用は、システムの不安定化を誘発し困難である。
(c)周波数真値が一定の場合でさえ、周波数検出値は高周波脈動を常時起こし、安定しない。
数ωαの正弦信号として表現できないノイズ、高調波成分等とする。なお、以降では、これらは簡単にノイズ等と略記する。単相交流信号の基本波成分の周波数・位相検出問題、特に、本発明の解決すべき課題は、入手可能な単相交流信号vを用いて、同信号の基本波成分の周波数ωαと、次の(2)式で定義された基本波成分の位相θαと、
は、マルチレイトサンプルホールダ4を介して、二相信号生成器1へフィードバックされ、再利用されている。すなわち本発明による基本波成分検出システムは、システム全体としては、適応的な検出システムとなっている。図1の提供システムは、後述の説明で明らかになるように、広義の意味において、PLLシステムの範疇に属する。文献(3)−(9)もPLLシステムの範疇に属するが、システムの構造、及び構造を形づくるサブシステム1−4(詳細は後述)は、本発明の基づく新規なものであり、従来の何れとも異なる。以下、これらサブシステム1−4の詳細を個別に説明する。
単相交流信号の基本波成分に対して、一応、π/2(rad)位相進みの矩相信号となる点には注意されたい。
のみですなわち単一の係数で、これを行うことになる。一般論であるが、適応システムにおける係数の適応調整においては、調整対象係数の数を極力少なく抑えることが、システム安定化に有効である。提供の検出システムも適応システムの1種であり、これを構成する二相信号生成器に関し、本一般論が適用されることが実験的に確認されている(後述の実験データ、図6〜11を参照)。すなわち、請求項1の発明によれば、周波数変動を伴う単相交流信号に対する基本波成分検出システムの安定性を向上させることができると言う作用が得られる。
よって生成された信号を、マルチレイトサンプルホールダ4を介して得ている。このため、
定ではあるが)、長時間的には可変である。図3では、矩相信号ναとして微分形(上段)と積分形(下段)の2種類を示しているが、実際の利用には、何れか1つを選択することになる。
4では、位相検出値のフィードバック利用を貫徹矢印で表現している。
すなわち、
号の基本周波数の周波数検出値し、次に、検出周波数の積分相当の処理を通じて基本波成
りである。
(10)新中新二:「1次遅れ特性をもつ制御対象の制御方法」、特開2006−031654
れる。本フィードバックこそが、周波数変動を伴う単相交流信号の位相・周波数検出における有効な解決策であるが、同時に検出システム全体の不安定化をもたらす主要因の1つでもある。
るフィードバックループを構成し、二相信号生成器の係数を瞬時瞬時に変化した場合、周波数変動を伴う単相交流信号の位相・周波数検出の可能性が出てくるが、上記の時不変を前提とした議論はもはや成立せず、個々のサブシステムが線形で安定であっても、全システムとしては非線形となり、安定性の保証はできない。この種の問題は、二相信号生成器において適応的な係数調整を行っている周波数位相検出法(広くは、基本波成分検出法)では、例外なく直面する深刻な問題である。
を担う。すなわち、
位相真値と同検出値の表示は、波形データの重複・輻輳をさけるべく、2(rad)相当の原点シフトを行い表示している(以下の位相表示も同様)。周波数検出値、振幅検出値のスケールは、各々0.01(rad/div)、1(V/div)であり、周波数検出値に対し大スケールを利用している点には特に注意されたい。なお、振幅検出値のスケールには、他のスケールとの区別のため、単位(V)を付してある。図より明らかなように、位相、周波数、振幅のいずれも極めて良好に検出されている。大スケールで明示したように、周波数が高周波脈動もなく更には非常に高い精度で検出されている点に注目されたい。文献(3)〜(8)に示された従来のPLL法による周波数検出においては、周波数検出値における高周波脈動の存在は不可避のように思われるが、提供の方法ではこの種の高周波脈動が実質的に消滅している。
基本周波数の変動としては、文献(3)〜(9)に示された従来のいずれの周波数位相検出法あるいは基本成分検出法によっても困難な極めて大きいものである。
している。周波数の検出は、その変動にもかかわらず、極めて良好である。位相、振幅の検出も同様に良好である。所期の周波数変動に適応した検出が達成されていることが確認される。
成器1へフィードバックされ、再利用されている。すなわち本発によるシステムは、システム全体としては、適応的な検出システムとなっている。しかし、提供の基本波成分検出システムは、位相同期器を有せず、PLLシステムではない。この点には、注意されたい。以下、これらサブシステムの詳細を個別に説明する。
考慮の上、以下のように構成することになる。
2 振幅・位相偏差検出器
3 位相同期器
3−1 位相制御器
3−2 位相積分器
4 マルチレイトサンプルホールダ
5 振幅・位相検出器
5−1 バンドパスフィルタ
6 周波数検出器
10 電力変換装置
10−1 インバータ
10−2 フィードバック電流制御器
10−3 電流指令生成器
10−4 基本波成分検出システム
Claims (5)
- 単相交流信号の基本波成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号を、安定なフィルタを用いて単相交流信号から生成し、生成した矩相信号を少なくとも用いて、基本波成分の周波数と位相あるいは基本波成分の周波数と位相余弦正弦値を少なくとも検出するようにした単相交流信号の基本波成分の検出方法であって、
矩相信号生成用の該安定フィルタの特性をバンドパス特性に微分特性あるいは積分特性を付加した特性とし、検出した周波数を用いて、バンドパス特性の中心周波数に対応したフィルタ係数のみを適応調整するようにしたことを特徴とする単相交流信号の基本波成分検出方法。 - 単相交流信号の基本波成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号を、安定なフィルタを用いて単相交流信号から生成し、生成した矩相信号を少なくとも用いて、基本波成分の周波数と位相あるいは基本波成分の周波数と位相余弦正弦値を少なくとも検出するようにした単相交流信号の基本波成分の検出方法であって、
検出した周波数を用いて、矩相信号生成用の該安定フィルタの特性を支配するフィルタ係数を、周波数検出期間より長い期間一定に保ちつつ適応調整するようにしたことを特徴とする単相交流信号の基本波成分検出方法。 - 単相交流信号の基本波成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号を、安定なフィルタを用いて単相交流信号から生成し、生成した矩相信号を少なくとも用いて、基本波成分の周波数と位相あるいは基本波成分の周波数と位相余弦正弦値を少なくとも検出するようにした単相交流信号の基本波成分の検出方法であって、
検出した位相をフィードバック利用して位相真値と位相検出値との推定的偏差である位相偏差相当値を先ず決定し、位相偏差相当値を用いて基本波成分の周波数検出値を次に決定し、続いて、検出周波数の積分相当の処理を通じて基本波成分の位相を検出するようにしたことを特徴とする基本波成分検出方法。 - 単相交流信号の基本波成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号を、安定なフィルタを用いて単相交流信号から生成し、生成した矩相信号を少なくとも用いて、基本波成分の周波数と位相あるいは基本波成分の周波数と位相余弦正弦値を少なくとも検出するようにした単相交流信号の基本波成分の検出方法であって、
単相交流信号の基本波成分の位相あるいはこの余弦正弦値を先ず検出し、次に、検出した位相あるいは位相余弦正弦値を用いて位相の微分相当の処理を行ない、基本波成分の周波数を検出するようにしたことを特徴とする単相交流信号の基本波成分検出方法。 - 該安定フィルタをディジタルフィルタとして離散時間実現したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、及び請求項4記載の単相交流信号の基本波成分検出方法。
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