JP4533668B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源系統に瞬時電圧低下(以下「瞬低」と称する)が発生した場合に、例えば超電導電力貯蔵装置から負荷に対して所要の電力を継続して供給することができる瞬低補償装置用の電力変換装置に関する。
従来の超電導電力貯蔵装置用(SMES)の電力変換装置は、電磁エネルギーを貯蔵する超電導コイルと、コイルが出力する直流電力を交流電力に変換し負荷に供給する電力変換装置とから構成される。
超電導コイルは電流源であるため、電流形変換器を適用することにより、回路構成を
簡単にすることが可能である。
電流形変換器としては、直接多重化方式が提案されている。当該方式の場合、変換器間に横流が発生するため、横流抑制用のインダクタンスと横流抑制制御機能を備えている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特開昭63−174566号公報。 電気学会論文誌D,118巻5号、平成10年、永井他、「多重空間ベクトル制御を適用した多重電流形変換器の開発」、pp.630〜636。
上述のような構成であると、従来のSMESにおける電力変換器では横流が発生することから、横流の抑制のために横流抑制用のインダクタンスと横流抑制制御が必要であった。また横流抑制リアクトルを設置すると装置が大型化し、重量も大きくなる。更に横流抑制制御機能が必要となり、電力変換器のコストアップを招くことになる。
さらに、コストにおいては並列方式のためSMESコイルの電流容量の増大にともなう冷却装置のコストの抑制が必要となっている。また、電源系統に瞬低が発生することがあり、製造ライン等へ電力を供給している場合等に問題となっている。
本発明の目的は、上述の内容を鑑み、SMESコイル、冷却装置、主回路の寸法、重量、容量、コストを大幅に低減するとともに、電源系統の瞬低時にも安定的に電力を供給できる低コストなSMES用の電力変換装置を提供することである。
記課題を解決するため、本発明の観点に従った電力変換装置は、系統連系スイッチが投入されると、前記系統連系スイッチを介して負荷に交流電力を供給する電源系統と連系して、前記負荷に交流電力を供給する電力変換装置であって、超電導コイルから給電される直流電力を交流電力に変換する直列に接続される複数の単位変換器と、前記単位変換器の出力端に接続されるコンデンサと、前記コンデンサの出力端に接続され、前記コンデンサからの電力を変換し、前記負荷に給電する変圧器と、前記系統連系スイッチよりも前記電源系統側の電源系統電圧を検出する電源系統電圧検出手段と、前記電源系統電圧検出手段により検出された前記電源系統電圧に基づいて、前記電源系統の瞬低を検知する瞬低検知手段と、前記コンデンサのコンデンサ電圧を検出するコンデンサ電圧検出手段と、前記瞬低検知手段により瞬低を検知した場合、前記コンデンサ電圧検出手段により検出された前記コンデンサ電圧に基づいて、瞬低する直前のコンデンサ電圧を保持するコンデンサ電圧保持手段と、前記コンデンサ電圧保持手段により保持された前記コンデンサ電圧を基準値として、前記コンデンサのコンデンサ電圧を制御するためのコンデンサ電圧制御指令値を演算するコンデンサ電圧制御手段と、前記系統連系スイッチよりも前記電源系統側の電源系統電流を検出する電源系統電流検出手段と、前記系統連系スイッチよりも前記負荷側の負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、前記電源系統電流検出手段により検出された前記電源系統電流及び前記負荷電流検出手段により検出された前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる電流をフィードフォワード制御するためのフィードフォワード制御指令値を演算するフィードフォワード制御手段と、前記コンデンサ電圧制御手段により演算された前記コンデンサ電圧制御指令値及び前記フィードフォワード制御手段により演算された前記フィードフォワード制御指令値に基づいて、前記複数の単位変換器の出力電流を制御するための電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流指令値演算手段により演算された前記電流指令値に基づいて、前記複数の単位変換器を制御する変換器制御手段とを備えている。
源系統の電圧ベクトルの大きさが瞬間的に所定値より低下した場合に、制御装置によって所定値の電力の電流が負荷に給電される。このため、SMESコイル、冷却装置、主回路の寸法、重量、容量、コストを大幅に低減するとともに、電源系統の瞬低時にも安定的に電力を供給できるSMES用の電力変換装置を提供することができる。
本発明によれば、SMESコイル、冷却装置、主回路の寸法、重量、容量、コストを大幅に低減するとともに、電源系統の瞬低時にも安定的に電力を供給できるSMES用の電力変換装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置を含む電力変換システムの構成を示した模式図である。
電力変換システムは、電源系統107からの電力は、系統連系スイッチ108を介して負荷109まで供給される。また、電源系統107からの線間電圧を検出する検出器100が、例えば電源系統107と系統連系スイッチ108の間に設置されており、検出された線間電圧は、制御装置105に入力される。また、電力変換装置101は、電流源106に接続されている。
この電力変換装置101は、単位変換器102と、フィルタ・コンデンサ103と、変圧器104と、制御装置105とから構成される。
単位変換器102は、互いに直列接続される。直列接続された両端の単位変換器102は、電流源106の両端にそれぞれ接続される。また、単位変換器102の出力端子間には、フィルタ・コンデンサ103が接続される。フィルタ・コンデンサ103は、変圧器104の2次側端子に接続される。
各変圧器104の1次側の一方の端子は、電源系統107の各相の電源ラインに接続され、他の端子は他の変圧器104の一方の端子と互いに接続される。
制御装置105は、各単位変換器の出力端のフィルタ・コンデンサ103の電圧と、
電源系統107からの線間電圧および電源系統の三相電流を検出する。電源系統107に瞬低が発生し、系統連系スイッチ108を開放した場合は、瞬低発生直前のフィルタ・コンデンサ103の電圧ベクトルの大きさと位相を保持し、これを基準として、フィルタ・コンデンサ103の電圧を制御する。
上述の様に電源系統107が瞬低した場合、系統連系スイッチ108が開放される。系統連系スイッチ108が開放されると、電力変換装置101は、所要の期間、負荷に対し電力供給を行ない、所定の期間、負荷109への電力供給を継続する。この結果、電源系統107の瞬低による負荷109への電力供給の中断を補償する。
以上の構成によれば、大容量化のため複数の単位変換器を互いに直列接続することにより、SMESコイルの直流電圧を大きく直流電流を小さくすることが可能となる。これにより従来の並列方式のSMES用電力変換器で必要であった横流抑制リアクトルと制御が不要となり、電力変換器の寸法、重量、コストを低減することができる。また直流電流容量が低減するためSMESコイルと冷却装置の電流容量とコストを低減することができる。この結果、低コストなSMES用電力変換装置を提供することができる。また、電源系統の瞬低時にも安定的に電力を供給できるSMES用の電力変換装置を提供することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る電力変換装置を含む電力変換システムの構成を示した模式図である。
電力変換装置201は、単位変換器202と、フィルタ・コンデンサ203と、変圧器204と、制御装置205とから構成される。
当該実施形態では、6台の単位変換器202を互いに直列接続した場合を示している。直列接続された両端の単位変換器202は、電流源106の両端にそれぞれ接続される。
単位変換器202の出力端子間には、フィルタ・コンデンサ203が接続される。フィルタ・コンデンサ203は、三巻変圧器204の2次側の巻線に接続される。三巻変圧器204の1次側の一方の端子は電源系統の各相の電源ラインに接続され、他の端子は他の三巻変圧器204の一方の端子と互いに接続される。
制御装置205は、各単位変換器の出力端のフィルタ・コンデンサ203の電圧と、系統線間電圧と、系統および負荷の三相電流を検出する。電源系統107に瞬低が発生し、系統連系スイッチ108を開放した場合は、瞬低発生直前のフィルタ・コンデンサ203の電圧検出値を保持し、これを基準として、フィルタ・コンデンサ203の電圧を制御する。これにより、所定の期間、負荷109への電力供給を継続する。この結果、電源系統107の瞬低による負荷109への電力供給の中断を補償する。
以上の構成によれば、複数の単相ブリッジ回路を使用することにより、容易にSMES用電力変換装置を構成できる。この結果、低コストな電力変換装置を構築できるとともに、システムの信頼性を改善することができる。
(第3の実施形態)
図3に本発明の第3実施形態における単位変換器の構成を示す。
単位変換器202は、単相ブリッジの構成とする。各アームは、1組の逆阻止用のダイオード301と1組のスイッチング素子302から構成する。なお、図中の(1)、(2)、(3)、(4)は、図2に示した(1)、(2)、(3)、(4)に対応する。
このような構成で、一般的な単相ブリッジと汎用の素子を使用している。
以上の構成によれば、第2実施形態と同様の効果に加え、単相ブリッジを使用するので、大容量変換器システムを容易に構成できる。また、コンデンサ電圧制御系を容易に構成できるので低コストである。また単相ブリッジ回路を多重化して電力変換器を構成するので、容易に高調波を低減できる。
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置を含む電力変換システムの構成を示した模式図である。
電力変換装置401は、単位変換器402と、フィルタ・コンデンサ403と、変圧器(1次側Y結線、2次側千鳥結線・15°位相差)404と、バランス・リアクトル(千鳥結線・15°位相差)405と、制御装置406とから構成される。
当該実施形態では、4台の単位変換器402を互いに直列接続した場合を示している。直列接続された両端の単位変換器402は、電流源106の両端にそれぞれ接続される。
単位変換器402の出力端子間には、フィルタ・コンデンサ403が接続される。フィルタ・コンデンサ403は、変圧器(1次側Y結線、2次側千鳥結線・15°位相差)404の2次側の線間に接続される。変圧器(1次側Y結線、2次側千鳥結線・15°位相差)404の1次側の各相の端子は、電源系統の各相の電源ラインに接続される。
バランス・リアクトル405は、フィルタ・コンデンサ403と変圧器404との間に接続される。このリアクトルは、フィルタ・コンデンサ403と変圧器404の漏れインダクタンスとの間で発生する共振電流を抑制するために設ける。
制御装置406は、各単位変換器の出力端のフィルタ・コンデンサ403の電圧と、電源系統の線間電圧と、電源系統107および負荷の三相電流を検出する。電源系統107に瞬低が発生した場合は、系統連系スイッチ108を開放し、瞬低発生直前のフィルタ・コンデンサ403の電圧ベクトルの大きさと位相を保持し、これを基準として、フィルタ・コンデンサ403の電圧を制御する。これにより、所定の期間、負荷109への電力供給を継続する。この結果、電源系統107の瞬低による負荷109への電力供給の中断を補償する。
以上の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第5の実施形態)
図5に本発明の第5実施形態における単位変換器の構成を示す。
本単位変換器は、三相ブリッジ回路の構成とする。各アームは、1組の逆阻止用のダイオード501と1組のスイッチング素子502から構成する。なお、図中の(1)、(2)、(3)は、図4に示した(1)、(2)、(3)に対応する。
このような構成で、一般的な三相ブリッジ回路と汎用素子を使用している。
以上の構成によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、三相ブリッジを使用するので、大容量変換器を容易に構成できる。各素子の通電期間が120°であり、損失が小さいため、冷却器のコストを低減できる。
(第6の実施形態)
図6に本発明の第6実施形態における制御装置の構成を示す。
制御装置205は、コンデンサ電圧制御装置601と、フィードフォワード制御装置602と、電流指令制御装置603と、PWM制御装置604とから構成される。
コンデンサ電圧制御装置601は、三相コンデンサ電圧検出値605を入力し、コンデンサ電圧制御の結果としてPID制御出力dq電流指令値608を出力する。ここで、三相コンデンサ電圧検出値605は、各相を構成する2段の単位変換器の出力端コンデンサの電圧を加算し算出される三相電圧である。
フィードフォワード制御装置602は、三相系統電流検出値606と、三相負荷電流検出値607とを入力し、フィードフォワード制御出力dq電流指令値609を出力する。
電流指令制御装置603は、PID制御出力dq電流指令値608とフィードフォワード制御出力dq電流指令値609とを入力し、三相出力電流指令610を出力する。
PWM制御装置604は、三相出力電流指令610を入力し、U相1段目単位変換器ゲート信号611、U相2段目単位変換器ゲート信号612、V相1段目単位変換器ゲート信号613、V相2段目単位変換器ゲート信号614、W相1段目単位変換器ゲート信号615、W相2段目単位変換器ゲート信号616を各単位変換器に対して出力する。
以上の構成によれば、第1実施形態の効果に加え、従来の三角波比較PWM制御を使用することが可能となり、大容量の変換器システムを容易に構成できる。また、制御系のコストを抑制することができ、コンデンサ電圧制御系を容易に構成できるので、低コストである。また、素子の通電期間が120°であり、損失が小さいため、冷却装置のコストを低減できる。
(第7の実施形態)
図7に本発明の第7実施形態におけるコンデンサ電圧制御装置の構成を示す。
コンデンサ電圧制御装置601は、三相二相変換手段701と、コンデンサ電圧ベクトルの大きさを検出する機能を有するコンデンサ電圧ベクトル振幅検出手段702と、コンデンサ電圧ベクトル振幅制御手段703と、コンデンサ電圧ベクトル位相検出手段704と、コンデンサ電圧ベクトル位相制御手段705と、コンデンサ電圧指令生成手段706と、二相dq変換手段707と、減算手段708と、PID制御手段709とから構成される。
三相二相変換手段701は、三相コンデンサ電圧検出値710を入力し、静止二相座標系の二軸成分である二相コンデンサ電圧信号711に変換する。
コンデンサ電圧ベクトル振幅検出手段702は、二相コンデンサ電圧信号711を入力し、二乗和の正の平方根をコンデンサ電圧ベクトル振幅712として出力する。
コンデンサ電圧ベクトル振幅制御手段703は、コンデンサ電圧ベクトル振幅制御712と、瞬低発生信号722とを入力し、瞬低が発生した場合は瞬低発生直前のコンデンサ電圧ベクトル振幅712をコンデンサ電圧ベクトル振幅指令値713として保持する。
コンデンサ電圧ベクトル位相検出手段704は、二相コンデンサ電圧信号711を入力し、コンデンサ電圧ベクトル位相信号714を算出し出力する。
コンデンサ電圧ベクトル位相制御手段705は、コンデンサ電圧ベクトル位相信号714と瞬低発生信号722とを入力し、瞬低が発生した場合は、瞬低発生直前のコンデンサ電圧ベクトル位相信号をコンデンサ電圧ベクトル位相指令信号の基準値として保持し、系統電圧の定格周波数で位相を進め、コンデンサ電圧ベクトル位相指令信号715を出力する。
コンデンサ電圧指令生成手段706は、コンデンサ電圧ベクトル振幅指令値713とコンデンサ電圧ベクトル位相指令値715とを入力し、三相コンデンサ電圧指令値716を出力する。
三相二相変換手段701は、三相コンデンサ電圧指令値716を入力し、静止二相成分の二相コンデンサ電圧指令値717を出力する。
二相dq変換手段707は、二相コンデンサ電圧指令信号717とコンデンサ電圧ベクトル位相指令値715とを入力しdqコンデンサ電圧指令信号718を出力する。
一方、別の二相dq変換手段は、二二相コンデンサ電圧信号711とコンデンサ電圧ベクトル位相指令値715を入力し、dqコンデンサ電圧指令719を出力する。
減算手段708は、dqコンデンサ電圧指令値718から、dqコンデンサ電圧検出値719を減算することにより、dqコンデンサ電圧偏差720を算出する。
PID制御手段709はdqコンデンサ電圧偏差720を入力し、PID制御の結果として、PID制御出力dq電流指令値721を出力する。
以上の構成によれば、第6実施形態と同様の効果に加え、電源系統が、健全時のコンデンサ電圧に制御できるので、瞬低補償性能が向上する。
(第8の実施形態)
図8に本発明の第8実施形態におけるフィードフォワード制御装置の構成を示す。
フィードフォワード制御装置602は、三相二相変換手段701と、二相dq変換手段707と、ゲイン手段801と、ゲイン手段802とから構成される。
三相二相変換手段701は、三相系統電流検出値804を入力し、二相系統電流検出値805を出力する。
二相dq変換手段707は、二相系統電流検出値805とコンデンサ電圧ベクトル位相指令値715とを入力し、dq系統電流検出値806を出力する。
ゲイン手段801は、dq系統電流検出値806に所定のゲインを乗算し、dq系統電流フィードフォワード値807を出力する。
三相二相変換手段701は、三相負荷電流検出値808を入力し、二相負荷電流検出値809を出力する。
二相dq変換手段707は、二相負荷電流検出値809とコンデンサ電圧ベクトル位相指令値715とを入力し、dq負荷電流検出値810を出力する。
ゲイン手段802は、コンデンサ充電電流加算dq変換器出力電流指令値810に所定のゲインを乗算し、dq変換器出力電流指令値813を出力する。
加算器803は、dq系統電流フィードフォワード値807とdq変換器出力電流指令値813とを加算し、フィードフォワード制御出力dq電流指令値814を出力する。
以上の構成によれば、第6実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第9の実施形態)
図9に本発明の第9実施形態における電流指令制御装置の構成を示す。
電流指令制御装置603は、リミッタ手段901と、ベクトル・リミット手段902と、最小ONパルス幅制御手段903と、dq2相変換手段904と、2相3相変換手段905とから構成される。
リミッタ手段901は、dq電流指令値906を入力し、d軸電流指令値とq軸電流指令値との絶対値が、それぞれのリミット値を超えた場合は、dq軸電流指令値を所定のリミット値に制限したリミットdq電流指令907を出力する。
ベクトル・リミット手段902は、リミットdq電流指令907を入力し、d軸とq軸のリミット電流指令から構成される電流ベクトルの振幅が規定値を超えた場合は、電流ベクトルの振幅が規定値になるように、d軸とq軸のリミット電流指令を変換し、ベクトル・リミットdq電流指令908を出力する。
最小ONパルス幅制御手段903は、ベクトル・リミットdq電流指令908を入力し、この電流指令を用いたPWM制御の結果、電力変換器を構成する素子により規定される最小ONパルス幅より短いPWMパルスが発生しないように、ベクトル・リミットdq電流指令値を制限した値である最小ONパルス幅制御dq電流指令909を出力する。
dq2相変換手段904は、最小ONパルス幅制御dq電流指令909と、コンデンサ電圧ベクトル位相指令値715とを入力し、二相電流指令910を出力する。
2相3相変換手段905は、二相電流指令910を入力し、二相三相変換を行ない三相出力電流指令911を出力する。
以上の構成によれば、第6実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第10の実施形態)
図10に本発明の第10実施形態における1相当りのPWM制御装置の構成を示す。
PWM制御装置604は、1段目変換器PWM制御装置1001と、2段目変換器PWM制御装置1002とから構成される。
1段目変換器PWM制御装置1001は、PWM制御装置1003と、NOT回路1004と、極性反転回路1005とから構成される。
PWM制御装置1003は、三相出力電流指令911の一相当りの電流指令信号と、キャリア信号1006を入力し、三相出力電流指令911の一相当りの電流指令信号がキャリア信号1006より大きければ、素子をONするPWM信号を出力し、そうでなければ、素子をOFFするPWM信号を出力する。発生したPWM信号は、NOT回路1004を用いて、単相ブリッジ回路の上アームを構成する素子のゲート信号1007と1008として出力される。
単相ブリッジ回路の下側アームを構成する素子に対するPWM制御は、1相分の電流指令信号911を極性反転回路1005により反転させた電流指令信号を用いて行なわれる。反転された電流指令信号とキャリア信号によりPWM制御され、単相ブリッジ回路の下アームを構成する素子に対するゲート信号が出力される。
2段目の単位変換器に対するPWM制御は、1段目の単位変換器に対するPWM制御
において、キャリアの位相を90°ずらすことにより実現する。1段目と2段目の単位変換器に対するPWM制御キャリア信号に90°の位相差を設ける目的は、発生する高調波を抑制するためである。また、他相のPWM制御は、他の相の電流指令信号911を用いて、同様に実現する。
上記の制御の結果、各単位変換器の出力端フィルタ・コンデンサ電圧を系統が瞬低する直前の電圧に制御することができ、本制御により系統瞬低時に負荷に対して所要の電力補償を実現することが可能となる。
以上の構成によれば、第6実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第11の実施形態)
図11に本発明の第11実施形態における制御装置の構成を示す。
制御装置205’は、模擬系統電流制御装置1101と、フィードフォワード制御装置1102と、電流指令制御装置1103と、PWM制御装置1104とから構成される。
模擬系統電流制御装置1101は、三相コンデンサ電圧検出値1105を入力し、模擬系統電流制御の結果としてPID制御出力dq電流指令値1108を出力する。ここで、三相コンデンサ電圧検出値1105は、各単位変換器の出力コンデンサ電圧のうち、同種の相間のコンデンサ電圧を互いに加算した値である。
フィードフォワード制御装置1102は、三相系統電流検出値1106と、三相負荷電流検出値1107とを入力し、フィードフォワード制御出力dq電流指令値1109を出力する。
電流指令制御装置1103は、PID制御出力dq電流指令値1108とフィードフォワード制御出力dq電流指令値1109とを入力し、三相出力電流指令1110を出力する。
PWM制御装置1104は、三相出力電流指令1110を入力し、U相1段目単位変換器ゲート信号1111、U相2段目単位変換器ゲート信号1112、V相1段目単位変換器ゲート信号1113、V相2段目単位変換器ゲート信号1114、W相1段目単位変換器ゲート信号1115、W相2段目単位変換器ゲート信号1116を各単位変換器に対して出力する。
以上の構成によれば、第1実施形態の効果に加え、低圧の検出器も用いることが可能となり、コストを削減することができる。
(第12の実施形態)
図12に本発明の第12実施形態における模擬系統電流制御装置の構成を示す。
模擬系統電流制御装置1101は、線間相変換手段1201と、三相二相変換手段1202と、コンデンサ電圧ベクトル振幅検出手段1203と、コンデンサ電圧ベクトル振幅制御手段1204と、コンデンサ電圧ベクトル位相検出手段1205と、コンデンサ電圧ベクトル位相制御手段1206と、模擬系統三相電圧生成手段1207と、二相dq変換手段1208と、減算手段1209と、模擬系統電流算出手段1210と、PID制御手段1211とから構成される。
線間相変換手段1201は、三相コンデンサ電圧検出値1212を入力し、相電圧に変換し、三相コンデンサ電圧相電圧換算値1213を出力する。
三相二相変換手段1202は、三相コンデンサ電圧検出値1212を入力し、静止二相座標系の二軸成分である二相コンデンサ電圧信号1214に変換する。
コンデンサ電圧ベクトル振幅検出手段1203は、二相コンデンサ電圧信号1214を入力し、二乗和の正の平方根をコンデンサ電圧ベクトル振幅1215として出力する。
コンデンサ電圧ベクトル振幅制御手段1204は、コンデンサ電圧ベクトル振幅1215と、瞬低発生信号1216とを入力し、瞬低が発生した場合は瞬低発生直前のコンデンサ電圧ベクトル振幅1215をコンデンサ電圧ベクトル振幅指令値1217として保持する。
コンデンサ電圧ベクトル位相検出手段1205は、二相コンデンサ電圧信号1214を入力し、コンデンサ電圧ベクトル位相信号1218を算出し出力する。
コンデンサ電圧ベクトル位相制御手段1206は、コンデンサ電圧ベクトル位相信号1218と瞬低発生信号1216とを入力し、瞬低が発生した場合は、瞬低発生直前のコンデンサ電圧ベクトル位相信号をコンデンサ電圧ベクトル位相指令信号の基準値として保持し、系統電圧の定格周波数で位相を進め、コンデンサ電圧ベクトル位相指令信号1219を出力する。
模擬系統三相電圧生成手段1207は、コンデンサ電圧ベクトル振幅指令値1217とコンデンサ電圧ベクトル位相指令値1219とを入力し、模擬系統電源三相電圧指令値1220を出力する。
三相二相変換手段1202は、模擬系統電源三相電圧指令値1220を入力し、静止二相成分の模擬系統電源二相電圧指令値1221を出力する。
二相dq変換手段1208は、模擬系統電源二相電圧指令値1221とコンデンサ電圧ベクトル位相指令値1219とを入力し模擬系統電源dq電圧1222を出力する。
減算手段1209は、模擬系統電源dq電圧1222から、コンデンサdq電圧検出値1223を減算することにより、模擬系統dq電圧1224を算出する。
模擬系統電流算出手段1210は、模擬系統電流偏差1225を算出し、出力する。
PID制御手段1211は、模擬系統電流偏差1225を入力し、PID制御の結果として、電力変換器出力dq電流指令PID出力1226を出力する。
以上の構成によれば、第1実施形態の効果に加え、低圧の検出器も用いることが可能となり、コストを削減することができる。
(第13の実施形態)
図13に本発明の第12実施形態における模擬系統電流算出手段の構成を示す。
模擬系統電流算出手段1210は、減算器1301と、除算器1302と、乗算器1303と、積分器1304と、遅れ要素1305とから構成される。
減算器1301は、模擬系統dq電圧1224から、遅れ要素1305により保持された前回の模擬系統電流計算値1306に電源系統の抵抗値1307を乗算して算出した電源系統の抵抗による電圧降下1308を減算することにより、電源系統のインダクタンスによる電圧降下1309を算出する。電源系統のインダクタンスによる電圧降下1309を電源系統のインダクタンス値1310で除算することにより、電源系統のインダクタンスによる電圧降下を電源系統のインダクタンスで除算した値1311を算出する。電源系統のインダクタンスによる電圧降下を電源系統のインダクタンスで除算した値1311に
サンプリング時間1312を乗算することにより、電源系統の電流変化量1313を算出する。積分器1304は、電源系統の電流変化量1313を積分することにより、電源系統の電流計算値1314を算出する。電源系統の電流指令値1315から電源系統の電流計算値1314を減算することにより模擬系統電流偏差1225を出力する。電源系統の電流指令値1315をゼロに設定することにより、模擬系統電流をゼロに制御するようにコンデンサ電圧を制御する。
以上の構成によれば、第1実施形態の効果に加え、低圧の検出器も用いることが可能となり、コストを削減することができる。
(第14の実施形態)
図14に本発明の第14実施形態における電流指令制御装置の構成を示す。
電流指令制御装置603’の構成は、図9に示す本発明の第9実施形態における電流制御装置の構成において、2相3相変換手段905とその出力である三相出力電流指令911を、三相電流指令ベクトル振幅演算手段1401と、その出力である三相電流指令ベクトル振幅1402に置き換えた構成である。
三相電流指令ベクトル振幅演算手段1401は、入力した二相電流指令910の各指令値の二乗和の正の平方根を三相電流指令ベクトル振幅1402として出力する。
以上の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第15の実施形態)
図15に本発明の第15実施形態におけるPWM制御の1つであるパルス制御装置の構成を示す。
当該実施形態では、電力変換器主回路を4段の単位変換器を三相ブリッジ回路で構成する場合を実施例とする。
パルス制御装置1500は、1段目単位変換器用パルス制御装置1501と、2段目単位変換器用パルス制御装置1502と、3段目単位変換器用パルス制御装置1503と、4段目単位変換器用パルス制御装置1504とから構成される。
各段の単位変換器の制御装置は、互いに所定の位相差を設定する以外は、パルス制御方式は同一である。各パルス制御装置は、パルス制御の結果、各段の単位変換器を構成するスイッチング素子に対するゲート信号として、1段目単位変換器ゲート信号1505、2段目単位変換器ゲート信号1506、3段目単位変換器ゲート信号1507、及び4段目単位変換器ゲート信号1508を出力する。
以上の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、図16を参照して、本発明の実施形態におけるキャリア信号発生方法を説明する。
図15に示す各段の単位変換器用パルス制御装置1500は、図16(a)に示すように、コンデンサ電圧ベクトル位相指令値715を入力し、30[°]毎に三角波を発生する。この発生した三角波により、図16(b)に示すキャリア信号1601を生成する。
次に、図17を参照して、本発明の実施形態におけるPWM制御を示す。
図15に示す各段の単位変換器用パルス制御装置1500は、三相電流指令ベクトル振幅1402を入力し、キャリア信号1601と大きさを比較する。このとき、三相電流指令ベクトル振幅1402がキャリア信号1601より大きければ、パルス高が1のPWMパルス1(1701)を発生する。
一方、三相電流指令ベクトル振幅1402に0〜1の範囲の値を換算係数として乗算することにより、三相電流ベクトル振幅ゲイン乗算値1702を生成する。この値1702とキャリア信号1601とを比較する。もし三相電流ベクトル振幅ゲイン乗算値1702がキャリア信号1601より大きければ、パルス高が1のPWMパルス2(1703)を発生する。
次に、図18〜21を参照して、本発明の実施形態におけるスイッチング素子の導通信号(1)〜(4)を示す。
スイッチング素子の導通信号(1)の場合、単位変換器の各アームU,V,W、X,Y,Zに対する導通信号は、それぞれAu(1),Av(1),Aw(1),Ax(1),Ay(1),Az(1)である。
スイッチング素子の導通信号(2)の場合は、単位変換器の各アームU,V,W、X,Y,Zに対する導通信号は、それぞれAu(2),Av(2),Aw(2),Ax(2),Ay(2),Az(2)である。
スイッチング素子の導通信号(3)の場合は、単位変換器の各アームU,V,W、X,Y,Zに対する導通信号は、それぞれAu(3),Av(3),Aw(3),Ax(3),Ay(3),Az(3)である。
スイッチング素子の導通信号(4)の場合は、単位変換器の各アームU,V,W、X,Y,Zに対する導通信号は、それぞれAu(4),Av(4),Aw(4),Ax(4),Ay(4),Az(4)である。
次に、図17に示すPWMパルス1(1701)とPWMパルス2(1703)をそれぞれP、P、各単位変換器の各アームへのゲート信号をGu,Gv、Gw,Gx、Gy,Gwとすると、各ゲート信号は次式により演算し生成される。
Gu = (1.0−P1)・Au(1)+ P1・Au(2)+ P2・Au(3)+(P1−P2)・Au(4)
Gv = (1.0−P1)・Av(1)+ P1・Av(2)+ P2・Av(3)+(P1−P2)・Av(4)
Gw = (1.0−P1)・Aw(1)+ P1・Aw(2)+ P2・Aw(3)+(P1−P2)・Aw(4)
Gx = (1.0−P1)・Ax(1)+ P1・Ax(2)+ P2・Ax(3)+(P1−P2)・Ax(4)
Gy = (1.0−P1)・Ay(1)+ P1・Ay(2)+ P2・Ay(3)+(P1−P2)・Ay(4)
Gz = (1.0−P1)・Az(1)+ P1・Az(2)+ P2・Az(3)+(P1−P2)・Az(4)
(なお、P*、A*(*)の各値は、0か1とする)
(第16の実施形態)
次に、図22に本発明の第16の実施形態に係るゲートパルスの例を示す。当該ゲートパルスは、ゲート信号としてU相1段目変換器に対するゲートパルスである。
当該実施形態の制御装置は、図11に示す本発明の第5実施形態における制御装置205‘の模擬系統電流制御装置1101およびフィードフォワード制御装置1102と、図14に示す本発明の第6実施形態における電流指令制御装置603’および図15に示す本発明の第6実施形態におけるパルス制御装置1500とから構成する。
以上の構成によれば、第1実施形態の効果に加え、さらに大容量のものに対応することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化出来る。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成出来る。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置を含む電力変換システムの構成を示した模式図。 本発明の第2の実施形態に係る電力変換装置を含む電力変換システムの構成を示した模式図。 本発明の第3実施形態における単位変換器の構成を示した模式図。 本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置を含む電力変換システムの構成を示した模式図。 本発明の第5実施形態における単位変換器の構成を示した模式図。 本発明の第6実施形態における制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第7実施形態におけるコンデンサ電圧制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第8実施形態におけるフィードフォワード制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第9実施形態における電流指令制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第10実施形態における1相当りのPWM制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第11実施形態における制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第12実施形態における模擬系統電流制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第13実施形態における模擬系統電流算出手段の構成を示した模式図。 本発明の第14実施形態における電流指令制御装置の構成を示した模式図。 本発明の第15実施形態におけるPWM制御の1つであるパルス制御装置の構成を示した模式図。 本発明の実施形態におけるキャリア信号発生方法を示した模式図。 本発明の実施形態におけるPWM制御を示した模式図。 本発明の実施形態におけるスイッチング素子の導通信号(1)を示した模式図。 本発明の実施形態におけるスイッチング素子の導通信号(2)を示した模式図。 本発明の実施形態におけるスイッチング素子の導通信号(3)を示した模式図。 本発明の実施形態におけるスイッチング素子の導通信号(4)を示した模式図。 本発明の第16の実施形態に係るゲートパルスを示した模式図。
符号の説明
100…検出器、101…電力変換装置、102…単位変換器、103…フィルタ・コンデンサ、104…変圧器、104…他の変圧器、105…制御装置、106…電流源、107…電源系統、108…系統連系スイッチ、109…負荷

Claims (7)

  1. 系統連系スイッチが投入されると、前記系統連系スイッチを介して負荷に交流電力を供給する電源系統と連系して、前記負荷に交流電力を供給する電力変換装置であって、
    電導コイルから給電される直流電力を交流電力に変換する直列に接続される複数の単位変換器と、
    前記単位変換器の出力端に接続されるコンデンサと、
    前記コンデンサの出力端に接続され、前記コンデンサからの電力を変換し、前記負荷に給電する変圧器と、
    前記系統連系スイッチよりも前記電源系統側の電源系統電圧を検出する電源系統電圧検出手段と、
    前記電源系統電圧検出手段により検出された前記電源系統電圧に基づいて、前記電源系統の瞬低を検知する瞬低検知手段と、
    前記コンデンサのコンデンサ電圧を検出するコンデンサ電圧検出手段と、
    前記瞬低検知手段により瞬低を検知した場合、前記コンデンサ電圧検出手段により検出された前記コンデンサ電圧に基づいて、瞬低する直前のコンデンサ電圧を保持するコンデンサ電圧保持手段と、
    前記コンデンサ電圧保持手段により保持された前記コンデンサ電圧を基準値として、前記コンデンサのコンデンサ電圧を制御するためのコンデンサ電圧制御指令値を演算するコンデンサ電圧制御手段と、
    前記系統連系スイッチよりも前記電源系統側の電源系統電流を検出する電源系統電流検出手段と、
    前記系統連系スイッチよりも前記負荷側の負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、
    前記電源系統電流検出手段により検出された前記電源系統電流及び前記負荷電流検出手段により検出された前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる電流をフィードフォワード制御するためのフィードフォワード制御指令値を演算するフィードフォワード制御手段と、
    前記コンデンサ電圧制御手段により演算された前記コンデンサ電圧制御指令値及び前記フィードフォワード制御手段により演算された前記フィードフォワード制御指令値に基づいて、前記複数の単位変換器の出力電流を制御するための電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    前記電流指令値演算手段により演算された前記電流指令値に基づいて、前記複数の単位変換器を制御する変換器制御手段と
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記コンデンサ電圧保持手段により保持された前記コンデンサ電圧の位相を前記電源系統の周波数で進めた位相を算出するコンデンサ電圧位相算出手段を備え、
    前記フィードフォワード制御手段は、
    前記電源系統電流検出手段により検出された前記電源系統電流及び前記コンデンサ電圧位相算出手段により算出された位相に基づいて、前記電源系統の電流である電源系統電流演算値を演算する電源系統電流演算手段と、
    前記負荷電流検出手段により検出された前記負荷電流及び前記コンデンサ電圧位相算出手段により算出された位相に基づいて、前記負荷に流れる電流である負荷電流演算値を演算する負荷電流演算手段と、
    前記電源系統電流演算手段により演算された前記電源系統電流演算値及び前記負荷電流演算手段により算出された前記負荷電流演算値に基づいて、前記負荷に流れる電流をフィードフォワード制御するためのフィードフォワード制御指令値を演算するフィードフォワード制御指令値演算手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 系統連系スイッチが投入されると、前記系統連系スイッチを介して負荷に交流電力を供給する電源系統と連系して、前記負荷に交流電力を供給する電力変換装置であって、
    超電導コイルから給電される直流電力を交流電力に変換する直列に接続される複数の単位変換器と、
    前記単位変換器の出力端に接続されるコンデンサと、
    前記コンデンサの出力端に接続され、前記コンデンサからの電力を変換し、前記負荷に給電する変圧器と、
    前記系統連系スイッチよりも前記電源系統側の電源系統電圧を検出する電源系統電圧検出手段と、
    前記電源系統電圧検出手段により検出された前記電源系統電圧に基づいて、前記電源系統の瞬低を検知する瞬低検知手段と、
    前記コンデンサのコンデンサ電圧を検出するコンデンサ電圧検出手段と、
    前記瞬低検知手段により瞬低を検知した場合、前記コンデンサ電圧検出手段により検出された前記コンデンサ電圧に基づいて、瞬低する直前のコンデンサ電圧を保持するコンデンサ電圧保持手段と、
    前記コンデンサ電圧保持手段により保持された前記コンデンサ電圧の位相を前記電源系統の周波数で進めた位相を算出するコンデンサ電圧位相算出手段と、
    前記コンデンサ電圧検出手段により検出された前記コンデンサ電圧及び前記コンデンサ電圧位相算出手段により算出された前記位相に基づいて、前記電源系統を模擬する模擬系統の電圧である模擬系統電圧を演算する模擬系統電圧演算手段と、
    前記模擬系統電圧演算手段により演算された前記模擬系統電圧、前記電源系統の抵抗値、及び前記電源系統のインダクタンスに基づいて、前記模擬系統の電流である模擬系統電流を演算する模擬系統電流演算手段と、
    前記模擬系統の電流を制御するための指令値である模擬系統電流制御指令値を演算する模擬系統電流制御手段と、
    前記系統連系スイッチよりも前記電源系統側の電源系統電流を検出する電源系統電流検出手段と、
    前記系統連系スイッチよりも前記負荷側の負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、
    前記電源系統電流検出手段により検出された前記電源系統電流及び前記負荷電流検出手段により検出された前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる電流をフィードフォワード制御するためのフィードフォワード制御指令値を演算するフィードフォワード制御手段と、
    前記模擬系統電流制御手段により演算された前記模擬系統電流制御指令値及び前記フィードフォワード制御手段により演算された前記フィードフォワード制御指令値に基づいて、前記複数の単位変換器の出力電流を制御するための電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    前記電流指令値演算手段により演算された前記電流指令値に基づいて、前記複数の単位変換器を制御する変換器制御手段と
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  4. 前記電流指令値演算手段により演算された前記電流指令値を、設定されたリミット値に制限する電流指令値制限手段と、
    前記電流指令値制限手段により制限された前記電流指令値を、前記単位変換器を構成する素子により規定される最小ONパルス幅より短いパルス幅のパルスを発生させないための制限をする最小ONパルス幅制限手段とを備え、
    前記変換器制御手段は、前記最小ONパルス幅制限手段により制限された前記電流指令値に基づいて、前記複数の単位変換器をパルス制御すること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記複数の単位変換器は、単相ブリッジ回路である1段目の単位変換器と単相ブリッジ回路である2段目の単位変換器により三相交流の一相分の構成がされ、
    前記変換器制御手段は、
    前記電流指令値演算手段により演算された前記電流指令値の一相分の電流指令値と第1のキャリア信号とを比較して、前記1段目の単位変換器の1つの上アームを構成する素子のゲート信号を生成する第1のゲート信号生成手段と、
    前記第1のゲート信号生成手段により生成された前記ゲート信号を論理否定して、前記1段目の単位変換器の上アームを構成する前記第1のゲート信号生成手段と異なるもう1つの素子のゲート信号を生成する第2のゲート信号生成手段と、
    前記第1のゲート信号生成手段の前記一相分の電流指令値の極性を反転させた電流指令値と前記第1のキャリア信号とを比較して、前記1段目の単位変換器の1つの下アームを構成する素子のゲート信号を生成する第3のゲート信号生成手段と、
    前記第3のゲート信号生成手段により生成された前記ゲート信号を論理否定して、前記1段目の単位変換器の下アームを構成する前記第3のゲート信号生成手段と異なるもう1つの素子のゲート信号を生成する第4のゲート信号生成手段と、
    前記第1のゲート信号生成手段の前記一相分の電流指令値と前記第1のキャリア信号から90度位相をずらした第2のキャリア信号とを比較して、前記2段目の単位変換器の1つの上アームを構成する素子のゲート信号を生成する第5のゲート信号生成手段と、
    前記第5のゲート信号生成手段により生成された前記ゲート信号を論理否定して、前記2段目の単位変換器の上アームを構成する前記第5のゲート信号生成手段と異なるもう1つの素子のゲート信号を生成する第6のゲート信号生成手段と、
    前記第1のゲート信号生成手段の前記一相分の電流指令値の極性を反転させた電流指令値と前記第2のキャリア信号とを比較して、前記2段目の単位変換器の1つの下アームを構成する素子のゲート信号を生成する第7のゲート信号生成手段と、
    前記第7のゲート信号生成手段により生成された前記ゲート信号を論理否定して、前記2段目の単位変換器の下アームを構成する前記第7のゲート信号生成手段と異なるもう1つの素子のゲート信号を生成する第8のゲート信号生成手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記複数の単位変換器の各単位変換器は、単相ブリッジ回路であること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記複数の単位変換器の各単位変換器は、三相ブリッジ回路であること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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