【発明の詳細な説明】
光データメモリに使用するための
シクロオレフィン(コ)ポリマーの製造法
本発明は、環状オレフィン、2個以上のC原子を有するα-オレフィン、およ
び場合によっては共役結合した、または非共役結合のジオレフィンから成る群か
らのモノマーの(共)重合化により、光データメモリに使用するためのシクロオレ
フィン(コ)ポリマーを製造する方法において、有機金属触媒として、アニオン
性シクロペンタジエニル リガンド(カルバニオン)のような2つのπ系、そし
て特に芳香族π系を含む遷移金属が錯化され、そしてこの2つの系が互いに供与
体および受容体の少なくとも1つの架橋により可逆的に結合されているπ系また
はメタロセン化合物の使用に関する。供与体原子および受容体原子の間に形成さ
れる配位結合は、供与体基に正の(部分)電荷を、そして受容体基に負の(部分
)電荷を生成する。
Δ+ Δ−
[供与体基 → 受容体基]
シクロオレフィン(コ)ポリマーは、多くの有利な特性、例えば光データメモ
リの分野での応用、特に高い記憶密度のコンパクトディスク(CD)に使用する
ための高い透明性(transparency)が特徴である。それらはさらに、良好な高熱
安定性、耐老化性、化学薬品に対する耐性、溶媒耐性、低い水の吸収、高い耐引
掻性、光の低い複屈折および高い軟化点(ガラス転移温度Tg)を有する。
メタロセンおよびそれらのオレフィン重合における触媒としての使用は、長い
間知られてきた(欧州特許出願公開第129 368号明細書、そし
て本明細書で引用する)。さらに欧州特許出願公開第'368号明細書から、メタロ
センとアルミニウム−アルキル/水との組み合わせは、エチレンを重合するため
に、共触媒として活性な系であることが知られている(すなわち、例えばメチル
アルミノキサン=MAOは、1モルのトリエチルアルミニウムおよび1モルの水
から形成される)。他の化学量論的比率も、既に成功裏に使用された(国際公開第
94/20506号明細書)。シクロペンタジエニル骨格が、架橋を介して互いに共有的
に結合しているメタロセンはすでに知られている。この分野の多数の特許および
特許出願の例では、欧州特許出願公開第704461号明細書を挙げることができるが
、その中で言及している連結基は、(置換)メチレン基またはエチレン基、シリ
レン基、(置換)シリレン基、置換ゲルミレン基または置換ホスフィン基である
。架橋化メタロセンも、欧州特許出願公開第'461号明細書ではオレフィンの重合
触媒として認識されている。この分野の多くの特許および特許出願にもかかわら
ず、ポリマー中に残存する触媒の量を低レベルに設定することができ、そしてシ
クロオレフィンの(共)重合(その製造には、メタロセンが同様に使用されてき
た:米国特許第5 567 777号明細書:欧州特許号610 852号明細書=米国特許第5
602 219号明細書;欧州特許号690 078号明細書)に同等に適するような、本質的
に高い活性を特徴とする改良された触媒に関する需要が絶えず存在する。
ここで今、特に有利な触媒を架橋化π錯体化合物、そして特にメタロセン化合
物から調製することができ、その中の2つのπ系の架橋化は1、2または3つの
可逆的な供与体−受容体結合により確立され、その各々の場合で、イオン結合に
より少なくとも外見的には重なっている配位またはいわゆる供与結合が供与体原
子と受容体原子との間で形成され、し
かも供与体または受容体原子の1つが特定の会合したπ系の一部となることがで
きることが分かった。供与体−受容体結合の可逆性はまた、DとAとの間の矢印
により確認される架橋化状態に加えて、非−架橋化状態も可能とする。使用する
本発明のπ系、例えばメタロセンは、したがって両段階を含むために、二重矢印
ならびに式の部分(Ia)および(Ib)または(XIIIa)および(XIIIb)
により記載することができる。
したがって本発明は、環状オレフィン、2個以上のC原子を有するα−オレフ
ィンおよび場合によっては共役結合した、または非共役結合のジオレフィンから
成る群からのモノマーを、ガス、バルク、溶液またはスラリー相で、−78〜+20
0℃にて、0.5〜70バール下で、共触媒により活性化され得る有機金属触媒の存在
中で、(共)重合することにより、光データメモリ用に使用するためのシクロオ
レフィン(コ)ポリマーを製造する方法に関し、この方法は、有機金属触媒として
式
式中、
CapIおよびCapIIは、シクロペンタジエニルを含有する構造を有する2つの同一
または異なるカルバニオンであり、ここで1ないしすべてのH原子は、ハロゲン
によりモノ−ないし全置換、フェニルによりモノないしトリ置換、またはビニル
によりモノないしトリ置換され得る直鎖もしくは分枝C1−C20-アルキル、C6
−C12-アリール、6〜12
個のC原子を有するハロゲノアリール、シリル、トリメチルシリルもしくはフェ
ロセニルのような有機金属置換基から成る群からの同一または異なる基により置
き換わることができ、しかも1または2個がDまたはAにより置き換わることが
でき、
Dは、供与体原子を示し、これはさらに置換基を持つことができ、そしてその特
定の結合状態では少なくとも1つの自由電子対を有し、
Aは、受容体原子を示し、これはさらに置換基を持つことができ、そしてその特
定の結合状態では電子対ギャップを有し、
ここでDおよびAは、供与体基が正の(部分)電荷を帯び、そして受容体基が負
の(部分)電荷を帯びるような可逆的な配位結合により連結されており、
Mは、元素周期表(メンデレーフ)の亜群III、IV、VまたはVIの遷移金属を表
し、ランタニド系およびアクチニド系を含み、
Xは、アニオン等価体を示し、そして
nは、Mの荷電に応じて0、1、2、3または4の数を示す、
のメタロセン化合物、あるいはπ錯体化合物、そして特に式式中、
πIおよびπIIは、1または2つの不飽和または飽和の5−または6−員環に融
合することができる異なる荷電または電気的に中性のπ系
を表し、
Dは、供与体原子を示し、これはπIの置換基またはπIのπ系の一部であり、
そしてその特定の結合状態で少なくとも1つの自由電子対を有し、
Aは、受容体原子を示し、これはπIIの置換基またはπIIのπ系の一部であり、
そしてその特定の結合状態で電子対ギャップを有し、
ここでDおよびAは、供与体基が正の(部分)電荷を帯び、そして受容体基が負
の(部分)電荷を帯びるような可逆的な配位結合により連結されており、そして
DおよびAの少なくとも1つが、特定の会合したπ系の一部であり、
ここでDおよびAは、次に置換基を持つことができ、
ここで各π系および各々の融合した環系は、1つ以上のDまたはAまたはDおよ
びAを含むことができ、
ここで、非融合状態または融合した状態のπIおよびπIIでは、π系の1ないし
全てのH原子は、互いに独立して、ハロゲンによりモノ−ないし全置換、フェニ
ルによりモノないしトリ置換、またはビニルによりモノないしトリ置換され得る
直鎖もしくは分枝C1−C20-アルキル、C6−C12-アリール、6〜12個のC原子
を有するハロゲノアリール、シリル、トリメチルシリルもしくはフェロセニルの
ような有機金属置換基から成る群からの同一または異なる基により置換されるこ
とができ、あるいは1または2個がDおよびAにより置き換わることができるの
で、可逆的なD→A結合が(i)DおよびAの間に形成され、これは特定のπ系
または融合環系の両部分であるか、あるいは(ii)そのDまたはAが(一方また
は両方)が、π系または融合環系
の一部であり、しかも各々の場合で他方が(一方または両方)非融合π系または
融合環系の置換基であり、
MおよびXは、上記意味を有し、そして
nは、Mの荷電およびπIおよびπIIの荷電に応じて0、1、2、3または4の
数を示す、
のメタロセン化合物を使用することを含んで成る。
本発明のπ系は、置換または非置換エチレン、アリル、ペンタジエニル、ベン
ジル、ブタジエン、ベンゼン、シクロペンタジエニルアニオンおよび少なくとも
1つのC原子をヘテロ原子で置き換えることにより生じた種である。言及した種
類の中でも、環式種が好適である。そのようなリガンド(π系)の金属に対する
配位の性質は、σ型またはπ型であることができる。
本発明に使用されるそのような式(I)のメタロセン化合物は、各々の場合で
式(II)および(III)
の化合物、
あるいは、各々の場合で、式(IV)および(V)
の化合物、
あるいは、各々の場合で、式(VI)および(VII)の化合物(M’Xは脱離)を、非プロトン性溶媒の存在中で互いに反応させるこ
とにより、あるいは各々の場合で、式(VIII)および(III)
の化合物、
あるいは各々の場合で、式(IV)および(IX)
の化合物、
あるいは各々の場合で、式(X)および(VII)
の化合物[E(R1R2R3)XおよびF(R4R5R6)Xは脱離]を、非プロトン
性溶媒の不在または存在下で互いに反応させることにより製造することができ、
式中、
CpI、CpII、D、A、M、Xおよびnは上記意味を有し、
CpIIIおよびCpIVは、シクロペンタジエン含有構造を有する2つの同一また
は異なる非−荷電分子部分を表すが、そうでなければCpIおよびCpIIと同じ
であり、
M’は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはTlの1カチオン等価体を
示し、
EおよびFは互いに独立して、元素Si、GeまたはSnの1つを示し、そして
R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して直鎖もしくは分枝C1−
C20-アルキル、C6−C12-アリールおよびC1−C6-アルキル-C6−C12-アリ
ールおよびC6−C12-アリール-C1−C6-アルキル、ビニル、アルキルまたはハ
ロゲンを表し、
そして、さらに式(VIII)、(IX)および(X)において、水素はE(R1R2R3
)およびF(R4R5R6)に置き換えることができ、そしてこの場合はXもR2
Nθ型のアミドアニオンまたはR3Cθ型のカルバニオンまたはROθ型のアル
コールアニオンを表すことができ、そしてさらに、式(II)または(VIII)の化
合物を、式(VII)の遷移金属化合物と、式(V)または(IX)の化合物の存在
中で直接反応させることが可能である。2つのアニオンXは、もし適当ならば単
一または多−原子架橋の挿入を用いて、さらにジアニオンに結合することができ
る。
最後に述べた変更法の場合には、(VIII)と(III)または(IV)と(IX)ま
たは(X)と(VII)の反応において、構造(I)は、アミンR2NHまたはR2
NE(R1R2R3)またはR2NF(R4R5R6)、あるいは式R3CHまたはR3
CE(R1R2R3)またはR3CF(R4R5R6)の炭化水素化合物、あるいはエ
ーテルROE(R1R2R3)またはROF(R4R5R6)の脱離を形成し、式中、
有機基Rは、同一または異なり、そして互いに独立して、C1−C20-アルキル、
C6−C12-アリール、置換もしくは非置換アリル、ベンジルまたは水素である。
脱離するアミンまたは炭化水素、エーテル、シラン、スタンナンまたはゲルマン
の例は、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-(n-プロピル)アミン、ジ-
(イソプロピル)アミン、ジ-(tert-ブチル)アミン、tert-ブチルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、アニリン、メチルフェニルアミン、ジ-(アリル)アミンまたは
メタン、トルエン、トリメチルシリルアミン、トリメチルシリルエーテル、テト
ラメチルシラン等である。
式(II)または(VIII)の化合物を、式(VII)の遷移金属化合物と、式(V
)または(IX)の化合物の存在中で直接反応させることも可能である。
π系が環式および芳香族(メタロセン)である式(XIII)のπ錯体化合物は
、したがって以下の化合物を使用して同様に製造することができる:
開−鎖π錯体化合物は、供与体および受容体基を取り込んで、当業者に周知な
手法により製造することができる。
本発明に従い、反応はガス、バルク、溶液またはスラリー相で、−78〜+200
℃、好ましくは−50〜+150℃、特に好ましくは−30〜+100℃で、0.5〜70バー
ル、好ましくは1〜50バール、特に好ましくは1〜20バール下にて、飽和もしく
は芳香族炭化水素、または飽和もしくは芳香族ハロゲノ炭化水素の存在または不
在中、ならびに水素の存在または不在中で、触媒としてメタロセン化合物または
π錯体化合物を、1モルのメタロセン化合物またはπ錯体化合物あたり101〜101 2
モル量の総モノマー中で行い、そしてさらに反応をルイス酸、ブレンステッド
酸またはピアーソン酸(Pearson acid)の存在中、またはさらにルイス塩基の存在
中で行うことも可能である。
そのようなルイスは、例えばアルミニウム−アルキル、ハロゲン化アルミニウ
ム、アルミニウムアルコラート、有機ホウ素化合物、ハロゲン化ホウ素、硼酸エ
ステルのようなボランまたはアラン、あるいはハロゲン化物およびアルキルの両
方、またはアリールまたはアルコラート置換基を含むホウ素またはアルミニウム
の化合物、ならびにそれらの混合物、またはトリフェニルメチルカチオンである
。アルミノキサンまたはアルミニウム−含有ルイス酸と水との混合物が特に好適
である。現在の知識に従い、すべての酸はメタロセニウムカチオンを形成するイ
オン化剤として作用し、その荷電は、嵩高く弱い配位アニオンにより相殺されて
いる。
本発明に従い、そのようなイオン化剤と式(I)または(XIII)のメタロセ
ン化合物との反応生成物をさらに使用することができる。
それらは式(XIa)ないし(XId)により説明することができる。 式中、
Anionは、全体として嵩高い、弱く配位しているアニオンを表し、そしてBase
はルイス塩基を表す。
本発明に使用できる式(I)および(XIII)のメタロセン化合物は、モノマ
ー、ダイマーまたはオリゴマー状で存在することができる。
弱く配位しているアニオンの例は、例えば、
またはトシレートもしくはトリフラートのようなスルホネート、テトラフルオロ
ボレート、ヘキサフルオロホスフェートもしくはヘキサフルオロアンチモネート
、ペルクロレートおよびカルボラン型の嵩高いクラスター分子アニオン、例えば
C2B9H12 θまたはCB11H12 θである。もしそのようなアニオンが存在すると
、メタロセン化合物はアルミノキサンが不在でも高度に活性な重合化触媒として
も作用することができる。これはとりわけ、1つのXリガンドがアルキル基、ア
リルまたはベンジルを表す場合である。しかしそのような嵩高いアニオンを含む
メタロセン錯体を、
(CH3)3Al、C2H5)3Al、(n-/i-プロピル)3Al、(n-/t-ブチル)3Al、(i-ブチル)3Al
、異性体ペンチル、ヘキシルもしくはオクチルアルミニウム-アルキル、または
メチル-Li、ベンジル-Liもしくはブチル-Liのような
リチウム-アルキル、またはグリニャール化合物のような対応するオルガノ-Mg化
合物、またはオルガノ-Zn化合物と組み合わせて使用することも有利である。そ
のような金属−アルキルは、一方でアルキル基を中心金属に転移し、そして他方
では水または触媒毒を重合化反応中に反応媒質またはモノマーからトラップする
。記載した種類の金属−アルキルは、有利なことには例えば必要なアルミノキサ
ンの量を減少させるために、アルミノキサン共触媒と組み合わせて使用すること
もできる。使用する時、導入するそのようなアニオンと共に使用するホウ素化合
物の例は:
トリエチルアンモニウム テトラフェニルボレート、
トリプロピルアンモニウム テトラフェニルボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム テトラフェニルボレート、
トリ(t-ブチル)アンモニウム テトラフェニルボレート、
N,N-ジメチルアニリニウム テトラフェニルボレート、
N,N-ジエチルアニリニウム テトラフェニルボレート、
N,N-ジメチル(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、
トリメチルアンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ
エチルアンモニウムテトラキス(ぺンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ト
リ(sec-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N
-ジメチル(2,4,5-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル
)ボレート、
トリメチルアンモニウム テトラキス(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレー
ト、
トリエチルアンモニウム テトラキス(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレー
ト、
トリプロピルアンモニウム トラキス(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレー
ト、
トリ(n-ブチル)アンモニウム テトラキス(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボ
レート、
ジメチル(t-ブチル)アンモニウム テトラキス(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル
)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレ
ート、
N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレ
ート、および
N,N-ジメチル(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(2,3,4,6-テトラフル
オロフェニル)ボレート;
ジ(i-プロピル)アンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
および
ジシクロヘキシルアンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレートのようなジアルキルアンモニウム塩;
トリフェニルホスホニウム テトラキス(ぺンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(o-トリル)ホスホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
および
トリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル
)ボレートのようなトリ-置換ホスホニウム塩;
トリトリルメチル テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルメチルテトラフェニルボレート(トリチル テトラフェニルボレート
)、
トリチル テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
四弗化硼酸銀、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび
トリス(トリフルオロメチル)ボラン。
本発明に従い使用するメタロセン化合物およびπ錯体化合物は、(共)重合化
のための純粋な物質として単離された状態で使用することができる。しかし当業
者には周知な様式で、それらを(共)重合反応槽中のその場で生成し、そして使
用することも可能である。
シクロペンタジエニル骨格を有する第1および第2カルバニオンCpIおよび
CpIIは、同一または異なることができる。シクロペンタジエニル骨格は、例え
ばシクロペンタジエン、置換シクロペンタジエン、インデン、置換インデン、フ
ルオレンおよび置換フルオレンから成る群からのものであることができる。シク
ロペンタジエンまたは融合ベンゼン環あたり1〜4個の置換基が存在してよい。
これらの置換基は、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソ−ブチル、ヘキシル、オク
チル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルまたはエイコシルのよう
なC1−C20-アルキル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシまたはイソ−ブトキシ、ヘキソキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ド
デシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシ、エイコシルオキシの
ようなC1−C20-アルコキシ、フッ素、塩素または臭素のようなハロゲン、フェ
ニルのようなC6−C12-アリール、トリル、エチルフェニル(i-)プロピルフェニ
ル、(i-、tert-)ブチルフェニルまたはキシリルのようなC1−C4-アルキルフェ
ニル、フルオロ-、クロロ-またはブロモフェニル、ナフチルもしくはビフェニリ
ルのようなハロゲノフェニル、トリメチルシリル(TMS)、フェロセニルおよび上
記定義のようなDまたはAのようなトリオルガニル−シリルであることができる
。融合芳香族環は、さらに一部または完全に水素化されて、唯一の二重結合は融
合環およびシクロペンタジエン環の両方が残る部分を有することができる。イン
デンまたはフルオレンのようなベンゼン環は、さらに1または2つの融合ベンゼ
ン環を有することができる。さらにまたシクロペンタジエンまたはシクロペンタ
ジエニル環、および融合ベンゼン環は、さらに融合したベンゼン環を一緒に含む
ことができる。
シクロペンタジエン骨格は、それらのアニオン状態で、遷移金属用の優れたリ
ガンドであり、述べたような場合によっては置換されてもよい形態の各シクロペ
ンタジエニルカルバニオンは、錯体中の中心金属の正電荷を相殺する。そのよう
なカルバニオンの個々の例は、シクロペンタジエニル、メチルシクロペンタジエ
ニル、1,2-ジメチル-シクロペンタ
ジエニル、1,3-ジメチル-シクロペンタジエニル、インデニル、フェニルインデ
ニル、1,2-ジエチル-シクロペンタジエニル、テトラメチル-シクロペンタジエニ
ル、エチル-シクロペンタジエニル、n-ブチル-シクロペンタジエニル、n-オクチ
ル-シクロペンタジエニル、β-フェニルプロピル-シクロペンタジエニル、テト
ラヒドロインデニル、プロピル−シクロペンタジエニル、t-ブチル-シクロペン
タジエニル、ベンジル-シクロペンタジエニル、ジフェニルメチル-シクロペンタ
ジエニル、トリメチルゲルミル-シクロペンタジエニル、トリメチルスタンニル-
シクロペンタジエニル、トリフルオロメチル-シクロペンタジエニル、トリメチ
ルシリル-シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、フルオ
レニル、テトラヒドロ-およびオクタヒドロ-フルオレニル、6-員環上にベンゾ-
融合したフルオレニルおよびインデニル、N,N-ジメチルアミノ-シクロペンタジ
エニル、ジメチルホスフィノ-シクロペンタジエニル、メトキシ−シクロペンタ
ジエニル、ジメチルボラニル−シクロペンタジエニルおよび(N,N-ジメチルアミ
ノメチル)-シクロペンタジエニルである。
必ず存在するDとAとの間の第1供与体−受容体結合に加えて、もしさらにD
および/またはAが特定のシクロペンタジエン系の置換基または置換基またはπ
系の一部分として存在するならば、さらなる供与体−受容体結合が形成され得る
。すべての供与体−受容体結合は、上記の可逆性が特徴である。数個のDおよび
Aの場合には、これらはこのように述べた種々の位置を占めることができる。し
たがって本発明は、架橋化された分子状態(Ia)および(XIIIa)、ならび
に非−架橋化状態(Ib)および(XIIIb)の両方に関連する。D基の数は、
A基の数と同一
または異なることができる。好ましくはCpIおよびCpIIまたはπIおよびπ
IIは唯一の供与体−受容体架橋を介して連結されている。
本発明のD/A架橋に加えて、共有架橋も存在することができる。この場合、
D/A架橋は、触媒のステレオリジディティ(stereorigidity)および熱安定性を
強める。D/A結合の開閉を変化させることにより、種々の化学組成のコポリマ
ーの場合で序列ポリマーを得ることができる。
π錯体化合物は、同様に、供与体原子(1つまたは複数)Dと受容体原子(1
つまたは複数)Aとの間の少なくとも1つの配位結合の存在が特徴である。ここ
でDおよびAの両方が、それらの特定のπ系のπIおよびπIIの置換基、または
π系の一部であることができるが、常に少なくとも1つのDおよびAはπ系の一
部である。ここでπ系は全π系を意味すると考えられ、これは場合によっては1
または2回、融合されてもよい。これから以下の態様が生じる:
−Dはπ系の一部であり、Aはπ系の置換基である;
−Dはπ系の置換基であり、Aはπ系の一部である;
−DおよびAが、それらの特定のπ系の一部である。
DまたはAが環系の一部である以下の複素環式環系を例として挙げることがで
きる:
垂要な複素環式環系は、(a)、(b)、(c)、(d)、(g)、(m)、
(n)および(o)と表示した系であり;(a)、(b)、(c)および(m)
と表示したものが特に重要である。
DおよびAの1つが、会合している環系の置換基の場合、環系は電荷を持つ、
または持たない3−、4−、5−、6−、7−または8−員であり、そしてさら
に記載した様式で置換されるか、かつ/または融合されることができる。5−お
よび6−員の環系が好適である。負に荷電したジクロペンタジエニル系が特に好
適である。
第1および第2π系、πIおよびπIIはそれぞれ、もし環系として形成される
ならば、DおよびAの1つが環系の置換基である場合に、CpIおよびCpIIに
それぞれ対応することができる。
中でも可能な供与体基は、供与体原子Dが元素の周期表(メンデレーフ)の主
族5、6または7、好ましくは5または6の元素であり、しか
も少なくとも1つの自由電子対を有し、そして主族5の元素の場合には供与体原
子は置換基と結合状態であり、そして主族6の元素の場合にはそのような状態で
あることができ;主族7の供与体原子は、置換基をもたない。これは以下のよう
に、供与体原子としてリンP、酸素Oおよび塩素C1の例により説明され、ここ
で“subst”は、述べたそれらの置換基を表し、そして“-Cp”はシクロペンタジ
エニル含有カルバニオンとの結合を表し、矢印を含む直線は、式(I)に与えら
れる配位結合の意味を有し、そして他の直線は存在する電子対を示す;
中でも可能な受容体基は、中の受容体原子Aが、ホウ素、アルミニウム、ガリ
ウム、インジウムおよびタリウムのような元素の周期表(メンデレーフ)の主族
3からの元素であり、置換基と結合状態であり、そして電子ギャップを有する。
DおよびAは、配位結合により連結され、ここでDは正の(部分)電荷を帯び
、そしてAは負の(部分)電荷を帯びている。
したがって、供与体原子Dと供与体基との間、ならびに受容体原子Aと受容体
基との間の識別がなされる。配位結合D→Aは、供与体原子Dと受容体原子Aと
の間に確立される。供与体基は、供与体原子Dの単位を示し、置換基が場合によ
っては存在し、そして電子対が存在し;受容体基は対応して受容体原子Aの単位
を示し、置換基および電子ギャップが存在する。
供与体原子または受容体原子とシクロペンタジエニルを含有するカル
バニオンとの間の結合は、D−スペーサーCpまたはA−スペーサーCpの関係
でスペーサー基により中断されることができる。上記の第3の式の例において、
=C(R)−はOとCpとの間のそのようなスペーサーを表す。そのようなスペ
ーサー基は、例えば:
ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジ-n-プロピルシリル、ジイソプロピルシリ
ル、ジ-n-ブチルシリル、ジ-t-ブチルシリル、ジ-n-ヘキシルシリル、メチルフ
ェニルシリル、エチルメチルシリル、ジフェニルシリル、ジ-(p-t-ブチルフェニ
ルシリル)、n-ヘキシルメチルシリル、シクロペンタメチレンシリル、シクロテ
トラメチレンシリル、シクロトリメチレンシリル、ジメチルゲルマニル、ジエチ
ルゲルマニル、フェニルアミノ、t-ブチルアミノ、メチルアミノ、t-ブチルホス
フィノ、エチルホスフィノ、フェニルホスフィノ、メチレン、ジメチルメチレン
、(i-プロピリデン)、ジエチルメチレン、エチレン、ジメチルエチレン、ジエチ
ルエチレン、ジプロピルエチレン、プロピレン、ジメチルプロピレン、ジエチル
プロピレン、1,1-ジメチル-3,3-ジメチルプロピレン、テトラメチルジシロキサ
ン、1,1,4,4-テトラメチルジシリルエチレン、ジフェニルメチレンである。
DおよびAは好ましくは、シクロペンタジエニルを含有するカルバニオンにス
ペーサー無しで結合している。
DおよびAは互いに独立して、シクロペンタジエン(もしくは−ジエニル)環
上、または融合したベンゼン環上、またはそれぞれCpIおよびCpII、または
それぞれπIおよびπIIの別の置換基上に存在することができる。数個のDおよ
びAの場合は、これらは述べた種々の位置を占めることができる。
供与体原子N、P、As、Sb、Bi、O、S、SeおよびTe上の、ならび
に受容体原子B、Al、Ga、InおよびTl上の置換基は、例えば:メチル、
エチル、プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、ブチル、i-ブチル、tert-ブ
チル、シクロブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シ
クロヘキシルおよび異性体ヘプチル、オクチル、ノニル、ウンデシルおよびドデ
シルのようなC1−C12(シクロ)アルキル;これらに対応するC1−C12-アル
コキシ基;ビニル、ブテニルおよびアリル;ハロゲン、1もしくは2個のC1−
C4-アルキル基、C1−C4-アルコキシ基、ニトロもしくはハロゲノアルキル基
、C1−C6-アルキル-カルボキシル、C1−C6-アルキル-カルボニルまたはシア
ノにより置換されることができるフェニル、ナフチルもしくはビフェニリルおよ
びベンジルのようなC6−C12-アリール(例えばペルフルオロフェニル、m,m'-ビ
ス(トリフルオロメチル)-フェニルおよび当業者に周知な置換基);同族のアリー
ルオキシ基;インデニル;F、Cl、BrおよびIのようなハロゲン、1-チエ
ニル、(C1−C12-アルキル)2アミノ、およびジフェニルアミノのような二置
換アミノ、トリス-(C1−C12-アルキル)-シリル、NaSO3-フェニルおよびNaSO3
−トリルのようなNaSO3-アリール、およびC6H5-C≡C-;脂肪族および芳香族
C1−C20-シリル、そのアルキル置換基は、上記に述べたものに加えて、オクチ
ル、デシル、ドデシル、ステアリルまたはエイコシルであることができ、そして
そのアリール置換基は、フェニル、トリル、キシリル、ナフチルまたはビフェニ
リルであることができ;そして供与体原子または受容体原子に、-CH2-を介し
て結合しているこのような置換シリル基は、例えば(CH3)3SiCH2−;ならびに(C1
−C12−アルキル)(フェニル)アミ
ノ、(C1−C12-アルキルフェニル)2アミノ、上記アリール基を含むC6−C12-
アリールオキシ、C1−C8-ペルフルオロアルキルおよびペルフルオロフェニル
である。好適な置換基は:C1−C6-アルキル、C5−C6-シクロアルキル、フェ
ニル、トリル、C1−C6-アルコキシ、C6−C12-アリールオキシ、ビニル、ア
リル、ベンジル、ペルフルオロフェニル、F、Cl、Br、ジ-(C1−C6-アル
キル)-アミノおよびジフェニルアミノである。
供与体基は、中の自由電子対がN、P、AS、Sb、Bi、O、S、Se、T
e、F、Cl、BrおよびI上に位置し;中でもN、P、OおよびSが好適であ
る。挙げることができる供与体基の例は:(CH3)2N-、(C2H5)2N-、(C3H7)2N-、(C4
H9)2N-、(C6H5)2N-、(CH3)2P-、(C2H5)2P-、(C3H7)2P-、(i-C3H7)2P-、(C4H9)2
P-、(t-C4H9)2P-、(シクロヘキシル)2P-、(C6H5)2P-、CH3O-、CH3S-、C6H5S-
、-C(C6H5)=O、-C(CH3)=O、-OSi(CH3)3および-OSi(CH3)2-t-ブチルであり、式中
、NおよびPはそれぞれ自由電子対を運び、そしてOおよびSはそれぞれ2つの
自由電子対を運び、そして述べた最後の2つの例の場合は、二重結合酸素は、ス
ペーサー基を介して結合し、そしてピロリドン環のような系は、環の員がN以外
の場合、スペーサーとしても作用する。
受容体基は、電子対ギャップがB、Al、Ga、InまたはTl、好ましくは
BまたはAl上に存在し;挙げることができる例は、(CH3)2B-、(C2H5)2B-、H2B
-、(C6H5)2B-、(CH3)(C6H5)2B-、(ビニル)2B-、(ベンジル)2B-、Cl2B-、(CH3O)2
B-、Cl2Al-、(CH3)Al-、(i-C4H9)2Al-、(Cl)(C2H5)2Al-、(CH3)2Ga-、(C3H7)2Ga
-、((CH3)3Si-CH2)2Ga-、(ビニル)2Ga-、(C6H5)2Ga-、(CH3)2In-、((CH3)3Si-CH2
)2In-、(シクロペンタジ
エニル)2In-である。
キラル中心を含むか、または中の2つの置換基がDまたはA原子と環を形成す
る供与体および受容体基もさらに可能である。これらの例は、例えば:
CpIとCpIIとの間の好適な供与体一受容体架橋は、例えば次の通りである
:
1つまたは両方のπ系、πIおよび/またはπIIは、複素環式環として上記環
系(a)〜(r)の状態で存在することができる。ここでDは好ましくは、元素
周期表(メンデレーフ)の主族5または6の元素であり;ここでAは、好ましく
はホウ素である。そのようなヘテロ−π系の幾つかの例、特に複素環式化合物は
:RおよびR'=H、アルキル、アリールまたはアラルキル、例えばメチル、エチ
ル、t-ブチル、フェニルまたはo,o'-ジ-(i-プロピル)-フェニルである。
複素環式基の例は:ピロリル、メチルピロリル、ジメチルピロリル、トリメチ
ルピロリル、テトラメチルピロリル、t-ブチルピロリル、ジ-t-ブチルピロリル
、インドリル、メチルインドリル、ジメチルインドリル、t-ブチルインドリル、
ジ-t-ブチルインドリル、テトラメチルホスホリル、テトラフェニルホスホリル
、トリフェニルホスホリル、トリメチルホスホリル、ホスファインデニル、ジベ
ンゾホスホリル(ホスファフルオレニル)およびジベンゾピロリルである。
πIとπIIとの間の好適な供与体−受容体架橋は、例えば以下のものである:
N→B、N→Al、P→B、P→Al、O→B、O→Al、Cl→B、Cl→A
l、C=O→BおよびC=O→Al、ここでこれら供与体−受容体架橋の両原子
がヘテロ−π系の一部となるか、1つの原子(供与体または受容体)がπ系の一
部であり、他の1つが第2のπ系の置換基であるか、あるいは両方の原子がそれ
らの特定の環の置換基であり、そして環の1つはさらにヘテロ原子を含むことが
できる。
上記の記載に従い、2つのリガンド系πIおよびπIIは、1、2また
は3個の供与体−受容体架橋により連結され得る。これは本発明に従い、式(I
a)が記載したD→A架橋を含むが、リガンド系πIおよびπIIはさらにDおよ
びAを、置換基またはヘテロπ中心として持つことができるので可能となり、生
成するさらなるD→A架橋の数は、0、1または2である。πIおよびπII上の
DおよびA置換基の数は、それぞれ同一または異なることができる。この2つの
リガンド系πIおよびπIIは、さらに共有的に結合することもできる(共有架橋
の例は、スペーサー基として上記に記載されている)。しかし共有架橋を持たな
い化合物(中のπIおよびπIIはしたがって、供与体−受容体架橋を介してのみ
連結している)が好適である。
Mは、元素周期表(メンデレーフ)の亜族3、4、5または6からの遷移金属
を表し、ランタニド系およびアクチニド系を含み;挙げることができるその例は
;Sc、Y、La、Sm、Nd、Lu、Ti、Zr、Hf、Th、V、Nb、T
aおよびCrである。Ti、Zr、Hf、V、NbおよびTaが好適である。
メタロセン構造またはπ錯体構造の形成において、各々の場合で遷移金属Mの
正電荷は、各々の場合でシクロペンタジエニルを含有するカルバニオンにより相
殺される。中心原子M上に残る正電荷は、さらに通常は一価のアニオンX、互い
に連結することもできる(ジアニオンxx)2つの同一または異なるアニオン、
例えば同一もしくは異なる直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和の炭化水素、
アミン、ホスフィン、チオアルコール、アルコールまたはフェノールからの一価
の、または二価の負の基により満たされる。Cr3 -、NR2 -、PR2 -、OR-、
SR-等の単純なアニオンは、飽和もしくは不飽和の炭化水素により、またはシ
ラ
ン架橋により結合され、ジアニオンが形成され、そして架橋原子の数が0、1、
2、3、4、5または6となることが可能であり、0〜4個の架橋原子が好まし
く、そして1または2個の架橋原子が特に好ましい。この架橋原子は、H原子に
加えて、さらに炭化水素置換基Rを持つことができる。単純アニオン間の架橋の
例は例えば、-CH2-、-CH2-CH2-、-(CH2)3-、CH=CH、-(CH=CH)2-、-CH=CH-CH2-、
CH2-CH=CH-CH2-、-Si(CH3)2-およびC(CH3)2-である。Xの例は:ハイドライド、
クロライド、メチル、エチル、フェニル、フルオライド、ブロミド、ヨージド、
n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、アミル基、i-アミル基、ヘキシル基
、i-ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノ、メチルエチルアミン、ジ-t-ブチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジフ
ェニルホスフィノ、ジシクロヘキシルホスフィノ、ジメチルホスフィノ、メチリ
デン、エチリデン、プロピリデンおよびエチレングリコールジアニオンである。
ジアニオンの例は、1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエンジイル、3-メチル-1,3-ペン
タジエンジイル、1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエンジイル、2,4-ヘキサジエンジ
イル、1,3-ペンタジエンジイル、1,4-ジトリル-1,3-ブタジエンジイル、1,4-ビ
ス(トリメチルシリル)-1,3-ブタジエンジイルおよび1,3-ブタジエンジイルであ
る。1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエンジイル、1,3-ペンタジエンジイル、1,4-ジ
ベンジル-1,3-ブタジエンジイル、2,4-ヘキサジエンジイル、3-メチル-1,3-ペン
タジエンジイル、1,4-ジトリル-1,3-ブタジエンジイルおよび1,4-ビス(トリメチ
ルシリル)-1,3-ブタジエンジイルが特に好適である。さらなるジアニオンの例は
、ヘテロ原子を含む
もの、たとえは構造
式中、架橋は上記意味を有する、
である。上記に述べた種類の弱く配位結合するか、または配位結合していないア
ニオンは、電荷を相殺するためにさらに特に好ましい。
そのような嵩高いアニオンによる活性化は、例えばD/A−π錯体化合物、特
にD/A−メタロセンと、トリス(ペンタフルオロフェニル)-ボラン、トリフ
ェニルボラン、トリフェニルアルミニウム、トリチルテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)-ボレートまたはN,N-ジアルキルフェニルアンモニウム テトラキス(
ペンタフルオロフェニル)-ボレートあるいは対応するボレートのホスホニウムま
たはスルホニウム塩、あるいはボレートのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属、タリウムまたは銀塩、カルボラン、トシレート、トリフレート、トリフルオ
ロ酢酸のようなペルフルオロカルボキシレート、あるいは対応する酸との反応に
より成される。アニオン等価体Xがアルキル、アリル、アリールまたはベンジル
基を表すD/Aメタロセンは、ここで好ましく使用される。そのような誘導体は
、アルミニウム−アルキル、有機リチウム化合物またはグリニャール化合物また
は亜鉛もしくは鉛−アルキルとの反応前に、D/Aメタロセンを他のアニオン等
価体(X=F、Cl、Br、OR等のような)と反応させることにより、その場
で調製することができる。それらから得られる反応生成物は、予め単離せずに上
記ボランまたはボレートを用いて活性化することができる。
指数nは、Mの電荷に依存して、値0、1、2、3または4、好まし
くは0、1または2と想定する。上記亜群の金属は、とりわけそれらが属する亜
群に依存して実際に2〜6、好ましくは2〜4の原子価/電荷であることができ
、それぞれの場合でこれら原子価/電荷の2つは、メタロセン化合物のカルバニ
オンにより相殺されている。したがってLa3+の場合は、指数nは1の値と想定
され、そしてZr4+の場合は2の値と想定され;Sm2+の場合はnはゼロである
。
式(I)のメタロセン化合物を製造するために、上記式(II)および(III)
の化合物の各々の場合、あるいは上記式(IV)および(V)の化合物の各々の場
合、あるいは上記式(VI)および(VII)の化合物の各々の場合、あるいは上記
式(VIII)および(III)の化合物の各々の場合、あるいは上記式(IV)および
(IX)の化合物の各々の場合、あるいは上記式(X)および(VII)の化合物の
各々の場合で互いに、脱離または分離しているアルカリ金属−X、アルカリ土類
金属−X2、シリル−X、ゲルミル−X、スタンニル−XまたはHX化合物を用
いて、非プロトン性溶媒中で−78℃〜+120℃の温度、好ましくは−40℃〜+70
℃の温度で、(II):(III)または(IV):(V)または(VI):(VII)また
は(VIII):(III)または(IV):(IX)または(X):(VII)のモル比を1
:0.5〜2、好ましくは1:0.8〜1.2、特に好ましくは1:1で反応させる。
(VIII)と(III)、または(IV)と(IX)、または(X)と(VII)の反応の場
合には、(VIII)、(IX)または(X)が反応条件下で液体ならば、非プロトン
性溶媒を省くことも可能である。脱離または分離しているそのような化合物の例
は:TlCl、LiCl、LiBr、LiF、LiI、NaCl、NaBr、KCl、KF、MgCl2、MgBr2、CaCl2
、CaF2、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリ(n-ブチル)-
クロロシラン、トリフェニルク
ロロシラン、トリメチルクロロゲルマン、トリメチルクロロスタンナン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンおよび上記の置換パターンから当業
者により確認できる他の化合物である。
式(II)および(IV)の化合物は、このようにシクロペンタジエニル骨格を有
するか、または複素環式環の員として共有結合しているか、または取り込まれて
おり、しかもD/A架橋形成のために使用される1−3個の供与体基を含む複素
環式骨格を有するカルバニオンであり、そしてシクロペンタジエニル骨格の負電
荷に対する対イオンとしてカチオンを含む。式(VIII)の化合物は、同様にD/
A架橋形成のために使用される1−3個の供与体基を持つ非−荷電の環式骨格で
あるが、シリル、ゲルミルまたはスタンニル基または水素のような容易に分離す
る脱離基E(R1R2R3)をイオン性基の代わりに有することができる。
本発明に使用されるメタロセン化合物を形成するための第2成分、すなわち式
(III)または(V)の化合物は同様に、式(II)または(IV)の化合物のシク
ロペンタジエニル骨格と同じか、またはこれとは異なるシクロペンタジエニル骨
格を有するカルバニオンであるが、供与体基の代わりに1−3個の受容体基を持
つ。対応する様式で、式(IV)の化合物は、1−3個の受容体基および同様に容
易に分離し得る脱離基F(R4R5R6)を有する非荷電シクロペンタジエニル骨
格である。
全く類似の様式で、式(VI)または(X)の化合物は、カルバニオン−対−カ
チオン化合物である形成されたD→A結合、または全体で可能な1〜3D→結合
を含む非荷電シクロペンタジエン構造を有し、式(VII)の化合物との反応によ
りメタロセン化合物(I)を与える出発物質である。
製造法の2つの出発物質、すなわち(II)および(III)、または(IV)およ
び(V)、または(VI)および(VII)、または(VIII)および(III)、または
(IV)および(IX)、または(X)および(VII)を一緒に自然に反応させると
、M'XまたはE(R1R2R3)またはF(R4R5R6)の脱離と同時に供与体−
受容体基D→A−の形成、または金属カチオンMが錯化する。供与体−受容体基
の記載において、DおよびA上の置換基は、簡明にするために省略した。
M'は、Li、Na、K、1/2Mg、1/2C、1/2Sr、1/2Baまたはタリウムのよ
うなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の1カチオン等価体である。
式(XIIIa+b)の化合物は、上記様式に準じて製造できる。
製造法の溶媒は、脂肪族および芳香族炭化水素、または脂肪族および芳香族ハ
ロゲノ炭化水素のような非プロトン性、極性または非極性溶媒である。当業者に
は周知な他の非プロトン性溶媒も本質的には可能であるが、より簡単な処理のた
めに、沸点が高すぎるものは好ましくない。典型的な例は:n-ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、クロロベ
ンゼン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびエチレン
グリコールジメチルエーテルである。
式(II)、(III)、(IV)および(V)の出発物質は、技術文献から公知の
方法またはそれに準じて製造することができる。例えばJ.of Organometallic Ch
em(1971),29,227と同様に、トリメチルシリル−シクロペンタジエン(これは市
販されている)を、最初にブチル−リチウムと反応させ、そして次にトリメチル
シリルフルオライドと反応させて、ビ
ス(トリメチルシリル)-シクロペンタジエンを得ることができる。この生成物
を次に三塩化ホウ素と反応させてトリメチルシリル-シクロペンタジエニル-ジク
ロロボラン(J.of Organometallic Chem(1979),169,327に類似)を得、これを最
終的にJ.of Organometallic Chem(1979),169,373に準じて、四塩化チタンと反応
させて、ジクロロボリルシクロペンタジエニル-チタニウムトリクロライドを得
る。この最後に述べた化合物は、すでに式(III)の化合物の原型である;さら
に最後に述べた化合物を、トリメチルアルミニウムと選択的に反応させて、ホウ
素原子に結合した2つの塩素原子をメチル基に置き換えて、さらに式(III)の
化合物を表すことができる。市販されているシクロペンタジエニル-タリウムを
、J.Am.Chem.Soc.(1983)105,3882およびOrganometallics(1982)1:1591に記載さ
れている方法に準じてクロロ-ジフェニルホスフィン、そしてさらにブチル−リ
チウムと反応させ、式(II)の化合物の原型を得ることができる。インデンを最
初にブチル−リチウムと反応させることによるジメチルスタンニル-ジフェニル
ホスフィン-インデンの形成は、すでに上に記載し、そして次にクロロジフェニ
ルホスフィンを用いた反応を、さらに例として述べる:さらなる反応は、最初に
再度ブチル−リチウムと反応させ、次にクロロトリブチルチンと反応させて、言
及した化合物を得、これをさらに四塩化ジルコニウムと反応させた後、式(IV)
の代表的化合物としてジフェニルホスフィノ-インデニル-ジルコニウムトリクロ
ライドを得る。そのような合成および製造法は、有機金属および有機元素化学の
分野の当業者には周知であり、そして多数の文献に報告されており、その幾つか
を例として上に与えている。
1モルのπ錯体化合物またはメタロセン化合物あたり101〜1012モル
のコモノマーを反応させる。このπ錯体化合物またはメタロセン化合物は、共触
媒と一緒に使用することができる。メタロセン化合物またはπ錯体化合物と共触
媒間の量の比率は、1モルのメタロセンπ錯体化合物あたり、1〜100,000モル
の共触媒である。共触媒とは例えば、アルミノキサン化合物を意味するものと理
解される。これらは式
式中、
Rは、C1−C20-アルキル、C6−C12-アリールまたはベンジルを表し、そして
nは2〜50の数、好ましくは10〜35の数を示す、
のものを意味すると考える。
種々のアルミノキサンの化合物の混合物、またはそれらの前駆体(アルミニウ
ム−アルキル)の混合物を、水(ガス状、液体、固体、または結合形態、例えば
結晶の水として)と組み合わせて使用することが可能である。水は、重合化媒質
、モノマーまたは支持体(シリカゲルのような)の(残余)水分として供給する
こともできる。
式(XI)のカギ括弧から出ている結合は、オリゴマー性アルミノキサンの末端
基として、R基またはAlR2基を含む。そのようなアルミノキサンは、原則と
して異なる鎖長の中からの幾つかの混合物として存在する。詳細な分析では、ア
ルミノキサンが環式またはケージ様構造を持つことも示された。アルミノキサン
は、市販されている化合物である。R=CH3の特別な場合では、メチルアルミ
ノキサン(MAO)と称す
る。
さらなる共触媒は、アルミニウム−アルキル、リチウム−アルキルまたはグリ
ニャール化合物のようなオルガノ−Mg化合物、あるいは部分加水分解された有
機ホウ素化合物である。好適な共触媒は、アルミノキサンである。
共触媒を用いた活性化、または嵩高い非−または弱く配位結合しているアニオ
ンの製造は、オートクレーブ中、または別個の反応容器(作動)中で行うことが
できる。この活性化は、重合化するモノマー(1つまたは複数)の存在または不
在中で行うことができる。活性化は、脂肪族または芳香族ハロゲン化溶媒または
沈殿防止剤中で行うことができる。
π錯体化合物またはメタロセン化合物およびアルミノキサンを、そのまま均質
な状態で、および個別の両方で、あるいは担体上ので非均質的状態で一緒に使用
することができる。ここで担体材料は、シリカゲル、Al2O3、MgCl2、NaCl、セル
ロース誘導体、澱粉およびポリマーのような無機または有機的性質であることが
できる。最初にπ錯体化合物またはメタロセン化合物を担体に適用し、および最
初にアルミノキサンを担体に適用し、そして次に他の特定の成分を適用する両方
が可能である。しかし、メタロセン化合物を均質または非均質状態でアルミノキ
サンを用いて活性化し、そして次に活性化メタロセン化合物を担体に適用するこ
とも可能である。
担体材料は、水含量またはOH基濃度を定めた値に調整するか、またはできる
かぎり低く保つために、好ましくは熱および/または化学薬剤により前処理され
る。化学的な前処理は、例えば担体とアルミニウム−アルキルとの反応を含んで
成る。無機担体は通常、使用前に100℃〜100
0℃に1〜100時間加熱する。そのような無機担体、特にシリカ(SiO2)の表面積
は、10から10OOm2/gの間、好ましくは100から800m2/gの間である。粒子径は、0.
1から500マイクロメーター(μ)の間、好ましくは10から200μの間である。
環式モノマーは、モノ−またはポリ環式であり、そして2つの式
式中、
mは、2〜10、好ましくは3〜6のの数を示し、
nは、0または1の数を示し、
oは、0、1、2または3の数を示し、そして
pは、0または1の数を示す、
の1つに該当し、式(XIV)において、2つの隣接するCH2基は-CH=CH-に置き
換えることができ、そして式(XV)においてラジカルR1a〜R 6aおよびR7〜
R20は互いに独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、直鎖もしくは分枝C1−C2 0
-アルキル、C3−C8-シクロアルキルまたはC6−C16-アリールを表し、ここ
でラジカル対R18/R19は、さらに二重結合または基-CHR21-CHR22-CHR23-、-CH
R21-CHR22-CHR23-CHR24-または-CHR21-CHR22-CHR23-CHR24-CHR25-の1つを示す
ことができ、式中、R21〜R25は水素またはC1−C4-アルキルであり、そして
ラジカル対
R17/R18は、さらに二重結合基=C(R26,R27)を表すことができ、式中、
R26およびR27は、C1−C4-アルキルであり、そしてR27は水素であることも
できる。
そのような環式モノマーは、1個以上、好ましくは1または2個の二重結合を
有し、そして既知であり、そして例えば欧州特許出願公開第610 852号、同第690
078号明細書および米国特許第5 567 777号明細書の方法で使用されている。
好適な式(XV)の環式モノマーは、式のものである。
例として与えられるそのような環式コモノマーの網羅的リストには、シクロブ
テン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘプテン
、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、ビシクロ-2-ヘプテン、ト
リシクロ-3-デセン、トリシクロ-3-ウンデセン、テトラシクロ-3-ドデセン、ペ
ンタシクロ-4-ペンタデセン、ペンタシクロペンタデカジエン、ペンタシクロ-3-
ペンタデセン、ペンタシクロ-4-ヘキサデセン、ペンタシクロ-3-ヘキサデセン、
ヘキサシクロ-4-ヘプタデゼン、ヘプタシクロ-5-エイコセン、ヘプタシクロ-4-
エイコセン、ヘ
プタシクロ-5-ヘンエイコセン、オクタシクロ-5-ドコセン、ノナシクロ-5-ペン
タコセン、ノナシクロ-6-ヘキサコセン、シクロペンタジエン/アセナフチレン
付加生成物、1,4-メタノ-1.4.4a.9a-テトラヒドロフルオレンおよび1,4-メタノ-
1.4.4a.5.10.10a-ヘキサヒドロアトラセン、例えばビシクロ[2,2,1]-ヘプテ-2-
エン(ノルボルネン)、ノルボルナジエン、5-メチル-ノルボルネン、6-メチル
ノルボルネン、5,6-ジメチル-ノルボルネン、1-メチル-ノルボルネン、5-イソブ
チル-ノルボルネン、7-メチル-ノルボルネン、トリシクロ[4,3,0,12'5]-3-デセ
ン、(5,6-トリメチレン-ノルボルネン)、トリシクロ[4,4,0,12'5]-3-ウンデセン
(5,6-テトラメチレン-ノルボルネン)、10-メチル-トリシクロ[4,4,0,12'5]-3-ウ
ンデセン、6-エチルビシクロ-[2.2.1]ヘプテ-2-エン、6-n-ブチルビシクロ-[2.2
.1]ヘプテ-2-エン、6-イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプテ-2-エン、2-メチルトリ
シクロ[4,3,0,12'5]-3-デセン、5-メチルトリシクロ[4,3,0,12'5]-3-デセン、ト
リシクロ-[4.3.0.12'5]-3-ウンデセン、トリシクロ-[4,3,0,12'5]-3,7-デカジエ
ン(ジシクロペンタジエン)、トリシクロ-[4,3,0,12'5]-3-デセン、テトラシクロ
[4,4,0,12'5,17'10]-3-ドデセン、8-メチル-テトラシクロ[4,4,0,12'5,17'10]-3
-ドデセン、8-シクロヘキシル-テトラシクロ[4,4,0,12'5,17'10]-3-ドデセン、8
-ステアリル-テトラシクロ[4,4,0,12'5,17'10]-3-ドデセン、テトラシクロ[4,4,
0,12'5,17'10]-3-ドデセンの5,10-ジメチル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、11
,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、9-イソブチル、11,12-ジメチル、8-エチリデ
ン-9-メチル、8-クロロ、8-ブロモまたは8-フルオロ誘導体、8-エチルテトラシ
クロ[4,4,0,12'5'7'10]-3-ドデセン、8-プロピルテトラシクロ[4,4,0,12'5,17'10
]-3-ドデセン、8-ブチルテト
ラシクロ[4,4,0,12'5,17'10]-3-ドデセン、8-イソブチル-テトラシクロ[4,4,0,12
'5,17'10]-3-ドデセン、8-ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデ
セン、8-メチル-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、9-エチ
ル-2,7-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、9-イソブチル-2
,7-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、9,11,12-トリメチル
テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、9-エチル-11,12-ジメチル-テト
ラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、9-イソブチル-11,12-ジメチル[4.4.0
.12'5.17'10]-3-ドデセン、5,8,9,10-テトラメチルシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3
-ドデセン、8-エチリデン-テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-エ
チリデン-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-エチリデン
-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-エチリデン-9-イソ
プロピルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-エチリデン-9-ブチル
-テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデンテトラシクロ
[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-メチルテトラシクロ[4.4
.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12
'5.17'10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-イソプロピルテトラシクロ[4.4.0
.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-ブチルテトラシクロ[4.4.0.12'5
.17'10]-3-ドデセン、8-イソプロピリデン-テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3
-ドデセン、8-イソプロピリデン-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-
ドデセン、8-イソ-プロピリデン-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-
ドデセン、8-イソプロピリデン-9-イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10
]-3-ドデセン、8-イソプロピリ
デン-9-ブチルテトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8,9-ジクロロテト
ラシクロ[4,4,0,12'5,17'10]-3-ドデセン、ペンタシクロ[6,5,1,13'6,02'709'13
]-4-ペンタデセン、ペンタシクロ[7,4,0,12'5,19'1208'13]-3-ペンタデセン、ペ
ンタシクロ[8,4,0,12'5,19'1208'13]-3-ヘキサデセン、1,3-ジメチルペンタシク
ロ[6.5.1.13'6.02'7.09'13]-4-ペンタデセン、1,6-ジメチル[6.5.1.13'6.02'7.09
'13]-4-ペンタデセン、1,4,15-ジメチル[6.5.1.13'6.02'7.09'13]-4-ペンタデ
セン、ペンタシクロ[7.4.0.12'5.19'12.0.8'13]-3-ペンタデセン、メチル-置換
ペンタシクロ[7.4.0.12'5.19'12.0.8'13]-3-ペンタデセン、ペンタシクロ[6.5.1
.13'602'7.0.8'13]-4-ペンタデセン、11-メチルペンタシクロ[8.4.0.12'5.19'12
.0.8'13]-3-ヘキサデセン、11-エチル[8.4.0.12'5.19'12.0.8'13]-3-ヘキサデセ
ン、10,11-ジメチル[8.4.0.12'5.19'12.0.8'13]-3-ヘキサデセン、ペンタシクロ
[6.6.1.13'6.02'7.0.9'14]-4-ヘキサデセン、1,3-ジメチルペンタシクロ[6.6.1.
13'6.02'7.0.9'14]-4-ヘキサデセン、15,16-ジメチルペンタシクロ[6,6,1,13'6,
02'7,0,9'14]-4-ヘキサデセン、ヘキサシクロ[6,6,1,13'6,110'13,02'7,0,9'14]
-ヘプタデセン、ヘプタシクロ[8,7,0,12'9,14'7,111'17,03'8.012'16]-5-エイコ
セン、ヘプタシクロ[8,8,0,14'7,111'18,113'16,03'8012'17]-5-ヘンエイコセン
、12-メチル-ヘキサシクロ[6.6.1.13'6.110'13.02'7.0.9'14]-4-ヘプタデセン、
12-エチルヘキサシクロ-[6.6.1.13'6.110'13.02'7.0.9'14]-4-ヘプタデセン、2-
イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13'6.110'13.02'7.0.9'14]-4-ヘプタデセン、1,
6,10-トリメチルヘキサシクロ-[6.6.1.13'6.110'13.02'7.0.9'14]-4-ヘプタデセ
ン、ヘプタシクロ-[8.7.0.13'6.110'17.112'15.02'7011'16]-4-エイコセンおよ
びそのジメチル-置換誘導体、
ヘプタシクロ-[8.8.0.14'7.111'18.113'16.03'8012'17]-5-ヘンエイコセンおよ
びそのトリメチル-置換誘導体、15-メチルヘプタシクロ[8.8.0.14'7.111'18.113
'16.03'8012'17]-5-ヘンエイコセン、5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプテ-2-エ
ン、5-メチル-5-フェニル-ビシクロ[2.2.]ヘプテ-2-エン、5-ベンジルビシクロ[
2.2.1]ヘプテ-2-エン、5-トリル-ビシクロ[2.2.]ヘプテ-2-エン、2-(エチルフ
ェニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプテ-2-エン、5-(イソプロピルフェニル)-ビシクロ
[2.2.1]ヘプテ-2-エン、5-ビフェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプテ-2-エン、5-(β-
ナフチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプテ-2-エン、5-(α-ナフチル)-ビシクロ[2.2.1]
ヘプテ-2-エン、5-(アントラセニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプテ-2-エン、5,6-ジフ
ェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプテ-2-エン、1,4-メタノ-1.4.4a.9a-テトラヒドロフ
ルオレン、1,4-メタノ-1.4.4a.5.10.10a-ヘキヒドロアントラセン、8-フェニル-
テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-メチル-8-フェニル-テトラシ
クロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-ベンジル-テトラシクロ[4.4.0.12'5.17
'10]-3-ドデセン、8-トリル-テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-(
エチルフェニル)-テトラシクロ-[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-(イソプロ
ピルフェニル)-テトラシクロ-[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8,9-ジフェニル
-テトラシクロ-[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-(ビフェニル)-テトラシクロ
-[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセン、8-(β-ナフチル)-テトラシクロ[4.4.0.12'5.
17'10]-3-ドデセン、8-(α-ナフチル)-テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデ
センおよび8-(アントラセニル)-テトラシクロ[4.4.0.12'5.17'10]-3-ドデセンを
含む。
好適なシクロオレフィンも、好ましくは分子あたり1ないし3回、ハ
ロゲン、-CF3、-N(C1-C8-アルキル)2、-CN、C1−C12-アルコキシまたはC1-C20-
アルキレン-COOC1-C20-アルキルにより置換されたものである。
シクロオレフィンは、非環式モノ-またはジオレフィン、アルキンおよび一酸
化炭素の存在中で重合することもできる。適当な非環式モノ-オレフィンには、C2
−C40-α-オレフィンおよびC4−C24-ジオレフィン、例えばエチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテ
ン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-
ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エ
チル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘ
キサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンおよびこれらα-オレフィンの混合
物、ならびに1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエ
ン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,6-および1,7-オクタジエン、1,8-
ノナジエン、1,9-デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,19-エイコジエンおよびこ
れらジオレフィンの混合物を含む。α-オレフィンおよびジオレフィンの混合物
も適当である。
そのようなオレフィンおよびジオレフィンは、例えばフェニル、置換フェニル
、ハロゲン、エステル化カルボキシル基または酸無水物基によりさらに置換され
ることができ:そのような種類の化合物は、例えばクロロプレン、スチレン、メ
チルスチレン、クロロスチレン、フルオロスチレン、インデン、4-ビニル-ビフ
ェニル、ビニル-フルオレン、ビニルアントラセン、メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート、ビニルシラン、トリメチルアリルシラン、ビニルクロライド
、ビニリデンクロライド、テトラフロオロエチレン、イソブチレン、ビニルカル
バゾー
ル、ビニルピロリドン、アクリロニトリル、ビニルエーテルおよびビニルエステ
ルである。例えばε-カプロラクトンまたはσ-バレロラクトンのようなラクトン
、ε-カプロラクタムのようなラクタムの開環重付加も、本発明に従いさらに可
能である。好適なモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オク
テン、1,5-ベサジエン、1,6-オクタジエン、メチルメタクリレート、ε-カプロ
ラクトン、σ-バレロラクトンおよびアセチレンである。
エチレンおよびプロピレンが好適である。
式(XIV)または(XV)の環式モノマーは、使用するすべてのコモノマーの
総モル数の1〜100%のモル比である。α-オレフィンは、使用するすべてのコモ
ノマーの総モル数の99−0%のモル比である。好適なシクロオレフィン対オレフ
ィンの量は、20:80モル%〜80:20モル%である。式(XIV)および式(XV)の
両方のシクロオレフィンを使用する場合、それらのモル比は、10:90モル%〜90:
10モル%である。
本発明の方法は、上記温度および圧力で、上記の種類の溶解性または不溶性触
媒を使用するか否かに応じて、ガス、バルク、液体またはスラリー相中で行う。
液相またはスラリー相は、コモノマーのみ(すなわち、さらに溶媒を必要としな
い)で形成することができる。溶媒を使用する場合も、このために可能な溶媒は
不活性溶媒、例えば脂肪族またはシクロ脂肪族炭化水素、ベンジンまたはディー
ゼル油留分(適当ならば水素化の後に)、トルエン、クロロベンゼン、o-ジクロ
ロベンゼンまたはクロロナフタレンである。低沸点の溶媒では、十分な反応圧を
かけることにより確実に液相を維持することができ:これらの関係は当業者には
周知である。ポリマーは沈殿するか、またはメタノールのような非−溶媒
により再沈殿させ、そして次に乾燥させることができる。
そのような(共)重合は、当業者には周知である。本発明のπ錯体化合物およ
びメタロセン化合物は、置換基を選択することにより、場合によっては担体に適
用される溶解性のπ錯体化合物またはメタロセン化合物として、ならびに不溶性
のπ錯体化合物またはメタロセン化合物として両方に製造できることが有利であ
る。溶解性のπ錯体化合物またはメタロセン化合物は、例えば溶液法のために使
用され;非均質なメタロセン化合物は、例えばガス相中で使用される。本発明に
従い、反応は1つ以上の反応槽または反応ゾーンを使用して、断続的に、または
好ましくは連続的に行うことができる。幾つかの反応槽または反応ゾーンの場合
には、異なる重合条件を確立することができる。
本発明に使用するπ錯体化合物は、特にメタロセン化合物が、供与体−受容体
架橋の故に、高活性であることに加えて、嘴のような2つのシクロペンタジエニ
ル骨格の定められた開口、制御された選択性、制御された分子量分布および均一
なコモノマーの取り込みが確実に可能となる。定められた嘴−様の開口の結果、
嵩高いモノマーのための空間もある。分子量分布の高い均一性は、挿入により起
こる均一および定められた部位(単一部位の触媒)での重合から可能となり、し
かも重合温度を選択することにより調整できる。
分子量分布は、材料の特定の特性プロフィールを確立するために、幾つかのD
/A触媒を同時に使用することにより制御する様式で改質(広げる)することが
できる。したがって、1種以上のD/A触媒を、D/A架橋を持たない他のメタ
ロセンと組み合わせて使用することも可能である。
このD/A構造は、高温で触媒をさらに安定化(extra-stabilizing)する効
果を有することができるので、触媒も高い温度範囲で使用することができる。供
与体−受容体結合の熱解離の可能性は可逆的であり、この自己−組織化プロセス
および自己-修復メカニズムの結果、特に高品質の触媒特性を導く。
本発明のD/Aπ錯体化合物、例えばD/Aメタロセン化合物の別の貴重な特
性は、自己活性化能であり、したがって高価な触媒を、特にジ
この場合、D/Aπ錯体化合物、例えばD/A−メタロセン化合物が開いた状
態の受容体原子Aは、は、xリガンドと例えばジアニオンの片側で結合し、両リ
オン性のメタロセン構造を形成し、そして遷移金属に正電荷を生じる一方、受容
体原子Aは負電荷を帯びる。そのような自己−活性化は、分子間または分子内で
あることができる。これはリガンドをキレートするための2つのXリガンドの好
適な結合例、すなわちブタジエンジイル誘導体により説明することができる: 遷移金属MとHまたは置換もしくは非置換Cとの間の結合する部位は(式の例
では未だに結合しているブタジエンジイルジアニオンの置換されたCが示されて
いるが)、重合のためのオレフィン挿入用の部位である。実施例
すべての反応は、厳しい嫌気条件下で、シュレンク法(Schlenk techniques)ま
たは高真空法を使用して行った。使用した溶媒は、乾燥し、そしてアルゴンで飽
和した。化学シフトは特定の標準に対してppmで表した:1H(テトラメチルシラ
ン)、13C(テトラメチルシラン)、31P(85%濃度H3PO4)、11B(三弗化ホウ素−
エテレート−18.1ppm)。負のサインはより高い場に対するシフトを示す。実施例1
(ビス-(トリメチルシリル)-シクロペンタジエン、化合物1)
14.7g(0.106モル)のトリメチルシリル-シクロペンタジエン(Flukaから得た)お
よび150mlのテトラヒドロフラン(THF)を、反応フラスコに導入し、そして0℃に
冷却した。47.4mlのブチル-リチウム溶液(2.3モルのn-ヘキサン中;全量0.109モ
ル)を20分間にわたって滴下した。添加が完了したとき、この黄色い溶液をさら
に1時間撹拌した;その後に、冷却浴を取り外した。溶液をさらに室温で1時間
撹拌し、そして−20℃に冷却した。14.8ml(0.117モル)のトリメチルシリルクロ
ライドを10分間にわたって滴下し、そして反応混合物を−10℃で2時間撹拌した
。その後、冷却浴を取り外し、そして反応溶液を室温に暖め、そして引き続きさ
らに1時間撹拌した。反応混合物をCeliteを通して濾過し;フィルターをヘキサ
ンで洗浄し、そしてヘキサンを合わせた濾液から真空で除去した。26℃にて0.4
ミリバールで蒸留し、粗生成物は19gの純粋生成物である化合物1を与えた(理
論値収量の85%)。沸点およびNMRデータは文献データに相当する(J.Organometa
llic Chem.29(1971),227;同30.(1971),C57;J.Am.Chem.Soc.102(1980),4429;J
.Gen.Chem.USSR,英語翻訳版43(1973);J.Chem.Soc.,Dalton Trans.1980,1156)。1
H-NMR(400MHz,C6D6):δ=6.74(m,2H),6.43(m,2H),-0.04(s,18H).
実施例2(トリメチルシリル-シクロペンタジエニル-ジクロロボラン、化合物2
)
16g(0.076モル)の化合物1を、ドライアイス冷却浴を備えた丸底フラスコに導
入した。8.9g(0.076モル)のBCl3を-78℃でシュレンク管中で凝縮し、そして丸底
フラスコに5分間にわたって滴下した。反応混合物をゆっくりと1時間にわたっ
て室温に暖め、そして次に55〜60℃でさらに
2時間維持した。すべての揮発性化合物を、真空で除去した(3mm Hg=4ミリバ
ール)。その後に39℃で0.012ミリバールで蒸留して、14.1gの化合物2を得た(
理論値収量の85%)。1H-NMRは文献データに相当し、そして多数の異性体が製
造された(J.Organometallic Chem.169(1979),327)。11B-NMR(64.2MHz,C6D6):
σ=+31.5。実施例3
(トリブチルスタンニル-ジメチルホスフィノ-インデン、化合物3)
150mlのエーテルを、5.5g(0.047モル)のインデンを含む丸底フラスコに導入し
た:混合物を-20℃に冷却した。20.8mlの2.3モルのブチル-リチウム溶液(ヘキサ
ン0.048モル中)をこの溶液に5分間にわたって加え、黄色い溶液が形成した。冷
却浴を取り除いた後、溶液を室温に暖め、そしで続いて1時間撹拌した。反応混
合物を−30℃に冷却し、4.6gのクロロジメチルホスフィン(0.048モル)(30mlのエ
ーテル中)を20分間にわたって加え、沈殿が形成した。−20℃で2時間撹拌した
後、20.8mlの2.3モルのブチル-リチウム溶液(ヘキサン中、0.048モル)を滴下し
た。添加が完了した時、冷却浴を取り外し、そして溶液をゆっくりと室温に暖め
、そして続いて1.5時間撹拌した。懸濁液を0℃に冷却した後、15.6gのクロロト
リブチルチン(0.048モル)を滴下した。形成した懸濁液を室温に暖め、そして1.5
時間撹拌した。エーテルを真空除去し、そして粗生成物を再度、ヘキサンに溶解
し、溶液を濾過し、そして濾液を真空で乾燥し、重質の黄色い油として残る17.4
gの化合物3(収率:78%)を得た。1
H NMR(400MHz,CD2Cl2)δ7.67(d,J=7.5Hz,1H),7.47(d,J=7.4Hz,1H),7.18(m,2H
),6.83(m,1H),4.28(Snサテライトを含むS,1H),1.43-0.78(m,33H),31P NMR(1
61.9MHz,CD2Cl2):δ-61.6ppm。実施例4
(ジメチルホスフィノ-インデニル-ジルコニウム トリクロライド、化 合物4
)
17.0gの化合物3の溶液(0.037モル)(50mlのトルエン中)を、8.5g(0.036モル)
の99.9純度のZrCl4懸濁液(200mlのトルエン中)に−78℃で加えた。添加が完了し
た時、反応混合物を−30℃で0.5時間、そして0℃で4時間撹拌した。形成した
黄色い沈殿を濾過し、そしてトルエンおよびヘキサンで洗浄した。固体を真空で
乾燥し、自由にながれる黄色い粉末として残る8.3gの化合物4(収率:61%)を得
た。この粉末は、還流下で3時間にわたり、30mm Hgで供給したトルエンで抽出
することにより、残る錫化合物を除去し、そして次にペンタンを用いてSoxhlet
抽出器中で2時間にわたり抽出することによりさらに精製して、7.2g(収率:53%
)の生成物が残った。この化合物は不安定であるため、1H NMRは得られなかった
。実施例5
(ジメチルホスフィノ-ジクロロボラニル-架橋化インデニル-シクロペン
タジエニル-ジルコニウム ジクロライド、化合物5)
30mlのトルエンおよび0.55gの化合物4(0.0015モル)を、シュレンク管に導入
した。0.31g(0.0014モル)の化合物2をこの懸濁液に5分間にわたって加えた。
黄色い懸濁液を室温で6.5時間撹拌し、わずかに曇った溶液が残った。沈殿を濾
過により除去し、淡黄色のトルエン溶液が残った。トルエンを真空除去した後、
生成物が白味がかった固体として残った。生成物をヘキサンで洗浄し、そして真
空で乾燥した後、化合物5が白色固体として残った。(0.54g:収率76%)。1
H NMR(400MHz,CD2Cl2)δ7.84(擬dd,J=7.4,Hz,1.0Hz,1H),7.60(m,2H),7.51(m,
1H),7.38(m,1H),6.93(m,1H),6.71(m,1H),6.66(m,1H),6.49(m,1H),6.30(br
s,1H),2.11(d JH-P=11.9Hz,3H),1.94(d,JH-P=11.9Hz,3H),31P NMR(161.9MHz
,CD2Cl2)-5.9(br,m);11B(80MHz,CD2Cl2)δ-14.6(br d,JB-P=126Hz)。実施例6
(エテン-ノルボルネン共重合)
54mlの乾燥酸素-フリートルエンおよびナトリウム上でアルゴン流中にで蒸留
した47g(0.5モル)のノルボルネンを最初に、真空で全体的に加熱したV4Aスチ
ールオートクレーブに導入し、そして6.6mlの10%MAO溶液(トルエン中、10ミリ
モル)を注入した。磁気芯で撹拌するオートクレーブを、70℃に6バールのエテ
ン下で加熱し、約15分後、共重合は圧力仕切りによる圧力下で、触媒を加えるこ
とにより開始した。室温で
15分間作業した後、使用した触媒は、1×10-6モルの[(ind)Me2PBCl2(Cp)ZrCl2]
(化合物5)(0.52mlのトルエン中)および1×10-4モルのMAO(6.6mlの10%MAO/ト
ルエン溶液であった。70℃で6バールのエテン下にて5時間の共重合後、混合物
をRTに冷却し、オートクレーブを落とし、そして透明で粘稠なポリマー溶液を、
ゆっくりと2リットルのアセトン中で撹拌した。沈殿した白色ポリマーを濾過し
、アセトンで洗浄し、そして撹拌により一晩、2リットルのエタノール中および
200mlの水性濃塩酸で抽出し、そして生成物を吸引フィルターにより濾過し、そ
してエタノールで洗浄した。これを一定の重量まで120℃で乾燥した。
ポリマー収量:16.5g
触媒活性:1モルの触媒あたり16.5トンのコポリマー
140℃でオルト-ジクロロベンゼン中の極限粘度[η]=0.70dl/g
コポリマー組成:o-ジクロロベンゼン中の13C-NMRから、50モル%のノルボルネ
ン、50モル%のエテン
DSC測定(第2加熱)は、融解ピークなしで、ガラス転移温度Tg=152℃の非晶
質コポリマーを示す。
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ドイツ連邦共和国デー―51375レーフエル
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ドイツ連邦共和国デー―63939ベルト・モ
ーツアルトリング9