JP3294017B2 - 複素ベースバンド信号のデジタル発生方法 - Google Patents

複素ベースバンド信号のデジタル発生方法

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JP3294017B2
JP3294017B2 JP22995394A JP22995394A JP3294017B2 JP 3294017 B2 JP3294017 B2 JP 3294017B2 JP 22995394 A JP22995394 A JP 22995394A JP 22995394 A JP22995394 A JP 22995394A JP 3294017 B2 JP3294017 B2 JP 3294017B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/69Spread spectrum techniques
    • H04B1/713Spread spectrum techniques using frequency hopping

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
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  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実バンドパス信号を標
本化および保持装置によって第1のクロック周波数によ
って標本化しかつ該標本化されたベースバンド信号をA
D変換器を用いてデジタル数列に変換し、該デジタル数
列を、前以て決められた数のフィルタから成る、前以て
決められた伝達関数を有する再帰形ポリフェーズフィル
タに供給しかつそれぞれのクロックにおいて前記ポリフ
ェーズフィルタに前以て決められた数のデジタル数を供
給しかつ前記ポリフェーズフィルタのそれぞれのフィル
タによってデジタル数をフィルタリングしかつ該フィル
タリングされた数を引き続いて加算する、複素ベースバ
ンド信号のデジタル発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この問題の公知のアナログ解決法では、
実ベースバンド信号はまず、2つのチャネルによって直
交関係にある搬送波によって変調されかつ引き続いて信
号はローパスフィルタリングされる。この複素ベースバ
ンド変換の品質は、2つのチャネルにおける伝達関数の
均一性に依存している。したがって2つのアナログロー
パスフィルタには、伝達関数の均一性(絶対値および位
相)について非常に厳格な要求を有する出来るだけ高い
ミラー周波数抑圧に関して要求が課せられる。実際に
は、この形式の処理における障害項は約−30dB以下
にならない可能性がある。
【0003】さらに、デジタル信号処理の使用によっ
て、2つのチャネルの均一性を実現することが公知であ
る。それ故に変換に一層高い品質が生じる。同相および
直交成分をデジタルに発生するための提案は、L. E. Pe
llon 著:“A Double NyquistDigital Product Detecto
r for Quadratur Sampling”(Transactions on Signal
Processing,Vol.40,No.7、1992年7月およ
び W.Rosenkranz 著:“Quadratur Sampling of FM-Ban
dpass Signals-Implementation and Error Analysis"(D
igital Signal Processing-87, Elsevier Science、
1987年から公知である。この方法は、直交関係にあ
る搬送波による混合ステップおよび2つのチャネルにお
けるローパスフィルタリングステップを使用しているた
め比較的コストが高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、これ
らの欠点を回避した複素ベースバンド信号のデジタル発
生方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および効果】この課題は、
本発明によれば、冒頭に述べた方法から出発して、デジ
タル数のフィルタリングを、ポリフェーズフィルタのフ
ィルタによって、第1のクロック周波数を前記フィルタ
の数で分周して得られる第2のクロック周波数によって
実施し、かつそれぞれフィルタリングされた数を加算の
前に、ポリフェーズフィルタの周波数シフトから得られ
る係数と乗算することによって解決される。
【0006】本発明の方法は、上述の従来技術に比し
て、1つの処理チャネルしか必要とせず、その結果引き
続くローパスフィルタリングによる信号混合を省略する
ことができるという利点を有する。その際有利には、デ
ジタル数をフィルタリングするための複素バンドパスフ
ィルタは複素ベースバンド信号の標本化レートによって
タイミング制御される。さらに、複素ベースバンド信号
を、ポリフェーズフィルタ、該ポリフェーズフィルタの
周波数シフトから得られる係数CKとの引き続く乗算お
よび引き続く加算を用いて実施すると有利である。これ
により、信号処理が簡単化される。
【0007】有利には、デジタル数と乗算される係数C
Kは、ポリフェーズフィルタのK番目のフィルタを表す
走行変数Kおよびクロック周波数Fcに依存して指数関
数として決められる。これにより、ポリフェーズフィル
タの周波数の、第2のクロック周波数FcのL個の単位
だけのシフトが簡単に実現される。
【0008】本発明の実施例によれば、フィルタの数N
は4の倍数に決められかつ定数Lはフィルタの数Nの1
/4に決められる。これによりフィルタリングされた数
の、係数CKとの乗算は、値+1および−1との乗算に
低減される。
【0009】使用の方法は、簡単な形式および手法で、
実ベースバンド信号の同相成分を偶数の走行変数Kのフ
ィルタによってフィルタリングされるデジタル数の第1
の和として求めかつ実ベースバンド信号の直交成分を奇
数の走行変数を有するフィルタによってフィルタリング
されたデジタル数の第2の和として求めるという利点を
有する。
【0010】オールパスフィルタを有するポリフェーズ
フィルタの実現は有利である。というのは、オールパス
フィルタはこの形式の信号処理に申し分なく適している
からである。オールパスフィルタの係数は別の実現に比
して比較的僅かな語長によって表示されることは有利で
ある。
【0011】フィルタリングされた数との乗算の前に、
求められた周波数偏差Δfに依存して確定される複素列
と乗算することで、簡単な形式および手法で、デジタル
周波数補正をデジタルフィルタリングと同時に実施する
ことが可能になる。
【0012】ポリフェーズフィルタの周波数の、第2の
クロック周波数FcのL個の単位分のシフトを表す定数
Lに依存して確定される係数CKの使用によって、定数
Lの、整数値だけの変化によって、直ちに開始されるチ
ャネル切換を実現化することが可能になる。
【0013】
【実施例】次に本発明を図示の実施例につき図面を用い
て詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の概要を示すブロック図で
ある。標本化および保持装置1は、データ線路13を介
してAD変換器2の入力側に接続されている。AD変換
器2の出力側はデータ線路13を介してマルチプレクサ
5の入力側に接続されている。このマルチプレクサはデ
ータ線路13を介してポリフェーズフィルタ6に接続さ
れており、そこからデータ線路13がデマルチプレクサ
7に導かれている。デマルチプレクサ7はデータ線路1
3を介して計算ユニット8に接続されている。計算ユニ
ット8はデータ線路13を用いてメモリ9にアクセスす
る。計算ユニット8はデータ線路を介して入力ユニット
10に接続されている。クロック発生器3は、標本化お
よび保持装置1およびAD変換器2に接続されておりか
つさらにクロック変換器4を介してマルチプレクサ5、
ポリフェーズフィルタ6、デマルチプレクサ7および計
算ユニット8に接続されている。計算ユニット8は別の
データ線路19を介してクロック変換器4に接続されて
いる。
【0015】図1において、実バンドパス信号s(t)
が標本化および保持装置1に供給される。標本化および
保持装置1には、クロック発生器3から第1のクロック
周波数Fが供給される。標本化および保持装置1は、標
本値をAD変換器2に送出する。AD変換器2には、ク
ロック発生器3から、第1のクロック周波数Fが供給さ
れる。AD変換器2は、デジタル数列をマルチプレクサ
5に送出する。マルチプレクサ5はデジタル数列をポリ
フェーズフィルタ6のフィルタに供給する。ポリフェー
ズフィルタは、R.E.Crochiere, L.R.Rabiner 著、“Mul
tirate DigitalSignal Processing”、Prentice Hall、
1983年から公知である。クロック発生器3は、第1
のクロック周波数Fをクロック変換器4に供給する。ク
ロック変換器4は、式Fc=F/Nに従って第2のクロ
ック周波数Fcを求め、その際Fは第1のクロック周波
数でありかつNは、クロック変換器4に計算ユニット8
から第2のデータ線路19を介して供給される定数であ
る。定数Nに対する値は入力ユニット10を介して計算
ユニット8に入力されかつメモリ9に格納される。クロ
ック変換器4は第2のクロック周波数Fcをマルチプレ
クサ5、ポリフェーズフィルタ6、デマルチプレクサ7
および計算ユニット8にデータ線路13を介して送出す
る。その際第2のクロック周波数Fcのクロックにおい
てポリフェーズフィルタ6のそれぞれのフィルタによっ
て1つのデジタル数がフィルタリングされる。マルチプ
レクサ5はこれらデジタル数をその時間的な順序に相応
して連続的にポリフェーズフィルタ6のフィルタに分配
する。
【0016】ポリフェーズフィルタ6のフィルタによっ
てフィルタリングされるデジタル数は、デマルチプレク
サ7に供給される。デマルチプレクサ7は、フィルタリ
ングされた数をデジタル数がマルチプレクサ5に供給さ
れた時間的順序で計算ユニット8に送出する。
【0017】計算ユニット8は、メモリ9に格納されて
いる制御プログラムを処理する。固定された制御プログ
ラムに相応して、計算ユニット8のデジタル数はメモリ
9に格納されている係数Ckと乗算されかつ前以て決め
られた方法で加算される。したがってベースバンド信号
の同相および直交成分が得られかつ引き続いて出力され
る。
【0018】図2には、N個の並列接続されたフィルタ
18から構成されているポリフェーズフィルタ6がブロ
ック図にて示されている。有利にはこのフィルタ18は
オールパスフィルタとして形成されている。オールパス
フィルタは例えば、W. Schessler 著、“Digitale Sign
alverarbeitung”(第1巻、Springer 社刊、1988
年)およびA. Fettweis 著、“Wave Digital Fileter
s,Theory and Practice”(Proceedings IEEE,Vol.
25,No.2、1986年)から公知である。図2に
は、マルチプレクサ5がデジタル数をその時間的な順序
に応じてポリフェーズフィルタ6のフィルタ18に供給
することが示されている。すなわち、第2のクロック周
波数Fcのそれぞれのクロックにおいてそれぞれのフィ
ルタ18によってデジタル数が処理される。次の周波数
クロックにおいて、ポリフェーズフィルタ6のフィルタ
18に新たにN個のデジタル数が供給される。
【0019】フィルタリングの後に、ポリフェーズフィ
ルタ6のフィルタ18はフィルタリングされたデジタル
数をデマルチプレクサ7に送出する。デマルチプレクサ
7はフィルタリングされたデジタル数をその時間的な順
序に相応して配列しかつフィルタリングされたデジタル
数を計算ユニット8に送出する。
【0020】図3には、フィルタの数Nが4に決められ
ている、ポリフェーズフィルタ6の特別な実施例が示さ
れている。この場合、第1、第2、第3および第4のフ
ィルタ22、23、24、25が並列に設けられてい
る。
【0021】ところで係数cKを求める際に考慮される
定数Lがポリフェーズフィルタ6のフィルタ18の数N
の1/4に固定されると、すなわちL=1とすると、係
数cK=jk-1が生じ、その際jは虚数単位でありかつK
はフィルタ18を表す走行遅延時間変数である。そこか
ら、単純な加算または減算によって同相および直交成分
を求めることができる。
【0022】図3に示されている、ポリフェーズフィル
タ6の実施例に対して、第1のフィルタ22によってフ
ィルタリングされたデジタル数および第3のフィルタ2
4によってフィルタリングされたデジタル数が第1加算
器11に供給されかつ加算され、その際第3のフィルタ
24によってフィルタリングされたデジタル数が負の極
性を有するようにすれば、ベースバンド信号の同相成分
が得られる。第2のフィルタ23によってフィルタリン
グされたデジタル数および第4のフィルタ25によって
フィルタリングされたデジタル数を第2加算器12に供
給しかつ加算され、その際第4のフィルタ25によって
フィルタリングされたデジタル数が負の極性を有するよ
うにすれば、ベースバンド信号の直交成分が得られる。
この装置によって、デジタルフィルタリングの特別簡単
な構成が実現される。
【0023】図4のaには、実ベースバンド信号のスペ
クトルが図示されている。図4のbには、十分高速の標
本化および保持装置1によって第1のクロック周波数F
の標本化レートによって標本化された、実信号列のスペ
クトルが示されている。図4のcには、複素ベースバン
ド信号の発生のために必要なデジタル複素バンドパスフ
ィルタが略示されている。図4のcに示されている線分
は、フィルタの設計のために重要な通過域および阻止域
を表している。複素バンドパスフィルタが有すべきであ
る通過域は、バーによって表されている。この形式のフ
ィルタの使用によって、そのスペクトルが図4のdに示
されておりかつ係数Nによるサブ標本化によって最終的
に第2の標本化周波数Fcの標本化レートを有する複素
ベースバンド信号を形成するフィルタリングされた信号
が生じる。
【0024】図5には、複素バンドパスの周波数応答H
L(w)の計算のために使用される係数CKの求め方が示
されており、また同時に、自動周波数補正および高速の
チャネル切換が可能になる。値(2πΔf/Fc)を時
間遅延素子16を有するループおよびモジュロ2加算器
14に供給することによって、複素信号列
【0025】
【数3】
【0026】が発生される。変数nは時間クロックを表
している。時間遅延素子は信号をその都度時間クロック
c=1/Fcだけ遅延しかつそれを再びモジュロ2加算
器14に供給する。生じた列Q(n)は別の加算器17
に供給される。この実施例において、ポリフェーズフィ
ルタ6が有しているフィルタ数に相応する数であるN個
の別の加算器17が設けられている。これら別の加算器
17において、列の項が定数OKによって加算され、そ
の際変数Kは1からNの値をとる。係数OKは次のよう
に定義されている:OK=2π(K−1)L/N、ただ
しK=1,…,N。
【0027】これにより、係数の決定のために必要であ
る、指数関数Ck(n)=e-j(OK+Q(n))の独立変数が決
められる。和OK+Q(n)は計算ユニット8に供給さ
れ、これは、メモリ9に格納されているサインおよびコ
サイン表から、ポリフェーズフィルタ6を実現するため
に必要である係数CKを求める。
【0028】次に図1ないし図4を用いて特定の実施例
について説明する。
【0029】複素ベースバンド信号のデジタル同相およ
び直交成分を発生するために、図1に図示の回路が使用
される。複素ベースバンド信号の標本化レートは、第2
の標本化周波数Fcと称される。AD変換器2の標本化
レートは、第1の標本化周波数Fとして表される。第1
の標本化周波数Fは、第2の標本化周波数Fcの整数倍
として選択される: F=N×Fc (1)、 ただし定数Nは2より大きな整数であるかまたは2に等
しい。隣接チャネル抑圧は、定数Nが3より大きいかま
たは3に等しく選択されるときにのみ可能である。実ベ
ースバンド信号s(t)および第1のクロック周波数F
の中心周波数F0の間に、次の関係が成り立つ: F0=m×F+L×Fc (2)。
【0030】ここにおいて定数mは整数でありかつ定数
Lは(−(N−1)/2)と((N−1)/2)との間
の値である。第2の標本化周波数Fcは、標本化定理を
満足するためにベースバンド信号の帯域幅より大きいか
またはそれに等しくなければならない。式(2)は、W.
Rosenkranz 著、“Quadratur Sampling of FN-Bandpas
s Signals”(Digital Signal Processing 87,Elsevier
Science)に記載されているような公知の“1/4周期
サンプリング(quater period sampling)”の一般式を
表している。これらの前提条件が満たされているとき、
図4のaないしeに示された、相応に選択されたデジタ
ルフィルタを用いて複素ベースバンド信号を発生するた
めの手法を使用することができる。この実施例におい
て、定数Nは4、定数mは1および定数Lは1とした。
【0031】図4のaにそのスペクトルが示されている
実バンドパス信号s(t)が、標本化および保持装置1
に供給される。標本化は、標本化および保持装置1にク
ロック発生器3から供給される第1のクロック周波数F
によって行われる。この標本化によって、実バンドパス
信号から、図4のbに示されている標本化された実信号
列が形成される。複素ベースバンド信号を発生するため
に、図4のcに示されているような通過域および阻止域
を有するデジタル複素バンドパスフィルタが必要であ
る。中心周波数L×Fcを有する複素バンドパスフィル
タの設計は、実、所謂プロトタイプローパスフィルタの
シフトによって行うことができる。このローパスフィル
タの遮断周波数は、バンドパス信号の帯域幅の半分とす
べきである。この形式のローパスフィルタを実現するた
めの適当な構成は、図2に示されているように、N個の
フィルタ18を有する再帰形ポリフェーズフィルタ6で
ある。このポリフェーズフィルタ6の伝達関数H(w)
は次の通りである:
【0032】
【数4】
【0033】ただしLはフィルタ分岐の数でありかつw
は2πf/Fである周波数を表しかつSK(w)は、有
利には、ポリフェーズフィルタ6の設計において適当に
決定することができるオールパスフィルタであるN個の
実デジタルフィルタ18の周波数応答である。プロトタ
イプローパスフィルタ6は、オールパスフィルタが常に
1次のセクションの積として表されるように設計され
る。プロトタイプローパスフィルタを周波数L*Fc
けシフトすることによって、バンドパス信号の発生を行
う複素バンドパスHL(w)の周波数応答が得られる:
L(w)=H(w−2πLFc/F)=H(w−2πL
/N)。2πにおける実オールパス関数Skの周期性を
考慮すると、
【0034】
【数5】
【0035】が得られ、ただしN個の定数(Ck)は、
【0036】
【数6】
【0037】によって与えられており、k=1,…,N
である。複素バンドパスフィルタの実現は、付加的な複
素乗算器を用いてまたは図1または図2に示されている
ように、計算ユニット8を用いて行うことができる。ポ
リフェーズフィルタ6のオールパスフィルタは、第2の
標本化レートFcによってタイミング制御される。この
ことは、プロトタイプローパスフィルタのオールパスフ
ィルタ、それ故に複素バンドパスフィルタのオールパス
フィルタがNxTcだけの遅延によって動作するので可
能であり、その際Tc=1/Fcである。
【0038】したがって、算術演算を専ら第2のクロッ
ク周波数Fcによって実施するデジタルフィルタ構成が
使用される。時間的に標本化される信号は、AD変換器
2を用いてデジタル数列に変換される。その際AD変換
器2は、クロック発生器3によって使用することが可能
である第1のクロック周波数Fによって動作する。デジ
タル数列は、マルチプレクサ5に供給され、このマルチ
プレクサはこれらを、図2に示されているように、ポリ
フェーズフィルタ6のオールパスフィルタに分配する。
その際、第2のクロック周波数Fcのタイミングにおい
て、ポリフェーズフィルタ6のN個のオールパスフィル
タそれぞれにその都度、列の1つのデジタル数が供給さ
れる。
【0039】この列のデジタル数は、時間順序に従って
オールパスフィルタに分配される。フィルタリングの
後、フィルタリングされたデジタル数はポリフェーズフ
ィルタ6のオールパスフィルタからデマルチプレクサ7
に転送され、デマルチプレクサはこれらフィルタリング
されたデジタル数をその本来の時間順序に応じて配列し
かつ計算ユニット8に送出する。それから計算ユニット
8はフィルタリングされたデジタル数をその時間順序に
応じかつどのオールパスフィルタによってその数がフィ
ルタリングされたかに依存して、次のようにして求めら
れる相応の係数ckと乗算する:
【0040】
【数7】
【0041】ただし走行変数Kは相応のオールパスフィ
ルタを表しかつ1からNの値をとり、Nはオールパスフ
ィルタの数および定数Lは1と定められた。
【0042】入力ユニット10を介して、第1の標本化
周波数Fと式(1)に従った第2の標本化周波数Fc
の間の比を決める定数Nおよび、式(2)に従って、実
バンドパス信号の中心周波数F0と第1の標本化周波数
Fとの間の関係を決める定数m、および複素バンドパス
フィルタの、第2の標本化周波数Fcの倍数だけのシフ
トを決め、かつそれ故にチャネル選択を決める定数Lが
入力される。
【0043】この形式のポリフェーズフィルタの使用に
より、図4のbに示されたスペクトルから、図4のdに
図示のフィルタリングされたスペクトルが求められる。
最終的に係数Nによるサブ標本化を考慮すると、図4の
eに示されているような、第2の標本化周波数Fcを有
する複素ベースバンド信号が得られる。
【0044】メモリ9に接続されている計算ユニット8
に代わって、複素乗算器を設けることもできる。係数C
kが格納されているメモリにアクセスする複素乗算器
は、フィルタリングされたデジタル数をこれら係数Ck
と乗算する。引き続いて、係数Ckによって乗算された
デジタル数は、奇数の走行変数を有するオールパスフィ
ルタによってフィルタリングされたデジタル数が第1の
和に加算されかつ偶数の走行変数を有するオールパスに
よってフィルタリングされた数が第2の和に加算される
ように加算され、その際第1の和がベースバンド信号の
同相成分を表しかつ第2の和がベースバンド信号の直交
成分を表す。同相成分は和の実部によって形成されかつ
直交成分は和の虚数部によって形成される。
【0045】実現のために特別重要な実施例が図3に示
されている。その際定数Nは4の倍数として選択されて
おりかつ定数LはNの1/4に確定されている。この場
合係数cK
【0046】
【数8】
【0047】が生じ、ただし走行変数Kは1からNの値
をとる。すなわち、係数cKは値j,−jまたは1,−
1をとる。したがって、これら係数との乗算は、乗算器
なしに実施することができる。複素バンドパスフィルタ
はこの場合、純然たる実数で実現することができる。c
Kが実数であるパスが、加算/減算によって同相成分を
形成する。cKが虚数であるパスが、相応に直交成分を
形成する。それ故に、全体の複素バンドパスフィルタは
この場合、純然たる実数にて実現することができる。
【0048】式(2)はこの場合、F0=mF+(L/
N)F=mF+F/4で表される。定数mを零とする
と、公知の“1/4周期サンプリング”、すなわちF0
=F/4が得られる。図3に示されているように、4つ
のオールパスフィルタ22、23、24、25によって
フィルタリングされたデジタル数は第1および第2の加
算器11、12に供給されかつ単純な加算によってベー
スバンド信号の同相および直交成分が得られる。
【0049】その際、第1のオールパスフィルタ22に
よってフィルタリングされたデジタル数が第1の加算器
に供給されかつ第3のオールパスフィルタ23によって
フィルタリングされたデジタル数が、負の極性をもっ
て、同様第1の加算器11に供給されることが考慮され
るべきである。第1の加算器11は、これら供給された
デジタル数から、ベースバンド信号の同相成分を表す和
を形成する。第2のオールパスフィルタ25によってフ
ィルタリングされたデジタル数が第2の加算器に供給さ
れかつ第4のオールパスフィルタ23によってフィルタ
リングされたデジタル数が、負の極性をもって、第2の
加算器11に供給される。第2の加算器12は、2つの
供給されたデジタル数から、ベースバンド信号の直交成
分を表す和を形成する。
【0050】提案された方法の重要な利点は、実際に回
避し得ない、AD変換器2の直流電圧オフセットがデジ
タルフィルタによって完全に抑圧される点にある。その
理由は、複素バンドパスフィルタは周波数F=0におい
て基本的に減衰極を有しているからである。しかしこの
ことは、隣接チャネル抑圧が可能である、すなわち定数
Nが3より大きいかまたは3に等しく選択されるときに
のみ当てはまる。
【0051】例として説明した方法によって、所望しな
い同相および直交成分の、約57dBの抑圧が実現され
る。隣接チャネルの抑圧は、約49dBである。
【0052】デジタルバンドパス装置において、しばし
ば、同相および直交成分発生に、デジタル周波数補正
(AFC)が続く。このために、複素ベースバンド信号
は、次の複素列と乗算される:
【0053】
【数9】
【0054】ただし走行変数nは時間クロックを表し、
Δfは最適な周波数によって求められる周波数偏差を表
しかつjは虚数単位を表す。
【0055】普通の場合、同相および直交成分発生のた
めに使用されるポリフェーズフィルタ6は複素乗算器を
必要とするので、ポリフェーズフィルタ内で周波数補正
を実施すると有利である。その際係数cKはフィルタリ
ングされたデジタル数との乗算の前に、複素列S
o(n)と乗算される。複素列cK*So(n)を、図5
のブロック回路図に示されているように、第2の周波数
クロックTcだけの時間遅延を有するループおよびモジ
ュロ2加算器によって再帰的に求めると有利である。
【0056】図5に図示されているようなデジタルフィ
ルタの構成により、整数の定数Lの変化によって、直ち
に始まるチャネル切換を、係数Ckを求める際に使用さ
れる係数0kを用いて実現することが可能になる。式
(3)による定数Lに対して、((N−1)/2)と
((−N−1)/2)との間の値しか許容されていない
ので、選択可能なチャネルの数は((N−1)/2)で
ある。したがって、定数Nが偶数である場合、((N/
2)−1)の異なったチャネルを選択することができ
る。定数Nが奇数である場合、それは((N−1)/
2)のチャネルである。種々のチャネルの中心周波数
は、式(2)から得られる。すなわち、この場合、チャ
ネル中心周波数の間隔が第2のクロック周波数Fcに等
しいことを前提としなければならない。提案されたチャ
ネル切換は立ち上がり振動過程には結び付いていないの
で、この装置は、“周波数ホッピング”システムでの使
用に特別適っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】複素ベースバンド信号のデジタル発生装置のブ
ロック図である。
【図2】ポリフェーズフィルタのブロック図である。
【図3】ポリフェーズフィルタのブロック図である。
【図4】周波数スペクトルを示す線図である。
【図5】自動周波数補正のためのブロック略図である。
【符号の説明】
2 AD変換器、 6 ポリフェーズフィルタ、 8
計算ユニット、 18,22,23,24,25 フィ
ルタ、 F 第1のクロック周波数、 FC第2のクロ
ック周波数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−143623(JP,A) 特開 昭53−3720(JP,A) 特開 昭53−101920(JP,A) 特開 昭55−112055(JP,A) 特開 昭64−27332(JP,A) 特開 平4−81139(JP,A) 特開 平5−2038(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 H03H 17/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実バンドパス信号を標本化および保持装
    置(1)によって第1のクロック周波数(F)によって
    標本化しかつ該標本化されたベースバンド信号をAD変
    換器(2)を用いてデジタル数列に変換し、該デジタル
    数列を、前以て決められた数(N)のフィルタ(18)
    から成る、前以て決められた伝達関数(H(w))を有
    する再帰形ポリフェーズフィルタ(6)に供給しかつそ
    れぞれのクロックにおいて前記ポリフェーズフィルタ
    (6)に前以て決められた数(N)のデジタル数を供給
    しかつ前記ポリフェーズフィルタ(6)のそれぞれのフ
    ィルタ(18)によってデジタル数をフィルタリングし
    かつ該フィルタリングされた数を引き続いて加算する、
    複素ベースバンド信号のデジタル発生方法において、 前記デジタル数のフィルタリングを、前記ポリフェーズ
    フィルタ(6)のフィルタ(18)によって、前記第1
    のクロック周波数(F)を前記フィルタ(18)の数
    (N)で分周によって得られる第2のクロック周波数
    (Fc)によって実施し、 前記それぞれフィルタリングされた数を加算の前に、前
    記ポリフェーズフィルタ(6)の周波数シフトから得ら
    れる係数(ck)と乗算することを特徴とする複素ベー
    スバンド信号のデジタル発生方法。
  2. 【請求項2】 前記係数(ck)を次式: 【数1】 によって決め、ただし走行変数Kは前記ポリフェーズフ
    ィルタ(6)のK番目のフィルタ(18)を表し、定数
    Nはフィルタ(18)の数を表し、偶数の定数Lは前記
    ポリフェーズフィルタ(6)の周波数の、前記第2のク
    ロック周波数FcのL個の単位分のシフトを表しかつ定
    数Lの絶対値は1と〔N−1〕/2との間にありかつj
    は虚数単位を表す請求項1記載の複素ベースバンド信号
    のデジタル発生方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ(22、23、24、2
    5)の数(N)を4の倍数に決めかつ前記定数(L)を
    前記フィルタ(22、23、24、25)の数(N)の
    1/4に決めかつ偶数の走行変数Kを有するフィルタ
    (22、24)によってフィルタリングされた数を第1
    の和に前記第2の周波数クロック(Tc)において加算
    しかつ奇数の走行変数Kを有するフィルタ(23、2
    5)によってフィルタリングされた数を第2の和に前記
    第2の周波数クロック(Tc)において加算し、ここに
    おいて前記第1の和が実ベースバンド信号の同相成分を
    表しかつ前記第2の和が実ベースバンド信号の直交成分
    を表す請求項1または2記載の複素ベースバンド信号の
    デジタル発生方法。
  4. 【請求項4】 前記ベースバンド信号の標本化周波数F
    0、標本化周波数Fおよび前記複素ベースバンド信号Fc
    の標本化周波数を、次の式 F=N*FcおよびF0=m*F+L*Fc が満足するように選定し、ただしmおよびLは決められ
    た整数の定数である請求項1から3までのいずれか1項
    記載の複素ベースバンド信号のデジタル発生方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリフェーズフィルタ(6)のフィ
    ルタ(18、22、23、24、25)を、オールパス
    フィルタとして構成する請求項1から4までのいずれか
    1項記載の複素ベースバンド信号のデジタル発生方法。
  6. 【請求項6】 前記係数(ck)を、前記フィルタリン
    グされた数と乗算する前に、前記第2の周波数クロック
    (Tc=1/Fc)に従って複素列 【数2】 と乗算し、ただしΔfは求められた周波数偏差であり、
    走行変数(n)は時間クロックでありかつ定数(j)は
    虚数単位を表す請求項1から5までのいずれか1項記載
    の複素ベースバンド信号のデジタル発生方法。
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