JPH0851338A - 帯域通過楕円ディジタルフィルタシステム - Google Patents

帯域通過楕円ディジタルフィルタシステム

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JPH0851338A
JPH0851338A JP6214546A JP21454694A JPH0851338A JP H0851338 A JPH0851338 A JP H0851338A JP 6214546 A JP6214546 A JP 6214546A JP 21454694 A JP21454694 A JP 21454694A JP H0851338 A JPH0851338 A JP H0851338A
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JP
Japan
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filter
center frequency
digital filter
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bandpass
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JP6214546A
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English (en)
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Imin Son
偉民 孫
Shigeki Kajimoto
慈樹 梶本
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Icom Inc
Original Assignee
Icom Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/0294Variable filters; Programmable filters

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)
  • Networks Using Active Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない計算量及び少ないメモリ容量で中心周
波数を変更できる帯域通過楕円ディジタルフィルタシス
テムを提供することである。 【構成】 帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィルタ
係数は通過帯域の中心周波数の直線関数に近似できる。
そこで、この直線関数の傾斜と、所定の中心周波数を有
する帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィルタ係数を
メモリ13、15に記憶させる。CPU11は、目的中
心周波数と所定の中心周波数の差を求める。乗算器17
は、メモリ15に記憶された傾きと、CPU11が出力
した差を乗算する。加算器19はメモリ13に記憶され
たフィルタ係数と乗算器17の出力の対応するもの同士
を加算する。この加算結果が目的とする中心周波数を得
るためのフィルタ係数となる。このフィルタ係数をディ
ジタルフィルタ21にセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディジタルフィルタ
に関し、特に、通過帯域の中心周波数及び/又は通過帯
域幅を変更可能な帯域通過楕円ディジタルフィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】帯域通過型のディジタルフィルタは種々
の技術分野で使用されており、例えば、特開昭55−1
6573には、通過帯域の中心周波数と帯域幅を独立に
可変できる巡回型(IIR)可変ディジタルフィルタが
開示されている。この公報に開示された巡回型(II
R)可変フィルタは、以下のようにして、中心周波数及
び通過帯域幅を変更する。
【0003】まず、P=jΩ=j2πfとして、P平面
の低域通過フィルタ(LPF)の伝達関数HL(P)を
数式5とする。
【数5】HL(P)=(a02+a1P+a2)/(P2
1P+b2) 帯域通過フィルタの伝達関数は、伝達関数HL(P)を
数式6に従って周波数軸変換することにより求めること
ができる。
【数6】P→B0(P+Ω0 2/P) ここで、通過帯域幅がB0,中心周波数がΩ0である。数
式5と数式6により、帯域通過フィルタの伝達関数HB
(P)は、数式7となる。
【0004】
【数7】
【0005】次に、数式8の変換により、Z平面の伝達
関数を求めると、数式9に示すようになる。
【数8】P→(1−Z-2)/(2Z-1
【0006】
【数9】
【0007】数式9において、Φ(Z,Ω0 2)/B0
フィルタの通過帯域幅と中心周波数の関数であり、目的
とする中心周波数(目的中心周波数)と通過帯域幅から
Φ(Z,Ω0 2)/B0を求め、求めた結果を数式9に代
入すれば、目的とする帯域通過フィルタの伝達関数を得
ることができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】しかし、特開昭55−16573に開示さ
れた巡回型可変フィルタでは、その中心周波数及び通過
帯域幅を変更するために、Φ(Z,Ω0 2)/B0という
関数の値を求めなければならない。しかし、Φ(Z,Ω
0 2)/B0は中心周波数と通過帯域幅の非線形関数であ
り、その計算は複雑で、しかも、計算量が多い。従っ
て、計算に時間がかかると共に計算時の丸め誤差が大き
くなってしまうという欠点がある。また、伝達関数を記
憶し、さらに、計算を実行するために、大きいメモリ量
が必要であるという欠点がある。この発明は上記実状に
鑑みてなされてものであり、少ない計算量及び少ないメ
モリ容量で中心周波数及び/又は通過帯域幅を変更でき
る帯域通過楕円ディジタルフィルタを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の観点にかかる中心周波数可変型帯
域通過楕円ディジタルフィルタシステムは、フィルタ係
数{a1i,a2i,b1i}(i=1,2,・・・,N/2、
Nは偶数)に従って、入力ディジタル信号をフィルタリ
ングして出力するN次の帯域通過楕円ディジタルフィル
タと、通過帯域幅が同一で通過帯域の中心周波数がfa
とfbである既知の帯域通過楕円ディジタルフィルタの
フィルタ係数{a1i(fa),a2i(fa),b1i(fa)}と
{a1i(fb),a2i(fb),b1i(fb)}を用いて数式1
0と数式11に従って計算された直線係数kajiとkb1i
と、通過帯域幅が同一で通過帯域の中心周波数がfr
ある既知の帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィルタ
係数{a1i(fr),a2i(fr),b1i(fr)}を記憶する
記憶手段と、
【数10】 kaji=[aji(fb)−aji(fa)]/(fb−fa) i=1,2,・・・,N/2 j=1,2
【数11】 kb1i=[b1i(fb)−b1i(fa)]/(fb−fa) i=1,2,・・・,N/2 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの目的中心周波数
と所定の中心周波数frとのずれ量mΔfを設定するず
れ量設定手段と、前記ずれ量設定手段から供給されるず
れ量mΔfと前記記憶手段に記憶された直線係数kaji
とkb1iをそれぞれ乗算し、mΔf・kajiとmΔf・k
b1iを求める乗算手段と、前記乗算手段により求められ
た積と前記記憶手段に記憶されたフィルタ係数の対応す
るもの同士を加算し、a1i(fr)+mΔf・ka1i,a2i
(fr)+mΔf・ka2i,b1i(fr)+mΔf・kb1iを求
める加算手段と、前記加算手段により求められた値a1i
(fr)+mΔf・ka1i,a2i(fr)+mΔf・ka2i,b
1i(fr)+mΔf・kb1iを前記帯域通過楕円ディジタル
フィルタのフィルタ係数{a1i,a2i,b1i}として設
定することにより、前記帯域通過楕円ディジタルフィル
タの中心周波数をfr+mΔfに設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする。所定の中心周波数frとし
ては、例えば、既知の帯域通過楕円ディジタルフィルタ
の中心周波数fa、fb等を使用できる。
【0010】また、この発明の第2の観点にかかる帯域
幅可変型帯域通過楕円ディジタルフィルタシステムは、
フィルタ係数{a1i,a2i,b1i}(i=1,2,・・
・,N/2、Nは偶数)に従って、入力ディジタル信号
をフィルタリングして出力するN次の帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタと、中心周波数が同一で通過帯域幅がB
aとBbである既知の帯域通過楕円ディジタルフィルタの
フィルタ係数{a1i(Ba),a2i(Ba),b1i(Ba)}と
{a1i(Bb),a2i(Bb),b1i(Bb)}を用いて数式1
2と数式13に従って計算された直線係数kajiとkb1i
と、中心周波数が同一で通過帯域幅がBrである既知の
帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィルタ係数
a1i(Br),a2i(Br),b1i(Br)}を記憶する記憶手
段と、
【数12】 kaji=[aji(Bb)−aji(Ba)]/(Bb−Ba) i=1,2,・・・,N/2 j=1,2
【数13】 kb1i=[b1i(Bb)−b1i(Ba)]/(Bb−Ba)] i=1,2,・・・,N/2 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの目的通過帯域幅
と所定の通過帯域幅Brに対するずれ量mΔBを設定す
るずれ量設定手段と、前記ずれ量設定手段から供給され
るずれ量mΔBと前記記憶手段に記憶された直線係数k
ajiとkb1iをそれぞれ乗算し、mΔB・kajiとmΔB
・kb1iを求める乗算手段と、前記乗算手段により求め
られた積と前記記憶手段に記憶されたフィルタ係数の対
応するもの同士を加算し、a1i(Br)+mΔB・ka1i
2i(Br)+mΔB・ka2i,b1i(Br)+mΔB・kb1i
を求める加算手段と、前記加算手段により求められた値
1i(Br)+mΔB・ka1i,a2i(Br)+mΔB・
a2i,b1i(Br)+mΔB・kb1iを前記帯域通過楕円
ディジタルフィルタのフィルタ係数{a1i,a2i
1i}として設定することにより、前記帯域通過楕円デ
ィジタルフィルタの通過帯域幅をBr+mΔBに設定す
る設定手段と、を備えることを特徴とする。所定の通過
帯域幅Brとしては、例えば、既知の帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタの通過帯域幅Ba或いはBbを使用でき
る。
【0011】
【作用】N次の帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数{a1i,a2i,b1i}は、中心周波数及び通過
帯域幅の直線関数でほぼ近似できる。従って、上述の構
成により、目的中心周波数或いは目的通過帯域幅が得ら
れる時のフィルタ係数を少ない計算量で求めることがで
きる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の帯域通過楕円ディジタルフィ
ルタシステムの構成の実施例を図面を参照して説明す
る。なお、以下の実施例においては、周波数は全て正規
化周波数を意味するものとする。 (第1実施例)まず、この発明の第1実施例の中心周波
数可変型のN次のIIR帯域通過楕円フィルタシステム
を理論面から説明し、次に、その具体的回路構成につい
て説明する。2次のIIRフィルタセクションをN/2
段直列接続して構成したN次のIIR型の帯域通過楕円
ディジタルフィルタの例を図1に示す。図1に示す構成
のIIR帯域通過楕円ディジタルフィルタの場合、フィ
ルタ係数b2iはほぼ1である。このため、その伝達関数
は近似的に数式14で表される。
【0013】
【数14】
【0014】数式14における各フィルタ係数a1i,a
2i,b1iは、通過帯域幅が一定であれば、近似的に正規
化中心周波数(サンプリング周波数を1とした場合の中
心周波数)の直線関数(一次関数)となる。このため、
数式14の伝達関数は数式15に書き直すことができ
る。
【0015】
【数15】
【0016】ここで、fcは通過帯域の正規化中心周波
数(0<fc<0.5)、即ち、サンプリング周波数を
1とした場合の中心周波数であり、a1i(fc),a2i(f
c),b1i(fc)はフィルタ係数a1i,a2i,b1iが中心
周波数fcの直線関数であることを示している。なお、
この帯域通過楕円ディジタルフィルタの通過帯域幅をΔ
B、中心周波数fcがf1からf2まで変化するとすれ
ば、 0<f1<f2<0.5, 0<f1−ΔfB/2,f2
ΔfB/2<0.5 が成立する。
【0017】フィルタ係数a1i(fc),a2i(fc),b1i
(fc)が中心周波数fcに対し直線関数の関係にあるた
め、中心周波数fcの変化量に応じて、フィルタ係数a
1i(fc),a2i(fc),b1i(fc)の値も変化する。従っ
て、中心周波数fcの単位変化量Δfに対する各フィル
タ係数の変化量(=各フィルタ係数の直線関数の傾き)
を求めておき、各傾きに中心周波数fcの基準値からの
変化量(シフト量、ずれ量)を乗算すれば、中心周波数
cを基準値から変化させるための各フィルタ係数の変
化量を求めることができる。そして、求めた変化量を中
心周波数fcの基準値が得られる時のフィルタ係数に加
算すれば、任意の中心周波数fcを得るために必要なフ
ィルタ係数が得ることができる。
【0018】そこで、本実施例では、任意の2つの既知
のN次のIIR型の帯域通過楕円ディジタルフィルタの
フィルタ係数を用いて、各フィルタ係数の直線方程式の
傾斜を求める。例えば、中心周波数がfaとfb(=fa
+nΔf)の2つのフィルタの係数が{a1i(fa),a
2i(fa),b1i(fa)}と{a1i(fb),a2i(fb),b1 i
(fb)}として、直線方程式の傾斜を数式16〜数式1
8のように求めることができる。
【数16】 ka1i=[a1i(fb)−a1i(fa)]/(fb−fa) i=1,2,・・・,N/2
【数17】 ka2i=[a2i(fb)−a2i(fa)]/(fb−fa) i=1,2,・・・,N/2
【数18】 kb1i=[b1i(fb)−b1i(fa)]/(fb−fa) i=1,2,・・・,N/2
【0019】次に、求めた傾斜と、通過帯域が同一で中
心周波数が任意の既知の帯域通過楕円ディジタルフィル
タ、例えば、中心周波数がfrの帯域通過楕円ディジタ
ルフィルタを用いて各フィルタ係数の直線方程式を数式
19〜数式21に従って求める。
【数19】a1i(f)=ka1i・(f−fr)+a1i(fr)
【数20】a2i(f)=ka2i・(f−fr)+a2i(fr)
【数21】b1i(f)=kb1i・(f−fr)+b1i(fr)
【0020】ここで、fが目的とする中心周波数(目的
中心周波数)であり、目的中心周波数から各フィルタ係
数を求めることができる。求められたフィルタ係数を新
たなフィルタ係数として設定することにより、その目的
中心周波数を有する帯域通過楕円ディジタルフィルタが
得られる。なお、中心周波数frを、例えば、前述のfa
或いはfbとすれば、数式16〜数式18の計算で使用
したフィルタ係数を使用できる。例えば、fr=faとす
れば、数式19〜数式21は次のように書き換えられ
る。 a1i(f)=ka1i・(f−fa)+a1i(fa) a2i(f)=ka2i・(f−fa)+a2i(fa) b1i(f)=kb1i・(f−fa)+b1i(fa)
【0021】次に、上述の手法を用いて中心周波数を可
変できる帯域通過楕円ディジタルフィルタシステムの構
成を図2を参照して説明する。図2に示すように、この
帯域通過楕円ディジタルフィルタシステムは、CPU1
1と、第1のメモリ13と、第2のメモリ15と、乗算
器17と、加算器19と、N次のIIR型の帯域通過楕
円ディジタルフィルタ(以下、単に帯域通過楕円ディジ
タルフィルタ)21と、シフトつまみSVとから構成さ
れる。なお、第1のメモリ13と第2のメモリ15は本
願発明の記憶手段を構成し、CPU11とシフトつまみ
SVは本願発明のずれ量設定手段(差設定手段)と設定
手段(フィルタ係数設定手段)を構成し、乗算器17が
本願発明の乗算手段を構成し、加算器19が本願発明の
加算手段を構成する。
【0022】使用者はシフトつまみSVを操作すること
により、ディジタルフィルタシステムの通過帯域の所望
の中心周波数をCPU11に通知する。CPU11は、
この帯域通過楕円ディジタルフィルタシステム全体の動
作を制御すると共にシフトつまみSVからの指示に従っ
て、中心周波数の基準値に対する変動量(シフト量)m
Δfを乗算器17に供給する。中心周波数の変化はΔf
単位で行われ、mはステップ数を示す。第1のメモリ1
3は、上述の任意の既知の帯域通過楕円ディジタルフィ
ルタのフィルタ係数{a1i(fa),a2i(fa),b
1i(fa)}を記憶する。第2のメモリ15は、上述の傾
きka1i、ka2i、kb1i(i=1,2,・・・,N/2)を
記憶する。
【0023】乗算器17はCPU11が供給する通過帯
域の中心周波数の変動量mΔfと第2のメモリ15に記
憶された傾きka1i、ka2i、kb1iの積、ka1i・mΔ
f、ka2i・mΔf、kb1i・mΔf、即ち、中心周波数
の変動(シフト)によるフィルタ係数の変化量(変化
分)を求めるものである。加算器19は第1のメモリ1
3に記憶されたフィルタ係数a1i(fa),a2i(fa),b
1i(fa)と乗算器17の乗算結果ka1i・mΔf、ka2i
・mΔf、kb1i・mΔfの対応するもの同士を加算
し、新たなフィルタ係数を求める。
【0024】帯域通過楕円ディジタルフィルタ21は、
例えば、図1に示す構成を有し、加算器19からの供給
されるフィルタ係数を取り込んで、このフィルタ係数に
従って入力ディジタル信号をフィルタリングするもので
ある。帯域通過楕円ディジタルフィルタ21に供給され
るディジタル信号は、例えば、アナログ音響信号を任意
のサンプリング周期でA/D変換することにより得ら
れ、帯域通過楕円ディジタルフィルタ21の出力するデ
ィジタル信号は、例えば、D/A変換されて次段のアナ
ログ回路に供給される。
【0025】次に、正規化通過帯域幅が0.025、中
心周波数の単位変化量が0.005の8次の可変中心周
波数帯域通過楕円ディジタルフィルタを設計する例を具
体的に説明する。まず、正規化通過帯域幅が0.025
の既知の帯域通過楕円ディジタルフィルタFAとFBの
フィルタ係数が以下の値であるとする。 帯域通過楕円ディジタルフィルタFA、正規化中心周波
数fca= 0.275 a11= 0.1349,a12= 0.4758,a13= 0.2274,a14
= 0.3692,a21= 0.9605,a22= 0.9616,a23= 0.
9030,a24= 0.9041,b11=-1.1288,b12=-0.402
2,b13= 1.4847,b14= 0.9559, 帯域通過楕円ディジタルフィルタFB、正規化中心周波
数fcb= 0.285 a11= 0.1962,a12= 0.5354,a13= 0.2868,a14
= 0.4278,a21= 0.9604,a22= 0.9617,a23= 0.
9029,a24= 0.9043,b11=-1.0896,b12=-0.344
2,b13= 1.5159,b14= 1.0074,
【0026】第1のメモリ13には、例えば、帯域通過
楕円ディジタルフィルタFAとFBの一方、例えば、F
Aの各フィルタ係数が記憶される。各フィルタ係数の直
線関数の傾きは次のように示される。 ka1i=[a1i(fcb)−a1i(fca)]/(fcb−fca) ka2i=[a2i(fcb)−a2i(fca)]/(fcb−fca) kb1i=[b1i(fcb)−b1i(fca)]/(fcb−fca) fcb−fca=0.01
【0027】各傾きは次の値になる。 ka11= 6.1300, ka12= 5.9600, ka13= 5.9400,k
a14= 5.8600,ka21=-0.0100, ka22= 0.0100,k
a23=-0.0100,ka24= 0.0200,kb11= 3.9200, k
b12= 5.8000,kb13= 3.1200,kb14= 5.1500, これらの値が第2のメモリ15に格納される。
【0028】CPU11が、基準中心周波数fcaとシフ
トつまみSVが指示した目的中心周波数fの差mΔf
(=f−fca)を出力すると、乗算器17は各傾きと周
波数差mΔfの積を求める。 ka11・mΔf= 6.1300・mΔf,ka12・mΔf= 5.
9600・mΔf,ka13・mΔf= 5.9400・mΔf,k
a14・mΔf= 5.8600・mΔf,ka21・mΔf=-0.01
00・mΔf,ka22・mΔf= 0.0100・mΔf,ka23
・mΔf=-0.0100・mΔf,ka24・mΔf= 0.0200
・mΔf,kb11・mΔf= 3.9200・mΔf,kb12
mΔf= 5.8000・mΔf,kb13・mΔf= 3.1200・
mΔf,kb14・mΔf= 5.1500・mΔf,
【0029】加算器19は、乗算器17の乗算結果を受
け、この乗算結果と第1のメモリ13に記憶されている
フィルタ係数との対応するもの同士を加算し、新たなフ
ィルタ係数とする。 a11’=ka11・mΔf+a11(fca)= 6.1300・mΔ
f+0.1349, a12’=ka12・mΔf+a12(fca)= 5.9600・mΔ
f+0.4758, a13’=ka13・mΔf+a13(fca)= 5.9400・mΔ
f+0.2274, a14’=ka14・mΔf+a14(fca)= 5.8600・mΔ
f+0.3692, a21’=ka21・mΔf+a21(fca)=-0.0100・mΔ
f+0.9605, a22’=ka22・mΔf+a22(fca)= 0.0100・mΔ
f+0.9616, a23’=ka23・mΔf+a23(fca)=-0.0100・mΔ
f+0.9030, a24’=ka24・mΔf+a24(fca)= 0.0200・mΔ
f+0.9041, b11’=kb11・mΔf+b11(fca)= 3.9200・mΔ
f−1.1288, b12’=kb12・mΔf+b12(fca)= 5.8000・mΔ
f−0.4022, b13’=kb13・mΔf+b13(fca)= 3.1200・mΔ
f+1.4847, b14’=kb14・mΔf+b14(fca)= 5.1500・mΔ
f+0.9559,
【0030】帯域通過楕円ディジタルフィルタ21は、
加算器19が出力したフィルタ係数a11’,a12’,a
13’,a14’,a21’,a22’,a23’,a24’,
11’,b12’,b13’,b14’を取り込み、取り込ん
だフィルタ係数に従って、入力ディジタル信号をフィル
タリングして出力する。このようにして得られた各フィ
ルタ係数とずれ量mΔfの関係を図3〜図5に、帯域通
過楕円ディジタルフィルタシステムの特性の一例を図6
に示す。図6に示すように、この帯域通過楕円ディジタ
ルフィルタシステムの通過帯域はその幅が0.025の
まま、周波数領域の上下にシフトしており、正規化通過
帯域幅が0.025の中心周波数可変型の帯域通過楕円
ディジタルフィルタが実現されたことが理解できる。
【0031】この実施例によれば、例えば、8次の帯域
通過楕円ディジタルフィルタシステムの場合、乗算器1
7による12回の乗算と、加算器19による12回の加
算で、新たなフィルタ係数を求めることができる。この
ため、従来と比較して少ない計算量で中心周波数を変更
できる。また、演算回数が少ないため、演算誤差が少な
い。また、第1及び第2のメモリ13、15は24個の
データを記憶するだけなので、その容量が少なくてす
む。
【0032】以上の説明では、第1と第2のメモリ1
3、15、乗算器17、加算器19、帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタ21を個別のハードウエアで構成した例
を示したが、例えば、図7に示すように、これらを通常
のDSP(ディジタル信号処理装置)で構成してもよ
い。また、以上の説明では、CPU11が既知の2つの
帯域通過楕円ディジタルフィルタFAとFBの一方のフ
ィルタFA中心周波数(基準中心周波数)faと目的中
心周波数fの差mΔfを出力するように説明したが、例
えば、CPU11が目的中心周波数fを出力し、図示せ
ぬ回路が目的中心周波数と基準中心周波数faの差Δm
fを計算して乗算器17に供給するようにしてもよい。
【0033】(第2実施例)第1実施例では、通過帯域
幅を変更せずに、中心周波数を変更する実施例を説明し
たが、この発明は、中心周波数を変更せずに、通過帯域
幅を変更可能なN次のIIR型の帯域通過楕円ディジタ
ルフィルタシステムにも適用可能である。そこで、通過
帯域幅を変更可能なIIR型の帯域通過楕円ディジタル
フィルタシステムを第2実施例として以下に説明する。
【0034】数式14における各フィルタ係数a1i,a
2i,b1iは、通過帯域の中心周波数が一定であれば、近
似的に通過帯域幅Bの直線関数(一次関数)となる。こ
のため、数式14の伝達関数は数式22に書き直すこと
ができる。
【0035】
【数22】
【0036】ここで、B0は帯域通過楕円ディジタルフ
ィルタの正規化帯域幅、即ち、入力ディジタル信号のサ
ンプリング周波数を1とした場合の通過帯域幅であり、
1i(B0),a2i(B0),b1i(B0)は、フィルタ係数a
1i,a2i,b1iが通過帯域幅B0の直線関数であること
を示している。なお、この帯域通過楕円ディジタルフィ
ルタの通過帯域の中心周波数をfcとし、通過帯域幅B0
がB1からB2まで変化するとすれば、0<B1<B2
0.5、0<fc−B2/2、fc+B2/2<0.5が成
立する。
【0037】フィルタ係数a1i,a2i,b1iが正規化帯
域幅B0に対し直線関数の関係にあるため、正規化帯域
幅B0の変化量mΔBに応じて、これらのフィルタ係数
の値も変化する。従って、正規化帯域幅の単位変化量Δ
Bに対する各フィルタ係数の変化量、即ち、各フィルタ
係数の直線関数(一次関数)の傾きを求めておき、それ
に通過帯域幅の変化量mΔbを乗算すれば、通過帯域幅
を変化させるための各フィルタ係数の変化量を求めるこ
とができる。そして、求めたフィルタ係数の変化量を基
準となるフィルタ係数に加算すれば、その通過帯域幅を
得るために必要なフィルタ係数が求められる。
【0038】そこで、第2実施例では、中心周波数が同
一で、通過帯域幅が異なる2つの既知の帯域通過楕円デ
ィジタルフィルタのフィルタ係数を用いて、各フィルタ
係数の直線方程式の傾斜を求める。例えば、通過帯域幅
がBaとBbの2つの帯域通過楕円ディジタルフィルタの
係数が{a1i(Ba),a2i(Ba),b1i(Ba)}と{a
1 i(Bb),a2i(Bb),b1i(Bb)}として、直線方程式
の傾斜を数式23〜数式25に従って求めることができ
る。
【数23】 ka1i=[a1i(Bb)−a1i(Ba)]/(Bb−Ba) i=1,2,・・・,N/2
【数24】 ka2i=[a2i(Bb)−a2i(Ba)]/(Bb−Ba) i=1,2,・・・,N/2
【数25】 kb1i=[b1i(Bb)−b1i(Ba)]/(Bb−Ba) i=1,2,・・・,N/2
【0039】次に、求めた傾斜と既知の帯域通過楕円デ
ィジタルフィルタ、例えば、中心周波数が同一で通過帯
域幅がBrの帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィル
タ係数を用いて各フィルタ係数の直線方程式を数式26
〜数式28に従って求める。
【数26】a1i(B)=ka1i・(B−Br)+a1i(Br)
【数27】a2i(B)=ka2i・(B−Br)+a2i(Br)
【数28】b1i(B)=kb1i・(B−Br)+b1i(Br) ここで、Bが求める帯域通過楕円ディジタルフィルタの
正規化帯域幅である。求めたフィルタ係数を帯域通過楕
円ディジタルフィルタに設定することにより、既知の帯
域通過楕円ディジタルフィルタと同一の中心周波数で、
正規化帯域幅がBの帯域通過楕円ディジタルフィルタが
得られる。通過帯域幅Brを、例えば、前述のBa或いは
bとすれば、数式23〜数式25の計算で使用したフ
ィルタ係数を使用できる。
【0040】次に、この帯域通過楕円ディジタルフィル
タシステムの具体的構成及び動作を説明する。この帯域
通過楕円ディジタルフィルタシステムの構成は基本的に
図2に示す第1実施例のものと同一である。ただし、シ
フトつまみSVは通過帯域幅を広狭するためのつまみで
ある。CPU11は、この帯域通過楕円ディジタルフィ
ルタシステム全体の動作を制御すると共に、シフトつま
みSVの操作に応じて、目的とする通過帯域幅Bと基準
となる通過帯域幅Baとの差mΔBを乗算器17に供給
する。第1のメモリ13は、上述の任意の既知の帯域通
過楕円ディジタルフィルタのフィルタ係数{a
1i(Ba),a2i(Ba),b1i(Ba)}を記憶する。第2の
メモリ15は、予め計算により求められている傾きk
a1i、ka2i、kb1i(i=1,2,・・・,N/2)を記憶
する。
【0041】乗算器17はCPU11が出力する差mΔ
Bと第2のメモリ15に記憶された傾きka1i、ka2i
b1iの積、ka1i・mΔB、ka2i・mΔB、kb1i・m
ΔB、即ち、帯域幅の変動によるフィルタ係数の変化量
(変化分)を求める。加算器19は第1のメモリ13に
記憶された、フィルタ係数a1i(Ba),a2i(Ba),b1i
(Ba)と乗算器17の乗算結果ka1i・mΔB、ka2i
mΔB、kb1i・mΔBの対応するもの同士を加算し、
新たなフィルタ係数を求める。
【0042】帯域通過楕円ディジタルフィルタ21は、
加算器19から供給されるフィルタ係数を取り込んで、
このフィルタ係数に従って入力ディジタル信号をフィル
タリングする。このようにして、通過帯域幅を任意に変
更できる帯域通過楕円ディジタルフィルタシステムが得
られる。なお、第1のメモリ13、第2のメモリ15、
乗算器17、加算器19、帯域通過フィルタ21を、図
7に示すように、DSP(ディジタル信号処理装置)で
構成してもよい。
【0043】次に、正規化中心周波数が0.25、通過
帯域幅の単位変化量が0.001の8次の帯域通過楕円
ディジタルフィルタを設計する例を具体的に説明する。
まず、正規化中心周波数が0.25の既知の帯域通過楕
円ディジタルフィルタFCとFDのフィルタ係数及び通
過帯域幅が以下の値であるとする。 帯域通過楕円ディジタルフィルタFC、正規化通過帯域
幅Bc= 0.016 a11= 0.1113,a12=-0.1113,a13= 0.0466,a14
=-0.0466,a21= 0.9748,a22= 0.9748,a23= 0.
9372,a24= 0.9372,b11= 1.0208,b12=-1.020
8,b13= 0.4819,b14=-0.4819, 帯域通過楕円ディジタルフィルタFD、正規化通過帯域
幅Bd= 0.018 a11= 0.1250,a12=-0.1250,a13= 0.0522,a14
=-0.0522,a21= 0.9717,a22= 0.9717,a23= 0.
9297,a24= 0.9297,b11= 1.1077,b12=-1.107
7,b13= 0.5351,b14=-0.5351,
【0044】第1のメモリ13には、例えば、帯域通過
楕円ディジタルフィルタFCとFDの一方、例えば、F
Cの各フィルタ係数が記憶される。一各フィルタ係数の
直線関数の傾きは次のように示される。 ka1i=[a1i(Bd)−a1i(Bc)]/(Bd−Bc) ka2i=[a2i(Bd)−a2i(Bc)]/(Bd−Bc) kb1i=[b1i(Bd)−b1i(Bc)]/(Bd−Bc) Bd−Bc=0.002
【0045】各傾きは次の値になる。 ka11= 6.8500, ka12= -6.8500, ka13= 2.800
0,ka14= -2.8000,ka21= -1.5500, ka22= -1.55
00,ka23= -3.7500,ka24= -3.7500,kb11= 43.4
500, kb12=-43.4500,kb13= 26.6000,kb14=-26.
6000, これらの値が第2のメモリ15に格納される。
【0046】CPU11が基準通過帯域幅Bcとシフト
つまみSVにより指示された目的通過帯域幅Bの差mΔ
B(=B−Bc=B−0.016)を出力すると、乗算器17
は各傾きと周波数差mΔBの積を求める。 ka11・mΔB= 6.8500・mΔB,ka12・mΔB= -
6.8500・mΔB,ka13・mΔB= 2.8000・mΔB,
a14・mΔB= -2.8000・mΔB,ka21・mΔB= -
1.5500・mΔB,ka22・mΔB= -1.5500・mΔB,
a23・mΔB= -3.7500・mΔB,ka24・mΔB= -
3.7500・mΔB,kb11・mΔB= 43.4500・mΔB,
b12・mΔB=-43.4500・mΔB,kb13・mΔB= 2
6.6000・mΔB,kb14・mΔB=-26.6000・mΔB,
【0047】加算器19は、乗算器17の乗算結果を受
け、この乗算結果と第1のメモリ13に記憶されている
フィルタ係数と対応するもの同士を加算し、新たなフィ
ルタ係数とする。 a11’=ka11・mΔB+a11(Bc)= 6.8500・mΔ
B+0.1113, a12’=ka12・mΔB+a12(Bc)= -6.8500・mΔ
B−0.1113, a13’=ka13・mΔB+a13(Bc)= 2.8000・mΔ
B+0.0466, a14’=ka14・mΔB+a14(Bc)= -2.8000・mΔ
B−0.0466, a21’=ka21・mΔB+a21(Bc)= -1.5500・mΔ
B+0.9748, a22’=ka22・mΔB+a22(Bc)= -1.5500・mΔ
B+0.9748, a23’=ka23・mΔB+a23(Bc)= -3.7500・mΔ
B+0.9372, a24’=ka24・mΔB+a24(Bc)= -3.7500・mΔ
B+0.9372, b11’=kb11・mΔB+b11(Bc)= 43.4500・mΔ
B+1.0208, b12’=kb12・mΔB+b12(Bc)=-43.4500・mΔ
B−1.0208, b13’=kb13・mΔB+b13(Bc)= 26.6000・mΔ
B+0.4819, b14’=ka14・mΔB+b14(Bc)=-26.6000・mΔ
B−0.4819,
【0048】帯域通過楕円ディジタルフィルタ21は、
加算器19が出力したフィルタ係数a11’,a12’,a
13’,a14’,a21’,a22’,a23’,a24’,
11’,b12’,b13’,b14’を取り込み、取り込ん
だフィルタ係数に従って、入力ディジタル信号をフィル
タリングして出力する。このようにして得られた各フィ
ルタ係数とずれ量mΔBの関係を図7〜図10に、帯域
通過楕円ディジタルフィルタシステムの特性の一例を図
11に示す。図11に示すように、この帯域通過楕円デ
ィジタルフィルタシステムの通過帯域は正規化中心周波
数が0.25のまま、広狭しており、通過帯域幅可変型
の帯域通過楕円ディジタルフィルタが実現されたことが
理解できる。
【0049】第2実施例によれば、例えば、8次の帯域
通過楕円ディジタルフィルタの場合、乗算器17による
12回の乗算と、加算器19による12回の加算で、新
たなフィルタ係数を求めることができ、従来に比較して
少ない計算量で通過帯域幅を変更できる。また、演算回
数が少ないため、演算誤差が少ない。さらに、第1及び
第2のメモリ13、15は計24個のデータを記憶する
だけなので、その容量が少なくてすむ。
【0050】以上の説明では、第1のメモリ13〜帯域
通過楕円ディジタルフィルタ21を個別の部品で構成し
た例を示したが、例えば、図5に示すように、帯域通過
楕円ディジタルフィルタシステムを通常のDSP(ディ
ジタル信号処理装置)とこれに必要な指示を行うCPU
で構成してもよい。また、以上の説明では、CPU11
が既知の2つの帯域通過楕円ディジタルフィルタの一方
の通過帯域幅(基準帯域幅)Baと目的通過帯域幅Bの
差mΔBを出力するように説明したが、例えば、CPU
11が目的通過帯域幅Bを出力し、他の回路が目的通過
帯域幅Bと基準通過帯域幅Baの差mΔBを計算して乗
算器17に供給するようにしてもよい。
【0051】第1実施例では通過帯域幅が固定であり、
第2実施例では中心周波数が固定であった。しかし、こ
の発明は、中心周波数と通過帯域幅を同時に変更するこ
とも可能である。この場合、通過帯域幅と中心周波数の
組み合わせ毎に既知の2つの帯域通過楕円ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数を用意し、通過帯域幅と中心周波
数の組み合わせ毎に傾きを計算して第2のメモリ15に
記憶させ、通過帯域幅と中心周波数の組み合わせ毎に基
準となるフィルタ係数を第1のメモリ13に記憶させ
る。そして、CPU11が出力する中心周波数と通過帯
域幅の組み合わせに応じて適当な傾きとフィルタ係数を
読み出し、これらに基づいて新たなフィルタ係数を求
め、帯域通過楕円ディジタルフィルタに設定する。その
他、この発明は上記実施例に限定されず、種々の変更及
び応用が可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、少ないメモリ容量及び少ない計算回数で、目的とす
る中心周波数及び目的とする通過帯域幅を得るためのフ
ィルタ係数を求め、これにより、該中心周波数及び通過
帯域幅を比較的容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】N次のIIR型の帯域通過楕円ディジタルフィ
ルタの基本構成を示す図である。
【図2】この発明の実施例にかかるディジタルフィルタ
システムの構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の第1実施例に係る帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタシステムのフィルタ係数の直線関数のグ
ラフである。
【図4】この発明の第1実施例に係る帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタシステムのフィルタ係数の直線関数のグ
ラフである。
【図5】この発明の第1実施例に係る帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタシステムのフィルタ係数の直線関数のグ
ラフである。
【図6】この発明の第1実施例に係る帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタシステムの中心周波数の変化の例を示す
グラフである。
【図7】この発明の実施例にかかる帯域通過楕円ディジ
タルフィルタシステムの構成の変形例を示すブロック図
である。
【図8】この発明の第2実施例に係る帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタシステムのフィルタ係数の直線関数のグ
ラフである。
【図9】この発明の第2実施例に係る帯域通過楕円ディ
ジタルフィルタシステムのフィルタ係数の直線関数のグ
ラフである。
【図10】この発明の第2実施例に係る帯域通過楕円デ
ィジタルフィルタシステムのフィルタ係数の直線関数の
グラフである。
【図11】この発明の第2実施例に係る帯域通過楕円デ
ィジタルフィルタシステムの中心周波数の変化の例を示
すグラフである。
【符号の説明】
11・・・CPU、13・・・第1のメモリ、15・・・第2の
メモリ、17・・・乗算器、19・・・加算器、21・・・帯域
通過楕円ディジタルフィルタ、23・・・DSP(ディジ
タル信号処理装置)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルタ係数{a1i,a2i,b1i}(i=
    1,2,・・・,N/2、Nは偶数)に従って、入力ディ
    ジタル信号をフィルタリングして出力するN次の帯域通
    過楕円ディジタルフィルタと、 通過帯域幅が同一で通過帯域の中心周波数がfaとfb
    ある既知の帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィルタ
    係数{a1i(fa),a2i(fa),b1i(fa)}と{a1i(f
    b),a2i(fb),b1i(fb)}を用いて数式1及び数式2
    に従って計算された直線係数kajiとkb1iと、通過帯域
    幅が同一で通過帯域の中心周波数がfrである既知の帯
    域通過楕円ディジタルフィルタのフィルタ係数{a
    1i(fr),a2i(fr),b1i(fr)}を記憶する記憶手段
    と、 【数1】 kaji=[aji(fb)−aji(fa)]/(fb−fa) i=1,2,・・・,N/2 j=1,2 【数2】 kb1i=[b1i(fb)−b1i(fa)]/(fb−fa) i=1,2,・・・,N/2 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの目的中心周波数
    と所定の中心周波数frとのずれ量mΔfを設定するず
    れ量設定手段と、 前記ずれ量設定手段から供給されるずれ量mΔfと前記
    記憶手段に記憶された直線係数kajiとkb1iをそれぞれ
    乗算し、mΔf・kajiとmΔf・kb1iを求める乗算手
    段と、 前記乗算手段により求められた積と前記記憶手段に記憶
    されたフィルタ係数の対応するもの同士を加算し、a1i
    (fr)+mΔf・ka1i,a2i(fr)+mΔf・ka2i,b
    1i(fr)+mΔf・kb1iを求める加算手段と、 前記加算手段により求められた値a1i(fr)+mΔf・
    a1i,a2i(fr)+mΔf・ka2i,b1i(fr)+mΔf
    ・kb1iを前記帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィ
    ルタ係数{a1i,a2i,b1i}として設定することによ
    り、前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの中心周波数
    をfr+mΔfに設定する設定手段と、 を備えることを特徴とする中心周波数可変型帯域通過楕
    円ディジタルフィルタシステム。
  2. 【請求項2】設定されたフィルタ係数に基づいて入力デ
    ィジタル信号をフィルタリングして出力する帯域通過楕
    円ディジタルフィルタと、 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの通過帯域の中心
    周波数の単位変化に対する各前記フィルタ係数の変化量
    を示す値と、所定中心周波数における前記帯域通過楕円
    ディジタルフィルタのフィルタ係数を記憶する記憶手段
    と、 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの目的中心周波数
    と前記所定中心周波数の差を設定する差設定手段と、 前記差設定手段により設定された差と各前記変化量を示
    す値を乗算する乗算手段と、 前記乗算手段の乗算結果と前記記憶手段に記憶されてい
    る前記所定中心周波数における各フィルタ係数の対応す
    るもの同士を加算する加算手段と、 前記加算手段の加算結果を前記帯域通過楕円ディジタル
    フィルタの新たなフィルタ係数として設定するフィルタ
    係数設定手段と、 を備えることを特徴とする中心周波数可変型帯域通過楕
    円ディジタルフィルタシステム。
  3. 【請求項3】フィルタ係数{a1i,a2i,b1i}(i=
    1,2,・・・,N/2、Nは偶数)に従って、入力ディ
    ジタル信号をフィルタリングして出力するN次の帯域通
    過楕円ディジタルフィルタと、 中心周波数が同一で通過帯域幅がBaとBbである既知の
    帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィルタ係数{a1i
    (Ba),a2i(Ba),b1i(Ba)}と{a1i(Bb),a
    2i(Bb),b1i(Bb)}を用いて数式3及び数式4に従っ
    て計算された直線係数kajiとkb1iと、中心周波数が同
    一で通過帯域幅がBrである既知の帯域通過楕円ディジ
    タルフィルタのフィルタ係数{a1i(Br),a2i(Br),
    1i(Br)}を記憶する記憶手段と、 【数3】 kaji=[aji(Bb)−aji(Ba)]/(Bb−Ba) i=1,2,・・・,N/2 j=1,2 【数4】 kb1i=[b1i(Bb)−b1i(Ba)]/(Bb−Ba)] i=1,2,・・・,N/2 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの目的通過帯域幅
    と所定の通過帯域幅Brに対するずれ量mΔBを設定す
    るずれ量設定手段と、 前記ずれ量設定手段から供給されるずれ量mΔBと前記
    記憶手段に記憶された直線係数kajiとkb1iをそれぞれ
    乗算し、mΔB・kajiとmΔB・kb1iを求める乗算手
    段と、 前記乗算手段により求められた積と前記記憶手段に記憶
    されたフィルタ係数の対応するもの同士を加算し、a1i
    (Br)+mΔB・ka1i,a2i(Br)+mΔB・ka2i,b
    1i(Br)+mΔB・kb1iを求める加算手段と、 前記加算手段により求められた値a1i(Br)+mΔB・
    a1i,a2i(Br)+mΔB・ka2i,b1i(Br)+mΔB
    ・kb1iを前記帯域通過楕円ディジタルフィルタのフィ
    ルタ係数{a1i,a2i,b1i}として設定することによ
    り、前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの通過帯域幅
    をBr+mΔBに設定する設定手段と、 を備えることを特徴とする帯域幅可変型帯域通過楕円デ
    ィジタルフィルタシステム。
  4. 【請求項4】設定されたフィルタ係数に基づいて入力デ
    ィジタル信号をフィルタリングして出力する帯域通過楕
    円ディジタルフィルタと、 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの通過帯域幅の単
    位変化に対する各前記フィルタ係数の変化量を示す値
    と、所定通過帯域幅における前記帯域通過楕円ディジタ
    ルフィルタのフィルタ係数を記憶する記憶手段と、 前記帯域通過楕円ディジタルフィルタの目的通過帯域幅
    と前記所定通過帯域幅の差を設定する差設定手段と、 前記差設定手段により設定された前記差と前記記憶手段
    に記憶された各変化量を示す値を乗算する乗算手段と、 前記乗算手段の乗算結果と前記記憶手段に記憶された前
    記所定通過帯域幅における各フィルタ係数の対応するも
    の同士を加算する加算手段と、 前記加算手段の加算結果を前記帯域通過楕円ディジタル
    フィルタの新たなフィルタ係数として設定するフィルタ
    係数設定手段と、 を備えることを特徴とする帯域幅可変型帯域通過楕円デ
    ィジタルフィルタシステム。
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