JP5542609B2 - 無効電力補償装置 - Google Patents

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Description

この発明は、無効電力補償装置に関し、特に電力系統に用いられる無効電力補償装置に関する。
STATCOM(Static Synchronous Compensator)、SVG(Static Var Generator)あるいは自励式SVC(Static Var Compensator)などと呼ばれる無効電力補償装置は、電力系統無効電力を制御することによって電力系統の安定度を向上させるために導入されることが多い。無効電力補償装置は、定常運転時の電力系統の安定度を向上させる場合のみならず、電力系統事故中及び事故除去後といった電力系統の過渡的な安定度の向上にも有効である。無効電力補償装置は、例えば直流電圧を交流電圧に変換する自励式の電力変換器と、直流電圧を供給するコンデンサと、電力系統と連系する変圧器とで構成されている。
そして、無効電力補償装置の制御部は一般に以下のように構成されている。すなわち制御部は、系統電圧が所望の系統電圧指令に追従するように無効電流指令を出力する電圧制御部と、無効電力補償装置の出力電流がこの無効電流指令に追従するように無効電力補償装置の出力電圧を制御する電流制御部とを有している。例えば、無効電力補償装置における制御部が、無効電流指令を出力する電圧制御部と、電力変換器の出力電流がこの無効電流指令に追従するように電力変換器の出力電圧を制御する電流制御部から構成されているものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、無効電力補償装置の電流制御を、有効電流成分と無効電流成分に分けて制御することが開示されている。そして、電圧制御の出力が無効電流指令となることが示されている。さらに、コンデンサ電圧が一定になるように直流電圧制御部が有効電流指令を出力するように構成されるものが示されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2002−281670号公報(段落番号0030〜0034及び図6)
Toshiyuki Fujii他,Performance of the ±80MVA OGT STATCOM under Commercial Operation,The Institute Electrical Engineers of Japan,vol.128,No.4,2008(pp.355−358,Fig.5及びFig.8)
無効電力補償装置は、電力系統無効電力を制御することによって電力系統の安定度を向上させるために導入されることが多いが、電力系統条件は場所により様々である。例えば、図9の電力系統図に示すように、無効電力補償装置501は自励式の電力変換器501a及びコンデンサ501bを有し、交流側は変圧器551で昇圧され、接続線510及び送電線(インダクタンスとして図示)502を介して交流電力系統503に接続されるとともに、送電線(インダクタンスとして図示)504を介して交流電力系統505に接続されている。さらに、交流電力系統503には、無効電力補償装置501の至近端である接続線510に、変圧器506を介して調相用コンデンサ507が接続されるとともに、変圧器508を介して負荷509が接続される場合がある。このような条件で、無効電力補償装置501が連系されている至近端で事故が発生した場合、接続線510の電圧は事故発生時及び事故除去時に大きく変動する。系統電圧が変動すると、変圧器508の磁束が飽和し図10(a)の波形図に示すように、変圧器508に励磁突入電流が流れる。変圧器508の各相の励磁突入電流は1サイクルに1度大きな電流が流れることにより系統電圧は正負非対称のひずみを生じる。この影響で、系統電圧は電源周波数fの2倍(2f)で歪んだ波形となる。
変圧器508の励磁突入電流は、通常時間の経過とともに次第に減衰する。しかしながら、飽和した変圧器508の至近端にコンデンサ507が接続されている場合、図10(b)に示すコンデンサ507が無い場合に比較して、コンデンサ507との相互干渉により、図10(a)に示すように励磁突入電流が大きくなり、その継続時間が長くなる。従って接続線510の電圧の変動が大きくなりさらに変動時間が長くなる。無効電力補償装置は通常時は無効電流のみを出力し有効電流はほぼ零である。しかしながら系統電圧が動揺する場合、無効電力補償装置の有効電力が変動し直流電圧が動揺する。
ここで、無効電力補償装置が受ける影響について述べる。無効電力補償装置は、電力系統に振動が発生すると、その振動の影響を受けた電圧を検出し、その電圧に基づき電圧制御部が動作して無効電流指令を出力する。このため、無効電流指令にはその振動を含むことになる。無効電力補償装置の制御部において無効電流成分と有効電流成分とがそれぞれd軸、q軸とするdq座標系で制御される。d軸は系統電圧に直交した成分、q軸は系統電圧と同位相の成分となるように、系統電圧に基づき制御される。電力系統を構成する送電線502,504は主にインダクタンス成分であり、無効電力補償装置501が接続される電力系統の電圧は、無効電流を出力することで送電線502,504に発生する無効電流に直交した電圧を発生させ、その大きさを制御することができる。従って、電圧制御は電力系統の電圧を制御するように電圧のq軸成分(系統電圧と同位相の成分)を制御すべく、d軸電流指令を出力する。
d,q座標変換を行うと、3相平衡の場合d,q成分が無効電流成分及び無効電流成分に比例した直流成分となる。これにより、電圧が3相平衡の場合では、q軸電圧が系統電圧の大きさに比例し、d軸電圧がほぼ零となる。しかし、電圧が3相不平衡や高調波成分を含む場合、dq座標の電圧にも変動成分が重畳する。例えば、3相不平衡(逆相1f)になった場合、dq座標には基本波の2倍周波(2f)が重畳する。また、上記のように変圧器の励磁突入電流などでは、正相の2fの電圧振動が存在し、そのd,q座標成分は1f振動となる。さらに、正相の3fの電圧振動は、d,q座標で2f振動、正相の4f振動は3f振動となる。一般に正相成分の周波数は基本波周波数分下がり、逆相成分は基本波周波数分上昇した成分がdq座標に表れる。
電圧制御は正相基本波を制御するように構成されるため、電圧の変動を除去する目的で電圧検出にフィルタが用いられる。最も大きな影響を及ぼす成分は、逆相により生じる2f成分であり、これを除去するように低域通過フィルタが構成される。しかし、1f振動に関しては、1f振動を除去すると電圧制御の応答を高くすることができないため、1fを除去するだけの低域通過フィルタを用いることができない場合が多い。このため、1f振動は除去されず、d,q座標成分として残留する。
d,q座標は系統電圧に基づき設定されるが、上記のように系統電圧が不平衡になったり、高調波を含む場合に、座標系が変動することを防止するように正相成分に同期するような応答で制御される。これにより、電力系統事故や送電ルートの切り替えなどで生じる位相変化には追従するが、上記のような不平衡や高調波には追従しないような座標系が構成される。そして、無効電力補償装置501は、接続線510の電圧を制御するように、設定された座標系に基づき無効電流を出力し、有効電流はほぼ零となるように出力する。しかし、有効電流を零にしても、電圧変動により生じる瞬時有効電力は零とならない。すなわち、電圧変動と無効電流により生じる瞬時有効電力変動が発生する。この瞬時有効電力変動は、無効電力補償装置501を構成するコンデンサ501bの電圧変動の要因となる。直流電圧の変動周波数は、電力変換器501aで実行される交流直流変換の原理から、dq座標での変動周波数と同じであり、正相の2f変動が系統電圧に発生すると、1fの変動となる。
コンデンサ501bの端子電圧の変動を抑制する目的で、直流電圧制御が行われる。直流電圧制御は、コンデンサ501bの電圧を検出し、その直流電圧が一定になるように有効電流指令を出力する。上記の系統電圧変動により発生する直流電圧変動は基本波周波数以上の周波数成分を持つが、電流制御の遅れや検出遅れなどにより、その成分を十分抑制できるだけの制御ゲインを得ることができない。また、コンデンサ501bの静電容量は不平衡電力に対して直流電圧変動が大きくならないように選定されるが、上記の1f振動まで抑制するように静電容量を増加すると、装置の大型化、コスト増加となる。さらに、無効電力補償装置は変換器保護の観点から、直流過電圧保護機能が搭載されていることが多く、系統電圧の変動により無効電力補償装置の直流電圧の振動が大きくなると、直流過電圧保護レベルに達し過電圧保護装置が動作するなど、安定して動作しないという問題が生じる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、系統電圧が変動したときに、直流電圧振動を抑制でき安定して動作する無効電力補償装置を得ることを目的とする。
この発明に係る無効電力補償装置においては、電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流指令値演算部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
上記無効電流指令値演算部は、所定の系統電圧指令値と上記系統電圧検出値とに基づいて無効電流指令演算値を演算するものであり、
上記無効電流制御部は、上記無効電流指令演算値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
上記振動抑制制御部は、上記無効電流指令演算値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものである。
さらに、この発明に係る無効電力補償装置においては、電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
上記無効電流制御部は、所定の無効電流指令値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
上記振動抑制制御部は、上記系統電圧検出値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものである。
また、この発明に係る無効電力補償装置においては、電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流指令値演算部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
上記無効電流指令値演算部は、所定の系統電圧指令値と上記系統電圧検出値とに基づいて無効電流指令演算値を演算するものであり、
上記無効電流制御部は、上記無効電流指令演算値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
上記振動抑制制御部は、上記系統電圧検出値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものである。
この発明は、電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流指令値演算部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
上記無効電流指令値演算部は、所定の系統電圧指令値と上記系統電圧検出値とに基づいて無効電流指令演算値を演算するものであり、
上記無効電流制御部は、上記無効電流指令演算値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
上記振動抑制制御部は、上記無効電流指令演算値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものであるので、直流電圧振動を抑制でき安定して動作する無効電力補償装置を得ることができる。
さらに、この発明は、電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
上記無効電流制御部は、所定の無効電流指令値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
上記振動抑制制御部は、上記系統電圧検出値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものであるので、直流電圧振動を抑制でき安定して動作する無効電力補償装置を得ることができる。
また、この発明は、電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流指令値演算部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
上記無効電流指令値演算部は、所定の系統電圧指令値と上記系統電圧検出値とに基づいて無効電流指令演算値を演算するものであり、
上記無効電流制御部は、上記無効電流指令演算値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
上記振動抑制制御部は、上記系統電圧検出値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものであるので、直流電圧振動を抑制でき安定して動作する無効電力補償装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。 図1の電力変換器の詳細構成を示す回路図である。 図1の電力変換器の代わりに用いることができる別の電力変換器を示す回路図である。 動作を説明するための各部の波形図である。 実施の形態2である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。 実施の形態3である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。 実施の形態4である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。 実施の形態5である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。 無効電力補償装置が接続される電力系統を示す電力系統図である。 従来の無効電力補償装置が接続される電力系統における変圧器の励磁突流を示す波形図である。
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1は無効電力補償装置の構成を示す構成図、図2は図1の電力変換器の詳細構成を示す回路図である。図3は図2の電力変換器の代わりに用いることができる別の電力変換器を示す回路図、図4は動作を説明するための各部の波形図である。図1において、無効電力補償装置は次のように構成され、複数の相(三相)を有する電力系統101に連系されている。自励式の電力変換器2(詳細後述)は、図1には図示していないスイッチング素子を含み、供給された直流電圧を交流電圧に変換して電力系統101へ無効電力を出力する。電流検出手段としての電流検出器3は電力変換器2から電力系統へ出力される出力電流を検出する。電圧検出手段としての電圧検出器4は、電力系統101の系統電圧を検出する。変換器制御手段としての変換器制御装置6は、上記電力変換器2の出力電流と電力系統101の系統電圧とに基づいて電力変換器2におけるスイッチング素子をスイッチングさせることにより、電力変換器2から電力系統101へ出力される出力電流を制御する。
次に、詳細構成を説明する。図1において、電力変換器2は、u相、v相、w相を有する三相交流の電力系統101に接続され、図2に示すように自己消弧型のスイッチング素子Q1〜Q6を含み、直流回路としてのコンデンサ1(C1)の直流電圧を交流電圧に変換して電力系統101へ出力することにより、電力系統101へ無効電力を出力する。変換器用変圧器5は、電力変換器2から出力された交流電圧を変圧して電力系統101へ出力する。図2及び図3は、電力変換器2の回路図例である。図2において、電力変換器2は、スイッチング素子Q1〜Q6と、ダイオードD1〜D6とを有する。スイッチング素子Q1〜Q6は例えばGCT(Gate Commutated TurnOff thyristor)であるが、自己消弧型のスイッチング素子であればこれに限定されるものではない。
ダイオードD1〜D6は、スイッチング素子Q1〜Q6にそれぞれ逆並列接続されている。図2の例ではコンデンサ1(C1)は直流回路に1直列に構成されて、直流電圧を平滑化する。図3の電力変換器は、図2の電力変換器の代わりに用いることができるものであり、図3において、電力変換器202は、スイッチング素子Q11〜Q22と、ダイオードD11〜D28とを有する。スイッチング素子Q11〜Q22は例えばGCT(Gate Commutated Turn−Off thyristor)である。ダイオードD11〜D22はスイッチング素子Q11〜Q22にそれぞれ逆並列接続されている。D23〜D26は、クランプダイオードである。図3の例ではコンデンサ201(C11、C12)は、直流回路に2直列で接続され、直流電圧を平滑化する。図2、図3に示すように、電力変換器2,202は、2レベル、マルチレベル等のいずれの方式でも適用可能である。
図2に示すスイッチング素子Q1〜Q6あるいは図3に示すスイッチング素子Q11〜Q22の各々には変換器制御装置6から駆動信号(ゲートパルス信号)が供給される。スイッチング素子Q1〜Q6あるいはQ11〜Q22は駆動信号に基づいてスイッチング動作を行ない、コンデンサC1あるいはコンデンサC11、C12によって平滑化された電圧すなわち直流電圧を交流電圧に変換して変換器用変圧器5を介して電力系統101に供給する。
図1に戻って、電流検出器3は、電力変換器2から変換器用変圧器5を介して電力系統としての電力系統101へ出力される出力電流を検出する。電流検出器3によって検出された出力電流は、フィードバック電流として変換器制御装置6(後述)に与えられる。電圧検出器4は、電力系統101の系統電圧を検出する。電圧検出器4によって検出された電圧はフィードバック電圧として変換器制御装置6に与えられる。
次に、変換器制御装置6について詳細に説明する。変換器制御装置6は、無効電流指令値演算部7と、有効無効電流変換部8aと、電圧検出部8bと、無効電流制御部9と、振動抑制制御部10と、有効電流制御部11と、電圧指令値変換部12と、ゲートパルス信号生成部13,14,15と、加減算器21,22,23とを有する。なお、電圧指令値変換部12及びゲートパルス信号生成部13,14,15がこの発明における変換器制御部である。変換器制御装置6は、電流検出器3によって検出された出力電流に基づいて電力変換器2におけるスイッチング素子Q1〜Q6(図2参照)をスイッチングさせることにより、電力変換器2から電力系統101へ出力される電流を制御する。
より詳細には、有効無効電流変換部8aは、電流検出器3により検出された出力電流の検出値Iu,Iv,Iwを電力変換器2から電力系統101へ出力される無効電流成分としての無効電流Id及び有効電流成分としての有効電流Iqに変換する。電圧検出部8bは電圧検出器4を介して検出された系統電圧を三相二相変換して系統電圧検出値Vqを求め、この系統電圧検出値Vqは加減算器21に入力され系統電圧指令値Vq*との差δVqが無効電流指令値演算部7へ出力される。無効電流指令値演算部7は、系統電圧検出値Vqと系統電圧指令値Vq*との差δVqに基づいて、系統電圧が所定電圧値になるように、無効電流指令演算値を演算し、無効電流指令値Id*とする。
加減算器22にて無効電流指令値Id*と無効電流Id(測定値)との差δIdが演算され、その差δIdが無効電流制御部9へ出力される。無効電流制御部9は、有効無効電流変換部8aにて変換された無効電流Idが無効電流指令値Id*になるように、電力変換器2から出力されるべき出力電圧の指令値である第1の電圧指令値としての電圧振幅指令値V*を演算する。すなわち無効電流制御部9では、電力変換器2から出力される交流電圧のレベル制御が行なわれる。振動抑制制御部10では、無効電流指令値Id*に基づいて電力系統の電圧振動を抑制するための制御量すなわち有効電流指令値の補正値Iq2f*を演算する(詳細後述)。有効電流指令値Iq*と有効電流指令値の補正値Iq2f*とが加減算器23にて加算されて有効電流指令値が補正有効電流指令値Idcomp*(=Iq*+Iq2f*)に補正されるとともに有効電流Iqとの差δIqが演算されて有効電流制御部11へ出力される。有効電流制御部11は、差δIqが零になるように電力変換器2が出力すべき出力電圧の基準とされる第2の電圧指令値としての電圧位相指令値θ*を演算し、電力変換器2から出力される交流電圧の位相制御を行う。なお、所定の有効電流指令値Iq*は、固定値であってもよいし、何らかの演算によって得られる変動値であってもよい。
電圧指令値変換部12は、電圧振幅指令値V*と電圧位相指令値θ*とに基づいて、電力変換器2から出力される電圧の指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算する。ゲートパルス信号生成部13は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御に従って、電力変換器2が指令値Vu*,Vv*,Vw*に相当する電圧を出力するためのゲートパルス信号を電力変換器2のスイッチング素子Q1〜Q6に供給する。指令値Vu*,Vv*,Vw*は、電圧検出部8bにより変換された系統電圧検出値Vqを用いた電圧フィードバック制御系に、有効無効電流変換部8aにより検出された無効電流Idを用いた電流マイナーループ制御系を加えた制御系の出力として得られる。この制御系により、電圧の指令値Vu*、Vv*、Vw*を系統電圧すなわち系統電圧検出値Vqの変化に追従して変化させることができる。
この実施の形態1における特徴は、変換器制御装置6に、振動抑制制御部10を設けたことである。この振動抑制制御部10を設けることで、系統電圧検出値Vqが2f成分で振動している場合においても、後述の理由によりその影響を除去することが可能となる。系統電圧の振動の影響を除去可能なのは、以下の理由による。図4(a)に示すような系統電圧検出値Vqである場合、系統電圧基本周波数(1f成分)は図4(b)に示すように、系統電圧の正相2f振動成分ΔVは図4(c)に示すようになる。そして、dq座標を、q軸が系統電圧の正相に同期した成分、d軸がq軸に対して90度遅れた成分を表すように設定する。このとき、電力系統周波数をω(=2πf)とすると2f振動成分は、d軸電圧が(−ΔVsin(ωt+φ))、q軸電圧が(Vq+ΔVcos(ωt+φ))となる。ここで、φは振動成分の位相である。
例えば、系統電圧の変動値ΔVはd,q座標上にq軸成分ΔVd及びq軸成分ΔVqとして変換されるが、q軸成分の1f振動成分ΔVqは図4(d)に示すようになる。無効電流指令値演算部7にて系統電圧検出値Vq及びq軸成分の1f振動成分ΔVqに基づき、無効電流指令値Id*が演算されるが、無効電流指令値演算部7において、1fは応答周波数内ではなく、制御器は積分器として動作する領域であるため、無効電流指令値Id*はΔVqの積分値がゲイン倍され、ΔVq(=ΔVcos(ωt+φ))の振動に対して90度遅れた振動波形が発生する。すなわち、無効電流指令値の振動成分ΔId*=KΔVsin(ωt+φ)となる。但し、Kは無効電流指令値演算部7のω成分のゲインである。無効電流指令値の振動成分ΔId*を図4(e)に、有効電流Iqを図4(f)に示す。
一方、1f振動ΔVqの影響により発生する有効電力変動ΔPは、出力電流と電圧変動との積である。無効電力補償装置は無効電流Idを出力し、有効電流Iqはほぼ零である。従って、ΔP=Id×(−ΔVsin(ωt+φ))となる。無効電力補償装置が進み電流を出力する場合Id<0、遅れ電流を出力する場合Id>0となるので、進み電流出力の場合はΔVqより90度位相の遅れた振動、遅れ電流出力の場合はΔVqより90度進んだ振動となる。有効電力変動ΔPにより、コンデンサC1は充放電し、コンデンサC1の直流電圧は振動するが、コンデンサ電流は出力有効電力に応じて流れるため、コンデンサ電圧変動は近似的に(1/C1)∫(−ΔP)dtとなる。これにより、直流電圧振動成分ΔVdcは−IdΔVcos(ωt+φ)/C1となる。図4(g)は、Id<0の場合の直流電圧振動成分ΔVdcの波形例である。
この関係より、無効電流指令値Id*に基づき直流電圧振動成分ΔVdcを検出する。ΔVdcとId*を比較すると、ΔVdcは無効電流Idの極性に依存して無効電流指令値Id*より90度位相の遅れまたは進んだ振動となっている(図4(e),(g)参照)。振動抑制制御部10では、無効電流指令値Id*を微分しゲイン倍して、無効電流指令値Id*の極性を乗ずることにより直流電圧振動成分ΔVdc(図4(g))を求め、有効電流指令値Iq*の補正値Iq2f*を出力する。そして、この補正値Iq2f*で有効電流指令値Iq*を補正することで、直流電圧振動を抑制することができる。直流電圧を検出してフィードバック制御すれば、直流電圧に含まれる振動をゲイン倍して有効電流指令値を得てその振動を抑制できるが、直流電圧のフィードバック制御が無いかそのゲインが低くても同様の振動抑制効果を得ることができる。これにより、系統電圧の2f振動により発生するコンデンサ1の直流電圧振動成分ΔVdcを抑制し、直流電圧が過電圧レベルに達し過電圧保護モードとなることを回避することが可能となる。以上のように、三相系では2f振動で現れる振動は、dq座標上では1f振動となって現れるが、制御器はdq座標系で制御されるため、制御系で1f振動を抑制することは、三相系の2f振動を抑制することになり、効果的に2f振動を抑制できることになる。
従って、この実施の形態1に係る無効電力補償装置では、電力系統事故時に変圧器励磁突入電流の影響により系統電圧に基本周波数の2倍の2fの振動が発生した場合においても、安定した運転が可能となる。
なお、この実施の形態1における電流制御は、無効電流制御部9が電圧振幅指令、有効電流制御部11が電圧位相指令を出力するように構成しているが、無効電流制御部が系統電圧と直交した電圧成分指令を、有効電流制御部が系統電圧と同位相の電圧成分指令を出力するように構成してもよく、有効電流と無効電流がそれぞれ制御できるように構成されている制御系であっても同様の効果を奏する。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。図5において、変換器制御手段としての変換器制御装置36は、振動抑制制御部31を有する。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。図5において、振動抑制制御部31へ電圧検出部8bで変換された系統電圧検出値Vqと有効無効電流変換部8aにて算出された無効電流Idとが入力され、これらに基づき有効電流指令値の補正値Iq2f*が求められる。加減算器23にて有効電流指令値Iq*と有効電流指令値の補正値Iq2f*とが加算されて有効電流指令値が補正有効電流指令値Idcomp*(=Iq*+Iq2f*)に補正されるとともに補正有効電流指令値Idcomp*と有効電流Iqとの差δIqが演算されて有効電流制御部11へ出力される。
ここで、系統電圧の正相2f振動成分をΔVとし、dq座標を、q軸が系統電圧の正相に同期した成分、d軸がq軸に対して90度遅れた成分を表すように設定する。このとき、電源周波数をω(=2πf)とすると2f振動成分は、d軸電圧が(−ΔVsin(ωt+φ))、q軸電圧が(Vq+ΔVcos(ωt+φ))となる。これにより発生する直流電圧振動成分ΔVdcは実施の形態1で示したとおり(−IdΔVcos(ωt+φ)/C1)である。これは、Idの極性により、q軸電圧の変動ΔVq=ΔVcos(ωt+φ)と同位相または逆位相の関係となる。実施の形態2の振動抑制制御部31では、電力系統周波数ωは通過し直流成分が除去されるようにq軸電圧をハイパスフィルタを通過させゲイン倍した後、無効電流Idが負のとき1、正のとき−1となる極性を乗じて、直流電圧振動成分ΔVdcを求め、有効電流指令値の補正値を出力している。
なお、以上では、無効電流指令値Id*を演算によらずに設定しているが、図1の実施の形態1と同じように、加減算器21及び無効電流指令値演算部7を設けて、系統電圧検出値Vqを加減算器21へ入力し、系統電圧指令値Vq*との差δVqが無効電流指令値演算部7へ出力されるようにし、無効電流指令値演算部7において、系統電圧検出値Vqと系統電圧指令値Vq*との差δVqに基づいて、系統電圧すなわち系統電圧検出値Vqが所定電圧値になるように、無効電流指令演算値を演算し、無効電流指令値Id*として出力するようにしてもよい。
この発明の実施の形態2に係る無効電力補償装置では以上のように構成されているので、電力系統事故時に変圧器励磁突入電流の影響により系統電圧に2fの振動が発生した場合においても、直流電圧振動を抑制して安定した運転が可能となる。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。本実施の形態は、実施の形態1に係る無効電力補償装置に電力変換器に供給される直流電圧のフィードバック制御を追加したものである。図6において、図1の変換器制御装置6の代わりに変換器制御手段としての変換器制御装置46を備え、変換器制御装置46は直流電圧検出器16、直流電圧制御部17、加減算器24を有する。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。直流電圧検出器16は、電力変換器2に供給される直流電圧Vdcであるコンデンサ1の端子電圧を検出する。
検出された直流電圧検出値としての直流電圧Vdc及び直流電圧指令値Vdc*が加減算器24に入力され、その差δVdcが直流電圧制御部17に与えられる。直流電圧制御部17は、差δVdcに基づいて、有効電流指令値Iq*を出力する。すなわち、直流電圧制御部17は、直流電圧検出器16によって検出された直流電圧Vdcが直流電圧指令値Vdc*になるように、有効電流指令演算値を演算し、有効電流指令値Iq*として出力し、図1の無効電力補償装置と同様に加減算器23に入力される。所定の直流電圧指令値Vdc*は、固定値であってもよいし、何らかの演算によって得られる変動値であってもよい。以降の動作は、図1の無効電力補償装置におけるのと同様である。
なお、この実施の形態に示した加減算器24、直流電圧制御部17を、図5や後述の図7、図8に示した変換器制御装置36,56,66に設けて、有効電流指令値Iq*を演算するようにしてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態3に係る無効電力補償装置は、電力変換器2に供給される直流電圧及びのフィードバック制御を行なうことにより、図1の実施の形態1に係る無効電力補償装置と比べて、さらに良好な無効電力補償を行なうことができる。
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。図7において、変換器制御手段としての変換器制御装置56は、振動抑制制御部51を有する。その他の構成については、図5に示した実施の形態2と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。図7の振動抑制制御部51は、無効電流Idに応じた関数fun(Id)を演算する。電力系統周波数ωは通過し直流成分が除去されるようにq軸電圧にハイパスフィルタを通過させ、バイパスフィルタを通過した信号をゲイン倍した後、関数fun(Id)を乗じて、直流電圧振動成分ΔVdcを求め、有効電流指令値の補正値Iq2f*を演算する。直流電圧振動成分ΔVdcは、−IdΔVcos(ωt+φ)/C1で近似できるが、無効電流Idが小さい領域では小さい。このため、無効電流Idが小さい領域では有効電流指令値の補正値Iq2f*を零か小さくしても、コンデンサ1の静電容量C1で十分変動が抑制できる。この関係から、fun(Id)は|Id|<Id0のときfun(Id)=0、|Id|≧Id0のときはfun(Id)=−sign(Id)のように無効電流Idと関係付けられる。但し、Id0は正の所定値、sign(Id)は無効電流Idが正のとき1、負のとき−1となる符号関数である。
この実施の形態4に係る無効電力補償装置は以上のように構成されているので、電力系統事故時に変圧器励磁突入電流の影響により系統電圧に2fの振動が発生した場合においても、無効電流が大きな領域では有効電流指令値を補正して振動を抑制し、小さい領域ではコンデンサの静電容量で直流電圧振動を抑制し、安定した運転が可能となる。なお、本実施例では関数funの変数として無効電流Idを使用したが、無効電流指令値Id*を使っても同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5である無効電力補償装置の構成を示す構成図である。図8において、変換器制御手段としての変換器制御装置66は、振動抑制制御部61を有する。その他の構成については、図5に示した実施の形態2と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。図8の振動抑制制御部61において、無効電流Idに応じた関数fun(Id)を演算する。電力系統周波数ωは通過し直流成分が除去されるようにq軸電圧をハイパスフィルタを通過させゲイン倍した後、fun(Id)を乗じて、直流電圧振動成分ΔVdcを求め、有効電流指令値の補正値Iq2f*を演算する。直流電圧振動成分ΔVdcは−IdΔVcos(ωt+φ)/C1で近似できるが、無効電流Idが小さい領域では小さい。このため、無効電流Idが小さい領域では有効電流指令値の補正値を零か小さくしても、コンデンサの静電容量C1で十分変動が抑制できる。この関係から、fun(Id)は|Id|<Id0のときfun(Id)=(Id/Id0)、|Id|≧Id0のときはfun(Id)=−sign(Id)のように無効電流Idと関係付けられる。但し、Id0は正の所定値、sign(Id)は無効電流Idが正のとき1、負のとき−1となる符号関数である。
この実施の形態5に係る無効電力補償装置は以上のように構成されているので、電力系統事故時に変圧器励磁突入電流の影響により系統電圧に2fの振動が発生した場合においても、無効電流が大きな領域では有効電流指令値を補正して振動を抑制し、小さい領域ではコンデンサの静電容量で直流電圧振動を抑制し、安定した運転が可能となる。なお、本実施例では関数funの変数として無効電流Idを使用したが、無効電流指令値Id*を使っても同様の効果を得ることができる。
1 コンデンサ、2,202 電力変換器、3 電流検出器、4 電圧検出器、
5 変換器用変圧器、6,36,46,56,66 変換器制御装置、
7 無効電流指令値演算部、8a 有効無効電流変換部、9 無効電流制御部、
10,31,51,61 振動抑制制御部、11 有効電流制御部、
12 電圧指令値変換部、13,14,15 ゲートパルス信号生成部、
16 直流電圧検出器、17 直流電圧制御部、21,22,23,24 加減算器、
101 電力系統。

Claims (5)

  1. 電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
    上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
    上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
    上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
    上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流指令値演算部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
    上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
    上記無効電流指令値演算部は、所定の系統電圧指令値と上記系統電圧検出値とに基づいて無効電流指令演算値を演算するものであり、
    上記無効電流制御部は、上記無効電流指令演算値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
    上記振動抑制制御部は、上記無効電流指令演算値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
    上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
    上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものである
    無効電力補償装置。
  2. 電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
    上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
    上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
    上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
    上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
    上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
    上記無効電流制御部は、所定の無効電流指令値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
    上記振動抑制制御部は、上記系統電圧検出値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
    上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
    上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものであ
    効電力補償装置。
  3. 電力変換器、電圧検出手段、電流検出手段及び変換器制御手段を備えた無効電力補償装置であって、
    上記電力変換器は、電力系統に接続され直流回路の電力を変換して上記電力系統に出力電流として出力するものであり、
    上記電圧検出手段は、上記電力系統の系統電圧を系統電圧検出値として検出するものであり、
    上記電流検出手段は、上記出力電流を出力電流検出値として検出するものであり、
    上記変換器制御手段は、有効無効電流変換部と無効電流指令値演算部と無効電流制御部と振動抑制制御部と有効電流制御部と変換器制御部とを有するものであって、
    上記有効無効電流変換部は、上記出力電流検出値を上記電力系統へ出力される有効電流成分と無効電流成分とに変換するものであり、
    上記無効電流指令値演算部は、所定の系統電圧指令値と上記系統電圧検出値とに基づいて無効電流指令演算値を演算するものであり、
    上記無効電流制御部は、上記無効電流指令演算値と上記無効電流成分とに基づき第1の電圧指令値を求めるものであり、
    上記振動抑制制御部は、上記系統電圧検出値に基づいて上記直流回路の直流電圧の振動成分を求め、求めた上記振動成分に基づいて補正値を求めるものであり、
    上記有効電流制御部は、所定の有効電流指令値を上記補正値により補正した補正有効電流指令値と上記有効電流成分とに基づき第2の電圧指令値を演算するものであり、
    上記変換器制御部は、上記第1の電圧指令値と上記第2の電圧指令値とに基づいて上記電力変換器の上記出力電流を制御するものであ
    効電力補償装置。
  4. 上記直流回路の直流電圧を直流電圧検出値として検出する直流電圧検出手段を備えたものであり、
    上記変換器制御手段は、所定の直流電圧指令値と上記直流電圧検出値とに基づき有効電流指令演算値を演算する有効電流指令値演算部を有し、上記有効電流指令演算値を上記所定の有効電流指令値とするものである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無効電力補償装置。
  5. 上記直流回路は、コンデンサであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無効電力補償装置。
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